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1964-06-25 第46回国会 参議院 文教委員会 第35号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年六月二十五日(木曜日)    午後一時十七分開会   —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     中野 文門君    理事            北畠 教真君            二木 謙吾君            小林  武君    委員            久保 勘一君            近藤 鶴代君            斎藤  昇君            笹森 順造君            中上川アキ君            野本 品吉君            秋山 長造君            加瀬  完君            豊瀬 禎一君            米田  勲君            柏原 ヤス君            高瀬荘太郎君   国務大臣    文 部 大 臣 灘尾 弘吉君   政府委員    中央青少年問題    協議会事務局長 西田  剛君    文部政務次官  八木 徹雄君    文部大臣官房長 蒲生 芳郎君    文部省大学学術    局長      小林 行雄君    文部省社会教育    局長      齋藤  正君    文部省管理局長 杉江  清君    農林省畜産局長 檜垣徳太郎君   事務局側    常任委員会専門    員       工楽 英司君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○教育文化及び学術に関する調査  (学校周辺場外馬券売場に関する  件)  (大学の運営に関する件)   —————————————
  2. 中野文門

    委員長中野文門君) ただいまより文教委員会を開会いたします。  教育文化及び学術に関する調査中、学校周辺場外馬券売場に関する件を議題といたします。  御質疑の申し出がございますので、これを許します。小林君。
  3. 小林武

    小林武君 農林省檜垣畜産局長お尋ねいたします。  本委員会で、新橋馬券場外売場設置反対の請願が採択されましたが、その以前に、場外売り場設置に対して非常に桜田小学校の父母の間に反対の声がたいへん強いわけであります。それで、それに関連いたしましてお尋ねをするわけでございますが、これは競馬法施行令第二条第二項によって、農林大臣承認がなければ場外設備設置ができないようになっていると聞いているわけであります。なお、二十九年の九月二十七日の次官通達を見ましても、同様のことがその中に書かれておりまして、なお、設置場所設備または競馬場との連絡方法変更についても承認を要することになっている、こうなりますというと、場外設備設置場所変更とか、設置するというようなことのできる、できないということは、かかって農林大臣承認のいかんにかかっていると、こう私ども考えるわけでございますが、その点はそのような考えでよろしいわけでございますか。
  4. 檜垣徳太郎

    政府委員檜垣徳太郎君) いわゆる場外馬券設備に関しまして、その設置なり、あるいは移転なり、あるいはただいまお話がありました連絡方法その他の変更等の場合には、農林大臣承認を要するということになっておりますことは、御指摘競馬法施行令第二条に基づくもの及びそれに基づきます農林省指導方針でございまして、御指摘のとおりでございます。
  5. 小林武

    小林武君 承認がなければできないということになるわけでありますが、この承認基準というようなものがあるのでございましょうか。
  6. 檜垣徳太郎

    政府委員檜垣徳太郎君) 私ども、従来といいますか、競馬法制定以来、国会等での御質疑の経過あるいは公営競技調査会答申方向等を尊重いたしてまいるという態度をとっておりまして、そういう観点から設置基準として、大きな方向としましては、場外馬券売り場は、今後といいますか、従来もさようでございますが、数をふやさない、従来の数以上にはふやさないという大前提をとっております。そのほか、設置あるいは移転に関しましては、その当該施設周囲生活環境等に悪い影響を及ぼすようなことがないかどうかというようなことを考える。したがって、またそのことの判断基準といたしまして、地元との設置に関します意見調整が十分に行なわれて、調整が済んでおるかどうかという点も一つ基準として、私ども承認の際の考えにいたしておるわけでございます。
  7. 小林武

    小林武君 ただいまの御答弁でたいへんはっきりしてまいりました。なお念のためにもう一つお尋ねをいたしたいわけでございますが、この問題につきまして、昭和三十七年の三月十六日の衆議院農林水産委員会で、競馬法の一部を改正する質疑が行なわれました際に、当時の河野農林大臣も、場外馬券その他理由なしにギャンブル性を持つものについては、極力これを避けるように順次改善していく必要があるということは同感であると、そういう質問に答えてこのような答弁をなさっておるわけでありますが、この点は私は特に考慮を要する点であって、この点について率直な農林大臣答弁もあったと、このように思っているわけであります。なお、その際に附帯決議がつけられまして、場外馬券発売所については、競馬賭博性を抑圧するため漸次施設を縮小し、将来これが廃止方向において検討することというような、こういう附帯決議もついているわけでございますが、そういう点に沿うた方向でおやりになっていることがわかりましたけれども、漸次、縮小廃止方向についての検討というのは、具体的にどのような方向で進んでいるわけでございますか。
  8. 檜垣徳太郎

    政府委員檜垣徳太郎君) お話のとおり、昭和三十七年の三月の衆議院農林水産委員会で、ただいまの御趣旨附帯決議があったのでございます。元来、場外馬券の販売が認められましたのは、昭和二十三年の競馬法制定の際に、政府原案におきましては、場内において勝ち馬投票券発売を行なうという趣旨原案であったのでございますが、いろいろの観点、たとえば競馬愛好者の中で、勤労態勢等関係場内に行けないというようなファンに対する便宜の供与、特に全国的な大きなレースに対しますファン関心というものを受け入れるための施設というようなこと、及び、ともすれば発生しがちな私設馬券の抑制というような意味で、議員修正によりまして、場外における発売を認められるような条文の修正があったのでございます。これはやはり競馬施行いたしてまいります際に、その競馬施行に伴います実態というものがどういうふうに動くかということによって判断をすべき問題であろうと思うのでありますが、また、そういうふうに私ども考えているわけでございますが、ただいまも申し上げましたように、場外馬券発売ということは、これが非常に広範囲にわたりますことは、社会的にも私は問題であろうと思うのであります。でございますので、従来から場外馬券発売所の増置、ふやすということについては、これは認めないという方針で臨んでおりまして、その後、中央競馬には十六カ所——これは関西、関東を含めまして十六カ所の場外馬券発売所があったのでございますが、そのうち一カ所は現在閉鎖のままにいたしておりまして、現在は十五カ所ということでございますが、その後、先ほどもちょっと触れました公営競技調査会答申で、数はふやすな、それから施設改善を行なうことによって、場外馬券売り場の秩序なり、あるいは周囲への影響を極力防止するようなことを考えろという御趣旨答申がございましたので、私どもとしても、今後、施設改善についてはできる限り中央競馬会財政力の可能な範囲内で改善をさしていきたいということと、ファンの動向に従いまして、この附帯決議の御趣旨を尊重しながら、私どもとしては指導的な処理をしてまいりたいというふうに考えておる次第であります。
  9. 小林武

    小林武君 附帯決議に対するその後の指導方向についてはよくわかりましたけれども、すでに御説明の中にございましたように、私はやはりこの競馬場外設備というものはいろいろ問題があると思うのであります。この設置場所というのは、先ほどその点につきましてはあまり詳しく御説明がございませんでしたけれども農林大臣承認をするという場合には、おそらく私は設置場所環境等を十分考慮して御判断なさるものだと思っているわけでありますが、そういう観点からいたしまして、現在、新橋桜田小学校の近くに場外設備移転させるということですが、このことにつきましてはどうなんでございますか。農林省承認をするという方向になっているものかどうか、その点をお伺いしたいのであります。
  10. 檜垣徳太郎

    政府委員檜垣徳太郎君) 先ほどもお答えを申し上げましたとおり、農林省といたしましては、場外馬券のような特殊な施設設置でございますから、地元意見が十分に調整されているということを条件として考えておりますので、私ども新橋の新たに移転考えて、——競馬会のほうで移転考えておりました桜田小学校近傍土地について、地元に、文教施設との関連もあり、好ましくないという反対意見が強いということを報告を受けております。また、そういう陳情もいただいております。そういう状態のもとで、私ども新橋場外馬券売り場桜田小学校近傍の、問題になっております土地移転することを承認するという考えを持っておりません。
  11. 小林武

    小林武君 よくわかりました。  次にお尋ねをいたしますのは、青少年問題協議会事務局長でございます。農林省意向としては、先ほど申し上げましたように、競馬場外馬券売り場についてのいろいろな弊害というようなもの、それらについては十分考慮して設置をしたい、あるいは移転を許可したいというお話でございますが、現在のところ、桜田小学校のところは問題があるから承認しない意向だという、非常に明快な御答弁だったわけであります。私はこの際ひとつお尋ねしておきたいのですが、青少年問題は非常にいまわれわれの間で、日本国民全体の間で重大視されている。私は非行少年の生ずる原因というようなものを、一、二の問題を取り上げまして、これによって非行少年が生ずるなどというようなことを考え段階ではないと、私自身は承知しております。非常に複雑な要素を持っておりますので、青少年の非行問題を解決するにあたっては、この複雑ないろんな諸現象とか、あるいは環境とかいうものについて十分科学的な究明をして、これに対する的確な対策を講じないというと、青少年の問題は解決ができない、このように思うわけでございますが、そういう問題が一つありますと同時に、私はやはり子供立場から、環境整備という問題にもっと日本のいわゆるおとなたち、それぞれの立場にある人たち考慮をしなければならないことではないかと思うのです。それは、最近、子供誘拐事件というものが非常にふえているということです。これが学校の中にまで押し寄せてきている。ごく最近のニュースにおきましては、女子の生徒が乱暴を受けるというようなことが学校内において行なわれる、こういう悲しむべき問題も生じているわけでございますけれども子供を守るという角度から、環境整備についてはあらゆる立場にある人たち責任のある態度をとらなければならぬ、このように考えるわけでございます。特に青少年問題協議会というようなところでいろいろ御討論をいただいていると思うわけでございますが、いまのような、たとえば競馬場外馬券売り場とか、その他パチンコ屋など、そういう町のよろしからざる環境問題について、どういう一体結論をお出しになっているか、どういう対策を立てなければならないとお考えになっているか、その点をお伺いするわけであります。
  12. 西田剛

    政府委員西田剛君) 青少年に望ましからざる社会環境改善、浄化するということは、青少年健全育成、ひいては非行防止につきましても非常に重要な問題であると考えまして、総理府の中青協でも青少年対策の最も重要な柱として従来取り上げてまいっております。たとえば、深夜喫茶の問題にいたしましても、中青協のほうで三十四年にこの問題を取り上げまして、総理大臣意見具申をいたしたような次第でございます。今回、風俗営業法の一部改正ということでこれが実現を見たというようなことであります。また、マスコミなどの一部に青少年に望ましくない面もあるというような御批判もありますので、昨年暮れには八十人余りの業界の代表者学識経験者等のお集まりを願いまして、十数回にわたり懇談会を開き、自主規制を基調といたしまして、これが改善をしていくという方向を業者の方々から確認をいただいて、漸次改善をみているような次第でございます。ただいまお話しのパチンコ屋とか、いろいろ青少年に望ましくない社会環境というものは幅広くあるわけでして、これらは営業の自由もございますので、一応いまのたてまえからは、なるべくならば、そういうものははやらしたくないという考え方ではございますけれども、一応、たとえば文教地区とか、そういうところにはそういうものは置かないようにするとかいうような面で、関係各省とも連絡いたしまして、できるだけ文教地区なり、あるいは住宅専用地区というような地域を拡大していく、そういうものが置かれる範囲を狭めていくというような方向各省と相談をし、検討いたしているような状況でございます。
  13. 小林武

    小林武君 問題の桜田小学校のじき近くに馬券場外売り場というようなものをつくる、こういうことについてはどうなんですか。青少年問題の協議会としては、当然つくってはならないというお考えでありますか。
  14. 西田剛

    政府委員西田剛君) 具体的に本件について協議会において協議は行なっておりませんけれども学校の近所にそういうものが置かれるということ、また、桜田小学校の場合ですと、児童公園といいますか、公園の近くでもあるというような事情から申しましても、できることならば、そういうふうにしていただきたくはないというふうに希望をいたし、その旨は関係方面連絡はいたしております。
  15. 小林武

    小林武君 たとえば出版その他について、この点についてはあなたと私とは、必ずしも、いろいろ討論していけば、意見が一致しないところもあるかと思いますけれども、何か自主規制の問題でそれぞれ手を打たれた、これは当然、青少年の問題を取り上げる場合に、あってしかるべきだと思うのです。ところが、こういう問題になりますと、たとえば馬券場外売り場というようなものになりますと、どうも率直に言って、私たち考えるというと、積極性があなたたちになくなるような気がするのです。これは、私は出版規制の問題よりかもつと重大な問題だと思う。大体先ほども申し上げましたが、学校の中にえたいの知れない人間が来て、女生徒に乱暴するというようなばかなことが起こっている。あるいは生徒を呼びだし、誘拐を企てるというようなことが、東京の都内の学校では頻発しているというような事実、こういうことを考えますと、私はそういうことを起こさせるような環境の排除というものについては、青少年問題協議会が、そのことの実施機関としてどうこうというあれはないでしょうけれども、私はもっときびしい態度が必要ではないかと思うのです。特に馬券売り場の問題については、これはやはり政府一つ責任のあるものなんで、馬券売り場というのは競馬法によってやられておる、そうしてその問題点施設については、競馬法施行令によってもちゃんと示されておる、こういう状態のものであるならば、同じ政府部内の問題として、私は取り上げ方にもっとはっきりしたものがなければならぬと思うんでありますが、そういう点については、御指導が甘いという感じをどうも私は考えるわけであります。もしそういうものの設置がされるということになると、あなたのほうでは具体的にその際にどういうとにかく手当てをするのかというようなことはないわけですか、遺憾の意を表するとか、なるたけそういうことを希望するということをただ考えるだけで、直接の手当てというものはないわけですか、どういうことになりますか。
  16. 西田剛

    政府委員西田剛君) お話のように、具体的な問題として、たとえば住民反対があるにかかわらずできると、私どもとしましては、望ましくないと思われる場所にできますと、これは先ほど農林省からのお話にもありましたように、これは一応、農林大臣の専管の事項でございます。私どもとしましては、子供たちのためになるべくそれを避けていただきたいということで、必要に応じ、政務次官から農林大臣お話を持っていくというようなことを具体的にすることがございます。本件については、まだそこまでの手を打っておりません。
  17. 小林武

    小林武君 お尋ねいたしますが、すると、本件については今後具体的な手を打つということになりますか。
  18. 西田剛

    政府委員西田剛君) 農林省のほうとも十分連絡をとりまして、農林省のほうのいまのお考えでは、やはり住民との十分な調整の上に立って初めて承認をする方針だということもはっきり言明されておる状況でございますから、いまの段階では、農林省さんのほうにその方針でぜひやっていただくようにということでの段階じゃなかろうか、かように考えております。
  19. 小林武

    小林武君 先ほど農林省側の御意見は、そのような問題点があれば承認しない方針だということを端的におっしゃっておるわけです。私はそういうことになりますと、これはやっぱりそれのきめ手となるような、絶対これはもう設置を許さないというようなそのきめ手となることは、やはり青少年の問題に関係のある文部省と、あるいは皆さん方のはっきりした態度というものが非常に大きな力になるような気がするのです。ただいまの御答弁では、いささか私は不安を感ずるわけでありますが、御承知でもありましょうが、この問題については、一応、農林省としては私は非常に筋の通った御意見を持っておると思うんです。しかしながら、一方、設置すべきであるというようなそういう運動もあることも、力もあることも私は認めざるを得ないと思うんです。そういう複雑な状況にございますから、農林省一つのそういう意向を正しく子供たちのためにとらせるためには、私はあなた方のほうでもう少し積極的な御意見を吐いてもらいたいわけなんです。一体青少年非行化の問題にしろ、あるいは子供を守るというような立場から、さまざまな環境の悪さから子供を守るという立場から考えた場合に、あなたたちのほうでは農林省に対して積極的に適当でないと、こうおっしゃっていただくのが私は至当だと思うんです。そうでなければ、ほんとうの効果は上げられないように思うんですが、どうでございましょう。
  20. 西田剛

    政府委員西田剛君) もともと場所の問題もありますけれども本件につきましては主として学校ですね、学校との問題でございますから、その点では文部省さんのほうとも十分連絡をとりまして、われわれとしてはそういうふうな望ましくない場所につくろうという動きなり、やはり力というものもあるわけですから、そういうものに引きずられていかない方法でできるだけ足並みをそろえてやってまいりたい、かように思います。
  21. 小林武

    小林武君 慎重にやられることはたいへん私もけっこうだと思いますけれども、私は慎重よりかも、問題はこれははっきりしておりますから、どうぞひとつ青少年問題協議会のほうで、積極的な態度をお出しになって、学校のじき近くに、しかもその場合は、場所は校庭が公園になる、こういうような場所でございますから、十分御配慮をいただいて、農林省が大体承認しないというような方針に固まっておられるのでありますから、それが他の力によって、もう一ぺんあそこに移転設置が許されるというような状況にならないように、ひとつ御努力をいただきたいと思います。
  22. 野本品吉

    野本品吉君 青少年の問題でちょっと。青少年の問題は、法律的に見ましても、少年法との関係があり、児童福祉法との関係があり、その他いろいろな関係がありますし、事態も非常に複雑でありますので、私は適当な機会に、委員長において、青少年問題を中心として、本委員会において検討されることをお願いしておきたいと思うんです。
  23. 中野文門

    委員長中野文門君) 了承いたします。
  24. 加瀬完

    加瀬完君 小林委員の提起された問題について、私も関連をして伺いたいのでありますが、問題は青少年問題の協議会にいたしましても、文部省社会教育課にいたしましても、この青少年のために環境整備案というものが一体固まっているのかどうかという私はふだんから疑問を持っておる。いま場外馬券売り場の問題にいたしましても、あるいはその他の環境の問題にいたしましても、青少年育成環境としてはこれだけのものはなければならない、あるいはこういうものは置いてはならない、こういった確固たる環境整備計画というものがないのではないかと思うのですが、しかもそれはやはり対策協議会なり、あるいは社会教育局なりで立てなければ、なかなか他の目的やあるいは他の条件青少年問題を扱っているところでは立てられない問題じゃないか。この点、いわゆる環境整備についての計画案というものをお持ちなんですか、あるいはそういう議論がたびたびお出になっておりますか。
  25. 西田剛

    政府委員西田剛君) ただいま加瀬先生からお尋ねがありましたが、この健全な施設整備していこうという計画、これはある程度やっておりますし、最近総合的に、もっと長期的な展望において、ドイツにいい例があるんでございますけれども、ゴールデン・プランというのがございますが、そういうふうなものを考えてぜひやっていきたいというふうな案は、相当各省と一緒に検討を進めていきたいと思っております。ただ望ましくないものを排除すると、こういうことになりますと、ある地域を定めて制限する立法をとるか、どういたしますか、いずれにいたしましても、一つ営業でございますから、営業の自由、それを規制していく内容というようなことになりますと、これは私どもとしましては、そうした立法論よりはやはり国民良識といいますか、子供のために全体として、これはおもしろくないじゃないか、やはりみんなが子供のためによかれ、そのためにそういうものはあってほしくない、こういうことがやはり国民良識として実現されていく方向で取り組んでいくのが一番正当な道じゃないかというようなことで、私どもとしましては、これを、そうしたこの青少年のために関心を持って、愛情を持って、いい環境をつくっていこうという、みんなが関心を持っていただく、そうした国民運動ですね、こういうものに大いに力を入れてまいりたいということで、私のほうで毎年、青少年全国年間運動を行なっておりますが、非行防止等重点事項として取り上げまして、それにはまずもって社会環境の浄化ということが必要だということで、各種の会合その他にそういうふうな思想の普及といいますか、そういうことを大いに高めていくというような方法をとっておる次第であります。
  26. 加瀬完

    加瀬完君 その良識を代表して、適当な権限を持ち、施策をしたりするのがあなた方のお立場じゃないですか。たとえば、先ほど小林委員も御指摘になりましたけれども、各都道府県などで行なわれている青少年保護条例などというものは、違憲問題を起こしているような個所もあるし、特にマスコミなどに対する統制というものは、必ずしもこれは健全育成ということになるのか、あるいは良識的な判断に基づいての施策になるのかという疑問を持たれているところなんです。そういうことに対しては、疑問のあるところに対しては相当強引な方法対策を立てて、いまのような、当然これは政府として処理をしなければならない、対策を立てなければならない問題は、国民良識に待つのではおかしい。良識を代弁してあなた方が処理をしなければならない問題がたくさんあると思う。馬券売り場などにしてもそうでしょう。あるいは学校付近教育環境付近にいかがわしい状態をそのまま残しておくというのも、これは対策を立てなければならない問題でしょう。そういう点ですね。良識ばかり待っておらないで、もっとあなた方が良識を代弁して、私は積極的に政策として打ち出していただくようにお骨折りをいただきたいと思う。これは関連でございますから、もうこれで、希望を申し上げて終わります。
  27. 中野文門

    委員長中野文門君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  28. 中野文門

    委員長中野文門君) 速記を起こして。
  29. 二木謙吾

    ○二木謙吾君 ただいま小林委員、それから加瀬委員からも、青少年指導の問題について、環境整備あるいは浄化についての御意見がありましたが、まことにごもっともな御意見であると私ども考えております。その中で、いま馬券売り場の問題がございましたが、全く同意見でございまして、いまお話を聞いておるというと、協議会並びに文部省のほうが私は弱いと思う。もう少し強力に農林省なら農林省に、非行少年の温床となるような施設は絶対にやめてもらいたいという強力にひとつ申し入れをしてもらいたいということを希望をいたします。  それともう一つ、ラジオ、テレビ、そのほか読みものに対しての非行少年——青少年影響を及ぼす点が非常に大きいものがあるのでありまして、あるいはテレビで私も見ますが、忍者の劇とか、あるいはピストルを撃ち合うところの劇とか、チャンバラの劇とかいうものは、それは興味本位からいえばいいかもしれないけれども、あれが青少年に及ぼす影響というものが非常に私は大きいと思う。私のところでも、炭鉱が廃坑になった。そのあとで忍者遊びをするというようなことで子供が大けがをしたのです。そういう事実もございますので、あのラジオとか、テレビの番組、その他について、ひとつ非行少年の温床になるようなものについては、文部省においてもお考えをいただきたい。また、協議会においてもひとつ十分考えられて善処されることを私も要望いたしまして、私の関連質問を終わります。
  30. 西田剛

    政府委員西田剛君) ラジオ、テレビのうち、青少年に望ましくない面もあるという御批判もごごいまして、先ほど申し上げましたように、昨年十一月からマスコミ懇談会というものを行ない、そのうちテレビの部会を設けまして、そこで六回ばかりいろいろと御討議を願いました。テレビのほうは幸い業界がいずれも大手筋でございますので、そこのそれぞれ支社長クラスの責任者の方が、終始出席願いまして、自分たち責任を持って直すからということでございました。私どもはその点非常に期待を持って待っておる次第でございます。
  31. 小林武

    小林武君 いまもそれぞれの方からお話がございましたように、青少年問題協議会としては、私は設置した理由というのは、これはもう明らかだと思うわけでありますから、同じ政府部内の問題でありますから、農林省の決意をさらに固めさせるという意味で、積極的に強力なやはり態度でもってこの問題について対処していただきたいということを御要望申し上げまして、あなたに対する質問は終わります。
  32. 米田勲

    ○米田勲君 いまの質問の題目が変わるようですから、この際関連して質問します。  あなた、二木委員がいま問題にされたテレビやラジオや映画に、チャンバラやピストルを撃ち合ったりしておるというが非常にはんらんしておるということ。これはどうですか、青少年非行化の問題に相当大きな影響があるという認識を持っていますか、いかがですか。
  33. 西田剛

    政府委員西田剛君) ただいまお話のありました点も、先ほど懇談会においていろいろ議論が出ました。しかし、私どもとしましては、非行化した子供の動機等をいろいろ調べております過程におきまして、これはテレビを見たから水平乗りをまねしてどうしたとかいうような事例がやはり相当多くなっておりますので、そういう点ではやはり関係があるのじゃないか。したがって、できるだけそういうものは、筋全体としてはよくても、局部的に刺激的にまねることば子供にありがちなことだから、なるべく避けてもらいたいということでお願いをいたしておる次第でございます。
  34. 米田勲

    ○米田勲君 そういたしますと、最近、映画、テレビに出てきておる拳銃の撃ち合い、あるいは切り合いが、日本刀による切り合いのような写真というのは、青少年のためにはいい影響を与えておらぬという見解を持たれていることは一応わかりました。  それでは私次のことをお聞きしたいのです。最近、生徒の使うノートの表紙に、戦車を持ってきたり、銃剣を持ち鉄かぶとをかぶって突撃をしておる絵が子供の使うノートの表紙になっているわけです。その他軍艦、いろいろありますね、これは一体どうですか。いまのチャンバラや拳銃の撃ち合いというものが青少年に対していい影響を与えるものでないという角度から見た場合に、こういうノートその他の子供の読む読みものに、結局われわれに言わすと戦争というものに対して何か英雄的な気分を盛り上げるというか、あこがれを持たせるとかといったような、そういうものの扱いは青少年教育全般の中ではどういうふうに判断をいたしますか。あわせてあなたの御見解をお聞きします。
  35. 西田剛

    政府委員西田剛君) もともといいか悪いかということは、学問的に研究しますと、たとえばピストルを撃つテレビですね、これは一般的にやはりまねるような現象もあるから、なろうことなら、そういうものでないもっといいものをつくってもらいたいというので——一がいに大いに関係があって、これをやると子供が悪くなると一ぺんにきめつけるわけにはまいらない性質のものだと思います。まあいまの子供の戦車とか、いろいろなものを取り上げると、子供の付録につくものが非常に多いので、そういう問題も委員会でちょいちょい問題になっております。しかし、そういう問題はやはり国民良識といいますか、それから、とりわけ業界の方々の良識日本青少年のために、そういうものはやはり致命的に影響があって悪いとかということが科学的に判明できないとしても、少なくともそういうことの影響を受けて悪くなっている者もいるのだから、できるだけそういうものを避けてやってもらいたいということでお願いをし、そういうことで一応改善方をお願いをしておるし、そういう方向で努力をしましょうということになっておるわけでございます。
  36. 米田勲

    ○米田勲君 お答えを聞きますと、何か行政指導をされておって、業者の方や関係者が協力をするという御意向であるようですが、いま私の聞いたことは、映画やテレビに拳銃やライフル銃の撃ち合いをして殺し合いをする。あるいは日本刀で切りつけて——このごろは非常に残酷な場面を現出するのがはやっておるようだし、それが子供の精神の発達にいい影響を与えない、逆に言えば、マイナスの影響を与えているのではないかという懸念が、常識的にこのごろなっているわけです。そのことに私は関連して、いまあとのほうの質問をしたのです。だから、私の質問したことについても、行政指導の面では正当な形で取り上げられているのですか、その点はいかがですか。
  37. 西田剛

    政府委員西田剛君) そういう問題も含めましてマスコミ懇談会のテレビ部会におきましてはいろいろとお話が出まして、それで、そこにはテレビの関係の各責任者の方々もおられまして、まあそういう御意見も十分頭に入れて善処しましょうと、こういうことになっておる次第でございましょう。
  38. 米田勲

    ○米田勲君 それではもう一つお聞きします。  文部省では、国防博覧会といったようなものがときどぎ最近各地に開催されますが、それを後援しておられますね。この国防博覧会に文部省が開催を後援したりしておるのは、これは文部省のどういう権限と責任立場からやっておるのでしょうか。文部大臣はあとでこられましたから、あなたにお聞きします。
  39. 西田剛

    政府委員西田剛君) 私、中青協の事務局長でございますので、国防関係には……。
  40. 齋藤正

    政府委員(齋藤正君) 私、いまいろいろの博覧会その他の個々の事例を記憶しておりませんので、そのどれが該当し、どれを後援したかわかりませんけれどもお話しのようなことが、自衛隊のいろいろ自衛について国民に紹介をするというようなことがありますれば、それは後援の願いがあってそれを後援することはあり得ると思います。ただ、具体的事例を私記憶しておりませんので、ここで端的にお答えできないと思います。
  41. 米田勲

    ○米田勲君 それはあなたの主管の仕事とは全然別ですか。それを担当しておるところはどこですか、文部省の。
  42. 齋藤正

    政府委員(齋藤正君) 博覧会等でありますれば私の所管のものが相当あると思います。
  43. 米田勲

    ○米田勲君 いままで国防博覧会に文部省が後援したことはありませんか。後援という立場国民に明らかにして手続をとったことばありませんか。
  44. 齋藤正

    政府委員(齋藤正君) 先ほど申しましたように、私、具体的な問題を記憶しておりませんので、調べてみたいと思います。
  45. 米田勲

    ○米田勲君 あなたはひどいことを言うね。神奈川で行なわれた国防博覧会には、大きなビラに堂々と文部省後援という名入りで国民に発表して行なわれたのですよ。それをあなたが主管の局長として、そういう事実を知らないというのはおかしいじゃないですか。事のよしあしは別にして、そういうことを知らないのですか、あなた。
  46. 齋藤正

    政府委員(齋藤正君) それは私が一々知らなければいけない事柄であることはもちろんそうであります。私の所管のことであります。ただ、かなり後援等についてはいろいろ件数がございまして、私自身が一々のものをいま記憶してないということをいま申し述べたのでございます。
  47. 米田勲

    ○米田勲君 私がそういう国防博覧会を文部省が後援をするという立場をとることは、どういう行政上の責任と権限で行なわれるのかという質問をしたら、あなたは、それを説明しないで、そういうことがあったのかどうか記憶しておらぬから調査してみましょうという答弁をしたから、私は神奈川の国防博覧会を指摘した。私の質問したのは最初のことですよ。あなたが調査するまでもなく、事実は明らかなんです。私は架空なことを言っておるのではない。明らかに文部省はそれを後援しておる。これは事実でしょう。あなたの記憶いかんによらず、これは事実なんです。それをあなたいまごろになって、文部省が後援したかしないかよくわからないというのは、明らかにそれはあなたの怠慢か不見識ですよ。後援しておる。だから、その後援しておるのはどういう考え方に立って後援をしたのか、それは文部省設置法等の法律的な立場、法規的な立場からいうと、どういう責任と権限においてこの国防博覧会に文部省が後援という立場をとられておるのか、それをお聞きしておるのです。
  48. 齋藤正

    政府委員(齋藤正君) いろいろな行政の分野に関連をして、それぞれそれを国民に普及啓発するという点に関連する事業がありまして、それで、それが国民にいろいろ知らせる、展示をするというような事柄である博覧会とかいうようなものの形をとります場合には、社会教育局の後援を求めてくるものがございます。その場合には、その事業を見まして判断して後援するわけでございますが、私お尋ねの具体的な事例を記憶していないと申しましたので、国防あるいは自衛ということについて展覧会、博覧会等が行なわれます場合に、それを後援することは差しつかえないことだと思っております。
  49. 米田勲

    ○米田勲君 これは関連質問から始まりましたがね、私は小林委員の質問が全部完了したあと、予定にはありませんけれども、文部大臣にこのことについてもっと明確なお答えをもらうために、別途質問の機会を与えていただきます。関連質問ですから、これ以上長くやっては迷惑をかけますから中断します。
  50. 小林武

    小林武君 文部大臣もいまおいでになりましたので、文部大臣にも御理解をいただくという立場から、もう一ぺんいままでの話し合いをまとめてみますというと、桜田小学校の五十メートルくらいの近くのところに競馬場外設備をやって、すなわち馬券場外売り場設置する、移転するという問題について、農林省意見としては、いろいろ問題があるようであるから、承認をいまする気持ちはないと、こういうまあ御意見であります。総理府の青少年問題協議会の事務局長意見は、こういう状態であるから、農林省がこれに対して承認を与えないような積極的な協力をしたいというような、こういう趣旨の御意見でした。そこで私は、総理府とか農林省とかというのは、学校の問題については、関係外とは申されないけれども、比較的直接的な関係者ではないと思うのです。そこで文部省として、桜田小学校の問題が起きてから相当時間がたっていると思うのでありますが、一体これについてどういう態度をいままでとってきたのか、対策を立ててきたのかということをお伺いしたいのです。それは決して皮肉で聞いているわけでないのです。農林省態度をきめ、それから青少年問題協議会一つの腹がきまれば、この問題は私はどっちかというと好転していくと思う。生徒児童の立場からいえば望ましい方向に行っている。しかし、この種の問題は、やはり利害に関係する問題でありますから、やはり問題のぶり返しということは十分考えられる。でありますから、ここではっきり桜田小学校の父兄、生徒児童、あるいは教職員に対して迷惑を及ぼさないような結論を出すべきだと考えますので、そのことをお尋ねするわけであります。文部省はどの程度のいままで対策を立てておられるか、現在、一体どういうことになっているのか、その点をひとつ御説明を願いたい。
  51. 杉江清

    政府委員(杉江清君) 桜田小学校の近接地に場外馬券売り場設置することにつきましては、文部省としまして、教育環境を阻害する、また生徒の射幸心をそそる等、教育上望ましくないと考えまして、農林省に対してその意向をお伝えをし、お願いをしておるわけでございます、農林省においては、先ほどお話もありましたように、基本的に地元との話し合いがつかない限り、その設置を容認する考えはないという御答弁をいただいております。現状においては、私ども農林省のそのような考えのもとでは許可される見込みはないものと考えておるわけでございます。今後とも、しかし教育環境上望ましくないと、こういう見解のもとに立って善処してまいりたいと、こういう考えであります。
  52. 小林武

    小林武君 たいへん文部省態度というものは、ぼくは腰が弱いと思う。農林省局長答弁は、私はいまのあなたの答弁から見ればもっとはっきりした答弁だったと思うのです。地元のあれが解決しない限り承認しないなどとは言わないと私は聞いている。やっぱりそういう教育上のいろいろな環境等考えて、現在承認意向がないということをはっきり言っておる。私は文部省がどうしてそういう弱腰になるのか、ちょっと判断に苦しむわけなんです。むしろ逆に文部省のほうが農林省へねじ込むような態度でなければならない。先ほども申し上げましたけれども学校の中に暴漢が入ってきて女生徒に乱暴するというような事件さえ東京都内で起こっているのです。環境の浄化というようなことについては、私は率直に言って、関係当局はもっと真剣でなければならぬと思うのです。場外売り場というようなものがどのような新しい設備をして、ビルディングの中で行なって外部にどうしないとかいうことを言ったところで、また競馬愛好者というものが全部私は悪いとは申しませんけれども場外売り場に出入りする人たちがはたして全部信用できるかどうかというようなことを考えますと、これはいろいろ問題点がたくさんあると思うのです。一体あれですか、文部省はただ阻害するというような点だけを考えて、農林省環境浄化の上からいってどうもまずいという点でやっているのか、たとえばあなたのほうでは、この問題については昭和二十九年の農林省次官通達でも明らかなように、地元の市町村長、東京でいえば区長でしょうが、市町村長の了解を得られない場合には設置できないとなっている。その場合に対して区長との話し合いはどうなっているのか、直接関係教育委員会とは一体どういう関係になっているのか。どうも私の聞くところは、日ごろあまりおやりにならないでおって、何か問題になりそうだから、ちょっと様子をうかがっているというようなことを聞かないでもないのです。一体その区長の態度教育委員会態度というものはどうなっているのですか、それに対して皆さんは指導監督の立場からどういうことをやっておいでになるのですか。
  53. 杉江清

    政府委員(杉江清君) 先ほど申し上げましたことは、経過として事実をそのまま申し上げたわけでありまして、先ほど農林省からはっきり、現段階において認める意向はないという御答弁もあったわけでありますが、私どもは、これは望ましくないという態度でお願いしたときには先ほどのような御答弁があり、現段階においてはやはり設置する見通しはないという御答弁をいただいたので事態を静観しておる。なお、今後ともそういう立場から農林省連絡しお願いしたいと、かように考えておるわけであります。なお、ただいまお話のありました区の教育委員会、都の教育委員会ともに、この設置は望ましくない、こういう態度をとっておるわけでございます。また、私どももそういうふうな区の委員会、都の委員会等についても連絡をいたしておるわけでございます。
  54. 小林武

    小林武君 あまり時間が長くなってもあれですから、文部大臣にお尋ねいたしたいのですけれども、大体地元のほうが非常な反対運動をしておる、それからわれわれが考えましても、ここに場外設備をするということは、これは教育上好ましくない、それについてただいま局長の話を聞きますというと、教育委員会反対しておる、新聞によるというと、区議会において区長も好ましくない、こういう答弁を区議会の中で行なっておる、ここまできたら、文部省としては非常な決意でもって、絶対この問題を再燃させるようなことがないというような決意があってしかるべきだと私は思うのですけれども、そういう働きかけがなされなければならないと思うのですが、一体いかがなものでしょうか。
  55. 灘尾弘吉

    ○国務大臣(灘尾弘吉君) 私は実はその話は具体的に聞いたことがないのであります。何か御質問があるということでそういう話を伺ったのであります。話を聞いてみますというと、もとより学校の近くでそういうことが行なわれるということは、われわれとしましては望ましくないことは当然のことであります。文部省としましても、あるいは関係の地方の教育行政の当局にいたしましても、その態度でもってその実現を阻止するという方向で努力するのが当然のことでございましょう。先ほど来の話で、問題は農林省の権限に属することであります。したがって、文部省としましては農林省にもそのことを申し入れたことと思うのであります。その結果、そのお答えとして農林省もこれを認めない、こういう御方針でありますので、この問題についてはそれでよろしいものと思います。そういったふうな問題が起こりましたときに、文部省がその事実を知り、その事実についての判断をいたしました場合には、これは阻止すべきであると考えましたときには、当然その方向に従って努力すべきであると、さように考えております。
  56. 小林武

    小林武君 それでは文部省農林省あるいは総理府、それぞれの関係の方々は、この問題についてはっきり反対で、設置については阻止するという御方針が確立しているようでありますから、質問は打ち切りますが、ただ私が心配をいたしますのは、そういうはっきりした態度が出ながらも、なお設置に対しての運動が相当激しいように聞いております。したがって、この問題は決して油断がならないと申しますか、安心がならないような状況にあると思いますので、今後とも特段の御配慮を関係当局がしていただくことを要望申し上げまして質問を終わります。
  57. 中野文門

    委員長中野文門君) 速記とめて。   〔速記中止〕
  58. 中野文門

    委員長中野文門君) 速記を起こしてください。  本件に関する質疑はこの程度にいたします。   —————————————
  59. 中野文門

    委員長中野文門君) 教育文化及び学術に関する調査中、大学の運営に関す件を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、これを許可します。米田君。
  60. 米田勲

    ○米田勲君 実は、私のきょう質問に取り上げたい主題は、委員長がいま申し上げられたとおりなんでありますが、多少その前に時間をいただいて、この機会に、通常国会も終わりになりますので、質問をしておきたいと思われることがあります。それは高級公務員の立候補の問題であります。文部大臣ば池田内閣の閣僚で、国務大臣でありますので、まずそういう立場から二、三見解をお伺いしてから、さらに、納得できればそれでやめますけれども、お伺いしたいと思います。  前の衆議院選挙並びに参議院選挙が終わったあと、国民世論の中に、高級公務員がその職を退いて間もない時期に参議院の選挙に立候補したり、院議員の候補として立候補するのはどうも問題があるという世論が非常に激しく起こりました。聞くところによると、政府の与党である自民党の中でも真剣にこの問題はやはり論議をされたと聞いておるわけです。そこで、私は灘尾さんにお聞きをしたいのは、この高級公務員の立候補を問題にするのはどういう理由と根拠によって問題にすると把握されておるのか、その点の見解をまず簡単にお聞きをします。
  61. 灘尾弘吉

    ○国務大臣(灘尾弘吉君) 米田さんにすでにはっきりした御意見があるのじゃないかと思うのですが、私にお尋ねでございますが、この問題が国会の内外において論議せられておりますことは私もよく承知いたしております。ことに選挙のあとになりますというと、必ずこの問題が大きな波紋を巻き起こしているということは、われわれも承知しております。高級公務員の立候補という問題についていろいろな御意見があると思うのでございます。その御意見が何から起こってくるかということは、言われる人によっていろいろあろうかと思いますけれども、私はこの問題につきましては、高級公務員がその地位を利用いたしましてそうして選挙に臨む、こういうところがおもしろくない、こういう点にあるのではなかろうかと思います。
  62. 米田勲

    ○米田勲君 私も文部大臣の考えておられるように、国の行政の相当高い立場にある人がその位置を利用し、あるいは近くやめたその立場であったことを利用して選挙活動をやるということは、国の行政を正しく公平に進めていくという立場から見て問題があるというのだと私も思うわけです。これは、あちこちで識者の間で法制化して制限してはどうかというきつい意見さえもあったわけであります。まだそのことは具体化していないけれども、これはやはり国民の基本的な権利と直接関係がありますから、直ちに法制化するということがはたして妥当かどうかについてはよほど論議を要するところだと思います。そこで、文部大臣にお尋ねをしますが、これは単なる風聞で、実現をしなければ杞憂に過ぎなかったということで、まあまあよろしいんですが、私の今日まで調査をしたところによりますと、現在あなたのところの文部次官をしておられる内藤誉三郎君は、今度の参議院選挙の候補者として立候補を決意し、それぞれの方面に働きかけているという話を具体的に聞いておるわけです。このことを考えますと、かつて国民の世論の中で相当問題になったことが、いまや具体的に文部省の中から実現しようとしておる、こういうことで、私はやはり文部大臣としても相当御考慮を願わなければならぬという立場でお伺いをするのですが、そういうことは私は聞いておらぬと、そういうことではなく、内藤次官の参議院議員候補者としての立候補と現在行なっておる選挙活動——具体的に申し上げてもいいのですが、それは証拠がどうのこうのということになりますから、ここで立証するということはできませんが、私も相当知っておる。このことについて大臣どうお考えになりますか、さきの高級公務員の立候補問題と関連して。
  63. 灘尾弘吉

    ○国務大臣(灘尾弘吉君) 高級公務員が立候補する問題について、お話にもございましたように、それを法制上認めるか認めないか、こういうような議論があるということは私も承知しております。ただし、やはり事の性質上、それが立候補する資格なしというわけにはまいらぬだろうというのが一般の御議論だろうと思います。したがって、文部省の高級職員が参議院その他の選挙に出るということは、これはあり得ることであります。ただいまお尋ねの問題でございますが、事務次官の内藤君が次の参議院選挙に出るか出ないかということにつきましては、私はまだ内藤君が参議院に立候補する意思を確定いたしておるものとは考えておりません。しかし、出る希望を持っているということは私も承知いたしております。その希望を持っておる内藤君の問題でございますが、皆さんお互いに選挙をやるものでありますから、出ようか出まいかということを考えます場合にもいろんな方面に御相談をする、あるいは打診もしてみる、こういうことはあることであります。私はそういう意味で、現在、内藤君がその希望を持っていろいろ各方面の先輩、友人その他の方々の意向を打診してみるとか、相談をしてみるとか、こういうふうな、語弊があるかもしれませんが、いわば立候補の準備というような意味で、あるいは何かやっておるかもしりません。そのことは私はあり得ることと思うのでございますが、いよいよ立候補の意思をきめたというふうにはまだ私は聞いておりません。
  64. 米田勲

    ○米田勲君 いかがですか、文部大臣。高級公務員の立候補の問題が世論のきびしい批判を浴びておるさなかに、文部次官の内藤君が参議院の候補として立候補するということは、文部大臣の高い立場から考えた場合に、そういうことは望ましいことだとお考えになりますか、一般的に論じて。
  65. 灘尾弘吉

    ○国務大臣(灘尾弘吉君) 私もある意味におきましてはかつての高級公務員でございます。しかし、これはだいぶ長い間の時間が経過いたしておりましたが、この立候補するかしないかというような問題について、御本人がぜひ出たいと、こういう気持ちをもっておやりになることにつきまして、文部大臣としましては、それは適当であるとか、不適当であるとかいうふうなことを申し上げるわけにはまいらぬと思うのでございます。
  66. 米田勲

    ○米田勲君 文部大臣の立場としては、それ以上のことは見解を明らかにすることはできないと思いますが、ただ、このことはいかがですか。文部次官として現役の内藤君がその職をやめないで、文部行政の相当の高い位置の仕事を進めるかたわら、全国のあちこちに向かって、これは打診をする、意見を求めるという程度よりも、私の調査し、聞いておるところによると、もっと具体的な活動とみられる行動をとっておるんです。国民が選挙に立ちたいと考えてそれぞれの関係者に意見を求めたり、あるいはもし立つ場合があればということでいろいろ相談をするということはよろしいでしょう。しかし、私は問題なのは、高級公務員の立候補の問題が制限をすべきでないかというような法制化の問題まで激しく論じられておるときに、現職の事務次官が、その立場をやめないまま現にその種の行動をとっておるということは、少なくも私ば文部大臣として妥当な行動ではないということだけは明確にされてしかるべきだと思うわけです。この点はいかがですか。
  67. 灘尾弘吉

    ○国務大臣(灘尾弘吉君) 内藤君が現にどういうことをどこへ行ってやっておりますか、私はよく承知いたしておりません。ただ、こういうような問題はいつからいつまでというふうに限るわけにもまいらないと思います。やはり内藤君としましても、そこらのことば十分考えて行動はしておると思いますし、また、そうしなけりゃならぬはずのものと私は思うのでございます。適当な時期にはそれぞれ自分の出所進退は明らかにせられるものと私は考えております。
  68. 米田勲

    ○米田勲君 私は、法的に言えば相当むずかしい論になりますから、いまは一般的な立場で見解を求めているんです。現職の事務次官がその立場をやめないまま選挙運動に類することをいろいろな機関に対して働きかけておるということは、私はこれは文部行政上望ましい形ではないと、少なくともそう思われるんですが、そうは文部大臣はお考えになりませんですか。
  69. 灘尾弘吉

    ○国務大臣(灘尾弘吉君) どんなことをどういうふうにやっておるかということはわかりません。先ほど申し上げましたように、出ようか出まいかということは、出たいという気持ちを持っていろいろやっているものについて、そうやかましく、選挙のことは一切次官の間は考えてはいけない、またそれについては何もしちゃいけないと、こうまで言うのは私はいかがであろうと思います。本人がほんとうにやるつもりを持って具体的に選挙の準備を始めたということになりますれば、賢明な人でありまするならば、必ず進退についてはお考えがあるだろうと思います。
  70. 米田勲

    ○米田勲君 しつこいようですが、灘尾さん、私はどうも灘尾さんの御見解は納得できないんですな。私はそういう意思を持たれることは、まあ現在の法規のもとにおいては不法だとか何とかいう結論は出せません。しかし、現職の事務次官の位置にあることをやめないで、その立場そのままで、一方には文部行政を進め、一方には自分の立候補の下準備を着々固めて行っているということは、これは望ましくないということだけは明確でないですか。灘尾さんは、内藤君が何をしているかわからぬから、何とも言えないという立場だろうけれども、それじゃ、そういう事実が立証されれば文部大臣として見解が述べられますか。
  71. 灘尾弘吉

    ○国務大臣(灘尾弘吉君) 私は内藤君の心境についてはある程度承知いたしているつもりでございます。目下は出るべきか、出るべきではないかどうかというふうなことの判断をいたしますために、いろいろなことをやっていると思うわけでございまして、いよいよ出るというような考えをきめるのも、そう遠いこととは実は思っておりません。そういうふうな場合に、いよいよ出るつもりで動き回るというふうなことが適当かどうかということになりますと、私の意見もあります。内藤君の気持ちは、私はわかっているつもりでございますので、私はしかるべき時期において、もし出るということになれば、十分それだけのことは考えておられる人と、かように考えております。
  72. 米田勲

    ○米田勲君 これは主題ではありませんので、もうあと簡単にこの問題は打ち切ろうと思いますが、私はこういうことを文部大臣に強く要請しておきます。内藤君に対して、公務員の立場を逸脱するような選挙運動に類する行為、あるいは国民にそう疑わしめるような行為をしてはならないという厳重な警告だけはしてもらいたい。それはまた私は当然なことと思います。これが第一点。第二の点は、おそらく私は、私のいままで調査した条件からいって、内藤君は立候補することになると思います。その場合に、文部大臣にはこういうことを強く要望しておきます。彼は、現在の働きかけの状態から見て、どういうことが予想されるかというと、全国都道府県、市町村の教育委員会に対して選挙運動の支援を要請していると思われる節があります。それから日教組でない教師集団があります。これは日本教師の会、その他であります。この教師集団に対して支援を要請している事実があります。それから都道府県、市町村の、従来、文部省との間でいろいろ行政上の関係のあった向きに対して、万一立候補した場合には御協力をお願いしたいというふうに疑われるような、そういう働きかけをしております。あるいは小学校長会、中学校長会、高等学校長会、こういう校長の全国的な組織に対しても、彼は立候補した際の支援を要請をし、それらしい疑わしい行動を現にとっております。それが事実であるかないかの立証は、これはここでは無理でありますけれども、そういう現在の傾向から見て、この行為から見て、一たび選挙運動が行なわれれば、私がいま指摘したような機関は、内藤君の選挙運動のために多分に活動するきらいがあり危険性があります。したがって、文部大臣としては、内藤君が一たび立候補を明らかにした場合には、私がいま指摘をしたそれぞれの機関、これはたいてい教育関係のそれぞれの機関であります。その機関に対して厳重に、そういう内藤君の選挙活動に対する間接直接の支援はすべきでない、これはそういうことをすべきでないということを強く行政指導してもらえるかどうか、私はしてもらいたい、それが当然だと、いままで文部省は、日教組などの選挙に対する行動について、どうも選挙運動をやるおそれがあるからといって、全国の都道府県教育委員会や市町村の教育委員会に、厳に教員の行動を監視しろという通達を流した例もたびたびあるのです。それを思い合わせると、一方の内藤君に対するその選挙運動の向きに対しては、全然われ関せずということではおかしいのじゃないかという疑問も私は強く持ちますので、この二点を文部大臣に強く要望しておきます。簡単でいいからお答え願いたい。
  73. 灘尾弘吉

    ○国務大臣(灘尾弘吉君) おあげになりましたいろいろの団体名でございますが、私はそれらの団体が一体選挙運動をなし得る団体であるかどうかということを考えました場合に、選挙運動というものについては、なし得ない団体であれば、もちろん幾ら内藤君がおっしゃいましたところで、やるはずはないし、また、やらすべき筋合いでもない、このように考えております。何さま実態においてはっきり私はわかっておりませんので、かれこれ申し上げることもいかがであろうかと思いますが、文部次官の地位を利用いたしまして、そうしてなすべからざることをやるというようなことは、これは認めるわけにはまいりません。そういうことでございますので、良識のある内藤君として、そう間違ったことをやるはずはないと思いますが、もしそういうことがあれば、もちろん御注意もしてよろしい、かように考えておる次第でございます。
  74. 米田勲

    ○米田勲君 灘尾さんにお願いしておきますが、通り一ぺんのそういう話ではなく、このことは必ず起こってくる問題でありますので、本日は強く要望しておいて、この質問は打ち切ります。ひとつ善処を強く重ねてお願いしておきます。  次は、主題の大学の運営の問題でありますが、これは私、現在まで、大臣には一度もお会いしてこの問題を話したこともありません。それから大学局長とも一度もこのことではお話し合ったことがない、文部次官の内藤君とは何回もこの問題について、相当具体的なことを私は話し合っておるのであります。そこで、私はお伺いをいたしますが、結論を先にお聞きします。学芸大学札幌分校の主事の推選については、すでに昨年暮れ早く所定の手続を経て文部省に城戸学長を通じて推選してきているはずでありますが、今日なおこの発令を見ておりません。内藤君にお聞きしますと、七月一日付で発令をしたい。しかも、その任期は十月ないし十一月という、わずか四カ月くらいの内容の発令をしたいという考え方を持っておるようであります。私はいろいろこの経過について、これからどういう考え文部省はこの問題を処理してきたのか、大学の運営、大学の自治、そういう問題から見て、これ以上私は委員会の問題にしないわけにはいかぬので、ここで最初、どういうわけでそのような事態になっているのか、今後どうしようとなさっているのかの結論を先にお伺いしたあと、経過について疑義がたくさんありますのでお尋ねをいたします。どうぞひとつお答えを願います。
  75. 灘尾弘吉

    ○国務大臣(灘尾弘吉君) 札幌分校の主事の問題でございますが、私はこのように事務当局から聞いておるのでございます。昨年の十月に学長から、札幌分校主事の発令方について上申がありましたが、その選任方法について、学内の規程に抵触しておるように考えられますので、再検討を要望いたしましたところ、本年二月、学内規程の一部改正を行ないまして、規程上は整備せられたと思うのでありますが、しかし、その後、新規程による候補者の選任というものを行なっていないのであります。従来の候補者をそのまままた上申してまいりましたので、その取り扱いを今日まで検討してまいったというのが従来の経過と、かように私は聞いております。
  76. 米田勲

    ○米田勲君 城戸学長が文部省に、この分校主事の推選手続をとったのは去年の十一月十八日であります。そこで、いま文部大臣のお答えをいただいたことばと対照して私はお伺いをしたいのですが、この推選の手続をとる以前の学大札幌分校における手続は、文部省の側から言わせればいろいろ異論があり、意見がおありのようですけれども、しかし、明らかに学大分校の内規に従って所定の手続を経て推選をされたものであると私は理解をしておる、調査の結果。それと、過去この申し合わせば、昭和二十八年に内規ができておるのですが、自来十年間、北海道の学芸大学の分校が四つありますが、この四つの主事の人事の推選については、その内規どおり行なってきて何ら文部省がいままでは異論を差しはさまず、推選をした人物を発令してきているのであります。ところが、今回に限ってはいろいろこれを問題にして、とにかく今日まで発令しておらぬのであります。そこで、文部大臣も事の成り行きを次官からよくお聞きだろうと思いますけれども、私もこのことにいろいろ——私もあの建物で学んだ一人である関係から、円満な解決がつけられればよろしいなと思って間接的には心配をした一人でありますが、なるほどこの従来の学大札幌分校の内規といいますか、その内規は、文部省側から言わせると、助手などをこの推選会に出す第一次の選考をする場合に正式なメンバーとしておった慣行を指摘されて、これはうまくない、助手などは、この第一次の推選の機会に教授や助教授と同列に加わってやるべきものではないと、こういう指摘をされたのであります。いままで学大分校としては、そういう内規で進めてきて何ら問題にならなかったことではありますけれども文部省側から指摘したそのことについては、なるほどその点は若干問題があるというので、これは文部省の御意見に従って推選会のやり直しをしておるのです。ただ、この場合やり直しをしてきて、助手などをはずして第一次の推選をし、そこで何人かの人が推選されたのをこの推選会という正式な学大分校の規程に従った機関にかけた。そのときに選挙の手続をとるように内規はなっておらぬのである、明記されていない。しかし、とにかく明記はされていないけれども、助手などを加えて第一次推選会をやってはいけないという文部省の要請をいれてやり直しをしてやってきたのにかかわらず、今度は何に文句を言いだしたかというと、なぜ選挙の手続をとらぬのかということを今度は言いだしたわけだ。しかし、この問題は内規がそうなっていないのですから、従来、十年間もその問題を指摘されたことはないのですから、いま推選をしてきたその人物を、選挙をやらないからだめだということは、私は文部省の言いがかりであり、横車だと思うわけです。しかし、事を円満に運ぶ必要があると私も考えましたので、次官とも話し合い、その後、城戸学長とも話し合い、あそこの教職員の諸君も慰留して、そして内規の自主的な改正をみたのであります。ただし、このときにはこういう了解であったのであります。自今、推選をする場合には、新しくできた内規、つまり選挙の手続を具体的にとって推選をするというその改められた内規によってやるけれども、すでにもう出されておる候補者、推選されておる人は、前の規程によって出されておるのであるから、そのことだけは発令を正式にしてもらわなければならぬ、次回からは文部省の言われるように自発的に内規を改正したその内規に従ってやります。こういう了解がついて、内規はさっき文部大臣が言われるように改正したのです。そういうふうに何度も文部省指導に従ってすなおにやってきたにかかわらず、いまだに、もう相当期間を経ているのに発令をしない、しかも発令をするらしいその内容は、わずか四カ月の任期である。これは学大分校の内規にも明らかなように、任期は二年となっておる。それをわずか四カ月という拘束した内容の発令をしようとしておるのは、私は従来の手続からいい、また、文部省指導に応じてすなおに推選会のやり直しをし、将来にわたっては内規をわざわざ積極的に改正をして文部省の要請に応ずる体制をとっているのに、なぜ、この推選された人物をどうしてもああだこうだといって発令しないか。これは結論づけるのに、私は大学の自治というか、大学の運営に対して、あまりにも文部省は手を入れ過ぎているんじゃないか、あまりにも横車を押し過ぎるんじゃないかということを感じますが、文部大臣いかがでしょう。
  77. 灘尾弘吉

    ○国務大臣(灘尾弘吉君) 詳細な経過、今日までの取り扱いにつきましては、私が申し上げますより局長からお答え申し上げたほうが正確かと存じますので、そのようにいたします、御了承願います。
  78. 中野文門

    委員長中野文門君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  79. 中野文門

    委員長中野文門君) 速記を起こして。
  80. 小林行雄

    政府委員小林行雄君) 札幌分校の主事の選考につきましては、これは学芸大学の分校主事選考規程並びに分校主事選考に関する内規という各分校共通の内規がございます。ただし札幌分校におきましては、この内規以外に、分校主事選考実施要領という従来特別の申し合わせを持っておりまして、現実にはこの申し合わせに従って分校主事の選考をやってきておりました。この申し合わせそのものが、ただいま申しましたような選考規程並びに内規に違反する点があるというふうに文部省考えまして、この申し合わせの廃止ということを従来から指導をしておったのでございます。と同時に、先ほど申しました主事選考に関する内規では、この分校主事候補者選考会は、当該分校専任の教授、助教授及び講師をもって構成するというはっきりした明文になっておりますのですが、実際はそのほかにも助手の方を入れて推選会を構成しておった。これもやはり分校主事に関する基本法に違反するので、こういう点は改めてもらいたいということを申しておったわけでございます。と同時に、ただいまも御指摘がございましたように、札幌分校ではこの内規以外に申し合わせをしておりまして、「分校主事候補者の選考を行なう者は、札幌分校に勤務する常勤の文部教官並びに常勤の文部事務官、文部技官、事務員、技術員、技能員、用務員、非常勤職員にして満二十歳以上の職員」というようなことで、非常に広い範囲のいわば選考権者というものを認めて第一次的な選挙をやっておったのでございます。この点について改めてもらいたいということを言っておったわけでございますが、しかし、城戸学長は、現在の段階ではそういうことを急速に改めるのは不可能である、予備選挙的にそういうものを認めてもらいたいというお話がございまして、私どもも急速に事態を全面的に切りかえるということが困難ならば、せめて選考会の推選は規程どおりにやってもらいたいということでお話をしたわけでございます。その結果、先ほどお話のございましたように、推選会のほうは助手を除きまして教授、助教授及び講師をもって構成することに実際上改められました。また、第一段の予備選挙の結果をそのまま推選会で承認するような話し合いということになりますと、第一段の予備選挙の結果が、そのまま教授、助教授、講師の選考を具体的に経ずに学長に上申されるということも考えられますし、また、一部にはそういう不満もあったように聞きましたので、やはりあとくされのないように推選会でははっきりした選挙をやってもらうほうがいいのではないかというお話し合いをしたわけでございまして、そのお話し合いの結果、規程の改正が今年の三月上旬に行なわれたわけでございます。その結果に基づきまして城戸学長とお話をし始めたわけでございますが、三月の下旬に、御承知のように城戸学長は病気になられまして、自後約五十日にわたって御入院になっておったわけでございますので、その間にお話し合いができなかったわけでございます。五月の中旬に退院になられまして、東京においでをいただきましたので、先日その点についてお話し合いをしたというのが最近までの実情でございます。
  81. 米田勲

    ○米田勲君 局長、私は今回のその経過は詳しく知っておるのです。ただ、あなたにお尋ねをしたいのですが、過去十年間、学大分校の主事の人事の問題についてあなたのほうではいろいろ申されておったのかもしれません、行政指導なされておったのかもしれませんが、今回のごとく異論を唱えて発令をしなかったということはないんです。従来は指導はされておったでしょうが、とにかく発令は推選された者を円満に発令をしておった、そういう過去の実例から照らして、今回だけ非常に問題にして、急速に問題にして、何としても発令をしないというのは異例のことのように思われる。そこに何らか他意があるように思われてならないのです。これは他意がある、事実調査してみると。ですから、私は行政指導なさっておられたことは理解されても、十年間もとにかく円満に推選された者に発令してきたのにかかわらず、今回は何が何でもというので発令をしないということは、まず納得ができないんですよ。それからもう一つは、これは助手などを加えて第一次の推選会というのを内規をこしらえてやっておったことは事実であります。それを、従来はそういうことをやっておったからだめだと言われたこともないのだが、しかし、今回それを指摘されたからやり直しをしたのですが、これは教職員の間でも相当大議論をやりましたが、しかし、このことは本則にははっきりしていることだし、除いてやるべきであるという学長の指導が通ってやり直しをしたのです、はっきり。だから、その点については文部省側も異論がないはずなんです。ところが、今度は選挙をしなかったということを強く言い出した。しかし、選挙の手続を経なきゃならぬということは内規に書いてないのです。だから、私は選挙の手続をすべきだという行政指導は必要であるかもしらぬが、第一次推選会のことは妥当でないという指導にこたえて推選会のやり直しをしたんだから、それは文部省の言うとおりにそのメンバーとしては置きかえたんだから、これはその点で納得した。学長もぜひこのことについては発令してもらわなきゃならぬと再三再四文部省に来て言っているはずです。それでぼくは当然発令すべきだと思う。その上にさらに次官が強く内規を改正してくれぬかということを言われるので、条件つきで内規の改正に応じた。これはもういま事がここまできたから明らかにしますが、発令はいたしましょう、従来の内規に従って推選されてきた者は発令はいたしましょう、しかし、自今私らの行政指導に応じて選挙の手続を経るように内規は変えてくれ、こういうお互いの話が成立をして、学長はずいぶん苦労をされて、私もあそこの教職員組合とはだいぶ議論をやったことを記憶している。そうして学長に協力すべきだと私が主張して、みんなも事の成り行きを理解してくれて、ついに内規は選挙の手続を経るように改正になった。ですから、私はその経過から見て、これ以上なおかつ文部省が横車を押して選挙の手続を経ないということを理由にして、さらに発令に対して異議を唱える、発令しない、発令してもその内容ははなはだしく妙なものにしてしまうということは、これは大学の運営に対してあまりにも文部省の行政権限が入り過ぎておる。そこまで何がゆえに大学の運営について介入をしなければならぬのか、私は納得ができないのです。その点を問題にしているのです。従来の経過については私も知っているから、局長の言われるとおりであることも知っているし、また、局長の側でも指導に応じてそれぞれすなおに従ってきているし、その途中、最後の内規の改正の際には約束まである。それは学長と明らかに次官はその話し合いをしているはずなんです。そのことをすなおにやったら、また別な理由を持ち出してきて発令をしないというのは、これはどういうわけなのですか。私はほかの大学の人事について、これほど横車を押し、これほど文部省がひどい仕打ちをしている例はあまりないのではないかと思う。その推選されて出た人物はいろいろ批判がある向きもあります。しかし、少なくも学長が責任をもって所定の手続を経て推選をしてき、その過程においては次官との間に約束まであるのにやらないということは、これはあまりにもひどいのじゃないか、こういうふうに前々から考えていて善処方を要望しておったのです、私も。ところがこの通常国会の終わるいまになってもまだ発令をしようとしないし、発令内容は、聞くところによると先ほど申したような不当なものである。これは誤りではありませんか、あなた方のやり方は。その点はいかがですか、局長にもう少し見解をお伺いします。
  82. 小林行雄

    政府委員小林行雄君) 北海道学芸大学の札幌分校でございますが、これは御承知のように、全国の教員養成大学の中で、中学校の一斉学力調査ができなかった唯一の学校でございます。そういうことがございましたものですから、その原因等につきましては当時いろいろと調査をいたしたわけでございます。ところが、まあ学内の管理運営が必ずしも適正に行なわれていない、その原因は、やはり管理機構等が十分に整備されていないというように私ども判断をいたしたわけでございまして、当時、北海道学芸大学長に対してその点について注意を喚起したことがございます。先ほど申しました、要するに選考規程並びに内規にはずれたような実施要領という申し合わせができましたのが、ただいま申しました一斉学力調査が行なわれなかった時期とちょうど遭遇いたしておりますので、この管理運営の機構の整備ということについては、私どもも十分大学お話し合いをしなければならぬという考えで従来おったわけでございまして、それ以前は北海道学芸大学札幌分校もそれほど混乱というものがなかったように私ども聞いております。したがって、当時は文部省もあまりこの点については特に注意をしたということじゃございませんし、先ほど申しましたような申し合わせもなかったわけでございますので、この規程どおりに分校主事の推選が行なわれておったということで、そのまま発令をいたしておったようなわけでございます。この推選会における選挙のことにつきましては、推選会における助手の除外ということと、それから推選会における選挙とあわせて当初から私どものほうで御注意を申し上げておったことでございまして、別に助手を除外したあと、さらに私どものほうから追っかけて選挙せよと言うたものではございません。なお、先ほど申しましたような二段選挙の行なわれておりますような大学は、わりあいに実はケースが少ないわけでございまして、したがって、推選会では特にそのままその第一段の予備選挙の意思が決定的になるということは必ずしも好ましくない、やはり大学の運営について責任の持てる教授、助教授、講師というような方々の選考を経て、その分校主事の候補者はきまるべきものであると考えまして、その線に基づいて私どもお話し合いをいたしたわけでございます。先ほどお尋ねのございましたような、いろいろな経過がございましたので、私どもは御推選のありましたその個人の方についてどうのこうのということを考えておったわけでございませんので、御推選の選考の経過についていろいろと御相談をしておったわけでございますが、だんだん私ども考えておったようなことに大学当局の御努力でなってまいりましたので、ただいまこの発令について検討をいたしておるところでございます。
  83. 米田勲

    ○米田勲君 どうも局長の言われていることは一般的なことを言われているのでね、肝心なことについて明確でない。内規に違反してやってきたので、推選をすなおに受け入れて発令できないという個所は、私が特に指摘をするとすれば、その第一次選考会で助手を加えておったという個所なんです。これは正当であるかないかという論は二つありますよ。これは文部省の主張しておることが正しいかどうかについては問題があるとしても、内規の中には教授、助教授、講師となっておりますから、その点を踏まえれば、助手を加えることは、まずこの場合妥当でないだろうというので、それを除いてやったのでしょう。局長はこういうことを言われるけれども、私はそれは妥当でないと思う。たくさんの者が集まって、適当な人物を、かりに何人か、この人がいいでしょうと話し合った、しかし、正式な推選会で、教授、助教授、講師の正式なメンバーが、そのことについて検討をした限り、そこは形式的に通過したとか、無責任にそのことを審議したとかいうことをきめつけることはおかしいんじゃないか。私はやはり、だれがどんなことをその前に言っていようが、どういう人であろうが、少なくとも正式な内規できめられた機関にかけられているのですから、それは形式的なものであったとか、十分な選考が行なわれなかったのじゃないかとかいうのはおかしい。私はやはりそれは正式な手続を経たと判断することが正しいと思う。   〔委員長退席、理事北畠教真君着   席〕 その点については、いけないということは、むしろ文部省側の言い方がおかしいんじゃないか。それで、最近まで文句を言っておったのは、選挙の手続によらなかったということを強調しておったのです。第二段目の攻撃としては、あなた、直接攻撃しておったかどうかは知らない。知っている人は、次官がこのことについて当たっておったと。その選挙の手続は内規にないのでしょう。内規にないのだから、推選会が推選をきめ、学長に答申をし、学長に責任をもって上申しているのですから、そのことについてはぼくは異論を唱えるのはおかしいと思う。しかし、文部省側の選挙という手続を経てくれという行政指導があったことは認めます。そのときにも、この次からはその改正したものによって行なうようにするんだという条件つきで、それぞれ学長はみんなを説得して内規の改正をやってのけた。そういう学長の積極的な努力をした立場から考え、そのときの約束からいっても、直ちに発令をすべきものではないか。その点が私は問題だと思う。何を好んで、いまごろまで発令をしない根拠があるのか、何が問題なのか、問題は何か、それをはっきりさしてくれればいい。
  84. 小林行雄

    政府委員小林行雄君) 御指摘のような経過がございました。要するに、選考に関する規程、内規の改正の作業について、大学の当局が努力をしてくれまして改まったわけでございますが、この規程に従って、ほんとうであれば、選挙をやり直してさらに推選があるべきものという意見が実はあったわけでございますが、しかし、その規程改正の経過等ともにらみ合わせまして、その発令について城戸学長と話し合いをしようということであったわけでございます。先ほどお尋ねにもお答え申しましたように、城戸学長が約五十日間入院されたというような思いがけない事態があったわけでございますので、その間に話し合いができず、今日に至ったわけでございますが、私どもとしては、近々、大学の内申に従って発令をするように進みたいというふうに考えておるわけでございます。
  85. 米田勲

    ○米田勲君 まだ納得できないのです。あなたは今日まで発令しなかったのは、城戸学長が五十日入院しておったから発令できなかったと言っておりますが、発令と何の関係がありますか。城戸学長が入院したこともこのことに関連しているのですよ。非常に精神的に疲労をして、お年寄りの方ですから、大学の先生方と文部省の板ばさみになってしまって精神的に非常に疲労されたのです。だから、むしろあなた方が約束どおりに発令をしてくれれば、城戸学長は入院しなくてもよかったかもしれない。それを逆に、城戸学長が入院しておったから発令しなかったというのは、それは理由にならぬですよ。何も悪いところはないでしょう、推選手続に、学長の上申に何か不備がありますか。それとも、いまごろになってから改正した内規に従って選挙をやるべきであるなどということは、話が筋違いじゃありませんか。大体、学長の、内規を改正するときの約束があるでしょう、さっきも何べんも言っている。内規を改正したら、開き直って改正した内規でもう一ぺんやり直してこいというのは、全くぺてんでないですか、やり方が。私は巷間行なわれているぺてんに似ていると思う。この次からは、内規を改正した、その選挙によることでやってくれよと、今度はこの内規によって発令したことを認めましょうと、こういう約束で学長は教職員を納得させたのですよ。とにかく発令をして推選どおりしてくれるのだ。しかし、文部省指導もあることだから、今度はやはり選挙という具体的な手続を経るようにするほうがより妥当だという説得を精力的に行なって改正した。これだけの苦労を学長にさせておいて、ぺてん師のように発令をまだしないで難くせをつけるので学長は入院するような羽目におちいるのです。そうではありませんか。局長は、私はその首謀者だとは思っていない、私はいきがかりを知っているから。あなたを責めるのは無理なんだ、あなたでない人が頑強なんだ。しかし、あなたは当面してやっぱり大学学術局長だから責任があるわけです。あなたが突っ張っておったのではない。どうも文部省のやり方は私には納得ができないのですよ。それほど因縁をつけてなぜ人事問題をここまでこじらすのか。いまだに札幌分校には主事がおらぬというありさまでしょう。それほど城戸学長との約束を守らないで彼を苦しめるということが大学をりっぱにすることなんですか。先ほどあなたの発言の中に、ことばじりをつかむわけじゃないのですけれども、札幌の分校の運営は混乱しているというようなことがありますが、私は何が混乱をしているのだといってお聞きしたい。そんなことは答弁は要りませんが、そういう一方的な見方で今度のやつに因縁をつけて、そうして発令をしないというのは、あまりにもやり方がひど過ぎる、政務次官、あなたは事のいきさつは知らぬだろう、いままで私が言っていることに間違いはない。局長の言っているのも、私の指摘しているところに納得のできない個所を含みつつ答弁しているのですよ。文部省が今日まで発令しなかったことは、これは文部省立場をいけないという私の結論なんですが、政務次官、話を聞いてどう思いますか。
  86. 八木徹雄

    政府委員(八木徹雄君) 率直に、正直にひとつお答えしなければならぬと思うのですが、実は大学の人事といったようなことは、私が判をつかなければならぬという課題ではないと考えておりますので、いままで、そのことについてひとつ自分のところを経由しなければならぬというようなことは申しておりません。その意味で、正直このことのいきさつ全体を知っておるということではありません。しかし、札幌分校の問題は、現実にこの問題の焦点になっておりますので、いささかは知っておるわけであります。経緯については、先ほど大学学術局長からお話しいたしましたとおりであるわけでございますが、その助手を除いた推選のしかたにしなさいという言い方にいたしまして、そしてそれが忠実に守られたということは間違いございません。また、その結果として、久田教授が推選されてきたということも私たちも承知をいたしております。しかし、これはここからが正直なことなんでございますけれども、正直に申しまして、その久田教授が推選された経緯というものについて、いわゆる新しい選任方式がきまった後のこの推選された者が公正に推選された者であるかどうかということを確認をしたいという気持ちがございました。その意味において、この学長に真相を聞きたいという気持ちでございます。で、その結果、先般、全国の国立大学の学長会議がございまして、学長城戸さんが上京してまいりましたので、城戸さんから、その新しい推選方式に基づく推選された実態というものも聞いたと思います。私が知っておる限りにおいては、まあこんなことを——大学局長がなかなか答えないものを私が答えるというのもおかしいと思いますけれども、私の聞いておる範囲では、七月の一日付で発令をされるというふうに聞いておるのでございます。多分そのようになるのではないかと、こう思っております。いろいろ経緯がございまして、たいへん御心配もかけた課題でございますけれども、近々のうちにこの検討、処置をしたいというのは、七月一日付でもってやりたい、こういうふうに御理解いただいて間違いはないのじゃないかと、こういうふうに考えるわけでございます。
  87. 加瀬完

    加瀬完君 ちょっと関連して。ひとつ議事の進行上確認をしていただきたいのですが、米田委員指摘しているのは、形式が不備であったので、この点は形式を整備する、そういうことを条件に今回の推選はそのまま認めてもらう、こういう点が了解をされた、こう指摘をしているわけですね。これは文部省もそのまま認めてよろしいですね。
  88. 小林行雄

    政府委員小林行雄君) 私どものほうで、昨年の十月に内申をいただきました当時、この選考の結果は、先ほど来申しましたような選考の経過に瑕疵があるので、この規程そのものを改めていただきたい、まずその規程改正の作業をしていただきましょう、こういうふうに申し上げたわけでございまして、それをそのまま、当時、昨年の十月でございますが、それをそのまま、規程が改正されたら発令いたしますというような約束はいたしておらぬと思います。
  89. 米田勲

    ○米田勲君 それはおかしい。それじゃ、ここに事務次官の内藤君を連れてきてくれ。これは、横路代議士とぼくと内藤次官と三人で話し合いの上できまったことを城戸学長に伝えた。明確です、この点は。それは内藤君は越権であったかどうかはぼくは知らぬわけですよ。少なくとも相手は内藤次官なんだから、三人の話し合いは、こんな——すべて大学が教職員を間接的にでも説得をしてくれて、学長の内規改正について協力をしてほしい。しかし、それを改正したから、それをたてにとって推選をこの手続によって新たにやり直せとは言わぬ。今回のときには、いままでの内規でとにかく推選をするという話をして、そこで明確に約束されたわけだ。それを城戸学長に伝えたんだ。だから、城戸学長は学内に帰って説得をして、あなたの知っているように、内規は改正された。その約束をしていないということを局長が言われるのは、局長と約束したのではないから、局長は知らぬと言えばそれまでだが、それでは内藤次官を特にここへ参考人として呼んで対決をします。明確に三人で話し合ってきめたんだ。それは正式なものではありませんよ。もちろん、正式な場所ではありませんから。しかし、その約束を城戸学長に次官から話しをしているのです。ですから、これは約束されたことですよ。それは大学局長がそのことに直接タッチをしているとかいないとかは、部内のことですからわれわれは知らぬ。しかし局長がタッチをしていないからといって、そんな約束はしていない、そうとは言わせませんよ。どうしても政務次官も口をそろえて言うなら内藤君をここへ呼んでもらいたい、私は対決をする。
  90. 小林行雄

    政府委員小林行雄君) 昨年の当初の十月のときの私の知っておりますいきさつを申し上げたのでございまして、その後、いま米田先生御指摘のお三人の話というようなことは、私、約束していないというふうには申し上げません。あるいはあったかもしれませんけれども、当初はまず規程の改正の作業をしていただきたい、その結果を見せていただきたいということでいったわけでございます。いまのお三人の約束というのは、おそらく二月、三月ころのお話ではなかったかと思いますが、私はそれは約束していないとは申しませんけれども、はっきり、それができたらそのまま内申のとおりにやるという固い約束というところまでは私は確認はいたしておりません。
  91. 米田勲

    ○米田勲君 それではあなたはなぜ内規に基づいて推選をしてきた——第一回にやってきたときば、それは第一次選考会に助手が入っていたから、これは文部省のいうようにやり直した、内規どおりに。ですから、これからあとは異論を唱える個所はないはずですよ。それをなぜ発令をしないのか、その理由を明らかにしてください。
  92. 小林行雄

    政府委員小林行雄君) お話し申し上げましたように、規程改正の作業ができたわけでございますので、私どもはただ発令をするという約束をすると申しますか、それから任期等について城戸学長とお話し合いをしたいということで、城戸学長の病気回復を待っておったわけでございます。
  93. 米田勲

    ○米田勲君 そういう質問ではない。そういう答弁をいただくような質問ではない。この内規を選挙するように変える変えないは別にして、内規に従って推選をしてきたのに、何がゆえに発令しないのか、その理由をはっきり聞きたいということです。そのあとをくっつけて言っているから、こんがらがっている。その上になおさらこういう約束で、片方は内規を改正したので今後はそういうふうにやる。ただし、今後は内規によってやってきた、この人物を発令するという約束までだめ押しに行なわれたのではないかということを言っているから、その前の段階、内規に従って推選をしてきたのに、どこに異論があって発令できないのか、まずその理由を明らかにしてもらいたい。
  94. 小林行雄

    政府委員小林行雄君) はっきり申し上げますと、任期の期間等についていろいろ学長とお話し合いすべき点があるというので、話し合いの時期を待っておったわけであります。
  95. 米田勲

    ○米田勲君 それはおかしいじゃないですか。内規に二年となっているでしょう。分校主事の任期は二年となっている、なっていないのですか、局長、どうですか。札幌大学分校の内規には、ちゃんと二年となっている。任期の期間の問題について論議するというのはおかしい。干渉ですよ、そうなったら。
  96. 小林行雄

    政府委員小林行雄君) 分校主事の選考規程には、併任期間は二年というふうになっておりますが、先ほど申しましたように、今度、大学当局の努力で規程が改正になったわけでございますので、その新規程に基づいて、なるべく早い時期に選挙を行なうべきであるという考えを持っているわけでございます。
  97. 米田勲

    ○米田勲君 だんだんずれていってしまう。私の聞いているのは、その内規を改正するしないは論外にして、それはその次の論です。その前の段階でなぜ発令ができないのか。発令のできない理由がありますかということです。そうしたら、あなたは任期の問題について云々、この内規には明らかに二年となってるでしょう。分校主事の任期は二年ときまっているでしょう。それを文部省が値引きをしたりする、そんな権限あるんですか。ちゃんときちっと大学の運営上きまっておる任期があるのに、半年にしろ、三カ月にしろ、一年にしろなんという、そういうことを言い出すこと自体が、大学の運営に対して文部省が権限を逸脱しておるということになりませんか。任期の問題があるので発令ができなかったということを理由にするなら手続上不備はないでしょう。内規に従って推選したんだから、ここまでは認めるでしょう。任期の問題が問題になってと言うが、それは理由にならないでしょう。これはどうですか。すなおに答えなさいよ。問題はないですよ、公式には少なくも。政治的や何かには何かあるかもしらぬが、意図はあるかもしらぬが、しかし、公式には異論はないんです。難くせのっけどころがないでしょう、内規のとおりやってきてるんでしょう。
  98. 小林行雄

    政府委員小林行雄君) いまの候補者は、新規程による候補者じゃないわけでございます。先ほど申しましたように助手を除外してやりましたけれども、選挙の点は話し合いでやってきておるわけでございまして、新らしい規程そのままに選考されてきた候補者じゃございませんので、発令するといたしましても、なるべく早い時期に、新らしい規程に従って出してもらうべきであるというふうに考えております。
  99. 加瀬完

    加瀬完君 関連。さっきも申し上げましたが、形式が不備であったので、この形式を整備することを条件に、今回の推選を認めるということを内藤事務次官が言明をして、それに従って大学は処置をしたわけだったと、こう指摘をされておるわけですね。   〔理事北畠教真君退席、委員長着   席〕 あなたそれ知らないで——知らないのなら、今度指摘をされたのだから、そういう話し合いの上であれば、いまあなた方がとってる手続は、はなはだ当を得ていないのだから、事務次官とよく打ち合わせの上で答弁するのが当然じゃないですか。そうじゃなくて、米田委員指摘のとおりであれば、早い時期に新規程で選挙をすべきであるという理屈は成り立たないわけでしょう。かりにあなた方が何を望むとしても、それは大学側の自治にまかせりゃいい。善意にまかせりゃいいわけだ。五カ月とか、六カ月とか、何月何日までという期限をもって発令をするというのはもってのほかなんです。どういう法的根拠によってそういうことができますか。もし東京大学が、学部長か何かの推選に対しまして、あなたがそういう措置をとったら大問題じゃないですか。地方大学だと思って、あなた方はそういう態度に出ていると、そう判断、批判をされたってしかたがないでしょう。もう少しこれは政務次官に、もっとはっきり責任のある御答弁をいただいて……。
  100. 八木徹雄

    政府委員(八木徹雄君) 実は、先ほど前段で申し上げましたような経緯でございますから、私は真相をよく承知いたしておりません。内藤君と、米田先生並びに横路先生との間に、中へ入ってきめられた申し合わせといいますか、協議というのは、正直、いま初めて承るところでございます。大学局長に、知っておったのかと言いますと、承知いたしておりませんということでございまして、その意味で、そういう新らしい事実があるということでございますならば、大臣も含めて、ひとつ検討する課題だと思います。いま大臣ここにおらぬことでございますから、そういう事実をひとつ頭に置きながら、一方われわれは、いまとっておる態度は、先ほど正直に申し上げたとおりなんでございますが、それは新らしい内規に従って推選をされたという形式はとっておるけれども、これはまあ私流の感じ方でございますが、しかし、選挙という手続も踏んでないようであるし、推選方式というものが、ああいうぎくしゃくしたあとのことであるので、しかも、同じ人物が出てきたということはちょっとおかしいのではないかという疑念、そういうものがございましたものですから、これは正直なところでございます。いままで事の真相というものを城戸学長から聞かなければならぬということで、この発令がおくれておったというのは、これは十分承知いたしておることでございます。しかし、いま申し上げましたような、新しいお話がございましたわけですから、そのことも含めて、大臣と一緒にこの問題をひとつ善処するように努力をいたしたい、こう考えます。
  101. 豊瀬禎一

    豊瀬禎一君 関連して。どうも、次官の真摯な答弁はよくわかりますが、先ほどから聞いておってふしぎでならないのは、札幌大学の主事の人事に関して、内藤君にまかせられたり、あるいは内藤君と米田、横路両議員が話をすることを相談してきめられたのはどこなんですか。あるいはまた文部省の機構からして、直接的には大学局長がこれを担当しておるのか、それを大臣を補佐するという意味で、例の手癖の悪い内藤君が横から出てきて勝手に手出しをしておるのか、その権限関係、もし話し合いをしてまかせられておるとするならば、大学局長が知らなくても、ある意味では合法的でしょう、しかし、内藤君が所管の局長とも相談をしないで、そういう約束をしておって、しかも、それが違約されたとなると、次官としての責任は大きいと思うのです。それとも、文部省のいまの機構では、担当局長とは相談しなくても、次官というものは自分の思ったときに、大学の人事に対しても自分の私見でいろいろ話し合いをしたり、直接折衝できるのかどうか、それはどういうふうにしてやりますか。
  102. 小林行雄

    政府委員小林行雄君) 国立大学に関するいろいろな問題の取り扱いにつきましては、もちろん大学学術局という局があるわけでございますけれども、従来から文部省としては、次官をチーフに、官房長、官房三課、それから大学局、それぞれ手分けをして取り扱いをいろいろ検討するという行き方をとっておるわけでございます。具体的にこの人事の取り扱いそのものになりますれば、官房に人事課というところがありまして、いろいろ検討をするわけでございますが、広い意味で大学学術局がまあタッチをするという形になっております。
  103. 豊瀬禎一

    豊瀬禎一君 今回の主事の人事については、当初から官房の人事課長、安達君ですね、あるいは官房長のところでやってきて、後に内藤君があれしたのか、当初から、あなたの言われた次官、官房という形でやってきたのか、それとも、大学学術局長が中に入って、三者協議というか、そういう形できめられたか、そのいきさつがわからないと、内藤君と二人の代議士に約束したということの合法性が明確になりません。
  104. 小林行雄

    政府委員小林行雄君) 先ほど米田委員お尋ねにお答え申し上げましたように、実は、札幌分校の学力テスト問た題というようなことが三十五年にございました。この取り扱い問題は、私ども大学学術局の教職員養成課というところで、付属学校のテストの関係も一応扱っておりますので、私どものほうで扱ってきたのでございます。ただ、分校主事の人事問題は、大学学術局と官房の人事課と相談しながら従来手続をしてきた、こういうことでございます。
  105. 豊瀬禎一

    豊瀬禎一君 そうすると、次官にお尋ねしますが、米田、横路両代議士と、委員会の席上じゃないけれども委員と次官という形で話をして、一つの取りきめをした、それを局長が知らないということの責任はどうなりますか。
  106. 八木徹雄

    政府委員(八木徹雄君) 結局その問題の扱い方は、次官と両議員との間の話し合いというものがよくわからぬものですから、内藤君によく聞かなければならぬと思うのです。私のほうは、いま初めて承わったことは、正直のところのお話でございます。そういう約束をしながら意識してそれをしなかったということであれば、これは落度だと思います。当然やはりそれだけのことは、こういうふうにしたのだからこうだという話は、官房の関係者の間に話し合いがなされるべき課題だと思うのでございますが、実際のことにつきましては、私は何とも言いようがございませんからただ聞いていないということの事実を私は申し上げるにすぎないのであります。
  107. 米田勲

    ○米田勲君 私はいま内藤君の問題については、もちろん私なり横路代議士は何もそんなに正式のメンバーではありませんから、間接的に、これが円満にいったらいいという話し合いをした。ところが、内藤次官という立場でこの問題の円満な解決のために責任を持ったのだから、彼は。だから、私は部内の連絡とか何とかはどうであろうと、これは当然文部省としては責任を負うべきであります。その三人の話し合いは学長に伝えられておる。そこで、ぼくら学長と相談をして部内の説得に、私は直接やったとは言いません。そういうことば直接やるべきことではありませんから。しかし、とにかく学長がみんなを説得して内規の改正を行なった。ところが、政務次官、その後私は何度も内藤君に、なぜあのときこういう約束をしておるのに発令しないのかということは、いままで再三再四にわたって言っておる。あなたが約束を破ってやらないなら、ぼくは文教委員会にこのことを持ち出すぞ、待ってくれ、いまやりますから待ってくれ、そうすると、通常国会が終わるこのまぎわになってもまだ発令しないのです。私はきのうか一昨日か、彼に電話で、私は抜き打ち的に文教委員会でこれだけは出さないという約束を彼としておった、発令しますから待ってくれと、こういうことで、文教委員会で論ずるよりは、とにかく円満に解決することが大事なんだから、彼の言うことを信頼して、今日まで何カ月かこの委員会に出さなかった。しかし、誠意のないことがわかったし、この通常国会でけりをつけておかなければならない。そうしないと、三カ月四カ月の任期で発令されると、とんでもない事態が起こるのです。私は現在この問題についてもうタッチしていない、しかし、タッチしていないが、文部省がそういう形の発令をすれば、これはもう北海道において、間接的であろうと、私ら二人は話に加わっておるので、どういう事態が起こるか明らかです。ですから、私はここで黒白を明らかにしなければならないという判断から、内藤君に、文教委員会でこのことを取り上げることを約束どおり君に通告しておく、いや、それは困ると言ったが、困るといっても、もはやこの段階では、約束を破った君のほうが悪いから私はやるといって、きょうのことになった。いきさつばそうなんです。しかし、次官、かりに約束の話がなくて内規の改正手続がない場合、前の現行内規に基づいて推選をしてきた場合、あとはなかったとすれば、あとの内規の手続改正がなかったとしても、文部省はそれでも発令しないという何か根拠がありますか。ぼくはないと思うのです。こうしてほしいという行政指導や要望はあったとしても、そんな手続では納得できないから、発令しないという権限までふるうことは、これは大学の自治、大学の運営に対してあまりにも文部省は介入し過ぎるのではないか、こういう批判は免がれないと思います。だから、内規を改正するしない、これを抜きにして、その前の段階において、どこが悪いかどこが手続上文句があるのかということをまず明らかにしてほしい、文句のあるところをはっきりしてくれれば私は反論がある。これはないですよ。私はもう法律の専門家から法制局から全部調べた、とにかく不備があるという批判はあろうとも、内規は厳存しておった。その内規に従ってやりなおしてきた、助手を前に加えていたことは間違いないから、内規に基づいてやり直してきた。それ以降は、これは文部省はけしからぬという異論を唱える少くとも法的な理屈は成り立たないというのが私は結論なんです。ここにどういうわけで発令しなかったのか、まずそれを立証してもらいたい。ぼくは理由はないとみている。その上になおかつ内規を改正することにからんで約束があるにおいておやです。二重におかしい、局長どうですか。
  108. 小林行雄

    政府委員小林行雄君) 内規改正以前の場合は、実際の選考会に助手が入っておった、これは選考に関する内規に明白に法的に違反しておりますので、これについて文部省がおかしいではないかというのは当然だと思います。それから内規改正の作業をしていただきまして……。
  109. 米田勲

    ○米田勲君 そこに入らない前ですよ。
  110. 小林行雄

    政府委員小林行雄君) ですから、従来、当初の推選会に助手が入っておった。これは明確に規程に違反しておりますので、この選考は正当に行なわれたものとは言えない。合法的に行なわれたものとは言えないということが言えると思います。
  111. 米田勲

    ○米田勲君 それはおかしい。それは一番最初のことを言っている。その文部省の行政指導に従って、日にちから何から全部ここに記録がありますよ。そのとおりやり直してきたでしょう。それを認めるでしょう。やり直してきた。それからあとは、同じ人物であったではないかという批判はあっても、少なくとも内規に従ってやってきた限り、公的にお前らは違法だといって突っぱりきることはないのだ、その根拠はない、批判はあっても。その点だけは何ぼ言い分があろうと、法的にはお前ら違法なことをしてきたから認められないぞという根拠はないのだとわれわれは判断している、そうじゃないですか。
  112. 小林行雄

    政府委員小林行雄君) 選考に関する内規どおりに、第二回目は助手を省いて選考会は正当に公正に選考してきたのでありすが、その点に関しては合法的だと思います。ただ、私どもは、その際のいろいろな経過を聞くものでありますから、選挙によってやってもらいたいということを言ったわけでして、その点は選挙は行なわれなかったわけですけれども、現在の段階としては、少なくとも発令をしてもいいのではなかろうかと思っております。ただ、新しい規程というものがもう実施されているのでありますので、いまきている候補者は新規程による候補者以前のものでありますので、できるだけ早い機会に新規程によって選挙し直すべきであるということを検討しているわけでございます。
  113. 米田勲

    ○米田勲君 やはり局長も、前の規程に基づいてやってきたことは違法でない、これは明確なんだ、もうわれわれ研究済みなんです。違法でない。政治的に文句があったり、何かこうしたほうがもっといいという意見はあっても、それは違法だということに至らない。ですから、ここまできたらもう発令するのが当然なんだ、それをあえてやらなかったという一つの問題があるわけです。その上に、文部省側がいろいろな方面からこれは茶々が入っていることは事実なんですよ。そこで、ただ発令をするのではいろいろなこともあるので、これは政治的な話し合いですが、内規をひとつ積極的に改正をしてくれぬか、今後、選挙という手続によってやられるのだという一つの改正がみえれば、これは今度の発令をしてもいいのだから、こういう希望があったにすぎないのだ、しかも、そのときに次官は、そういうふうにしてくれれば、こちらのほうは発令しますという約束をしたのですよ。これから帰ってでは日にちがありませんから、政務次官、直ちに内藤君をこの場所に参考人として喚問します。政府委員でも説明員でもありませんから、何かそういう形式を委員長とらなければならない。それとも、前に合法的な手続を経てきたということをあなた方は認めたんだから、そのときにすでに発令すべきであったということをはっきり答えてもらいたい。ぼくはいたずらにこれを長引かして、浪費したくないんだ。そのとき発令すべきであった。(「ちょっと関連」と呼ぶ者あり)ちょっと待ってくださいよ。発令すべきであったということを、ひとつはっきりしてもらいたい。それから選挙の手続を踏むような内規の改正をしてもらいたいというところから、三人の話し合いが——これは政治的な話し合い、しかし、私はそれは重い約束だと思うよ、事務次官が正式に言っているんだから。あなた方の部内はどうあろうとも、彼が権限を逸脱してやったのかもしれない。しかし、そんなことはわれわれの知っていることではないし、われわれの負うべき責任ではない。明らかに約束をした、その約束に基づいて学長に話をしている。これは局長からしたものではないかもしれませんよ、次官から直接したのかもしれませんよ。その約束どおり、彼は非常な努力をして内規を改正をした。だからこの場合は、直ちにまたなおさら発令すべきだ。これをまず第二番目に認めるべきだ。それから第三番目、この論争をやれば尽きないんで、あなた方の立場がだんだん悪くなる一方なんです。だから正当に発令をしなさい。そんな新しい改正した内規による候補者でないから、内規の年限二カ年だが、それを削るなんていう、そういうむちゃな話はしなさんな。やはり一応改正する以前の手続は正当だったと認めているんだから、まず発令をして、そのあと大学側の自主的な判断で、そろそろ改選をしようじゃないかということを彼らがやるなら、それはまた彼らにまかせていいんじゃないですか。そういう期待感を文部省側が持っているということがあっても、それは一つの希望だから、それを強圧しない限りはぼくはいいと思う。しかし、発令のときから値切って発令をする、そういう条件づきでなけりゃ発令しないというようなことまで言えば、二重、三重に横車を押すことになる。だから、この三つを答えてください。内規による正当な手続を踏んだ段階で発令すべきであった。それをいろいろな事情から発令できなかったのはまずかった。第二は、ましてや約束ずくで内規の改正までやって努力した段階では……何だ、その態度は、首を横に振っているのは。内規を改正した段階では約束どおり発令すべきであった、それをいろいろな事情でやらんかったことはまずかった、こういうことを認めること。第三番目は、やはり正当に発令を内規どおり二年ということでしなさい、そういう約束をしようじゃないか。そして新しい内規で、新しい選挙手続で新たな候補者が推選をされてくることを文部省は期待しておるという程度のことはいいでしょう。慫慂はしません。そのことは学長を中心とする大学の運営に期待をしますという程度のところまで私は譲れば譲れる。この三点をあなた方が明確に認めるなら、これ以上追及はしない。しかしどうしてもその三つのうちのいずれかを、いいかげんに言われるんであれば、私はもうこれは何としても黒白をつけますよ。そのためには内藤君もここに連れてきてもらう。
  114. 北畠教真

    ○北畠教真君 関連して。大体いろいろな話を聞いてわかってきたんでありますが、ただいま小林局長が、発令してもいいのではなかろうかというような発言があったようですが、それならばそれのように、はっきり、発令をいたしますというようなことがこの質疑の解決に役立つのじゃないか、こう思うのですが、これは第一発にそれを答弁していただいて、あと二年にするか、新しい規則に従って改選するかせぬかというような問題については、いま米田君の発言もあったのですが、それを聞いてまた私は質問をいたしたいと思っております。一応、発令をしてもいいんじゃなかろうかという段階にきておるという発言がありましたので、この面についてのはっきりした答弁をお願いいたしたいと思います。
  115. 八木徹雄

    政府委員(八木徹雄君) いま米田先生のおっしゃった第一点、旧の内規に基づいて推選されたものは正しい推選であるというふうに認めろというお話でございますが、(「局長は正しいと言ったじゃないですか。」と呼ぶ者あり)改正前のことでしょう、旧というのは。いわゆる助手を含んだ……。
  116. 加瀬完

    加瀬完君 そうじゃなくて、あとで文部省指導助言を得て……。
  117. 八木徹雄

    政府委員(八木徹雄君) 新しい内規に基づいて、そしてその内規に基づいて合法的に選出されてまいった推選者はこれはもちろん合法的でございます。だから、それが合法的に推選されたということの実態を把握すれば当然発令すべきだ。実は、先ほど来たびたびこの局長答弁申し上げますように、その間、合法的に選ばれたかどうであるかということの確認をしたい。そのために学長に真相を聞きたいということで、学長の病気治癒を待っておったということ、その結果、この間、六月十五日の学長会議に出てこられてわかったから、先ほど申し上げましたように七月一日付で発令をいたします、こう言っておるのでございます。
  118. 米田勲

    ○米田勲君 政務次官、事情をよくわかられないのでこんがらかっている。新しい内規というのはどういうことかはっきりしないのです、あなたの使うあれね、申し合わせというのと、内規とあったんですよ。この内規というのは、局長の言うように正当なものなんです、正規なものなんです。ところが十年間申し合わせというものがあって、助手などを加えておったんです、第一次推選に。この申し合わせばうまくない。だから、これはやめなさいということで、内規どおりやってきたんですよ、二度目は。それは正当だ、違法ではない。これは局長、認めている。だから、そのときには発令すべきだ。新しい内規というのは選挙の手続を踏むように変えたんです、これは第二段のことなんです。将来のためにその行政指導に応じてやった、そういうことです。
  119. 北畠教真

    ○北畠教真君 ただいまの米田君の質問よくわかるのですが、第一回目は助手を入れた、助教を入れた申し合わせであった。第二回目は、文部省の慫慂によって助手をのかした選出法をとったについては、これを任命していいじゃないか、こういうのが米田君の発言じゃないかと思う。これに従って、局長はやっていいだろうという気持を表現いたしておる。これを第一にやりますということでなければ問題は済まぬのではないかと思う。これを私いま質問しているわけです。それができないということであれば別の問題です。
  120. 中野文門

    委員長中野文門君) ちょっと速記をとめて。   〔午後三時五十八分速記中止〕   〔午後四時二十九分速記開始〕
  121. 中野文門

    委員長中野文門君) 速記を起こして。
  122. 八木徹雄

    政府委員(八木徹雄君) 先ほどの御質問に対しまして、御要請のとおり、可及的すみやかにと思いますが、七月一日付で発令をいたしたいと思いますが、内規に従って善処をいたしたいと思います。御了承願います。
  123. 米田勲

    ○米田勲君 いろいろこの問題についてただしてまいりましたが、政務次官から責任あるそういうお話がありましたので、きょうのところこれで私の質問は終わりますが、最後に、大学の自治、大学の自主的な運営ということは、やはり日本の国の学校教育行政の上からも十分に考えて尊重していってもらわなければならぬので、今回のことについては、私の立場から申しますと、はなはだ遺憾な点もありますので、今後、十分善処されるように強く要望して質問を終わります。
  124. 中野文門

    委員長中野文門君) 長時間御苦労でございました。  本日の委員会はこれをもって散会いたします。    午後四時三十一分散会