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田中国務大臣 御
指摘になりました二つのものの中で国費のむだづかい、いわゆる
会計検査院から批難されたような事項に対してどうか、これはもちろん問題でございまして、かかるものは絶無を期さなければならないというふうに考えます。この問題はいつでも決算
委員会でおしかりを受けるのでございますが、どうしても年々批難事項が絶えないということははなはだ遺憾でございます。特に財政当局としては、かかる問題に対して国民の血税の行くえということで、国民各位の指弾を受けるということに対してははなはだ遺憾でございまして、かかるものの絶無を期しておるわけでございます。
これはいろいろ戦前戦後を通じて、かかることのないようにいろいろな施策を行なっておりますが、絶無にならないわけでございます。特に、この中で法律が新しく
改正を絶えずされるというために、旧法によってこうであったと思ったというようなことで支出をして批難を受けているものもございますし、いろいろなものがございますが、いずれにしても、かかるものはなくするようにしなければなりません。ただ、しなければならぬというだけではなくて、具体的にどうだというので、結局各省の中で監察官とかいろいろなものをつくっておりますが、それでもあります。これは私は、
会計検査院の機能を拡充して——
会計検査院はただ違法性を
指摘するという法制のたてまえになっておりますが、何か批難されそうなもの、法律上どうも疑義がありそうなものの支出をするときは、あらかじめ
会計検査院の
意見を聞く。そういうことになれば、政策の方向としては悪いことではないが、現行法律から見ると、遺憾ながら違法であるということの
指摘を受けておるものもございますが、こういうものはいま
会計検査院に事前了解を得る、事前判断を求めるというような措置は行なっておりますので、こういう場合の批難事項が非常に減っております。あとはとにかく刑事問題とか、一般的刑法犯罪になるようなものがまだ絶えないことに対しては非常に困っておるのでありまして、これはとにかくなくするように全力をあげて
努力をいたしますということで御理解をいただきたいと思います。
それから第二の、節約ができるような水増し予算を組んだのかというような
意味、そうばかりお思いではないと思いますが、これは少し酷な御発言でございます。これだけのものをしぼり出すのはたいへんな反対でございます。これはえらい反対でございましたが、人事院勧告を
実施するかしないかのせとぎわでありますから、もうこれがなければできないということになるのです。ですから何とかして、ひとつ節約をしてもらいたい。こういうことで、やむにやまれず節約したものでございまして、これは余ったもので節約したというのではございまいません。この間も予算
委員会でもって、国鉄の二百億にも及ぶ仲裁裁定の原資を移流用でできるじゃないか、これだけの水増し予算をわれわれに説明したのか、こういう御発言がございましたが、そうじゃない。これはもう普通だったら三月三十一日までに払わなければならない退職金なんです。しょうがなくて四月一日に払おう、そういうことをしてでも、とにかく金を移流用して仲裁裁定を守ろう、こういうことでありまして、これは地方財政、
一般会計、特別
会計を通じて移流用をした、いわゆる予算の組みかえを行なって節約をしたというものは、これは水増し予算——あらかじめ水増しをしておって、これを削減したものではない。これはもう全く違うものでございますので、前段のものと分けてひとつお考えいただければ幸いであります。