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豊瀬禎一君 誤解じゃなくて、あなたが言っておることは、たびたびあなたのほうの人もそう言っておるし、私も知っています。産炭地ももちろん標準定数法の改正の影響というか、あるいはあなた方が好んで使う恩典を全然受けないというほどの暴論は私も立てません。したがって、産炭地といえ
ども全国の中の学校ですから、新定数法の編制下にある。そういう
意味においては産炭地もこれも影響を受けておる、あるいは恩典を受けておる、そう言えるのですよ。しかし今度は、前向きで産炭地の特殊な
教育実態をより進めていく、あるいは教職員に過重されておる負担を
一般的に軽減していく、こういう対策を標準定数法だけで解決しようというところに問題がありますよと私は言っておるのです。そこの違いですよ。そうしてあなたが言っておる六百というのは、これはあなたに私から言うまでもなく、他県においても最低保障率というのは行なわれておる。だから産炭地の特別配慮としての九八・五でもなければ充分の四でもない。過員の、多いところにはそういう措置をしましょうという政令の定めになっておる結果として、あるいは結果という
ことばがおきらいならば、現実として産炭地の児童の減少の幅が大きい。したがって、教員の過負も他よりも幅が広い。その中で解決できる部面もないではない。しかし、そのことはあなたがさっき三番目におっしゃったように、
教育委員会がみずからきめることですとおっしゃるならば、一番最後に、知らぬふりをしてやっておったんだけれ
どもと、何か悪いことをしたことを見つけたようにうれしそうな顔をして、いまだから言います、そんな
言い方をしてはいけませんよ。
教育委員会がやっていいものなら限度政令なんか何でつくりますか。それは
教育委員会が総数を割って、学校ごとに学級数を算定して四十八、九で割って、それに一・何ぼかの係数をかけていって定員をはじき出しておるのは知っています。そして
教育委員会の権限であることはわかっておる。しかし、それに全く結果処理としてまかせてしまっているというところに、国としての石炭合理化政策に伴う産炭地の
教育の特殊事情に対応する
考え方としては責任の感じ方が薄いではないかというのが私の
指摘しておるところですよ。石炭
調査団は重点鉱に対してはカウンセラーの定数の増もはかりなさいという結論を出すように内定したようですが、たとえば例をあげて見ると、あなたがいろいろ数字をあげて、文部
大臣も、事務当局の責任者が言っていることですから、御信用になることはあたりまえのことですが、産炭地の中学が八十幾つですか、小学校が二百何ぼですか、その中において現に過員を生じておるのは小学校で中学校ではない。そうして小学校の、さっき
指摘した平小学校の教員は中学に行くには免許状関係で無理な点がありますね。それから産炭地というのは福岡県ですから、あなた十分御承知のように、炭鉱を中心として学校がある。その地域には同じような影響があるから、同じような生徒減を生じておる、そこから産炭地以外の学校に転勤させるには、東京都のように交通も発進していないから新しく自動車の免許証をとって買って行くか、オートバイに乗って三里、五里の道を行くか、そういう状況にあるのです。現に中学校の九十校前後の学校には過員がない、小学校には過員がある、こういう状況でしょう。これは
教育委員会や現地の
人たちが幾ら苦労しても免許状とか教員構成とか、あるいは免許状を持っている人を、男の人を中学にやろうとすれば三十数人の学校で五、六人の男子の
先生しかいないところから、男子の
先生をやると二、三日に一ぺんは宿直が回ってくる、幾ら小学校といえ
ども、免許状を持っているからといって、三十の職員構成の中で四、五人の男子の
先生で職員構成としては望ましいという暴論は成り立たぬでしょう。そういういろいろの角度から、中学校には過員がないために、いわゆる産炭地対策がないために、過員処理の結果として編制されておるところの現在の実態論からは、産炭地に対して教員の増配を行なっておりますとは言えない。したがって、教員増を、過員を全部首切ってしまう、そうして産炭地を、たとえば四十人に編制します、あるいは一学級に対する教員の配当率を小学校では一・五まで高めよう、こういう措置をして新たに採用しなさいと言えば、産炭地に対する対策は初めて策定されたと言える、そうして均等に配置できる。福岡県
教育委員会が
考えておるように
保護児童数の増とか、非行児童の率とか、あるいは学力の低下とか、幾つかの策定し得る条件をあげて、この学校にはやはりこの程度の配置が必要ですということが可能になってくる。そういう策定をしておいて、それに基づいて教員を新しく配置をしていくという
考え方が
文部省にないというところが、私は一番大きな問題点だと
指摘しておるのです。それは私
たちは昭和三十九年度では九八・五をかけてやる、五分の四を見てやる。六百人程度は恩典を受けているのだ、これは。全県下において教員で産炭地に持っていける教員はないですよ。あるいはあなたは二百八十何ぼというものを産炭地に持っていきますと言っておるが、
教育委員会が特配している数字もあなたはちゃんと承知しているはずです。そして小学校と中学校がアンバランスを生じていることもおわかりのはずです。そして小学校におけるかなりの
人たちが、平の小学校で
指摘したように、戦時中教員不足の際にかなり無理をして、無資格者に小学校の
先生としての免許状を取得させている。こういう産炭地における教員構成、現在までの、歴史的ないきさつ、現状を
考えていく際に、最低保障率五分の四をかけてやりましたから、そして過員がありますから、その中でワク内操作をしなさいという
言い方は、産炭地の定員問題の処理要網としてはあり得ても、産炭地
教育をどう進めていくかという対策としては消極的過ぎますよと、こう言っておる。根本が、立て方が違っていはしないかと言っているのです。文部
大臣はどうお
考えですか。