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1964-12-02 第47回国会 衆議院 建設委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日昭和三十九年十一月九日)(月曜 日)(午前零時現在)における本委員は、次の通 りである。    委員長 丹羽喬四郎君    理事 加藤 高藏君 理事 正示啓次郎君    理事 瀬戸山三男君 理事 廣瀬 正雄君    理事 福永 一臣君 理事 岡本 隆一君    理事 兒玉 末男君 理事 山中日露史君       逢澤  寛君    天野 光晴君      稻村左四郎君    大倉 三郎君       木部 佳昭君    木村 武雄君       砂原  格君    田村  元君       堀内 一雄君    堀川 恭平君       松澤 雄藏君    山本 幸雄君       渡辺 栄一君    井谷 正吉君       金丸 徳重君    久保田鶴松君       西宮  弘君    原   茂君       山崎 始男君    玉置 一徳君       吉田 賢一君 ――――――――――――――――――――― 昭和三十九年十二月二日(水曜日)     午前十時三十六分開議  出席委員    委員長 丹羽喬四郎君    理事 加藤 高藏君 理事 正示啓次郎君    理事 廣瀬 正雄君 理事 岡本 隆一君    理事 兒玉 末男君 理事 山中日露史君       逢澤  寛君    天野 光晴君      稻村左四郎君    佐藤 孝行君       砂原  格君    井谷 正吉君       金丸  信君    久保田鶴松君       西宮  弘君    玉置 一徳君  出席国務大臣         建 設 大 臣 小山 長規君  出席政府委員         建設政務次官  白浜 仁吉君         建設事務官         (大臣官房長) 前田 光嘉君         建設事務官         (都市局長)  鶴海良一郎君         建 設 技 官         (河川局長)  上田  稔君         建 設 技 官         (道路局長) 尾之内由紀夫君         建 設 技 官         (住宅局長)  尚   明君  委員外出席者         建 設 技 官         (営繕局長)  小場 晴夫君         参  考  人         (首都高速道路         公団理事長)  神崎 丈二君         参  考  人         (首都高速道路         公団理事)   八島  忠君         専  門  員 熊本 政晴君     ――――――――――――― 十一月九日  委員堀川恭平辞任につき、その補欠として福  田一君が議長指名委員に選任された。 同月十日  委員福田一辞任につき、その補欠として佐藤  孝行君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 十一月二十六日  長野県南信濃村の中橋架替えに関する請願(原  茂君紹介)(第四二号)  東北自動車道早期着工に関する請願森田重  次郎君外三名紹介)(第六三号)  緑川等改修事業促進に関する請願大泉寛三君  外三名紹介)(第一二二号)  大谷川改修事業促進に関する請願川野芳滿君  紹介)(第一二三号)  関東ローム地域道路整備特別立法等に関する  請願井出一太郎紹介)(第二五七号)  同(小川平二紹介)(第二五八号)  同(吉川久衛紹介)(第二五九号)  同(倉石忠雄紹介)(第二六〇号)  同(小坂善太郎紹介)(第二六一号)  同(下平正一紹介)(第二六二号)  同(中澤茂一紹介)(第二六三号)  同(羽田武嗣郎紹介)(第二六四号)  同(増田甲子七君紹介)(第二六五号)  同(松平忠久紹介)(第二六六号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 十一月二十六日  鎌倉の風致保存に関する陳情書  (第一九六号)  北陸自動車道の路線に関する陳情書  (第二一八号)  中国縦貫自動車道早期着工に関する陳情書  (第二一九号)  四国縦貫高速自動車道早期着工に関する陳情  書  (第二二〇号)  車両制限令附則第三項の適用除外期限の延期に  関する陳情書(  第二二一号)  地盤沈下区域における対策工事早期実施に関  する陳情書  (第二二二  号)  首都圏地域及びその周辺の道路網整備に関する  陳情書  (第二二三号)  大阪の昭和四十年度道路整備事業費確保に関す  る陳情書(  第二二四号)  奥地等産業開発道路整備臨時措置法実施に関  する陳情書  (第二二五号)  吉野川水資源確保に関する陳情書  (第二二六号)  建設省新津工事事務所の存続に関する陳情書  (  第二二七号)  保全区域指定のための立法化促進に関する陳情  書  (第二二八号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  国政調査承認要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  建設行政基本施策に関する件  道路に関する件  住宅に関する件      ――――◇―――――
  2. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 これより会議を開きます。  国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。  建設行政の実情を調査し、その運営を適正ならしむるため、  一、国土計画に関する事項  二、地方計画に関する事項  三、都市計画に関する事項  四、河川に関する事項  五、道路に関する事項  六、住宅に関する事項  七、建築に関する事項  八、建設行政基本施策に関する事項について、小委員会設置関係方面からの説明聴取、及び資料要求等方法により、本会期調査を進めたいと思います。  つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  なお、議長に提出する国政調査承認要求書の作成、及び手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと思いますが、御了承願います。  手続を進めますので、しばらくお待ち願います。      ————◇—————
  4. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 それでは、建設行政基本施策に関する件について調査を進めます。  この際、小山建設大臣から、建設行政基本施策について説明を聴取することにいたします。小山建設大臣
  5. 小山長規

    小山国務大臣 私は、今回成立しました新内閣におきまして、再任されて、建設行政を引き続き担当することとなりました。よろしくお願いいたします。  本日、新内閣発足後初の建設委員会が開催されるにあたり、就任のごあいさつをいたすとともに、建設行政の当面の重要問題について所信の一端を申し述べさせていただき、あわせて今般提出いたしました昭和三十九年度当省所管補正予算概要について御説明いたしたいと思います。  まず、当面の重要問題について申し上げます。  すでに総理からも明らかにしましたとおり、新内閣は、経済開発と均衡のとれた社会開発推進することを政策の基調といたしております。建設行政についても、特に、住生活の立ちおくれ、過密都市問題、地域格差などに見られる高度成長下におけるいわゆるひずみの解決が急務となっております。  このような情勢に対処して、当省といたしましては、住宅政策推進を当面の最重点施策とし、過密都市問題の解決下水道等生活環境施設の充実、治水対策推進及び道路整備に当たりたいと存じます。  以下その概要を申し上げます。  第一に、住宅につきましては、財政、金融、税制等の各面にわたり、強力で総合的な住宅対策推進したいと考えております。  政府、民間を問わず、住宅投資資金量を大幅に増加させることに重点を指向し、とりわけ、勤労者層に対し希望と目標を与えるため、その生活の実態に応じて持ち家を入手し得るような方策検討中であります。また、宅地につきましても、新住宅市街地開発事業等による宅地大量供給をさらに強力に推進する所存でございますが、土地利用計画の確立、宅地流通機構整備をはじめとする総合対策についても、なお検討を急いでおります。  第二に、住宅建設と並んで、社会開発の重要な一環である下水道整備についても、すみやかに下水道整備五カ年計画を確立し、その強力な推進をはかる所存であります。  次に、過密都市対策につきましては、拠点都市開発促進幹線道路網整備等を通じて、国土の均衡ある発展を推進すること、大都市に立地する必要のないものを極力他に移行させることが基本でありますが、そのための方策については、現在検討を進めております。  第四に、治水対策につきましては、新河川法の施行を機として、昭和四十年度を初年度とする治水新五カ年計画を策定するとともに、一級河川指定をはじめとする新体制への移行準備推進する所存であります。  なお、道路整備については、道路整備新五カ年計画閣議決定を急ぐとともに、道路法の改正に伴う国道の管理体制の強化をはかりたいと存じます。次に、当省所管昭和三十九年度の補正予算につきまして、その概略を御説明申し上げます。  まず、一般会計総額では、今回の追加額は百三十五億一千百余万円、今回の修正減少額は四十一億六千五百余万円、差し引き額は九十三億四千五百余万円でありまして、これを、すでに成立した昭和三十九年度の予算額三千九百五十六億四千八百余万円に加えますと、四千四十九億九千四百余万円となります。  次に、今回の追加額の内訳を申し上げますと、新潟地震をはじめ、各地を襲った集中豪雨及び台風等に起因する災害復旧等に要する経費追加額として、百二十七億五千二百余万円と、人事院勧告による国家公務員給与改善に要する経費追加額として、七億五千九百余万円とを計上いたしております。  以上、建設行政の当面の重要問題と、当省所管補正予算概要について申し述べましたが、この上とも、従前と変わらぬ各位の御指導、御協力をお願い申し上げる次第であります。
  6. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 以上で説明は終わりました。      ————◇—————
  7. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 道路行政に関する件について調査を進めます。  この際、おはかりいたします。  本件調査のため、本日参考人として、首都高速道路公団理事長神崎丈二君、及び同理事八島忠君の出席を願い、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  なお、手続等については、委員長に御一任を願います。  質疑の通告がありますので、これを許します。兒玉末男君。
  9. 兒玉末男

    兒玉委員 先般、週刊誌なりあるいは新聞等で問題となりました三宅坂インターチェンジ建設工事にからむ支給鉄筋の、俗に言う業務上横領といいますか、こういう事件が発生していることを私たちは聞いておるわけです。これは、その筋柄は当然決算委員会等で指摘する問題でございますけれども、特に高速道路であり、しかも重要なインターチェンジにおいて、当初の公団設計による、支給された鉄材が相当数量横流しされているという事件は、これが単に刑事事件という立場よりも、私たち建設委員会としては、この高速道路の持つ安全性という面から、相当問題が提起されていいかと私は思うわけです。  そこで、この件につきまして、道路公団としては、インターチェンジを中心とする地域作業西松、そのほかに大成、熊谷、飛島、宮地鉄工、こういう五社が作業いたしておるし、しかも工事経費にしても百三十億、鉄筋五万トンという世紀の大事業と言われておるわけですが、この発生しました三宅坂インターチェンジの問題について、公団側のいままでの経過についてのあらましをこの際お聞きしたい、このように思います。
  10. 神崎丈二

    神崎参考人 ただいま御質疑のありました三宅坂インターチェンジ工事についての、先般来の新聞紙上等で報ぜられておることにつきましては、皆さまに非常に御心配をおかけいたしたことを深く遺憾に思っております。  自来、私のほうでもいろいろと取り調べてまいっております。また司直方面でもその後だんだんに取り調べが遊んでおるように聞いておりますが、御案内のとおり、まだはっきりしたところが出ておりません。本日は私のほうの点だけを簡単に申し上げまするが、あの西松組の請け負ってくれた仕事で使用される鋼材トン数は、総額一万一千三百トンに相なるかと思います。私のほうで支給いたしました鋼材です。そういたしますると、契約によって、そのうち五百三十トンは、いわゆるロスといいますか、使用中に切断したり、そういうためにできるものを大体五百三十トンと見ております。それから、何と申しましても非常な大事業であり、それに、大体御想像のように相当な突貫工事でありましたので、その間に設計変更ということがたびたび行なわれたわけでございます。この設計変更によって、当初の計算した鋼材とどういう差額が出るかということは、なお続行取り調べ中でございます。今月半ばまでには何としてでも正確な数字を出したいと考えております。これがはっきりいたしますると、いまの五百三十トン、それから設計変更によってどれだけのものが減額されるかもつまり当初支給した一万一千余トンのうちからどれだけ減ってしかるべきかということが出てまいるわけであります。新聞紙上等で報ぜられるいわゆる横領されたと称するトン数は、御案内のとおり、自来いろいろ変わっておるのであります。千六百トンと言われ、千三百トンと言われ、まだ確然たる数字が出ておりません。したがって、はたしてどれだけ横領されたのか、あるいは横領等のことはなかったのか、そういう点を私のほうの側から取り調べる作業がいま進みつつあるのでございます。これも極力急いでおりまするが、今月半ばまでにはぜひその数字を出したい。その数字が出ますれば、それと、いま申し上げた五百三十トンとを加えて、それ以上のものがなくなっておれば、はっきり横領という事件が起こるのであります。  それから、工事の詳細その他については、八島理事がまいっておりまするから、工務担当八島理事から御説明申し上げまするが、手抜き工事、そのために工事が脆弱になったという、とにかくおそろしい事実が報ぜられておりまするが、私のほうの取り調べでは、今日までのところ、工事が脆弱になったとか、あるいは手抜き云々とかいうことは確認できない状態でございます。まず御心配をかけることはないという結論に達しておるのであります。  以上、簡単にお答えいたします。
  11. 兒玉末男

    兒玉委員 いま理事長は、安全性の問題については心配ないということを申されておるわけでありますけれども、少なくとも新聞等に報道されている、一万一千トンのうちの一割近くの鉄材が横流しされた、このことはおそらく否定できない事実じゃなかろうかと思うわけですが、いずれにしましても、こういう重大な工事について、道路公団としては、一体現場監督検査、約三十カ月近くの長期工事計画であったわけですから、その間どういう指導をやってきているのか。実際の現場においては突貫工事であったわけだし、公団人員構成から見ても不備な点はあったと思うが、重大な作業でありますので、監督面においてはどういう指導をやってきたのか、その点お伺いいたしたいと思います。
  12. 神崎丈二

    神崎参考人 いま児玉さんの御質疑について、八島君がここに見えておりまするから、八島君からお答えさせたいと思います。
  13. 八島忠

    八島参考人 工務担当八島です。  お尋ねの監督体制の問題でございますが、資材につきましては、検収のつど西松建設にその保管を委任しているわけでありますので、それの使用条件につきまして、現場担当員配筋検査をいたします。配筋検査をいたしました後、コンクリを打つという段取りにいたしておるわけでありますが、私どものいままでの調べの結果によりますと、配筋検査は的確に行なわれているということが確認されるわけですが、ただ二カ所ばかりにつきまして、ちょうどストがございまして、はっきりした検査をすることはできませんでしたけれども、その以前に、鉄筋がいままで組んでおるような形において組まれておるということを確認はいたしております。ただ検査をできなかった日が一日だけございます。しかしその量にいたしましても、わずかに二百トン余でございます。全体から見ますと、これでかりに一割なら一割という手抜きがございましても、まずたいした数量じゃないと思いますけれども、しかし私どものいままでの指導方針なり、それから工事のやり方から見まして、鉄筋組み立てにおきまして、遺憾な点があったと私どもは信じられぬのでございます。この点だけがいささか気になりますけれども、これも全体の数量をしっかりと調べました上で、その結果をはっきりいたしたい、かように考えております。
  14. 兒玉末男

    兒玉委員 いまのあなたの、一割くらいという表現は、私はどうしても納得できない。少なくとも一万一千トンの一割といえば、一千二百トン近くの鉄材が抜かれたことになる。このことは重大なミスだと思う。しかも少なくとも貴重な国民の税金を使うのですから、鉄筋組み立て状況等については、当然写真等はとって、今後の問題を解明する貴重な資料とすべきである。写真をとるくらいの配慮がなかったというところに、結果的に重大なミスを犯したのじゃないか、そういう判断をするわけですが、そういう写真等資料がないのか、その点お伺いいたしたい。
  15. 八島忠

    八島参考人 私のただいまお答え申し上げましたことばが足りなかったかと思いますけれども検査という名において確認できなかったのが一日だけございます。その一日だけの鉄筋量が約二百六トンでございます。しかしこれはいままでの鉄筋の組み方、あるいは工事の施工のしかたから見まして、私どもは確実に鉄筋は組まれておると考えておりますけれども、かりに二百六トンのうちのその検査できなかった日だけの一割が手抜きされておったといたしましても、二十トン程度のものである。しかしこれは一割が手抜きされておったということを申し上げておるのではございません。そういう意味でございますから、誤解のないようにお願いいたしたいと思います。  それから、写真の点でございますが、これは確実にそのつどとっております。これはまた後ほど御要望がございますれば、いつでもお見せすることができると思います。
  16. 兒玉末男

    兒玉委員 私は専門家ではございませんけれども、常識的な判断として考えられることは、これだけ検察当局の手が及んだということ、その不信感は絶対にぬぐい去ることはできないし、この事実の否定は私はできないと思う。しかも私が判断に苦しむことは、少なくとも全体の期間を通じて一日しか検査ができなかったと言われるわけですが、検査も、現場はもちろん必要でしょう。しかし一番考えることは、これだけの数量が横流しされるまでには、相当期間があったと思うのです。道路公団から配付されておる資材出納の立ち合い、そういうもの等は、一体どの筋のほうでそれを監督しておったものか。これは膨大な資材でありますから、少なくともトラックで十台、二十台のものじゃないと思うのですが、そういうものの監督西松にまかせっきりであったのかどうか。これは貴重な資材でありますから、また西松建設業界の有力な一員でありますので、その内容までタッチできませんけれども、そういうような資材等出納関係は、どういう機関で、大体どの程度のメンバーでやっておったのか。この点がわかっておればお知らせいただきたい。
  17. 八島忠

    八島参考人 先ほども申し上げましたように、その資材につきましては、管理西松建設に委任いたしておるわけです。したがいまして、私のほうで、その数量が使われていることを確認いたします方法といたしましては、現場鉄筋検査をすることによって確認をするという方法をとっております。また別個に、西松建設からは毎月月末におきまして、残量等の報告を出さしております。
  18. 兒玉末男

    兒玉委員 ただ現場の判定だけで、実際の鉄骨の受け払い関係がどうなっているかということは、直接管理できないのではないか、私はこういうふうに判断するわけです。その点はどうなっているかということ。  もう一つは、これは私よくわかりかねるのですが、建設業法の第二十六条によって、公共性のある工事については、主任技術者というのですか、そういうような鉄筋等の全体の構造指導に当たる主任技術者設置ということが、明確に法律で規定されております。この点は公団から出したのか、あるいは西松建設から出したならば、その技術者はだれか、この点についてひとつお聞きしたい。
  19. 八島忠

    八島参考人 ただいま、西松建設主任技術者はだれであったかということは、ちょっといま手元にございませんので、後ほどまた……。
  20. 兒玉末男

    兒玉委員 主任技術者は、ずっと現場最高技術面責任者として配置されておったかどうか、こういうことを含めてお聞きしたい。
  21. 八島忠

    八島参考人 技術者はずいぶんたくさん西松からも来ておりましたけれども、むろん主任技術者は毎日来ておりました。
  22. 兒玉末男

    兒玉委員 それから、鉄筋のいわゆる組み立て検査ということですが、これは道路公団のほうでやるのか、あるいは西松建設のほうの専門技術者がやるのか、どちらがやるのか、その確認はだれがするのか。
  23. 八島忠

    八島参考人 むろん、検査公団のほうでいたします。西松建設技術者の立ち会いのもとに、公団のほうでいたします。
  24. 兒玉末男

    兒玉委員 それから、これは常識論になるかもしれませんけれども、少なくとも三十カ月という長期工事の中において、私の聞いたところでは、いわゆる構造上の設計ですか、この設計変更というのが一ぺんもなされておらなかった、こういうことを聞いておるわけですが、これは技術的によくわかりませんけれども、少なくとも、長期工事であれば、やはりいろいろな情勢の変化ということが考えられるのじゃないかと私は思うのですが、たとえば地盤問題等についても、堀ばたを通る関係で、脆弱性ということも考えられるわけですが、こういうふうな長期工事でありながら、設計変更は一ぺんもなされなかったやに聞いているわけですが、その点はどういうことになっているのか。
  25. 八島忠

    八島参考人 設計変更は二回行なっております。最終設計変更をただいま取りまとめ中でございます。
  26. 兒玉末男

    兒玉委員 最終設計変更というのがなされたのは、大体工期の全体の何期目くらいからされたのか。
  27. 八島忠

    八島参考人 はっきりしたことはわかりませんけれども、第二回目がたしか昨年の九月ごろじゃなかったかと私は記憶いたしております。もし間違っておりますれば、またあとで訂正させていただきます。
  28. 兒玉末男

    兒玉委員 何と申しましても、一番問題の焦点は、鉄筋使用量が多かったか少なかったかということが一番問題の焦点じゃなかったか。でありますから、いまあなたの説明では、少なくとも一万一千二百トンでございますか、さっき理事長からお話がありました、支給されました鉄筋使用量に関する設計変更はなかった、こういうふうに私は判断されるわけですが、その点はどうですか。
  29. 八島忠

    八島参考人 新しい、たとえばダクト等工事追加で、設計変更をいたしておりますから、それに関する限りは、やはり鉄筋の量の設計変更も行ないます。
  30. 兒玉末男

    兒玉委員 その辺が、もし設計変更の、鉄筋量に対する変更があるならば、一括して最初からそういう資材等を支給すべきではなくて、やはり一定区間ごとに、区間を切って支給する等の方法は当然講じられてしかるべきではないか、こういうふうに私は判断いたしますが、その辺の配慮はどういうふうにされているか、お聞きしたい。
  31. 八島忠

    八島参考人 一万一千トンの鉄筋を一度に支給したのではありません。三十何回かに分けて、その必要のつど支給いたしております。
  32. 兒玉末男

    兒玉委員 それから、特に鉄筋量の計算のしかたといいますか、単位があると思うのです。たとえば五メートルの単位とか、あるいは十メートルとか五十メートルとか、工事状況等によって違うと思うのですが、そういうふうな一万一千二百トンの鉄筋を計算するための計画はどういうふうな方法によってなされておるのか。大体私たちが聞き及んだところでは、工事区間は四百メートル、こういうふうに聞いておるわけですが、その辺の技術的な問題について、この際お聞きしたいと思います。
  33. 八島忠

    八島参考人 お尋ねの趣旨がよくわからなかったのですが、大体その翌月に施工する段取りを一応きめまして、それによって鉄筋量設計書からはじいて支給しておるわけでございます。
  34. 兒玉末男

    兒玉委員 そういうふうな大ざっぱなことでなくて、一万一千二百トンというきちんとした鉄筋量がはじき出される根拠があると思うのですよ。その鉄筋量を積算する作業区間といいますか、そういうのは、ただ四百メートル全体を総括的にやるのか、あるいは一つの作業の技術の施工の形態というのは、私はそれぞれ異なると思うのですよ。たとえば堀ばたとか、一般の地面のかたいところとかですね。そういうような鉄筋量の計算のしかたというのは、この四百メートル全区間についてどういうふうな単位で計算されているのか。そうしないと、いままで三十カ月という長期の工期の中において、一ぺんしか鉄筋の量の状態を見ることができなかった、そういうことを言いますと、相当区間というものが細分化されて設計されていると思うのですよ。ですから、それに応じてやはり写真等資料も残されていると私は思うのです。そうしなければ、全体を大ざっぱに計算することは困難だと思うのですが、そういう一万一千トンを出された根拠、どうして出されたか、それを明らかにしていただきたい。
  35. 八島忠

    八島参考人 一万一千トンを算出いたしました根拠等は、こまかい非常に膨大な設計図面がございます。その中から鉄筋の数を一々拾います。そして三十八ミリの数が幾らで、その延長が幾ら、一メートル当たりの重量が幾らというような数量を積み上げまして、これは西松建設が請け負いました工区におきましては、全体で六十八万本の鉄筋がございます。その一本一本の長さをこまかく積み上げまして、それに単位重量をかけて計算を積み上げたものが一万一千トンでございます。
  36. 兒玉末男

    兒玉委員 そういうふうな積算の結果によって出された数量であるならば、先ほど答弁されました、一割ぐらいのいわゆる余剰というのは、これはあまりたいして問題はないというふうに私は聞いておったわけですが、先ほど理事長が言われた、そういうふうなこまかい計算をされたならば、五百トンのスクラップが出るということになると、私はいささか疑念を抱かざるを得ない。まして、一割の一千二百トンといえば、現在の時価から考えても膨大な金額にのぼるものと私は判断いたします。そうしました場合に、これは常識的な考えではわかりませんが、専門的に考えた場合、一割近くのいわゆる余材というものが出たということは、明らかに、工事施行の際の監督の不行き届き、それだけのルーズな管理がなされておった。もう一つは、工事が、オリンピックに間に合わせなくてはいけないという非常に急いだ工事のために、こういうような一つの間隙を縫って、このような事件が発生するすきを与えたのではないか、こういう点についてどういうようにお考えになるか、お聞きしたいと思います。
  37. 八島忠

    八島参考人 重ねて申し上げますが、一割というものは間違ってもたいしたことはないということは私は申し上げておりません。やはり設計数量に基づきまして、そう設計数量一ぱい使うのが、これはもう工事施行上当然のことでございます。先ほど申し上げましたのは、かりに二百六トンのうちに手抜きが一割あったとしても、ということを申し上げたのでございまして、この点はひとつ誤解のないように……。私どもといたしましては、設計数量、これは設計変更を含めてでございますが、設計変更数量をかっきりそのまま使うということが適正な工事の施行方法であるということを申し上げたわけであります。この点は私どもも十分現場の者には徹底させておるつもりでございます。先ほど申し上げましたように、ただ工事の材料の検査のいたし方としましては、現場で使っておるいわゆる鉄筋組み立て検査によりまして確認をする方法をとっておる、ということを申し上げたわけであります。
  38. 兒玉末男

    兒玉委員 それから、私がいろいろ聞いたところでは、西松建設堀ばたを通った関係で、土質が非常に軟弱のために、土どめというんですか、H型のくいをたくさん打ってますね。これが作業の過程でとれなくて、その肩がわりにやった、こういうことを私はある筋から聞いておるわけですが、そういうふうに土どめのくいがとれなかった区域なり、あるいはそういう数量等は当然確認できたと私は思うのですが、その辺の状況はどうなんでしょうか。
  39. 八島忠

    八島参考人 お尋ねの点につきましても、確かにそういう事実がございます。山どめをやりまして鉄筋を組んだわけでございますけれども、切り張りをはずしますと崩壊するという危険な状態でございましたので、切り張りはそのまま埋め殺してやった例がございまして、それに伴いますところの鉄筋の減った量等につきましては、ただいまその計算をいたしておる途中でございます。
  40. 兒玉末男

    兒玉委員 先ほど理事長は、こういうふうないろいろな事件があって、少なくとも新聞なり週刊誌等の報道による一これも私は全くでたらめな数字じゃないと思うわけです。やはりいずれにしましても、日本の大新聞の発行した週刊誌であり新聞でございますから、その信憑性について、私は少なくとも八割以上の信憑性があるのじゃないかと思う。そういう点等から考えた場合、これは専門的な立場から考えた場合に、少なくとも一千数百トンの鉄材が抜かれた場合、その安全性と耐久性、こういう点について相当問題が起きる可能性があると私は思うのです。この点、事実のあるなしは別として、技術的な立場から考えた場合どうですか。その点ひとつ理事長さんなり担当の理事の方からお聞きしたい。
  41. 八島忠

    八島参考人 先ほど来申し上げておりますように、私どもといたしましては、十分な監督をいたしておるつもりでございます。したがいまして、設計変更によりますところの使用鉄筋量の減量というものは当然予想されますけれども、そうした設計変更を加えました設計にマッチするような仕事はできておるものと私は確信しておるのでございます。
  42. 天野光晴

    天野(光)委員 関連して二、三お尋ねします。  いまのような答弁ではどなたも了解できないと思います。お話の筋を聞いておりますと、その工事の施行の状態からいって、現在危険でもないし、設計どおり仕上がっているのだというふうに了承していいですか。
  43. 八島忠

    八島参考人 設計につきましては、当初の設計からは確かに変わっております。それをいま最後の設計変更をやっております。私ども確認いたします設計変更につきましては、そのとおりにできておるもの、かように考えております。
  44. 天野光晴

    天野(光)委員 設計変更どおりできた、要するに道路公団設計したとおり仕上がっておる、くどいようですが、そういうふうに了承していいですか。——いいのですね。  それでは、その千何百トンという横流しした鉄材は一体どこから出てきたのでしょうか。それは要するにわれわれ第三者のしろうとから考えると、非常にふかしぎな問題です。要するに、監督は厳重にやっておる、ところが監督が目を離したのは一日だけだったという先ほどからの答弁のようです。でき上がった工事が完全に設計どおりでき上がっていて、設計どおり鉄材が支給されておれば、一体千何百トンという鉄材はどこから持ってきたものかという疑問がだれしも浮かぶのですが、それについてどういうふうにお考えですか。
  45. 八島忠

    八島参考人 先ほどお話し申し上げましたように、当初の設計と比べまして設計変更をやっております。それの最後の締めくくりをいまやっておる最中でございます。少なくともそのとおりにはできておる。当初の設計とは違っております。したがいまして、当初の設計に基づいて支給いたしました鉄筋についての残りというものは出てくるもの、かように考えます。
  46. 天野光晴

    天野(光)委員 その話がおかしいのです。仕事はでき上がってしまって、でき上がってしまってから設計変更をするというのはどういうことですか。いわば現実問題として、工事が竣工しておるのですから、設計変更というものを工事が完了してからやるという場合はどういう場合があるのですか。
  47. 八島忠

    八島参考人 設計変更につきましては、個々の非常にこまかいものでございます。それを現場のほうでは確認しておりますけれども、そいつを積み上げていくわけでございます。その作業をいまやっておるわけでございます。したがいまして、設計変更は現実には行なわれておりますが、その数量をいま算出しておるわけでございます。
  48. 天野光晴

    天野(光)委員 問題は、その横流しした数量が、現在警察のほうで取り調べ中であって、一体どれくらいを横流ししたかということ、これはあなた方とは別な立場から出てくるわけでございます。それですから、くさいものにふたをするというようなかっこうでなく、手落ちのところは手落ちのところで、こういうところに手落ちがあったというかっこうに、率直に答弁をされたほうが望ましい。これは私は与党の立場で申し上げるのですが、そういう意味で、お話を聞くと、何か道路公団鉄材を支給する制度上に大きな欠陥がある、こう言っておるのですが、それを率直にお認めになる勇気はございませんか。制度上に全然欠陥はございませんか。要するに、支給をするのに、先ほど兒玉委員からこまかく質問がありましたが、それに対しては具体的に答弁をしていないようですが、その鉄材を支給するその間の扱いをするところに、何か問題があったというふうには考えられませんか。
  49. 八島忠

    八島参考人 先ほど申し上げましたように、鉄筋の検収につきましては、組み立て検査をもって行なっております。これは先ほど申し上げたとおりでございますが、それだけで十分であったかどうかということにつきましては、私どもも十分であったとは思っておりません。厳密に言いますならば、鉄筋を一々出したり入れたりするたびに、かっちり現場に立ち会ってやるべきだ、かように考えておりますけれども、あの工事の状況から見まして、そこまでは手が届かなかった。したがって現場でなし得るところの最大のあれとしましては、現場組み立て鉄筋によって数量確認するというような方法を大体とったわけでございます。
  50. 天野光晴

    天野(光)委員 そこのところがどうしてもすっきりしないのです。もう少しすっきりした答弁ができませんか。  もう一回筋を通してお聞きしますが、一応設計ができて、この区間にはこれだけの鉄材——いろいろな種類があるが、それを支給するという仕様書みたいなものができているだろうと私は思うのです。それに準じて、公団のほうでは事業者に対して鉄材を支給するという扱い方をやるのじゃないかと思うんですよ。それをただ伝票を持ってくれば幾らでも出してやって、その組み立ての状態においてどれだけかかるかということを確かめるんだというふうにいまお聞きしたのですが、そうですが、それでいいのですか。
  51. 八島忠

    八島参考人 先ほど申し上げましたように、資材管理西松建設に委任をしておるのでありまして、その委任をしたということがいいか悪いかという問題につきましては、われわれとしてはまさかこんなことが起こるとは思っておりませんでしたが、ただ、いま考えてみますと、お話しのように、出し入れのたびにその数量を的確に当たるべきであった、ただ組み立て検査だけでなしに、そういうような手続きをとるべきであったかとは思います。しかし、あの当時の状況といたしまして、なかなかそこまで手が回らなかったということは、私どもも率直に認めざるを得ないと思います。
  52. 天野光晴

    天野(光)委員 ちょっとそこのところがおかしいのですよ。資材を支給するのでしょう、支給するときは伝票か何か切るのでしょう。必要だと思うものを、仕様書に準じて資材を出すのじゃないですか、それとも申し込んでくれば伝票を切って、何でもいいからどんどん出してやる、そしてその資材西松管理させる、必要以上のものであるかもしれない、その量を管理させておる。それから今度西松が使ったものに対しては検査をして、数量を確かめるという制度ですか、もう一回そこを確認しておきたい。
  53. 八島忠

    八島参考人 鉄筋につきましては、やはり先ほど申し上げましたように、一カ月前なら一カ月前にその段取りをきめまして、それによって公団のほうから発注するわけです。ところがやはりああいう異形鉄筋でありますので、なかなか思ったとおりの数量が思ったとおりの時期に来ない場合が往々にしてある。したがいまして、一ぺんにたくさんくるというような場合があったわけで、置き場に困ったという例もございます。そういったような状況でございまして、私どもといたしましても、資材管理は十分であったということは申し上げかねる、その点ははっきり申し上げます。
  54. 天野光晴

    天野(光)委員 そういう回りくどい話でなしに、いろいろ調べてみた結果、どうしても資材を受け渡しをするときの扱い等において、今後相当の改正をしなければならない点があるんだというように、率直に答弁されたほうが私は望ましいと思う。だれしも間違いが絶対ないというわけにはいかないのですから。話を聞いてみると、工事はりっぱに仕上がった。その工事は規格どおり、設計どおりにでき上がって安全性がある。規格どおりじゃなく、一割くらい鉄材を抜いてもそれはだいじょうぶだというなら、初めから一割抜いて設計仕様書をつくるべき性質のものだと私は思う。しかし、先ほどから答弁を聞いていると、そうではなくて、設計井どおりに仕上がっている。だから横流しされた鉄材は、警察の取り調べを受けて出てきてみなければ突き合わせがつかないというような状態では非常に遺憾だと思います。いずれにしろはっきりするわけだろうと思うから、そういう点で、たまたまきょうの委員会でこういう質問があったということは、たいへん公団側にとってもしあわせだと思います。ここらできっといままでの事務上の扱いといいますか、手違いで、こうなったからこうなったということを、すなおに認めてしかるべきだと思いますが、そこまで認めるだけの勇気はまだございませんか。
  55. 八島忠

    八島参考人 先ほど申し上げましたように、鉄筋管理につきましては、十分ではなかった、遺憾の点があった、今後改正すべき点は十分にあるということを申し上げておきます。
  56. 天野光晴

    天野(光)委員 最後ですが、それではこういうふうに了承していいですね。一応工事を施行する設計どおり以上の鉄材を、おそらく伝票を切って出しただろう。だから、以上の分については、西松もいま問題になっておるものは、それを横流ししたのであって、事実は工事の施工上には支障のない形でやっているんだ。要するに、公団のほうの資材を扱う関係からいって、ずさんだということばを使っては、一生懸命やっているんでしょうからお気の毒ですが、ともかく相当欠陥があったために、こういう結果になったというふうに了承していいですね。
  57. 八島忠

    八島参考人 はい。
  58. 兒玉末男

    兒玉委員 問題の本質は、私は当初の設計をする際、いままでの質疑応答の過程から判断できることは、やはり鉄骨鉄筋一万一千二百トンとはじき出した量というのは、かなり弾力性を持たした数量を出しているのじゃないか、私はこういう疑いを持たざるを得ない。これは、先ほどの安全性についてはたいして心配ございませんという反論から当然引き出される結論だと思うわけです。第二点は、そういうふうな安全性を特に強調されておるけれども、このような非常に複雑であり困難な工事でありますが、実際それでは太鼓判を押すだけの、そういう完成後の検査というものが確信を持ってできるのかどうか、完了検査に対して特に専門である八島理事から、そういう完了後の検査というものは、どういう形でその確実性が判断できるのか、それについてお答えを願いたい。
  59. 八島忠

    八島参考人 一万一千トンが非常に多過ぎるのじゃないかというお尋ねでございますが、この点につきましては、私どももただいま根本的にもう一ぺん一万一千トンについて洗ってみるという作業をいたしております。  それから、安全性についてのことでございますが、これはでき上がったものをあとから当たってみても検査にならないわけです。やはり工事の途中における経過等を確かめながら安全性を確かめるということでございます。私どものいままで調べましたところによりますと、安全性は十分あるというふうに考えます。
  60. 兒玉末男

    兒玉委員 いままでの質疑応答で、私は十分理解できない面もたくさん持っております。この点、当委員会は決算委員会とはその内容が違いますので、私は質問はこの程度にいたしますが、少なくともいままでの理事長なり八島理事の答弁を聞いておりますと、いかにも公団に責任がなかった、設計上問題がない、こういうふうに言われますが、少なくともこれだけの事件が発生したことはいままでの首都高速道路公団の歴史を見ておりますと、毎年これに関連する事件が発生していることは御承知のとおりだと思う。その点、いまの首都高速道路公団の運営上、機構の中に重大な欠陥があるのじゃないか、私はこういうことを指摘せざるを得ません。しかも、これから首都高速道路公団は重大な使命を持っているわけですから、特にこのような国民の貴重な血税がこういう形において利用されることは、われわれは承服できない問題であります。そういう点でございますので、特に今回の事件につきましてもはっきりとした結論を出すと同時にも現在の機構上の欠陥、今度のインターチェンジをめぐる問題について、やはり公団として反省する点があればこれを率直に反省をして、このようなあやまちを再び繰り返さない、私は、責任者はこれだけのき然たる態度をとってしかるべきではないか、こういうふうに判断をいたします。  最後の締めくくりについては、大臣がお見えになっておりませんので、この点はあとで大臣にも所信をお聞きしたい、こういうふうに考えますので、私の質問はこれで終わります。
  61. 神崎丈二

    神崎参考人 児玉さんから御注意をいただきましたが、私どもも実に残念に思っておるのであります。ただ、現段階で、私どものほうの取り調べ、それから司直のほうの取り調べも、最終段階に入っていない。いずれにしても見玉さんのおっしゃるように、いろいろ御心配をかけたことは遺憾千万で、この点は幾重にもおわび申しますし、今後十分注意してまいるつもりでございます。
  62. 兒玉末男

    兒玉委員 これは今後の問題の発展によって起きるかと思いますが、特に西松建設に対して、これは少なくとも、権威ある西松建設でありますから、最高幹部がそういうことをやらしたとは私たちは思いたくありません。ただ出先の責任者がやった行為にしても、やはり西松建設の犯した責任は私は免れ得ぬと思うわけです。この点は大臣の事項になりますが、建設業法の第二十八条にも、やはりそういうものに対する責任の所在というものが明らかに、権利停止とか、あるいは営業停止等の法的な規制もあるようになっております。この点については、いずれ建設省当局としても十分考慮して、こういうふうな事件の発生を再び繰り返さないように、厳重な措置をとることを最後に要望して、私は次の質問に移りたいと思います。  この点は道路局長にお伺いしたいと思うのですが、第四十六通常国会で、五月十二日だったと思いますが、私たちの聞き及ぶところによりますと、現在全国の高速道路をはじめとする有料道路、あるいは有料隧道または橋梁ですね、こういうところで、すでに償却が終わって一般地方道に所管を移しているというところがあるやに聞いております。この点については、橋の場合は別として、高速道路等の長期道路なり、こういう点は、やはり今後のおくれている後進地域高速道路等々の償却ということを考えますと、特に名神高速道路のように非常に償却期限の早い地域と一般の後進地域とは、相当私はアンバランスが生ずると思うのです。こういう点から考えますならば、償却の済んだところはそれだけを一般地方道に返す、こういう形でなくして、一定の期間やはり料金を徴収しながら、国土全体の高速道路等が完成するまでは、やはりこの料金等をプールする、こういう形をとるべきじゃないか、こういう質問に対して、局長自身もまあ十分考えたい、こういう答弁をされたわけです。そういう点について、現在すでに償却済みの地域がどの程度あるか、またこれからの償却の状態、さらに今後の構想について、局長の見解を承りたい。この点は、大臣にも明確な御答弁を伺いたいと思うわけですが、一応現時点における状況について、局長の見解を承りたい。
  63. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 有料道路の償還の見込み、あるいは償還が終わった場合どういうふうにするかという点についての御質問でございますが、有料道路ができましてから今日まで、償還が終わってこれを無料に開放したものは、本年に至りまして大阪の鳥飼大橋一件でございます。今後どういうものがあり得るかという見込みでありますが、最も近くそういう償還が終わるという見込みが立っておりますのが、横浜新道でございます。これはおおむね今月一ぱいで、既定の借り入れた金を償還する料金が徴収される、こういう見込みになっております。なおそれに引き続きまして償還が終わると考えられますものは、上江橋、それから大川橋、それから参宮道路、真鶴道路、芽吹大橋、こういうようなものが続いて四十一年度あるいは四十二、三年度に、引き続きましてあり得るかと思います。  そこで、こういう場合にどうするかということでございますが、これまでのたてまえは、法律上は、名神等高速自動車道路並びに首都公団でやっております首都高速道路あるいは阪神公団でやっております阪神高速道路、こういったものは、全体としてプールできる仕組みになっております。ただし、政令でこれらはいまは個別採算のシステムをとっておりますが、法律上は、一体としていわゆるプール制をやっても差しつかえないものであります。ところがそれらを除きます、ただいまいろいろ事例を申し上げましたが、いわゆる一般有料道路につきましては、現在の道路整備特別措置法はいわゆる個別採算主義になっております。法律自体そういう思想で書かれております。それから立法当初からも、そういう御説明で立法がなされております。したがいまして、私ども、現行制度のたてまえでは、料金徴収の一応償還が終わりますれば、これらは無料に開放する、こういうたてまえになっております。そこでさしあたり横浜新道ですでにそういう問題が目前に迫っておりますが、そういうたてまえからして、私どもは、鳥飼と同じように、そういう時期にやはり無料に開放するということが現行制度のたてまえでございますから、そういうふうにするつもりであるわけでございます。他方こういった問題につきましては、最近各方面で、むしろ予定の期間以前に償還を終わっても、引き続き取りまして、それらをプールしたらどうか、こういう御意見がかなり多いようでございます。そういうことになりますと、かなり現行制度、法令その他を改正しなければなりません。そこでいろいろ各方面のそういう御要請もございますし、御希望もございますので、この有料道路制度全般につきまして、いろいろただいま検討いたしております。これも急ぎませんと、さしあたり横浜新道の問題がございますので、なるべく早い機会にこれらの対策を立てたいということで、大臣からも特にそういう御命令がございまして、事務的にただいま検討いたしておるのでございます。
  64. 砂原格

    砂原委員 関連してちょっと……。いま道路局長のお話で、大体私が質問しようと思っておることは尽きておるのでありますが、一つの例をあげますと、有料道路が一県の中に二カ所ないし三カ所あるという場合に、甲の地域は非常に高率な利用者があって、償還も急速に伸びておる。ところがせっかくやった有料道路が、もう十数年間続いておるものが赤字ばかり出しておって、いまなおその経営に苦しんでおるという実態がある。そういうものを、現行法でいうならば、いつまでたっても赤字の出るものは赤字の出るもので、いつまでもこれが有料道路として取り残されていく。そうすると利用者のほうで見れば——私、広島県の例を申し上げるのでありますが、広島県の例から言うと、幕之内トンネルというのがある。この幕之内トンネルというのは、これは年じゅう赤字を出しております。だからもう十数年間たっておる、二十年近うなるんだけれども、それになお赤字が続いておって、元金の利息さえ払えないというような状況である。それに呉の音戸の瀬戸に橋をかけたところが、これはまた観光と両面にかけてもううんと成績が上がって、もうあれは間もなくして償還ができるという状態である。片方はすぐただになって、地方は非常に助かるだろうけれども、幕之内トンネルのほうは、島根県の浜田方面から入ってくる車は、千代田町というところから、一級国道の広島−松江線に通じるところの松江線のほうに車が流れて、その幕之内トンネルのほうには車が流れてこない。また戸河内、芸北町その他のほうから出てくる分の、加計方面から出る車は、これは太川橋を経て安佐郡の安古市町という方面へ流れてしまう。これは主要県道になっておるけれども道路がさんざんいためつけられておる。肝心の幕之内トンネルのほうは料金を払わなければならないから、通過しないということで、ますます赤字が大きくなってくる。そうすると、その地域におる住民は、完全に取り残される結果になって、いままでとは生活環境が苦しくなるというような状況にあるのが現在の実態で、有料道路の欠陥があるのであります。こういうことに対して、私はせめて一県にある有料道路に対しては、成績のいいのも悪いのもあろうから、いいのと悪いのとをプール計算的な方法を考えられる用意があるかどうか、その法律改正をなさる用意があるかどうかということをはっきり確かめておきたいと思っていたのです。いま道路局長は、そういうことをわれわれは検討しつつあると言われたように聞いておりますが、さように了承してよろしゅうございますか。
  65. 尾之内由紀夫

    ○尾之内政府委員 プール制といいましても、非常にやっかいな内容を持っております。現在のシステムでも、事実上一部プール制をやっておるわけです。いまお話しのように、非常にもうけの悪い有料道路——これは二十年あるいは二十五年と料金徴収期間がきめられておりまして、その二十年あるいは二十五年で償還できぬものが幾つかあるわけであります。そういうものに対しましては、反面非常にもうかっております有料道路で一定の率を積み立てておきまして、それで最後にどっと払って、その時期にはただにする、いわゆる損失補てん積み立て金の制度が行なわれております。ですから、そういう意味におきましては、もう部分的にプール制は行なわれておる、こういうことになっております。しかしほんとうのプール制といいますと、もう少し全部を——極端に言いますと、全体をプールして、償還期間も二十年なら二十年、あるいは三十年ときめる、料金も場合によっては均一料金にきめる、これがほんとうのプール制であろうと思いますが、しかしこれについても、現実にはいろいろむずかしい問題がございます。したがって、要するにいまやっておりますプール制、これは一つの方法ではありますが、もう少しこういうことを一般的に、法律上堂々とできるようにしたらどうかということも含めまして、ただいま検討しておるわけでございます。県ごとにするか、あるいは地域ごとにするか、あるいは全国にするか、あるいは他の方法でプールするかというようなことにつきまして、いろんな角度から比較検討いたしております。まだどういうふうにするかという最終的なものは出ておりません。そういうことも含めて、ただいま検討さしていただいておるわけでございます。
  66. 兒玉末男

    兒玉委員 政務次官がお見えになっておるようですから、特にこの問題は非常に——私、九州でございますので、特にこの点は関心を持っておるわけです。たとえば、九州の縦貫道路ができた場合にしても、名神高速道路等非常に交通量の多い地域と比較した場合、先ほど広島のほうからお話がありましたとおり、非常に地域的なアンバランス、また国土縦貫道全体も、非常に地域格差というものが大きいので、そこを利用する人は、九州の場合は同じ区間を何べんも金を払って、長いこと苦労しなければいけない。こういうことは、私は理論的に非常に矛盾だと思う。少なくとも、貴重な国家投資によってつくるわけでありますし、その目的も地域の格差の解消、地域開発ということに重点が指向されて、縦貫道路というものができることになっております。その点から考えますならば、個々の具体的な、そういう一地域的な問題は別として、少なくとも国土縦貫自動車道等につきましては、そういうような構想によって、早急に法律の改正等の手続を準備していただきたい、こういうことを考えるわけですが、次官の見解を承りたいと思います。     —————————————
  67. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 建設政務次官に御答弁をお求めでございますが、政務次官に御就任になりました白浜仁吉君から、この際、御就任のあいさつのため発言を求められておりますので、先にこれを許します。白濱仁吉君。
  68. 白浜仁吉

    ○白浜政府委員 ただいま委員長からお許しを得ましたので、お答えする前に、ごあいさつを申し上げたいと思います。  池田内閣に引き続いて、佐藤内閣建設政務次官を仰せつかりまして、ただいま初めてごあいさつを申し上げるわけでございますが、御承知のとおりまことに不勉強な男でございますので、今後何かと御指導いただいて、責めを果たしていきたいと思いますので、どうかひとつよろしくお願い申し上げます。     —————————————
  69. 白浜仁吉

    ○白浜政府委員 ただいまの御質問にお答え申し上げますが、先ほど局長からの答弁の中にもありましたが、ただいまの御質問の問題につきましては、小山大臣は非常に熱意を傾けてこの問題と取り組んでいる最中でございます。私も同じく九州の非常にへんぴなところの生まれでございますので、十分そういうような点も頭に入れて、大臣とともに、ともども御期待に沿うように努力していきたいと、せっかくいま検討中でございます。よろしく御指導をお願いしたいと思います。
  70. 兒玉末男

    兒玉委員 詳細はまた次の機会に譲りますが、次に住宅局長にお伺いしたいと思うのです。一点だけであります。      ————◇—————
  71. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 次に、住宅に関する件について調査を進めます。兒玉末男君。
  72. 兒玉末男

    兒玉委員 私たち社会党は、地域の労働組合なり一般勤労大衆を中心にしまして、住宅生協というものをつくって、すでに全国で一万五千戸ぐらいの家をつくっているわけであります。こういう立場から、住宅の協同組合法というものを出しまして、低所得者を中心とする住宅難の解消に積極的に取り組んでいきたい、こういう構想を持っているわけですけれども、先般の新聞等によりますと、建設省のほうにおいて、住宅供給公社法というのですか、こういうものを次の国会に出すというふうな構想を一部聞いているわけです。住宅局としてはそういう法案の制定を考えているのかどうか、この一点だけをお聞きしたいと思います。
  73. 尚明

    ○尚政府委員 お答え申し上げます。  御承知のように、ただいま私ども昭和四十五年に一世帯一住宅を実現することを目標に住宅政策を進めておりまして、このために、昭和四十五年までの間に、政府施策住宅として三百万戸以上を建設いたしたい、こう考えているわけでございます。その第一の重点は、やはり低所得者及び都市勤労者に対する公営住宅公団賃貸住宅を第一の主眼にいたしますが、さらに中堅階層で自分の力で家を持とうとする勤労者に対しまして、強力な援助措置として、持家融資制度を新たに推し進めたいというふうに考えております。そこで、それには第一に、主として住宅金融公庫等で行なっております分譲住宅等について、その頭金をなるべく軽減する、すなわち公庫の資金等を拡充いたしますことが第一でございますが、さらにその頭金につきまして、計画的に積み立てを行なって、その積み立てを行ないました方に優先的に分譲するというふうにして、援助の方法をつくりたい、こういうふうに考えたわけでございます。そこで、住宅の頭金を積み立てると申しますと、それらを積み立てます機関といたしましては、やはり非常に永続性があり、そうして信用力がある機関が必要になるわけでございます。そこでいろいろ考えました結果、現状のわが国の住宅供給方法としては、やはり地方に公共団体を主体といたしまして、地方公共団体の出資した、ただいまお話がありました住宅供給公社というような機関を設立いたしまして、その特殊法人が、一定の法律のもとに貯蓄のお金を預かり、住宅を供給するということがよいというふうに考えております。  そこで、お話にございました消費生活協同組合等が、現在でも、住宅建設住宅金融公庫もしくは厚生年金還元融資を受けてやっている事実はございますが、新たに人のお金を大量にお預かりする貯蓄という問題をあわせ考えますと、相当の信用力のある、そして長期に安心して預けられる機関ということを考えますと、やはり先ほど申しましたように、地方公共団体出資の特殊法人が最も適切である、こういうふうに考えまして、この住宅供給公社を主体にして、積み立て制度による分譲住宅の供給、というふうに考えた次第でございます。  なお、在来やっておりました消費生活協同組合等を通じまして、公庫融資による分譲住宅もしくは賃貸住宅の建設、あるいは厚生年金による同様の措置は、これはこれとして、また引き続き行なっていくというふうに考えております。
  74. 丹羽喬四郎

    丹羽委員長 次会は、来たる十六日水曜日、午前十時から理事会、午前十時三十分より委員会を開会いたすこととし、本日は、これにて散会いたします。    午前十一時五十一分散会