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石野委員 それじゃ一問。
総理にまとめて聞きますから、ひとつメモしておいてください。
基本
条約の第四項は、これは
国連憲章の原則を指針とするということで、これは尊重するということを言っておるわけです。
国連憲章を尊重するということは、当然のこととして
相手国の主義
主張はどうであろうと平和に徹するということを言っておられますが、
日韓会談を進めていけば、
韓国との間に
日本は当然やはり
友好関係を進めていき、その
韓国に起きておることに対して
日本は積極的に協力するという体制をとるもの、こういうふうに私は
理解するわけです。その点で、特にベトナムに対する問題は、先ほど
黒田委員からもいろいろと
お尋ねしておりまするように、きわめて重大であります。この
日韓会談をわれわれが論ずる場合に、
日本の
佐藤総理が、いま
韓国がベトナム戦線で積極的な協力体制を持っておるということ、このことを無視することは非常に危険だと思うのでございます。私はその点では
佐藤総理に真剣にひとつ
考えてもらいたいと思います。それから、
総理もすでに御承知のように、マクナマラ国防長官は、ことしの二月十八日、米下院軍事
委員会においていろいろな報告をしておりますが、その報告のときに、ベトナム戦線についてはこのように言っておる。他の友好諸国に対して援助の規模を拡大するよう励ますべきである、この
戦いにいかに大きなものがかけられているかを
考えるとき、私は米国のとるべき道はこれ以外にないということ、こういうふうに言っております。こういう
段階が、御承知のように、昨年の六月二日の、いわゆるホノルル
会議におけるところの
段階的東南
アジア戦略ということになってきておる。これが
現実に北への爆撃になり、やはりガス使用ということにもなっておるわけです。それに対して
韓国はすでに二千名の派兵をしております。しかも、その二千名は、
アメリカのLST艦によって行なわれておるわけです。このLST艦には
日本人が乗り込んで、船長以下みな
日本人が乗り込んでおります。こういう形の中で、
政府は支持する支持しないにかかわらず、この作戦は完全に
日本と
韓国とベトナムとの共同作戦になっております。ただいま
日本に来ております李東元氏は、
アメリカで二個師団の増派ということを記者会見で明確に言っておるわけです。したがって、この二個師団の増派ということになってくれば、当然また
日本はこれに
関係を持たざるを得なくなるのです。いまや十七度線は三十八度線と緊密に
関係しておるわけです。そういうときに、(「独善だ」と呼者ぶあり)独善でも何でもない。これは事実ですから、こういう事実の中で、
日本は
日韓会談を進め、
韓国は北進滅共
統一ということを言っております。そうなってまいりますれば、この
統一の問題はとてもできるものじゃございませんし、また、それどころか、
日本はやはりベトナム戦線の中に巻き込まれていくことも言うまでもありません。私は、もし
佐藤総理にして平和に徹し自由に徹するならば、こういう危険なところにいまなぜ好きこのんで進んでいくのか、こういうことを私は尋ねたい。
韓国ではすでに反対の
勢力が盛り上がっております。積極的に
日韓会談をやめるべきだということをユン・ポソン氏を先頭にして積極的に盛り上がっておる。それから、もう
一つは、在日
朝鮮人の中で、従来、北の
朝鮮を支持しておる諸君は、これは
日韓会談の反対を積極的にやっておりました。しかし、民団側の諸君は、これに対する反対の姿勢をあまり積極的に示していなかったと思うのです。しかし、本年に入りましてから、特に今月の九日、十日、十一日というものは、李東元氏が
日本に来たときに、在日大韓民団の学生青年諸君は、大挙して李東元に対していろいろな要求をしており、また
日韓会談反対の意思表示をしておるわけでございます。そういうことを
総理は知ってか知らないでか、こういう中で
日韓会談を急激に進めるということは、上部
段階におけるところの話し合いは進めるけれ
ども、いわゆる下部におけるところの
朝鮮人民と
日本の人民の反対を無視してやることでありまして、百年の計を誤る。私は、
総理に、そういう問題についてもっともっと真剣に
日本の将来というものを
考えてもらいたい、ということが
一つ。
もう
一つお聞きします。