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1965-03-23 第48回国会 衆議院 運輸委員会 第15号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年三月二十三日(火曜日)    午前十時十八分開議  出席委員    委員長 長谷川 峻君    理事 大西 正男君 理事 進藤 一馬君    理事 關谷 勝利君 理事 田邉 國男君    理事 山田 彌一君 理事 久保 三郎君    理事 肥田 次郎君 理事 矢尾喜三郎君       有田 喜一君    浦野 幸男君       小渕 恵三君    佐々木義武君       壽原 正一君    田澤 吉郎君       田中 彰治君    塚原 俊郎君       西村 英一君    小川 三男君       泊谷 裕夫君    野間千代三君       山口丈太郎君    内海  清君       竹谷源太郎君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 松浦周太郎君  出席政府委員         運輸政務次官  大久保武雄君         運輸事務官         (大臣官房長) 堀  武夫君         運輸事務官         (鉄道監督局         長)      佐藤 光夫君  委員外出席者         日本国有鉄道総         裁       石田 礼助君         日本国有鉄道常         務理事     豊原廉次郎君         専  門  員 小西 真一君     ――――――――――――― 三月二十二日  臨時行政調査会答申における運輸行政に関す  る請願(灘尾弘吉君紹介)(第一八六六号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  鉄道敷設法の一部を改正する法律案内閣提出  第一三号)(参議院送付)  日本国有鉄道法の一部を改正する法律案内閣  提出第一〇六号)      ――――◇―――――
  2. 長谷川峻

    長谷川委員長 これより会議を開きます。  鉄道敷設法の一部を改正する法律案、及び、日本国有鉄道法の一部を改正する法律案一括議題とし、審査を行ないます。  質疑の通告がありますので、これを許します。泊谷裕夫君。
  3. 泊谷裕夫

    泊谷委員 鉄道敷設法に関連してお尋ねをしたいと思うのでありますが、これから申し上げる問題は、実は運輸大臣綾部さん時代の問題でありまして、昨年の十月二日の当委員会に問題が提起されて、いまだその詳細が明らかにならないままに推移している問題についてお尋ねしたいと思います。  時間の関係がありますので、最初手続上の問題を、内容を抜きで、具体的な事実だけをお尋ねしたいと思いますので、お答えいただくほうもそのつもりでお願いをしたいと思います。  昨年の三月二十三日に日本鉄道建設公団が設立されたのでありますけれども日本鉄道建設公団法第二十条の基本計画を、昨年何月何日に運輸大臣から公団提出されたか、その分を明らかにしていただきたいと思います。
  4. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 昨年の四月二十二日でございます。
  5. 泊谷裕夫

    泊谷委員 公団法二十一条の工事実施計画はいつ運輸大臣提出をされましたか。
  6. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 まだ追分線については出ておりません。
  7. 泊谷裕夫

    泊谷委員 そうだとしますと、公団法第二十六条の運輸大臣認可は終わっていないわけですね。昨年のですよ。
  8. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 したがってまだ終わっておりません。
  9. 泊谷裕夫

    泊谷委員 そうしますと、公団法第二十一条並びに二十六条の国鉄公団の協議はととのっていないということですか。
  10. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 そのとおりでございます。
  11. 泊谷裕夫

    泊谷委員 次に、公団法施行規則第二条の一切の書類は、運輸大臣手元に届いておりますか。
  12. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 公団法施行規則第二条は実施計画関係書類でございますが、先ほど申し上げましたように、まだ認可がしてありませんと申し上げましたが、まだ書類も全部出ておりません。
  13. 泊谷裕夫

    泊谷委員 政務次官大久保さんにお尋ねいたしますが、本建設公団が昨年三月二十三日に発足したのでありますけれども全国で四十八線の調査線全部を六月十日の第四十回鉄道建設審議会に付託をいたしまして、小委員会慎重討議を願って、六月の二十五日に答申をなされておるのでありますけれども、この事実をお認めになりますか。
  14. 大久保武雄

  15. 泊谷裕夫

    泊谷委員 それでは手続上のことについては以上で一応終わりにいたしますが、実はこれから申し上げようとするのは、往年石狩-十勝連絡線と言っておりまして、その後三分割をいたしました広分線の始発駅の問題についてお尋ねをしたいと思うのであります。  去年の十月二日の当委員会における佐藤鉄監局長答弁によりますと、三月二十五日並びに二十六日の審議会できまったというお話でありますが、いまお聞きのとおり、基本計画についても公団側から何らの連絡もなしに、往年広島千歳変更になったという法的根拠をどこにお求めになるか、それを明らかにしていただきたいと思うのです。
  16. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 先ほど御説明申し上げましたのは実施計画でございまして、先生承知のように、基本計画については、建設審議会答申を経て公団指示をいたしておるわけでございますが、その基本計画内容といたしましては、千歳-追分間の建設ということを指示しておるわけでございます。
  17. 泊谷裕夫

    泊谷委員 これからお尋ねするのは、事務的なものは事務的なものとしてお尋ねいたしますし、本来鉄道建設審議会で取り扱うべきものはその問題としてお答えをいただきたいと思うのであります。ちょっと事情を申し上げておきたいと思いますが、再三申し上げておりますように、昨年の三月二十三日、鉄道建設公団発足をしたのです。二十五、二十六日と建設審議会が開かれました。これは三十八回、三十九回と呼んでおります。だがこれに参加いたしました自民党社会党から出ております委員皆さんは、公団設置に伴う儀礼的な会議であって、具体的な調査線着工線内容について審議を試みられたものがない、こういうふうに言われておることは昨年の十月二日の運輸委員会でも明らかにしたところであります。全体的な相談は、六月の十日に始まりました第四十回の建設審議会に四十八線を全部並べまして検討していただいて、自民党から派遣されております三木さんが小委員長になられて、この問題に対する答申を行なったのであります。いま鉄監局長の言われるように、三月二十六日にきまったということについて、六月十日、審議会に参加しております矢尾委員のほうから鋭く追及されまして、小委員長三木さんも、いまの労働大臣になっております石田さんも、それではまずいということで修正をされた事実があるわけでありますが、なぜ従来の広島千歳変更するならば、今回の敷設法に開通して同じような変更手続を当委員会に求めようとしないのか、その事情政務次官からお答えいただきたいと思います。
  18. 大久保武雄

    大久保政府委員 御指摘のように、広島-追分間ということになっておったのでございますけれども広島から千歳に通ずる線路がでございますので、千歳-追分連絡して、広島-千歳-追分間の連絡ルートということにつきましては、種々検討いたしてみたわけでございますけれども広島-千歳-追分というルートをつくりましたほうが、種々な経済効果その他から申しまして将来路線の効率があがるのではなかろうか、かような考えからいたしまして、広島-追分ではございますが、そこに千歳をはさむ、かようにいたした次第でございます。
  19. 泊谷裕夫

    泊谷委員 政務次官、三月二十六日の審議会変更になったと十月二日の委員会鉄監局長オウム返し答弁されるのでありますけれども、本来法律的な手続を見ますと、恐縮でありますが、鉄監局長の意思というものは、鉄道建設審議会規則の中で、庶務を担当するのみになっておりまして、ほかの新設線の問題に関する建議その他は委員でなければできないことになっております。ただ許されておるのは、鉄道敷設法第九条、議決の方法で、「関係行政機関職員ハ日本国有鉄道ノ役員若ハ職員ハ審議会求アリタル場合ニ於テハ資料提出意見ノ陳述又ハ説明ヲ為スヘシ」こういうふうに規定されておりまして、すべてこの諮問は、運輸大臣書面を出して諮問しなければならぬことになっておるのでありますが、三月二十六日書面提示はありません。六月十日書面提示があって問題になったものを一方的に実施するということはどういうことでありましょうか。
  20. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 ちょっと手続的な御説明を申し上げますが、三月二十五日に、運輸大臣から鉄道建設審議会会長に対して、日本鉄道建設公団法第二十条第一項の規定により左の事項諮問するという諮問内容で、日本鉄道建設公団発足にあたり、さしあたり定むべき基本計画についてという基本計画の御諮問を申し上げておるわけであります。それに対しまして、三月二十六日付で、鉄道建設審議会長から運輸大臣に対しまして、諮問事項に対する答申ということで日本鉄道建設公団指示する基本計画は別紙のとおりとするを適当と認めるということで、その内容といたしまして、先ほど申し上げましたように、追分線につきましては、起点千歳市、終点北海道勇払追分町という御答申をいただきまして、その御答申に基づきまして、運輸大臣から四月二十八日に基本計画指示がございましたということに相なっておるわけでございます。
  21. 泊谷裕夫

    泊谷委員 公団法二十条二項に基づいて、大臣鉄道建設審議会諮問をすることが要件になっていますね、鉄監局長。なぜ書面でお出しにならなかったのですか。書面での提出は、法律要件として付与されております。  あわせてもう一つお答えを願いたいのですが、昭和三十七年三月二十九日の建設審議会審議をしました決定の際に、先日の委員会でも明らかになりましたけれども矢尾委員のほうから特に要請がありまして、その内容を、各委員に一週間ないし十日前に連絡をすることを当時の岡本鉄監局長が約束しておるはずであります。確認されておるはずであります。三十七年三月二十九日以降初めての審議会でありましょう。書類提示もなしに、しかも事前に一週間ないし十日、日にちをおいて委員に通知しなければならぬことをなぜおやりにならなかったのでありましょう。ただここで四十八もある線の中で、ここだけ変更するという提案も、実は聞いた委員がいまだ私の調べるところでは一人もないわけです。むしろ六月十日の四十回の建設審議会で、広島千歳変更になってきたことに、これはおかしいじゃないかという矢尾委員発言がありまして、小委員長であった三木さんも、それから石田さんも、これはひどい、これじゃ話にならないじゃないかという意見開陳があったということは、この委員会で、昨年の十月二日、当時の委員であります矢尾さんから、その全貌が明らかにされておるのであります。なぜ書面事前連絡をしなかったのか、その事情を明らかにしてください。
  22. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 油谷先生お話のうちで、諮問につきましては三月二十五日鉄諮第六十五号という書面を正式に審議会あてに差し出しております。それからただその後の建設審議会で、審議会委員である矢尾先生から、その当時の経緯について、小委員会でいろいろ詳細なお尋ねがありましたことは、先生お話しのとおりでございまして、それに対しまして、当時の鉄道監督局長から、説明が十分でなかったということのおわびを申し上げております。その小委員会の結末といたしましては、今後そういう場合には十分注意をしろというようなことで、われわれとしてはたいへんわれわれの手続の不備をおわびを申し上げますとともに御了承をいただいたものというふうに考えておる次第でございます。
  23. 泊谷裕夫

    泊谷委員 これは政務次官お答えをいただきたいと思うのですが、十月二日に私のほうの先輩の久保委員から特に発言を求めておりますが、敷設法、それから大臣公団との関係において、数多い制約があるわけです。従来調査線になりまして、調査が完了してそれから着工線工事線、こういう手順を踏んできまして、最終的にそれが予算がつけられて建設にとりかかる、こういう手順を踏んできたものであります。であるだけに、運輸大臣がそれを変更しようとする場合、必ず審議会意見を求めなければならない。その審議会意見に基づいて、公団基本計画提示し、公団はそれに工事計画を出して、関連あるところの調整を終わり、さらに運輸大臣認可を経なければならぬというほどの拘束をしておるのであります。矢尾先生発言そのままをここでもう一度申し上げてみますと、敷設法、特に敷設法別表運輸大臣関係運輸大臣権限として、公団基本計画を明示する権限に関し、われわれ立法府というか、そういう審議に当たる者としては、はなはだ不明朗きわまりないし、われわれのきめたことも小手先でどんどんじゅうりんされていくというのでは、納得できない。基本計画の中でちょこちょこっと書いてやれば、それでそっちへ行ってしまうということであれば、敷設法は廃止したほうがいい。立法府にいる者として、断じてうまくないと思う。こういう発言があったのでありますが、これは回答なしに終わっております。政務次官としてどうお考えであるか、この際御見解を明らかにしていただきたいと思います。
  24. 大久保武雄

    大久保政府委員 御説のように、基本計画に定められましたものは、これは守っていくべき筋合いだと考えております。  そこで、ただいま御設例のございました広島-追分線につきましては、広島-千歳-追分、かような線路の設定に相なるわけでございますが、千歳-追分間をここに建設するにいたしましても、やはり千歳-広島間が、線路もございますので、広島-追分という線が千歳を経由してできる、かようなことにも相なる次第でございますので、おおむね基本計画の線を実施いたしておる、かようにひとつ御了承いただきたいと思う次第でございます。
  25. 泊谷裕夫

    泊谷委員 政務次官、これは最近いただいたあなた方から出された今度の審議に対する資料です。これは全部の線を書いて、六月十日小委員会に落として、三木さんの手元審議をして出したものです。そうして、今度法案に出されたものをごらんください。いまあなたのおっしゃるように、改正しようというものはわざわざ別表までつけて出しているのです。同じ北陸本線上の「塩津」を「沓掛附近」に変更すること、同じ東海道線上の「浜大津」を「山科」に変えること、これも当委員会議決を得るために提示しておるものです。きょう昼前にまとめようとして提案してきておるものはこういうものなんです。私がこの前十月二日のときに問題にしておるのは、前から断わっているように、これは当該地方から頼まれてやっているのではない。ここの村は二千人ぐらいしかいません。千歳のほうは二万人も有権者がおるのですから、同じ代議士であれば、こっちのほうに肩を持ったほうがいいことはわかっているのです。ただこの取り扱いが解せないからということについて問題を提起しているのであって、運輸委員会国政調査北海道に参りましたときに提示された問題であるだけに、これは慎重に事を処理してもらわなければいけないと思うのです。  ところで、いまよく言われます。次官も言われましたけれども、通過ということばがありますが、もう一度この当該線区鉄道敷設法別表を読んでみてもらいたいと思うのです。この別表には百三十七が該出するのであります。「石狩国白石ヨリ胆振国広島経テ追分ニ至ル鉄道及広島ヨリ分岐シテ苫小牧ニ至ル鉄道」そして次の条項には「芦別」というのがあります。北海道狩勝のようなひどい難工事のようなところは何々付近としてありますけれども、これはきちっと敷設法できめられているものであります。そこでちょっとこちらを見てください。これがそこの原図です。黒い線はいまの国鉄が走っている線です。白石とはこのことです。白石-苫小牧敷設法できめているのは、ここから出てきて、広島を経由して追分に入る、追分分岐点として苫小牧に入る、こういうことを指示しているのです。これは昔社線でありましたのを国鉄で買収しましたから、だからこの始発が白石というのは、札幌、苫小牧は問題がないわけです。この地点における広島千歳の位置は単なるジャンクションを変えたということにならないのであります。特に、問題はここにこれだけの演習地を持っておりまして、いま二百四十という牽引力のあります日本で一番強い線路、この線路沿いに、演習地南岸沿いに走ってきて、トンネルまで掘って室蘭線に結ばなければならぬというその理屈がわからないわけであります。しかもそのことが、ほかの四十八線は十日間もかけて審議をさしているのに、ここの部分だけ、お祝い騒ぎしているときに、単に相談を持ちかけて変更したという言い方は、これは適切でないと私は思うのでありますが、次官、いかがなものでしょうか。
  26. 大久保武雄

    大久保政府委員 若干疑義をお持ちいただくような措置になりましたことはまことに遺憾でございますが、先ほど来お答え申し上げておりますように、広島から千歳線路がございますので、千歳-追分、かような線を設定いたしますことが、いまも泊谷委員からも御発言がございました千歳の今日における飛行場その他非常な発展をしておる経済的な一つ地域的中心ということと、そのさきにつながっております紅葉山狩勝線と関連いたしまして、重要な一つ線路に相なる次第でもございますから、この際将来のこともおもんばかりまして、広島というものはその線上にございますので、広島-千歳-追分ということによって経済効果を生かしていきたい、かような存念からいたした次第でありますから、どうぞひとつ御了承いただきたいと存ずる次第でございます。
  27. 泊谷裕夫

    泊谷委員 話は混乱してはいけないから、手続上の問題のことを話して、政治論的にどうであるか、実際そこに敷こうとした本旨がどこにあるかはこれから聞かしていただきたい。十月二日の委員会では、私のほうでは注文すべきものは全部注文したが、いまだにその事情を明らかにされておりません。  そこでいま次官のおっしゃられるように、それにするならばするような手続が必要でありましょう。調査線にあげて調査をすることが建設審議会で許されて、初めて調査が開始されるものでありましょう。いま言ったように、公団から工事計画も来てないのに、一千万の調査費が八月の四日、五日でありましょう、衆議院の国政調査班が行ったときに、現地の鉄道は「広島」になっており、公団のほうは「千歳」が一千万の予算がついて調査をしておるという事実は何です。これは審議会にも何にもならないじゃないですか。鉄監局長のほうで口頭で出されたということで済むならば、私どもは本来敷設法審議する必要はありませんでしょう。そこの部分を、なぜこうまでしなければならぬのですかということを私は聞きたいのです。  なおこれは千歳市の総合経済計画書です。三十八年の十二月に出たものです。当該市では、すでにこの建設線がきまった、一日も早く着工線にしたいということを、わざわざ五十五ページに書いております。こういうことが許されていいのかどうかという問題で、適切でなかったことだけは事実だとお認めになっていただきたいと思うのです。いかがですか。
  28. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 ちょっと手続上の御説明を申し上げておかなければならないと思いますが、本線につきましては、すでに公団発足前、すなわち昭和三十四年十一月九日の建設審議会から着工線としての建議をいただいておるわけでございます。したがいまして、着工に必要な諸手続がその後進んでおったということでございまして、その建議内容としては、先ほど来お話がございましたように、石狩-十勝連絡線敷設法別表先ほど泊谷委員お話しのような表現であるわけでございますが、建設審議会としてはこれを組み合わせまして、石狩-十勝連絡線北広島-追分間、紅葉山-金山間右左府-御影附近間)というような結び方をされておるわけでございます。なおこの線につきまして、十月二日の当委員会においても御説明を申し上げましたが、その後公団発足に伴ってさらにあらためて基本計画について建設審議会に御諮問をし。建設審議会から正式に、先ほど申し上げておる内容の御答申をいただいて、それをまた公団に正式に指示した、つまり手続的には公団法実施に伴う手続をとったわけでございますが、その前からすでに工事線として必要な手続を進めておった。ただ、先ほど御質疑の中にありました、しからばそれに必要な計画がまだ出てきてないではないか、これは御承知のように施行規則二条の非常に詳細な具体的な設計に相なるわけでございまして、その手続はまだ出てきてない、しかし必要な調査等を進めておるということでございます。
  29. 泊谷裕夫

    泊谷委員 局長、私のほうが少し気負い込んでおるのかもしれないが、いまの説明を聞いておりましても、最初から最後まで聞いておると、何か手続は十分やられたように聞こえるのです。ところが、あなた、一言、やはり事実と相違したことはいえない部分がある。三十九年の暮れですか、建設審議会にかけた。かけたことは私も否定しない。だが、そのとき、北広島でしょう。千歳ではないでしょう。北広島となっていて、私ども公団法審議の際、運輸省からいただきました全国四十八線の線も、三月中旬に出された資料北広島になっておる。だからいま問題は、北広島から千歳に変える。なぜ変えたか、その手続がいつなのかということが問題になってくるわけであります。しかもそれがあなたのほうで口頭であれ、書面であれ、出したわけです。委員皆さん鉄道公団ができたからお祝いということで集まったつもりなんです。かりに、それをやったとすれば、六月十日に全部の相談を持ちかけてなぜ広島千歳に変えたか、しかも矢尾委員から鋭く追及されて小委員長三木さんも石田さんもこれはまずい、こういうことに六月十日の第四十回の建設審議会意見交換があったのに、なおかつ千歳に固執しなければならぬ事情がどこにあるかということを聞いておるのです。
  30. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 私の説明が非常に足りないかもしれませんが、お話しのように公団発足当初のもので相当実態的に十分に審議を尽くさなかったのではないかというような御趣旨の御質疑のように思いますが、手続といたしましては、正式に書面をもって御諮問し、回答として基本計画はこうあるのが適当であるということで、千歳-追分という御答申をいただいておるということでございます。その後の審議会小委員会でそのときのいろいろな手続について御質疑が出て、当時の鉄道監督局長説明が非常に舌足らずで申しわけがたかったということでおわびを申し上げておるということとわれわれは了解しております。
  31. 泊谷裕夫

    泊谷委員 佐藤さん、あなたにさっきから申しておるように、十月十日に矢尾委員から発言があって、問題が提起されておったわけですね。参加する委員皆さんになってみてください。三木さん、石田さん、あるいは藤山さんと、党の元老級の人が出て、全国四十八線がどこからどこにどう振るかというようなことが実態としてわかりますか、だから一週間か十日前にあらかじめ御連絡をしてもらって、技術的に困難でこうなるのか、当該行政機関で話し合いをしてこうなるのか、それなら問題点はないというときに初めて委員が同意を与えるものでありましょう。前の委員会で約束されておる事前通知なしに、いま公団ができたというお祭り気分のときに、あなた方がそこで了解を得たという旨い方は、私も含めてここにおいでの委員皆さんは何としても釈然としないでしょう。しかもそのあと全面的に出てきた書類を見て、これはおかしいということが委員から提起されて、政治論でないですよ、社会党矢尾先生が提起したかもしれませんが、自民党三木さんも石田さんもそれはおかしいとおっしゃられておるのに、なおかつこれを千歳だと押し切らなければならない事情はどこにあるのかということを聞いておるのです。
  32. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 問題は十月の委員でも御答弁がございましたが、手続的にはわれわれとしては一応非常に御説明が足りなかったと思いますが、手続はとったと思っておるわけであります。お尋ねがなぜ実態的に千歳を経由する必要があったかということでございましたならば、やはり千歳を非常に重要なポイントの一つとして考えなければいかぬ問題が確かに御指摘のようにあったわけでございます。  一応いまからこういうことを申し上げるとなんでございますが、当初の線を決定いたしましたあとで、地元へもいろいろお話があったことは、われわれは承知しております。しかし、結果においてはこういうことで、千歳を非常に重要なポイントとして考えるということで、基本計画においては工事を具体的に実施する線を千歳-追分ということで御了承いただいた、これは説明が足りなかった点はあったのでございますが、そういうことに相なっておるというふうに考えておるわけでございます。
  33. 矢尾喜三郎

    矢尾委員 ちょっと関連。――いま泊谷委員からいろいろ御質問がございましたが、私は現在も鉄道建設審議会委員でございまして、この問題につきましては運輸当局も御承知のとおり、この線が着工線になりましたのは、昭和三十四年十一月九日の審議会において建議されました。その建議は、石狩-十勝連絡線、いま鉄監局長が言われたような順序で、北広島-追分間、紅葉山-金山間、右左府-御影付近間、こういうことになっておるのです。そうしたところが、私が審議会におきまして不審に思いましたことは、そのずっと前、三十四年以来審議会が開かれるたびに、予定線、調査線着工線と色分けをして、いわゆる着工線は赤の太いやつで、そして調査線は青の太いやつ、予定線は赤の細いやつ、予定線は大体百七、八十あると思いますが、そのうちの着工線というのはごく少なかったのでございます。しかし、その他図をずっと見ておりますると、いずれの地図も、最終の地図の直前までは北広島から追分のところに赤い筋があった。その前会もそうなんです。そしてその次に開かれたときには、もう北広島というのは地図の中から消えてしまっておる。字も消えてしまっておる。北広島を敬遠してしまって、千歳追分に赤い線が、着工線という筋が引いてあるのです。こう引いてあったのがこうなっておる。それでぼくは、その新旧両方の地図を出して、当時の小委員長自民党三木さん、それから石田博英君に見せまして、こういう  ことだが、これはどうなんだと言ったところが、証拠を突きつけられて、そう責められてはしようがないじゃないか、こういうのがその小委員会におきましての石田君の話だったんです。  御承知のとおり、現在全国的に百七、八十ある予定線から調査線、そして着工線になるまでのいきさつというものは、やはり長い時期になりますると十年、十五年、二十年という、その間顧みられないような線もたくさんあるのです。その線も三十四年の十一月に決定いたしまして、そして一日も早く着工されるということを待っておりましたところが、線路変更されておる。この順序はいま申し上げましたように、予定線から調査線、そうして君工線ということになるのが順序なんです。しかし、公団発足したときに、この委員会において、結局公団は一体何をやるんだ、公団を設立するという趣旨はわかるが、公団は何をやるのだ、こう言うたときにおいて、運輸当局がこの委員会資料を次のときに出された。その出されたやつが、今までの調査線着工線との四十八線ですか、これを工事をやるのでございます。これが基本計画でございますというて出されたのです。その出された基本計画の中には、やはりいま油谷君が言いましたように、石狩-十勝連絡線北広島-追分という線が委員会においてもずっと入っておったのです。  話があと先になりますけれども、その三回か四回ほど前の審議会におきましても、こういうことを発言いたしました。九州の果てから北海道の果てまで、ここへ鉄道を敷くんだ、これを調査するんだ、こういうて出されても、鹿児島に住んでおる人が北海道の果てのことがわかるはずがない。審議会委員も、全国的に調査するのではなしに、その日に書類を出されてめくらめっぽうこれを敷くんだ、こういうようなインチキ審議会なら、もう審議会の必要がない。これはやらぬほうがいいということで私は意見を出しまして、少なくとも委員に対しては一週間、五日前ぐらいに、今度こういうところにこういう線を敷くんだ、ここを調査するんだ、こういうような資料というものを出してもらいたいという強い要求をしておいたのでございます。そうしたところが、公団ができたときに、基本計画もなくして公団をこしらえて何をやるんだと言われたので、運輸省としては、調査線着工線を謄写して、これをやるんだ、こういうて出された。そうして審議会におきましても、やはりそのとおり言われる。その審議会のときに出されたのは、いまの北広島-追分が、追分千歳というように変わってしまった。  それでこの前も、私、去年の夏に北海道国政調査に行きましたときも聞きましたら、国鉄資料にはやはりこのとおり北広島-追分間ということになっております。公団から出してきた資料によりますると、追分千歳間ということになっておったのです。聞いてみたけれども、出先の局長も一向わからぬ、本省からこういうように来ておるからこれこれだと説明しておる。これから北海道はこういう建設をやりますというので、公団のほうでは一千万円も予算をかけて調査しています。調査するということは簡単に考えられておりますけれども全国的に百数十ある中から調査線まであがってくるというのは年にいままで五つか六つ、その中からまた着工線というものが選ばれておるのでございまして、その段階を経てもう全国的な猛烈な運動をやっています。  その中にこの追分千歳間というものが、いす泊谷君が申されましたように、鉄監局長答弁によりますると、経済的な事情というものを考えてこれを変更したように言われておるのでございますが、経済的な事情は経済的な事情法律法律なんです。厳然としてある法律というものは、やはりその法律に従っていかなければならぬ。やはり予定線から調査線、そして着工線、こういくということが私は法律の示すほんとうの順序ではないか、こう考えるのでありまして、その公団ができたときに、基本計画を出さなければ審議できぬじゃないかと言われたので、急に印刷して出した。そのどさくさまぎれに、その四十八の中に追分千歳間のやっと北広島-追分間のやつが早くいえばすりかえたというような――すりかえたと言うと、ことばは悪いけれども、黙って、順序も経ずして、法律を無視したような状態においてやられた。  本日ここに提案されておりまするこの問題については、今度の建設される線の起点の駅の変更なんです。変更のために二カ所の、関東と関西におけるところの二線の起点の変更の案が今度ここにいま出されておるのです。そうしたならば、ほんとうに法律的にいうならば、また経済的な効果というものがあるというならば、私は、この案と一緒にこの委員会に同時に出されるということにして、そうしてここにおいて詳細な説明をされるならば納得されると思うのですけれども、その追分千歳間の線というものは、何もせぬのでどさくさまぎれに――ほかの人も、自民党から審議会に出ておられた藤山さんにしたかて、三木さんにしたかて、石田さんにしたかてわからぬと思うのです。私も追分がどっちを向いておるか、千歳がどっちを向いておるか、地図を見てやっているだけでわからぬのです。経済的効果がどうということはわかりませんので、そういうような点において運輸当局において失態があったのではないか。失態ということになってくると、なかなか役人の皆さんは失態でございましたといわれることは認められませんけれども、事実においては私はそうではなかろうか、こう考えるのでありますけれども、いま油谷君も説明されておりますけれども、経済的効果がどうであるとか、こういうことを聞いておるのではなくして、そういう順序を経ておられなかった、いわゆる法律に従った手続が踏まれておらなかった、こういうことであります。だから、現在予定線というものは百七、八十本ありますが、こういうことで変更されるということになれば、経済効果がどうだこうだということになれば、審議会におきまして地理のわからぬ――自民党も私のほうも、役職によって、この審議会委員がきめられております。幹事長や総務会長であるとか政調会長であるとか、全国組織委員長内閣がかわるたびに一年一年かわっておられます。四年続けてやっておるのは私だけなんです。私は浅沼書記長がやめたあと、長いことずっとやっておりますので、大体内容はわかっておりますけれども、そういうようなことでございますので、慎重の上にも慎重を重ねていただかなければならぬ。そういう意味において、今度この問題に出されなかったということが、そこに失態があるのではないか、こう考えるのでございますが、鉄監局長、どういうお考えを持っておられますか。  線路がこうあったやつを、こういって向こうにいく。その端とつなぐのだから、こういつてこういくのだから間違いはないだろう、こういうように地図を見ておりますと見えますけれども、やっぱり千歳間についても、自衛隊の演習場もありますし、いろいろな困難な点から、ぐるっと回らなければならぬというような点もありますので、そういうような鉄道建設については、一応整理線とか赤字線であるとかいうことがつきまとっておりますので、そういうようなことの誤解を受けないようにも、こういう問題につきましても明らかにしておいてもらう必要があると思いますので、泊谷君の質問に関連いたしまして、ちょっとお聞きしたような次第でございます。
  34. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 矢尾委員お話しのように、われわれ事務当局は非常に手続的にも御説明の不十分であったということでございまして、その点は当時のお話を申し上げたわけでございます。ただ、法律的な御質問でございますが、敷設法別表の改正を要するのではないかという点につきましては、十月の委員会でも御説明申し上げましたように、先生の例に出されました湖西線にきましては、確かに今回御審議を願っておるわけでございまして、この追分線につきましては湖西線とは輸送系路その他から考えまして性質が違うのではないか、――と言いますのは、一応一つの例を申し上げますと、別表の番号二十番に仙山線というのがございます。これは敷設法別表では仙台から山形ということになっておるわけでございます。現実に建設しましたのは山形の二つ手前の羽前千歳というところまで建設をいたしまして、仙台と山形の法律で定める輸送連絡ルートを形成しておる。もう一つ申し上げますと、伊東線というのがございますが、これが別表六十一では熱海-大仁ということになっておりますが、これがやはり熱海の一つ手前の来宮で結んでおる。しかも、これはいずれも法律で定める相互の連絡ルートを形成しておるというような点が、公団発足前でございますけれども、こういうような行政実例がありますので、一応こういうようなものにならって、すでに法律的に定められた手続を一応全部とったということに御説明をいままで申し上げておるわけでございます。それがすなわち、今回この追分線につきまして別表改正の御審議を願う手続をしなかった理由であるわけでございます。
  35. 泊谷裕夫

    泊谷委員 ともあれ、これはあなたのところで去年の一月一日に出した調査線建設線の全貌です。これも北広島になっていますね。それから三月中旬に運輸委員会にお出しになりました。プリントでも北広島になっておるのです。それで問題は、矢尾先生は六月の委員会で問題を提起したのですけれども、あなたのほうは三月二十六日の委員会でまとまったという話をするわけですが、あなたがきょう提案をしております湖西線にいたしましても、関係市町村と十何年もやって最終的に調査線から着工線になったものを、鉄道考えで、運輸省の考え変更しようとする場合には、当然その当該市町村に連絡があってしかるべきでありましょう。昨年の四月二十三日と記憶しておりますが、千歳市を含む関係市町村が私の部屋に陳情に来ました。皆さん千歳の助役さんも含んでおりますが、私の広島-千歳が何かもめておるようだけれども、どうなったといった闘いに対して、千歳の助役は、まだきまってないと言っております。五月二十三日、今度は広島の町長が来まして、何とかこれをきめてくださいと私の部屋に陳情に来ました。同じく五月の下旬、広島の開基八十周年に出ました北海道当該選挙区から出ております自民党皆さん、椎熊さん、壽原さん、地崎さん、私も参加しましたところで、椎熊さんが代表して、この線も長いこと営々としてやってきたが、いよいよつち音が聞けるようになってよかったとあいさつをしております。変わったと承知しておるのは――あなたの直系である国鉄でさえ地図は九月まで塗りかえさなかった。十月二日に国会で問題になると、あなたは地図を書きかえますと答弁しておりますが、ここが変わったと承知しているものは、鉄監局だけです。ここに問題があるのであります。公団のほうは、あなたのほうから基本計画を受けてやっておりますから、これはむしろ受け身でありまして、問題は別だと思うのでありますが、ここにきまったならば、なぜ関係市町村がそのあと来るのでしょう。昨年の休会中、私は、千歳に参りました。市で産業常任委員会を開いておるところに招かれまして、千歳のことはどうなったんだろう、きまったんでしょうか、どうでしょうかと、千歳の市議会から私に聞いています。何と佐藤さんが抗弁されようとも、変わったと主張されるのは、あなた方の役所だけなんです。関係する政治家に市町村からそのあとも営々としてどっちにきめてくれるんだろうと来ている事実は否定できないと思う。もしあなたのほうでいろいろ事情変更するとするならば、当該市町村に十分連携をとって、あなた方は、かくかくしかじかだから千歳変更したいというふうになさるのが筋だと思います。それはいかがですか。
  36. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 お話しのように、最終的には、非常に詳細具体的なルートは、工事実施計画が出てきて、どこのどういう地点をとるということにならなければ、具体的な地点はきまらないわけでございます。ともかく基本計画につきましては千歳が入っておりまして、千歳を通るということは実は明瞭になっておるわけでございます。国鉄等の現地の説明が油谷委員の御指摘のように直っておらないということは、私も現地に参りましたときには、現地の支社にお願いしたのでありますが、ただ、国鉄といたしましても、手続的には正式の具体的な協議を受けてないという段階でどういうふうにしたらいいかという問題があってなかなか直しかねておったのではないかと思います。  それから、地元のお話につきましては、地元がおいでになりましたときには、われわれのほうで、できるだけ事情を御説明申し上げておったつもりでございますが、まだその辺が非常に不十分でありますれば、今後もそういう点は地元ともなお十分に御連絡をとるようにしてまいりたい、こういうふうに考えております。
  37. 泊谷裕夫

    泊谷委員 佐藤さん、三月というと綾部さん時代でしょう。広島の町長が最終的にどうなんでしょうとお伺いに来たのは昨年の九月でしょう。松浦運輸大臣は、事情が込んでいて即答できないために、時間をかしてくれと言って帰して、あなた方に事情お尋ねになったと思うのでありますが、秘書官を通じて千歳にきまっているらしいと言ったのは、昨年の九月でしょう。だから、いままで全体として消化されてないものを、あなた方が三月二十六日にどさくさまぎれにきめるということを固執しなければならぬということは、私にはどうも解せない。しかもさっきからお断わりしているように私は国鉄育ちです。国鉄の輸送体系上先輩が広島ときめてくれたことを、あなたが考え千歳が好ましいというならば、私は何もここで選挙に損になるようなことは端的に言って発言しません。大きな票に背を向けて発言をするということは、それなりに伝統ある国鉄として、運輸省を含めて、これはあまりにも理不尽だと思うから主張するのです。  あなたにこの前お尋ねしましたら、経済効果と雷うから、私はこの経済効果で議論をしてみたいと思うのですが、北海道はどんな輸送路をとっても、札幌をはずした輸送路はあげません。したがって、札幌を軸にして、高架線なり電化なりあるいはすべてのものが企画されておるようでありますが、もしも白石に結ぶというなら一つの筋でありましょう、時間短縮になりますから。十勝からここの輸送難を解消するとするならば、北広島から札幌の雪の難所を避けるために厚別に結ぶとか、持ってきた荷物を広島に出すということなら、時間は何も短縮になりません。むしろ千歳の飛行場があるというお話でありますが、札幌の産業経済会議という経営者の集まっているところのお話では、スーパーソニックの導入によって、せっかく二十分で飛行機が飛ぶのに、千歳-札幌間は一時間十分のバス、この時間がたいへんだから、札幌に飛行場をつくれということが、たいへん政治的な問題になっているでしょう。しかもその三十六号線は、飽和状態でどうにもならないとするならば、むしろ十勝から持ってきた客なり荷物というものは、白石で結んで、白石から札幌、夕張なりという道路を使って札幌至近距離で、国道十二号線を避けて入れることが、路面交通の事情から言っても適切でありましょう。しかも広島に結ぶことによって、広島から札幌に入れないで、厚別、旭川辺に車を流すということで。――ここらを考えてみて、しかも大事なことは、大きな、最も強力な室蘭線に沿って、この線を走らせて何の価値があるか。山林の中を走らせて、山を切り開くということの価値はありましょう。しかし、広島のほうは、長都沼を含む経済圏の水源地帯を列車を通して初めて地域住民も喜ぶでありましょう。昔からある線路に並行して走らせて、しかも演習地があるという悩みは、迂回してトンネルまで掘ってなぜやらなければならぬのかというものが千歳に存在するのでありましょうか。この点は、われわれは十月二日に提起しておりましたが、泊谷、こうこう、こうだから、君、鉄道で育ったんだろうから、広島より千歳がいいだろうということをなぜあなたは説明してくれないのですか。なぜ私を説得してくれないのか。さっきから断わっているように、千歳からも、広島からも頼まれているけれども千歳を避けて広島につけろということを力説しているのじゃないのです。ほんとうに北海道の輸送計画考えるならば、追分から出てきた筋は、厚別に結んで、あるいは白石に結んで、大谷地の雪を避けるべきでありましょう。私の住んでおる月寒はそれによって閑線になります。しかし国鉄で育った者は、輸送計画としてそう考えるのは当然だと思います。ただ口先で、飛行場があるから、経済効果がどうだというなら、具体的に説明してください。どこの経済圏を通るのでありますか。何の経済圏も通ってない。演習地の外郭を回っているだけです。北海道は、本来雪害を考えれば、トンネルのほうがいいけれども演習地だからということで、全く平たんな路面をトンネルをつけていくというのは、そんな余裕は、運輸省も鉄道もありません。それまでして千歳にしなければならぬという理屈を、あなたは私になるほどと思わせる理由を説明してください。この前からおあずけになっております。
  38. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 御指摘のように具体的なルート――千歳を起点として選んだ場合に、ルートがどうなるかということは、具体的問題であるわけでございます。前回の委員会で油谷委員からその点をどう考えるかという御質問があったわけでございますが、そこで当時泊谷委員の御質問の前提として考えておられましたことは、現在線の室蘭線と並行して沼ノ端付近まで回るということになるのではないか、そういうことは、現在線との関係で無理であるし、またその路盤、轍叉その他があって問題があるのではないか。今回のお話では、しからばそのルートを通らないで行くということになれば、トンネル等があって、相当不経済な工事になるのじゃないか、その点を説明しろという御趣旨のことかと思います。  そこで、まず非常に南を回るということにつきましては、御承知のように追分千歳間のルートが一応図上でやってみて四十八キロ程度になる、トンネルを掘っても二十キロ程度で、これは先ほど来申し上げておる道東と道北を結ぶ太い線をつくる観点からすれば、やはり演習地の下をトンネルを掘りまして近いルートをとるべきではないかという考え方になっておるわけでございます。  それからもう一点雪の多い地区、大谷地等を避けて厚別等に持っていくことは考えられないかというお話でございますが、これはむしろ、こういうことを考えるとすれば、国鉄一つの改良工事という観点から考えるべき性質のものではないかというふうにわれわれとしては考えておる次第でございます。
  39. 泊谷裕夫

    泊谷委員 どうもことばでやりとりをやるとぴったりしないのですが、佐藤さん、これを見てください。これは私がつくった図ではない、開発建設部の土地利用図です。白石というのはここにあるのです。ここのがさがさ回ったところが私の住んでいる月寒です。ここが大谷地という雪の難所です。そういう点では昔の人はやはり建設図の引き方なんか非常に考えていたと思う。白石から広島に結ぶのは、この雪の難所を避けることです。本来ここに線をやってつくるということなら私はわかる。価値があると思うのです。それからこう結んで広島から追分に入る。ここには水田地帯がある、長都沼という経済圏がある。そうしてこれを千歳に結ぶ。これなら確かにすぽっといくのです。だが、赤線で囲ったのは、私が囲ったのではなくて、建設部が演習地として囲っているもので、千歳から追分までびっしりです。あなたが何と釈明しょうとそうなんです。それがこの前のあなたの答弁では、南岸沿いに走ってくると二百メートル掘るというのです。南岸沿いならこうなって、千歳に結び上がるとすれば、この三角地点の一番しっぽのところで、ここは山林だけでしょう。何でこんなところに力を入れなければならぬのだろうかと私は疑問を持つのです。経済圏の全然ないところに、しかもこの千歳計画書から見ますと、室蘭線のここはいい、線が走っているけれども、中間駅がないために村が開けない。中間駅をつくってほしい、そうしたらこの中間駅をつくることによってこの地域開発はできるはずでしょう。あらためて金をかけて、あなたの言うようにいま二十キロという話だが、二十キロだというならば、広島なら当初の計画では十六・二キロです。厚別に結ぶことによって九キロ延びるかもしれませんが、しかし時間計算は、あなたが何とおっしゃろうと違いません。いいですか。道東から出てくる荷物は、室蘭線に出ていくものは追分から苫小牧を通過するでしょう。ここに入ってくる荷物というものは、月寒、札幌、旭川へ行くのには問題がある。飛行場があることは否定しませんが、しかしこの三十六号は満線だ。ここの十二号線もたいへんくっついている。広島に入ってくれば、夕張-札幌間の道路で札幌に行ける。貨物は札幌を避けるというなら、これから十二号線によって三十六号に触れないで流せばいいでしょう。あなたがどう釈明しようと、一つとしてなるほどと思うものがない。なぜそうまでしてここに線を敷かなければならぬか。国鉄育ちだけに私はずいぶん疑問があるので、あなたの経済効果ということばとか、輸送体系、輸送態様ということなら、私も議論してみたいと思うのです。時間計算をしてみますとどれだけ詰まりますか。広島に結んだって千歳に結んだって、これは千歳に結んだほうが、厳格に計算すれば十一分か十二分延びるはずです。そういうことで、しろうとを相手にするようなことばだけで話されては困るのです。地図を見て、現実にかくかく考えたが、事務局の鉄監局としては、委員皆さん広島-千歳変更してくださいと頼んだことを、自信をもって言ってください。
  40. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 これはすでに先ほど来申し上げているように、きまったあとの説明になるわけでございますが、説明を申し上げろということで、北広島分岐と千歳分岐の特質について、われわれの考えている点を御説明申し上げたいと思います。  北広島追分を直接連絡するルートと、北広島-千歳間は、近く複線化される予定の千歳線を経由して、千歳で分岐して、追分に通ずるのをまず比較してみますと、建設キロは前者が二六・六キロメートルであるのに対しまして、二十キロメートル、建設費は前者が三十億円に対して先ほど来申し上げておる演習地を通るトンネルを掘るというようなことを考慮に入れて、安全施設を加えましても、約二十六億ということで、建設費は大差はない。またこの線の目的である札幌地区と釧路、帯広地区との短絡効果については、御指摘のように追分-札幌間が約五十キロに対して後者は六十三キロメートル、つまり十三キロメートル遠回りになるということは御指摘のとおりであります。ただ後者が複線化され、スピードアップされる千歳線を利用するということから考えれば、鉄道連絡ルートとしては到着時分ではそう大差はない。そうすると問題としては、ポイントとしての千歳をどう考えるかということで、千歳の空港が先ほどお話がありましたように、将来その空港としての位置がどうなるかという問題は、現地ではいろいろあったようでございますが、この空港の位置というものは当分変わらないという考え方に立ちまして、やはり道東と道央を結ぶ一つの重要なポイントとして千歳考えるということであるべきではないかということで、われわれ建設審議会の事務当局としては考えておる次第でございます。
  41. 泊谷裕夫

    泊谷委員 私はやはりいまの説明の中でも――千歳はことし六月に市会議員の改選なんです。実態を話して恐縮ですが、私のほうの所属する議員も出ておりまして、ここでやること自体は、千歳に誘致を反対したということで私は苦しい立場にありますけれども、しかしこの選挙を前にして市長は、千歳空港もその他空港として軍民共用である、飽和状態で、国内航空の導入など、これからこれを分離しなければならなぬということを強く主張しておる。千歳の空港を守ろうとしているのです。裏を返せば、飽和状態になって、別に飛行場を求めなければならぬということが、北海道では政治的な課題になっている。その結ぶ三十六号線の満配のところをはじめからはじまで鉄道を結んで走らせるということは、私は適切でないと思うのです。ともあれ、ここまで釈然とするような理屈も聞かしてもらえないで、工事費は大差ない、時間はむしろわずかながら延びる、複線化するというならば、千歳の複線化は、国鉄として北海道で何をさておいてやってもらいたいのは、千歳線の複線化です。これは広島だって千歳だって同じ線上の問題であって、受ける利益はどっちも同じです。ただ鉄道で育った私として一つ千歳についていいなと思うのは、駅の構内が広島と通って少し大目につくってあることです。しかし広島にそれだけの用地がないかということになれば、それはないとなれば私は最初から主張しないのです。ですから佐藤さんの言われるようなことは、何一つとして釈然とした解明をしてくれるものがありません。なぜそう無理をして、どさくさまぎれにこうまでしたかということは、やはりぬぐい去れない問題でありまして、私は本来矢尾先生と同じように提案されてしかるべきものであったと思うのでありますが、それは全体の国会運営の審議に支障を及ぼしてはいけませんから、これとは切り離して、当時のその衝に当たっておりました広瀬鉄監局長を中心にいたしまして、運輸大臣、綾部さんというわけにいきませんでしょう、松浦さんにも出てもらって、この問題をとことんまで、なるほど地域の住民が、そういうことであればわかったという話をしてもらうような措置をこの際委員長に特にお願いをしておきたいと思います。
  42. 長谷川峻

    長谷川委員長 あとで検討しましょう。理事皆さんで御懇談しましょう。
  43. 泊谷裕夫

    泊谷委員 ひとつ理事会で相談していただくことにしまして、なおそれとあわせて、十月二日の委員会でこの問題が提起されて、佐藤さんもよく承知しているはずですから、経済的にどうなのか、輸送体系からどうなのか、それから関係市町村に事前に十分に話し合いができたのか、これらおおよそ三つの点を出しました。久保先生のほうからは敷設法大臣関係、この法の権威の問題、それから矢尾先生のほうは審議会内容として自民党皆さんも同意をしたものをなおかつ変更するというのはどういうわけか、大別して五つの問題を提起しておりましたから、前の人とかわったので、事情がよくわからぬという話でありまして、後刻調べて答弁するということになっておりましたので、その際はあわせて答弁をいただきたい。  以上で私の質問を一応本日は打ち切らしていただきます。
  44. 長谷川峻

    長谷川委員長 次に久保三郎君。
  45. 久保三郎

    久保委員 いまの追分線でありますが、これはこの前にも取り上げたのでありますが、きょうも取り上げてもちっとも釈然としない。釈然としないのは、この敷設法別表広島経由がそのままになっていて、実際行為は千歳経由というか、千歳に結ぶということなんですね。鉄監局長からいろいろお話がありましたが、それは法律のたてまえからいって、われわれとしてはもしも千歳にやるべきだという建設審議会の決定があるならば、そういう手続をやはりとるべきだろうと思うのです。ところが、矢尾委員からもお話があったように、建設審議会の中でも、それはおかしいじゃないか、おかしいじゃないかというそのあとの結論は、建設審議会はどうなったかわからない、おかしいじゃないかといいながら、小委員会としては出た書面をそのまま何となくきめたような、きめないようなかっこうでおそらくいったのではなかろうかと推測するのです。ついては当日の議事録を参考にあとで出してほしい。私は別に技術的や経済的の問題を抜きにして、やはり法律は厳格に守るべきだし、そこに一まつの何かおかしなことがあっても困りますので、今後とも問題を残しますから、この一線だけの問題じゃないので、やはりきちっとすべき時期にはきちっとしたほうがいいと思うのです。これは実際将来まで尾を引きます。そこで、この問題は私が質問する必要はないのでありますが、一言だけ尋ねておきたいのであります。  それは、いま質問のあった千歳に結ぶということは正式に決定したのでありますか。決定してあるのですか。
  46. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 正式に決定してございます。
  47. 久保三郎

    久保委員 それは建設審議会建議に基づいてでございますか。
  48. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 先ほども申し上げました諮問に対する答申に基づきまして、四月二十二日に公団法の二十条の規定によりまして正式に公団指示してございます。
  49. 久保三郎

    久保委員 国鉄はもちろん建設審議会のメンバーに、総裁はおなりになっておるわけですね。国鉄側としては、これに対してオーケーを与えておるわけですね、事前にも事後にも。そうですな。
  50. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 建設審議会におきましては、国鉄側の委員から特別の御意見はございません。  なお、先ほど久保委員お話し資料は、後ほど提出させていただきます。
  51. 久保三郎

    久保委員 それではこの問題は後ほど泊谷委員が取り上げるそうですから、私の要望としては先ほど申し上げたとおりきちっと筋を通してやるべきだと思う。別表には広島経由となっておるのに、広島を通らぬ。少なくとも経由地と書いてある限りやはり直さなければならぬ。千歳が必要だとすれば、そういうように直すのが手続上も正しいと思う。直すからには単純にそれがいいということじゃありませんよ。そういう手続を怠っておいて、千歳にきまった、きまったといっても、国会としてはきまらぬことでございますから。  それからこれは政務次官に一言申し上げておきますが、先般の地方行政委員会で、私から資料の要求をしておきましたが、こういう資料の要求は私はしてない。――これは当委員会であったことじゃありませんけれども、いわゆる運輸事業と税制について私は資料提出を要求したのであります。何ですかこれは。税金は上げないほうがいい――あたりまえなんです。こんなことを聞いている必要はないのです。国会の附帯決議くらいの話だ。そんなことを要求するはずがないでしょう、常識からいって。いわゆる運輸事業全体、陸海空ございますが、私が当時指摘したのは、税制についてとその企業のあり方について、運輸省は必ずしも関心が強くないと私は思うから、ついてはそういう意味も含めて、どういう企業はどういう税制のもとに置かれていて、何がゆえに困るか、いいのか、そういう点を聞いているのです。だから特にあのとき論文をと、こう香っているのです。これは論文でも何でもない。
  52. 大久保武雄

    大久保政府委員 ただいま久保さんの仰せのごとく、資料はいささか不備のように私も思います。これをつくりかえまして提出いたします。
  53. 久保三郎

    久保委員 しつこいようですが、政務次官に一言申し上げますが、あなたの所管する運輸省全体としてこういう考えを持っているようでは、これは企業を健全に発達させる役目は立ちませんよ、こんなことじゃ。各局長呼んでもらいましょう、私はこの点を聞くから。  次に敷設法において伺います。  まず敷設法に関連して公団の問題でありますが、三十九年度工事ですね、これはまだ今月一ぱいございますが、いわゆる工事の効率というか、いままでは国鉄が直接建設事業をやったのでありますが、この一年間、初めて建設公団建設を担当してまいった。ついては、この公団ができる際の約束は、いうならば効率のいい建設をするというのが一つであります。ついては、効率的にどうなのかということを聞きたい。と申し上げますのは、四十八線かが、当面公団が手がけるものということになっているようでありますが、予算のつけ方を見ますると、各線とも総花的におつけになっているようであります。もちろん私は、四十八線の中に予算は全然要らない何かがあるとは考えておりません。しかし、この総花的な予算のつけ方で、はたして効率的な建設ができるかどうかということは疑問なんですね。だから、そういうことを考えれば、いまの千歳ではないが、一千万円の調査費をくっつけた。みんなずっとくっついている。いままで国鉄がやっていたときとあまり大差はないんじゃないかと私は思う。むしろ四十八線べた押しに予算をつけている。ついては、こういう予算のつけ方ははたして妥当と今日も思っているのかどうか。いかがですか。
  54. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 三十九年度の計画に対する御指摘でございますが、御承知のように工事線に必要な手続を踏んでなった線に対しましては、必要な手当てをするということになるわけでございます。ただ、久保委員御指摘のように、各線とも全部同じような調子で着工するということは考えませんで、従来継続したものはできるだけ早く完成するようにする。新しく工事線になりましたものにつきましては、まず必要な測量調査をするというような観点から予算を配分したわけでございまして、したがいまして、線別に言いますと、一千万円、二千万円というような数字が上がるわけでありますが、これはいずれも測量調査の段階の線に対する予算措置ということでございまして、重点的工事をするものに対しては重点的に予算を配分しておるつもりでございます。
  55. 久保三郎

    久保委員 ことばの上では重点的にといっているが、軒並み一千万円が最低で、二千万、三千万円の調査費をつけて同じことをしているんだが、ひとつこの四十八線のうちどこでもいいから、一千万円の経費でどんな仕事をしているか、答弁してください。
  56. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 先ほど申し上げましたように、たとえば三十九年度小本線十七キロにつきましては浅内-岩泉間の測量設計をいたしております。測量のやり方につきましては、その線によりまして、たとえば航空測量をするとか、あるいは通常の測量をするとか、いろいろな態様があるわけでございます。なお、個々の線を具体的にどういう作業をしたかということでございましたら、公団から担当の理事がまいっておりますから、そのほうから答弁さしていただきたいと思います。
  57. 久保三郎

    久保委員 ちょっとわからぬ。むずかしいことだから、なかなかわからぬだろうと思うのですが、私の言いたいことはわかったでしょう。こういう予算のつけ方で、公団をつくった理由は半分失われているのです。実際言うと。われわれが考えているのは、公団がやろうが、国鉄がやろうが、これはいいとしても、少なくとも、経済効果たり地元の地域の要求にとにかく計画的にこたえられるように、しかもこれが促進されるように――いわゆる総花的な少しばかりの予算をあげておいて、長年調査だ、調査だと言ってやっておることはどんなに損かわからぬということですね。調査にしても、五年前調査したものを、それではいざ着工しょうかという場合には、もう一ぺん調査しなければならないですね。これは、実際土地は変動はないから、地質の調査などは変わりはないでしょう。しかし最近の発展というか、そうなると、土地の様子は変わってくるわけです。そうすると、最初調査して、ボーリングをおろしたところも、五年たち、六年たってから、もうそこでは、いわゆる鉄道敷地としては不適格であるということも出てくるわけですね。だからこういうだらだらした調査などは、この際反省すべきだと私は思っているのです。これはどうなんですか。そういう考えを持っておられるのかどうか。
  58. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 御指摘のように、非常に長年時間をかけてやった調査がむだになるということがないように、われわれとしては、工事をすべき線は、全体としてはさまっているわけでございますから、これができるだけ早期に完成するように全体として努力をしなければならぬというふうに考えております。
  59. 久保三郎

    久保委員 たとえば泊谷委員から質問があった広島、大谷地から行くやつを千歳へ回す。それではいままでの追分広島間の調査はどうなる。何も測量はしてないかというと、これは十分しているのです。いままでにこの追分広島間の調査には、金はどのくらい使っているか。何年にやったか。
  60. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 三十九年度一千万でございます。
  61. 久保三郎

    久保委員 三十一年度一千万使って、これはいうならばふいになったということです。いまの鉄監局長答弁では千歳へ回すということは必要ないですよ。三十一年からことしまでどういうふうに変わったかはいままでの質疑応答にありますが、適確な変わり方はそれはあんまりないようですね。だから、そういうことに対する基本的な方針は運輸省として当然建設公団指示するのがあたりまえなんです。いまのようなやり方ではいかぬぞ、集中的にやれ、可能性のあるところから予算はうんとつけてスピードをあげて進行するという方針を本来なら出すべきなんだが、ちっともこれは変わりはないのです。こんなものでは少しばかりの予算をつけてもらっても雲散霧消ですよ。予算を取るのは一生懸命でやるが、使うほうは雲散霧消では、これはどうかと思うのですよ。ちゃんと目に見える使い方をしていただきたい。いかがですか。
  62. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 追分線につきましては、先ほど申し上げましたように一千万でございますが、たとえば狩勝線につきましては、三十八年度分二億、三十九年度七億六千万というような予算を初めに取りまして、それぞれ重点的にやっておるつもりでございます。ただ、従来は久保委員承知のように、全体の予算規模が非常に少なかった。ところが、三十九年度、四十年度から公団新設に伴って次第に予算規模がふえたということと見合って、なお全体の工事の効果をあげながら、将来は十分御指摘の点を注意をしながら、予算配分をしていく考え方でございます。
  63. 久保三郎

    久保委員 国鉄がやっている時代から見れば、なるほど予算はふくらみました。国鉄でやっておる時代は予算は小さいから、残念ながらあんまりすぐにいかないところは、予算はつけても使わなかったという例があります。あなたがおっしゃるように、予算は大きくなったから、つけても重点的なところにはいままで以上に金が要るという。なるほどそういうこともあるかもしれませんが、われわれはもっと効率的にやるために心機一転公団をつくったと思うから、そんな国鉄時代の比較をする必要は毛頭ないと思うのであります。  いずれにしても、それじゃ来年度の公団予算はできましたか。まだ認可しておりませんか。
  64. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 御承知のように、今国会で御審議を願っておる財政投融資計画等にも出ておるわけでございますが、公団予算自体につきましては、まだ認可をいたしておりません。
  65. 久保三郎

    久保委員 予算提出されておりますか。
  66. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 まだ粗案について関係名聞の内協議の段階でございます。
  67. 久保三郎

    久保委員 公団予算はいつまでに認可すれば用が足りるのですか。
  68. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 三月三十一日までに認可をすることに御承知のように相なっておるわけでございます。
  69. 久保三郎

    久保委員 あと十日足らず、一週間でありますが、その間にいまお話しのありました粗案でありますが、粗案は荒っぱい、こう解釈しますと、いわゆるこまかい予算案というものはこれからだというのですね。そういうことになりますか。そうですね。そうしますと、たとえば事業計画予算、それから資金計画、こういうものをあわせてはこれからですか。
  70. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 正式にきめるのはこれからでございます。
  71. 久保三郎

    久保委員 なぜおそくなっておりますか。
  72. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 公団としての事業規模を将来に見通す非常に重要な年次でございますので、慎重に検討しておるのでございます。われわれとしては御指摘のようにできるだけ早くきめるように今後とも努力をいたしたいと思います。
  73. 久保三郎

    久保委員 公団は二年目に入るわけでありまして、トレーニング期間はもう終わったわけなんですね。一年間あったわけです。訓練期間は終わったわけです。三月三十一日に認可をいただかねば四月一日からの予算は動かぬ。それをいまだに、鉄監局長の御説明どおりとすれば、これは間に合いかねるんじゃないですか。あなたのほうは御検討は一日くらいで、それで判こを押しますか。
  74. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 これは久保委員承知のとおりに、公団予算の中には建設事業のほかに管理費等の相当事務的な細目の振り当てもございますので、事務的には若干おくれると思いますが、少なくとも公団の事業が支障を来たさない、停滞をしないように、年度当初から十分スタートできるような配慮をわれわれとしてはしなければならぬ。したがって、まず建設事業につきまして、大蔵省関係の官庁といま鋭意折衝を重ねておるところであるわけでございまして、御指摘のように、これをなるべく早くまとめて認可をする手はずを進めたいというように考えておるわけでございます。
  75. 久保三郎

    久保委員 あなたのいまの御答弁だと、業費について大蔵省その他の関係機関と折衝中だということになるが、どういう程度まで大蔵省と話をするのですか。建設費総額についてやるのですか。その裏づけの資金計画ですか。それとも各線別の予算のつけ方ですか。どうなんです。
  76. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 内容といたしましては、法律できめてありますように、予算それから事業計画、資金計画を協議を要するわけでございますが、ただ非常にこまかいところに、具体的にやるかどうかというお尋ねかと思いますが、全体の線の性質別に資金配分その他も相当慎重に検討してつくっておるところでございます。
  77. 久保三郎

    久保委員 公団国鉄と違いますから、政府機関じゃありませんから、なんでありますが、しかし政府において全額というか、あるいは国鉄もそうでありすが、そういう出資の会社でありますし、当然われわれとしては参考的に公団予算についてもやはり関心を持たざるを得ないわけなんです。ところが三月も下旬に入りました今日、いまだにその詰めがきかないということは、何かどうも不可解なんであります。この公団なんというようなものは大体よそもそうですか。どうなんです。
  78. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 私のほうで聞いておりますところでは、やはり国会で直接御審議を願う予算をやっておる担当のものが仕事をやる関係上、名公団とも国会の審議が済んでからといいますか、四月当初の一般の予算の詰めが終わってからかかる段取りになっておるように聞いておりますけれども、しかし全体の規模はきまっておるわけでございますから、われわれとしてはできるだけ、一日も早くやるようにしなければいかぬということで努力をしておるところでございます。
  79. 久保三郎

    久保委員 それじゃ法律上にきめられた四月一日から新しい事業開始ということには間に合いかねるのじゃないですか、形式的には。そういう場合もあり得るのですか。
  80. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 他の公団等においても実例としてはあるようでございますが、しかし事実上は仕事は停滞しないようにやっていくつもりでおります。
  81. 久保三郎

    久保委員 それはやはり問題ですね。そんな法律に書かれたことを守らぬという精神、順法精神がない、いいかげんだ。さっき言った敷設法別表の問題も同じでありまして、それは鉄監局長一人じゃないと思うのでありますが、そういうことではいかぬと思うのです。われわれは少なくともそういうふうに取り運ばねばいかぬと思う。この問題はあなただけの責任じゃないからここでとやかく言いませんが、予算は効率的に使うという点、これは政務次官お尋ねしたほうがいいのですが、あらためて公団指示しますか。幸い予算はまだきまってないそうですが……。
  82. 大久保武雄

    大久保政府委員 失礼でございますが、要旨を聞き取れなかったのでございますが……。
  83. 久保三郎

    久保委員 幸いにまだ予算がきまらぬそうでありますから、私が先ほど来申し上げたように、予算の効率的使用について特段に公団のほうにいわゆる指示するお考えがあるかどうか、こういうことです。
  84. 大久保武雄

    大久保政府委員 予算の効率的な運用をはかりますことは、予算の性質上特に心がけなければならない次第でございますので、私どもといたしましては、継続工事にかかわるものでございますとか、また特に全線開通あるいは部分開業を間近に控えておるといったような線につきましては、できるだけ予算を出すようにいたしまして、資金の効率的な効果を期待していきたい、かように考えておる次第でございます。
  85. 久保三郎

    久保委員 そこで次にお尋ねするのは、三十九年度決算見込みで、いわゆる工事費、建設費の予算の繰り越しはどの程度ありますか。
  86. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 まだ正確な決算見込みは聞いておりませんが、若干の繰り越しを生ずる見込みであるようでございます。
  87. 久保三郎

    久保委員 たいへん失礼だが、年度末になり、しかも新しい予算審議中、あなたのほうで承認するというか、審査するというか、こういう場合に建設向け予算の繰り越し見込みがどの程度か、おつかみになっているのが常識じゃないでしょうか。いかがでしょうか。
  88. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 聞いておりますのは、四億ないし五億であります。
  89. 久保三郎

    久保委員 それはおおむねどういう理由で繰り越しになっておりますか。
  90. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 予定しました用地買収等の遅延がおもな理由でございます。
  91. 久保三郎

    久保委員 四億程度ですね。――わかりました。  それから次には、来年はことしより工事費も予算全額としてはふくらむはずでありますから、工事費も多くなることについて工事能力の問題と要員の問題はどういうふうになりますか。
  92. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 これも先ほど来の四十年度の管理事業に関係するわけでございますが、工事の能力を整備するために、おおむね八百名の増員要求を現在大蔵省に対して折衝しておる次第でございます。
  93. 久保三郎

    久保委員 時間もありませんから個条書きに聞きたいが、いま八百名の増員要求をしているというが、その見通しはどうなのか。  もう一つは、それじゃたとえば八百名か何名か工事要員の増員が認められた場合に、これを容易に入手することができる見通しが今日あるのかどうか。
  94. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 予算につきましては、規模の増加に伴って当然これを実現してもらわなければいけませんので、われわれとしても鋭意折衝に努力いたします。具体的な人間の新規採用につきましても、いま公団で鋭意努力しているわけでございます。その中には新規採用二百五十名を予定しております。
  95. 久保三郎

    久保委員 新規採用二百五十名は大体確保の予定でありますね。これは試験とかなんとか……。
  96. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 仰せのとおりでございます。
  97. 久保三郎

    久保委員 あと大半が新規採用外ですね。国鉄からも来てもらうのですか。
  98. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 技術者につきましては、電源開発工事が若干の規模の縮小、その他の関係がありまして、その面及び先生お話し国鉄からということで鋭意折衝している段階でございます。
  99. 久保三郎

    久保委員 先般、長期計画の中で要員確保というか、技術者のお話が出ておりましたが、なかなか問題だろうという話が出ておりました。画の中に既設線区の問題があって困難だというときに、五、六百名も他に異動――たとえばその半分三百名としてもたいへんな技術者だとわれわれは思っております。総裁がおられますが、これはいまの運輸省の話どおりに大体いきそうですが。
  100. 石田礼助

    石田説明員 私はあまり詳しいことは存じませんが、国鉄自体が要員増加というものに努力しており、すでにこれはある程度大蔵省の了解を得ましてその面に努力しておりますが、公団のほうに三百名要るからといっておいそれとわれわれのほうからさくことができるかどうか、よほど慎重に考えなければならぬ問題だと思っております。
  101. 久保三郎

    久保委員 いま総裁のおっしゃるとおりだと私は実態を見ておるわけでありますけれども公団も困るということでありましょう。しかし効率的にやるということにならないと、いままでのような総花的な予算をつけておっては当然要員もふくらみがちです。だから重点的な工事をやるということになれば、問題は多少ここでも解決すると思う。  それからもう一つ、これは別に答弁は要らぬかもしれないが、たとえば、国鉄から、最近の情勢では、とるにしてもなかなか容易でないというお話がいまありました。そういう人が好んでいくという公団が去年のような情勢では、あまり申し上げたくありませんが、実際にはなさそうにぼくは見ているわけであります。そういう心得違いをしているようなことがあるとすれば、たとえば国鉄総裁が三百名くらい何とか考えてみましょうと言ったって、行く者はありませんよ。言うなれば、あまり冷たく扱うようなことではうまくいかぬと私は思うので、一言だけ言っておきます。  それからもう一つ、さっき言ったような予算の問題は、四月になってからでもつくればいいのだというふうに日付だけ繰り上げてというらしいが、そんなことは国会の中では通用しませんから、おりを見て今月一ぱいまでに公団予算はどういうふうになるか、お聞かせいただきたいと思います。次に、総裁に一言だけお伺いしますが、借り入れ金の問題であります。この借り入れ金がいつかの国鉄諮問委員会ですかの答申では、四十五、六年ごろは全くお手上げということでありますが、来年度予算も御案内のとおり、財投を含めて借り入れ金というものが大半でありますね。こうなると、長期計画の中でも別に変わったことはなくて、言うならば借金だけがかさまってくるというかっこうが片方にあるわけです。そのお見通しと解決の方法というものは、それはいまどういうふうにお考えですか。大体今日どの程度借金をお持ちでしょうか。
  102. 石田礼助

    石田説明員 お答えいたします。  三十九年度末における国鉄の借金は約八千億円であります。御承知のとおり、第三次計画の中には通勤・通学という問題があり、これはみんな都市を中心にした費用でありまして、金はかかるが収入は当然少ない。とてもペイしない。そういうものを借金にたよってやるということは、国鉄の独立採算の点からしてこれは慎重に考えねばいかぬ。こういうものはやはり自己資金でやるべきものだということで、われわれとしては第三次計画の中には、これは第一にまず大蔵省、政府が四千億円の資本を出してやるということ。今日まであとにも先にも出していただいたのはたった四十億円、しかもそれも戦後における四十億円、戦前じゃない。それだから四千億円も出してやるということは――われわれは世界にもまれな公共負担として三十九年度においては約八百億円くらいの公共負担をやっておる。そのほかに、三十二年から通計してみたところで約五千億円くらいになる。これは全く独立採算である。国鉄というものは政府の政策の犠牲になっている。こういうことははなはだおもしろくないから、まず四千億円の資本を出したらいいということを主張し、それから第二は自己資金でやるということで運賃の値上げ――今日におけるところの国鉄の運賃というものは世界一安い。これは国会がみんなこういうふうに安くきめちゃった。これははなはだ不合理じゃないかと思う。今度は秋の国会においてはどうしても万難を排してやらなければならぬ、こう考えております。自己資金でやるということであります。
  103. 久保三郎

    久保委員 いずれにしても借り入れ金の問題をもう少し政府自体にも認識させないと、当面四十年度の予算はこれでできたからいいじゃないか、そのうちに大臣もかわるしというようなことでは、これはあとへ残った石田総裁だけが苦しむことになりますし、いまのように運賃値上げを天井知らずに上げていけば――これは大体運賃値上げでやろうというのは国鉄の経営の中では、いまの総裁の意見もそのとおりであるいはいいかもしれませんが、政治の場所では運賃値上げをする、かかるだけ運賃からもらおうというようなことならば、何も政治は要らないのですよ。いつかも申しましたように、まずもって隗より始めよということで、政府自体が四十億しか出資していないのだから、もうちょっと出資の方法をやってみろ、やってみてなおかつペイしないというか、どうもそろばんが合わぬというときに初めて世論に問うて運賃の問題は論議するのが順序だろう、並行して論議すべきものではないと私は思う。  次に、時間もありませんから、今回提案されている法案の中で現物出資ということがありますが、現物はさしあたり、何か聞くところによれば、名古屋臨港鉄道に対する線路、これを出資しよう、こういうことでありますが、現物出資の範囲というものは大体どういうふうにお考えになっているのでしょうか、どの程度までの現物出資を考えているのでしょうか。
  104. 石田礼助

    石田説明員 名古屋臨港鉄道に対する出資、そのほか千葉のほうのあれも出資しておりますが、これは要するに専用線の拡張、それから国鉄の培養線、ここにおいて国鉄はつまり輸送任務というものが遂行できるわけであります。そういう意味においてわれわれは出資をする、こういうことであります。  それからさっきの久保さんの話だけれども、運賃値上げの問題、値上げだけではいけない、並びに公共負担の是正とか政府の出資、あるいはこれらを含めて、利息のかからない金を集めよう、こういうことを考える。それでなければ、国鉄は独立採算ができない、できないときは結局政府の保証がなければならない。あとから出すか先に出すかの問題ですよ。
  105. 久保三郎

    久保委員 石田総裁に議論を吹っかけられたけれども、時間もないからこれはこのくらいにしておきましょう。これはいずれにしてもそういうことはあらためてやるほかはないでしょうが、問題が多いということですね。  それから担保にいわゆる先取り特権を与えるという改正でありますが、これはこれでメリットというか、効果があるのですか。別に常識的にこれは与えるものだ、こういうふうに了解してよろしいか、この点はどうですか。
  106. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 債券の一般担保を付する理由は、一応提案理由のときにも申しましたが、その債券の償還の促進等の流通を円滑にするということで、他の例もありますので、それにならうという意味でございます。
  107. 久保三郎

    久保委員 別にこれで前進とかいうことはないわけですね。ただほかのほうの公社債もそういうことになっておる、一般金融債券の常識というか、たてまえとしてそれを取りつけるというだけですね。そういう意味ですね。
  108. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 お説のように、他にあって国鉄債にない問題でもございますので、他の例にならうという趣旨であります。
  109. 久保三郎

    久保委員 そこで先ほどの公団の問題に最後に一言戻りますが、公団では、鉄道建設とこれに付随する事務所というか、高架の下を使う店舗とか、こういうものができることになっているのですが、この一年間でそういうものをつくりましたか。
  110. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 ございません。
  111. 長谷川峻

    長谷川委員長 内海清君。
  112. 内海清

    ○内海(清)委員 時間もないようでございますので、二法案についての簡単な御質問を申し上げたいと思います。  この敷設法の一部改正につきましては、今回提案されておりますような東京都の国分寺付近から神奈川県の小倉付近、それから神奈川県の塩浜から千葉県の木更津付近という、これはいわば首都圏の交通対策の外環状線の一環とも考えていいのではないかとも思うのです。  さらにまた湖西線でありますが、これは起点と終点を変更するということであります。これもまたすでに米原から以西の東海道線が飽和状態になっている、同時に北陸線との連絡において時間短縮、その他京阪地方に対します一つの交通緩和というふうな、これは都市交通の上から考えてきわめて重要な問題だと思う。これはいまの都市交通の状況から考えますならば非常に重要でありまして、特に産業活動あるいは経済活動の面から見ましても早急に着手されなければならぬと思うのですが、これは大体いつから着手して、いつごろこれを完成させようというふうな考えなのかお伺いいたしたいと思います。
  113. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 お説のように非常に重要なものでございますし、国鉄の長期計画審議願いました際に、これの要望路線にも入っておりますので、今国会において別表改正が認められましたならば、四十年度から直ちに、着工し、国鉄の長期計画の完成に合わして、本工事をできるだけ必要な部分は完成するようにしていきたいというふうに考えておる次第であります。
  114. 内海清

    ○内海(清)委員 これはいま申しましたような関係からきわめて重要であり、早期に完成すべきものであるというふうに考えるのです。  ついてはいまの三つの線でありますが、大体建設費はそれぞれどのくらいかかるか。概算でけっこうです。
  115. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 今回の京葉線の延長部分は概算三百億でございます。それから武蔵野線の分は概算百五十億でございます。合計しまして概算四百五十億円でございます。
  116. 内海清

    ○内海(清)委員 これは実際の建設公団がやるわけですが、これは本年度の予算を見ましても、この公団予算というものは二百五十億というものがきまっておるわけです。緊急性のあります工事についても、これ以外のものもどんどん進めていかなければならぬわけでありますが、二百五十億というのは、もともと新線建設国鉄がやっておった当時から考えてみますと、三倍強というふうなことには一応なっておりますが、この二百五十億の資金内容を一応御説明願いたい。
  117. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 四十年度に予定しております資金内容といたしましては、政府出資が十億、国鉄出資が七十五億、財政資金からの借り入れが四十億、債券が百二十五億、その他公金その他入れまして四億、合計いたしまして二百五十四億円でございます。
  118. 内海清

    ○内海(清)委員 二百五十億の内容はいま承ったわけでありますが、この二百五十億の中で政府の裏づけのあるのは半分の百二十五億、残りの百二十五億は政府保証のない単なる利用債その他であると思うのであります。そういう点から見まして、これは公団ではたして十分消化できるかどうか、この点はどういうようにお考えですか。
  119. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 先ほど申し上げましたように債券百二十五億を予定しておるわけでございますが、発行諸条件の整備、引き受け先の選定等の問題があるわけでありますが、いま鋭意折衝しておりまして、一応見通しが立ったという段階でございます。
  120. 内海清

    ○内海(清)委員 見通しが立ったというのは、どういうふうな調達を考えておられるのですか。
  121. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 この債券につきましては、お話しのように一応非公募債でございますが、予算編成の際の経緯もございますので、大蔵省が配慮いたしまして、必要な消化をしてくれる。一部につきましては公団自体が消化に努力をする面がありますが、大部分は大蔵省のあっせんによって消化する、こういうことでございます。
  122. 内海清

    ○内海(清)委員 大部分は大蔵省のほうで配慮するということでありますが、これに対して資金の調達の場合に、なぜこれを政府保証債にしなかったかということです。これは政府金融関係の適格保証がある場合には、公団自体で調達いたし策すものも比較的たやすくできる、これは普通の場合も同様だと思います。なぜこれがそういうふうに政府保証債という形にならなかったか、こういう点についてひとつ……。
  123. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 政府保証債の問題でございますが、従来折衝の経緯といたしましては、日銀の考え方で政府保証債の条件として公募債でなければならないというようなことで、とりあえずいま考えておるような非公募の形では困るということでございますが、しかしその問題とは別に、消化について一応見通しが立ちましたので、政府保証の問題はなお今後の問題としてわれわれは大いに調達折衝を進めるようにいたしたい。債券自体については、政府保証の問題とは別に一応消化のめどが立ったという段階であるということを申し上げておきます。
  124. 内海清

    ○内海(清)委員 それは一応めどが立ったということでけっこうでありますけれども、おそらく車両メーカーであるとか、電気メーカーであるとか、こういうふうな関連業界からのものがかなりあるのではないかというふうに思うのであります。その点いかがですか。
  125. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 ちょっと政府保証と申し上げましたが、適格担保の間違いでございますので、適格担保の問題について申し上げます。その点を訂正さしていただきたいと思います。  それから百二十五億のうちで、いまおっしゃったように比較的縁故の近いところから考えているのはどのくらいかという御質問でございますが、一応二十五億程度というふうに考えておるわけでございます。
  126. 内海清

    ○内海(清)委員 これらは公募債でありまして、かなり長い期間のものである。しかもこの政府の保証がございませんと、現在の経済状態では早急に換金がむずかしいということもありますので、こういう点については今後十分考えるべきではないかというふうに思うのであります。  時間がありませんから、これは要望事項にしておきたいと思いますが、特に最後に次官にお伺いしたいと思いますけれども、いろいろな計画路線があるわけであります。先ほど申しましたような今日都市交通の状況から見ました場合に、これを緩和するということはきわめて重要で、優先的に取り上げられなければならぬと思うのであります。そういうふうなことから、政府のこれらに対します配慮はきわめて重要であると思う。したがって、政府はこの際、新線建設のために必要な財政投融資あるいは外債あるいは外資の導入等の資金に対する考慮というものはきわめて重要な問題と思うのであります。この点に対しまする次官の御所見をお尋ねしておきたい。
  127. 大久保武雄

    大久保政府委員 ただいま御指摘のございました大都市交通、都市交通、あるいは地方開発も含めまして財政資金に依存しております国鉄をはじめとしました交通関係の資金需要は非常に大きいわけでございます。言ってみますならば、運輸省の予算は、むしろ一般会計予算よりも財政投融資計画により多く依存しておると申しても差しつかえなかろうと存じておるような次第でございます。さような次第でございまして、国鉄だけをとりましても、財政投融資計画のおおむね一〇%、昨年度は一三%を占めておりますような次第でございます。私どもといたしましては、今後におきましても財政投融資計画の中に占めておる国鉄をはじめとする輸送関係のシェアを拡大していきますと同時に、また、将来外債等適当な時期を見まして、これを発行することに努力いたしていきたいと考えておるような次第でございます。
  128. 内海清

    ○内海(清)委員 いずれにいたしましても、国鉄関係に対しまする資金の調達の面、これにつきましては、いままでもいろいろ論議されておりまするから、多く申しませんけれども、従来に増しまして、これはもっと政府関係に責任を持たすべきである。この点は今後十分お考えいただきたい。  時間がありませんから、敷設法はその程度にいたしまして、国有鉄道法の一部改正について申し上げますが、今回改正の主要点は、いわゆる債券の先取り特権、これを与えるということであると思うのであります。これは、なるほど言われておりますように、これによりまして債券の消化の促進、さらに流通を円滑にするということで、これはきわめて重要だと思うのであります。先ほどの答弁によりますと、たとえば各公団等においてもこのような先取り特権があるということでありまして、ただ単にそれにならってやるというふうなことであるのか、さらにこれによってこの消化が十分促進され、流通が円滑になるという、これらについて特に何か具体的な事例でもありましたらひとつお伺いいたしたいと思います。
  129. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 先ほども説明申し上げましたが、他の公社、公団にあって国鉄にないということは、消化、流通に阻害を来たすわけでございます。そういう障害を取り除きたい。特に四十年度予算におきましては従来の規模に比しまして多額の債券が出ますので、今回そういうことをお願いするわけでございます。
  130. 内海清

    ○内海(清)委員 四十年度の債券が多く出るので、特にこういうものを重視してこれを改正していくんだということであります。そうすると、本年の国鉄工事費は三千億円であったと思うのであります。ところがそのうちの六百八十八億はいわゆる特別縁故債となっておるんです。これはどういうふうな形でこの資金を集められるのか、この点についてお伺いしたい。特に昨年度はこの特別縁故債というものはなかったようでございます。本年度、特にこの六百八十八億という膨大な特別縁故債というものを計画しておられる。これはどういう形で集められるか、その点ひとつお伺いしたい。
  131. 豊原廉次郎

    ○豊原説明員 今度の六百八十八億の特別債券につきましては、大体考え方といたしまして、従来の利用債というものがございますが、利用債的な工事、やや範囲を拡大したような工事、債券でございますが、性質を持たすものと、それから先ほどお話しのございましたように、関連産業に消化をお願いする分、また、国鉄の共済組合等が従来縁故債を消化しておりますが、それにさらに追加をして消化していくというような考え方でこれを消化いたしたいと思っておりますが、なおまだ具体的には債券の条件その他についても、大蔵省との正式な折衝が終わっておりませんので、それを待ちまして、だんだんに消化先を拡大していきたい、こういうふうに考えております。
  132. 内海清

    ○内海(清)委員 本年度のこの膨大な特別縁故債、これは従来の利用債の範囲に入るのだ、さらに関連業界あるいは共済組合等に御協力を願って、これをやるのだということでありますが、いずれにいたしましても、大体、業界中心のものが多いと思うのです。今日の金詰まりの状態から見まして、はたして六百八十八億というこの巨額なもの、これは、今日の姿で見ますと、大蔵省は許可を与えたことにすぎぬと思うのであります。これが消化できる見通しがあるかどうか。それらについてひとつ伺いたい。
  133. 豊原廉次郎

    ○豊原説明員 ただいま申し上げましたようなことでございますので、全額につきまして、現時点において消化先が全部きまっておるというわけではございませんけれども、本年に入りましてから、各方面に内々の交渉をやっておりますので、その大部は消化できると思いますが、また、その利用債的というようなものにつきましては、地元との関係もございますし、従来の利用債を相当抱いておる関係もございまして、いま、ここで満額消化先がきまっておるというわけではございません。何といたしましても、この長期計画を完遂するための非常に大きな財源となっておりますので、国鉄は全力をあげて、また大蔵省なり運輸省なりの御指導をいただきまして、この完全消化に  つとめたい、こういうふうに思っております。
  134. 内海清

    ○内海(清)委員 この六百八十八億という巨額な特別債券であまりすが、先取り特権の規定を設けるということも、一つの消化をするための補助的な役割りを持たせようということであると思うのでありますが、はたして、昨年度ゼロのものが本年六百八十八億、でありますから、先取り特権の規定ができたからというて、これが円滑に流通するとはなかなか考えられぬのであります。この点について、いま一度ひとつ……。
  135. 豊原廉次郎

    ○豊原説明員 この消化は、現在の経済情勢からいたしましては容易でないことは私どもも覚悟いたしておりますけれども、担保の使い方、また発行の条件等もやや従来の利用債に比べれば消化しやすいものになろうかと考えておりますので、おっしゃるとおり楽にこれが消化できるとは考えておりませんけれども国鉄の長期計画の重要件をよく御理解願いまして、各方面の御協力を得て、何としても消化いたしたい、こういうふうに考えております。
  136. 内海清

    ○内海(清)委員 この先取り特権という本来の規定は、もちろん必要であると思うのでありますけれども、やはり一番必要なものはこの特別債券に対しまする政府の保証であると思います。そのためには日銀の適格担保の対象ときめるべきだと思うのでありますが、どうも今日までの状況をわれわれが見てまいりますと、政府においてそういうことに対します最大の努力が行なわれたかどうか、はなはだ疑問の点もあると思うのでありますが、この点についてひとつ次官のほうの御答弁をいただきたい。
  137. 大久保武雄

    大久保政府委員 ただいま御質問のとおり、国鉄の利用債は地方の銀行等におきましても相当な過去の背負い込みをいたしておりまして、その総額は約五百億ともいわれております次第でございます。そこでこれらに日銀の担保等を付しましてその流通を円滑にいたしますことは、ひいては地方における資金繰りにおきましても有効な、円滑な経済状態をもたらすものでございますので、私どもといたしましてはそのことを強く要望しておりました次第でございます。しかしながら、先ほど鉄監局長も御説明いたしましたような諸問題から、これが急速にいかないという場合におきましても財政資金全体といたしまして国鉄のこの六百八十八億円の資金需要等につきましてその裏打ちをしていくということを大蔵当局とおおむねの了解を遂げつつございますので、全体といたしまして国鉄工事量を確保していきたい、かように考えておりますような次第でございます。
  138. 内海清

    ○内海(清)委員 これは努力されたということでありますが、今日の姿を見ますると、政府はいわば特別債券を国鉄に押しつけることによって責任を回避したような形でありますが、私はこの特別債というものは日銀のこの適格担保等の処置をとりまして国鉄工事が完遂できるように政府も責任を持つべきだと思うのであります。これはひとつ今後におきましてそういうことが十分行なわれるように要望しておきたいと思います。  時間もございませんから急ぎますが、それからいま一つは現物出資の問題であります。これは、現金で行なうものなら問題はないのでありますが、現物出資を行なう場合に、その現物をどういうふうに見るか、こういう評価の問題だと思うのであります。これにつきましてどういうふうな方法でこれを評価されるか、これをひとつお尋ねしておきたい。
  139. 松浦周太郎

    ○松浦国務大臣 適正時価価格において評価いたしたいと思いますが、事務的な手続については鉄監局長より答弁いたさせます。
  140. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 具体的な評価のほうでは、まず国鉄が第三者に依嘱した評価によることになりますが、運輸大臣がこれを認可をするわけでございますが、運輸大臣もこの際にそれが適切であるか、チェックするわけでございます。最後に、会社に現物出資された場合には、商法の規定によりまして会社の選んだ検査役が検査をする、こういう三重の段階でチェックをすることになります。
  141. 内海清

    ○内海(清)委員 これは、一般会社の場合は商法の規定によって現物の評価を最終的には裁判所できめるというふうな形になっておりますが、そういうふうな形はおとりになりませんか。
  142. 佐藤光夫

    佐藤(光)政府委員 先ほど申し上げましたとおり、最後には一般会社と同じように検査役が検査をするということになっておるわけでございます。
  143. 内海清

    ○内海(清)委員 これはいずれにいたしましても適正な価格で現物出資が行なわれなければならぬ。ところが、従来やはりこういうものでとかく問題が起きておるわけであります。したがって、私どもはこの際強く要望しておきたいと思いますのは、やはりそれぞれの、これを評価する、商法等によりますような規定もある。そういうふうなものに準拠して国民のすべてが納得するような方法で適正な評価をしていただきたい。このことをひとつ強く大臣に要望しておきます。
  144. 松浦周太郎

    ○松浦国務大臣 仰せのように国民共有物でございますから、厳正公平に処理したいと思います。
  145. 内海清

    ○内海(清)委員 これで終わります。
  146. 長谷川峻

    長谷川委員長 他に質疑はございませんか。――他に質疑もないようでありますので、これにて両案に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――
  147. 長谷川峻

    長谷川委員長 これより両案を一括して討論に入りますが、別に討論の申し出もございませんので、直ちに採決いたします。  鉄道敷設法の一部を改正する法律案、及び、日本国有鉄道法の一部を改正する法律案を、原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  148. 長谷川峻

    長谷川委員長 起立総員。よって、両案は原案のとおり可決いたしました。  ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  149. 長谷川峻

    長谷川委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。  次会は明二十四日午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。    午後零時三十八分散会