○
柳田委員 その
方針でお進め願いたいと思います。
きょうの朝のラジオでも、
政府、自民党は、近く紀元節の復活をまた持ち出されるようでありますが、テレビの伝えるところでは、やはりそういうような
諮問機関をつくるという。これは初めから、たとえば、かりに二十名の
委員を選ぶならば、
政府のほうで大体その色分けはわかっておりますから、賛成の人を十四、五名選んでおいて、
反対の人も、枯れ木も山のにぎわいで多少交えて、そうして、いろいろ甲論乙駁があったがごとき形態をとって、いや、
審議会の
諮問に対する御
答申はかくかくのごとくでありました、こういう形をつくろうとするきらいが
多分にあるわけです。そこで、こういうような
諮問機関をつくるということは、実際私は
行政の
責任転嫁だと思う。明らかにこれに
反対の人ばかりを二十人なら二十人中過半数選ぶわけがない。だから、初めから答えはわかっておるわけです。そうして
官僚が大体
自分の水に入ったような人をあらかじめ
会長あるいは副
会長にきめておいて、そういうような
審議会が開かれるならば、
会長、副
会長はだれだれ、ひとつ御指名願うとかなんとかいうことで、これも初めから大体お経ができておるわけです。だから、
審議会、
諮問機関ができたときには、新聞のほうではちゃんとそれをキャッチして、
会長にはだれが就任する
予定だと初めから書いてある。
審議会の規則によると、
会長は
委員の中で互選するものとすると書いてあるが、互選でも何でもない。そういう形にしてどんどん既定の作業を進めていく、そういうことは私は
民主主義の冒涜だと思う。おやりになるのならば、むしろそういうことは
内閣の
責任でおやりになったほうが、
責任の帰趨がはっきりしていいと思う。そういう点は、私は今後御注意願いたいと思います。
もう
一つこの
委員会で問題になっておるのは、いわゆる役人が退職されるとき特に問題になるのは、
高級官僚が
天下り的に
自分の長い間の
行政と直接密接な
関連のあるところの会社の特に
指導的立場につく例がひんぴんとして多いのです。これは元来は年数が限られておるわけなんです。そうして特にこれは
人事院の
了承を求めて就職できることになっておる。ところが、最近この
参員会で問題になりましたのは、そういうような、特に支障がないと認めたというような
例外規定でどんどんおやりになっておる。それを見てみますと、大蔵省、通産省、農林省、運輸省、
建設省等は、非常におびただしい
官僚が次から次へ
天下り的に
自分と
関連したところのそういう
外郭団体に就職しておる。厚生省、文部省、外務省とかいうところは
りょうりょうたるものです。こういうところは、私は綱紀の粛正あるいは弛緩というようなものに非常に
関連があると思うのですが、それと同様のことが、
公団、
公社、
事業団にいわれると思うのです。
公社をつくったときには、日本の
官僚の非能率的といいますか、非生産的といいますか、非経営的というのですか、そういうことを防ぐ
意味において
公社とか
公団をつくって、広く
民間人を登用して、
官僚の持つ弊害をそこで是正しようというので
民間人をそこへ起用する、特にそういうような重要な
地位に起用する、こういう構想で、進駐軍の示唆もあってできたものです。したがって、
公団、
公社等のそういう上級の
地位の方の待遇というものは格段にいいわけです。そうしなければ
民間から優秀な人を簡抜してそこへ持っていけなかった。ところが、現状ではそうではない。
公団点公社、
事業団等はほとんどその
公団、
公社、
事業団等を所管する官庁の
高級官僚が
天下りにいくわけです。最近では、各省庁は、それぞれの
人事刷新、あるいは
ところてん式に次々と
次官、
局長級を勇退せしめては次をそこへ充てる。これは必要かもしれない。ところが、その
次官、
局長のいく
場所を先に早くきめておく。いく
場所がなくなってくると、今度は
公団、
公社、
事業団を製造する。そうしてそこにそれぞれ
自分たちの省のなわ張りをつくっていく。それは目に余るものがある。だから、この前の
内閣でも、
公団、
公社、
事業団等を今後新設しないということをきめられたやに聞いておりますが、
佐藤内閣になってから、それはどういう御
方針ですか。私は現在の
公団、
公社等は必ずしも
所期の
成果をあげていないと思う。これならばむしろ、何もそういう
公団、
公社形式をとらずして、
内閣が
内閣の
責任でおやりになったほうがもっとはっきりするのじゃないか。いっそのこと
公団、
公社をやらせるならば、もっと
民間人をほんとうに起用する。そうして
民間の優秀な人材をとって、
官僚的な運営にありがちな欠陥を是正していくということをやれるならばまた別です。ところが、そうでなしに、いたずらに
古手官僚のいこいの場、そういうような人のためにポストを設けるというきらいが
多分にあると思う。そういう
意味において、そういうようなものを今後ともお
つくりになるのか、もうそういうものは
原則としてお
つくりにならぬのか、その辺のことをひとつ……。