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加藤(進)
委員 私は
日本共産党を代表いたしまして、
佐藤総理にお
伺いをいたします。
私は具体的な事実をもって
質問をいたしますので、
佐藤総理におかれても明快な御回答をお願いしたいと思います。このたび
政府は、わが党の大会に来賓として来日する中国共産党の代表団、朝鮮労働党代表団、ベトナム労働党代表団、及びインドネシア共産党代表団の入国を拒否されたのであります。そもそも各国の
政党が自由にお互いに往来するということは、国際的
民主主義の通念であり、原則であると思います。しかもこのたびの代表団は、中国をはじめそれぞれの国の幾億の人民を代表するものであり、中国共産党代表団団長彭真氏は、中国共産党の
政治局員であり、北京市長であります。すなわち、党及び
政府の最も重要な指導者の一人であります。また同じく団員陳郁氏は、広東省の省長であります。いずれも
政府の要人であり高官であることは、御存じのとおりであります。かつて
わが国には、中国より李徳全女史、許廣平女史、廖承志氏、劉寧一氏、南漢宸氏などの著名の人士の来訪がありました。また、
わが国からは
自民党の石橋湛山氏、松村謙三氏をはじめとして各党の代表は言うまでもなく、幾多の人々が中国を訪問し、中国の人民と
政府に熱烈な歓迎を受けたことは周知のとおりであります。しかるに、今回このような代表団の入国を
日本政府があえて拒否したことは、これら諸国数億の人民に対する重大な侮辱であり、また、事実上これはその
政府に対する公然たる敵視の表明でなくて何でありましょうか。いま
日本と
世界の世論は、かつて岸内閣が日中
関係を逆転させたあの中国国旗凌辱事件をさらに上回るような憤激をもってこの問題を注視しております。事実はそれだけではございません。
政府は、この拒否した理由として次のように言っております。
日本共産党の大会の性格にかんがみ、これらの代表団を入国させることは国内の対立抗争を激化させ、公安を害するというのであります。これは一体どういうことを
意味するのでありましょうか。私は、
佐藤内閣のこのような行為と言明はきわめて重要な問題であると考えております。
日本人民とこれら諸国の人民が、このことについては絶対に承服せざるところであると信じております。したがいまして、私はここに次の三つの点について
総理に
質問をいたします。
第一の点は、
政府はこれらの行為が中国その他代表団派遣国の人民に対する非礼であり、礼を失したことであり、侮辱であると考えないのであるかどうか。また、これは事実上それぞれの国の
政府に対する無礼きわまりない行為であると考えないのかどうか、このことが第一点であります。
第二点です。また、
政府はこう言っております。中国共産党その他の代表団を
日本共産党の大会に参加させることは公安を害する、こう言っております。はたしてこれらの代表団が
わが国の治安撹乱のために来日すると
政府は考えられたかどうか、はっきり御回答をお願いしたいのであります。
第三の問題があります。
佐藤総理は、
政府のこのような不法な行為が日中友好のために役立ち、代表団派遣のアジア諸国との友好親善の道であると考えておられるかどうかであります。私はあえて申します。このような
政府の行為こそ、文字どおりアジア諸国人民との親善友好
関係の破壊でなくて一体何でしょうか。事はきわめて重大であります。
佐藤総理大臣の明確な御答弁をお願いいたします。