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武藤委員 いまの局長の答弁ならまともなんですよ。ところが
大蔵大臣は、予算
委員会などで質問すると、この二つをいま盛んに考えて、通常国会へ出すのだ、そうして
中小企業対策は万全を期するのだと言う。どうも答弁を聞いておると、これは局長などの補佐が少々どこか欠けているのじゃないでしょうかね。
大臣に対する補佐がどうも足りないような気がする。たとえば信用金庫や相互銀行あるいは信用組合を通じて零細
中小企業にはこういう方法でひとつ救済をしていこう、そういう具体的な答弁は何もないですよ。私はこの前も予算
委員会でずっと傍聴しておって、どうも一国の
大蔵大臣として何も
中小企業対策をやっておらぬじゃないか、こういう感じがするわけです。そこで最後に詰め寄ったら、実はいまつぶれている
企業がなぜ銀行から融資を打ち切られたか、打ち切られたためにつぶれた、内容が悪いために打ち切った、その個々のケースを全部銀行局へ報告をさせておる、こういう答弁があったわけです。そこでその資料を大蔵
委員会へ出してもらいたい。個々のを調べてみたら、こういうわけで
金融機関が打ち切ったのだ、それをまず資料としてもこの次までに出してもらいたい。
もう
一つ、今度は提案になりますが、こういうように
中小企業がばたばた倒れていく。あなたの意見では、倒れたのは倒れたほうが悪いので、もともと倒れるような、困っていたところが、それが
金融引き締めのしわ寄せで露呈してきたのだという、何か
政府が責任を回避するような立場からの答弁がなされておる。「
金融財政事情」のごく最近号を読んでみると、そんなに倒産倒産と騒ぐことはないのだという意味のことが書いてある。あれは興信所が大いに宣伝をしてうけに入って、手が多くなったからこまかい倒産までみな
計算に入るようになったから
中小企業の倒産件数があたかもふえたようなことを言っているのだ、こんなようなことを「
金融財政事情」の中に書かれておりますが、私はまことにもって、これこそは
中小企業が例れた
原因を無視し、責任を回避するための論文だと思うのです。しかし、それはいずれといたしましても、とにかく一カ月間に、私が申し上げるまでもなく、十一月だけで不渡り手形が九万何千枚、銀行取引停止の業者が四千十二件、これはたいへんな事態ですよ。銀行取引が停止されればその業者はどういうことになるかということは、これはもう子供でもたいへんなことだ、こう考えます。しかし、それを個々の
企業家責任として何とも手が打てないというところに私
たちは歯がゆさを感じておるわけであります。手はあるんじゃないでしょうか。たとえば具体的に
中小企業金融公庫の窓口で特別な
中小企業倒産対策というのをつくったらどうだ、これも
一つの方法じゃないか。そうしてもう手形をかかえて割れない、ワクがなくて銀行は割ってくれぬ。あるいはどうしてもここの回転資金が
あと二百万なければ再来月あたりあぶない、こういう業者は事前にわかるわけですから、そういうものを事前に調査されるならば、私は倒れるものを半分に減らすことは可能だと思うのです。その努力をすることが、資本主義
経済運営者としての当然の責務だと私は思うのです。そういうことをさっぱりやっていないのです。こういう点、やろうと思えばすぐにもできないですか。手形法の
改正だ、銀行法の
改正だ、下請代金支払遅延等防止法の
改正だという答弁でお茶を濁さなくても、現実にやろうと思えば、いまのつぶれている
企業の半分くらいは救済できると思うのです。どう考えてひねくり回しても、これは
企業家個人の責任のものは救済の方法はないとおっしゃいますが、何としてでも幾つかの方法をずっと私
たちに示して、これを
一つずつどのようにやれば解決する、しかしこれはここにネックがある、資金がない、大蔵省資金運用部の金が借りられない、いやこうだという何か障害があるのですか。やろうと思えば、私は、一国の総理
大臣、
大蔵大臣が決意をするならば可能なことだと思いますが、
銀行局長の御見解はいかがですか。