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中山福藏君 私はこの際
法務大臣に一つお聞きしておきたいと
考える問題は、
判検事の
給与制度に関する長短厚薄について私はお尋ねするのじゃない。しかし、
給与問題が取り上げられておりますから、これに付帯してお尋ねするわけですが、実は私はすでに四十五年ばかり在野法曹として
法律の
事務にいろいろと関与した者でありますが、その間に私が最も関心を持ったのは、重大事件の捜査ですね、それから重大事件の判決、それを担当する人々の心労というものは並み並みならぬものがあると私は在来から
考えておりまして、その実例といたしまして、仙台の地方
裁判所でしたか、判決をいたしました
裁判長が朝な夕なに脅迫を受けて、北陸に転勤した後もいろいろな脅迫状が舞い込んで、子供が学校に行くのにも非常に困るのだ、そして結局神経衰弱というようなことになりかねないということを私は実際その人から話を聞いております。また、捜査に当たる
検事が、数年前のある事件に関しまして、担当
検事が、私
どもの政策
審議会の場に参考人として出席を求めましたときに、私に対してこう言いました。この私の頭をごらんください、このとおりしらがになっております、これはある疑獄事件を調べて、そうしてあらゆるデモ、あらゆる脅迫を受けてこのとおり一年の間にしらがになりましたと、こういうことをその
検事が私に言った。私は
裁判の公正をたっとび、社会の安寧秩序というものが法の厳守によってはじめてそれが躍如として面目というものを発揮するものと
考えておる。
判事も
検事も人間ですから、安心して自分の
職務を完遂するという立場に置かれなければならないという点から私はお尋ねをしておきたい。そういうふうな事柄に関与した
判検事を優遇する特別の措置を講ずる必要はないか。たとえば、特別の慰労休暇をやるとか、あるいは特別の手当を出すとか、あるいはまた何らかの特別の措置を講じて、安心して
職務に当たれるというような措置を講ぜられることがこれは当然だと私は
考えます。しかるに、いま、普通の月給で、そうして非常な心労におちいっておると、こういうふうなことを間々私
どもは体験するのであります。そういうふうなことについて特別な何かお
考えはないものでしょうか。これは私は現在
裁判の公正をたっとぶというわれわれの見地からこういうことをお尋ねしておきたいと思うのです。これは私は非常に必要な重大問題だとふだんから
考えておる。一点だけお尋ねしておきます。