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岩間正男君 せっかくの御
答弁でございますが、やはり事実を正確に認識しておられるかどうか、私は疑わしいものがあると思うのであります。
第一に、
原水禁大会についてお話がありました。
広島、
長崎、ビキニを経験したあの
日本国民の
悲願、これは
核戦争そのものをとめなければあのような
悲願を実現することはできない。したがって、十年間の
原水禁大会のいままでの積み重ね、そうして国内の平和勢力と民主勢力を結合し、しかも徹底的に職場や地域の
交流を高めて
国民の
悲願を盛り上げて、原水爆禁止、
核兵器、核実験全面禁止、このような願いのために行なわれておるわけであります。しかし、これに対していろいろなことが策謀があったりすることは事実ですが、ここでそのことを議論をしようとは思っていない。原水禁
そのものが何か
政治的になったように、最終的な目的からはずれていったような
考え方を持っているのは、
大臣は非常に認識不足じゃないですか。この点については、少なくとも虚心たんかいに
日本国民の
悲願を云々されるのだったら、実態をあなたはおつかみになる必要がある。
それから第二の問題でありますけれども、中ソの国際論争を国内に持ち込む云々と。これは原水禁の平和をどう守るかという問題に関して
意見の相違があって、そのことに
関係してやっておるのですから、当然ですよ。これは
原水禁大会の目的からいってそういうことが起こってきましょう。しかし、そのことについて
日本の
政府がここでとやかく言うことは、かえってそれは
政治干渉になってくるのであります。これはそういうことをすべきじゃない。
外国代表はいろいろな考えを持って来ましょう。自分で自分の信ずるところを当然その
大会において
意見を吐露するということは起こってくる。そうして
世界の平和を守るという
方向を正しくきめていくためのこれは努力なんでありますから、だから、そういうような点は私はまずいというふうに考えます。
第三に私が申し上げたいのは、
入国を拒否するかどうかということは
日本政府の権利だと、こうおっしゃっておるが、七回もいままで入ってきて非常に不利なことが——
利益に合わないということをおっしゃいましたが、
先ほどから申しましたように、三万人の抑留邦人の帰還の問題、だれが一体
ほんとうに精力的にやりましたか。
漁業協定はどうですか。
漁業協定を結ぶために
ほんとうに力になってやったのは
趙安博氏じゃないですか。それから今度の
貿易問題でも、私はここでくどくど申し上げる必要はありません。これも
日本の不利になるのだということでは話にならない。
利益にこそなれ、不利にはなっていません。もう一つ申し上げたいのは、
アメリカ帝国主義については、これは当然
中国の
立場からいろいろな批判や言論はやったかもしれません。しかし、
日本の基本国策についてどのような一体誹謗をしたというようなそういう何か
理由があるのですか。それからどこでそういうものをつくったかわかりませんけれども、出してみろといっても出すこともできないようなそういう
根拠をあげて、好ましくないとかなんとかいうようなことで、しかも
中日友好協会の
秘書長をやっている重要な人、そうして日
中国交のために努力をしておるそういう人を指名で拒否するということは、国際慣例でほとんどこれはない。
日本と
中国は、なるほどいろいろ障害があり、問題があって、いまだに国交は回復していない未
承認国です。しかし、隣国としては、人民相互の間には非常に大きな
交流が始まっている。そうして
日本より数千人の人がいろいろな形で
中国へ行っております。
中国では一度でも
日本人のそういう
代表が好ましくないといってこれを拒否した例というものは、私は寡聞にして聞いていない。ましてや、
指名拒否などという失礼きわまる、無礼きわまるこのようなやり方を一回もやったことはありません。ところが、
日本政府だけが、この前の
呉学文氏といい、それから今度の
趙安博氏といい、こういうあるまじき、外交儀礼上はなはだ遺憾とするようなやり方でこれが行なわれておる。しかも、今度は
高橋法務大臣になってからどうも何かまがり角のように突如として出てきたということは、私はこれは新法相のためにとらないところなんです。だから、
先ほどおっしゃいました御
答弁、せっかく御
答弁をいただいたのですが、私ははっきり三点をあげて申し上げたのです。事実に合わないのです。
大体、
法務大臣、どうなんですか。
事務当局のつくった原案、
事務当局のそういうことだけを聞いて、そしてこの問題を決定されることは非常に私はまずいと思います。これはやはり
国民の動きというものを
ほんとうに聞いて、
アジアの情勢というものをよくごらんになって、その上に立ってこの問題を決定してもらいたい。ことに
バランスの
立場から、この十五人の
ソビエト代表、
中国はだから六人はこれはやめてもらいたいということであったのでありますが、まあ
先ほど耳にしましたように、宗教者
代表が
原水禁代表に入ったというので
ソビエトの
代表はふえているのですね。そうすると、
政府のあげた
根拠の一つはくずれているわけですね。私はここで
ほんとうに申し上げたいのは、
メンツにこだわることなく、
日本のいま当面する
日中貿易を
ほんとうに拡大前進させる
立場から、さらに大きく
アジアの平和をも確保するために、そのためにはどうしても日中の国交の正常化の問題が非常に大きく出てきていますから、それに反対してそれをやりたくないという
考え方を持っているならいざ知らず、そのための妨害であるならこれは何をか言わんやであります。これはやはり問題になるが、そうでない
立場に立って
貿易の拡大、国交の正常化の
方向というものをお考えになるとすれば、当然
大臣はそういうことにこだわることなく、進められるべきじゃないか。そういう先のことは別問題といたしましても、当面する問題として、ここでまだ時間のあることです。まだ間に合うことです。ここで
ほんとうに私は考慮し直して、そうして
メンツにこだわることなくこの
態度を改めていただきたい。これは
日本のためにもなり、人民のためにもなり、
日本と
アジアの平和、
世界の平和を大きく前進させる道だと思いますが、いかがでございましょうか、この点。