○山口(丈)
委員 周辺四社のうちには、それぞれその会社の
事情の異なっておることも承知をしておるわけです。したがって、個々の違った
条件の
もとに合理的な解決をする。いま
答弁の中に「不当」ということばを差しはさまれましたけれ
ども、私はそういうことは適切でないと思うんです。もちろん非合理的な、不当な、まあいえばごね得というようなことは許さるべきでない。しかし実際問題として、ただ工場の
補償問題だけに限らず、
飛行場というものがあそこにあって、それで得したものは一人もないんですよ。実に迷惑千万な話。これは
飛行場で得したというようなものは一人もない。そうして、しかも伊丹の
飛行場というのは、御承知のとおり周辺に過密といわれるような都市があって、そしてその都市のまんまん中にある。したがって、この
飛行場はどこかへ移転してほしい。実際、私も周辺の川西に昭和八年から二十七年まで十九年間住んでおったんですけれ
ども、いつでも、実際に病人があるとかあるいは子供が生まれるとか、こういうような場合でも、実際おれるものじゃないですよ。そのくらいひどい騒音に悩まされておるんです。したがって、私は、ああいうところに大きな
空港をつくるということは不適当だ、したがって他へ移転してやるほうがほんとうをいえば親切だと思うんですけれ
ども、それは言うていても始まらぬ話でありますから、せめてその周辺に、さきの
小川委員の
答弁に答えられたように、少なくとももっと誠意を持って、情熱を傾けて、この
飛行場の周辺の公害問題については、その住民に耳を傾けてやってもらいたい。
特にいま問題になっておる四社のうち、松谷化学などは、終戦後御承知のとおり甘味資源がないときに、まあいえば農林省の奨励工場として発足したもの。これはよく御承知だと思うのです。今日この甘味資源などがあまり問題視されなくなってくると冷淡に取り扱われるというのじゃ困る。これは、いまはもうそういう時代ですから四苦八苦の会社です。それをいかにして維持し、しかも、これは主として原料は農民の生産するもの、それにでん粉などを加えてやっておるのですが、したがって、いかにしてその会社の運営を維持していくかということに一生懸命になっておるのです。それにただ煙突を除去したというだけじゃ、おさまらないということは御承知のとおりなのです。将来の会社の存亡危機にかかわるといっても私はそう大きな言い過ぎるようなことばではない、こう思うのです。私は、すでに解決しておる、解決を近くするというような新聞記事を見て、やれやれとほっとしていた。ところが、いま御
答弁を聞いてみて、全然まだ解決のめどがはっきり立っておらぬ。私は、これはもっと誠意を持って促進してもらいたい。決して私は会社が過当な、無理な、むちゃなことを言っておるとは
考えられない。また、ごてて得をするというようなことも私は
考えておりません。きわめてあの人々は良心的に前途を憂えて言っておることだと思いますから、ひとつ十分に耳を傾けてもらいたい。それを
希望しておきます。
第二の問題。またこれも
飛行場の迷惑問題です。拡張
工事が始まりまして、宝塚、それから川西市の一の鳥居、その両方から土砂を
飛行場へ運んでおるのです。ところが、これは、宝塚だけでとろうとしたのを
地元で非常な声があがって、それで川西市のほうにも変更しておる。ところが川西市のほうは約五キロぐらいありますか。宝塚からだと約八キロぐらいになるんじゃないですか、あまりはかってみたことはないのですが。そこであの狭い道路を一日に千台、二千台というダンプカーが行き来をする。これは、そういう
飛行場など公の施設をやるのなら、まずそういうものを運搬する専用道路でも設けて、そうして一般に迷惑をかけないようにしてやってもらうか、それでなければ、道路をこれだけいためられるのだから、したがってその道路の補修については、
地元に迷惑をかけないようにやってもらいたい、こういうのが
地元の声なんです。これは陳情しておるのをよく御承知だと思う。いま他人さんには極力迷惑をかけないようにいたしますという局長の御
答弁を私は聞いて、それならば、ここで
答弁するだけでなしに、なぜ
地元に誠意を尽くして実行してもらえないか。ここで
質問をする。そうして
答弁をする。
質問するほうもしっぱなしなら、
答弁するほうも
答弁のしっぱなしだ。それでは私は国民にこたえる道でないと思う。一体どう
考えられますか。現地へ行ってごらんなさい、どういうものか。
地元の人々はこの
飛行場についてどれだけの怨嗟の声を放っておるか。したがって、この土砂運搬その他について、せめて
地元の少しの声を聞いて、そういう道路の破損でありますとか、あるいはまた別にその専用の道路をつくるなりして、そうしてその
地元に迷惑をかけないようにしてやるとか、何とかそういう道を講じてやるとか、
補償の道を講じてやるとか、そういうことが
考えられていないのですか。