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佐々木(良)
委員 私は、いまのこの問題は、院の構成の問題もありましょうし、それから直接この事件の当否を調査する
意味で、地方行政という
考え方もあると思うのです。ただ、この
委員会で私が特別に
考えてほしいと思うことは、かつて、御承知のように高石幸三郎事件というのがありました。そのときは、
国会法第三十四条によるところの逮捕許諾の
要求に基づいて、ここでずいぶん議論をした
わけです。率直に言いまして、私はあのときの
委員会の結末に対して非常に不満を感じておる
わけです。つまり、問題が高石幸三郎という
自民党の
議員であるということのために、しかもまた、それが選挙違反の捜査上の問題のために、そのときには第三十三条も三十四条及び憲法第五十条に基づく
ほんとうの
意味の
議員の不逮捕特権のその内容について、また手続について当然起こり得ることだから、したがって、あらかじめこの
委員会で十分議論をして、大体の方針をきめていかなければならぬというたてまえで取り組んだ
わけです。ところが、とうとうしまいには竜頭蛇尾のも
わけのわからぬ結論であったと思います。いまここで、
社会党の各同僚
議員からの話が出ておりますけれ
ども、その当時私が警察庁と議論をした一番
中心は、三十三条、三十四条のこの不逮捕特権の内容について、われわれ
国会議員の、つまりこの
委員会で普通感じておる見方と警察当局の見方とは、この解釈、方針が違っておるのだから、それをどっちが正しいのか、あるいは、これはまた懸案として解決せずにおくのかということをはっきりしたかったのであります。そのことは、当然私はこの
委員会としての特別の任務だと思います。簡単に申しますと、こういうことです。三十三条、三十四条というのは、
国会議員というのは、犯罪を起こすことがあるかもしれませんけれ
ども、国政を
審議しなければならぬという、より重要な仕事を持っておるから、したがって、国政を
審議しなければならぬような開会中には、特別に
国会審議というより重要な任務にまず専念せいということが、この立法のたてまえだと
考えておる。ところが、警察側はそうじゃないのです。三十三条も三十四条、
格別三十四条の許諾
要求なんかもも犯罪捜査の必要があれば、大なり小なり、価値のいかんにかかわらず、警察の犯罪容疑を
考えて、犯罪容疑を捜査する必要からは当然になさなければならないし、なすべき任務があると
考えておる。当時そうだった。そうすると、特権ではなくして、これは手続をきめただけの法律になる
わけです。この解釈をめぐって、いいか悪いか、これを何とかはっきりしたい。第三者の意見を聞いて、はっきりしようじゃないかという意見もあったのですけれ
ども、結局これも、選挙違反という事件であったこと、及び高石幸三郎という
自民党議員であったということで、そのときは、私は
社会党の立場でやったのだが、おまえらおかしいじゃないかみたいな話が出てきて、
ほんとうに
委員会としてこの解釈を立てようというところまでいかずじまいになっておる。今度の問題でも、
警察庁長官はああ言っておられますけれ
ども、先ほど来話があったように、末端の警察官はそれほど
考えておりません。不逮捕特権に関してそれほど重要なものだとは
考えておらない。同時に、警察庁内部でも、この解釈は論議してみなければわかりませんけれ
ども、たぶんこの
委員会で
考えておる解釈と違いますよ。したがって、私は、この事件について、院の構成上の問題という取り上げ方も当然あり得ますしもそれから逮捕が適当であったかなかったかというような問題も含め、
措置の適否を
審議しなければならぬということは当然でありますけれ
ども、
格別、この
委員会において、これを契機に、懸案の問題について、もう少し本気の掘り下げができるように、
委員長において特段の御配慮をお願いしたいと思います。