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多賀谷委員 局長、知らぬかもしれませんが、各山に行ってごらんなさい。みな各山の所長なり
課長のところには
出炭をみな出してあって、何々組何々組と書いてある。恒常的な
制度ですよ。何々組の
出炭が
幾らと書いてある。それはどこの
炭鉱に行っても、各山の黒板には何々組の
出炭幾ら、こうあるのです。ですから
撤収作業というのじゃなくて、
山自体が、もう
組夫が
常用化されることによって山が継続しているという
状態です。ですからこの問題は、どちらかにはっきりしなければいかぬことです。
組夫というものを全部本
鉱員になおせばいいのです。かつては、
労働者が余っておるという中で、
組夫を入れて、首を切るときには
組合も、それはいわば臨時的なものからやってくれと言って、
労働組合もあまり本
鉱員に入れることを好まなかった時代もある。それは率直にある。しかし、今日は人が足らないという時期ですから、やはりそれは本
鉱員にして、そうして
訓練をするということが必要じゃないですか。むしろ時期的にいって、どうせ
自分のところの山は長くないんだから臨時のものを使っていこうということで、また
労働組合のほうも、
組夫を本
鉱員にすることによって
合理化が逆に起こる、こういう事情であったことは了察できるわけです。しかし今日は全体的に足らぬわけですから、むしろそういった
組夫という
労働者は本
鉱員にするんだということに踏み切ったほうがいいんじゃないか。どうも
政策が常におくれておるものですから、国会で問題になったとき、
法律をつくったあと、全部波を追っていっていないのです。波のあとあとにいっておる。不況
政策をやったらそのときは好況だという形になっておる。それがいろいろな問題を惹起しているわけです。ですから、いま
労働力が全体として足らないという時期に
組夫という
制度を残しておくことが間違いじゃないか、こう思うわけですが、これはどうも
保安局長だけじゃないのですけれ
ども、しかし
保安の面が一番重大ですよ。
職種についても、実は
鉱山保安法の二十三条の二の改正のとき、あなたは逃げられましたが、むしろそれは
合理化法だとおっしゃられましたが、この
職種を書くときに本委員会で大問題になったのです。八谷
鉱山保安局長でしたけれ
ども、これは字句を入れるか入れないかということで非常に問題になったことをわれわれは記憶しておるわけです。ですけれ
ども、「
省令の定めるところにより」というのは、やはりこれははっきり
職種も書くんですということで実はこの
法律が了承されたわけですよ。そういう経緯がある。それからもう
一つ、
撤収作業というのは一番危険です。この
撤収作業の
ような一番危険な熟練度を要するものに、なぜ
組夫を使うのか。それらの点についてもひとつお聞かせ願いたい。
一体組夫という問題を
保安法上どう見るかですね。