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豊瀬禎一君 くどいようですが、各種
学校にどこまでワクを広げるかという論点から展開していくならば、今回の措置も
一つの合理的なやり方でしょう、私はそういう角度から言っているのではない、いま私が言っているのは、
私学に
援助の手を伸べるという角度から見ると、
大臣は、まず
大学急増等から
考えて、まだ十数万の
入学金が要る、国立、
公立に比べると比較にならないほどの
教育費が要っておりますね。これは
私学自体の
経営難を物語っていると思います。そうして、現在の入試
制度、あるいは入試
制度の影響を受けた
学校教育にどういう波紋が生じているかは、
大臣御
承知のとおりですね、そういう全体の
私学をどう見るかという角度の中から見ていって、この各種
学校の職業に必要な技術の教授に対して、これこれするという特殊な措置が、
大学院、
大学、あるいは高専、工業教員の養成、あるいは工業
学校に対する
援助金の拡大とか、
補助費のワクの広げ方とか、いろいろ一貫して見ると、あるいはそれを人的能力部会の答申、あるいはそれを受けた
教育白書、これは
一つの試案であるというおぞましい言い方をしながら、実際に意図しているものを出しておる
教育白書、
教育投資論に基づいた
教育白書、これをずっと、私はこの
一つを指摘するのではなくて、全体のいまの文教政策の流れを見ていくと、やはり技術を最も国が必要としているんだという判断、そのことが、さらに技術偏重に拍車をかけ、いま国で、社会のすべての人が、最も求めておる人間像というものに対する国の施策が薄くなっておる、私はそれだけが池田内閣の文教政策と、へんぱな言い方はしません。他も
考えておられるだろうけれ
ども、そこに偏重し過ぎておる、そういうことがやはり
政府の手によって進められる際には、たとえば、青少年に与える影響としては、それがいま求められている人間であろう、こういう
観点から、いろんな問題も起こってくるのではなかろうか。こういうことを進められることはけっこうなことですけれ
ども、同時に、中教審に答申を求めておられる後期中等
教育に該当する人間像というものはかくあるべきだと、
結論を急がれることがまずもって大切なことではなかろうかと思います。そうして、そのことが出てきた場合には、たとえば、企業内訓練に従事している者に対して、どういう人間として、潤い、あるいは教養を高めていくような政策を国が手を差し伸べてやるか、あるいは青年の家、その他ありますね、ああいうものを増設していって、そこに
経営者、あるいは国と折半の
負担によって、ある一定期間、そこでいろんな人間向上の行事を持っていくとか、こういうことも私は決して産業界という形で直接的には出てきていないと思うけれ
ども、国あるいは社会全体の最も強く求めている人間像であるし、単に
教育という問題でなくして、国家と人間との
関係という大きな問題からとらえても、
日本全体の
一つの大きな
課題であろうと思うのですよ。こういう政策に対する努力が少なさ過ぎて、技術養成があまりに先行し過ぎておる、そこに文教政策の、あるいは池田内閣の人つくり政策のひずみがありはしないかということを危惧するわけです。これは決して私の杞憂ではないと思うのですね。このことに対して
大臣としては、かりに池田内閣の政策がどうであるかないかという
答弁ではなくして、文部
大臣としては、私がいま憂えていることに対してもっと努力をしていただきたい、少なくともこれが五・五が正しいか、六・四が正しいかということは軽々に
結論が出ないと思います。あまりに一方に片寄り過ぎていないかということを憂えるわけです。したがって、私の期待している方面に対する、
私学、あるいは社会、あるいは全般に対して、もっと国として責任を持ち、施策の
拡充をはかるように努力していただきたいと思うのですが、いかがですか。