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穗積委員 時間がなくなって困りましたね。これは、八木
局長、さっき言ったように、四月二十九日で期限が切れているのですね。それで、私は、特にこれは緊急な問題として、きょうできれば円満に促進かつ解決を期待して
お尋ねをしておるわけだ。そこで、あなたの御
意見とここで論争するのが目的ではございませんから、取り扱いとして
お尋ねしたいのは、いままではなかったのです。他の学生にもないのですから。そして、一方において、学生として社会常識から見てあまり逸脱した者に対しては、
注意を与えるなり制限を加えるなりということはあり得ることです。それはこの
個人に限ったことではない。それから、いま
局長もおっしゃいましたけれども、これは国費留学生だけではなくて、どの人に対しても同じでしょう。同じであるべきだと私は思うのです。
日本に滞在しておるすべての外国人について、いまおっしゃる程度のことであれば、同様なんです。つまり、大学の自治という点から見れば、その学生は、さっき言ったような御
承知のようないきさつで、実は除籍されましたものが、検討した結果、大学
自身が
責任を持ってこれを再入学手続をとって、学生証まで発行しているのです。そうすれば、大学内における彼の生活、留学生としての身分については大学
自身がもう
責任を持っておるということです。そうであるなら、特別にこういう者に条件を、一人だけ過重の条件をつける必要はないわけでしょう。もしいま八木
局長の言われたような程度のことが政治活動の
内容であるとするならば、これは他の法律によって一般外国人、市民も同様に取り扱うことができるわけですから。そこで、私は提案をしたい。そうであるなら、大学で
責任を持ってもらう。多少問題のあった学生である、心配だから、本人のためにも、お互いのために大学で
責任を持ってもらうということで、千葉大学の留学生部長が保証人になる、あるいは、彼が止宿いたしておりますのは、私の兄も
関係いたしております
アジア学生文化会館、その
関係がありますので、その私生活のほうも見ながらということで、
穗積理事長の保証によって、特に気をつてけもらう、そこらが私は一番妥当ではないかと思うのです。こういうことを私は提案をいたしますから、その方法でひとつ
考えていただきたい。特に私が申したいのは、
ベトナム問題あるいは
マレーシアとインドネシアとの
関係等から見ましても、
アジア地域というものは政治的に非常に混乱しておる地域です。したがって、明治維新の書生が天下国家を論じ、われわれが昭和の初めの国際的不況当時に天下国家国際を論じ、そうして
意見を述べたということは、これは当然なことだ。そういう民族の理想なり
目標に対して無関心である学生なんというものは、ある意味ではこれは見込みのない学生ですよ、専門学部ではどんな勉強をしておろうと。あなたでもそうじゃないですか、お互いに。昭和十八年にかかったときには、学生は鉄砲を持って戦争にまで出ておるじゃないですか。それが当時としては正しいこととして認められた政治的要求です。学問と政治とは区別すべきものだという原理に立つなら、そういう必要はないわけだ。しかも、学問から見ても、
思想から見ても、当然なことだと思うのです。したがって、さっきの文部省の課せられましたことは非常に過当で、それのおそれが今年度からの留学生をいかに萎縮せしめ、非常な不安におとしいれているかという事実を私は
調査して持っております。それも時間があれば
注意しようと思ったけれども、それらはきょうの時間ではできませんから、他に譲って、これは政治的条件だけをはずして、そして、それにかわって、いまの
責任者の
日本政府に対する保証ということで、この問題は常識的にしかも円満に、
アジアの有力な国家としての
日本の
立場から
考えまして、そういうことを私は代案として具体的に提案をいたします。これをひとつお取り上げいただいて、再検討の中で今後
話し合いを続けていただくということを提案いたしますので、そのようにしてきょうのところはひとまずこの
委員会における問答は打ち切りにいたしたいと思いますが、私の提案に対して、できれば八木
局長から、検討をし、しかも
話し合いの用意があるという円満なお取り扱いの御回答があればありがたい。そうでなければ、われわれとしては他の方法によって、あくまでこれは不当だとわれわれ
考えますから、国内においてつまらぬけんかをしなければならぬ。特に私は敬愛する八木
局長とけんかするなんということは好きでないから、どうぞひとつ
理解あるお答えをいただきたいと思います。