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1965-02-09 第48回国会 衆議院 運輸委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和四十年二月九日(火曜日)    午前十時十七分開議  出席委員    委員長 長谷川 峻君    理事 大西 正男君 理事 進藤 一馬君    理事 關谷 勝利君 理事 田邉 國男君    理事 山田 彌一君 理事 久保 三郎君    理事 肥田 次郎君 理事 矢尾喜三郎君       有田 喜一君    浦野 幸男君       小渕 恵三君    川野 芳滿君       木村 俊夫君    壽原 正一君       田中 彰治君    塚原 俊郎君       西岡 武夫君    西村 英一君       小川 三男君    勝澤 芳雄君       島上善五郎君    野間千代三君       山口丈太郎君    内海  清君       竹谷源太郎君  出席政府委員         運輸政務次官  大久保武雄君         運輸事務官         (航空局長)  栃内 一彦君  委員外出席者         運輸事務官         (航空局参事         官)      手塚 良成君         運輸事務官         (航空局監理部         飛行場課長)  梶原  清君         専  門  員 小西 真一君     ————————————— 二月六日  委員西岡武夫辞任につき、その補欠として相  川勝六君が議長指名委員に選任された。 同日  委員相川勝六辞任につき、その補欠として西  岡武夫君が議長指名委員に選任された。 同月九日  理事有田喜一君同日理事辞任につき、その補欠  として大西正男君が理事に当選した。     ————————————— 二月五日  大阪外環状線高架建設等に関する請願外一件  (和爾俊二郎紹介)(第四一五号)  交通政策抜本的改善等に関する請願西宮弘  君紹介)(第四三五号)  国鉄第三次長期計画における盛岡鉄道管理局管  内の資金確保に関する請願鈴木善幸紹介)  (第六九六号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  理事辞任及び補欠選任  航空に関する件(新東京国際空港等に関する問  題)      ————◇—————
  2. 長谷川峻

    長谷川委員長 これより会議を開きます。  この際おはかりいたします。  理事有田喜一君から理事辞任を申し出ておりますのでこれを許可することとし、その補欠選任につきましては先例によりまして委員長より指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 長谷川峻

    長谷川委員長 異議なしと認め、それでは理事大西正男君を指名いたします。      ————◇—————
  4. 長谷川峻

    長谷川委員長 航空に関する件について調査を進めます。  質疑の通告がありますのでこれを許します。小川三男君。
  5. 小川三男

    小川(三)委員 昨年十二月の十一日の参議院予算委員会で、加瀬委員から計数をあげて各省にわたって詳細な質疑が行なわれておりますので、私はそれと重複を避けて、大要について伺っておきます。  その前に航空審議会答申案はすでに出され、航空局は、機会あるごとに八街富里地区が第二国際空港として適地であるということを発表しておりますね。その場合、いまもって二年にわたってなお決定できないでおるというのは、政府内部事情にあるのか、それとも外的な条件によってその決定がおくれているのか、それを伺いたい。つまり、閣内の意見の不統一のためにいまもってこの決定ができないでいるのか、その点です。
  6. 栃内一彦

    栃内政府委員 いま仰せられましたとおり、航空審議会答申が出まして、その答申によりますと、富里地区あるいは霞ケ浦地区——霞ケ浦地区につきましては、いろいろな問題、条件がついておりますが、この二候補地について、その後まだ政府としてこれにいこうという最終的な決定が出ておりません。私どもといたしましては、なるべく早くこの候補地の御決定が願えるようにということを期待しておりますが、いまのところ、まだ最終的に決定いたしておらない、こういうことになっております。
  7. 小川三男

    小川(三)委員 運輸大臣はお見えになっておりませんね。
  8. 長谷川峻

    長谷川委員長 予算委員会に行っておりますから、政務次官にひとつ……。
  9. 小川三男

    小川(三)委員 運輸大臣参議院予算委員会における答弁について確認しておきたいのです。よろしゅうございますか。——運輸大臣は、「人間を尊重するからこそ補償は十分する」ということを答えておるわけです。十分にするという場合に、政府側意思地元民との意思が対立した場合に、政府意思を引っ込めても、人間尊重立場から地元民意思を尊重するというぐあいに理解してよろしいか。
  10. 大久保武雄

    大久保政府委員 運輸大臣が十分にすると申したといたしますならば、適正なる補償をする、かような発言であったろうと存ずる次第でございます。さような考え方で進みたいと存じます。
  11. 小川三男

    小川(三)委員 適正価格というのはだれがきめるのですか、問題でしょう。たとえば地元民の主張する価格政府側価格とは、いかなる場合でも対立する例が多いのです。その場合に、運輸大臣は、人間を尊重するからこそ価格は十分に補償するということを答弁しておられるのです。
  12. 栃内一彦

    栃内政府委員 私も、いま御質問になりました参議院予算委員会に出席しておりまして、運輸大臣の御答弁を聞きましたが、確かに運輸大臣は、十分尊重するということを言われました。この尊重するという意味は、おそらくいま政務次官答弁いたしました適正なということと同じような意味であろう。したがいまして、できるだけの考慮を払って、地元の御要求にできるだけ応ずるという心がまえでもちろんいくわけでございますが、地元が要求する額がいかに高額であっても、それをそのままのむという意味ではないと思います。おのずからそこに適正な標準というものがあると同時に、またいろいろな補償の算定にあたりましては、やはりある程度の幅があるのじゃないか、その点をできるだけ地元の方の御納得いくような方向で処理することであろう、かように考えます。
  13. 小川三男

    小川(三)委員 次に、運輸大臣は、その同じ会議で「富里付近及び千葉県内だけで土地を得ることができなければ、北海道でも東北でも、広いところへまた行って、新しい農業をやってもらうということも一つの方法」であるというぐあいに答えておるのですが、運輸大臣並びに運輸省当局はいまもなおそういう考えでおるのかどうか。つまり地元でどうしても百姓をやりたい、農業をやりたいという者は、北海道でも東北でも行っておやりなさい、こう答えておる。会議録をごらんになればそのとおり出ております。これは地元で非常な大きな問題になっておるわけです。いまもなお運輸省当局はそうお考えになっておるのかどうか、その点を伺っておきたいと思います。
  14. 栃内一彦

    栃内政府委員 その点につきましては、農業を続けることを御希望の方は、たとえば付近でかえ地をあっせんするというようなことも考えておるということが、主たる大臣のお考えであろうと私は思います。たまたま大臣北海道出身でございますので、あるいは北海道に行く希望の人があればお世話しようというような意味大臣が言われたのではないかというふうに私は想像しておりますが、原則としまして、付近でもって農業をやられるという方にはできるだけ付近でもって代替農地をお世話するということで御納得いくように処理するのが私は当然のたてまえではないか、かように考えております。
  15. 小川三男

    小川(三)委員 いま航空局長さんの答弁では、大臣北海道出身であるからお世話すると言うが、千葉県内において営農するかしないかという問題は、これは農林省当局にも大きな関連のある問題である。運輸大臣が個人的に世話するとか世話しないとか、そういう問題ではないでしょう。運輸省として、どうしてもあそこで営農をやりたいという者は北海道でも東北へでも行っておやりなさいというような、切り捨てるような考えをいまもなおお持ちになっておるのかどうかということを伺っておきたい。
  16. 栃内一彦

    栃内政府委員 私は、大臣の真意は、決して切り捨てるような意味でおっしゃったのでなくて、あの付近でできるだけお世話をする、もし希望の方があればお世話してもいいというような意味で言われた、かように考えます。
  17. 小川三男

    小川(三)委員 では、次の点を伺いますが、新東京国際空港建設について、すでに三十七年で百十八万、三十八年度で一千万、三十九年度で一億という調査費用が計上されておりますが、これは運輸省独自の調査経費であるのか、航空審議会調査費用もこの中に含まれておるのか、その点を伺っておきたい。
  18. 栃内一彦

    栃内政府委員 運輸省自体調査費として計上されております。
  19. 小川三男

    小川(三)委員 次に、その同じ文書の中で、立地条件についてイ、ロ、ハ、ニ、ホの五つの条件をあげておられます。その中に、ハのところで「工事の施行及び完成後の維持補修が容易な地形地質であること。」とあり、さらに航空審議会答申案によると、富里八街地区洪積台地で、地盤は良好であるということをいっておりますが、この地質について具体的にボーリングなどなさって調査されたのかどうか、調査なされたとすれば、いつ、どこのだれの土地調査されたのか。
  20. 手塚良成

    手塚説明員 今日までボーリングはやったことはございません。
  21. 小川三男

    小川(三)委員 ボーリングをやらないで、洪積台地地盤は良好であるということがどうして言えますか。
  22. 栃内一彦

    栃内政府委員 ただいま参事官が申しましたように、航空局としてあの付近ボーリングをやったことはございませんが、すでに地元でもって、あるいは千葉県におきまして既存資料がございます。そういう資料に基づきまして私のほうで調査いたした、こういうことでございます。
  23. 小川三男

    小川(三)委員 そうしますと、航空審議会でもあなたのほうでも、地質調査は全然やっておらないということですね。あそこは関東ローム層の模範といわれておるような土地なんですよ。それを、あなたのほうで具体的に調査をせずに、どうして洪積台地で、しかも地質は良好である、地盤は良好であるということが言えるのか。あなたのほうでは自分で調査されないで、千葉県の資料に基づいてこれをやっているのですか、その点を伺います。
  24. 栃内一彦

    栃内政府委員 私のほうといたしましては、既存候補地につきまして、ボーリングをするというようなことはいたしておらないことは事実でございます。この点は、実際にボーリングをするというようなことは、現在の情勢におきまして、富里地区におきましても一つ候補地ということでございますので、実際に地面を掘り起こすというようなことはいろいろな意味で不適当である。ただし、既存のいろいろなデーターがございます。かつて、付近で井戸を掘ったというようなこと、その他の既存のデータをもとにして、地質の問題につきまして、私のほうはそれを根拠にしまして調査をした、こういうことでございます。
  25. 小川三男

    小川(三)委員 同じ項目の中にホの項に「用地取得が比較的容易である」ということを言っておりますが、どこの何と比較して用地取得が容易であるのか。用地を取ること、取得が容易である、比較的容易である、どこの何と比較して、どういう条件と比較して、富里八街地区用地取得が容易であるのか。
  26. 栃内一彦

    栃内政府委員 これは比較的の問題でございまして、七百万坪という面積を予定いたしまして、その他の陸上候補地というものと比較しますというと、富里付近が比較的人家が少ない。もちろん比較的の問題でございますが、そういう意味で、他よりは容易であろうということでございまして、他の候補地は、したがって、そういう意味合いにおいて候補地としては不適当であろう、こういうふうに考えております。いわば、ほかの陸上候補地と一時考えられたものよりも、富里地区のほうが人家が比較的まばらである、こういうような判定からそういう記述をいたしたわけでございます。
  27. 小川三男

    小川(三)委員 あなたのほうの航空審議会答申によると、七百万坪で、あそこは千三百戸ですかの立ちのきでよろしいといっておりますが、千葉県の当局調査によれば、幅二キロの緩衝地帯を設ける場合には、三千三百戸の立ちのきが必要であるということを千葉当局は県の議会において答えております。その場合、三千三百戸、あるいは千二百戸でも千三百戸でも、他のどこと比較して少ないのか。他のどこはこれより多いのか。その点を伺っておきたい。
  28. 栃内一彦

    栃内政府委員 たとえばいろいろなところがございますが、これは候補地として一応調べまして、現在候補地として考えておりませんが、たとえば千葉県で申しますと、白井という、現在自衛隊の下総飛行場がある付近がございます。この付近も一時一つ候補地として調査したことがございます。それから九十九里浜沿岸という点につきましても調査いたしたことがございます。その辺のところと比べますと、人家の込み方と申しますか、かりにそこを候補地としまして、立ちのきをお願いするというようなことを考えますと、いずれも富里付近よりは人家が多い。そういう意味で、移転が比較的困難であろうというふうに考えました。そういう意味で、これらの候補地人家立ちのきということが非常に困難であろうということで、もちろんこれは比較的の問題でございますが、候補地としては不適当ではないか、こういうふうに考えたわけでございます。
  29. 小川三男

    小川(三)委員 さらに次に、代替地その他について、国有地及び県有地がある。したがって、それを充てればよろしいだろうということを答申案では出ておりますが、あの国有地県有地と合わせて六百七十町歩ほどあります。宮内庁は絶対反対だと言っておりますが、もし必要ならば次回に喚問してもよろしいと思います。県としても議会の議決を経なければならない。そういう場合に、国有地県有地を具体的にあなたのほうでは折衝されて、そうしてこれを充てるのだという結論が出ているのかどうか、この点伺いたい。
  30. 栃内一彦

    栃内政府委員 私のほうは宮内庁と別に正式に交渉したことはございません。したがいまして、宮内庁のほうで御料牧場空港建設のための代替用地として提供してもよいということを言明されたということはございません。ただ、私どもとしては、富里がかりに飛行場ということにきめられるならば、そこでさらに農業を続けたいという方に対しまして、宮内庁にお願いをして、そこの農地を分けていただくということをお願いしたい、こういう意味考えておりましたので、そのことがまた絶対に不可能であるというふうにも考えておりません。いずれにいたしましても、まだ候補地決定しているわけではございませんので、宮内庁と正式に交渉するという段階ではもちろんないわけでございます。決して、私のほうで宮内庁の了解をとりつけておるということはございません。
  31. 小川三男

    小川(三)委員 さらに、あなたのほうの提出された資料によりますと、利点としてあげて、土地利用度が低く、空港用地として転用しやすいということを言っておられる。ところが、この土地利用度の場合を見ましても、一戸当たり町歩以上の農家を千葉県で調査した場合に、八街は六九%、富里は六八%で、千葉県全体の平均は四三%です。八街富里千葉県の農業用地としては一、二を争う営農地としてりっぱに、利用度が低くなく、最高の利用度を示しているわけです。あなたのほうでは、利用度が非常に低い、したがって航空用地として適地であるということを言っておりますが、利用度は低くないのです。千葉県全体から見て決して低くない。その点を……。
  32. 栃内一彦

    栃内政府委員 土地利用度につきまして私のほうで調査いたしました資料は、単位面積当たり生産性と申しますか、そういう点から見て土地利用度が、これも比較的の問題でございますが、それほど高くないということを申しているのでございまして、あるいは一戸当たりというような観点で計算をするということになれば、またおのずから一戸当たり耕作面積というような問題も出てまいりまして、別な計算のしかたがあるいは出てくるかもしれませんが、当方で比較的生産性が低いと言いましたのは、単位当たりの問題として、そういう資料に基づいて記述している、こういうことでございます。
  33. 小川三男

    小川(三)委員 あなたのほうのこのいまの調査はいつごろおやりになられたのか。いつの時点でこれをとらえてあるのか。
  34. 栃内一彦

    栃内政府委員 三十七年の調査ということになっておりますが、なお詳細につきましては係のほうからお答えさしてもよろしゅうございます。
  35. 小川三男

    小川(三)委員 次に、審議会答申案によると、「造成経費として(補償買収および敷地造成)」として八百二十億を計上してあります。これは答申案です。その内訳として、一に補償、二に買収、三に敷地造成、この三つに分けて、大別してお答え願いたい。数字内容ですね。
  36. 栃内一彦

    栃内政府委員 現在概算数字は出しておりますが、その内訳につきましては、これは一応の試算もとにしたものでございますし、また詳細な補償具体的内容というところまでは、まだ詰めておりません。と申しますのは、現在のところ、先ほども申しましたように、調査と申しましても、御指摘のようにボーリングをしているわけではない、また空港がかりに富里にきまったといたしましても、富里のどの部分に、どういうような形でやるというようなことは、まだ全然きまっておらないというような点から申しまして、具体的な補償内容ということは、現在のところ全くきまっておりません。一応の試算として、この程度という概算を掲げたということでございますので、内訳をいま申し上げる段階ではございません。
  37. 小川三男

    小川(三)委員 私の伺っているのは、たとえば土地造成に何立米の土地を動かすためにどれだけの経費がかかる、あるいは樹齢百年の松は幾らであるというようなこまかいことを伺っているのではなくて、八百二十億という概数であれ何であれ、少なくとも八百二十億というものは出ていて、内容として、大別して三つのものをあげてあるのですから、この三つのものについて、大体土地幾ら、買い上げは幾ら補償幾ら、この三つ数字くらいは出るんじゃないですか。その点です。
  38. 栃内一彦

    栃内政府委員 もちろんいま生先のおっしゃいましたように、具体的なものは出ておりませんが、一応の計算はしておるわけでございます。ただ、たとえば反幾ら、あるいは坪幾らというような点につきましては、現在大蔵省当局との間の話もまだ全然煮詰まっておらないという段階でございますので、数字につきましては、責任を持って答弁しなければならないというような場所でもって、こういうように考え大蔵省と折衝しようというようなことは、ちょっと申し上げかねます。
  39. 小川三男

    小川(三)委員 そうしますと、この八百二十億は、たとえば航空審議会にしても、あなたのほうにしても、責任ある数字でないということですね。内容責任が持てなかったら、この概数責任が持てるわけがないでしょう。
  40. 栃内一彦

    栃内政府委員 おおよその概算としまして、すべてをまとめてその程度というような意味におきましては責任を持っておりますが、内部の、反当たり幾らで買うとか、あるいは坪幾らというような点につきましては、現在ここで、どういうような考えで今後やるかというような問題につきましては、お答えすることは不適当であり、また概算としてああいう数字を出したことは事実で、その概算数字につきましては、その意味におきまして責任を持っておる数字でございますが、内訳につきまして今後いろいろな問題がございます。また、折衝過程におきましては、概算の大きな数字が変更するということもあり得ると思います。そういうような意味概算数字でございますので、現在その内訳をここで明らかにすることは不適当であると思います。
  41. 小川三男

    小川(三)委員 そうしますと、補償費買収費敷地造成三つに大別して、反幾ら坪幾らというのではなくて、大別して三つに分けても、この八百二十億の内容についてはお答えできないわけですか。
  42. 栃内一彦

    栃内政府委員 これを三つに分けるということは、すなわち坪当たりあるいは反当たりの単価というような問題にまでもなります。この点につきましては、ただいまおっしゃいましたように、地元要望というものをできるだけ入れるというふうに運輸大臣予算委員会答弁した、その点はどうか、またそれはどこまでやるんだというような御質問があったようなわけでございまして、実際に幾らでもって買収する、いかなる補償をどの程度やるかという問題につきましては、それこそ地元の御要望というものをできるだけ尊重して、政務次官答弁しましたように、それらを適正に見ていく。また大臣の言われました、できるだけ地元考え方を尊重しようというようなお考え、これらによりまして適正な価格というものをできるだけ地元要望に沿えるようにということで、また私どもとしてはそういう努力を政府内部ですべき立場にございますので、いまここで幾らというようなことを申し上げるのは不適当でないか。むしろ、かりに富里場所がきまった場合に、地元の御要望というものをよく伺って、それをできるだけ政府内部でもって実現できるようにまた努力するというような別の意味の私ども立場もございますので、この際八百幾らというものの内訳をここで明らかにすることは不適当でないか、かように考えております。
  43. 小川三男

    小川(三)委員 そうしますと、運輸省から提示されてある空港建設費として千八百八十億を計上してありますが、この内容についても前と同じように分類してはお答えできないということになりますね。これはできますか。
  44. 栃内一彦

    栃内政府委員 千八百八十億という数字はすでに公表した数字でございますので、公表しておるという意味におきましては責任を持った数字でございますが、この数字は絶対確定の数字である、今後これが全然ふえも減りもしないというような意味で固めた数字ではございません。ある段階における一応の概算としてそういう数字を発表し、また使用したという意味におきましては責任を持っておりますけれども、これをさらに非常にかたく考えて、絶対にこれの上下はないんだというようなことはむしろ実態に合わない。繰り返しますように、今後ボーリングをしてみるという場合に、現在までわかっておらないような事情が出るということもございましょう。また具体的にかりにきまりました場合に、どういうふうな敷地造成するというような場合に、実際の地形というものも考えなければならぬ。そういう場合には、調査の結果おのずからそこにいろいろな変更ということがあり得よう。また補償の問題にしても、具体的にどの部分がかかる、そこの現に住んでおられる方々といろいろ御折衝するというようなことで、またいろいろ話が折り合わない、あるいは相互の譲歩、妥協ということもあり得ると思います。そういうような具体的な問題ということになりますと、数字はまた変わってまいります。その場合に、前の数字と違うではないか、前の数字責任を持たないのかと言われると、前の数字は、一定の時期において、一定使用目的のためにつくった、あるいは計算した数字である、そういう意味責任は持ちますが、具体的に場所がきまりました場合に、どういうふうにして工事をし、どうやって買収するかという場合には、むしろ前にきめた数字を変えるということもあり得るということのほうが、私は真に責任を持つというふうに考えます。そういうような意味におきまして、現在のところ、概略の数字として発表しておりますが、これを分解することは不適当であると思います。
  45. 小川三男

    小川(三)委員 では、次の点について伺いますが、現在、軍事基地の場合は、滑走路延長地域に対して特別補償法が実施されておりますが、民間航空の場合もこれを実施する予定かどうか、その点……。
  46. 栃内一彦

    栃内政府委員 現在、軍事基地につきましては、法律というよりもむしろ、私の承知している限りでは、実際の予算措置ということでもって補償をやっておるというふうに考えております。民間空港につきましては、現在のところ、そういう制度が確立しておりませんが、私は、この点はやはり何らかの意味で検討していかなければならないんじゃないかというふうに考えておりますが、政府内部全体としまして、そういう制度の確立という点につきましてはいろいろ議論もございます。しかし、航空関係の当局者としましては、そういうような騒音の問題についてどういうような制度を確立していくのが一番適当であるか、また、政府内部の一致した賛成を得られるかどうかという点は十分検討して、実際問題として地元に対する騒音という問題について、これはもちろん程度の問題はございますが、非常にやかましいというような問題につきましては、何らかの方法を当然考えるべきである、こういうふうに私としては考えております。ただ、政府全体としてどうするかという問題につきましては、まだ全体の意思が統一しているという段階まで行っておりません。  なお、先ほど、私はちょっと誤りがありましたので、訂正いたしますが、米軍につきましては特損法というようなものがありますし、防衛庁関係につきましては予算措置というようなことで対処しておるというふうに聞いております。これは私の本来の責任分野ではございません。関連ある事項でございますので、そういうふうに聞いております。その点を念のため申し上げておきます。
  47. 小川三男

    小川(三)委員 現在厚木基地の例を見ますと、他に地所を買い、家屋を取り壊したときに初めて補償金が出る。しかも、他に買う場合には坪四万円もするんです。ところが、政府補償はわずかに四千円です。しかも、他に土地を買い、家を取り壊して初めて補償金が出る。補償金が出なければ、他に土地を買って家を取り壊して移ることもできないでいる者が、現在あの騒音の下に三百戸もあるんです。これは事実、調査してきたんですから、あるんです。このように、しかも他に土地を買おうとすれば四万円もする。政府はわずかに四千円しか与えてない。あなたのほうで、どこへどう決定されようとも、こういうことのないように、軍事基地の下に置かれているようなことのないように十分注意というか、考慮されたい。あなたのほうで軍事基地の周辺の実情を調査されることを私は希望したい。
  48. 栃内一彦

    栃内政府委員 ただいま申し上げましたように、この新空港の周囲の騒音問題についてどういう方針でいくかということは、最終的には政府内部の全体の意思の合致ということが必要でございます。しかし、航空関係の担当者としましては、地元に対する御迷惑をできるだけ軽減するように努力すべき立場にございますので、軍事基地その他についての調査も進めまして政府内部でもって最も合理的にこの問題がそういう解決のできるように、私どもとしては努力すべき立場にありますので、十分御説のような検討を加えたい、かように考えます。
  49. 小川三男

    小川(三)委員 政府は口を開けば国家百年の大計であるとか国策であるとかいうことは、これは歴代政府が言っていることですが、いま、富里八街町周辺では、すでに、血判を押して、あなたのほうへ反対の陳情書が出ておるはずです。そのほか行動隊が組織され、周辺の市町村は非常に強硬な反対運動が起こっておる。その場合でも、一たび決定すれば、あなたのほうは国家権力を用いてでも、ゴリ押しでも、あそこに設置するという考えがあるのか。その点を伺っておきたい。
  50. 栃内一彦

    栃内政府委員 現在、富里地区につきまして反対運動があるということは、私も承知しておりますが、また一方、賛成の方もかなりおられるように考えております。そこで、どこにきまるかということは、今後の問題でございます。富里は確かに一つ候補地として私どももかねてから考えておりますし、現在も——問題はございますが、有力な候補地であるというふうに考えております。ゴリ押しということを言われましたですが、これはできるだけ地元との折衝をやらなければならないというふうに考えております。
  51. 小川三男

    小川(三)委員 いま航空局長は、賛成の人もたくさんあると言われた。あそこへあなたのほうでどなたか行かれたらよろしいでしょうが、あそこへ行くと、新国際空港八街町、富里へという誘致の横断幕もあり、すぐ隣には絶対反対という横断幕もある。しかも、反歩百万以上ならば売るが、反歩百万以下ならば絶対反対である、条件によれば賛成である、条件によれば反対であるという。しかも、営農を行なう場合に、いま学校の生徒までが、あそこで農業を営むならば農業高校を選ぶが、農業がやっていかれないならば他に行かねばならぬ。就学の問題まで非常な困難に突き落とされておるわけです。そういう点で、賛成もありますと言うけれども、単に土地を国家のためなら一切提供しても無条件で賛成だというものは一人もないはずです。そういう点で詳細に御調査をされたい。  それからさらに伺っておきたいのは、産業計画会議から第十三次のリコメンデーションが出ておりますが、あの産業計画会議の勧告案については、運輸省当局は一顧だにも値しない、取るに足らないとして退けているのか、それとも、十分研究の対象になるとしておられるのか。どういう措置をされておるのか、それを伺いたい。
  52. 栃内一彦

    栃内政府委員 産業計画会議のお考え方は、おそらく東京湾の中に埋め立てをして新空港をつくろう、こういう構想をお出しになっておるのだろう、かように考えておりますが、東京湾の中を埋め立てするという問題につきましては、私どもとしましても、かつていろいろ検討を加えたことがございますけれども、主として、東京湾内の埋め立てというものは、羽田の国際空港との管制上の関係で困難であるというふうに考えておりますので、私どもは港内の埋め立てということは羽田との関係で適当ではないというふうに考えております。
  53. 小川三男

    小川(三)委員 航空審議会委員であり、同時に産業計画会議委員であって、両者を兼ねている委員もおるわけですから、——産業計画会議の出た意見についてはあります。それは名簿をごらんになれば兼ねているものがあります。そういう場合に、産業計画会議の意見というものは、あの資料は全然あなたのほうでは、今後ともとるに足らない意見としてのけているのか、それとも今後さらに調査検討する用意があるのかどうか、その点を伺っておきたい。
  54. 栃内一彦

    栃内政府委員 産業計画会議委員で、兼ねておられる方というのは、後ほど調査いたしますが、私の記憶では、航空審議会の会合におきまして、産業計画会議考え方につきまして議論をされたことは記憶がございますが、これを取り上げようじゃないかというところまで問題が発展していった、そういうことはございませんでした。
  55. 小川三男

    小川(三)委員 それじゃ最後に伺っておきますが、二年にもなっていまもって場所決定ができないのは、政府部内の意見の不統一がそうさせているのか、それとも外的な条件のために決定できないでいるのか、その点を伺っておきます。
  56. 栃内一彦

    栃内政府委員 外的な条件という意味がよくわからないのでございますが、現在まだ政府内部で、最終的に場所がきまっておらないのは事実でございます。私どもとしましては、できるだけ早く御決定願いたい、かように考えております。
  57. 小川三男

    小川(三)委員 この場合所管は運輸省ですか、運輸省のみで決定できますか、あるいは、この間千葉県知事は、県内がこのためにこの土地の人心を非常に動揺させているというので、知事は佐藤総理に会って帰った。佐藤総理は十分調査検討して、新たなる観点でこの問題の解決に当たりたい、こう言っておられるのです。それは千葉県知事の県会における答弁ですよ。その場合、一体これは佐藤総理が決定するわけじゃないでしょう。閣僚会議なりなんなりで決定するのでしょうが、それは一体閣内の意見の不統一のためにいまもって決定できないでいるのじゃないかということを伺っておきたいのです。閣内の意見はすでに統一されているのかどうか。
  58. 栃内一彦

    栃内政府委員 新空港の位置の決定は、運輸省限りでやることは全然考えておりません。位置の決定は内閣全体の御意見がきまるという段階において、そういう形で御決定になるであろうというふうに私は想像しております。
  59. 小川三男

    小川(三)委員 最後にもう一つ伺っておきたいのは、八街富里地区の人たちは、あなたのほうから最適地八街富里であるというような発表をされて以来、非常に動揺しているわけです。しかもあそこの土地は、営農地としてりっぱに立っていく土地であって、畑地かんがいなども、県の補助も政府の補助も受けずに、自分たち独自でやっている。いま畜産団地もやっておるし、土地改良もどんどん進んでおる。その一方で、おまえたちの住んでいるところが適地である、君たちの住んでいるところが適地なんだというように言われて、その生活、あるいは仕事の上、学校の問題にしても、非常な混乱の中に放置されておるわけです。したがって、当局としては、富里八街地区以外に、他に考える余地がないのか、あるいは今後他に考える余地があるのかどうか、その点だけ伺っておきます。
  60. 栃内一彦

    栃内政府委員 富里地区が適当であるということは確かに申しております。ただ、一番初め申しましたように、新空港場所航空審議会答申の線に沿っておきめ願うことができるであろうというふうに考えておりますが、先ほど申しましたように、富里地区と霞ケ浦周辺というものが有力な候補地というようになっております。
  61. 小川三男

    小川(三)委員 終わります。
  62. 長谷川峻

  63. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 基本的な問題は、政務次官がおられるから聞いてもいいのですが、まあ大臣が来られたときのほうがいいのですけれども一つ二つお聞きをしたいと思います。  それは、まず伊丹の国際空港の問題でありますけれども、この国際空港の拡張工事、その拡張に伴ってその周辺の会社、工場の施設の変更をしなければならない。たとえば、煙突の除去でありますとか、そういうようなことで昨年来非常に問題になっておったわけでありますけれども、それがどういうような解決条件になっておりますか、ひとつお聞かせ願いたい。
  64. 栃内一彦

    栃内政府委員 ただいま御質問の問題は、松谷化学の煙突の問題ではないか、かように考えておりますが、松谷化学の煙突の問題につきましては、以前にもこの委員会でいろいろ議論がされたわけでございますが、私どもとしましては、松谷化学に非常に無理なことを言って煙突を切れというようなことは全然考えておりませんので、十分会社当局と相談しまして、合理的な線で解決したい、かように考えております。
  65. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 いまそういう答弁を受けようとは私は思っていないのです。私の言っておるのは、いわゆるもうすでに解決をしなければならないし、またある程度その解決の話し合いは進んでおると聞いておるのです。したがって、それでは具体的にどういう解決をされたのか、これを聞きたい。
  66. 栃内一彦

    栃内政府委員 いま会社と折衝を続けておりまする飛行場課長が参っておりますので、現在までの折衝の経緯を説明させたいと思います。
  67. 梶原清

    ○梶原説明員 大阪空港の拡張に伴います煙突の補償問題につきましては、昨年末以来、先生の御指摘もございまして、会社とその後三、四回にわたりまして折衝中でございます。  なお、補償額並びに補償方法につきましては、非常にむずかしい問題がございます。特異のケースでもございまするので、慎重に検討しつつ、会社とも折衝しておるわけでございます。
  68. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 それでは、まだ最終的な決定は見ておらぬ、こう解釈していいわけですか。
  69. 梶原清

    ○梶原説明員 はい、そうでございます。
  70. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 これは昨年、私の質問に対して非常に誠意がある御答弁をいただいて、私は満足をしておったわけでありますが、その答弁の中で、科学的にもこの工場施設の変更について独自の立場からも十分に調査をして、そしてその補償だけではなくて、そういう施設の変更、それに伴う会社の内部の施設の構造についても、あるいはこうすればたとえばボイラー圧力の低下、それに伴う生産過程の障害等はなくなるというふうな点まで、権威者を集めて十分な調査をしてみてもよろしい、こういうような好意のある御答弁のように受け取っておるのでありますけれども、その後、そういう面は実際に実行されて、その上で施設の移転その他新設等を話し合われておるのかどうか、この点についてひとつ伺いたいと思います。
  71. 梶原清

    ○梶原説明員 この補償のしかたでございますが、四社ありますうちで、それぞれ事情を異にしておるわけでございます。したがいまして、いままでは四社一括して交渉をしておったわけでございますが、それでは、先ほど申しましたように事情を異にしますので、個々の会社を具体的に折衝をさしてもらう、こういうようにいたしまして、いま個々とさしてもらいつつあるわけでございます。  今度の煙突の補償の問題の場合に、煙突の機能を保持するということが一つ、それから、それに伴います、切ることによる煙害を防止しなければいけない、こういう二点を気をつけなければいけないわけでございますが、この具体的な方法につきましては、大阪大学のある先生にお願いをいたしまして、いろいろのやり方を回答をいただいたわけでございますが、そのうち役所としてとり得ます適当なものを会社のほうへ提示いたしまして、御意見、御要望なりを出してもらったわけでございます。  そこで、またそれにつきまして、私ども具体的に補償するとするならば最もどれが適当するか、一方会社のほうに御迷惑をかけるわけにいきません、また不当な補償をするというわけにいきません、妥当な線を見つけなければいけませんので、その点につきまして部内でも検討いたしまして、先ほど申しましたように、会社との折衝も進めつつある。遺憾ながら、まだ最終段階までに至っていない、そのような段階でございます。
  72. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 周辺四社のうちには、それぞれその会社の事情の異なっておることも承知をしておるわけです。したがって、個々の違った条件もとに合理的な解決をする。いま答弁の中に「不当」ということばを差しはさまれましたけれども、私はそういうことは適切でないと思うんです。もちろん非合理的な、不当な、まあいえばごね得というようなことは許さるべきでない。しかし実際問題として、ただ工場の補償問題だけに限らず、飛行場というものがあそこにあって、それで得したものは一人もないんですよ。実に迷惑千万な話。これは飛行場で得したというようなものは一人もない。そうして、しかも伊丹の飛行場というのは、御承知のとおり周辺に過密といわれるような都市があって、そしてその都市のまんまん中にある。したがって、この飛行場はどこかへ移転してほしい。実際、私も周辺の川西に昭和八年から二十七年まで十九年間住んでおったんですけれども、いつでも、実際に病人があるとかあるいは子供が生まれるとか、こういうような場合でも、実際おれるものじゃないですよ。そのくらいひどい騒音に悩まされておるんです。したがって、私は、ああいうところに大きな空港をつくるということは不適当だ、したがって他へ移転してやるほうがほんとうをいえば親切だと思うんですけれども、それは言うていても始まらぬ話でありますから、せめてその周辺に、さきの小川委員答弁に答えられたように、少なくとももっと誠意を持って、情熱を傾けて、この飛行場の周辺の公害問題については、その住民に耳を傾けてやってもらいたい。  特にいま問題になっておる四社のうち、松谷化学などは、終戦後御承知のとおり甘味資源がないときに、まあいえば農林省の奨励工場として発足したもの。これはよく御承知だと思うのです。今日この甘味資源などがあまり問題視されなくなってくると冷淡に取り扱われるというのじゃ困る。これは、いまはもうそういう時代ですから四苦八苦の会社です。それをいかにして維持し、しかも、これは主として原料は農民の生産するもの、それにでん粉などを加えてやっておるのですが、したがって、いかにしてその会社の運営を維持していくかということに一生懸命になっておるのです。それにただ煙突を除去したというだけじゃ、おさまらないということは御承知のとおりなのです。将来の会社の存亡危機にかかわるといっても私はそう大きな言い過ぎるようなことばではない、こう思うのです。私は、すでに解決しておる、解決を近くするというような新聞記事を見て、やれやれとほっとしていた。ところが、いま御答弁を聞いてみて、全然まだ解決のめどがはっきり立っておらぬ。私は、これはもっと誠意を持って促進してもらいたい。決して私は会社が過当な、無理な、むちゃなことを言っておるとは考えられない。また、ごてて得をするというようなことも私は考えておりません。きわめてあの人々は良心的に前途を憂えて言っておることだと思いますから、ひとつ十分に耳を傾けてもらいたい。それを希望しておきます。  第二の問題。またこれも飛行場の迷惑問題です。拡張工事が始まりまして、宝塚、それから川西市の一の鳥居、その両方から土砂を飛行場へ運んでおるのです。ところが、これは、宝塚だけでとろうとしたのを地元で非常な声があがって、それで川西市のほうにも変更しておる。ところが川西市のほうは約五キロぐらいありますか。宝塚からだと約八キロぐらいになるんじゃないですか、あまりはかってみたことはないのですが。そこであの狭い道路を一日に千台、二千台というダンプカーが行き来をする。これは、そういう飛行場など公の施設をやるのなら、まずそういうものを運搬する専用道路でも設けて、そうして一般に迷惑をかけないようにしてやってもらうか、それでなければ、道路をこれだけいためられるのだから、したがってその道路の補修については、地元に迷惑をかけないようにやってもらいたい、こういうのが地元の声なんです。これは陳情しておるのをよく御承知だと思う。いま他人さんには極力迷惑をかけないようにいたしますという局長の御答弁を私は聞いて、それならば、ここで答弁するだけでなしに、なぜ地元に誠意を尽くして実行してもらえないか。ここで質問をする。そうして答弁をする。質問するほうもしっぱなしなら、答弁するほうも答弁のしっぱなしだ。それでは私は国民にこたえる道でないと思う。一体どう考えられますか。現地へ行ってごらんなさい、どういうものか。地元の人々はこの飛行場についてどれだけの怨嗟の声を放っておるか。したがって、この土砂運搬その他について、せめて地元の少しの声を聞いて、そういう道路の破損でありますとか、あるいはまた別にその専用の道路をつくるなりして、そうしてその地元に迷惑をかけないようにしてやるとか、何とかそういう道を講じてやるとか、補償の道を講じてやるとか、そういうことが考えられていないのですか。
  73. 栃内一彦

    栃内政府委員 ただいまの、土砂をとるために自動車がほこりを上げるというような問題、これにつきまして地元から陳情がございまして、主として私の聞きましたのは宝塚でございますが、宝塚に非常にいいどろがある。——私は土質の専門家ではございませんが、非常にいい土がある。これを現在はやっておるかどうか知りませんが、あの付近の高速道路用の土としてかなり使っておる。その後また飛行場用の土としておそらくそれを使うであろう。それを使われると非常に地元で迷惑であるということで、何とかしてくれという話が出ましたので、できるだけ町の中を通るような道路は使わないようにということをあそこの工事をやります工事会社に言いまして、かなりこれが守られておるというふうに聞いております。もちろん全然あの付近の土を使わなかったということではございませんが、私もあの付近の地理、特に山の土の問題につきましては、どこの土が非常にいいかというような点につきまして専門的知識は持ち合わしておりませんが、地元の御要望に応じてできるだけそういうことの御迷惑のかからないように土の選定をしてくれということを特に頼みまして、そして地元の——地元と申しますか、今度の建設事業をやる会社は、それをかなりよく守ってやっておるというふうに聞いております。また、別のところから聞きましたのでは、土を持っておるほうでも使ってくれというような話もあるように聞いておりますが、そういうことがありましても、なるべく住民に迷惑のかからないようなところからどろをとるようにということを言いましたので、ある程度の成果はあがっておるんじゃないか、かように考えておりますが、いま伺いますと、まだかなり御迷惑をかけておるということでございます。  ただ、いま御質問の専用道路をつくるというような点につきましては、現在の予算のたてまえという点からいいまして、専用道路をつくる予算を要求するということは、私は不可能ではないかというふうに現在のところは考えております。
  74. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 これは言われるように、請負業者には極力宝塚の土砂を使用せずに、他の地域で土砂をとるようにというようなことも言われておるということも聞いているのです。そしてまた業者のほうも地元の了解を得るまでは土砂の運搬はいたしません、こういうことも約束していたようです。ところが、それは口約束だけであって、いざということになると、市議会のほうにも何の通知もしないでどんどん運び込んでくる、こういうのが大きくなって、そして一部を一の鳥居のほうに転嫁をしてやっておる。こういう実情じゃないですか。阪神間で、なるほど土砂は、埋め立ての土砂は宝塚の土砂が一等なんです。固まる点においてもこれは一番土砂の土質はいいのです。したがって、飛行場なんかにはあの土砂を入れるということは最もいいことだと私は思うのです。思うのだけれども、しかし、ただ単に、いま言うように、いいからといって——また、いま局長が言われるように、なるほど一部の土地造成者にとっては、これは山ですから、それをとってもらえば土地造成もできるわけですから、それは希望するでしょう。しかし、それは言いのがれですよ。それはごく一部の、一人や二人や三人のことであって、市民全体としては、局長が言われるように一部では希望しているというようなことはありませんよ。自分の金もうけの思惑のためにそういうことを言う人もありますけれども、全体としてはそんなことはないです。だからそういう言いのがれは困るのです。それではこれはまた押しかけてきますよ。そこに市民全体の公共性ということをあなた方は口にされるのでしょうが、だから、その公共性を考えると、公共性というのは市民の声を考えるということですよ。それを取り入れてやらなければならぬということです。ですから、そういう専用道路ができない、あらかじめそういう道路施設をつくるということは予算上、資金上困難であるとするならば、それによって破損する道路の整備の補助をやる。あるいは県道でも、必ず地元に何ぼかの負担がかかるのですから、ですからその負担の補助をしてやるとか、それからまた運搬する場合に、市民の安全のために監視員をもっとふやして、そうして一般の人の通行の妨害にならないように安全の道を講じてやるようにやらせる。それが官庁のほんとうの使命じゃないかと私は思うのですが、いかがですか、これは。そんなことはやれないですか。
  75. 栃内一彦

    栃内政府委員 専用道路の問題につきまして申し上げましたが、工事会社の車が道路をいためるという問題についての、国がこの賠償の予算を要求するという点は、これは検討すべき問題だと思いますが、いまここでそういう予算が必ず要求できるかどうかという点につきましては、確信がございません。
  76. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 政務次官に……。これは政治的な問題だから、こういう問題を事務的に処理するということはとてもできない。いかがですかいまの問題は。いわばこれもむちゃくちゃですよ。今度川西市内からどんどん運んでおるのですがね。宝塚と川西市内からと、両方から運んでやるようですが、膨大な土砂が要るわけです。何方立方というような土砂が要るわけですから、毎日延べ二千台、三千台というトラックが通わなければならぬ。もう道路の破壊はおびただしいものであります。また、交差点、あるいは交差点でなくても、大きな道路でなくても、間道から出入りをする。もう危険で、実際に道路は通れぬというような実情であります。ダンプカーなんてものはほんとうに道のギャングともいわれるような状態でありますから、ですからせめて道路の破損に対する地元負担の補償、同時に安全運行のための監視員の増員、このくらいは、これはやはり事務にまかせるのではなくて、政治的に政策的に、指示し、予算をつけて解決してやるべきだと思うのですが、いかがですか。
  77. 大久保武雄

    大久保政府委員 ただいま山口さんがお尋ねの、前段の補償の問題といたしましては、交通量が非常にふえておるという実態がそこにございますならば、またそれによって道路の破損等が相当大きいということでございますと、これは道路行政の面におきましても、国としても考えなければならない問題が出てこようかと存ずるわけでございます。飛行場立場においてこれを補償する、こういう予算はちょっととりにくいかと存じますけれども、道路行政のほうとも連絡をいたしまして、そういう特別の道路につきましての適切なる措置をとることが必要であろう、かように考えておるような次第であります。  それから第二の問題のダンプカーの運転の問題でございます。ダンプカーの運転が間々非常に不規則運転をいたしておるということは、私間々体験をいたすことでございまして、これはまことに交通道徳上あるいは安全上ゆゆしき問題だと考えております。そこでこの問題は、交通警察の問題でもございまするし、またダンプカーの運転、経営をいたす者の道義的責任、交通の上における責任の問題でもございます。私どもといたしまし七は、ただいま土砂の採取問題とあわせまして、業者に対しましてとくと安全運転につきましての強硬なる申し入れを再度いたしまして、今後できるだけ地元の、地域住民の安全なる生活に危難の及ばないような措置を講じたいと考えておるような次第であります。
  78. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 政務次官の誠意ある御答弁は了といたしますが、しかし、なるほど道路行政の問題でありますけれども、しかし飛行場建設というのは一定の期間がきまっているのです。ですから、これはただ道路行政、建設省の問題であると言っておるわけにいかない、政府は一体のものですから。ですから、運輸省としては、国際空港建設するためにここからここまで土砂を運ばしておるが、これは一日延べ何ぼになる、したがって、道路は非常にそのために破損がひどいといって地元からやかましく言われておる、したがって、これは何とか政府責任として始末をしようではないかというふうに相談をしてやられるのが私は当然だと思うのです。これは所管が違うからと言っても、政府の仕事でありますから、そのまま捨てておくというのはまずい話です。当然全体の責任としてやられるべきだと思う。だから私は政治的に解決する以外にないと、こう言っておるのですが、見解いかがですか。
  79. 大久保武雄

    大久保政府委員 おそらくそういうりっぱな土砂をその付近が埋蔵しておるということでございますならば、先ほども局長が答弁いたしましたように、また御質問内容にもあったように存じますが、高速道路の建設の際もその土砂をとったという御指摘がございましたし、また飛行場におきましてもこれを使いまするし、また、今後の地域開発の上にいろいろ土砂を使用する面が多かろうと存ずる次第でございます。そこで私も、その路線につきまして、なお十分局からも聴取いたしました上、建設省にも適当なる申し入れをいたしまして、できるだけさような道路の今後の補修、改良等につきまして考慮を払うようにいたしたい、かように存じておる次第であります。
  80. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 ぜひいまの御答弁どおり実行をしていただくようお願いをしておきます。  それから、次に騒音の問題について、時間がありませんから、簡単にお伺いをいたします。さきに言いましたように、とにかくこの飛行場、これは羽田も、全国各地至るところでありましょうけれども、いま伊丹の飛行場というのは、もう口をすっぱくして言うように、阪神間で一番人口の過密なところですね。都市のどまん中にある。そのために騒音対策、公害についてしばしば運輸省のほうに陳情が行っておるのです。私のほうにもたびたび集団で何とかしてくれ、こういう陳情があるわけです。ただ単に飛行機が全然音を立てずに飛べとかなんとかいったって、それは無理な話です。だからもう少し騒音対策としてどうあるべきかということについて、皆さん方の具体的な御意見はないか、こういうことを常に言って、私は地元の人と話し合いをしておったわけであります。ところが、このごろになりますと、その陳情もやや具体的に、まあことばをかえて言えば、協力的、建設的ということが言えるのじゃないかと思いますが、その第一は、夜間及び早朝の、せめて離着陸だけは禁止してもらえないか、こういういわば建設的な陳情が非常に多い。これについてどう考えられますか。夜間及び早朝の、せめて人が寝静まる、安息を求めている時間だけでも、飛行場の飛行機の離着陸をやめさせる、こういうような方法はとれないものですか。
  81. 栃内一彦

    栃内政府委員 確かにいま御質問の点は、ひとつ検討すべき問題であろうというふうに考えております。いまここではっきりとしたお答えはできませんが、よく実態を検討いたしたい、かように考えます。
  82. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 いつまでその実態を調査したらいいのですか。これはもう十年も前も今日もちっとも答弁が変わりはしませんが、何の実態を調査しておるのですか。おこりますよ、しまいには。いいかげんにしてもらわなければ困る。調査するというなら、一体どういう調査を十年間してきたのですか。私は、二十七年から来て、しょっちゅう質問をしておるのです。同じことを言っておる。ちっとも前から進んでいない、そういういいかげんな答弁じゃ困るのです。それでは地元は承知しませんよ。これは伊丹に限らず、羽田にしたって、どこにしたって、今日そうですよ。どういう調査をしたのですか。実態調査というのは、何の調査をやっておるのですか。そういう無責任な、不誠意な答弁をやって、それであなたその場をのがれようなんというひきょう千万な考え方はいかぬですよ。そんなことをやっておるなら、私どもなにしておるけれども、こういう忌まわしい事故までが出ておるのです。一体いままで調査したというのは、どんな調査をやったか。ここではっきり言ってくださいよ。
  83. 栃内一彦

    栃内政府委員 私の申し上げておりますのは、羽田との関係において申し上げたのであります。したがって……。
  84. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 そういう言いのがれをしておる。私はいま伊丹の飛行場のことを言っておるじゃありませんか。羽田の飛行場のことを言っていやしません。大阪の飛行場ではこういう十年間、調査をする、調査をすると言っているが、何の調査をやったのか、そんな言いのがれなんか言ってもだめです。何という不誠意なことですか。
  85. 栃内一彦

    栃内政府委員 私は、いま羽田のことを申し上げましたが、と申しますのは、羽田につきまして一昨年夜間におけるジェット機の運航制限をいたしました。したがってこれとの関係において、大阪についても、羽田につきましてやりました制限措置というものと見合った措置を講ずべき点があるのじゃないかという点を申し上げたのでございまして、現在羽田におきましては、ジェット機以外の運航は、夜間も制限しておりません。したがって、大阪につきまして夜間におけるジェット機は、私の承知しておる限りでは、羽田におけるようにいわゆる深夜のジェット機というものは大阪には現在のところないというふうに了解しておりますが、こういうものが今後出てくる、あるいは羽田におきましてさらに強度な制限をするというようなこととの関連も考えなければならないという点を申し上げておるのでございまして、大阪について、羽田と著しく異なるような制限をするということは、またいろいろな問題もございますし、したがって一切の飛行機を夜間離発着を制限するというところまで現在羽田についても踏み切っておりませんので、この辺を考えた上、大阪について、羽田との関連においてどういうふうな程度まで制限するかしないかというような点を検討しなくては、単に騒音があるというだけでもって、飛行場の運航の制限をするということは、また別の面でいろいろな問題もございますので、その辺は十分慎重にやらなければならないという点を申し上げたかったわけでございまして、決して大阪の騒音問題について無関心であるという意味で申し上げたわけではございません。  なお、大阪につきましては、近くさらに具体的な調査をするということになっております。
  86. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 これは将来国際空港となる。したがって大型ジェット機が離着陸するようになる。そうなると、夜間、深夜の離着陸の制限というものもいろいろ問題が起きてくるだろうと予想されるわけです。ですから国際問題でありますから、いまから十分それに対しての対策を立ってもらわなければならぬと思うわけです。  それから昨年の私の質問に対して、これはテレビ、ラジオの視聴障害についてでありますけれども、これについては電波の諸種の研究をやって、周辺のテレビ、ラジオのいわゆる聴視障害を排除するようにつとめますという答弁をもらっているわけです。この一年間それについてどういうことをやられたのですか、具体的に説明してください。
  87. 栃内一彦

    栃内政府委員 テレビと飛行機との関係でございますが、これにつきまして私のほうから郵政省の電波監理局のほうに問い合わせましたところ、電波監理局といたしましては、ジェット機というものが特にテレビに関係があるということはないんだ、こういうお話でございました。この点私のほうでは、電波の関係につきましては権限がないわけでございますが、その後調べてみましたところ、これは私のほうの専門家の意見でございますが、飛行機がテレビに支障を起こすということは、かりにありとすれば、それはジェット機ということではないんじゃないか、こういうようなことでございます。電波監理局のほうに、これは私自身電波監理局の局長に話を聞いたわけでございますが、電波監理局としては、ジェット機なるがゆえにテレビに障害があるということはないんだというので、私も非常に不思議に思いまして、さらに念を押したわけでございますが、担当の局長はそういうことを強く申しておりました。  それから、基地周辺の対策としまして、聴視料の減免の問題がいろいろありましたので、その点につきましてもいろいろお話をしたわけでございますが、民間の関係についてそういうことはおそらく放送協会としてもやり得ないのじゃないか、こういうような答弁がございました。  以上のようなわけで、飛行場周辺のテレビに対する影響という点につきましては、専門の担当局といろいろ折衝はしておりますが、そういうようなことでございまして、ジェット機が直接の原因ではないというようなことでございますので、これの対策といたしましてもなかなかめんどうな問題ではないか、かように考えております。
  88. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 これは私はあのときにも言ったが、ジェット機だけの問題ではない、プロペラ機も全部です。これは調べられたらわかりますけれども、たとえば一メートルないし二メートル離れたところで電気かみそりを使って、そうして画面を見てごらんなさい、電気かみそりの回る波紋がそのままテレビの画面に映ります。ですから、あの周辺を飛行機がどんどん——これは羽田でも同じことだと思いますけれども、ここでも同じことだと思います。この上にたとえばヘリコプターを回しておいて、それで下でテレビを見ると必ず画面はゆがむ。ですから、こういうところはときたまそういうことがあるけれども、ここはもう年がら年じゅうなんです。年がら年じゅうやっているのですから、これではあまりにも困る。そこでいろいろ研究をして——これは非常にむずかしい問題だと私も思うのです。ですから解決をしてくださいといってもなかなかなんだが、昨年の答弁では、研究をしてできる限り、そういうことが防除できるものならば防除し得るようにしましょう、こういう答弁をいただいているので、結果はいかん、こういったことを言っているわけですから、ひとつ今後とも十分にやってもらいたい。  それからもう一つは、同じく騒音の問題でありますけれども、なるほどこの周辺で限られた伊丹、豊中、池田というように土地のかかっている都市ですね、飛行場がその都市区域で、その土地にかかっているところ、こういうところでは、学校の騒音防止対策としての施設に対する補助等がいろいろ行なわれておる。ところが土地のかかっていない川西市であるとか、宝塚市であるとか、こういうところはしょっちゅう飛行機が離着陸をする航空路になっている。ところがこれに対しては一銭の公害補償も見てもらえない、こういうところの学校は、これはもうほんとうにあの子供らはかわいそうです。だからといって、小さな都市でありますから、市でありましても十万以内の都市でありますから、今日の実態としては財政も非常に苦しい、そういうわけで十分のことができない、せめてこの問題についてひとつ解決をしてもらいたいという陳情があることは御承知のとおりだと思うのですが、これは見られないものですかどうですか。自治省との問題もあって、単にこれは運輸省だけの責任ではありませんと言うかもしらぬが、やはりこれは政府の一体的な責任であるから、私はよしんば直接これを運輸省がやらぬとしても、自治省がやるにしても、運輸省が協力をしてこれに耳を傾けてやるべきだと思うのですが、いかがですか。
  89. 栃内一彦

    栃内政府委員 この飛行機の騒音についての問題は非常にいろいろな問題を含んでおります。この点につきまして現在私のほうで関係の向きといろいろ検討をしております。政府部内でも騒音の対策についての必要性はみなわかっておるわけでございますが、どこが主体になってやるべきか、また真の責任はどこにあるんだというような問題、これはいろいろな法律上の問題もございますので、政府内部でも現在のところ、まだ統一した意見ができておらないというのが非常に残念でございます。ただ問題があるということは、みな何とかしなくちゃならないというところで一致するわけでございますが、法律的にもいろいろな問題がありますが、さりとてほうっておける問題ではない。いわば、この問題を解決するように推進すべきところは、やはり運輸省航空局ではないか。ほかはむしろ航空局からいろいろ要求され、またせっつかれて、そしてこの問題の解決に政府全体として動いていくというような立場であって、やはり航空局というものが推進役というか、一つの問題の解決に積極的に乗り出さなければ、ほかのものがなかなかついてこないというようなことが実情でございますので、航空局だけでやれる問題ではもちろんないわけでございますが、こちらが主になって政府内部を同じ方向に、どっちの方向にいったらいいかということでなお努力を続けたい、かように考えております。
  90. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 これで終わりますが、答弁をされたならば、私は正直者ですから、そのとおり受け取ります。それが実行したかせぬか、できないとすれば、どういうところにあるか、また問います。ですから、私も協力するつもりで答弁を求めておりますから、なるたけ地元の人に了解をしてもらわなければならない。そうしてでき得る限り、地元の了解のもとに諸施策を円満に遂行していく、私はこれを目的に言っているのですから、決して何も攻撃するとかなんとか、そういうことで言っているのじゃない。ですから十分にひとつやってもらいたい。  ここで一つ提議をしておきます。  夜間離着陸の問題でありますけれども、ジェットそれからいわゆる大型の四つのプロペラを備えておる飛行機、それからまた二つを備えておるもの、単発、いろいろ種類があるわけです。この種類によって着陸時間を制限する、こういうことも私は考えていいんじゃないかと思います。それなら考えられると私は思う。全然夜間飛行場を使わせない、こういうことは、やはり交通機関という公共性を持つ限りにおいて、私は不可能だと思う。また緊急の場合に飛び立つ場合には、あるいは四発の飛行機でも飛び立つこともあり得るわけでありまして、必要に迫られたわけでありますから、私はそれを全面的にどうこうせいと言いませんけれども、平常時において、あの騒音の著しい飛行機の機種を選別いたしまして、その機種の種類によって種類別に着陸時間、使用時間を制限するということはできるのではないかと思うのです。いかがですか。これは羽田あたりについてもどこでもひとつ研究する、そして成果を得るようにする、こういうことはいかがですか。
  91. 栃内一彦

    栃内政府委員 ただいま申しましたように、騒音問題につきまして過去に一番問題になりましたのは羽田でございます。最近におきまして、あるいはもう少し前からと言ったほうが正確かもしれませんが、伊丹が羽田に次ぎまして次の問題になってきた。羽田につきましては長い間の懸案の問題でございまして、特にこれも数年以前になりますけれども、ジェット機が入りましてから特に問題になった。長い間航空会社、特に外国航空会社等といろいろ折衝を重ねまして、また地元の方々もいろいろ航空会社との関係の会合も持たれ、また空港当局もこれに入りまして、いろいろ検討を続けた結果、航空会社、特に外国航空会社は非常に抵抗したわけでございますが、ともかく深夜のジェット便というものはひとつ遠慮してもらおうじゃないかということで、これは先方が承知したというよりも、かなりの間折衝を続けまして、そして何とかこれを納得させる、最終的に納得はいたしませんでしたが、ともかく騒音問題の解決にはこれ以外はないじゃないかということで、そこまで踏み切ったわけであります。これにはかなりの時間を費やしておるということでございます。したがって、今後さらにこれを拡大するという点につきましては、航空会社あるいは利用者という方面も考えなければなりません。ジェット機の問題につきましては、ある程度の踏み切りはいたしましたが、それ以上こまかい分類をすることがはたして適当かどうか。この点は私もいまここで、観念的には一つ考え方としてわかりますが、実際の行政の問題としてそこまで分類することが実情に合うかどうかというような点もございますので、この点は一つの御意見として承っておきます。したがって、まずジェット機の問題についてどうするかということが一番初めに検討さるべき問題である、しかも羽田ですでにそういうことを行なっております。これがやはり最初に検討さるべき問題、この点について、私は大阪についてジェット機の実態というもの、また今後どういうふうになっていくであろうか、特に外国航空会社がどういうようなジェット機を飛ばすであろうかという将来の問題もございますし、どういうように騒音を与えるか、また羽田との関連で異なった取り扱いをしますと、国際的には非常な問題を起こします。そういう点をよく勘案いたしましてやるということでひとつ御了承願いたい。私自身も騒音問題はほんとうにお気の毒だと思っておりますが、ほかの面もいろいろございますので、誠意をもって検討はいたします。そういうことで御了承願いたいのであります。
  92. 長谷川峻

    長谷川委員長 次会は来たる十二日金曜日午前十時より開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十八分散会