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政府委員(
江口俊男君) 根源をつく――一番の根源はそれを密造するために栽培しているところが一番根源でございましょうが、そこまでいかぬにしても、私たちの観点では、
日本に入っている
麻薬の九割が
香港だと思われる。で、
香港についてはこの間みたいな特殊な事例がありまするけれども、いままで行かなかったというのは、先ほど来申し上げるように、直接にこちらの
捜査権が及ばないということでございまして、
香港の
警察とはもちろん
連絡をとりまして、こちらに積み出しをするような場合には通報を受けるという
仕組みになっておりまするし、また、私のほうからも外務省の身分ではございまするけれども、特にそういうことのために
警察出身の外交官も駐在さしておるというようなとで、常時
連絡のとれるようにはなっています。しかしながら、
香港から九割も入っておりますが、
香港に言わせると、自分のところからこれだけ出ているということがわかるなら、向こうのほうで押えるわけであって、まあ情報を
あとから得たが、実はこの船で行ったんであるとかなんとかという教え方はできましょうけれども、そうじゃなしに、何月何日の船で自分のほうからどれだけの
麻薬をお前のところの
密輸入者が
密輸入するのだとか、あるいは自分のところから密輸出をするのだとかいうような
連絡は、なかなかこれはとりにくいのでございます。それからなお、
香港に言わせますというと、つくるところはバンコクの山の中だというようなことになりますし、バンコクの
係官に言わせると、インドの国境だというようなことになりまして、実は去年とおととし
麻薬関係の
係官のセミナーを
日本で続けてやったのであります。四十日ずつでございますが、参加国は十二九国参加しまして、いろいろ熱心にその
係官は討議をいたします。しかし、どこで栽培されてどこでつくられて、どこからどこに運ばれるかというようなことをいろいろ検討しますけれども、そのために、まあ
連絡がとれるといえばとれますが、どうも聞いておりますというと、結論は、よそでつくられてよそから入れられるというふうな結論になりまして、はっきりしないことが多うございますが、私たちとしては、やはりやり得ることは、どこから来ているかということを突き詰めれば、そこから密輸出してもらっちゃ困るじゃないかという要請もできまするけれども、やはり一番的確なのは、情報をつかんで、こちらにあがるところをつかまえるとか、あがった
あとを分散されないうちに捕えるというようなのが一番いい方法でございまして、患者に、各人に行き渡ってから、多く使用されてから、その逆戻りに犯人をその後につかまえるという方法はありますけれども、そういうのはまあ使用された
あとでありますから、下の下だと思いますけれども、できるだけ大量に持っている業者の手の過程でつかまえたいというふうに努力をいたしております。
なお、
麻薬の取り締まりについては、厚生省の
麻薬取締官、あるいは海上保安庁等でも船の上ではこれをつかまえておるというような実情でございます。これらの官署があわせまして
日本の
麻薬取り締まりの効果をあげているというか、ろ過弁としてやっていることのすべてでございます。