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木村禧八郎君 簡潔に。だいぶ
議論してしまいまして時間がなくなりましたので、それじゃ簡潔に
質問いたします。
先ほど、
物価も上げないようにし、
国際収支も赤字にならないようにする。それでかなり高度の
成長を保ちながら完全雇用を実現していくと。それから所得格差あるいは生活の格差を縮めていくと。こういうことが
経済政策の目標ではないかと思うんです。これを実現することこそが政治であって、高度
成長したから
物価が上がってもしようがない、
国際収支は赤字になってもしようがない、所得格差、いろんな
経済の格差が拡大してもしょうがないでは、政治ではない。
池田内閣が三十六年からやってきた
高度経済成長政策は、
成長は高くなった。ところが、格差は拡大したんでしょう。農業でも
中小企業でも立ちおくれさした。
国際収支は赤字。
物価は上がった。これはどこに
原因があったか。私は、
池田さんの
高度経済成長政策の運営の基本の原理にあったと思う。これは自由競争原理ですよ。自由
企業原則でやった。そこで、民間の
会社がシェアの拡大調整をやって、これを調整することができないんですよ。資金
計画についもできないんでしょう。ここに根本の
原因がある。したがって、これを直して、かなり高度
成長をやって、完全雇用を行ない、
物価も上げない、所得格差もなくさす、各農業、
中小企業その他の格差もなくし、
国際収支も均衡するという
政策は、これはもっと
計画的な原理ですよ、
計画原理を導入しなければいかぬと思うんですね。自由
企業原則ということでやってきた、ここに根本の
原因があるんですよ。これは資本主義の矛盾でございましょう。だから、社会党の主張するように
計画原理を——社会党は全部競争原理を否定しませんよ。全部否定するものではない。効率的なものはあるいは競争原理も認めます。しかし、基本的な線としては、
計画原理というものをもっと入れていかなければならないのではないか。特に、今度は新しくまた長期
計画をつくると。いまはまあアフター・ケアと言っておりますけれども、これは根本的につくり直さなきゃならんと思います。その場合に、
計画原理というものをもっと強く導入しなければならないのではないか。それで、社会党は、前に、初年度九%、その後一〇%の
成長率のものに作業をしたのですよ。それは基本になるものは、投資の
計画化なんです。
政府と民間を含めて設備投資が資金
計画委員会によって
計画されて、むだな二重投資、三重投資、過剰投資を防止すると、こういう点が基本なんですよ。これをやらなければ、私はいままでのような繰り返しになると思う。第二は、
生産関係を社会化して
労働生産性を自発的に高揚する。これには最賃制の確立とか社会保障の拡充等をやる。それから所得格差の解消によって有効需要を増大させるとか、
産業構造の均衡化とか、貿易構造の是正、こういう線によって、もっと
計画性、
計画原理を導入しなければいけないのではないかと思うんですね。そういう点について、今後また新しく長期
計画をおつくりになるようでございますから、そういう点について、もっと社会党の長期
計画、いわゆる
計画性の導入ですか、そういうものを十分私は参考にすべきじゃないかと、こう思うんです。時間がありませんから、この程度で終わります。
それから、最後に、
所得倍増計画はもう死んでしまったのか、生きているのかどうか。それから
高度経済成長政策は、さっきお話ししたように、この三月で終わるわけです。今月で終わるんです。三カ年三%は終わるんです。今後は
総理はどうされますか。今後は何んでいくんですか。これで高度
経済成長は終わりましたが、今後はこれを続けていくのか、やめるのか、
高度経済成長政策は死んでしまったのか、生きているのか、この点を最後に伺います。もう時間がございませんから、これで
質問を終わります。