○久保
委員 関連。
——大体
野間委員からのお話で、御当局のほうもおわかりになったと思うのでありますが、私はひとつ要望をしておきたいのであります。
先ほど
石田総裁からの御答弁で、たとえば日立製作所のごときは云々というお答えがございました。そういう
ものの
考え方自体を、もっとお聞きしなければはっきりわかりませんけれども、この
臨時雇用員という
ものは、どういう
仕事をやらせるのか、あるいは
超過勤務というのはどういう性。格の
ものかということをきちんとおきめになってやらぬと、単に
人件費がふくらむからということでおやりになるとするならば、労働の質の点からいっても問題が多いと私は思うのであります。われわれの
考え方とすれば、なるほど
国鉄全体の
仕事はそれぞれ
多様化しております。しかしながら、反面また多少の
波動性がございます。でありますから、
波動に応ずる部面については
臨時雇用員というのは必ずしも否定されないわけです。あるわけですね。ところが、
採用前提の
臨時雇用員という
ものもございます。これは言うならば、減耗補充あるいは養成
計画に基づくところの補充ということだと思うのです。業務量の増大に応ずる補充、こういうことでございまして、いまの
野間委員の質問に対してそういうはっきりした御答弁がどうもないようでありますが、きちっとそういう
ものを割り切って
——割り切るというとおかしいが、きめて、そして必要な
要員はどう配置するか、
超過勤務はどうする、こういうことをおきめにならぬと、非常に混乱していると思うのです。いわゆる大企業が、
一つの企業防衛のために、不景気が来るかもわからぬということで、恒常的な
臨時人夫を雇っているという姿では、
国鉄はいけないと思うのです。恒常的な
超過勤務を出すことによって
要員を押えていくことも、ノーマルな姿ではない。たとえば一週間のうちに一日か二日残業がある、これは
仕事のぐあいで当然あると思うのです。それはよろしいと思うのです。しかし一週間ずっと、一
年間通して三百日あるとすれば、これは非常にノーマルな姿の
超過勤務じゃないと思うのですね。これは労働の質も低下するわけです。三百六十五日のうち大半が
超過勤務で、夜の八時か九時までやるということになりますれば、どうしても今度は正常な勤務時間の労働の質は低下せざるを得ない。そういう労務
管理の点からも
考えていくべきであって、単に予算面というか、
一つの会計的に見た収支計算の中での
人件費のウエートを少なくする、表面づらはなるほど
臨時人夫を大半使えば、賃金支弁でこれは工事費のほうに回りますから、労賃、賃金のほうへはいきません。そういうやり方は、こまかしであって、
実態はちっとも変わっていないと私は思うのです。だから、ここで私は別に御答弁を求める必要はないと思うのでありますが、きちっと
長期計画の中では、いわゆる輸送量の増大に見合った
要員計画をするということ、その場合は
超過勤務のあり方、それから
波動性に応ずるための
臨時雇用員と、減耗並びに業務量の増大に対する
採用前提の
雇用員、こういう
ものをきちっとおきめになってやらぬと、どうもあいまいもこたる姿でいくと思う。
それからもう
一つは私は要望しておきますが、労働の質の向上をどうするかという問題は大きい問題でございます。ところが
経営合理化ということだけで、当面
人件費の増大を押えるということが至上命令にも今日までなっておりましたから、ともすれば養成
計画については残念ながら後退の一途をたどっている。養成定員の置き方、これは必ずしも十分でない。さらに養成する機関、内部の養成機関も戦前に比べれば後退しているわけです。なるほど
一つの養成機関である鉄道中央学園というか、そういう
ものなどを見れば、りっぱにはなりました。なりましたが、その中でやられる
仕事も、一部では最近はやっているところの労務
管理のことなどはたくさんおやりになっている。ところが、実際に現場で働く者の
技術向上なり知識向上のための養成機関は必ずしも前進してないというように私は見ています。
それからもう
一つは、あとからも質問が出ましょうが、少なくとも運転や何かに
従事する者は、戦前は厳重な資格が求められた。いつかの答弁で、全部、
採用は最低、高等学校卒業生だから、昔の高等小学校卒業より知能程度は進んでいるから短縮してもよろしい、こういうようなことを申された方がおりますが、これは誤りだと思うのです。そういう点を含めてやはり定員の査定を
考えてもらう必要がある。答弁は要りませんが、答弁できれば御答弁いただきたいのですが、時間の
関係もありますから、要望だけしておきます。