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小林武君 ただいまの御
答弁によりますというと、大体、
国立ではその
短大が
創設されるというようなことはあまり
考えられないというようなことでございますので、当然、
私立が相当私はふえるのじゃないかと思うわけであります。この
私立の
短大の増加、
短大の
発展というようなものを
考えました場合に、これはくどいようですけれども、
高等教育の中において、
大学と高専と
短大、この三つのものがどういう特徴を持っておるのかということが明らかでないわけです。一応、
文部省の
説明等によって、まあわからないわけもございませんけれども、たとえばあれだけの法文の上にあらわれただけの差でもって、
現実の
教育の面ということについて、どういうことになるのかということになりますというと、これは実際面から
考えた場合には、ややあいまいだと私は言ってよろしいと思うのです。その点については、私は
灘尾文部大臣の衆議院における御
答弁なんかも読んで見たのですけれども、
大臣の
お話の中に、「
大学は直接
社会の
要求に直ちに役立つということよりも、できるだけ人間の基本的な知能を
発展させる、こういうふうなところに大きな重点があるのではないかと思うのです。その点に関しましては
短期大学のほうがむしろ
専門教育のほうに重点を置いている、こう申し上げてよろしいかと思います。もとよりいま申しました心持ちでございますので、
短期大学が
専門教育のための基礎
教育、または
職業人、
社会人としての必要な一般
教養を授けることを決して否定するものではない、」というようなぐあいに御
答弁されている。大体この
趣旨の
答弁だと思う。ここらあたりにいきますと、やはり
答弁のための
答弁と言ったらはなはだ悪いんですけれども、いささか明確でないように思うのです。四年制の
大学を出た者が急場の間に合わないと言ったら悪いんですけれども、はたして卒業して、
一体、
社会がこれを迎える場合に、
短大の者よりかも急場の間に合わないような者として迎えているかどうかというようなことを
考えたら、
短大の卒業生と
大学の卒業生というようなものの、いろいろの面からのあれを、文科系統にしろ、理科系統にしろ、まあどの系統にしろ、私は
文部大臣のおっしゃるようなことでは事実はないのじゃないか。やはりこういう御
答弁をなさらなければならぬというのは、何といっても、
先ほどから何べんもくどく申し上げている
専門学校とか、
大学とか、
短大とかというものの
特徴点が、
文部省自体明らかにされてつかんでおられない。だからこういう御
答弁をなさるのではないか。これにとどまればいいんですけれども、今後、実際面の
教育になったら、一そうそれが今度は問題として大きくなると思う、出てくる。今度は青年のことを
考えますというと、これまた一そうこれは問題が大きくなるということになりますので、私はこの点については、やはり
短大を
恒久化するということのためには、この三者を、ただ五十二条にはこう書いてあるとか、高専の場合はどうであるとかというような、文字づらだけからながめまして、それでだけ表現されたことで満足しているというようなやり方については非常に危惧を感ずるわけです。いま
大学局長として、高専とか、それらの点について、
一体どういう
特徴点を——まあ真剣にお
考えになっていると思うのですが、特徴はここに置いているというようなことを御
説明願いたいし、
文部大臣はやはり、よその院で御
答弁なさったことを聞くのもおかしいんですけれども、
大学教育というようなものに対して、急場の間に合わないと言ったら悪いんですけれども、私はまあ
文部大臣の気持ちはよくわかるのです。そのくらいの大らかなところがあって私はいいと思うのですけれども、それにしては、ちょっと
短大というものに対する期待があんまり大き過ぎるのじゃないか、期待するのは、もっと何か手がなければならぬと思うのですが、
大臣の
一体真意というもの——真意はこの中に尽くされているかもわかりませんけれども、
お尋ねをしたいと思うのです。