○
政府委員(福田繁君) 御
指摘になりました附帯決議でございますが、いろいろございまして、その概要を申し上げたいと思います。まず第一に「各
学校の課程別職種別の現在の教職員数を確保し、絶対に
現状を下回らないように
措置すること。」ということが一項入っております。これにつきましては、当時、私
どもの承知いたしておりました範囲におきましても、この定数法を上回って過員をかかえている府県、そういうところにおきまして、その過員の整理の問題が起きやしないかということの懸念もあったようでございまして、それにつきましては、私
どもとしては極力、現在
——当時の現在において、かかえております過員については、いま整理が起きないようにということを関係の
教育委員会に対して再三指導いたしまして、これは
衆議院におきましても、関係の
委員の方から、すこぶる強く要請された点でございます。それは指導いたしました。それで、三十八年度から、御承知のように、
高等学校の生徒が急増いたしましたので、すべての府県にわたりまして、この生徒急増に伴いまして定数増になったわけであります。したがって、当時過員をかかえておりましたところにおきましても、定数増の中に、それが自然に含まれてしまうという結果になったのでございます。
そういう
観点から申しまして、三十七年度と三十八年度の比較をしてみますと、校長、教員、養護教員、助手、それから事務職員等につきまして、一年間に合計一万五千百八十一人という増員が行なわれております。これはトータルでございます。そういった
意味で、その問題は解消したと承知いたしております。
それから次の問題は、
高等学校の
教育の
現状から
考えまして、この法律の施行のときにあたりまして、現存しておりました定時制分校の統廃合に関する問題であると思います。これにつきましても、政令で分校の一応の規模をきめます際に、一応全学年の生徒を収容する分校は百人、それ以外の分校は六十人ときめておりますが、この規定の適用を昭和四十二年四月まで停止するものとして、その間の小規模の分校について、その整理について十分検討を加えていくということに、手続としてはいたしたわけでございます。したがいまして、分校の整理統廃合ということが極端に、また、無理に行なわれないようにという
配慮でございます。そういう経過から申しまして、数を比較してみますと、三十八年と三十七年でございますが、これは、三十七年は九百十五校の定時制分校がございました。これが、三十八年度では五十七校減になっております。こういう
配慮の結果、五十七分校が減少したということになっておるわけでございます。
それからもう
一つは、
高等学校の設置者の問題でございます。これについても、「市町村が
高等学校を新設することについての制限は
実情に即して
措置すること。」、こういうことでございます。これにつきまして政令の規定におきましては、「人口がおおむね十万人以上であり、かつ、
高等学校を設置するのに充分な財政上の能力を有すると認められることとする。」というような表現を使っておりますが、あまり画一的にこの辺がならないように、人口十万以下の市町村でも、財政力のいいところは
高等学校の設置ができるというような
配慮をいたしたわけでございます。そういう具体的な
高等学校の設置の例といたしましては、徳島県に一校、埼玉県に一校ございます。そういう例外を置いたわけでございます。
それからその次の問題は、「養護教諭、養護助教諭、実習助手及び事務職員の数は現在過少につき、将来さらに増員
充実の
措置を講ずること。」という附帯決議でございます。これにつきましては、私
ども、将来だんだんと、これについての増員
充実をはかっていきたいという
考え方を持っております。現在までに、配置基準等について、さらにこれを改正するということは行なっておりません。
それから、その次の問題は、
高等学校生徒の急増期間における
施設設備の整備の問題でございますが、これは「抜本的施策を樹立し、その
充実をはかり、すし詰め
教育を極力避けること。」、こういう御趣旨でございますが、これにつきましては、御承知のように、昭和三十七年度から
高等学校急増対策として、公私立にわたりまして政府計画を策定して、できる限りたくさんの
高等学校志願者を収容するという計画を進めてまいりましたことは、御承知のとおりでございます。
それから、その次の問題は、「
教育効果を高めるため、将来
高等学校設置基準甲号を指向して
努力し、特に農業・工業・水産等の専門課程の教職員の
充実をはかること。」、こういうことがございますが、これにつきましても、私
ども、一応この定数法によって確保します定数については、財源保障を十分いたしたわけでございます。将来の問題としては、この甲号基準というものを十分考慮いたしまして、できる限り
充実をはかっていきたいという
考え方でおるわけでございます。
それから最後の「私立
学校の適正配置に留意するとともに、国の助成を強化して教職員の
充実をはかり、
格差是正に
努力すること。」、こういうことがございますが、これにつきましては、これも
高等学校の急増対策の一環として、公立と相並んで私立
高等学校につきましても、適正配置と、それから、これの拡充について財源
措置等をやってまいりましたことは、御承知のとおりでございます。昭和三十七年度から明年度
予算におきましても、国庫補助、私学
振興会の融資、あるいはまた
地方交付税による急増対策の経費の助成、そういう
措置を講じてまいったのでございます。
大体、以上でございます。なお、御質問がございますれば、それに応じてお答え申し上げたいと思います。