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小宮市太郎君 いま申された六月十一日というのは、謄本がここに写しがございまして、これは間違いないと思います。
そこで、私は、この問題が起きて相当期日がたって、このまま
法務局がほうっておくという手はないだろうということで、実はこの
福岡の
法務局の
人権擁護部第二課長の原口敬次郎さんのところへ参ったわけです。で、大体三人の
除名問題、それから
地位保全の仮処分の
申請が
決定したという問題、よく御存じでございました。そこで、まだ係争中であるから、私のほうとしてはまだ手出し——手出しと言ってはおかしいけれども、まだ動いておりません、しかし、そういう
決定がなされたという以上は、私のほうとしても行政的指導をやります、こういうことで、実はさっそく県とも打ち合わせられたと思うのですが、当該の
漁業協同組合に行って、法のたてまえからいって、こういう
地位保全の
仮処分申請が
決定しているのだから、
組合員として取り扱うべきだということを指導されたやに承っております。しかし、今日まで、紛争が
決定するまでは何年かかるかわからぬのだから、それでひとつ争おうじゃないかというようなことで今日まできているわけです。三人は全く零細の
漁民でございます。これ一筋に長い間海に行って生活を立ててきた子孫です。ですから、
あとで
水産庁のほうにお聞きをいたしまするけれども、共同
漁業権でございますから、一括して——一括してということばは当たりませんけれども、とにかく
漁業協同組合に
漁業権というものが付与されており、したがって、その
漁業協同組合を
除名されると、その人は
漁業をやることができないのです。ですから、もう
漁業組合を
除名されたとたんにその人は失業しなけりゃいかぬ。めしを食う方途がなくなるわけなんですね。こういうひどいことが一体あってよろしいか、どうかということをわれわれは痛切に感じるし、また、この三人に対しては、最初のうちはかなり乱暴者だとかあるいは長いものには巻かれろとかいうようなことで相当地元の人たちも三人に対しては批判的な考え方であったけれども、今日では非常に同情的になっておるのです。
私は、順序立てていろいろなお話がございましたので、さらに申し上げる点はございませんけれども、私の知っている範囲では、三十三年の八月八日にこの
有明海漁業調整委員会の
選挙に立候補しているわけですね。だから、お話のように、
組合長が立候補しておるのに、
組合長でない者が立候補するというのはけしからぬと。ところが、憲法によると、
漁民であればだれでもこれは公民として
漁業調整委員に立候補することは何ら阻止すべきものはないわけなんです。これを押えるそのものがもうすでに違法であると私は思うのですよ。まあしかしそれは申し合わせとかなんとかあったとかりにいたしましても、ともかく出た。出たところが、それを
理由に本人を
除名するということには私は大きな問題があろうと思うのです。しかも、そのときはひどいのですよ。私は、こまかい点をあまり申し上げたくないのですけれども、当時、この
坂井義行君の小学校の同窓生が、君立てというので、十四、五人の諸君が集まって彼を応援した。その応援したすべての者を
除名しようとしておる。記録を私はちゃんと持っております、ここに。そして、その連中たちが、
除名をするというものだから、
除名されれば明日から生活ができなくなる。だから、中に集まった諸君がどういうことを考えたかというと、もうここまでくると、だれかを刺し殺すか、あるいはもう頭を——簡単に言うと、頭を下げるか、刺し殺すか両方に
一つしかないじゃないかというような極論が
漁民ですから出ている。そんな乱暴なことはだめなんだ、だからこの際はひとつ頭を下げたら、どうかということで、頭を下げて、わび状も書いた。ところが、おまえたちの
話し合いについてともかく十数万円何がしかの金が要っておる、その十数万円の金をおまえたち出せと、こう言われた。いまその金を持ちませんと言ったところが、借用証を書け。借用証を書くときに、だれとだれとだれを保証人にしろというぐあいに、きちんきちんと筋道立って向こうから言われて、ともかく借用証を書いた。ところが、その年ののりの収入の中から、十万数百円の、十万九百四十二円ですか、これだけの金を差っ引かれた、こういうことをやっております。そのとき、
坂井義行君の奥さんは、もう全く気が狂ったんです。これは皆さんのほうには御
報告がないでしょう。ちょうど子供を生んだときでしたから、それは肥立ちも悪かった、いろいろな
事件もあったと思いますけれども、これは子供を道連れに自殺しております。これは皆さんのところには
報告は行っていないでしょう。こういう問題がずっと起きてきて、今日に及んできております。
しかも、その誹謗したというのはどういう誹謗かというと、これは誹謗にも私は当たらぬと思うんですよ。その
見出しは「健全、明朗なる民主的
組合の育成は、みんなの手で」「われらは次の動議を提出する。皆さんこぞって動議に賛成しましょう」
総会において
緊急動議として提案するというので何項目かを書いて、これを
組合員に配っているわけです。これが
組合員に対して、
組合長その他に対する誹謗だと、こういうのです。これは全く民主的とかなんとかというものからほど遠いところのものなんですね。
これはまあいつまで議論していてもしようがないんですけれども、
法務局で一体最後にはどういうようにこれを取り扱っていただくお考えなのか、これはどういうふうにすれば——まあ私どものほうから聞きたいのですけれども、どういうふうにすればこの三人は助かるのか、それをまずお聞きしたいと思うのです。