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1964-07-31 第46回国会 参議院 法務委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年七月三十一日(金曜日)    午前十一時五分開会     —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     木島 義夫君    理事            後藤 義隆君            迫水 久常君            稲葉 誠一君            和泉  覚君    委員            大谷 贇雄君            鈴木 一司君            鈴木 万平君            亀田 得治君            中村 順造君            大和 与一君            岩間 正男君            山高しげり君   国務大臣    法 務 大 臣 高橋  等君   説明員    法務政務次官  大坪 保雄君    法務省入国管理    局次長     富田 正典君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○検察及び裁判運営等に関する調査  (入国管理に関する件)     —————————————
  2. 木島義夫

    委員長木島義夫君) それでは、これから法務委員会を開会いたします。  本日は、まず、新任されました法務大臣及び法務政務次官から新任のあいさつをいたしたいということでございますので、これを許すことにいたしますが、ただいま法務大臣は閣議に出席中でございまざいますので、まず、法務政務次官のごあいさつをいただき、法務大臣は後ほど当委員会出席直後ごあいさついただくことといたしますから、御了承を願います。大坪政務次官
  3. 大坪保雄

    説明員大坪保雄君) 衆議院議員大坪保雄でございます。去る二十四日付をもちまして法務政務次官を拝命いたしました。全くの未熟者でございますから、どうぞよろしくお願いをいたします。
  4. 木島義夫

    委員長木島義夫君) 次に、検察及び裁判運営等に関する調査を議題といたします。  まず、第十回原水禁世界大会にかかわる外国人入国拒否に関する調査を行ないます。岩間君。
  5. 岩間正男

    岩間正男君 ちょっと速記をとめてください。
  6. 木島義夫

    委員長木島義夫君) じゃ、速記をひとつ……。   〔速記中止
  7. 木島義夫

    委員長木島義夫君) 速記を始めて。
  8. 岩間正男

    岩間正男君 それじゃお伺いしたいわけですが、いま大きな問題になっています第十回原水禁世界大会ですね、この外国代表団入国制限されている。この問題の中でも、特に中国代表団入国が制限されている。これはどういう理由なんですか。これは新聞なんかでは承知しましたけれども、正式に当局の意向をまず伺っておきたいと思います。
  9. 富田正典

    説明員富田正典君) お答えいたします。  今回の第十回原水禁大会に対する外国代表参加問題につきましては、われわれのほうといたしましては、この原水禁大会というものの当初のスタートは、被爆国家としての体験に基づきまして平和と人道への祈念を国の内外に訴えるという、ほんとうのそういった政治問題を離れた純粋な国民悲願からスタートしたものであると理解しております。したがいまして、未承認国からの入国問題につきましても、大体の基本的な考え方といたしましては、まあ未承認国家というものは政治体制も異なりますし、対立政権等もございまして、いろいろその入国にあたりましては慎重に検討しなければならない。そこで、経済交流であるとか、貿易の増進であるとか、あるいはスポーツなど、政治的な問題の薄いものについては入国を認めますが、そうでない、政治問題を持ち込まれるものにつきましては、これを極力慎重に考慮するという態度をとっており、かつ、その入国にあたっては内政干渉にわたるような政治活動はしないという約束をしていただいて入国を認めておるわけでございます。それと、先ほど申し上げました原水禁大会趣旨から申しまして、未承認国人原水禁大会への参加を認める場合にも、そういう国民悲願からスタートしたものであるということで、経済スポーツ等とは関係ありませんが、この入国を従来から認めることとしておったわけでございます。  しかしながら、最近の原水禁大会傾向を見ますると、それぞれのお国の政治問題をここに持ち込みまして、日本を舞台といたしまして国の内外に自己のそれぞれの国の政治的主張を訴える、浸透させる、この支持勢力を得るというぐあいに非常に政治活動にこれが走る傾向にございます。特に最近の中ソ対立の現状から考えますと、この傾向が特に激しくなっておるようでございまして、われわれといたしましても、従来、十回目でございますが、入国を認めておりましたいきさつ上、これを今回も認めることはいたしたわけではございますが、できるだけそういった政治的活動フェアにかつミニマムに押えていきたい、そういうことを考慮しておりまして、従来、昨年はソ連中共とも十四名ずつでございましたが、過去におきまして各十五名ずつ入った最高十五名という実績もございますので、一応その線で押えまして、極力そういった政治的な問題、政治的な活動というものをミニマムにかつフェアにやっていただくという趣旨から、人数をそれぞれ十五名というぐあいに押えた次第でございます。  趙安博氏外一名の入国を拒否したという点でございますが、趙安博氏は過去数回来日しておられまして、最近は、本年二月のアジアアフリカ連帯委員会会議日本でございまして、その際に団長として入国をしておられるわけでございますが、これを含めまして、過去数回における来日時の言動というものを検討いたしますると、日本国の基本的な政策というものに対する意見と、また、その反対闘争支持激励するというような言動等がございまして、未承認国人入国を認める際に、従来、基本的な考え方としておりました先ほど申し上げましたような点から著しく逸脱するという点がございましたので、これは好ましくないということで、入国をまあ拒否した次第でございます。もう一名の方についても同様な理由でございます。
  10. 岩間正男

    岩間正男君 これはいま事務当局説明があったのですが、実は事務当局からこういう説明を聞くとは私は思っていなかったんです。ちょっと意外な感じがするんですね。政治的ないろいろな問題について、これはまあ政府が決定する、しかも政府上層部がこういう問題について決定する、こういうことだったらわかるんですけれども、いわば入管当局というのは事務当局です。事務当局が自分の政治的見解をいま述べているのです。政治的意見はいかぬと言いながら、実際は政治的意見を述べている。第一に、これまでの原水禁大会の問題を言っていますけれども、被爆国民悲願から発した、これはどこにも変わりありません。あくまでもこれは原水爆戦争そのものを止めなければならぬ。広島長崎を繰り返さない。そのためには、この戦いが、十回の長い国民との連帯で、下からじりじりと積み上げてきて、そうしてそこでどうしてもこの悲願を実現するためには核兵器並びに核戦争そのものを全面的に禁止しなけれならぬという方向に変わってきている。当然です。中身そのものをあなたのほうで問題にするなら問題にするのだけれども、当然のことで、それに対して、何か逸脱とかなんとかという言い方をする。しかし、原水禁大会というものそのものの持っている、そうしてどう発展しどう進展していくかという実情をあなたたちはおつかみになっていないということをあなた方は一つ暴露されたと思う。そうして、しかも、いままで許されておったこの代表たちが、今度は、いろいろ過去にそういう政治的な言動があったからと、こういうことを言っておられ、趙安博氏の例を出されたのですが、趙安博氏はどこでいつそのような言動をしたか。これはなるほどアメリカ帝国主義に対する問題については趙安博氏が話したということは聞いています。そうしてまた、台湾があのような形になっている。これは中国の解放、中国自主独立という立場から考えれば、当然そのような言動が出るということは考えられます。しかし、日本政府政策そのものを批判したというのは、どこでいつどのような根拠によって言われたかということを考え、このような点についても、一方的なそのような形ではまずいのじゃないか。呉学文氏の問題で当委員会でも問題になりましたが、そのとき、呉学文氏は好ましからざることを言った、政治的な見解を表明した、そういうことを言った。しかし、それを追及して見ると、なかなか出てこないじゃないですか。ほんとうのそういうような根拠は出てこない。だから、そのような推測みたいなことでこれをやられるということは私はまずいと思うんです。  そうすると、今度の入国拒否ということは、あくまでも好ましからざる人物拒否ということになるのですか。その判断ですか。その判断というのは、事務当局がやるのですか。決定は政府上層部あるいは法務大臣がやったのだと思うんですけれども、しかし、すでに出したその書類というものはそういうもので、実際、原案というものは事務当局がつくったと、こういうふうに考えてよろしいのですか。それを、法務大臣は実際は実情はわかっていられない。ただ様子だけを聞いて、それでもう判を押すというようなことで入国を拒否してしまった、手続的には、そういうふうなことであった、こういうことに了解してよろしゅうございますか。この点はいかがですか。
  11. 富田正典

    説明員富田正典君) 事務当局といたしましては、いろいろ集められた材料に基づきまして、大臣判断なさるいろいろな材料はもちろん提供いたします。しかしながら、事務当局がきめて大臣に押しつけたというような問題では、これは従来もございませんし、現在でもございませんし、もちろん大臣の御決裁を仰いできまった問題でございます。
  12. 岩間正男

    岩間正男君 事実問題として、治安関係とかそれから公安調査庁あたりの申請というものがものを言ってそうしてその結果こういうことを決定されるという実態があるのじゃないですか。そういうことになると事務局政治になってくるんです。あくまでも政治的な判断というのはやはり政府上層部がやるときに、それに対して最初何か予見的なそういうもので動くということは非常にまずいと思うので、これは今後の運営の問題とも関連して問題になるところだと思うのです。  そこで、第一にこれはどうなんです。趙安博氏の問題ですけれども、あなたが先ほどお話しのように、数回入国しておる。これはいままで正確には何回ですか。何か資料があるのですか、それからどういう代表の資格で来たのですか。
  13. 富田正典

    説明員富田正典君) 事務当局で調べましたところによりますと、本年二月の入国を含めまして七回入国しております。  第一回は、これは昭和二十九年でございますが、中国の紅十字会代表団として入国しております。このときは団員でございます。それから第二回は、昭和三十一年に中国漁業代表団として入国しております。この場合も団員でございます。それから第三回は、昭和三十二年の十二月から三十三年の一月にかけまして、中国紅十字会訪日代表団として来日しておられます。この際も団員でございます。第四回目は、昭和三十五年の第六回原水禁中共代表団の副団長として来日しておられます。第五回は、原水禁中国代表団として、昭和三十七年でございますが、第八回原水爆禁止世界大会参加のために、この際もこれはやはり団員として来日しておられます。第六回目は、昭和三十八年の第九回原水禁世界大会のために副団長として来日しておられます。それから第七回目が、本年の二月中国亜団結委員会代表団団長として来日しておられます。
  14. 岩間正男

    岩間正男君 しかもその間には全部入国しておって、特に今度の段階で急激にそのような指名拒否をやるというようなところまで発展した原因というのはどういうことですか。何か最近政府方針が変わったのですか。これは絶対納得いかないことなんですが、どういうことなんですか。
  15. 富田正典

    説明員富田正典君) 最近特に政府方針が変わったということはございません。ただ、従来の来日時の言動というものを積み上げてまいりまして、今回はもうお断わりしなければならないという段階に達したということであります。
  16. 岩間正男

    岩間正男君 これは日本に何か不利があるのですか。趙安博氏が入ってきたことによって、いままでそういう非常に不利というものがあったのですか。さらにその不利が増すという判断のもとにこのようなことが決定されたのですか。いかがですか。
  17. 富田正典

    説明員富田正典君) その問題にお答えする前に、入国許可というものの性格を一言申し上げたいと思います。  外国人入国を許すかどうかということは、国の自由裁量になっております。したがいまして、査証段階においてこれを拒否するかどうかということは自由でございまして、その理由が具体的に入管令のどの条項に該当するかということの以前において、政府として好ましくないと思う点があれば、これを拒否し得るということになっておるわけでございます。先ほども申し上げましたように、未承認国からの入国というものにつきましては、特に先ほど申し上げましたような事情で慎重を期しているわけでございますが、入管令のたてまえの上におきましても、未承認国旅券というものは入管令上の旅券とは認めないのだというたてまえになっているわけでございます。したがいまして、未承認国からの入国を認めるという場合には、入管令例外措置としてこれを認めておるわけでございまして、そういった入管令のたてまえ、それからやはり政治体制が異なり、いろいろ対立政権もあるというような事情から、政治というものを離れて、純粋な経済貿易スポーツというものについての入国を認めるというたてまえにあるわけでございまして、そういう見地から、まあ入管令上は入れるのが例外で、入れないのがもうたてまえになっている。そういう中で、特にどういう方を認めていくかということについては、やはり経済貿易ということに相なるわけでございます。したがいまして、その段階でそういう考え方から、これは入国が好ましくないと思えば、その段階査証を拒否し得るということに相なる次第でございます。
  18. 岩間正男

    岩間正男君 どうも、いままで七回も許可しているのでしょう。そうして、いま好ましくないというような非常にばく然としたそういう理由で、いままでとにかくそのような実績のあった人を拒否する、しかも指名拒否までやるということは、国際礼儀としてもこれははなはだしく礼を欠く、こういうことになる。しかも、趙安博氏は、先ほどもあなたから答弁がありましたように、七回もこれは入国している。  いままでそれならどういうことをやったかと考えてみますと、第一に、在外邦人三万人の帰国協定、これはほんとう国民悲願だった。三万人を戦後すみやかに日本に帰すというためには、実質的には非常に努力をしている。趙安博氏は、そういうような日本人に対しては有利な仕事をしています。その次には漁業協定。この漁業協定も、これを締結するまでに非常に大きな役割りを果たしています。これは日本の不利益には少しもなっていない。利益を増進している。貿易協定しかりです。特にLT協定というふうなことを言われている。これなどは、趙安博氏が現在は中日友好協会秘書長をやっている。そういう立場からいけば、最も重要な人です。日本国民日中貿易を非常に求めている。産業界までこの人に期待をしているという人です。こういうように実績があるのです。さらにまた、文化交流の面から見ても、数々のそういう行為は実績を上げている。実際そのような、むしろ日本のためにこそなれ、何ら不利を与えていないです。ところが、いまこのような重要な職にあり、しかも日中貿易を非常に再開しようというので中国貿易代表団までが、一方では五名許可されてそして日本に入るというそういう段階になっている。そういう段階に、中日友好協会秘書長をやっているというような人を指名してこれを拒否するということは、これは国家的儀礼としてどうなんです。これはまあ大臣がすぐ来られると思いますから、そのとき大臣にこれはお聞きしたいと思うのです。これは次官にも伺っておきたいのです。こういう形で一体この問題を処理して、しかも好ましくないというその根拠というものは全く明らかになっていない。具体的にもっと根拠を明らかにしてそしてやらなければならぬと思うのです。ところが、政治傾向とか、風の吹き回しみたいなことで、好ましくないということで、ここで指名して、そしてこれを拒否するというような態度は、これはどういうふうに考えておられるのですか。いまの説明では国民納得しません。これは日中友好の上からも、日中貿易促進のたてまえからも——これはいまの内閣の政策だって、表面では貿易を承認していない。しかし、民間貿易を通じてこれを拡大するという方向に大きく動いているということは、これは私がここでくどくど申し上げる必要はないと思う。そういう重要なときに、それを全く破壊するような形で今度の措置が決定され、しかも原水禁世界大会、この方向が非常に政治的になったとかなんとかいうことは、これは全く実情を知らないところの、私はこれはほんとうに偏見だと思うのです。こういうものを見たって、いまこういうことを決定していいのですか。私はこれは非常に望ましくないと考えるのですけれども、この点について見解を伺いたいと思うのです。次官から伺っておきます。
  19. 大坪保雄

    説明員大坪保雄君) 趙安博氏の入国をこの機会にはお断わりしたほうがいいということを政府がきめましたその考え方基礎というものは、ただいま次長が申し上げたとおりでございます。過去たびたびおいでになっておるし、いま岩間さんのお話しになるようなわが国にとっても利益になるような事柄等もあったかと思いますけれども、やっぱり中国においての立場なり御主張なり、また入国されてからのいろいろの言動、御活動というような事柄を、過去七回の実績に徴しまして、今回はお断わりしたほうがよかろう、こういう判断に立ったわけでございます。これを具体的に、どこの点がどういいから、どこの点がどう悪いからということでなく、過去七回の入国されての趙安博氏の言動、御活動の状況というようなものから、日本の平和のために、あるいは自由安全のためにはお断わりしたほうがよかろう、こういう判断基礎に立っているわけでございます。
  20. 岩間正男

    岩間正男君 これは先ほども申しましたうに、非常に納得のいかない問題ですね。いままで七回も入国をして数数の日本人民利益になることを、中国抑留邦人の帰還の問題をはじめ、漁業協定貿易協定、さらに文化交流、こういう面に非常に大きな仕事をして来られた。日中友好のために非常に仕事をした。それが非常にじゃまになるというふうにしか聞こえないわけです。しかも、好ましくないとかなんとか言っているが、何か日本の根本的な政策を批判したというそういう政策を批判したというような事実があるのですか。これがもしあるなら、ちゃんと証拠に出して、どういう事実をさしているか。単に外国代表に対して、こっちの好ましくないような理由、そしてまことにどうも理由にならないような理由で、ばく然と好きだとかきらいだとか、それから取捨選択するというそういうやり方は、これは日中友好のために大きなマイナスになっていると思う。しかも高橋法務大臣のときになってからそういうことが始まり、いま法務大臣出ておりませんが、特に最近そういう方針が変わったのかどうか、これも明らかにしてもらわないと非常にまずい。高橋さんからいえば、どうもかなえの軽重を問われるわけですからね。そういう問題は、いまのような御答弁だけで一方的におっしゃっても、これは筋が通らないし、日本国民は少しも理解できないわけですね。この点はやはり一ぺんきめたらメンツにかかわる、実情はどうもいろいろぐあいが悪いことが出てきた、しかしメンツにかかわるから、これはあくまで拒否するのだ、こういう態度では私は非常にまずいと思うのです。日本日中友好を推し進めるためにも、貿易拡大のためにも、さらにアジアの平和のためにも、しかも原水禁大会という日本人の大きな悲願、結局はその大きな目標というものは、これは核戦争そのものをやめてもらうことです。したがって、核兵器そのものを全面的に禁止することです。そこに、第十回原水禁大会は大きな一つの目標をもって、そうして全世界の平和のために、国内からは百万人の話し合いをと昨年の第九回大会以来ずっとうまずたゆまず進めて、多くの人の支持の上にこのような大きな大会をしよう、そうして世界アジア交流をやろう、こういうようなやさきにこれを拒否しておる。こういうことは私は非常にどうかというふうに考えるのです。こういう点については、政府としてはメンツにとらわれることなくはっきり再検討をすべきである。まだ時間は間に合います。いま国際会議は始まっています。この国際会議は二日まであります。三日から京都で行なわれる大会が持たれる。そうしてさらに京都から大阪、広島長崎、この関係もあるわけです。だから、この期間中に入国をさせるということは私は非常に重要になってくると思う。  しかも、私はお聞きしたいのですけれども、先ほど富田次長説明によりますと、いつでも中ソの代表バランスをとっている、こういうことでしたね。これは間違いありませんね。そうすると、ソビエト代表が多くなったという場合には、中国代表は、あなたの先ほど説明によれば、これは当然多くなる。制限される理由として、ソビエトよりも多いのだから、ソビエトは十五人しか来ていないのだから、したがって二十一人というのは多いから六人は拒否する、こういうことだった。ところがどうですか、ソビエト代表はふえたんですよ。ソビエト代表は、いま世界宗教者平和大会代表で来ている人が今度七人ですか、それが原水禁代表の名にかわっていく。そうすると、ソビエトは二十二人になっているわけですね。そうすると、バランスの面からいえば、あなたのさっきいった口実というものは全くくずれてしまう。私は当然六人を認めるべきだと思う。指名拒否などということは呉学文氏のときから大きな問題になっていて、国際的には好ましくない。日本の国の民主主義が全く疑われるようなこういう形で運営さるべきものではない。外国に対する外交辞令から考えても当然非礼に当たる。こういうようなことはこれは即刻取り消して、そうして間に合うように代表団を入れるべきだ、こういうように考えるわけですが、大臣が来られる前に、事務当局としてはどういう見解をとっておられるか。ことにさっきのバランスの点からいってその点がどうも納得がいかないのでありますので、この点はどうですか。
  21. 富田正典

    説明員富田正典君) ソ連代表団といたしましては、われわれとしてはやはり最後まで十五名という線でこれは押えていきたいと思っております。宗教者平和会議からソ連代表が流れ込むのではないかという御質問のようでございますが、この宗教者平和会議主催者の方々に対しましても、ソ連中共とも原水禁大会に流れ込むということは絶対にさせないようにしてほしい。もしそういうことがあれば、その後の滞在、仏舎利巡礼等の計画があるようでございますけれども、そういう参加をするようなことに相なれば、その後の在留期間更新という面では考慮する、まあ考慮すると申しますか、在留を認めないということを言ってございます。したがいまして、ソ連代表団はわれわれは最後まで十五名の線を向こうは守っていただけると思っておりますし、こちらもその線でその態度を堅持してまいりたいと思っております。
  22. 岩間正男

    岩間正男君 これは認めたというような情報をわれわれ手にしたのですけれども、それで二十二名になる、こういうことですけれでも、それはあなたたち最初に言った宗教会議の横すべりは認めない、その方針でこれは貫いておるわけなんですか。この情報というものはそうすると何ですか。うそですか。
  23. 富田正典

    説明員富田正典君) 宗教者平和会議参加された方がそちらの原水禁大会のほうへ参加するという話はわれわれ聞いておりませんし、もしそういうことが確実であれば、その在留期間というものを更新を認めないという態度でまいりたいと思っております。
  24. 岩間正男

    岩間正男君 これは、中国代表の場合、一人だけは先に承認されたということがあるわけですね。
  25. 富田正典

    説明員富田正典君) 宗教者平和会議中国代表団参加された趙撲初氏に対しては、原水禁大会のほうからも原水禁大会参加させるという趣旨の申し出がございましたので、趙撲初氏については両方への参加を認めることになっております。それで十五名になるわけであります。     —————————————
  26. 木島義夫

    委員長木島義夫君) 法務大臣出席いたしましたので、ごあいさつをいただきます。
  27. 高橋等

    ○国務大臣高橋等君) このたびはからずも法務大臣に就任をいたすことになりまして、法務委員会の各位には格別にお世話になることと存じます。どうぞ何ぶんともによろしくお願い申し上げます。ちょっとごあいさつ申し上げます。     —————————————
  28. 岩間正男

    岩間正男君 大臣が閣議でおくれられたので、質問を事務当局に対して始めておったのです。ほかでもございませんが、このたびの第十回世界原水禁大会中国代表——その他もあるようでございますが、外国代表入国拒否の問題、ことに趙安博氏、王照華氏、この二人に対しましては好ましくないというようなことで指名拒否までされた、こういうことなんですけれども、これはいままでの実情にも合わない。ことに、趙氏は、七回も入国をされている。いままで戦後七回も日本にやってきて、紅十字代表、あるいは漁業代表、あるいは原水禁の代表、あるいはAA連帯代表としてやってきている。それでしかも抑留邦人の三万人の帰還、漁業協定あるいは貿易協定、こういうものには、日本国民の大きな願いであるそういうもののために非常に貢献されてきた。日本の不利どころか、日本国民のためには非常に大きな利益になってきた。ことに、いま日中貿易の拡大で非常に大きな問題になって、そしてLT協定のもとにその代表部が日本に五名はっきり入国、設置される、そして政府は今月中に入国を許可したというような情報を耳にしている。そういうやさきに、日中友好協会の秘書長という非常に重要なそういう位置にある人を指名によってこれを拒否する。これはいままでの歴代の法務大臣が一人としてとらなかったところのことです。高橋法務大臣になって、あなたの就任のごあいさつ、それからまたいろいろ解説なんか見ますと、入国問題は非常に大きな問題になっている、そういうようなことが出ているようでありますけれども、私たちは、前向きの、そしてほんとうアジア世界の平和を大きく前進させるための態度を当然とられるものだというふうに期待しておったわけです。まだこれは国交は回復されていない未承認国だ。しかし、すでに彼我の交流というものはこれは非常に多い。小さい国なんかに比べたら、もう非常に何倍かの交流が行なわれている。しかも、それは相互平等主義に立ってあくまでも行なわれなくちゃならないものだというふうに考えるわけです。わが国から中国に年々渡る人は数千人の多きを数えておる。しかも、これらの人に対して中国側が一人でもそのような拒否をした例がございますか。これはあとで入管次長事情を伺いたいのでありますが、私は寡聞にしてそれを聞いておりません。ことに指名拒否などという、まことにその国の内政に干渉するようなそのようなやり方で拒否を、しかも中国のそのようないわば日中友好のために尽くしてき、しかも貿易の面におきましても非常に大きな役割りをになっている人をここで指名拒否するというようなことは、今後の日中国交、日中友好、さらに日中貿易促進立場から考えるときに、非常にこれは大きな問題になる。せっかく新大臣が早々大臣になられてからこのようなことをされたというので、やはり国民は大きな不安を持っているのです。私は望ましくないと思うのです、こういうことは。あなたがもっと前向きに前進されてこそ真にあなたの力量を発揮されるのだと思っていたやさきにこういうことになったわけですけれども、ここに何か事情があるのですか。私はこういう態度はやっぱり改められて、そして時間も間に合うことです。それからさっき聞きますというと、ソビエト側では宗教者の代表がさらに加わった。最初は十五人ずつのバランスがあった、だから中国側の六人を拒否したということでありますけれども、しかし、われわれのさっき手にした情報によりますというと、宗教者会議代表原水禁代表に加わって認められた、その結果ソビエト代表が二十二人になった。バランスの上から言いましても、先ほど拒否したそういう理由というものは成り立たないというふうに考えられるわけです。私はこの点について大臣見解を伺いたいわけです。ことに新大臣立場としてどうも今度のやつは逆行するような気がするのですが、そうじゃない方向に道を切り開くという期待を持っているのですから、そういう点から、今度の問題については、一度決定したものは改めることはできないのだというようなそういう立場でなくて、あくまでもメンツにこだわることなく、真に日中人民の友好と大きな交流が始まるという当然のこれは日本国民のもう大きな願いである、この願いを実現する、さらには大きなアジアの平和勢力の願いであることを実現する方向に進めていただきたい、こういうふうに私は切望してやまないのですが、この点について高橋大臣の御所見を承りたい。
  29. 高橋等

    ○国務大臣高橋等君) 私が就任をいたしましてから、中共関係入国問題につきましては、御存じのように、LT事務所の連絡員として参ります孫平化以下四名の入国及びただいまお話しになっておりまする原水禁に出席を求める二十一名の入国と、こういう問題がいままで扱った問題であります。孫平化につきましても、従来わが国に参りまして集会の席上その他におきましてわが国の重要国策を誹謗する、そうして扇動する、こういうような態度が見られまして、入国につきましては、いろいろと考えたのでございまするが、この点につきましては、誓約書というものが出されておりまして、貿易事務に関することをやるのであって、政経分離の方向でやるという申証が実は得られました。ことに、日中貿易はいまようやくLT事務所の設置によりまして一つの前進を示そうとしている際でございます。こういうような諸般の事情を考慮いたしまして、孫平化の入国につきましてもこれは許可をいたしたのでありますが、趙安博ともう一人の王照華の御両人の入国につきましては、問題は水原禁の大会への出席でございます。わが国は、原爆で被爆を受けた世界唯一の国でございます。国民は非常にこのことを悲しんでおります。したがいまして、原水禁の大会というようなものは厳粛のうちにこれを行なうことは国民全体の悲願でございまするが、最近は非常に様相が変わってまいりまして、ことにことしはいわゆるソ連中共との対立抗争がこの大会を通じまして国内へ持ち込まれようとしている、もうすでにいろいろな問題が起こっておるようでございます。これは国民の感情からいいまして非常に悲しむべきことだと考えております。しかし、これをとめるわけにはまいらない、われわれとしましては。しかし、いま指摘いたしましたこの両人につきましては、ことに日本へ最近参りまして、いままで七回も趙安博さんは来ておる。そのたびに日本の国策を誹謗し、そうして扇動する、しかも相当過激な態度でそういうことが繰り返されておる。ごく最近におきましてもそういう状況があります。したがいまして、この二人に対しまして日本へ入っていただきますことは、日本利益に合わないという結論に達しまして、今回は入国を認めないということにいたした。この入国を認めるか認めないかということは、その国の権利であります。これは日本利益というものを考えまして、その利益に合致しない場合にはこれを拒絶する。これは各国ともにやっておることなんであります。これを拒絶することが内政干渉であるというようなことは、これは考えるだけおかしいので、わが国固有の国家としての権利を遂行するわけなんであります。一応御答弁申し上げます。
  30. 岩間正男

    岩間正男君 せっかくの御答弁でございますが、やはり事実を正確に認識しておられるかどうか、私は疑わしいものがあると思うのであります。  第一に、原水禁大会についてお話がありました。広島長崎、ビキニを経験したあの日本国民悲願、これは核戦争そのものをとめなければあのような悲願を実現することはできない。したがって、十年間の原水禁大会のいままでの積み重ね、そうして国内の平和勢力と民主勢力を結合し、しかも徹底的に職場や地域の交流を高めて国民悲願を盛り上げて、原水爆禁止、核兵器、核実験全面禁止、このような願いのために行なわれておるわけであります。しかし、これに対していろいろなことが策謀があったりすることは事実ですが、ここでそのことを議論をしようとは思っていない。原水禁そのものが何か政治的になったように、最終的な目的からはずれていったような考え方を持っているのは、大臣は非常に認識不足じゃないですか。この点については、少なくとも虚心たんかいに日本国民悲願を云々されるのだったら、実態をあなたはおつかみになる必要がある。  それから第二の問題でありますけれども、中ソの国際論争を国内に持ち込む云々と。これは原水禁の平和をどう守るかという問題に関して意見の相違があって、そのことに関係してやっておるのですから、当然ですよ。これは原水禁大会の目的からいってそういうことが起こってきましょう。しかし、そのことについて日本政府がここでとやかく言うことは、かえってそれは政治干渉になってくるのであります。これはそういうことをすべきじゃない。外国代表はいろいろな考えを持って来ましょう。自分で自分の信ずるところを当然その大会において意見を吐露するということは起こってくる。そうして世界の平和を守るという方向を正しくきめていくためのこれは努力なんでありますから、だから、そういうような点は私はまずいというふうに考えます。  第三に私が申し上げたいのは、入国を拒否するかどうかということは日本政府の権利だと、こうおっしゃっておるが、七回もいままで入ってきて非常に不利なことが——利益に合わないということをおっしゃいましたが、先ほどから申しましたように、三万人の抑留邦人の帰還の問題、だれが一体ほんとうに精力的にやりましたか。漁業協定はどうですか。漁業協定を結ぶためにほんとうに力になってやったのは趙安博氏じゃないですか。それから今度の貿易問題でも、私はここでくどくど申し上げる必要はありません。これも日本の不利になるのだということでは話にならない。利益にこそなれ、不利にはなっていません。もう一つ申し上げたいのは、アメリカ帝国主義については、これは当然中国立場からいろいろな批判や言論はやったかもしれません。しかし、日本の基本国策についてどのような一体誹謗をしたというようなそういう何か理由があるのですか。それからどこでそういうものをつくったかわかりませんけれども、出してみろといっても出すこともできないようなそういう根拠をあげて、好ましくないとかなんとかいうようなことで、しかも中日友好協会秘書長をやっている重要な人、そうして日中国交のために努力をしておるそういう人を指名で拒否するということは、国際慣例でほとんどこれはない。日本中国は、なるほどいろいろ障害があり、問題があって、いまだに国交は回復していない未承認国です。しかし、隣国としては、人民相互の間には非常に大きな交流が始まっている。そうして日本より数千人の人がいろいろな形で中国へ行っております。中国では一度でも日本人のそういう代表が好ましくないといってこれを拒否した例というものは、私は寡聞にして聞いていない。ましてや、指名拒否などという失礼きわまる、無礼きわまるこのようなやり方を一回もやったことはありません。ところが、日本政府だけが、この前の呉学文氏といい、それから今度の趙安博氏といい、こういうあるまじき、外交儀礼上はなはだ遺憾とするようなやり方でこれが行なわれておる。しかも、今度は高橋法務大臣になってからどうも何かまがり角のように突如として出てきたということは、私はこれは新法相のためにとらないところなんです。だから、先ほどおっしゃいました御答弁、せっかく御答弁をいただいたのですが、私ははっきり三点をあげて申し上げたのです。事実に合わないのです。  大体、法務大臣、どうなんですか。事務当局のつくった原案、事務当局のそういうことだけを聞いて、そしてこの問題を決定されることは非常に私はまずいと思います。これはやはり国民の動きというものをほんとうに聞いて、アジアの情勢というものをよくごらんになって、その上に立ってこの問題を決定してもらいたい。ことにバランス立場から、この十五人のソビエト代表中国はだから六人はこれはやめてもらいたいということであったのでありますが、まあ先ほど耳にしましたように、宗教者代表原水禁代表に入ったというのでソビエト代表はふえているのですね。そうすると、政府のあげた根拠の一つはくずれているわけですね。私はここでほんとうに申し上げたいのは、メンツにこだわることなく、日本のいま当面する日中貿易ほんとうに拡大前進させる立場から、さらに大きくアジアの平和をも確保するために、そのためにはどうしても日中の国交の正常化の問題が非常に大きく出てきていますから、それに反対してそれをやりたくないという考え方を持っているならいざ知らず、そのための妨害であるならこれは何をか言わんやであります。これはやはり問題になるが、そうでない立場に立って貿易の拡大、国交の正常化の方向というものをお考えになるとすれば、当然大臣はそういうことにこだわることなく、進められるべきじゃないか。そういう先のことは別問題といたしましても、当面する問題として、ここでまだ時間のあることです。まだ間に合うことです。ここでほんとうに私は考慮し直して、そうしてメンツにこだわることなくこの態度を改めていただきたい。これは日本のためにもなり、人民のためにもなり、日本アジアの平和、世界の平和を大きく前進させる道だと思いますが、いかがでございましょうか、この点。
  31. 高橋等

    ○国務大臣高橋等君) すべていろいろな点から広く考えまして、このたびのただいま申し上げましたような理由措置をとったわけでございます。ただいまお答えしたとおりでございます。
  32. 岩間正男

    岩間正男君 大臣、時間がないようですが、再考される余地はないのですか。こういう段階でいろいろ事情が変わってきたし、それから最初の認識ともだいぶ違っておられるところがある。ことに、いろいろいままで誹謗したとかなんとか、日本の基本的な何とか云々というようなことは、この前呉学文氏のときも言った。出してごらんなさいというと、この証拠というものはない。一体、当局は出せますか、何日にどこでそういうことを言ったか。こういうことで、功績があって、しかも七回もいままで日本入国をしてきており、そして日中友好のためには非常に尽くしてきたこういう人たちに対して、はなはだこれはよこしまなことになると思いますが、いかがでございますか。そして、こういうような結果が、あくまでも相互主義、平等互恵の立場でいままで両国の交流をやってきました中国側に対して私は好ましくない結果がむしろ出てくるのじゃないか、こういうように思うのですけれども、こういう責任は一切これは政府が負われなくちゃならない。その政府の一番焦点に当たる法務大臣が負われなければならないということになりますと、私は高橋法相がせっかく抱負を述べられておるわけですけれども、そういう点が望ましくないと思いますが、そういう責任は結局法務大臣が負われることになりますが、いいですか。この点について再考される余地はないですか。私はそういう点について返答は要りません。返答は要りませんけれども、再考して十分にそれに間に合うように措置をとられるのがこれは正しいと思うのですけれども、私はそういう要望を申し上げて、大臣、あなたはそこで私が何か追い詰めたようなかっこうで再考の余地はありませんと答えられたらまずいと思いますので、その返答は保留しておいてけっこうです。  大臣にはそれでお帰りいただいて、さっきのはどうですか、中国の……。富田さんに伺いますけれども、中国の場合を聞きたいのですが、法務省どうですか。
  33. 富田正典

    説明員富田正典君) 中国に対して入国を申請して、それが断わられたという例は、私は聞いておりません。ただ、従来中国本土にお渡りになる方は、ほとんど大部分が先方からの招待によりまして参られる方でございますから、そこには拒否の問題も起こらないし、また、向こうに行かれた日本人の方々が中共のいろいろ政策その他をあげつらうというような言動もしておられませんと思います。そういうことがそういう問題が起こらないのではないかと考えております。
  34. 岩間正男

    岩間正男君 中国の国策をあげつらうということをあなたは言われるけれども、これは資料として出される用意があるのですか。一体、趙安博氏が日本の国策を非難したとか誹謗したとか——アメリカ帝国主義については、台湾のああいう問題がある。二つの中国をつくり上げた問題や、中国人民の解放の問題から一つの障害になっている。そういう政策については当然論評をやったでしょう。しかし、こんなことまでアメリカの肩を持って日本がどうのとかいう問題ではないわけです。日本の国策を、池田内閣の政策について、こうこうだ、外交政策はどうなっているとか、経済政策はどうなっているとか、そんことを他国に来てやった、そういうれっきとした何かあれはございますか。
  35. 富田正典

    説明員富田正典君) 外国人査証を拒否した場合に、その具体的な理由を言うか言わないかという問題につきましては、大体世界各国ともこれは言わない。また、その当該政府からいろいろ抗議干渉があっても、これを排除するというのが一つの国際的なならわしになっているようでございます。ソ連の例を引用して恐縮でございますが、昭和三十五年に国際見本市でござまいしたか、日本の見本市がソ連であった際にも、相当多数の日本人査証の発給を拒否されております。その理由につきましても、先方は何も申しません。また、数年前でございますか、フランスで共産党大会がありましたときに、各国の共産党代表入国を拒否せられまして、フランスの国会でその理由政府が聞かれました際に、そういう具体的な理由は言う必要はないのだということでやはり処理されておりますし、大体具体的な理由というものは一々説明しなくても、この人間の査証は拒否したということで大体処理するような慣例になっておるようでございます。
  36. 鈴木一司

    鈴木一司君 議事進行について。
  37. 木島義夫

    委員長木島義夫君) 鈴木君。
  38. 鈴木一司

    鈴木一司君 定数も欠いているし、きょうはこの程度でひとつ散会したらどうかと思うのです。質問を聞いているのですが、大体同じようなことを繰り返されておるようなことでもあるし、定数も欠いておるし、この程度でひとつきょうは散会をしたらどうでしょう。私は動議を出します。
  39. 木島義夫

    委員長木島義夫君) 速記をとめて。   〔速記中止
  40. 木島義夫

    委員長木島義夫君) 速記をつけて。
  41. 岩間正男

    岩間正男君 いまのお話ですけれども、それは一般論でやっちゃまずいと思うのですよ。七回も許可した人ですよ。そうして先ほどから申すように、くどくど申したように、そういう実績を持ち、望ましくないどころか、日中の友好のために非常に尽くしてきた人でしょう。それをここでまるで突拍子もなくねじ曲げるようなそういう形で、何かそれではおかしい。背後の力関係があるような圧力でもあるような、そういう形、あるいはまた国際的な圧力でもあるのか、そういうことを入管が立案し、しかも新大臣をしてそういうようなことをさせてしまうということは望ましくないことですね。政務次官も聞いていただきたいと思うのですけれども、あくまでこの問題については十分に再考して、そしてメンツにとらわれることなく、とにかくまだ間に合うことですから、これはあと六人——とにかく十五人のワクからいっても一人まだ来てないわけですね。だから、その中で、趙安博氏を入国許可をする、よろしい、許可する、そういう方向にぜひ大局的な立場から方向をきめてもらいたい、こういうことを要望して質問を終わります。
  42. 木島義夫

    委員長木島義夫君) それでは、本日はこの程度で散会いたします。    午後零時十一分散会