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1964-06-17 第46回国会 参議院 本会議 第28号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年六月十七日(水曜日)    午前十一時五分開議   ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第二十八号   昭和三十九年六月十七日    午前十時開議  第一 電波監理審議会委員任命   に関する件  第二 日本電信電話公社経営委員   会委員任命に関する件  第三 東海道新幹線鉄道における   列車運行の安全を妨げる行為の   処罰に関する特例法案内閣提   出、衆議院送付)  第四 学校教育法の一部を改正す   る法律案内閣提出衆議院送   付)  第五 農林漁業団体職員共済組合   法の一部を改正する法律案(内   閣提出、衆議院送付)   ━━━━━━━━━━━━━ ○本日の会議に付した案件  一、新潟地震被害状況についての   自治大臣報告  一、議員派遣の件  一、日程第一 電波監理審議会委員   の任命に関する件  一、日程第二 日本電信電話公社経   営委員会委員任命に関する件  一、日程第三 東海道新幹線鉄道に   おける列車運行の安全を妨げる行   為の処罰に関する特例法案  一、日程第四 学校教育法の一部を    改正する法律案  一、日程第五 農林漁業団体職員共   済組合法の一部を改正する法律案   ━━━━━━━━━━━━━
  2. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。    ————・————
  3. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。  自治大臣から、新潟地震被害状況について発言を求められております。  この際、発言を許します。赤澤自治大臣。   〔国務大臣赤澤正道登壇拍手
  4. 赤澤正道

    国務大臣赤澤正道君) 新潟地震につきまして、私、ただいま現地状況をつぶさに見てまいりましたので、御報告を申し上げたいと思います。  実は、きのう衆議院の本会議の席上、臨時の発言を求めまして、警察情報を第一報から第十報までお伝えいたしましたが、その直後に総理大臣から、政府を代表して直ちに罹災地へ行ってお見舞いして、その実情をつぶさに見て、報告をしてほしいという要請がありました。そのまま自衛隊ヘリコプターに乗りまして、午後四時出発いたしましたが、現地との連絡が全くついておりませんので、とりあえず新潟空港へ着陸する決心だけは機上でいたしたわけでございます。約三時間の後に空港に到着いたしましたが、ここは全く無人でありまして、電気、ガス、水道、全部だめになっておりますから、まあ、とにかく作業服とゴムぐっとを持ってまいりましたおかげで、どうにか動くことができたわけでございます。飛行場の中は、一面に泥土が堆積しておる状態でございました。そこから車に乗って県庁へ行こうと思いましたけれども、もう車は全然ありませんし、また、かりに車を動かしても、飛行場へ至る道が全部途絶いたしておりまするので、私、地理が不案内でしたけれども県庁まで約一里半ばかりあるが、しかたがないから歩こうという決意をいたしましたが、それでも時間がかかりますから、ヘリコプター搭乗員といろいろ協議をいたしまして、とにかく県庁の近くにある先般国体をやりました競技場へ入ってくれぬかということを頼んだわけでございます。御案内のとおり、ヘリコプターは、やはりまつ暗やみのところでは、なかなかあぶなくて操縦もできかねる状態でございましたけれども、大事なことでございますので、実は無理をいたしまして、その上にどうにかたどり着くことができ、下を見ましたところ、おりられそうでございましたので、おりたわけですけれども、この中も一面のどろでございます。ゴムぐつのおかげでどうにか歩くことができました。  で、県庁へ入ったわけでございます。県庁の周辺も一面どろの海のようになっておりました。中では、罹災地によく見られます「ろうそく」をともしまして、どうにか係の方々が一生懸命で情報の収集などをやっておられました。そこで、私すぐにお見舞いのことばを申し述べて、記者会見らしきものはいたしましたが、まるでもうお話にならないような状態であります。しかしながら、罹災民各位に広く呼びかけまして、そうして、とにかく中央では、この状態を一日も早くお救いするために万全の措置を講じつつある、ほかの状態は、全国的にはこうであるから、ぜひ、安心して、一日も早く平静な日常の生活に返っていただきたいということを、民心の安定の上から申しましても必要でございまするので、広く呼びかけることをいたしました。  そして、向こうで、とりあえずどういうことが必要なのかということにつきまして、いろいろ協議をいたした次第でございますが、何ぶん私が県庁に入りましたのは九時でございまして、たまたま折あしく、知事も北海道に旅行中、市長東京へ、県警本部長も、これはお母さんか何か重態でありまして、これも郷里に帰っておる。副知事もたいへん苦労をして全般の指揮をしておられました。すぐに知事も、東京まで帰って、すぐトラックか何かに乗って、夜通しかけて帰ってくる途中にある。市長はどうにか私どもと同時にヘリコプターで帰り着くことができた。県警本部長も、そのあくる日に帰ってまいりましたが、昨日はさんざんなことであったわけでございます。しかしながら、皆さんがたいへん涙ぐましい努力をしておられまするので、私といたしましては、できるだけの御協力を、この場で、して帰ろうと、かように思いました。  まず第一の要求は、御案内のとおり、昭和石油が火災を起こしております。ここには、三十万トン近い油の貯蔵がございまして、これに、タンクに火が入りまして、次々と爆発して延焼しておるわけでございます。私、これに対する処置を尋ねましたところ、向こうから、どうも、会社の技術者としても、こうなると全く手の下しようがありません、消火のための泡沫消火剤はあるけれども、水が全然ないから使いものにならぬ、平素から消火設備というものは万全を期してあるけれども、これも電気がとまってしまったのでは、その設備を動かすことすらできぬ、いまこういう状態のもとではどうにもならぬので、自治大臣善処を待つと、こういうことでございました。自治大臣善処と申されましても、なかなか、私も着いたばかりで、この火が消せるわけのものでありませんので、すぐに、やっと警察電話だけが、全部だめになっておりまするけれども東京へ通ずるものだけが残っておりましたので、消防庁の長官を呼び出しまして、協議をいたしました。すぐ化学消防薬剤を送ります、それから技術者も送ります、明朝は到着をいたしますからということ、それからまた、その後、米軍にも協力方要請いたしました報告が私の手元に入りましたのは、けさの三時前でございます。とにかく、八方知恵をしぼってこれを消さなければならぬ、これが第一の要求であったわけです。  その後、ただいままでに至るまでの経過は、大体、まだ燃え残っておるタンクが若干あるわけでございます。何せ二十万トンという油は、たいへんなものでございまするので、なかなか処理は容易ではない。しかしどうも、私が向こうを出発しましたあとで到着いたしました薬剤も、あまりに火が大きいために、あまり効果を発揮していない。しかも、その次のタンクに延焼するという危険があるので、これは八時から破壊消防に入ったという報告が、実は先ほどまいりました。と申しますのは、市の消防課長に、私、直接申しまして、とにかく、どのタンクが全部爆発しても、一人も住民が死なぬように、緊急避難措置だけはすぐやりなさいということで、それは、やってもらいました。昭和石油タンクだけではなくて、付近には火力発電所のやはり四万トンも重油が入っておるタンクもありますし、これを満湛の状態であると聞きました。その付近にはいろいろなこういう危険なタンクがあるわけでございまするので、そういったものにこの火が入りました場合の人命に対する配慮だけは、十分に私やかましく申しましていたした次第でございますが、どうもただいまの状態から見ますと、民家のほうへ逐次延焼していく危険があるし、これらのタンクが全部爆発いたしますと、埠頭一帯はおそらくだめになるだろうという予想がされますので、おそらくは破壊消防に入った、かように判断をいたすわけでございます。  それから、いろいろなあと損害復旧のことについて、もう矢つぎばやにいろいろ御要求がございますけれども、まあ、きのう起こった地震でもありますし、いまそれの復旧に何百億円要るという議論をしている時期ではございませんので、とりあえずどうすればいいということを中心といたしましていろいろ協議をいたしました結果、実はやはり新発田自衛隊橋梁復旧のために協力してくれている、これは非常に有効で、あった。ただ人員が少ない。と申しますのは、たまたま新発田自衛隊は、これまた休暇でかなり帰郷しておったようでございますので、多少この人員が不十分であった。それと、土のうをつくるための俵を十五万俵だけ御用意願いたい。それを水訪関係信濃川流域にあるものを全部集めるということは、不時の災害があったときに困ることもあり得るので、ぜひ他の地域からということでございまするので、ちょうどすぐに中央では政府のほうで防災会議が招集されておりまして、河野大臣本部長になられたということを、私は機上承知をいたしておりましたので、すぐ河野大臣連絡をとりまして、この自衛隊をもっと投入していただくこと。それから、この資材のうちで特に急ぐただいまの俵の手配を実は電話でお願いをいたしまして、快諾を得た次第でございます。とりあえず向こうのほうには、この高田の自衛隊は全部ここに投入する。それから豊川の施設部隊も実はお願いする、そうして入れていただくということにいたしますならば、まあとりあえずの措置は、応急措置というものはでき得るのではないかという判断をいたしましたが、なおやはりこういう火急の際ですから、多くこの自衛隊の諸君にお願いしなければならぬ面が出てくるのではないかというふうに考えるわけでございます。この二点だけを、私としては、急遽、知事も、市長も、警察本部長もおりませんから、その代理という意味で、私がかわって、何がしかの御注意をいたしたわけでございます。  何といっても、民心安定ということが一番大事でございます。通信機関も、交通網もみなとだえているわけでございますので、これは私の担当でございますが、やはりパトカーその他で状態をずっと広報いたしてまいりまして、この点では、昨夜にかけて、だいぶん落ちつきを取り戻しておりますように、私どもは見た次第でございます。  で、実はこの席で、本部長でございまするので、正式に河野本部長のほうから、全般状況について御報告いただけるものと思っておりましたけれども、便宜、いま行って帰ったものだから、自治大臣やれということであったのでございますので、全般のことにつきまして、この本部で集約されたものにつきまして、一応簡単に申し上げておきたいと思います。  一、地震の概況。六月十六日、つまり昨日午後一時過ぎ、新潟県村上市沿岸付近震源地として発生し、新潟、仙台、酒田、相川の各地で、震度五、つまり強震を記録したほか、東北、北陸、閥東にわたって広範な被害発生を見た。午後八時までにわたって、十一回にわたる余震を免じ、酒田においては、二ないし三メートル、輪島、新潟においては約一メートル程度の難波の発生を見るなど、多方面に被害が波及した。  二、被害状況。これは六月十七日午前零時現在の状況でございます。6  死者二十二名、行くえ不明四名、負傷二百十二名。(二) 建物全半壊一千四百七十六戸流失浸水一万一千三百八戸、全半焼九戸、その他八千四百三十四戸。(三) 田畑流失冠水約二千八百ヘクタール。(四) 公共施設道路損壊二百四十二カ所、橋梁流失五十カ所、堤防決壊十二カ所。(五) その他、山くずれ五十五カ所等。各地石油タンクの炎上、送配電設備被害による停電、新潟空港使用不能等被害を生じた。  三、講じた措置の概要。政府は直ちに災害対策基本法に基づき、新潟地震非常対策本部を設置し、本部長国務大臣河野一郎任命するとともに、自治大臣赤澤正道を長とする現地調査団派遣し、調査に当たらせることとし、とりあえず次のような措置を講じ、また検討している。  (一) 交通確保をはかるため、道路状況調査迂回路指定等を行なっている。  (二) 自衛隊においては、新発田神町等部隊から派遣を行なうとともに、多数を出動準備のために待機させ、救難機救援物資輸送機を待機させている。  (三) 被害地の納税の猶予地方公共団体向け短期資金手当等検討している。  (四) 新潟市に災害救助法を発動し、また保存血液確保につとめている。  (五) 乾パン等非常食糧手当を行なっている。  (六) 被災床屋に対し、住宅金融公庫による災害貸し付けを行なうべく検討を進めている。  こういうことが大体この全般についての御報告の内容になっておりますが、実は、けさほど私が出発いたします前に、とにかく、とりあえずやってくれということは何だということを中心にして検討をいたしました結果、要約して、私は、現地の悲痛な要求というものを聞いてまいりました。すぐに河野本部長のもとへ報告をいたしておる次第でございますが、今度の新潟地震は非常に特殊なものでありまして、この地盤が非常に軟弱でございまするので、写真、新聞等でごらんになったと思いまするけれども、四階建てのアパートが、まるで子供のおもちゃのようにひっくり返って裏側がよく見えておる。しかも建物はこわれていない。まるで見たことのないような状態が起こっているわけでございます。それで、信濃川に海水が逆流いたしましたために、津波とも高潮とも言えるかもしれませんが、水が下水を通じて市内に逆に入ってきている。これがどろを堆積さしておりますし、また、ああいう地域、私は不思議だと思うのですが、至るところに亀裂が生じまして、その亀裂から地下水が噴出したと、こう言っている。見ますと、なるほどそういうふうに見える。粘土とともに地下水がふいた形跡というものがどうも見られるようでございます。それから、あそこが例のゼロメートル地帯といわれております地盤沈下地帯でありまするために、ここでは下水というものを信濃川にポンプアップしているわけでございますが、これは電気がだめになりましたので、この排水が全く役に立っていない。そのために排水に非常に困難があるわけでございまして、そのために、まず、この水が入ってくるところを押えなければなりませんので、いまの土のう十五万俵が要るわけでございますが、これはああいう特殊な地帯でございまするので、海岸部にもそれが相当量が必要となっておる。それから一挙にして電話が全部だめになる、電気がもう送配電ともだめになる、交通がだめだ、橋梁がこわれた、車両の通行は、国鉄も入れまして、もう急にストップいたしましたために、最初、それぞれの機関との連絡が全くとれぬ状態で数時間が過ぎたわけでございます。その後、被害地域全般を通じて、逐次状況の把握ができかかっておりまするけれども、なかなかむずかしい。あまり例のない事故でございまするので、現地としては非常に困っております。昨夜はおそらく関係者は一睡もいたさないで、血走った目のまま、けさもばたばたしておるという状態でございます。そこへ、あそこは工場地帯でありまするので、ただいま申しましたような火事が起こった。しかも、水もない、電気もないということですから、消火ということについて全くお手あげの状態。油が燃え尽きるのを待つ。まあ油の二十万トンからのものが燃え尽きるのは、いつの日かわかりませんけれども、ただいまでもどんどん炎上している。さらに危険が去らぬという状態でございます。  これに対しまして、もちろん県といたしましては一応の対策を立てております。一番困りますのは、水がありませんので、私、見て回りましたが、できるだけのトラックをかき集めまして、それにドラムかんを積んで、それに水を満載して、町の至るところにとめまして、みな奥さん方が「なべ」「かま」等を持って行列をして、この水をもらって歩いておる状態でございますが、これは、えてして伝染病のもとになりまするので、この防疫ということについては十二分の注意をいたしておりましたけれども、きょうは、実は小林厚生大臣も私と入れかわりにここにお着きになりまするので、そういった手配については万全を期ぜられるものと、私は考えております。  それから、特に現地のほうで痛烈な要望がありましたのは、ただいま防災本部のところで申し上げましたとおりでございますが、つまり緊急要望事項といたしましては、水道施設が決壊しておるので、給水不能のため、給水のためのタンク車四トン積み百台を早急にお手配願いたいということ、二番目は、水道応急復旧資材として、送配水管六百ミリメートルのもの一キロの確保を願いたい。あるいは俵十五万俵、また、米を応急用としてとりあえず二百トン程度必要とするので、売却措置を講ぜられたい。先ほどもありました乾パンも、さしあたり一万食分だけは大至急に送ってもらいたい。それから七輪、こんろ五千個とか、あるいは、ろうそく二十五万本、あるいは懐中電灯五万木、簡易組み立て橋梁五百八十メートル分、ロードマット、これも千メートルの幅六メートルのもののあっせんを願いたい。こういうふうな、とりあえずいま必要だというものを、私は聞いて帰ったわけでございますが、これは即刻電話をもって、また河野本部長のお手元に届いておりまして、河野本部長のもとで着々とこの措置については進めていただいていると、私は承知はいたしております。  総体を通じまして、まことにお気の毒な状態でありまして、全く罹災をされた方々のみならず、罹災といいましても、まだこの水が引きませんので、行ってみますと、電柱は引っくり返っている、家は傾いておる。まだ油と水と、どろどろになったものが滞水になっておる。お話にならぬ状態でございます。まことにお気の毒ですが、さらに、それにも増して、これも新聞等で御承知になっておりまするとおりに、やはり死者もあるわけでございまして、総体被害からいえば、比較的この数は少ないとはいいながら、やはりこの犠牲になられた方々があるのでございまして、私は政府を代表いたしまして、この点につきましては深甚なる弔意を、実は現地で表してまいったわけでございます。  なかなか、この災害あとをどうするかということは、容易ならぬ問題があると私は判断をいたし、ただいま総理大臣にすべてを報告申し上げた次第でございます。見てまいりましたので、まだいろいろ御報告しなければならぬ点はあるかと思いまするけれども、一応、私、直接自分の目で見て、そうしてやりました措置について、簡単でございますが、御報告を終わります。(拍手
  5. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) ただいまの発言に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。佐藤芳男君。    〔佐藤芳男登壇拍手
  6. 佐藤芳男

    佐藤芳男君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいまの御報告に対しまして、若干の質問をいたしたいと思うのであります。  昨日十三時二分、突如として起こりました新潟地方中心とする大地震は、その震度において、かつての関東震災に次ぐものでありまして、その被害と混乱は真にはなはだしく、けさ午前三時現在、わが新潟県における状況を私はキャッチをいたしたのでありまするが、大体は、ただいま一時現在の御報告がございましたが、それとはなはだしき相違はないのでございますが、しかしながら、時間の経過とともに、だんだんとその被害が数字の上においても増してくることは明らかだと思うのであります。私はこの際、まず、たっとき生命を失われました犠牲者方々の御冥福を祈り、負傷者方々並びに罹災者方々に御同情の意を表しまする次第でございます。とともに、被害各県の方々が悲嘆のうちから立ち上がられ、その復興をすみやかに完成されんことを念願するもの、でございます。  まず、私の総理に対する第一の質問は、この災害地域は、御承知のように、例外なしに低開発地域であり、したがって、地域格差はきわめてはなはだしいのでございます。私どもは、つとに、天の恵みの厚薄によって生ずる禍福を調節することが政治の要諦でなければならぬと主張いたし、これが対策につきまして政府を鞭撻してまいったものでございますが、このたびの災害がこうした恵まれざる地域を見舞ったのでありまするから、政府はこのことに大きな考慮を払って対策を実行されなければならぬと思うのでありますが、この点に関して総理の御所見をまず承らなければならぬのでございます。  その第二は、これは政府対策本部長からでもけっこうでございますが、明治二十四年の美濃・尾張のあの大震災あと震災予防調査会が設立され、予測予防について研さんを続けられたのであります。ただし、これは時限立法であって、その後解消いたしておりまするが、現在は東京大学においてそうした機関があり、これに仕事をゆだねられてあると仄聞するのでありますが、その東大における研究の状況はどの程度に相なっておりまするか。また、このたびは全然予知できず、したがって、対策もなかったのかどうか。今後予測予防に関していかなる考慮を払われんとするのであるか。この点も伺っておかなければならぬのでございます。  次に、関係大臣に伺って、さらに要請をいたしたいと思うのでありますが、ただいまも赤澤自治大臣からちらりとお触れに相なりましたが、新潟市内における昭和石油タンクが炎々と燃え立ち、一時は全く処置がなかったのであります。幸いに米軍ヘリコプターから薬剤の散布がありまして、おくればせながら落ちつきを見せたと報告されておるのであります。一体わが国では、ヘリコプターはある、薬剤もあるはずだ、ただし、これに関連する設備と訓練がなかったものと推察いたすのでありますが、こういうようなことぐらいは、ぜひひとつその用意があってしかるべきものと思うのでありますが、今後のお考えを承っておきたいのであります。  次に、不幸にしてわが国におきましては災害たびごと必要物資がはなはだしく値上がりを見るのでありますが、暴利取締令のない今日、行政措置以外にこれを抑制する方法はないと思うのでございますが、このたびはいかなる行政措置をとって万全を期さるるおつもりでございますか。この点も伺っておきたいのであります。  次に、交通通信電気、これらは、御報告にもございましたように、文字どおり壊滅をいたしておるのでございますが、これが対策を具体的に承りたいのであります。  次に、罹災者の税の減免猶予の問題を大蔵大臣はいかがお考えに相なっておるか。また、金融の問題についてはどう対処なさらんとさるるのか。また、場合によっては予備費の支出を必要とするとも想像されるのでございますが、この点はどのようにお考えでありますか。なお、大蔵省としての最大限の措置について、この際、明らかにしていただきたいと思うのでございます。  次に、自衛隊のことについて一言つけ加えたいのであります。新潟県からの私どもに対する報告によりますれば、自衛隊が県の要請に基づきましていち早く出動されまして、非常な有効なる活躍をされたということでありまして、私は、この機会に、自衛隊方々に限りなき感謝の念をささげまするとともに、先刻赤澤自治大臣の御報告の中にもありましたように、必要とあらば、今後大量に御派遣を賜わりたいことを希望いたすところでございます。  なお、新潟県の対策本部が、河野建設大臣を長とするところの政府対策本部に対しまして、緊急物資要請をいたしておりますることは、これまた自治大臣よりお話のあったところでございますが、これらの事柄は、きわめて小さい事柄のようでございまするけれども、直ちに光を生じ、直ちに効果を発揮するものでございまするので、給水タンク車の問題も、送水管の問題も、七輪、こんろの問題も、ろうそくの問題も、懐中電灯の問題も、特に簡易組み立て橋梁——昭和橋はすでに流失をいたして、他の橋も一部亀裂を生じて渡り得ない状況にあるのでございまするから、何といたしましても簡易組み立て橋梁資材をとりあえず五百八十メートル分をお送りを賜わりまして、橋によって地域住民が交通できまするように急速に御手配を賜わりたいと存ずるのでございます。  私は、主として新潟県の実情にかんがみて質疑をいたし、お願いをいたしたのでございますが、山形県といい、その他の地域といい、その程度の差こそあれ、相当の被害を受けておりますることは現実でございます。どうか政府におかれましては、直ちに自治大臣派遣され、厚生大臣派遣され、対策本部をお設けに相なりましたこの速度をずっとお続けを賜わりまして、完全に今回の大災害に対して対処されんことを心から希望いたしまして、私の質疑を終わります。(拍手)   〔国務大臣池田勇人君登壇拍手
  7. 池田勇人

    国務大臣(池田勇人君) 今回の新潟地震によりまして、新潟県をはじめとし、山形、秋田両県にわたる被害に対しまして、私は罹災者方々に、衷心よりお見舞い、御同情を申し上げる次第でございます。したがいまして、これが復旧対策につきましては、万全の措置を早急にいたす覚悟でおるのであります。  御質問の第一点の、新潟地域は低開発地域という前提でのお話でございまするが、これは必ずしも低開発地域とは申されません。しかし、いずれにいたしましても、重要な地域でございますから、すでに新産業都市に指定いたして、この地方の開発をはかっておるのであります。しかし、この地域開発と災害復旧とは、理論上は別個のものでございます。われわれは、この際、災害復旧に万全の措置を講ずると同時に、新産業都市の将来のあり方につきましても考慮に入れながら、早急に対策を講ずる次第でございます。  なお、私がいま心配いたしておりますのは、石油工場の火災でございます。立川より昨夜おそく七トン余りの化学消火剤を送りまして、そうして新潟市におきまして、燃えている所に空中よりドラムかん三個ずついま落としております。八時から始めておりますが、この効果に非常に期待を持っておりますけれども、先ほど赤澤大臣より答えましたように、非常の場合を予想いたしまして、あらゆる措置をいま講じつつあるのであります。  なお、暴利取り締まりにつきましては、関係当局で十分注意いたしております。物価統制令第十条によりまして、暴利の取り締まりは現行法でもできることに相なっております。要は、細心の注意をもって暴利の起こることを未然に防ぐことが必要であると考えまして、措置をとっておるのでございます。  なお、自衛隊につきましてのお話でございますが、私は昨日午後四時、防衛庁長官に電話いたしまして、舞鶴で待機中の海上自衛隊駆逐艦三隻その他の艦艇を直ちに新潟沖に差し向けまして、今朝より乾パンその他の配給を海上自衛隊の手で行なわせておる状況でございます。  なお今後におきましても、対策本部長を督励いたしまして、各省一致いたしまして、災害復旧に万全の措置をとる覚悟でございます。  また大蔵関係につきましても、国会の御了解を得まして、午後、大蔵大臣現地に差し向けて、善後策の万全を期する考えでございます。以上。(拍手)   〔国務大臣河野一郎登壇拍手
  8. 河野一郎

    国務大臣(河野一郎君) 罹災者の皆さまに心からお見舞い申し上げる次第でございます。  私は本部長といたしまして、また建設大臣といたしまして、これが対策について一通り申し上げたいと思います。  お尋ねにありました物価の問題でございますが、これはいま総理からもお答えいたしました。昨晩おそくまでかかりまして、各省それぞれが対策を立てておりますものを全部調整いたしまして、あまり各省が、かってがってにやりますと、輸送関係等について列車の取り合いになるとか、その他、物の取り合いになるとかいうことは適当でございませんので、これらの調整を十分にして、所要の物資は万全を期して輸送する、送り届けるということにいたしたいと考えておるのでございまして、それには、まず何と申しましても道路関係が一番大事であるということから、自衛隊の諸君を私は大幅にひとつ御苦労願おうということを考えて、自衛隊のほうとも連絡をして、万遺憾なくいたしておるのでございまして、これは現地のほうで必要があれば——必要な程度以上にでも、私の意図するところは、短時日の間に対策もしくは善後処置を終わりたい。それにはなるべく大幅に対策を立てたいという意味で、自衛隊の皆さまにも多少大幅に御足労願いたい、こういうふうな意味合いで当たっておるわけでございます。したがって、物資につきましても、具体的に申し上げますと、たとえば、新聞等で御承知かもしれませんが、食糧関係は、現地におおむね十五日分はございますので、配給の状態さえうまくいけば決して食糧には事欠かぬことになっております。しかし、米では何ともならぬ場合がございますので、自衛隊等にありまする乾パン等についてもこれを手当てをして、食糧庁に移しかえをして、これを現地に輸送して配給にこたえるというふうにいたしております。また一面、木材関係につきましても、農林省関係の各営林局にありまする木材をそれぞれ現地に即刻発送するようにということで、東京、名古屋、その他東北方面のものもそれぞれ現地に、まだ必要の段階になっておらぬと思いますけれども、木材の輸送も直ちに着手するようにという指令を出しております。こういうふうに、雑貨類において一部上がるものもあるかもしれませんが、これは輸送さえつくようになりますれば、私は、そう心配はなく、また、十分督励をしてそういうことのないようにいたしたいと考えております。  道路につきましては、おおむね今朝五時ぐらいまでに、国道七号線、八号線、つまり、新潟中心にいたしまして東北の方面から入ってまいりまする道路、さらに新潟から京都のほうに参りまする道路、この二つの幹線が、今朝五時までに、一方は二車線、一方も大体全線ということにこれが開通いたしております。これによって、新潟とその他の地区との連絡運送等は事欠かぬようになっておるはずでございます。ただ、新潟市内の道路は非常にいたんでおります。これは、自衛隊の諸君に御協力願うよりほかに早急に回復する方法はないと心得まして、先ほど申し上げましたように、この道を講じておるのでございます。ただ、お尋ねにもありましたように、地盤の悪い関係から橋がことのほかにいたんでおります。せっかく通れる橋も亀裂を生じておりましたり、または橋の取りつけ口が沈下してしまって使用に適せぬということになっておる状況でございますので、これらについても、すみやかに復旧するように、ないしは、また木橋を補足するようにということの処置をいたすように指令をいたしております。  なお、お尋ねはございませんが、住宅関係につきましては、住宅公団もしくは住宅金融公庫、これらを通じて、資金の融通に事欠かぬように全力をあげて対処するように指令をいたしまして、現地のほうでそれぞれやらせることにいたしておりますが、なお、この住宅対策につきましては万全を期したいという所存でございます。  金融、税金のことについては、大蔵大臣から詳細にお話があると思いますが、本部長といたしましては、何を申しましても、先立つものは金だ、金のことについて、あまりやかましく言わないで、どんどん払い出し、貸し付けをするように、現金がないということが一番不安のもとになるから、現金の輸送等についても十分手当てをするようにという指示をいたしておるわけでございまして、一応現在までのところ、現地からの要求につきましては、全部手配を終わっておりますけれども、今後も、雪害対策と違いまして、今度の問題は、短期のうちに解決をするという所存で、できるだけ早く善後処置を終わるという方針で督励するつもりでおります。  以上お答え申し上げます。(拍手)   〔国務大臣赤澤正道登壇拍手
  9. 赤澤正道

    国務大臣赤澤正道君) 所管の点につきましてお答えをいたします。  まず警察でございますが、これも先ほど申しましたとおりに、民心の安定が一番大事だと考えます。きのうはかなり動揺しておる姿が見受けられました。ラジオでお聞きになったとおりでございますし、そこで、地震発生と同時に、関係管区警察局長及び関係県警察と無線あるいは有線通信を用いて連絡をずっとやりましたが、警察庁内に、まず警備局長を長とする新潟地震災害警備本部を設置して、被害情報の収集並びに関係管区警察局及び関係県警察の災害警備実施の指示及び連絡調整に当たりますとともに、新潟県警察に対する照明器材などの支援について必要な措置をとりました。また、関東管区警察局におきましては、同局長を長とする新潟地震対策本部を設置するとともに、同局の保安部長等の職員を新潟県に派遣し、効率的な災害警備実施の指示調整に当たらせております。大体、私、今朝出ました際には、向こう空港で、いまの競技場で、大体の報告を聞きましたが、逐次安定の方向に向かっておるようでございます。  それから、自治省は消防庁も所管いたしております。消防につきましては、ただいま総理大臣もお触れになりましたが、残念ながら、ただいまの瞬間でもなかなか効果的な消防が行なわれておりません。しかしながら、全国的にこういう石油コンビナート的なものがだんだんできておりまして、こういう事故が起こりましたときに、大きな災害が予想されますので、消防庁といたしましては、落下方式による消火法、これは本年度から消防研究所で、予算がつきましたので、研究を始めておりますが、まだ世界的にこれは十分開発されたというところまでは、いっておらぬ次第でございます。化学薬品など、昨晩からけさにかけましてずいぶん運び込みまして、いろいろ実施しておりまするが、残念ながら一挙に消せるという方法がありませんので、まあ周囲のほうからじわじわと火を消していくということに役立つしかないのではないか。ただ、爆弾によって一瞬、真空地帯をつくって消すという方法もあるようでございますが、これは油田なんかの場合には効果的ですけれども、ああいう広範な延焼区域を持っておりますものに対しては、どうも効果がないようでございます。  それから、自治省の財政その他のことにつきましては、これは言うまでもなく自治省としては、総理の指示もございますし、また大蔵大臣も申されましたが、われわれといたしましては、及ぶ限り、気の毒な方々地帯のためには、援護の措置をとらなければならぬと考えておる次第でございますが、まだ具体的に数字が全然あがってまいっておりませんので……。しかし、そういう心がまえでおるわけでございます。(拍手)   〔国務大臣綾部健太郎君登壇拍手
  10. 綾部健太郎

    国務大臣(綾部健太郎君) 罹災者の各位に対しましては、心から深甚なるお見舞いを申し上げたいと思います。  私の所管に関する国鉄その他につきまして、一応被害状況を御報告申し上げ、その対策、見通し等についてお答えいたしたいと思います。  まず、国鉄でございますが、国鉄の被害の線路名は、赤谷線、磐越西線、白新線、越後線、信越線、羽越線、米坂線、会津線、この八つの線路に被害がありまして、大体、赤谷線は十七日、本日の十二時に開通いたします。それから磐越西線新津−津川間は、本日の二十時に開通の予定でございます。白新線は十八日、すなわち明日十二時に全線開通の予定でございます。それから越後線の柏崎−古田間は、やはり本日の二十時に開通する予定でございます。信越線、羽越線は、いまなお、被害個所が非常に多うございまして、開通の見込みが立っておりません。しかし、新津までは本日開通するはずになっております。以上が国鉄でございます。  それから私鉄関係は、羽後交通、越後交通その他、約七カ所の私鉄は、大体今朝までにおおむね開通しております。庄内交通、蒲原鉄道、新潟交通等はまだ不通でございまして、開通の見込みは立っておりません。  港湾につきましては、新潟港が非常に地盤が全面的にやられておりまして、岸壁、護岸決壊等、なかなかひどい損害を受けておりまして、一般の船舶はただいま入港を禁止しておりまして、その地震によって港内の起伏が変わっていることを、海上保安庁の測量船をやりまして、その隆起状態を探査いたしまして、船が着けるようにする努力をいまいたしております。本日入った情報によりますと、四百五十トンの船がようやく一隻新潟港に入ったということでございます。それから秋田港、酒田港、これまた岸壁、堤防等が一部亀裂を生じております。  それから航空関係は、新潟空港の滑走路、誘導路が亀裂を生じて、陥没を生じておりますが、一部の滑走路を利用いたしまして、小型機、すなわちセスナ及びヘリコプターは使えるような状態にあるのであります。  それから、運輸省といたしましては、直ちに新潟地震対策本部というものを省内に設けまして、官房長を本部長として、いろいろ情報その他の復旧に関する施策を講じております。  海上保安庁では、巡視船をできるだけ新潟方面に回しまして、ことに「おき」とか「のと」というような二隻をもって、伏木港及び直江津港より、救恤物資の輸送、日赤等の緊急対策要員の輸送専一に当たっております。  以上が現在における運輸者関係状態でございます。  なお、この際、先ほど地震というものは予知できるのかどうかということにつきましての御質問がございましたが、本日までの学界のいろいろの情勢は、予知することは困難であるということが定説のようになっておりますが、気象庁といたしましては、本年も六億八千六百万円の防災予算をとってありますからして、今後とも、学界、大学その他と連絡をとりまして、研究をさらに進めまして、かような不幸のことを予知できるように努力するようにしております。  なお、国鉄に対しては、今朝、救援物資の無料輸送、建築材その他復旧資材の五割引きの輸送をするよう命じております。  以上御報告申し上げます。(拍手)    〔国務大臣田中角榮君登壇拍手
  11. 田中角榮

    国務大臣(田中角榮君) まず、財政上の措置に対して申し上げたいと存じます。  鉄道、電信電話施設の応急作業等は現在続けておるわけでございますが、こういうものに対する経費につきましては、年度の第一・四半期でもありますので、さしあたり既定経費をもって充当いたしまして、状況によりましては予算の移流用等の措置をとるということも考えております。いやしくも予算上の拘束によりまして救助の作業に支障を生ずることのないようにという基本的な考えでございます。  第二は、災害復旧卒業についての問題でございますが、被害額の判明いたし次第、これに見合った十分な財政措置を講じていく所存であります。  それから、地方公共団体等の財政措置の問題でございますが、緊急に応急復旧工事等を行なわなければならないのでありますから、当面のつなぎ資金を必要といたしておりますので、資金運用部資金の短期融通をいたしたい、このように考えておるわけでございます。  税制の問題につきましては、国税通則法、災害減免法等もございますので、この規定を最大限に適用いたしまして、税の申告、納付または徴収期限の延長、申告所得税の予定納税額の減額、納税の猶予、給与所程者等に対する租税の減免、被災酒類等の酒税等の軽減等を実施いたしまして、被災納税者に対する措置を講ずることにいたしたいと存じます。なお、これらの措置につきましては、直ちに国税局長及び税務署長に指示をいたしますとともに、あらゆる手段を通じまして周知徹底をはかって、時期を失することのないようにいたしておるわけでございます。  第三は、金融上の措置でございますが、まず、民間金融機関につきましては、現地の財務部、日銀支店及び現地銀行協会等にすでに連絡をいたしてございます。これらの機関協議の上、まず第一には、小切手、手形不渡り処分等の猶予——各地の銀行協会におきまして、手形交換持ち出し及び不渡り返還の持ち出し期日の延期等を実施することにいたしました。  なお、預貯金の払い戻しの便宜をはかりますために、通帳とか、印鑑とか、そういうものがなくなった者に対しましては、簡易な確認方法によりまして払い戻す等の措置をとっております。なお、被害者への融資の配慮につきましては、融資相談所を開設いたしまして、貸し出し手続の簡易迅速化をはかっておるわけでございます。  なお、政府関係中小三機関につきましては、それぞれ職員を現地派遣をいたしまして実情を調査することにいたしておるわけでございますが、とりあえず罹災中小企業者に対する貸し付け手続の簡易迅速化、既往貸し付けの償還条件の緩和等の応急措置をいたしまして、遺憾のないよう指示をいたしておるわけでございます。  なお、証券問題といたしまして、新潟方面から東京、大阪、名古屋市場への売り付け注文につきましては、株式の受け渡しが遅延することが予想せられますので、有価証券の引き渡し票につきまして通常徴収する認証料等を免除するような措置をとっておるわけでございます。なお、証券業者等につきましてのつなぎ融資(受け渡し資金の金融)及び顧客に対する株式担保金融の促進等を口証金に指示をいたしておるわけでございます。  応急の措置としては、以上のようなことを考えておりますが、先ほど総理大臣より現地実査方を私は命じられました。本日の国会審議に支障のない時間に現地に参りまして、現地状況をつまびらかにいたしたいと考えておる次第でございます。その土、具体策を樹立をいたしまして、万全を期したいと存じます。(拍手)   —————————————
  12. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 大倉精一君。   〔大倉精一君登壇拍手
  13. 大倉精一

    ○大倉精一君 私は、日本社会党を代表し、あわせて野党各派の立場から、ただいま政府から御報告のありました新潟地震災害対策に関し、総理並びに関係大臣の所信をお伺いをしたいと思うのでございます。  まず、冒頭にあたりまして、今次の地震により、一瞬にして肉親を失い、家財をなくする等、痛ましい犠牲になられた方々に対しまして、さらにはまた、災害地の地方公共団体に対しまして、日本社会党を代表し、さらに、野党各派の名において、深甚なる御同情と心からなるお見舞いのことばを申し上げる次第であります。同時に、一日も早く力強く立ち上がっていただくことを、心からお祈りを申し上げる次第でございます。(拍手)  さて、ただいま御報告がありましたとおりに、新潟地震は、去る昭和二十三年六月二十六日の福井地方の大震災にまさる、戦後最大の規模でありまして、赤澤自治大臣の御報告のとおり、一瞬にして通信連絡はとだえ、交通は麻痺し、ために、被害状況は知る由もない状態でございまして、逐次その実情が判明するに従い、さらにまた、ただいま赤澤大臣の御報告にもありましたとおり、その被害の広範かつ激甚なる惨状は、実に目をおおわしむるものがあるのであります。政府はこの実情を直視して、当面すみやかなる人心の安定を回復することを第一義とすべきでありまして、この点は、赤澤大臣も触れられましたことを、私は力強く思っておるのでありまするが、これがためには、この際、拙速をとうとぶ式の思い切った救済措置をすみやかに講ずべきであると存じます。これなくしては、必然的に人心の不安と混乱を激化し、不測の事態を惹起することをおそれるものであります。  総理にお伺いする第一点は、従来ややもすれば、災害対策に際し、「よく実情を調査して判明次第」云々ということばが常用語でありましたが、今次の対策にあたっては、もちろん綿密周到なる調査の必要は言うまでもありませんが、それと並行して、直ちに拙速的の対策を樹立し実施をすることが、絶対肝要であると思うのであります。まずもって、総理の御所見をお伺いしたいと思っております。  次に、政府はすでに災害対策会議を持ち、災害対策本部を設けられ、さらにまた、赤澤自治大臣小林厚生大臣現地派遣されておりまするが、まことにけっこうではありまするが、私はこの際、総理は、竿頭一歩を進められて、池田内閣が常日ごろ自慢しておられる、いわゆる一日内閣を、この非常事態にこそ、現地においてお聞きになってはどうであろうかと存ずる次第でございます。総理大臣、各閣僚諸君は、現地のなまの息吹きの中に飛び込んでいけば、百聞一見にしかず、おのずから真剣になることは必定、早急なる総合対策の樹立と人心安定のために、画期的な成果は期して待つべきものがあると信ずるものでありまするが、総理の決意を促し、御所見をお伺いする次第であります。  次に、今次大災害の救済復興は、容易ならぬ大仕事でありまするが、これが財政措置等の万全を期するために、すでに今国会の会期を余すところ短こうございまするので、今国会の終了後引き続き、あるいは、すみやかに臨時国会の召集を予期すべきであると存ずるのでありまするが、総理大臣はいかがお考えでありましょうか、お伺いする次第であります。  次に、以下三点について、担当大臣の請求をしておりませんから、総理からお答えをいただきたいのであります。  第一に、災害地における防疫の問題であります。災害地において最もおそろしく、かつ、人心の不安動揺をもたらす最大のものは、悪疫の発生流行であります。その原因要素はたくさんありましょうが、なかんずく水は、人間の生きる上において欠くことのできないものであると同時に、最もおそろしいものであります。赤灘大臣報告にもありましたが、現地においては、災害地の常として、飲み水の不足は深刻であり、速急の対策を必要とするのでありますが、反面、汚水による危険もまた深刻であることは、想像にかたくないところであります。災害地における水の対策は、一刻もちゅうちょすることができない重大な問題でありまするが、赤澤大臣報告によれば、飲料水はとりあえずの措置をやっておいでになるようでありまするが、政府は防疫対策について、特に水に対しまして、いかなる対策を持ち、かつ指導を行なっておられるか、お伺いをしておきたいのであります。  次に、学校施設に対する被害であります。いまだ情報がつまびらかでありませんので、詳しくは判明はいたしませんが、現在わかっておりまする状態から判断しまするならば、相当ひどいものであると思うのであります。特に鶴岡における京田幼稚園におきましては、いたいけな犠牲者を出しましたことは、何ともいじらしく、胸の痛む思いを禁じ得ないものがあります。私はこの際、罹災学校施設に対しましては、特に早急なる手当てを必要とすることはもちろんでありまするが、この際、老朽校舎に対しましては、これを機会に、抜本的な措置を強く要求するものでありまするが、総理の御所見をこの際承っておきたいと思うのであります。  次に、この際、特にお伺いいたしたいのは、都市における引火性の強いガソリン、石油、ガスあるいは化学薬品等の貯蔵についてであります。鶴見における昭和電工の爆発事故は、いまだなまなましい事件でありまするが、今次災害中心地である新潟市において、石油タンク、ガスタンク四万トンが燃え続け、しかも、まだとどまるところを知らないという状況でありまするが、これらの貯蔵施設は、近来とみに、都市に増加しつつあるのであります。鶴見に続く今次の教訓が示すごとく、一たび、人災あるいは天災地変による不測の事態が発生せんか、その及ぼすところの被害、まさにりつ然たるものを覚えるのであります。特に地震国であるわが国におきましては、これらの貯蔵に対しまして、ただに平常時における配慮のみならず、非常災害の場合もあわせ考慮し、この際、貯蔵施設の配置について再検討すべきであると思うのでありまするが、御所見をお伺いしたいのであります。  次に、建設大臣にお伺いをいたします。  まず第一番に、被害地の住宅問題であります。先ほども若干御答弁がありましたが、応急措置として仮収容等の措置はしておられると存じまするが、特に今次の地震は、鉄筋の建物すら傾いたというほどでありまするから、一般の住宅の被害の激しさは、想像にかたくないところであります。かつてのアンカレッジの大震災の際、応急にトレーラー・ハウスを総動員いたしまして住居を提供したがために、人心の安定に大いに役立ったと聞いておりまするが、政府はこの際、公営住宅等、災害地の庶民大衆の住宅建設に、従来のワクにとらわれることなく、河野建設大臣の実行力をもってしまして、思い切った施策を行なうとともに、当面、罹災者住宅の応急措置につきましては、悪質業者による建築資材等の不当な高騰を抑制する等、あらゆる手段を尽くして万全を期すべきであると思うのでありまするが、大臣の御所見を伺っておきたいと思うのであります。  次にお伺いしたいことは、新潟におきましては、新築落成したばかりの鉄筋のビルが倒れ、あるいは傾き、新しく架設した昭和大橋がもろくも折損したということは、都市における近代建築に対しまして、一まつの疑惑なきを得ないのであります。いま、もし不幸にして、東京に同程度地震があった場合、ビル・ラッシュを誇る近代建築物による被害の惨状は、いかなる状態になるであろうか、東京都民ひとしく一まつの不安と疑惑を禁じ得ないところがあるのであります。この際、大臣から、所信のほどを明確にお示し願いたいのであります。  次に、運輸大臣にお伺いいたします。  災害地における生活物資の確保、人心の安定、さらには災害復興の原動力は、交通運輸の確保にあると言っても過言ではないのでありますが、現地においては飛行場は使えず、港湾また使用ほとんど不能となり、鉄道軌道は寸断同様の惨状であります。災害復旧はまずこれから始めなければならぬと思うのであります。運輸大臣はこの重大なる使命を担当しておられるのでありまするが、ただいまの大臣の御答弁によれば、何か積極的に具体性が欠けておると私は受け取っておりまするが、最高責任者として、具体的にいかなる方策をもって御推進されんとするものであるか、その方策をお示しを願いたいと思うのであります。  なお、この機会に、気象関係についての政府の施策について一言しておきたいと思います。元来、気象の仕事は非常に地味な部門であります。しかしながら、災害国として名をなすわが国としては、気象の仕事は非常に重大なる役割りを持つと言わなければなりません。たとえば地震につきましても、強弱の差こそあれ、身体に感ずるものが大体毎日二回あると言われております。しかるに政府の気象に関する関心は、何とその場の言いのがれをしようとも、きわめて冷淡である事実は否定できないのであります。今次の地震におきましても、地震計は飛んでしまって、ものの用に立たなくなっております。さらに一、二の例を申し上げますならば、気象観測に欠くことのできない観測用飛行機すら、かつて伊勢湾台風の際、岸首相はみずからその必要性を国会で証言しているにもかかわらず、いまもって自前のものは持たず、依然として米軍に頼っているというのが現状であります。また、先般チリ津波災害の際に、衆議院会議におきまして、当時の岸総理大臣は、速記録を見ると、こういうぐあいに申されております。「今回の事態にかんがみまして、気象庁の内容の整備に関しましては格段の措置を講じていくよう十分努力をいたします。」と、答弁をされておりまするが、その後今日に至るまで、政府がいわゆる格段の措置を講ぜられた実績を私は知らないのであります。政府はその後、いかなる格段の措置を講ぜられたか。この際具体的にお示しを願いたいと思うのであります。同時に、総理より、今後の気象行政に対する、うそのない所信を率直に御披瀝を願いたいのであります。  次に、大蔵大臣にお伺いいたします。  まず、被災地における中小零細商工業者等に対する救済対策であります。さなきだに、政府の無慈悲な経済政策のために深刻なる不況に呻吟している中小零細商工業者が、突如として異常なる大災害の追い打ちをかけられたのでありまするから、いまやまさに最悪瀕死の事態に立ち至っているということであります。政府は、当面の救済策として、すみやかに長期低利によるところの特別融資をする等、先ほど大蔵大臣から若干御答弁がありましたが、この際思い切った、てこ入れをすべきであると思うのでありまするが、重ねて大蔵大臣の答弁をお願いする次第であります。  最後に、罹災地の地方公共団体及び被災者に対する対策であります。すでに総理はじめ各大臣に申し上げたごとく、今次の大災害に対しましては、ただでさえ財政困難な地方自治団体が、その租税負担者が甚大な打撃を受けた、こういう状態のもとにおいて、自力でもって災害対策に当たるということは不可能に近いことであります。政府は、すみやかに応急の財政的措置をし、地方公共団体の行なう災害対策を、積極的に指導督励すべきであると思うのでありますが、総理大臣並びに大蔵大臣はいかなる方策を持っておいでになるか。あるいはまた、自治大臣も出席しておいででございますので、要求大臣ではありませんが、ぜひとも御答弁をお願い申し上げる次第であります。  以上をもって私の質問を終わる次第であります。(拍手)   〔国務大臣池田勇人君登壇拍手
  14. 池田勇人

    国務大臣(池田勇人君) 御質問の第一点は、災害対策は早急にやるべし、こういうお話、全く同感でございまして、今回の災害に対しましても、政府は極力早急に片づけてしまう、復旧するよう努力いたしたいと考えております。  また新潟に一日内閣を開いたらどうか。——国会中でございますし、まだいま災害状況も十分つまびらかでございませんし、またこういうことは、やはり現地状況から申しまして、いま一日内閣を開くということは適当でないと考えております。  また臨時国会につきましては、予備費その他で財政上の措置は十分いたしたいと考えております。また災害状況により、必要であれば聞くにやぶさかではございません。まだ予備費その他相当ございますし、また災害対策の各種の法律もできておりますので、ただいまのところ、そういう考えを持っておりません。  伝染病その他防疫の関係につきましては、お話のとおりでございます。昨日までのところ、ドラムかんに水を入れて、トラックで運んでいる状態でありますが、これは衛生上よくありませんので、給水車を早急に新潟に集中するよう——今朝から東京都からも、相当すでに出発している状況でございます。水その他の問題につきましても、厚生大臣その他も十分視察して帰ることと考えております。万全の措置をとる考えでございます。  また老朽学校施設の整備でございます。すでに御存じのとおり、昭和三十九年度より五カ年計画で老朽学校施設の復旧考えております。したがいまして、この際は、その復旧にあたりましても、できるだけ鉄筋の校舎にするよう努力いたしたいと考えております。  また、引火性の強い物の貯蔵施設について十分考える必要はないか。——私は通常の場合につきましては、現行法で相当監督ができると思います。今回のような地震につきましては、これはお話のとおり、今後十分考えていかなければならぬということで、消防庁その他関係機関と十分検討していきたいと思っております。  なお気象の問題につきましては、お話のように十分とは申せませんが、科学技術の進歩に伴う施設につきましても、相当な金を出して努力いたしておるのであります。お話のとおり災害国でございますから、気象観測につきましての努力は従来も続けておりますが、今後一そうやっていこう。いまの津波の問題につきましても、これは経験上から相当予知できるようになっておりますから、津波なんかにつきましては、大体の効果はあげつつあると考えておるのであります。  また、災害に対しまする財政上の措置につきましては、大蔵大臣自治大臣から答えると思いますが、十分に既存の制度を活用いたしますと同時に、また特別の場合におきましては、相当の措置考えるにやぶさかではございません。(拍手)   〔国務大臣河野一郎登壇拍手
  15. 河野一郎

    国務大臣(河野一郎君) お答えをいたします。  第一は住宅対策でございますが、これは御指摘になりました点、私も全く同感でございまして、その点を遅滞なく、できるだけ努力して、御期待にこたえるようにいたしたいと考えております。  第二は、今回の地震がいろいろの建造物に対して非常に大きな影響を与えておるが、どうか。こういうことでございます。御承知のように、東京の場合もしくはこの近郊におきましては、関東震災等の例も考慮いたしまして、これらの地震以上に耐えるということを目標にして、各種の設計をいたしておるようでございます。現に高速道路等は都市の上に建築いたしておりますが、これらはいずれも、その設計につきましては、そういう点を十分配慮してやっていくようにいたしておりますが、新潟の場合につきましては、いろいろその現場の報告を受けますと、橋梁等の設計において欠けておる点があったんじゃなかろうか、住宅等についても、そういう配慮が足りなかったのじゃなかろうかと思える点が多々あるようでございます。したがいまして、これらにつきましては、今後この地震の例を十分勘案いたしまして、全国的にこういう点について再検討をする必要があるだろうと私は考えます。十分これらにつきまして注意をいたします。なお、信濃川の河口地帯におきまして、河口から約四キロ、面積におきましておおむね五平方キロメートルにわたりまして、堤防の決壊、沈下等がございまして、水浸しになっております。これらにつきましては、すでに、長野、石川、富山三県から、それぞれ五万俵の土俵をお願いいたしまして、十五万俵の土俵を集めて、これを締め切りをして、これらの水をすみやかに排水をする、排水手当て等につきましても準備をしてやっております。この方面が一番惨状がひどいようでございます。まず、何しろ、水をとめて、かい出すということが先決問題と考えまして、これらの手当てを一切いたしておりますことを、この機会に御報告申し上げます。(拍手)   〔国務大臣綾部健太郎君登壇拍手
  16. 綾部健太郎

    国務大臣(綾部健太郎君) 災害復旧について積極性がないという御質問でございましたが、今日におきまして一番大事なことは、いま寸断されておる鉄道を早く復旧するということが、拙速と申しますか、応急の対策として一番大切なことでありますので、国鉄に命じまして、そういうことを指示いたしまして、大体先ほど御報告申し上げましたように、一、二線を除き、新潟駅構内を除きましては、二十日までには大体通ずるんじゃないかということを申し上げておきます。  根本策といたしましては、私どもといたしましては、新六カ年計画を、国鉄につきましては、いま命じて調査をしておって、大体二兆九千億くらいになる六カ年計画を樹立いたしまして、運輸全体について、国鉄全体についてのあり方を検討中でございます。  次に、気象庁の仕事の重要であるということは御指摘のとおりでございます。予算も、総理が先ほどお答えになったように、年々増加しつつあります。そして、この気象が一番必要なのは防災関係でございますからして、防災関係だけの予算を見ましても、三十六年、七年、八年、九年と見てみますというと、三十六年には四億数千万円で、三十七年も四億六千五百万円、三十八年度は五億一千九百万円、本年度は六億八千六百万円と、逐次予算を増加いたしまして、この気象の業務に一生懸命に努力するよう指示しておる次第でございます。(拍手)   〔国務大臣田中角榮君登壇拍手
  17. 田中角榮

    国務大臣(田中角榮君) 先ほども申し上げましたように、災害復旧の財政資金等につきましては、万全の体制をとるつもりでございます。  それから、地方公共団体の資金につきましては、つなぎ資金等が必要な場合は、資金運用部資金を短期に融通をするということはもちろん、これが必要な資金の確保についても、自治大臣と十分相談しながら、実情に対処してまいりたいと考えます。  それから、中小企業対策でございますが、先ほども申し述べたわけでございますが、中小企業の被災者の対策は、税制、金融両面において万全を期したいと考えておるわけでございます。  中小企業三機関につきましては、現地にも職員を派遣をいたしまして、鋭意調査をいたしておりますから、手続等を簡便にいたしましたり、中小企業三機関からの貸し出し等については迅速化をはかってまいりたいと考えておるのでございます。それから、手続の簡素化だけではなく、いままで借りておるものは、融資条件の延長とか、緩和とか、こういう問題もたいへんな問題でありますので、地元中小企業者の要望にこたえたいというふうに考えておるわけでございます。  民間金融機関につきましては、先ほども申し上げたとおり、日本銀行の支店、財務部、地方銀行等と、いま連絡会議を持ちまして、実情に応じて、いつでも融資できるような体制を確保いたしておるわけでございます。場合によっては、地方銀行に対して日銀からの資金の送付というようなこともあり得るものとして、現在調査を進めておるわけでございます。また、手形や小切手の交換というような問題に対しても、適宜措置をいたしておるわけでございます。  それから、中小企業の融資相談の問題、それから各貸し出しに対する手続等の問題が、一番災害のときは問題になっておりますので、これらを簡素化、迅速化するとともに、印鑑のない方、それから証書をなくした方、こういうものに対しましても、簡単な確認の方法をとりまして、資金需要に応ずるように、いま措置をいたしておるわけでございます。  これだけではなく、これからも中小企業の資金対策等につきましては、万遺憾なきを期してまいるつもりでございます。(拍手)   〔国務大臣赤澤正道登壇拍手
  18. 赤澤正道

    国務大臣赤澤正道君) とりあえず応急措置に要する財政資金の不足に資するためには、資金のあっせんを行ないますとともに、地方交付税の繰り上げ交付を考えております。なお、復旧事業費については、地方債、交付税などを通じまして、万全を期したいと考えております。(拍手
  19. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) これにて質疑の通告者の発言は全部終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。    ————・————
  20. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) この際、議員派遣の件についておはかりいたします。  昨日の新潟地震による被害状況調査するため、被害地に議員を派遣することとし、派遣議員、派遣地及び派遣期間は、議長に一任せられたいと存じます。これに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 御異議ないと存じます。よって、震災状況調査のため、被害地に議員を派遣することに決しました。    ————・————
  22. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第一、電波監理審議会委員任命に関する件を議題といたします。  内閣から、電波法第九十九条の三第一項の規定により、金子鋭君、杉村章三郎君を電波監理審議会委員任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。  本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  23. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって本件は、全会一致をもって同意することに決しました。    ————・————
  24. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第二、日本電信電話公社経営委員会委員任命に関する件を議題といたします。  内閣から、日本電信電話公社法第十二条第一項の規定により、大和田悌二君、谷口孟君を日本電信電話公社経営委員会委員任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。  本件に同意することに賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  25. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって本件は、全会一致をもって同意することに決しました。    ————・————
  26. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第三、東海道新幹線鉄道における列車運行の安全を妨げる行為の処罰に関する特例法案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。運輸委員長米田正文君。   〔米田正文君登壇拍手
  27. 米田正文

    ○米田正文君 ただいま議題となりました「東海道新幹線鉄道における列車運行の安全を妨げる行為の処罰に関する特例法案」について、運輸委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  本法律案は、東海道新幹線鉄道の列車が、その主たる区間を時速二百キロメートル以上の高速度で走行できることにかんがみ、その列車の運行の安全を妨げる行為の処罰に関し、鉄道営業法の特例等を定めようとするものであります。  次に、本法律案の主要な点について申し上げます。  その第一は、自動列車制御設備等運行保安設備を損壊し、その他これらの設備の機能をそこなう行為をした者に対しては、五年以下の懲役または五万円以下の罰金に処することとなっております。  その第二は、みだりに線路上に物件を置き、または線路内に立ち入った者等に対しては、一年以下の懲役または五万円以下の罰金に処することとなっております。  第三は、走行中の列車に対して物件を投げる等の行為をした者に対しては、五万円以下の罰金に処することとなっております。  委員会におきましては、法案審査の参考に資するため、新幹線の列車の運行の実情及び諸施設について、詳しく現地において視察を行ない、また、審査にあたっては、特例法を必要とする理由、列車運行の安全確保に関する問題等について、熱心に質疑が行なわれましたが、その詳細については会議録により御承知願いたいと思います。  以上で質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して吉田委員より、「列車の運行の安全確保処罰法の制定のみで達成されるべきものではないのみならず、安全確保のため法制定の必要があるとしても、鉄道営業法の改正が先決であって、特例法の必要はない。また、特例法の条文はあまりにも漠然としたものであり、大衆運動、労働運動の取り締まりにも乱用されるおそれがある等の理由で反対する」旨の意見が述べられました。次いで、自由民主党を代表して谷口委員、公明会を代表して浅井委員、民主社会党を代表して中村委員より、それぞれ「鉄道営業法等にては予想もしなかった高速運転の列車の安全確保のために本特例法の制定は妥当なものである」として賛成の旨の意見が述べられ、浅井委員よりはさらに、「本法の実施にあたっては、事故防止と運行の安全確保に万全を期するとともに、交通道徳教育の普及徹底をはかるべきものとし、また、本法の適用に際しては、拡大解釈をなし、大衆運動、労働運動等の取り締まりに乱用せざるよう注意すべきである」という趣旨の附帯決議案が提出されました。  以上で討論を終わり、直ちに採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  また、討論中に提出されました附帯決議案について採決しましたところ、全会一致をもって委員会の決議とすることに決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  28. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  29. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。    ————・————
  30. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第四、学校教育法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。文教委員長中野文門君。   〔中野文門君登壇拍手
  31. 中野文門

    ○中野文門君 ただいま議題となりました学校教育法の一部を改正する法律案につきまして、文教委員会における審議の経過及び結果を御報告いたします。  本法律案は、昭和二十五年度に当分の間の暫定措置として短期大学の制度が発足いたしまして以来、社会的要請に合致して短大の数は年々増加し、専門職業教育ないしは女子のための実際的な高等教育の機関として発展し、その重要性を増大してきた現状にかんがみまして、短期大学の目的、性格を明らかにし、恒久的な学校制度として確立しようとするものであります。  すなわち、従来附則に置かれていた短期大学に関する暫定規定を削除し、本則の大学の章の中において、短期大学の目的、修業年限、学科組織等について規定を設け、短期大学を大学のワク内において制度的に安定させることとしております。  また、短期大学は、深く専門の学芸を教授研究し、職業または実際生活に必要な能力を育成することをおもな目的とすることを明確に規定し、その性格を明らかにするとともに、その修業年限については、従来どおり二年または三年といたしております。  委員会におきましては、高等教育制度としての短大の位置、短大の充実その他各般にわたり熱心な質疑が展開されましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終局、別に討論もなく、直ちに採決の結果、本法案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  32. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  33. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。    ————・————
  34. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 日程第五、農林漁業団体職員共済組合法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長青田源太郎君。   〔青田源太郎君登壇拍手
  35. 青田源太郎

    ○青田源太郎君 ただいま議題となりました法律案について、委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。  この法律案は、現行の農林漁業団体職員共済組合制度について、その後の情勢の変化に伴って、これが給付の内容を、他の共済組合制度に準じて改善することを主眼として提案されたものであります。  しかして、これがおもな内容は、第一に、給付の基礎となる平均標準給与算定の基礎期間を、五年から三年に短縮し、第二は、退職、障害および遺族各年金の年金額並びに各一時金の給付額を引き上げ、第三は、標準給与の月額を改め、現実の給与との乖離を是正し、これらの改正に伴う経過措置を定め、厚生年金保険期間の給付額の調整措置を廃止し、また、掛け金の徴収、審査会の審査事項及び余裕金の運用に関する規定を整備した等であります。  委員会におきましては、説明を聞き、質疑に入り、更新組合員に対する経過措置、最低保障額、既裁定年金者に対する措置、物価と年金額の調整、事務費に対する国の補助の増加と掛け金負担の軽減、給付算定の基礎期間、審査会の構成、農林漁業団体職員及び共済組合職員の給与、共済組合の経理、特に余裕金の運用、共済組合の対象団体などが問題となり、この間において、参考人として、農林漁業団体職員共済組合の役員の意見が徴せられました。  質疑を終わり、討論に入り、別に発言もなく、採決の結果、この法律案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。  続いて、委員長から、農林漁業団体等の役職員の給与の改善、新法の給付の完全通算、物価の変動等に対応する年金額のスライド制、既裁定者の年金額の引き上げ、最低保障額の引き上げ、掛け金負担の軽減、組合の余裕金の活用、組合に対する国の監督の適正化、組合業務の執行及び組合職員の労働条件等について組合の自主性の尊重、本法適用対象団体の拡大等について、政府善処を求める趣旨の附帯決議を提案し、これまた全会一致をもって委員会の決議とすることに決定されました。  なお、右の附帯決議に対し、赤城農林大臣から、検討の上善処したい旨の発言がありました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  36. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。  本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。   〔賛成者起立〕
  37. 重宗雄三

    議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。  次会の議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十三分散会