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亀田得治君 関連。この保安問題に関して
政府全体としてもっとしっかりとした統一を願いたいという考えを持っておるわけです。法務大臣はおられませんが、
総理大臣にそういう
立場から一点お尋ねをしたいのです。
それは、たとえば国鉄の事故等がありますと、必ず相当な被害があれば取り締まり当局は運転士なり、そういう
関係の人を逮捕して、そうして前後の事情等をお調べになる。ところが、三池であれだけの大災害を起こしながら、そういう措置というものが
一つもなかった。私も災害直後党から行ったわけでありますが、検察側の体制というものは、ほかの仕事を兼務しておる検事を一人つけてあるだけなんです。ああいう大災害、しかも問題点
——専門的にいろいろな問題がある、一体そういうものに検事を一人つけて何ができるか。高検の検事長にも私は私なりの
意見を言いました、そういう
状態です。それから一体しからばどういうことを調べておるのか。警察と検察庁に聞きますと、その炭じん爆発に至る直接の原因をまず究明しておる、そういうことです。そうすると、それは炭じん爆発したすぐそばにいた人はほとんどなくなられて、おりませんし、現場はこわれておりますし、しかも専門家の調査が始まるとかいっておるわけでありますから、それは問題はそんなところに力を入れていたのではうやむやになるにきまっておるわけですね。そうじゃないので、物理的な直接の原因、その発火の原因というものは、これは別個に炭鉱行政として究明しなければならぬでしょうが、警察や検察の
態度としては、炭じん爆発であれば炭じんがあったことは間違いないのですから、その点はこれははっきりしておるわけなんですね。しからばその炭じんをそこまでたくわえた責任というものはどうなんだと、なぜそういう点に重点を置いて、人の
関係というものについてもっと力を入れた調査をしないのか。それを野放しにしてあるものですから、そういう炭じん
関係について責任のある会社側の技術者なり、そういう諸君は、事件が起きた後に適当にいろいろな
説明のしかたというものを考えて、結局うやむやになっておる、私も言ったのです。そんな角度から刑事責任というものを究明しておるのだったら、それはうやむやですよ。直接の発火の原因というものは、物理的にもっと別個な調査を十分にやったらよろしい。それをまるきりわざわざにがしてしまうようなかっこうの調査を、いま申し上げたようなかっこうでやっておるのです。だから現在もう何も出ぬでしょう。炭じんがたまっていて、あれだけの人が死んで、そうして
日本のいまの法制から見て、刑事的な責任をだれも負わない、そんなばかげたことはあるものですか。こういうところに姿勢がなっておらぬと私は思うのです。そうでしょう。ところがあなたは、かわいそうな運転士さんとか、そういう人
たちがいろいろ事故を起こすとすぐ逮捕する。安い賃金で、そうして寝不足が重なって、過密ダイヤで、そこへ持ってきて過密
状態にさらに人を合わせるという、非常に無理な場面もあるわけですね。しかし、それはそれとして解決しなければならぬが、問題が起きたらその調べもけっこうでしょう、しかし、大三井ということになりますと捜査の常識をはずれたことをやっておる、それはけしからぬ話ですよ。
総理大臣、こういう一体片寄ったへんぱなことでいいわけでしょうか。