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1964-06-02 第46回国会 参議院 農林水産委員会 第40号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年六月二日(火曜日)    午前十時三十二分開会     —————————————   委員異動 六月一日   辞任      補欠選任    野田 俊作君  温水 三郎君    亀井  光君  木島 義夫君 六月二日   辞任      補欠選任    高山 恒雄君  田畑 金光君     —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     青田源太郎君    理事            梶原 茂嘉君            櫻井 志郎君            森 八三一君            渡辺 勘吉君            北條 雋八君    委員            植垣弥一郎君            岡村文四郎君            北口 龍徳君            仲原 善一君            温水 三郎君            野知 浩之君            藤野 繁雄君            堀本 宜実君            山崎  斉君            大河原一次君            大森 創造君            戸叶  武君            矢山 有作君            安田 敏雄君            高山 恒雄君   政府委員    農林政務次官  松野 孝一君    農林省農林経済    局長      松岡  亮君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○食料品総合小売市場管理会法案(内  閣提出、衆議院送付) ○理事辞任及び補欠互選の件     —————————————
  2. 青田源太郎

    委員長青田源太郎君) ただいまから委員会を開きます。  委員異動について報告いたします。六月一日付をもって、委員野田俊作君、亀井光君が辞任され、その補欠として温水三郎君、木島義夫君が委員に選任されました。     —————————————
  3. 青田源太郎

    委員長青田源太郎君) 食料品総合小売市場管理会法案を議題とし、質疑を行なうことにいたします。  質疑のおありの方は、御発言を願います。
  4. 大河原一次

    大河原一次君 局長にちょっとお伺いしますが、従来消費流通の問題がしばしば国会の中にも論議された点でございますが、それは常に、消費流通問題については、中央卸売り市場という問題点にしぼられて、特に今日の中央卸売り市場の問題と、今後の中央卸売り市場におけるあるべき姿として、その問題点が指摘されて、論議が重ねられてきたわけでありますが、今回はただ総合小売り市場開設、これによるいわゆる今日の一番マージンの高いと言われる小売り価格を押えていくのだという、そういう観点に立っておられるようであります。今回の小売り市場附設によって、今後の問題になってまいりました中央卸売り市場に対する何らかの改善、改革をやるのだという、そういう前提に立っての考え方であるかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
  5. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 生鮮食料品流通対策ということにつきましては、もう数年来、国会におかれましても、また政府部内におかれましても問題にされてまいったわけでございます。  それで、政府といたしましては、数年前に、法律に基づきまして臨時生鮮食料品卸売市場対策調査会を設置いたしまして、その答申を得たわけでございます。ただ、その答申が必ずしもはっきりした結論を得ない部分が相当ございまして、前回、中央卸売市場法を一部改正いたしましたときには、施設整備、それからその他周辺地市場に対する対策等、ごく一部分の改正にとどまったのでございます。その後、消費者物価値上がり、あるいは流通問題というものがさらに問題として大きくなってまいりましたので、昨年、実は現行の中央卸売り市場のもとにおける各種の対策を、昨年以来とってまいっておるわけでございます。閣議決定に基づいて。その主要な内容は、施設整備は八カ年計画で、全国の主要都市中央卸売り市場施設を新しく設ける、あるいは改善拡充するということでございますが、そのほかに、取引につきましても、手数料の問題、あるいは取引方法、これはせり取引が行なわれておるのでございますが、せり取引についても、公開された開放的なせりというものの本質が必ずしも貫徹されていないというところから、その改善を指導してまいっております。  それから、これは特定の中央卸売り市場でございますけれども仲買い人が非常に数が多いというところから、仲買い人統合して大型化するために、いろいろ金融の裏づけ等をしながら統合するように、昨年来勧奨してまいってきておるのでございます。  で、その流通対策の一環として、まだほかにも対策が種々ございますが、今回の小売り市場附設を含めたわけでございます。小売り段階合理化もさることながら、この末端小売り機構改善をはかりますことによって、中央卸光り市場取引合理化にも役立たせたい、こういう趣旨で、小売り市場の、公設市場開設に着手しよう、こういうことでございます。
  6. 大河原一次

    大河原一次君 なるほど政府が今回——この法案の説明の中にも見られるように、「需要の変化に適合した生産安定的拡大農水産業構造改善による生産性の向上をはかるための各般の施策を推進するとともに、生鮮食料品出荷の安定と計画化中央卸売市場改善整備等の措置を講じてまいったと言われておりますし、われわれもある程度のこれによる施設改善なり、あるいは仲買い人に対するいろいろな施策も、統合による数の縮小ということも考えられてきたわけでありましたけれども、しかし、事実として、今日依然として、最近もちろん人件費高騰等にもよりましょうが、小売り段階における、末端段階における流通段階における品目に対する値上がりが非常に高まってきた。これは単に人件費高騰やその他の問題でなくして、中央卸売り市場を中心とする流通機構内におけるいろいろな矛盾や、あるいはその他の隘路が依然としてそのままに放置されているということから、これに加えて人件費高騰ということで指摘されているような、小売り段階における大幅なマージンの取得がなされている、こういう問題であるということを考えましたときに、いま局長が言われるような、小売り段階におけるいわゆる合理化近代化をはかることによって、やはりマージン等をはじめとする価格の低廉なものを期待すると言われておりまするが、それはよくわかるのですが、やはり抜本的に、依然として残されている中央卸売り市場に対する今後のあるべき姿として、もっと突っ込んだ線で私は考えるべきではないか。特に、先般赤城農林大臣も、いわゆる市場公共的色彩をもっと強めていかなければならぬではないか、こういうことが指摘されておるわけです。あるいはまた、河野一郎さんのときも、やはり市場公営化ということも取り上げられたと思うのですが、そういう点に対する、いわゆる公共性色彩をもっと高める、あるいはまた公営的な性格に持っていく、そういうお考えを今日依然として農林当局は持っておられるかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
  7. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 中央卸売り市場にいたしましても、小売り市場にいたしましても、これは現在公営でございます。ただ、地方に、中小都市にございます卸売り市場が、全然法律の圏外にありまして、これがいろいろな形で運営されているわけでございますが、いまお話のありました公営市場、これは地方公共団体でございますが、公営市場も当然公共性を強めろ、こういう御意見だと思うのでございますが、これは私どもも大体そういう方向考えておるのでございます。で、問題は、いろいろな面がございましてて、現在中央卸売り市場荷受け機関が、青果部門では単数のものがかなりございます。しかし、鮮魚のほうは複数の場合が多いのでございます。この単数複数いずれが是なりやという基本的な問題であるわけでございます。業界においても、これは意見が非常に対立しております。青果部門におきますと、たとえば農協関係の諸団体などはむしろ単数がよろしいという意見が強い、一部は違いますけれども、強いと思われます。ところが、同じ出荷団体でも、鮮魚のほうは複数がよろしい、こういう意見が強い。農林省としては、どちらかといえば、従来からもそうでございますが、単数にして、公共的なものにすべきであろう、こういう考え方を持っておるのでございますが、その場合にも、最近は、地方公共団体営だけでは不十分である、国営まで持っていくべきではないかという意見が強まってまいっております。これは、こんなところで申し上げるのは少しなんでございますが、社会党のほうもそういうお考えのようでございますけれども政府部内でもそういう意見がかなり強まってまいっております。なぜそういう意見が出てまいったかといいますと、現在、東京にしましても、大阪にしましても、中央卸売り市場は非常に大きな入荷量を持っております。で、これは単に東京都内消費だけをまかなっておるわけではございません。群馬県や、遠く熱海あたりのものまで取引されておるわけでございます。そういった関係で、ここで形成されます価格は非常に広範な地域に影響をいたします。だんだん全国的な影力響を持ってきておるわけでございます。それを一東京都の運営にまかせては問題がある、こういう考えから国営論が出てまいったわけでございますが、私どもも、それらの問題をもっと突き詰めて結論を出すべきであるということで、実は、本年度そのための調査、及び審議するための予算も計上いたした次第でございます。
  8. 大河原一次

    大河原一次君 これは、私先ほど言ったように、赤城農林大臣が、そういう公共的な色彩をもっと強めていきたいという中には、あるいはまたそういうことを、国営という問題もからんでおるかどうかわかりませんが、私ども国営云々ということなら、ずっと前から取り上げたのですけれども、これは何もイデオロギーや何かの問題じゃない。だから、これは政府当局におきましても、あるいはまた自民党の中でも、いわゆる公共的な色彩を強くし、あるいは国営公営といったようなものにまですることによって、それが、一つには生産段階における生産者立場を有利にするということとあわせて、消費者に対して豊富低廉な生鮮食料品その他を供給することができるということになるなら、私どもは現実の問題として、それがまた農林団体、農民の望むところであり、消費者の好むところであるというならば、これはそういうイデオロギーとか何かの問題じゃない。いわゆる社会党の場合も、国営問題を出しているということは、必ずしもイデオロギーの問題ではなくて、真にそういったものが今日の段階として要求され、要望されるというものならば、生産団体消費団体で、それにこたえていくというような態勢が私は必要ではないかと思うんですね。そういう点で、私どもはより現実的に、公営なら公営の姿をもっと積極的に進めるべきではないか、このように思うのですが、幸いにして、いま松岡局長から非常にわが意を得た答弁をいただきまして、ほんとうにうれしいわけなんですけれども、ただしその前に、当局としても、そこまでに踏み切るまでには相当の決意もあろうし、またそういう段階を施行するというたてまえになると、業者団体その他からのいろいろ反対という問題も出てくるだろうと思うんです。もし一挙にできないとするならば、やはりこの段階を経て、まずもって改訂されるべきもの、現状において改訂さるべきものは何であるかというところから、順序を経ていくべきだと思うんですが、いま、さしあたって何かの、そういう面に対する到達の目標は、そういう大きな公共的な性格に切りかえていくというためには、現状としては何から始めるべきかということが当然考えられてしかるべきだと思うんですが、まず、何からそういうものに転換をせしめるかということに対する何らかの方策、案がありましたら、ひとつお示しを願いたいと思うんです。
  9. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 非常にむずかしい問題でありますし、また困難な問題でございます。私ども考え方からいいますと、生鮮食料品というものは、ほかの商品と違いまして、どうしても自然に消費地に近い地点で、そこに大きな場所が設けられて、集中されて、そこで取引されるということにならざるを得ないと思うのでございます。その場合に、通常の取引方法としては、せり取引需給関係を正確に反映するようにしなければいけない、公正に反映すると申しますか。一方、価格安定の問題ということがございますけれども、これはまず需給を正確に反映させた上で、別途に安定対策というものを講ずべきものである、そういうような考え方をとります。で、そのせりが正確に、公正に行なわれるためには、荷受け機関というものが、出荷者なり、生産者の委託にこたえまして、自分の恣意で、値段を曲げたり、それから系列の取引をやったりするようなことになっては困るということで、まあ統合して一本の荷受け機関にしまして、公共的な荷受け機関にするというところまでいくのがむずかしいといたしますならば、そのせり取引を公正な方法で行なわせるということが第一の段階だと思います。  それから、ことし開設されますが、大阪東部市場という、新しい取引市場ができますが、そこで全く新しい試みをいたしております。   〔委員長退席理事森八三一君着席〕 これはせり取引を機械化してオートマチックにせりが行なわれる。そこでは、取引する人々の恣意で、値段を曲げたりすることができないように、そういたしますと、これは複数荷受け機関があることの意味が稀薄になってまいります。すべて取引が機械化されます。そういうことも大阪東部市場で始めておるのでございます。外国でも若干の例がございますけれども、そういった方法で漸次取引そのものが公正なせりというものになる。結局、それは公共性をおのずから帯びてくる最初のものになる、こう考えておるのでございます。
  10. 大河原一次

    大河原一次君 先ほどちょっと単数制複数制の問題が出たようですけれども、現在の魚市場というようなところが、複数制がよろしいと言われておるそうですね。それから青果物等については、単数制がよろしいのだと言われておりますが、現在の神田青果市場ですか、あれは複数制でしょう、あの中にも、これは問題があると思うし、松岡局長も何かで説明されたと思うのですが、先ほども言ったように、単数制にすることによって、より公共性色彩の強いものにしたいという考え方であるし、より公共の利にも資するものであるというふうにも考えられるのですが、特に神田市場等は相当狭隘になっておる。そのこと自身が、出荷の場合におきましても、入荷の場合におきましても、ネックになっておるということが言われておる。そういう面を考えると、早急にそうしたところは単数制にし、そこからくるところのいろいろな隘路を排除すべきじゃないかと思うのですが、これはただ単に、先ほど局長が言われたように、いわゆる魚介類を扱っておる市場等においては、複数制がよろしいのだということが言われておるようですが、それはどういう意味ですか。
  11. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 鮮魚のほうで、青果でも一部そうでございますが、複数制のほうがよろしいという意見は、大多数が、そのほうが荷引き競争があって、産地でのサービスがよろしい、こういう考え方に基づくのでございます。   〔理事森八三一君退席委員長着席〕 ところが、われわれに言わせますと、中央市場というものは、とにかく場所的に限定されたものであって、青果物にしても、鮮魚にしましても、おのずからそこへ出荷しなければならないものであります。そこで円滑な取引ができるわけでございますから、荷引き競争というものは要らないわけです。ところが、パイプが一定なもので、その中で五つも七つも荷受け機関がございますと、一定のパイプなり、胃袋に対して、扱う業者の数が多いわけですから、過当競争をおのずからやりまして、そこで非常にサービスをしたようなかっこうをとるわけなんです。いろいろ歩戻しをいたしますとか、そういうことをいたしますけれども、一方で、値段のほうで実は下げてしまっておる。あるいは値段を不当に上げたりする、そういう操作をやっておりますので、仕切る幅もきまっておるわけでございますから、決して産地に対してそれ以上のサービスができるはずがないわけですが、いろんな形のサービスをやるということで、そのほうがよろしい、こういうふうに皆さんお考えになるのじゃないかと私どもは思っておるわけでございます。
  12. 大河原一次

    大河原一次君 これは私なりの意見になりますが、やはり早晩、できるなら最も近い将来に、そういう市場というものをもっと公共的なものに強めていくためには、やはり好ましいと考えられるような単数制方向に持っていくような配慮が、今日以後必要ではないか、かように考えるわけですが、あわせて、これともやっぱり関係がございます仲買い人の問題です。  これは、先般も堀本委員も指摘されたと思いますから、重複は避けますが、やはりこれも複数制単数制の問題とは違うかもしれませんが、これも、私は考えによっては、公共性を強めるという立場に立つならば、これに対する何らかの規制というものをとられるべきだと思うのです。前に、生鮮食料品流通改善対策要綱でございますか、あの中にも、先ほど局長が言われたような、いわゆる数が多いから、そのためにはやはり統合をはかっていく。その場合には、いわゆる平均取引規模に満たないような、そういう零細な仲買い人もこれを統合していくんだという、そういう考え方でございますが、しかし、統合していくんだという、そういう考え方の中には、やはり依然として仲買い人という存在は、もちろん現状においては必要であるかもしれませんが、私どもはよく市場関係わかりませんが、これもまたやはり近い将来において、もっと公共的な色彩を強めるという、そういうことを考えるならば、こういう仲買い人に対する何らかの規制をやるということになれば、そのこと自体が、一面には生産者のいわゆる手取り価格を高めるということにもなるでしょうし、より以上消費者に対しては安いものを供給することができるということにもなるのではないかと、これはしゃくし定木にもちろん考えられない点もございましょう。あるかもしれませんが、やはりそういう仲買い人という存在に対して、何らか今後考える余地があるのではないかと思うのでありますが、この点はいかがですか。
  13. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 確かにいろいろごもっともな御意見でございますが、ただ、荷受け機関、つまり卸売り人仲買い人との性格上の根本的な差はあることは見のがし得ないと思うのでございます。荷受け機関の場合は、生産者から委託されたものを、忠実にせりにかけて、正確な値段せりできめて、それで代金を正確に払ってあげる、こういうことから特に公共性を要求されると思うのでございますが、仲買い人の場合は、需要者の、需要を正確に反映して、どのくらいの値段にするかという、つまり、せりでいえば値段を呼ぶほうでございますから、そういう点で荷受け機関よりは商業的な活動をやらなければなりません。そこで、これはある程度の規制は必要であると思います。公共的な施設の中での取引を行なうわけでございますから、たとえば場外でいろんな商売をやられましたり、そういうことをやられたら困るわけでございますが、同時に、岡業者として自由な活動ができるということも必要でございます。そういった面から、現在の仲買い人考えてみますと、どうも先祖伝来の、まあ家族、営業名義個人名前になっている場合が多いわけです。したがって、相続していくというようなことで、およそ徳川時代のような形の商業者が残っている。これもやはり会社組織にして、そういった個人の、まあ手腕も必要でございますが、法人として独立して、安定した企業として育っていく。それで十分な組織をもって小売り業者なり、消費者にいい品物を安く提供する機能を持つようにしていくということからいいまして、現在の個人営業でありますような、前近代的なと申しますか、そういう営業を、新しい形に、大型にして統合していく必要がある、こう考えておるわけでございます。
  14. 大河原一次

    大河原一次君 仲買い人は、荷受け機関と、それから小売り業者の間に立つ、いわゆる媒介人でございますね。しかし、この方々が媒介をするばかりではなくて、やはり何といいますか、荷受け機関から荷引きした品物をみずからも小売りするというような、そういうケースはございませんか。
  15. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) みずから小売りするということは、原則として認めておりません。料理屋とか、小売り店仲買い人に買いにくるわけでございます。
  16. 大河原一次

    大河原一次君 これは、仲買い人荷受け機関から荷を受けて、小売りに渡す以外に、何か大きな会社であるとか、あるいは病院であるとか、そういったところに、小売り値なら小売り値で売買しているという、そういうケースはないのですか、仲買い人みずから。一方には、小売り業者に対して品物を渡しておるが、一面においてはみずからが、いわゆる何といいますか、会社であるとか、病院であるとか、その他にやっておるという、そういうケースはないのでしょうか。
  17. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) ございます。それから加工業者とか、病院とか、学校の食堂、こういうものは仲買い人を飛ばして直接せりに参加している場合もございます。
  18. 大河原一次

    大河原一次君 それから今後の問題として、この仲買い人現状としては、そういう媒介立場であるし、なくちゃならぬというふうにもお考えになっておられると思いますが、私なりの考え方としては、今後のあり方としては、できる限りそういう仲介機構というものは排除していけるものならばいって、そのことがより公共的なものにするのではないかというふうに、しろうと論議でございますが考えられるのですが、しかし、聞くところによりますと、これは大阪ですか、横浜ですか、仲買い人がないというところがあるそうですが、こういうところはどういうケースですか、取引関係において。
  19. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) これは少し詳しく申し上げますと、築地の鮮魚のほうでは、小売り商は直接せり取引に参加するということはございません。ところが、神田青果市場のほうでは、仲買い人を通じて買う小売り商と、直接せりに参加する小売り商、両方ございます。それから横浜の場合は、鮮魚のほうは仲買い人がございますが、青果のほうにはございません。青果のほうは、小売り商代表者のようなものが出て、代表買い出しといいますか、協同組合代表が買って、で、荷物を分ける、こういう形になっておるわけであります。考え方としましては、私どもは、小さな取引量、小さな市場においては、仲買い人は要らないのではないか、しかし、大きな市場では、小売り商が直接荷受け機関から買い取っておったのではかえって不経済で、中間に大きくまとめて仲介をする人があったほうが、むしろ節約された合理的な取引ができるであろう、こう考えておるようなわけです。
  20. 大河原一次

    大河原一次君 いずれ、あらためてまた、この市場問題等論議される時期があると思いますから、そのときまで勉強さしていただきたいと思います。  そこで、この法案の問題ですけれども、今回の法案の名称は、これは食料品総合小売市場管理会法案とございますが、しかし、この内容については、生鮮食料品と、こうなっているわけですが、生鮮食料品総合小売り市場ということになっておりまして、実際は、食料品というともっと広範だと思うのです。当然、米麦であるとか、雑穀であるとか、その他そういったものも食料品ですが、そういったものは、この中では取り扱われていないのですが、何か特別の理由かなんかございますか。名前食料品小売りなんですが、内容生鮮食料となっているから、お聞きするわけですが。
  21. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 御指摘がありましたように、これは食料品について、生鮮食料品に限らず加工食品、かん詰めでありますとか、あるいは調味料でありますとか、つけものでありますとか、いろんな加工品まで扱うようにいたしたいと考えておるのでございます。それは、要するに、買い出しに来る消費者の便宜から考えておるわけでございますが、ただ、生鮮食料品を主体にいたしたい、半分以上、七割くらいまでは生鮮食料品にいたしたい。これは、消費者は申し上げるまでもなく毎日のように買い出すものでございます。ほかのものと違って、あまりためて買う、電気冷蔵庫ができましても、わりあいに毎日買い出すものでございますので、そういうものについて、市場というものが適しているということから、生鮮食料品を主体にいたしたい、こう考えておるわけでございます。
  22. 大河原一次

    大河原一次君 そうすると、いま米麦の問題が出なかったのですが、米麦、雑穀等が取り扱われていなかったことは、どういう理由からですか。
  23. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 米麦考えてないわけでございます。別にりっぱな取引機構がございますし、食管制度のもとに置いてございますし、これはむしろ消費者が買い出すよりも、届けという特有の営業方法をとりますので、米麦までは考えておりません。
  24. 大河原一次

    大河原一次君 そこで、先ほども、あるいはまた先般の森委員、あるいはまた堀本委員からも質問があり、お答えもあったと思うのですのが、いろいろと今度のこの法案内容を見ますると、生産点の問題には実際は触れていない。やはり先ほども言ったような市場のあり方、それが公共的なものであるという限りにおいては、やはりいろいろ問題もあるだろうと思うのですけれども、実質的には、私は生産点の問題を十分に考えていかれて、そのことが、いわゆる産地における出荷の体制であるとか、あるいは出荷の調整であるとか、そういう問題にまで発展するわけでありますから、問題は、この消費市場のあり力というものが相当生産にまで、特に農業団体等の生産団体には大きな影響がなければならぬし、そのことによっていろいろの隘路が打開され、あるいはまたよりよい方法出荷体制というものが確立されるものであって、ただ単に、この点は生産点だけ考えればいいという問題でなくて、むしろ反対に、消費機構のあり方いかんというものが、私は相当この生産点に影響し、具体的には、いま申し上げたような出荷体制、あるいはまた組織体としての出荷のあり方というものに、いろいろな好影響を与えるものであると、そういうふうに私ども考えるのでありますから、今後の小売り市場の運営の中から、そういうような生産点に触れた、より現実的な、より理想的な生産点のあり方というものを十分に考慮すべきではないかと、そのように考えられるのですが、局長は、その点に対してどのような方策を持っておられますか。
  25. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) ごもっともだと思うのでございます。ただ、生産地と、このほうは消費地で、両末端でございますので、非常に距離がありますので、こちらで安定対策を立てたということは、直ちに打てば響くように、産地に響くというようなわけにはまいらぬと思うのでございます。また、これもまだまだ不十分なものでございますし、これでもって的確に、産地のほうの安定にまで寄与し得るということは、まだ大きな期待をわれわれも持ち得ないのでございますが、運営としては、できるだけ特に末端取引を安定させるということに主眼を置いて、ものによりましては、特に中央市場を経由しないで取引されるものがございます。そういうものについては、こういう市場組織で安定をし、産地に直接よい影響を及ぼすような方向へ持ってまいるというようにいたしたいと考えております。
  26. 大河原一次

    大河原一次君 今回の法案の趣旨はよくわかるのですが、しかし、考え方の中には、いま私が不十分でありますが申し上げたのですが、ねらいは、やはり消費の大型化ということに重点を置いて考えられているわけですが、消費の大型化が考えられていく場合に、今後の、もちろん実施運営の段階においていろいろ出てくると思うのですが、やはり問題は、今日も依然として農民団体は零細な、あるいは組織の面においても不十分なままに、いわゆる分散販売というふうな傾向で行なわれておると思うんです。こういうような生産点の現状不備という問題の中に、一方、消費の拡大、大型化というのみが考えられて、どちらかといえば、消費者のほうをあまり向き過ぎる——消費者にいかにして安い物を提供するかということのあまり、その結果として、しかもそれが二面に言うように、分散販売をやっておるというような生産点における現状考えますとき、こういうものによって、かえって生産者の、たとえば手取り価格であるのか、いわゆる品物に対して——農産物が買いたたかれるという危険性はないかどうかということが心配になってくるわけですが、この点はどのようにお考えになっておりますか。
  27. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) もちろん農林省といたしましては、産地のほうにおける安定対策というものはまず考えなきゃならぬ問題である、産地の安定が期せられますと、消費地のほうも安定できるという段取りであろうと思うのでございます。しかし、逆の場合ももちろんよい影響があるわけでございますが、まあ産地をとりましても消費地をとりましても、生鮮食料品流通対策とか安定対策というものは非常にむずかしいものでございます。米やなんかのように、政府が操作してやるとかいうことは、技術的に限界があるものでございますから、まあ組織をできるだけつくっていく、で、産地のほうも、指定産地事業とか、安定対策とかいうものを、まあ不十分でありますが、開始しておるわけでありまして、できるだけこれを拡充して、来年度あたり、さらにもっと拡大したい、こう考えて、せっかく現在準備いたしておるところでございます。
  28. 大河原一次

    大河原一次君 今度の考え方の中に、さらに、何か取引の過程において、いろいろ考慮しなくちゃならぬ点があるのではないかと思うんですが、この小売り市場が発足いたしまして、いろいろと取引関係に参加するわけですが、この場合、小売り市場というものと、今日の中央卸売り市場との間の関係はどうなるんでありましょうか、具体的にひとつ、よくわかりませんから説明してください。たとえば、具体的に先ほど私が御質問申し上げたような、仲買い人存在というものを認めておるんだということでありますし、それから先般も何か聞きますると、農林当局としては現状取引秩序、流通秩序を認めた中で、この小売り市場を運営していくんだということになるならば、当然その中には、取引関係の中において、仲買い人存在を認めていくのかどうかという  これは認めないということじゃないでしょうけれども、しかし、いずれにしても、今度の消費の大型化をねらっているわけですよ。同時に、二面には、生鮮食料品流通改善対策要綱の中にも、大口需要が直接卸売り市場のいわゆる売買に参加するんだということを私は記憶してるんです  そういうような参加の承認をしておるというふうに私は記憶しておるんですが、今回の小売り市場が発足した場合において、これは直接競売に参加できるのかどうか、この場合といえども、依然として仲買い人を通さなければならぬのかどうか、こういうことなんです。具体的には。
  29. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 原則的には、既存の流通秩序を尊重して、中央卸売り市場を経由するものにつきましては、それを通じて取引をするのが、現段階においては望ましいと考えているのでございます。で、いろいろ中間取引合理化近代化といいますけれども、まず最初に考えなければならないのは、既存の流通パイプを大きくする、その考え方に立ちますと、仲買い人を経由した場合におきましても、こちらの小売り市場のほうの荷物がまとまってまいりますと、大きな量になりますから、仲買い人マージンの節約を要求することができると思います。また運賃——都内なら都内の運搬賃などの節約もはかることができる、まあそういうことによって経費の節約ができる、と同時に、既存の流通秩序の進歩と申しますか、そういうものをはかる上に、小売り市場の役割りも大きいものとなるのでございます。つまり、仲買い人が、これは一部の市場でございますけれども、現在のように非常に小型で、小売り商人とあまり変わらない仲買い人が、依然として既得権の上に立って、その仲買い人を通過しない取引は反対だというようなことだけで終わっておりますならば、それはむしろこういうものが直接買出しに出るということも阻止できなくなる、みずからやはり態勢を改める努力をやってもらわなければならぬ、そういう意味で、仲買い人というものは、こういうものが漸次発達して、民営のものも相当発達してまいっておりますから、そういうものが発達してまいりますと、仲買い人自身がもっと前進しなければならぬ段階に来ている、こういう考えでございます。現に、関西地方では大きなスーパー・マーケットが民営でできておりますが、これがせり参加をやる、やらないということで、非常に波紋を起こしたわけでございます。そういうことから仲買い人自身の考え方も前向きに変わりつつある、こういうことがあるわけでございます。もっとも青果などにつきましては、小売り市場の入居業者の共同仕入れ組織が直接せりに参加するということは、考えられる問題であると思っております。
  30. 大河原一次

    大河原一次君 これは先ほどもちょと触れましたけれども局長からの御答弁になかったのですけれども横浜ですか、仲買い人がないところがありますね。ないのでしょう、あそこには。ですから、ああいうところの仲買い人のない形態の中で、りっぱに取引関係が運営されているという事実がありますしね。一面には、いま申し上げたように、せっかく生鮮食料品流通改善対策要綱の中にも、大口需要が直接競売に参加することができるということの承認を与えているわけですからね。したがって、今回の小売り市場という問題も、私は大口需要だと思うのですね。そうするならば、これはどういうふうな入居体制でいくかは、別にあらためてお聞きしますけれどもね。しかし、いずれにしても、今回の小売り市場そのものが、どういう方式によるかは知りませんけれども仲買い人を通さずして、直接この取引に参加するというようなことが望ましいし、もちろんパイプを大きくし、あるいは大量の食料品を取り扱うということの中から、マージンの節約もできるでありましょうが、より積極的に、マージンを低めるということになるならば、やはり大口需要家として発足されようとする生鮮小売り市場というものが、直接に参加をするということがより望ましいのではないか、そのようにも考えられたから、お聞きしたわけですけれども、そういうことで差しつかえないわけですか。やはり原則として、流通秩序を認めていくのであるから、今日の仲買い人媒介として、取引を行なっていくのだという、そういうお考えになっているわけですか。この点をはっきりひとつお聞きしたいと思います。
  31. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 小売り市場相互間で、共同仕入れ組織をできるだけつくってまいりたいと思うのでございます。特に中央市場を経由しないような加工食品等については、直接メーカーから取引できるという方式が必要であろう、ほかの商品でも、最近小売り商の共同仕入れ組織というものが、あちこちで大きな組織ができ上がりつつあるようでございますが、この入居をそういう方向へ持って参りまいりたい。で、いまお話がありましたように、中央市場を経由する場合におきましても、既存の仲買い人をさらにもっと発展拡充してもらって、それをできるだけ利用するということは、私どもとしては急激な摩擦を起こさないという意味で必要だろうと思いますが、それはすべてではないと思うのでございます。現に、青果部門では、横浜でもそうでございますが、神田の場合には、仲買いを通じない取引が相当ございます。そういうことで、直接共同仕入れ組織荷受け機関から買い取るということも、今後の問題としては考えられることであると思っております。
  32. 大河原一次

    大河原一次君 私は、よりそういう方向を整えることが今日必要じゃないかと思うのです。ただ単に、大量の品物を取り扱うから、だからマージンがこうなるであろうというような、そういう考え方ばかりではなくて、そういうやはり機構の面に触れた中で、やはり取引の体制を高めていくということが考えられて、しかも今日の理想としてねらわれつつあるところの、小売り市場考え方というものを持ったときに、同時に、二面、生産点の問題を考慮に入れます場合には、そういう機構のあり方というものが望ましいのではないか、かように考えておるわけです。ただ、この場合、私がいま申し上げた中にも、言葉が不十分だったと思いますが、この取引の体制、小売り市場取引の体制はどのような体制で、この中央卸売り市場との取引を行なうのであるか、これは管理会の指導や監督で行なうということにもちろんなるだろうと思うのですが、大体、入居者なら入居者が、おれは野菜だ、おれは魚だ、各個ばらばらの立場取引に参加するのか、あるいは先ほど局長の言われたような、何か小売り業のいわゆる代表的な機関の中で取引が行なわれるのであるかどうか、取引の体制といいますか、そういう面はどういうふうになっておりますか。
  33. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 市場内の各種の部門がございますが、青果鮮魚、あるいは肉、そのほかの食品でご組織になったほうがよろしいと考えておるのでございます。同じ冷蔵庫でも共通で使える、あるいはその代金の支払いのチェック・アウト方式にしましても、それぞれの売り場でやらないで、一カ所でまとめてやる、こういう方法。最近ではいろいろなマーケット、デパートで行なわれておるのでありますけれども、そういう方向になっていくには、部門ごとに独立した企業でなくて、各部門ができるだけ共通の管理組織を持ったほうがよろしい、こう考えておるのでございます。ただ、これはなかなか強制できる性格のものではございませんが、できるだけそう指導してまいりたい。さらに小売り市場業者の相互組織として、共同の仕入れ組織をつくるように指導していく、それによって荷口を大きくしていく、取引の相手に対する何といいますか、交渉をする力を強くする、こういう方向に持ってまいりたいと考えております。
  34. 大河原一次

    大河原一次君 たいへんこまかくなって申しわけないですけれども、よくわからないから私はお聞きするのですが、そうすると、何かばらばらではなくて、もちろんそれは好ましいと思うのですが、共同の立場で一本の姿になるということが好ましいのですね。この一本の姿ということは、名称、形の上ではどういうことですか。一本の姿ということは、組合ということになりますか、それとも株式会社というような組織体ということを考えておりますか、この一本の姿のあり方というのは。
  35. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 会社または組合でございます。いずれでもいいと思いますが、むしろ会社のほうが、活動する上から言えば好ましいのではないかと考えております。
  36. 大河原一次

    大河原一次君 局長としては、会社がよろしいというようなお考えでしょうけれども、これは管理会か何かで一応こういう方式を決定して、入居者に対して、これを、こういう決定であるからこの決定に従ってもらいたいという、そういう観点に立つものか。あるいはこれもあとでお聞きしたいと思うのですけれども、入居者の選定基準がございますね、入居者の選定基準の中に、この基準なら入ってこい、これでなければいかぬぞというような強制力をもって臨むのか、あるいはそういう強制力も一応なくちゃならぬと思いますが、一面には、やはり入居者の希望というものに対して、あるいはまた入居した後の、入居者の自主性というものを管理会はどのように考えておるか。これはもう一切がっさい、管理会ができて管理会の指導監督に従うべきであるというふうな、あるいはまた業務方法書の中に書くのだから、業務方法書の中に従ってもらえばいいのだというような考え方もあるでしょうが、それ以前に、われわれとしては一応検討しておきたいというふうに考えられるから、そういう面でお聞きするのですが、そういう点に対するひとつ具体的な御説明を願いたいと思うのです。
  37. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) これは入居業者組織でございますが、強制すべきものではないと考えておるのでございます。中小企業の高度化資金によります場合も、協業によるスーパー・マーケットとか、そういうことを条件にして融資することになっておりますが、今回の場合はできるだけ指導で、そうしたほうがあらゆる面でよいではないかという指導をして、できるだけそういう方向でもってまいりたい、こう考えておるわけであります。
  38. 大河原一次

    大河原一次君 この場合、どの程度市場の中に業者を包含するか、入居者を入居をさせるかわかりませんが、とにかく野菜だ、果実だ鮮魚だというふうに入られるわけですが、当然、この場合、入居者は今日まで、従来自分の店舗を持って営業に参加しておったわけですから、こういった方々がやはりこの小売り市場の呼びかけによって参加すると思うのですが、この場合考えられることは、場外にあって、従来の自分の店舗をそのまま残して、これを家族に譲り渡してやらせる、自分はこの小売り市場の中に参加してやっていくという、そういう事態が起きるのではないかと思うのですが、これらに対する何か措置はございますか。差しつかえないのかあるのか、こういう場合は。
  39. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) これは実情をよく把握する必要はあると思うのでございます。入居業者をきめる場合には、当該地区の関係団体意見を千分聞きたい、聞くことにいたしておりますが、原則的には、入居する者が場外でも取引する、競合するような商売をやるということは、これは避けてもらわなければならない一つの条件であろうと思います。ただ、もう一方で、親が隠居仕事でこじんまりやっておって、せがれのほうは新しいほうで営業を始めたい、そういう人は実は多いのでございます。そういう場合には、むろん実情を勘案して、せがれは新しい方法営業に参加してもらう、で、年寄りは隠居仕事として近隣のお客さん相手の商売をする、そういうことはあり得ると思うのです。
  40. 大河原一次

    大河原一次君 そういうものは認めていかれるのですか。
  41. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 実情によっては認めていく場合があると思います。
  42. 大河原一次

    大河原一次君 原則としては認める——そうあるべきだと思うのですが、そこで、さらにお伺いしたいのですが、こういう事態が今後の問題として発生することが予期されると思うのですが、これはおそらく個々に参加する、いわゆる小売り市場内に入居される方々は、やはりどちらかと言えば、悪いけれども、弱小小売り業者だと思うのですね。りっぱに店舗を掲げて、従来数多くの顧客を持っておるというふうなしにせ、いわゆるしにせという形のものはやはり残って、おれはこれだけの長年の取引を持っておる、顧客を持っておるのだということの中から、どちらかといえば、そういう人は小売り市場の中には参加しないんではないか。したがって、どちらかといえば、今日の業界の競争の中から立ちおくれてきておる弱体小売り業者がこの中に参加すると思うのです。その弱体の中にはいろいろの、資本の面もございましょう、あるいはまた経営技術の問題も、非常に何といいますか劣悪であるというふうな、そういう面も相当多いと思うのです。ですから、そういうような、どちらかというと、いろいろな意味を含めた弱小小売り業者が参加するということになりますから、したがって、この小売り市場がうまくいくかうまくいかないか、ただ単に消費者に一割安く売るのだという、そういう面ばかりではなくて、小売り市場全体の運営というものを考えたときに、ただ単に、頭のほうだけりっぱになっている、管理会のほうだけがりっぱになっておるから、りっぱな体制ができておるから、あとは指導監督だけで、運営のよろしきを得ることができるのだという、そういう御確信もあるいはあるかと思いますが、やはり問題は、一人一人が参加いたしましても、一本の姿に——会社なら会社、組合なら組合の一本の姿になるのですが、その一本の姿の中に入っていく個人個人小売り業者というものの今日までの、在来までの弱小的な、経営が非常にまずいとか、あるいはまた経営方針がないとか、技術が足りないという、そういう者の集まりということになりますと、経営全体がうまくいかない。同時にまた、予定したところの、一割安いところのマージンで、小売り業者品物を売ることがなかなか容易ではないんではないかというように考えられるのですが、先ほどもちょっと触れましたような、この中にはもちろん小売り業者の自主性を考えてやらなければいけない。局長も言ったように、強制力は発動したくないということなんですから、そうすると、この管理会と一本の姿になった、いわゆる組合なら組合、会社なら会社の間におけるところの運営というものが、非常にスムーズにいかなければならぬのではないかというふうに考えているのですが、これはもちろん管理会がりっぱにやるのでしょうけれども、しかし、ここらに対する一応のやはり何といいますか、体制というものは整えておくべきだと思うのですが、どうでしょう、この点は。
  43. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) まことにごもっともな点だと思うのでございます。  実は、この構想をつくります場合に、一番考え接した点の一つなんでございます。こういうものをつくりましても、入居してくれるかどうか、また入居した業者がはたしてうまくやってくれるかどうかということを、一番われわれとしては時間をかけて研究いたしました。また、小売り団体の人々を呼んで話を聞いたのでございます。で、小売り団体の人は、実を言いますと、現在、私鉄とか、デパート資本、そういうものの経営するスーパーの攻勢に非常に押されているわけでございますが、それに対して何らか自分らも抜け道をつくらなければならぬ、そういう気持が非常に強いわけでございます。特に若い層がそうだと、こういうわけでございます。若い層の中には、昔と違って、大学を出たりっぱな人もあるのです。そういう人は、実は新しいこういう営業組織をつくりたい、この模索しておるのだけれども、なかなかできない。そういう人が参加するだろう。また親が非常に年をとって、せがれが新しく店舗を持ちたくなっている人々がおる、そういうような人もあるし、まあ必ずしも零細な人が入るというのではなくて、そういう方向にいきたい人々が相当いるのである、こういうのがむしろ小売り団体意見でございます。もちろん反対の人もございます。ございましたけれども、そういう消極発にはいわゆるスーパー攻勢に対する小売り商の活路ということもございましょうけれども、自分自身でもいろいろ研修や何かで、そういうことを試みている人もおるそうでございますが、そういきたいと考えている人が相当おる、こういうわけでございます。
  44. 大河原一次

    大河原一次君 大体のいまの運営の面については、その程度にしておきますが、問題は、ここから発生する今後の小売り業者に対するいろいろな摩擦相克の面をやはり考えていかなければならぬと思うのです。確かにわれわれもそのねらいはわかります。よくわかります。しかし、そういう市場改善ということも、こういうことの中から考えることも必要でありましょうし、同時に、これによって適切なる品物が安く手に入るということは非常にけっこうだし、最近の一般小売り業者の便乗的な価格値上げをこれによって抑えるという、そういう点も私はよくわかりますし、ましてや国あるいは都が中心になってこれを行なうというならば、こういう面の、いわば人気的なものも高まっていくと思うのですが、同時に、それだけに一面には、今日ですら、いま局長が触れられたような、いわゆる最近のスーパー・マーケットあるいはスーパー・ストアと申しますか、こういったものが非常にできてくる。中には単独で非常に大がかりなマーケットも進出してきておって、それによるところの打撃、影響というものが相当あって、そのための経営不振という面も相当出てきていると思うのです。そこへきて、今度はいわゆる国と都によって、こういう相当大がかりな小売り市場が二十カ所も都内にできるということになるならば、ここからくる影響というものはさらに強まってくると思うのですが、もちろんそういう面で、十分に予想を立ててお考えになっていると思うのですが、二面には、やはりそういう取り残された、この入居に参加することのできない人もあると思うのですが、そういう面の影響というものを考えたときにこれに対する対策、いわゆる競合対策といいますか、そういったものはいかにあるべきかということが当然考えられなければならないと思うのですが、そういう点に対して対策がございますか。
  45. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) その点もまことにごもっともでございます。この点も、実は私どもは研究したと申しますより、苦しんだところと申し上げていいかと思います。これも小売り団体意見を聞いたわけでございますが、小売り団体としては、大きな資本のスーパー攻勢に非常に打撃を受けている。また二面、最近ではものすごい人手不足で、営業に支障を来たしている。そういうことから共同組織によるマーケットというようなものをつくらざるを得ないという気分が相当あることは、先ほど申し上げたわけでございます。と同時に、一体こういうものをつくれば、小売り商の間に若干の影響が出る。まだ数は少ないけれども、どうしても周辺では出る。出ないようではまた効果がない。一体そういう場合にどうしてもらいたいと思うかということを、率直に聞いたわけでございます。これは小売り商としては、一面においてそういきたいけれども、二面困る人も出るということで、実際困るのだけれども、やはり低利の資金を貸してくれとか、それから税金をとにかく負けてくれ、これが非常に強かったわけです。幸いにして、今回の税制改正で、中小事業主の課税はかなり軽減されております。事業税の事業主控除もかなり多くなりまして、また家族専従者に対する控除、これも増額されましたので、税制面でかなり、七、八万円の控除額の増加になっております。そういう方面の措置がとられたわけでございます。そういうことでできるだけ周辺の業者はこの中に入ってもらうということで、摩擦を避けてまいりたいと思いますが、いずれにしましても、急激なショックを与えないように小売商業調整特別措置法というようなものもございますが、そういうものを活用しながら、できるだけ周辺に対してあまり急激な摩擦は起こさないように努めながら、安定をはかってまいりたい、こう考えておるのでございます。しかし、遺憾ながら、その場合に、営業困難になって倒産するとか、転業しなければならぬというふうな事態も起こりかねないわけでございますから、そういう場合には、現実の事態に即しまして、労働省、そういう方面と連絡しまして、実体的に問題を解決いたしたい、こう考えておるのでございます。
  46. 大河原一次

    大河原一次君 これは私どもはずっと以前に、いわゆる生鮮食料品のみならず、これを含めた一般中小企業に対する対策として、今日はもう中小企業団体組織法であるとか、局長が言われるように、小売調整法というようなものができておりますけれども、ぼくたちは以前に、中小小売り、大企業やあるいはまた系列によって圧迫を受けている、最近で言うならば、スーパー・マーケット、スーパー・ストアによって圧迫をされておる企業者、これに対していかなる対策を持っていくべきかということで、真剣に考えられたのですが、これは政府も、自民党もそうですが、当初考えられたのは共同化ですよ。中小企業の、たとえば地域別あるいは業種別的な共同化をはかる、この中に、今日の小売市場法で認められているような、いわゆる十軒以上であるとか、あるいはまたそれ以上の業者を参画せしめて、この中でお互いが共同化をやっていこう、同時に、このことによって共同化が行なわれることができるならば、二面には税の対策にもなるだろう、税の軽減が、今日までに個人個人に課せられた税金というものは相当これによって減免されるだろう。同時に、一面から言うと、いわゆる融資の受け入れ体制も可能であろう、一石二鳥ですね。こういうものを考えて、これをやるべきではないかということを上しげてきたのですが、思うようにいっておりませんし、やはり自家経営というものになんか愛着を感じておる。いま農林当局も、いわゆる構造改善政策が取り上げられておる。われわれは、どちらかと言えば、協業なり、全面的な共同化、高度な共同経営というものを考えるべきではないかと言っておるが、政府は、どちらかといえば、自家経営によるいわゆる自立経営の農家を今後立てていくんだ、そういう考え方ですか、今回は市場の問題ですが、共同化を考えて、小売り市場考えておるわけですが、そういった中小企業対策は、減税対策なり、一方、融資受け入れ体制というものを整えることが必要であろうというように考えておるのですが、今回のこの小売り市場も、そういう点が相当考えられたと思うのです。  そこで、話はくどくなりましたけれども、取り残された個人々々の小売り業者に対する圧迫というものがさらに強まるだろうということが予想されますし、それに対しては、いま局長が、中小企業近代化資金であるとか、あるいはまた高度化資金というものも投入するということも考えられ、これによって個人々々の営業に対して合理化を与え、近代化を促進せしめていくというお考え方もわかりますが、同時に、一面は、先ほど局長は、いま大学卒業というような、どちらかというと、インテリ層が小売り市場の中にむしろ積極的に飛び込んでいくんじゃないかというふうに考えられておりますが、なるほどそうだと思うのです。同時に、しかし、それに参加できない方々は、やはりこれらの圧迫を排除し、あるいはこれに抵抗を試みるという立場から、やはり私がいまいったような共同化の方向へ、五人、十人集まって共同化の方向にいくということも考えられるわけでありますから、こういう場合には、どちらかといえば、個人に対するよりかも、より積極的にこういうことを奨励せしめて、個人ではやっていけないとあれば、共同化でやれるというような、こういう指導というものが、行政指導というものが、今後あるべきではないか。これによって個々の没落していこうとする、あるいはまた倒産の一歩手前であるというような、そういう業者を、この共同化によって組合せしめてやらせていくという、そういう体制を考えていいのではないかと思うのですが、こういう対策はお持ちになっておられますか。
  47. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 全く仰せのとおりだと思います。中小企業高度化資金は、実はそういう人々が共同化して、共同組織でマーケットをつくろうというような人のために、無利子の資金でありますが、そういうものを用意しておるわけでございますが、さらに東京都も低利資金を用意いたしております。今後われわれとしましては、こういうものを拡充する、一方におきまして、いまお話がありましたような小売り商の共同組織、共同化による拡大、必ずしもマーケットと申しませんが、営業の規模の拡大、まあ現実にもう人手不足で非常に困っておるわけでございますから、農業あるいは農業以上に人手不足で営業がむずかしいという状態もあるわけでありますが、その共同化の方向で進む人々に対して、さらに低利資金等を拡充するように努力いたしたいと考えます。
  48. 大河原一次

    大河原一次君 よくわかりました。それから、これと関連がございますが、これから発足しようとする小売り市場との関係もございますが、従来、たとえば今日もそうですが、小売り標準商店というのがございますね。これはいま東京にはどのくらいございますか。
  49. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 約千八百ございます。
  50. 大河原一次

    大河原一次君 しばしば聞かされるところは、今日言うところの小売り標準商店が、非常に何か価格の面や、あるいはまたサービスや、その他の点において、実際あいまいなものになっておるのではないか。われわれが小売り食料品等を購入する場合に、こんなものがあったって、他の店と大して違いがないのではないかというような声も出ておるということも聞かされておるのですが、一体今日までの、このせっかくのつくられた標準店が、一般の消費者に対して、あるいはまた一般小売り店との間における、何といいますか、どのような立場に立っておるか。はたして、一般小売り店よりかも標準店のほうのやつが実際において安いかどうか、どの程度まで安いかという点。実際からいって大した当てにならぬものじゃないか、こういう点よく聞かされるのですよ。われわれも、なるべくならばそういう幾らかでも安い標準店のほうから購入すべきだと考えておるのですけれども、ところが、世評においては、今回の標準店というのは実際あいまいになっておるということですが、同時に、現状はどうなっておるかということと、今日までの、標準店におけるいわゆる取り扱い品目の価格というものが、価格基準というのですか、どういうところからきめられておるか、ひとつおわかりでしたらば、参考のためにお聞きしたいと思うのです。
  51. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 実は昨年の秋に、東京都の標準小売り店につきまして、モニター調査を実施いたしたのでございます。その中で、回答があったのは、二百十三人のモニターから回答がございましたが、標準店で買ったことがあるという人が、八百屋の場合は七六・七%、魚屋の場合は七一・七%、こういうふうにわりあいに利用されておる状況でございます。しかしながら、標準小売り店営業自体については、かなり批判がございまして、標準品と、ほかのものの区別がはっきりしていないとか、あるいは品質の値段についても必ずしもどうもよくないじゃないかというようないろいろな批評がございます。で、これはさらに改善をはかることにいたしておりますが、標準店に対する指導はやっておるわけでございますが、どうしても標準品の数が少なくならざるを得ないわけでありますのと、それから標準品の銘柄というものが、まだ的確にどうも押え切れないというようなことがございますので、一般小売り商よりは幾らかましという程度の評価ではないかと考えられます。今回の小売り市場の場合は、むしろ、大阪公設市場でもやっておりますけれども、その標準価格は的確に守られ、標準品の数もふやすことができるということをわれわれは確信いたしております。現に大阪ではそういうことで実施しておりますが、標準店よりは小売り市場においてはるかにそういった点は十分なことがやれると考えております。
  52. 大河原一次

    大河原一次君 東京だけが大阪のようにうまくいっていないというようなことは、どこに欠陥があるか知りませんが、まあそれは御答弁要りませんけれども、ただ、いま今日何店かあると申しましたが、東京都内における標準商店が、今後予想される、また、一般小売りと同じように、せっかくの標準店というものが設けられておったが、今日の存在はあまり期待のできないような存在であるにいたしましても、今後これから発足しようとするこの小売り市場によって、結局相当な打撃をこれまた受けると思うのですが、そういった場合、一体標準店というのがあっていいのかどうかというこの存在の可否の問題が論議されると思うのですが、こういうようなことについてはどういうふうにお考えになっておりますか。やはり今後とも……。
  53. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) やはり標準店は、いま申し上げました調査結果などから見ましても、今後もあったほうがよろしいと考えております。で、小売り市場と標準店の関係は、大阪の場合はもう小売り市場そのものは標準店となっておるわけですけれども東京の場合は小売り市場が標準店をリードするように持っていってはいかがか、こう考えておるのでございます。標準店をやめるのではなくて、むしろ標準店の最も代表的なものにして、それがリードしていくということにいたしてはどうかと考えております。
  54. 大河原一次

    大河原一次君 これも今後の市場運営の面において参考になると思いますからお聞きしますが、先ほども局長が触れられたように、公設市場の問題ですね。私どもの近所に、四谷に公設市場がございますが、たまに行ってみるのですが、この公設市場も最近全くこれは衰微しておるということであるし、むしろ今日大企業によって営まれておるスーパー・マーケット、あるいはその他スーパー・ストア等によって非常に衰微を来たしておるというのですが、しかし、そればかりではないだろう、内部の機構の問題にもいろいろ問題があるのではないか。これは東京都営ですか、区営じゃないか……。
  55. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 区営です。
  56. 大河原一次

    大河原一次君 区営——そういう面ですね、今日公設市場の問題もちょいちょいうわさに聞くのですが、当局のほうから考えられまして、公設市場の衰微の一体原因はどこにあるのか、これが再び私は公設——こういうことはないと思いますが、せっかくおつくりになって、これからやろうとする小売り市場がこの二の舞いになったのではいかぬと思いますが、ひとつ衰微の原因というのはどの辺にあるか、お考えになっておられましたらひとつ……。
  57. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) これは私ども今回の小売り市場をつくります場合に、東京都の区営または都営にすることを最初に考えたわけでございます。それで東京都と折衝を続けたわけでございますが、東京都はどうしても自信がないというのでございます。それは東京都でも大正か昭和の初期から公設市場大阪と同様につくったわけでございますが、衰微してしまった。一体それはどういう原因なのか、その原因を改めたらいいじゃないか、こう言ったのでございますが、これはどうもこういうところで申し上げるのはいかがかと思いますが、東京都の場合は非常にやはり地元の圧力というものが強いようでございます。それで、区役所あるいは都というところでは、なかなか円滑にやれないというのが、率直などうもあれだったわけでございます。それからもっと現実的な理由といたしましては、東京都の消費者大阪消費者、まあ要するに主婦でございますけれども、間のやはり考え方の違いがあるようです。で、大阪の主婦は非常に割り切って、安くていいものならばあまり見ばのよくない店で買ったってかまわないのだという意識には、わりあい徹底しているわけですし、東京の主婦はどうも古くなった薄暗い市場は、まあ四谷なんかはましなところで、まだ残っておるわけですけれども、薄暗い市場で買うのも快しとしない人が多いということのようでございます。そういう面も考えますし、今後の経営方式としてスーパー方式とか、まあ要するに明るい近代的な店をつくるということは非常に肝要だと考えております。
  58. 大河原一次

    大河原一次君 あと、ぼくは午後から、こまかいことになりますけれども、お聞きしたいと思いますが、私はいまこの公設市場の問題を申し上げたのは、やはり再びせっかくのこの小売り市場が運営されても、また衰微をたどるというようなことのないように、やはり今日の一応あれは公設市場ですから、区でやっておるのですから、そういう意味で再び繰り返すことのないように、そういうことのために参考として聞いたわけですけれども、ぼくは午後から別にやるということになっておりましたですが、一応整理してからお聞きしたいと思います。
  59. 青田源太郎

    委員長青田源太郎君) ちょっと一ぺんとめてください。   〔速記中止〕
  60. 青田源太郎

    委員長青田源太郎君) 速記をやってください。
  61. 大河原一次

    大河原一次君 これは、先ほどから生産点における生産出荷の問題をちょっと聞き漏らした点があるから、それに関連してお伺いしますが、この生産点のことを考えますと、いろいろ組織の問題もありましょうし、共同出荷とかあるいは出荷体制それ自体にもいろいろ問題があろうと思うのですが、やはりその出荷体制にいたしましても、出荷組織にいたしましても、要はそれらの内容組織的に具備されているというところに、当然価格面の安定ということも来たされるだろうし、一方、市場においてはこの生産品の獲得という面も当然考えられてくるわけですから、その場合、やはり生産者立場に立って考えますときに、先ほどの一番最初に触れた問題にも関連いたしますが、やはり生産団体としては、せっかくこのような、たとえそれが小売り市場開設の問題にいたしましても、やはり生産団体から見ますると、一つのこれは魅力だと思うのです。一つの魅力になると思う、確かに。どうしてもこの魅力の上にのっとって今後の自分たちの所得を高めようという考え方ですから、そうなりますると、おのずとただ単に中央卸売り市場と直結したという問題ばかりではなくて、できるのだったらこの小売り市場とも直結していくべきではないか、そういう考え方が出てくると思うし、同時にまた、今回のこの市場というものは国と都において運営するという形になっておりますれば、それだけで先ほど申しましたより公営的な、より公共的な色彩を帯びるわけですから、そうなりますると、私は農作物の品物が自分の軒先から出荷計画を通して、出荷組織を通して、やはり直接に小売り市場に物を運んで、生産者団体みずからが委託手数料を払ってここでひとつ販売してもらいたいというような考え方になってくるのではないかと思うし、われわれ、農民の立場から申し上げまするならば、特にまたいま論議されている問題は農林委員会の問題だから、したがって当然やはり農林委員会としても農業の場面を考えてやったときに、この農作物を小売り市場の中で売ってやろう、買ってやろうというような、そういう体制にまでいくべきではないかと思うのですが、この面に対してはどうお考えになっておりますか。
  62. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 生鮮食料品取引につきましては、まあ外国でもそうでございますけれども、日本の場合は特に非常にバラエティーが多いわけであります。商品にいたしましても、産地にいたしましても、同じカンランでもずいぶん産地ごとにいろいろあるわけであります。ニンジンにしましてもそうでございますし、ミカンにいたしましてもそうでございます。したがって、大量取引による有利性というものを発掘するには、やはり中央卸売り市場というような大市場が中心になりましてやった場合のほうが、通常の場合は経費が節約されるというのが原則的な考え方であろうと思います。少なくとも当面の段階におきまして。しかし、こういうように公設市場小売り市場が発達してまいりますと、そうでない面も出てまいります。現にアメリカの場合三割ぐらいは卸売り市場を経由しないものがあるそうでございますが、だんだんそういうような面が出てまいると思います。当面、食鳥つまりブロイラーとか鶏卵のようなもの、そういうものは中央市場を通じないで出荷団体消費地問屋に卸している場合が多いわけでございますが、そういう場合はむしろ直接小売り市場取引をするほうがいいのではないか。魚で言いますと、冷凍魚のようなものは、冷凍魚を普及させるためにも、また現在の冷凍魚の小売り販売、消費者に対する販売のやり方が、わざわざ冷凍したものをもとに戻して消費者に売るというようなつまらぬ手数をかけて——つまらぬというと語弊がありますけれども、手数をかけて取引をやっておる、そういうようなことを改めるには、直接冷凍魚のようなものは出荷団体から買い取る、あるいは委託を受けるというほうがいい場合が確かにあると思います。あるいは干しシイタケ、そういうものにつきましては、最初からそういう方法取引を勧奨してまいりたいと、こう考えております。   〔委員長退席理事梶原茂嘉君着席
  63. 大河原一次

    大河原一次君 今回の小売り市場の場合も、直接、たとえばブロイラー、あるいは鶏卵、あるいは冷凍魚、そういうものを直接出荷団体から個々に受け入れる、荷引きをやる、そういう考え方に立っておられますか。
  64. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) そういうように持ってまいりたいと考えております。
  65. 大河原一次

    大河原一次君 この場合も考えられることは、先ほどの入居者の入居基準の問題とも関連してくると思うのですが、こういった場合、直接一方から小売り業者、いわゆる入居者の立場からいうならば、普通考えられているところは、中央卸売り市場から直接あるいは間接に荷引きをしてそこで販売をするという場合ですけれども、しかし今度の場合は、直接出荷団体から荷受けをして販売するということですから、これに対する入居者の意見もいろいろあるのではないか。結局いろいろな面でも影響されるところは多いと思いますから、ですから、こういう場合の入居者の意見というものは那辺にあるかということも、一応考慮の対象とすべきではないかと思いますし、入居基準にあたっては、そういう面の入居者の意見も、こういう点において取り上げていく必要があるのではないか、このうよに考えておりますが、この点はどうお考えですか。
  66. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 確かに入居者の意向を無視してやることはいけないと考えるわけでありますが、しかし一面、明らかにそうしたほうがベターであるというものにつきましては、強い指導力を発揮するように、契約等の順守事項というようなことで、できるだけそれをやってもらうというのが、お互いのためにいいのではないかと思います。で、これは必ずしもほかの業者に悪影響を与えるというような性格のものでもない。あるいは消費地問屋などには多少の影響はあるかもしれませんが、しかしそれが、生産者のためにも、消費者のためにも、また小売り商なり出荷団体のためにもよいことでございますし、そういうものにつきましては、できるだけ強力に指導したいというように考えております。
  67. 大河原一次

    大河原一次君 この場合やはり問題になってくるのは、生産地からまっすぐに小売り市場に持ち運ばれて、入居者の手数によって売りさばかれるという場合に、やはり価格の問題が当然日程にのぼってくると思うんですが、この価格の決定の方式といいますか、どのような価格決定の方式を考えられるか。これは魚、肉、あるいはブロイラー、鶏卵といったようなものですね。これらに限定されるといたしましても、これらの価格決定の基準をどこに置いてやるかということも当然考えられるべきではないかと思うんですが、この点はどう考えられますか。
  68. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) これは結局、出荷団体小売り業者の仕入れ組織との折衝の問題でございますけれども、中間に、いままでは、消費地問屋の手数料でありますとか、迂回した運搬費とか、そういうものがございますから、少なくともそういうものは節約した形で値段がきめられなければならない。で、それの利益は、消費者に帰属せしめる部分もあるし、産地のほうに帰属させる部分もあるかと思うのでありますが、それを一般的に抽象的にどうきめるということはなかなか申し上げにくいわけですが、考え方としてはそういう行き方になろうと考えます。
  69. 大河原一次

    大河原一次君 私がさっきから申し上げておることは、やはりどちらかと言えば、直売方式ですよ。これは衆議院の段階で話があったそうでありますけれども、やはり直売方式、あるいはまた直売に準ずるといいますか、そういう形の中で取引をされ、販売をされる、そういうふうにも考えますから、そうするならば、当然この価格という問題がそこで直接取り上げられてくると思うし、その場合の価格決定の基準というものは、やはりある程度、いわゆる公営的な市場の問題ですから、当然考えられるべきではないかというふうに考えます。同時に一面には、またこの場合に、生鮮食料品、いわゆるブロイラーであるとか、食肉、あるいはまた鶏卵というもの、直売ものばかりではなくて、その他の生鮮食料品全般にわたって、管理会あるいはまたその他農林当局が、何といいますか、品目の選定なり、あるいは品目構成というものを、個々の業者に対して、いわゆる強制するといいますか、指示するといいますか、そういう形をとるわけですか。これも先ほど申しおくれておったわけですけれども
  70. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 前段の直売または直売に準ずる場合でございますが、特に鶏卵のようなものは大体もう産地出荷値段というものは、出荷団体できめられているわけでございます。それに市場の妥当な手数料を加えたもの、委託を受けた場合の手数料、そういうものできまると思うのでございます。それから後段のいろいろな広範の品物の場合でございますが、私ども考えておりますのは、大体大阪公設市場の例にならいまして、標準品を普通の標準店よりも多くきめていきたい、それで標準品の値段については、マージン一定の方式で出し、その日の売卸り値段を勘案しまして、大阪でやっておりますような方式をとってまいりたい。ただ、経営方法がとにかくあらゆる面で人件費の節約なんかやれる方法をとっておりますので、通常の標準品価格よりかやや低目にきめられるものと思っております。
  71. 大河原一次

    大河原一次君 この一割安くするとか、あるいはまた適正価格だということが言われておるようですけれども、この際、この一割というマージンの問題は各品目一つ一つですね、各品目の上からの一割ですか。総売り上げ荷の一割を考えておるのですか。どちらですか。
  72. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) これは総売り上げで一割ぐらいの節約ができるはずだ、こういうことでございます。それは仕入れの面でも大量仕入れをやりますから、非常に商品の回転も早い方式でございますし、その面でも四%なり五%出る、これは計算上の問題でございますが、出る。それから販売方法の面で、何といいますか追尾販売といいますか、お客に店員がついて一々尾行販売をやるとか、ついて品物の相談を受けたりなんかしない。お客が自分でとって、セルフサービスでやる。代金は一カ所で払うという方式などをとりますので、そういう面での人件費の節約で、かなり安く、これは四%から五%、それは同時に商品の回転を非常に早くするわけでございますけれども、そういうことでマージン全体、つまり売り上げ全体で一〇%ぐらいの節約は十分可能である、こういう見込みでございます。
  73. 大河原一次

    大河原一次君 そういう点については、さらにまた十分に勉強してからしなければいけないと思うんですけれども、ただこの場合、一割見当のねらい、非常にけっこうだと思いますけれども、そうなってほしい、またそれ以上にしてほしいと思いますが、はたして市場開設された暁において、人件費あるいはまた——私は人件費も相当になるのではないかと思いますが、人件費あるいはまたその他の諸経費、あるいはまた償却費、そういったものを総合的に考えますと、よほどしっかりしなければ、容易ではないのではないかと思います。第一条の目的が完遂するのには、よほどしっかりしなければならないのではないかと考えるんですが、その際取り扱う商品、生鮮食料品、たくさんございますが、その中ではマージンの高い商品のみが販売されるということになりはしないか。たとえば何といいますか、いろいろあると思いますが、そういったものが主として多く取り扱わされて、その他のものは取り扱い量を少なくするというような、そういうような規制措置がとられるのではないかというような危険もあるのではないかと思いますが、消費者立場から見ますと、数多くのいろんな品物を出してもらって、そこで安く売ってもらうことが望ましいわけですが、しかしまた、経営の面にくると、総売り上げで一割ということになると、なるべく比較検討して、マージンの高いものをなるべく多く取り扱うということになって、一般の——今日都市の消費構造は高まっておりますけれども、しかしまだまだ高まっておるとはいっても、相当低所得者の方々があるわけですから、そういった方々の需要にこたえるためにも、まんべんなく、特に最近の低所得者の方々の嗜好に応ずるような品物をたくさん出しておいてもらわなきゃならぬのではないか。どちらかといえば、消費構造の高い面だけが——マージンの高いものだけが取り扱われることになるとちょっと困ることになるのではないかというふうな懸念もあるわけです。
  74. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) ごもっともだと思います。これは公設市場でございますから、あくまでも大衆が消費する生鮮食料品を主として販売するように、これは最低の条件として守ってもらうという考えでございます。もちろん営業の面からいいますと、一般の民間のスーパー・マーケットと称するのは実はスーパー・マーケットではない場合が多いわけでございます。生鮮食料品はむしろおとりに使っておる。毎日買い出しに来る物だから、お客さんを引っぱるためのおとりに使っていて、やたらにこれを安くして、ほかの衣料品とかそういうもので大いにかせぐと、こういう営業をやってる場合が多いわけでございますが、そうではなくて、妥当なやっぱり水準で生鮮食料品を主体にして、本来のスーパー・マーケットというものとして、大衆向けのものに重点を置く、これはもう条件として守らせる考えでおります。
  75. 大河原一次

    大河原一次君 まあそうあるべきだと思うし、特に入居者の入居基準の問題とも関連いたしますが、入居者に対する指導監督という面も十分に考慮を払った上で、いま局長が述べられたような方向にしてもらいたいと思うんですが、その場合、さらにこの生鮮食料品の品目ごとのいわゆる最終的な消費者価格の最高とあるいは最低を制限するのかどうか、そういう問題ですが、どうお考えになりますか。
  76. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) これは統制時代のようにマル公というような形のものはやるべきではないと思っております。まあ、かえりてそういたしますれば、営業活動を沈滞さしたり、消費者に悪い品物が渡るというようなことになって、好ましくはないと考えておりますが、標準店でやっておりますものより一歩進めて、大阪公設市場でやっている標準価格——標準店よりはできるだけ標準銘柄をふやしまして、その標準価格をきめて、それにならっていろいろな品物を売ってもらうというようにいたしたいと思っております。
  77. 大河原一次

    大河原一次君 最終価格としての最低最高を制限しないということになるならば、そうするとこの適正価格のあり方という問題が、実は問題になってくると思うのですがね、その制限をしない場合の適正価格のあり方といいますか、そのきめ方というものは、何を標準にしてきめるかということが問題になると田ふうのですが。   〔理事梶原茂嘉君退席委員長着席
  78. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) これは現在東京都でやっております標準価格よりはもう少し緻密な方式で、あれよりは少ないマージンでやれると思いますが、それの算定方式を定めまして、その日の中央市場値段にその方式によるマージンを加えたものを、標準価格考えてまいりたいと思います。現在の標準価格は魚の場合、仲買い人値段に対して三一・五%でございます。これはもう少し節約できる、少なくともこういう営業方式なら、ずっと節約の可能性があると考えております。
  79. 大河原一次

    大河原一次君 具体的に申し上げたいことがあるのですが、整理できておりませんから、整理してからお聞きしたいと思います。
  80. 青田源太郎

    委員長青田源太郎君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  81. 青田源太郎

    委員長青田源太郎君) 速記を始めて。
  82. 梶原茂嘉

    ○梶原茂嘉君 いろいろの生鮮食料品ですけれども、問題を簡明にするために、一応蔬菜というものに限ってお伺いしたいのであります。で、現在の小売り面における蔬菜のマージンのあり方ですね。マージンのあり方が他の各種の日用品、家庭に直結する各種のそういう品物に比べてどういう地位にあるのか、言いかえますと、現在の八百屋さんの口銭というものが商過ぎるのだという目で見ておられるのか、まずまず妥当だと見ておられるのか、一体八百屋さんのマージンに対する見方はどういう見方であるかということを伺いたいと思います。
  83. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 現在の八百屋のマージンが特に他のものに比べて著しく高い、必ずしもそうは考えていないのであります。しかし高くなる傾向が見られる。どうしてもこういう品物は、売り上げ量をふやすよりも、高い値段にする傾向があるということから、最近のように年々人件費が上がってまいるような時代には、どうしても高くならざるを得ない、こういう構造的な考え方を持っているのでございます。で、調査した結果で見ますと、粗利益率、これは六大都市の通産省の「中小商業基本調査報告書」によるわけでございますが、野菜、果実は二二・一%でございます。鮮魚は二三・一%でございまして、食肉、卵鳥肉、これが二一・七%でございます。各種食料品は一七・三%、酒、調味料が一五・三%、それから乾物や茶が二一・四%、米麦、雑穀、豆類等が一一・二%、で、まあ、食品の中では高いほうでございますが、これは腐敗性のものでございますから、ある程度高くなっているのはやむを得ないと考えるのでございます。しかしむしろ問題は、構造的には、まあ流通段階で、一番マージンが大きい段階でございますし、しかも人件費が占める割合が大きいわけでございますから、今後これが騰貴してくる可能性は十分あると考えております。
  84. 梶原茂嘉

    ○梶原茂嘉君 蔬菜のごときは生鮮食料品のほんとうの生鮮な、それを扱う上で人件費が中心的な要素にあるということは、これはまあ当然のことだろう、ところで人件費というものが将来も上がる傾向にあるということは、これまた当然の推移であろう、こう思われるのです。したがって、蔬菜マージンが今後も上がる傾向にあるであろうということも、これまた私は当然の筋道であろう、こう思うわけです。他の食料品であれば、加工食品であれば、多分に大量生産という可能性がある。しかし蔬菜ならば生産がふえればたちまちマージンの問題以上に、供給量の変化というものが価格の上じゃ大きなウエートを占めているわけで、八百屋さんのマージンのあり方よりも、蔬菜の価格自体の騰落が比較にならぬほど大きなウエートを占めておる、こう思うのです。したがって、将来やはりある程度マージンの実態というものは、私は実質は上がっていく。二一%というもの自体は、それは大体そういう程度でおそらくいく、蔬菜自体の価格というものは、やはり上がる傾向に将来も進むであろう、こう思うのです。今回の総合食品市場というものが蔬菜のマージンを編成する、少なくするというねらいのように、それはねらいの一つであるというふうに言われておるのですけれども、はたしてそれが可能でもあるかどうか、それが可能であるという根拠は、どうも私はつかめないのですが、一体可能なのか。可能だとすれば、それをどの程度に減らすのか、というお考えなのか、その点をひとつはっきりしてもらいたい、こう思います。
  85. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) もちろん、野菜の生産価格、これは豊凶あるいは需給関係で騰落いたすわけでございますが、これを安定させる必要が根本的に大事でございます。しかしながら、同時に野菜はこれは労賃の関係もありますし、生産地が遠くなったという関係もあって、この数年恒常的に、ある季節的な騰落は別といたしまして、根っこが上がってきております。ですから、この面の対策もとる必要があると思うのでありますけれども、同時に、それよりもやや早く中間経費が上がる傾向にございます。これは中間段階における特に人件費の影響が多いと思うのでございますが、それを今度のあれで節約できるかということでございますが、その節約の方法は、大量の仕入れをする、商品の回転を早めて取り扱い高をふやすということが一つ、それから販売方法がいままでのように、いまは消費者に届けていくという方法が減ってまいりましたけれども、人手不足で、それでなくてもしかし相当人手を使っている販売方法をとっております。そういった販売方法を改めることによって節約ができることは、これは明らかであります。また、今後も人手を使う割合が少なくなれば、人件費が上がりましてもその影響は比較的少なくて済む、こう考えておるのでございます。
  86. 梶原茂嘉

    ○梶原茂嘉君 大量仕入れによってコスト・ダウンをはかるということは大きな筋道であると、お説のとおりだと思う。ところが、生鮮食料品、特に蔬菜等について一体大量仕入れ、大量仕入れといわれるけれども、どの程度の大量仕入れをしているのか、言いかえますと、今度出てくる総合食品市場ですか、この中で扱う蔬菜は、大体どの程度の消費者、あるいは消費者の家庭を対象にしているのか、まあ一つの総合市場ですね、どの程度の一体消費者層を対象にしているのか、大量仕入れと非常な回転でコストが安くなるような仕組みになっているのか、一市場当たりの蔬菜についてどの程度の消費者を対象とするか、どの程度の消費者の家庭の数を対象とするか。
  87. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) これはまあいろいろな想定があるわけでございますが、想定を申し上げる前に、現実に一体町の中にある店舗で、実際のどれだけの実績をあげているかということを申し上げるほうが先であろうかと考えますので申し上げますと、ここに青果あるいは鮮血等を売っている店のこれは統計でございますが、従業員一人当たりの売り上げは、年間百三十七万円が青果の場合、鮮魚の場合は百十七万円ということになっております。それから売り場面積の坪当たりでいいますと、青果の場合は四十二万円、鮮魚の場合は五十二万円、こういうことであります。ところがいわゆるスーパー・マーケットと称している店の売り上げでございますが、これは従業員の一人当たりで申しますと、四百二十七万円でございます。それから坪当たりで百三十一万円、大体数倍の売り上げになっておるわけです。これは場所柄等も影響がございますが、販売方法が、とにかく最小限度の人手しか使わない。それからブリ・パッケージ等をやるとかいう、そういう方法で商品の回転を非常に早くしている、こういうようないろいろな影響がございます。それから環境をよくするということでお客さんが非常にふえると、そういったことから大量仕入れが可能になってくる、こういうことでございます。
  88. 梶原茂嘉

    ○梶原茂嘉君 いま一人当たりのお話がありましたけれども東京で何軒の八百屋さんがあって、大体一軒がどの程度の家庭を持っておりますか、一軒の八百屋がどういう商売をやっているのであろうか。
  89. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 一軒当たりのお客の数は調査がございませんが、東京には青果小売りをやっている商店の数が七千六百、八千近くあるわけでございます。大ざっぱにいえば、東京都の世帯数をこれで割ればいいわけでございますが、鮮魚が三千七百、四千弱でございます。で、売り上げは、東京の場合、青果が従業員一人当たりが百九十四万円、鮮魚が百五十六万円、こういうことになっております。
  90. 梶原茂嘉

    ○梶原茂嘉君 今度できるこの法律に基づく市場ですね、それでどの程度の蔬菜を扱って、簡単に言えば従来の何軒分くらいになるのだと見ておるのですか。
  91. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 大体売り上げ荷で普通のスーパーよりやや低く口で三倍から四倍くらいの売り上げを想定いたしております。
  92. 梶原茂嘉

    ○梶原茂嘉君 そのことは、三倍か四倍の消費者家庭を対象にする、こういうことに見ていいわけですね。
  93. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 大ざっぱに言いますと、そういうことでございますが、たとえば普通の小売りでございますと、野菜を買いにきたついでに魚を買う、こういう割合は少ないわけでございまして、同じところで、野菜とか魚とか加工食品も売っておるという場合は、やはり消費者としても、一度に手間を省くためにも買い出していくということが多いわけでございますし、それから実際のスーパー店の売り上げの実績などを見ましても、これ以上の成績をあげているわけでございます。大体、そういった見当で、そうむちゃなことはないだろうと、こう考えます。
  94. 梶原茂嘉

    ○梶原茂嘉君 スーパーの場合は問題は立地条件といいますか、環境といいますか、それが支配的といいますか、一つの要素であろうと思う。ところで、現実に東京で見れば一つの町の一部が、そこにちょっと消費者が出かければ八百屋さんが三軒ある、魚屋が三軒ある。それと生鮮食料品以外の総合食料品店と名前を出し縛るような店が、一、二軒ある。そういう形態の一つの姿ですね。それは私は一つの社会構造的な姿と思う。そういうのが各所に現実あるわけですね。現実に行なわれておる。したがって消費者立場から言えば、これは新しくできるスーパーの近くの人は、従来の三軒なり四軒の八百屋に行っておったのがそこへ行く。それが便利だ。しかし、それは東京で言えば消費者の中のごく一部であって、ほとんど割合に出てこない程度であろうかと思うのです。それじゃこれが一つのモデルで、ほかの者もそう見習えということであろうかもしれないけれども、これは多額の国の援助があってやり得る。ほかの小さいものはなかなかそういう方向にいくことは事実容易じゃない。しかも最近は農林省はお調べがあるだろうけれども、比較的小さい食料品店でも非常な仕入れを広くやりまして、総合食料品店的な形なり実態を備えるために、非常な努力を、四苦八苦をしているわけだと私は思うのですね。それは加工食品というのはそうであろうと思う。ところが生鮮食料品については、車で買いに行くわけではないので、大部分の家庭からいえば、比較的近回りに八百屋さんがあるのですね。わずかの時間で消費者が買いに行けるわけですね。若干、それにはスーパー・マーケットに比べてみると、統計上スーパー・マーケットのほうが安いかもわからない。しかし、時間とか、こういうふうなものを勘定しますと、実質的にどちらが安いか、にわかに判断はむずかしいかもわからない。私は、こういう、将来の方向としてこれは間違っているとも思わない。しかし問題は、先ほど来大河原さんも言われたように、生鮮食料品については物理的な問題として、たとえば東京のごとき、人口が急激にふえていくこういう地帯の問題は、何としても中心のマーケット、中央卸売り市場というものを大きく、少なくとも物理的に再編成していくということが、こういう都会における生鮮食料品小売り面の姿というものを正していくこれはもう本筋だと思うのです。そのほうが直らない限り、一日置けば価格ががたっと下がってしまうのですよ、そういうものを大量に仕入れたというだけでは。しかも、大量と言うけれども、小さい八百屋さん二、三軒分の集まりに過ぎないという行き方で、はたしてこれがうまくいくのであろうかどうか、私には少なからず疑問があるわけなのです。  もう一つ、それに関連して伺いたいのは、このマーケット、市場というものは、性格が先ほども局長お話のように、以前にスタートしていろいろのあり方をしてきた公設市場的なものなのか、しばしば言われるように、スーパー・マーケットとしてそれ自体が一つ経営体、それ自体が一つの企業体、こういうふうに見るべきか、その点がはっきりしないのであります。一つの企業体としてのスーパーマーケット、これは一つのあり方として各地にあります。今度の総合市場というのはそういう企業体としての性格のものか、あるいは公設市場というようなことでできる新しい団体か。そういう一つの物的な施設というものをつくって、その中に小売屋さんが店を並べるというふうな性質のものか、その点はどうでしょう。
  95. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 前段の問題でございますが、もちろん中央卸売り市場改善とか改革、これはもう必要でございます。特に狭隘になってまいっておりますし、その中の取引もまだ必ずしもオーブンになっていない。そういう現状改善することはあわせてやらなければならぬところでございますので、これは先ほど来、大河原委員の御質問にもお答えしておったわけでございますが、われわれこの構想をつくります場合に、小売り商意見を何度か聞いたのでございます。一体こういう方向小売り商としてこれに協力してあるいは参加してやっていく気があるかどうかという点について聞いたわけでございますが、小売り団体はとにかくいま私鉄とかデパートとか、その他の民同の大資本がスーパー・マーケットをつくりまして、そのために非常な打撃を受けておる。それから人手不足で悩んでおる。そういうことを打開して新しい道を開かなければならない。これはしかしスーパー・マーケットができたからといって、家族経営の小さな小売り商がすべて要らなくなるわけではなくて、岡方共存しておるのがどこの国でも実情でございますけれども、そういう方向でとにかく新しい活路を開きたいと思っている、ことに若い層はその考えでございます。政府が低利資金を貸してくれるようだけれども、こういうふうに設備をつくって安く貸してくれるのが非常にいいのだ、こういうような意見であったわけであります。で、その小売り市場の配置については、できればそれはたくさんつくりまして、東京都ぢゅう至るところに置けば、一番小売り商の側からも消費者の側からもいいかもしれませんが、さしあたり東京で最も物価高を訴える地区というのは、むしろ環状線の外側の地域でございます。特に新しい住宅団地などができた地区におきましては、店舗が足りないせいもございますけれども消費者は物価高と不便ということで悩んでおるわけでございます。そういうところでは住宅公団がこういう施設を、あまりたいした設備ではございませんが、つくっている場合もございますが、そういうところ、それから勤労者の多く住んでいる地帯、この辺が物価高の訴えが多いところで、東京都もまずそういうところから整備していきたい、こういうようにいっておるわけでございます。  それから第二段の御質問の、これは公設市場であるかスーパーであるか、一つの企業体としてのスーパーであるのかという御質問でございますが、これは公設市場であります。ただ経営方式としてスーパーの方式を取り入れるということでございまして、民営のスーパーのように、何もかも自由にやるわけじゃなくて、設備を貸す条件として規制を加えてやっていくということで、あくまでも公設市場ということでございます。
  96. 梶原茂嘉

    ○梶原茂嘉君 環境といいますか、そういう条件が基本的に大事であって、新しくどんどんできていく団地的なところ、そういう地帯の消費者に対して、生鮮食料品を中心にしての一つの店舗のあり方からいえば、必然的にこういう形態になるであろうと私も思うのであります。そういうところに個人がわずかな投資をして小売り屋をやるということは、それはなかなか現実の問題として動きがつかない状況にある。どうしてもこういう一つの施設が必要だ。ただ公設市場的の行き方で、そこに小売り店舗がそれぞれその設備を利用してやるという実態であるとしますると、おそらく私はその小売り屋さんのマージンを切り詰めていくんだということをねらいにするとすれば、結果においてそうはいかぬであろうと思う。やはりこれは計算をするには実際にやってみなければ、そういうことはわかりませんけれども、どう考えましてもそういうことで生鮮食料品を扱って、そうして二割見当のマージンがなくては私はやれないだろう、こう思うのでありまして、むしろ全体の蔬菜自体の価格のあり方というものも、それのもとである中央市場あたりがほんとうに何というか、改善されてこなければ、蔬菜自体の価格は下がってこない。その価格については施策がなくて、そのうちの一部であるマージンの切り詰めを、これによって期待するというところに、若干の考え方としての何といいますか、無理があるような感じがするけれども、それはそれで、だからこれがよろしくないというわけではないのであります。できるならば、やはり基本的な問題を少なくともやって、それと合わしてといいますか、小売り面の改善ということをひとつ指導をしてもらいたい。特にここに入れない多数の、東京でいえば七、八千軒からの八百屋さんがあるわけですね。魚屋さんにしたって四、五千軒ある。この政府が特別の財政的な援助をしてやってくれる面に参画する人は、これはほんとうにその一部の一部にすぎないのですね。大部分のものは、非常な不利な条件に放っぽり出されておるというのが状況である、しかも非常なスピードで全体の環境といいますか変わりつつある。そこに非常に一つの苦悶といいますか、悩みが現実問題であるわけなんですね。そういう大きな都市のこういう生鮮食料品その他の加工食料品を扱う小売りの今後の指導とかというものにもう少しといいますか、進んだ一つの方策というものが望ましい。ところが従来は大体そういう方面には、まあまあ行政上からいえば、行政の圏外に置かれておって、ともすればその批判だけをお上から受けているというふうなのが実態じゃなかろうかとさえ思うのです。ひとつ全体の生鮮食料品あるいは加工食品、特に生鮮食料品を扱う第一線の小売りに対する適正な指導というものをこの際本格的に考えてもらいたいという希望をひとつ申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
  97. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 後段のほうの小売り商対策が不十分で、それをもっと強化せよという御意見でございます。これはごもっともでございます。特に農林省のいろいろな流通対策全般が、どちらかといえば貧困と言わざるを得ない状況でございますが、特に小売り面についてそういう感を深くしておるわけでございます。今回の対策をとる際にも、中小企業の高度化資金を小売り方面にも使う、東京都の低利資金を回すということも考えておるわけでございますが、さらに今後小売り商の共同組織とか、そういうものに対する低利融資を一段と拡充するようにいたしたいと思います。  それから前段のほうのこれは例としておっしゃったわけでございますが、かりに住宅を団地などにつくる場合におきましても、いまの小売り商は大体三百世帯とか四百世帯を相手にした商売をやっておるわけでございます。住宅団地でも、いまでは数千戸の世帯を持つ団地があっちこっちにできているわけであります。決して団地にかりにつくりました場合にも、営業規模が小さ過ぎるというようなことにはならないと考えております。
  98. 青田源太郎

    委員長青田源太郎君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  99. 青田源太郎

    委員長青田源太郎君) 速記を始めて。
  100. 北條雋八

    ○北條雋八君 中座をしましたので、私の質問があるいはダブるようなことがありましたら、おっしゃっていただきますが、この小売り市場で取り扱う商品は食料品、なかずく生鮮食料品に重点を置いておると思うのでありますが、食料に関係のある台所用品とか、そのほか日用雑貨みたいなものも陳列といいますか、そういうことができるのでありましょうか。
  101. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 雑貨は考えていないのでございます。食料品考えておるわけでございます。
  102. 北條雋八

    ○北條雋八君 それははっきり法文にうたわれているわけですか。
  103. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 消費者の面からいいますと、いろいろな雑貨類、台所用品なども一緒に販売したほうがよいかとも考えられるわけでございますが、まあこれは本来生鮮食料品の何と申しますか、消費者に対する妥当な値段で円滑に供給するということを主たる目的につくるわけでございますから、まあスペースもできるだけそれにさく。それに関連した加工食品を一部扱うということにいたすために、法律の第二十二条で明らかにしておりますが、「野菜、果実、魚類、肉類等の生鮮食料品その他一般消費者が日常その用に供する食料品を取扱品目とする」法律上こういうことにしたわけであります。
  104. 北條雋八

    ○北條雋八君 そうすると食料品以外のものは一切売ることができないということでありますか。
  105. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) そのとおりでございます。
  106. 北條雋八

    ○北條雋八君 それで特に生鮮食料品は非常に鮮度が変わるものでありますが、また非常に売りにくいものであります。この生鮮食料品はですね。どのくらいその中で占めなければならぬとかいう制限はないのでありましょうか、売りやすいものからどんどん売っていけば、しまいには生鮮食料品が少なくなって、もうけのいいものばかりが陳列されるというようなことになって、本来のこの目的が達せられないということになるんじゃないかというので伺ったわけです。
  107. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 今回の小売り市場は、一般の消費者が毎日のように使う生鮮食料品、まあほとんど毎日買い出すというようなものを提供することを目的にいたしております。それで大体目安といたしましては、販売総額の五〇%は生鮮食料品、売り場面積で言いますと七〇%くらいを生鮮食料品の販売の用に供したい。それはできるだけ大衆消費品物を扱うように、これはできるだけ励行してもらうということにいたしております。
  108. 北條雋八

    ○北條雋八君 七〇%ということは、政令か何かできめられてあるわけですか。売り場の面積の七〇%……。
  109. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 業務方法書で定めたいと思っております。
  110. 北條雋八

    ○北條雋八君 特に日常非常に家庭で使うもの、牛乳みたいなものは、これは生鮮食料の中に入れずに、これはもう扱わないということになっておりましょうか。
  111. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 牛乳は扱ってはならないというわけではございません。ただ事実問題として、牛乳の販売組織は御承知のように森永とか、明治とか雪印とか系列の配給組織がございますので、実際問題として牛乳を小売り市場で扱う場合はほとんどあり得ないと思います。
  112. 北條雋八

    ○北條雋八君 これはしかし、しいてやろうと思えばやれるわけではないかと思うのです。スタンドとかあるいは何といいますか、はかり売りというようなものをやれるのじゃないかと思います。やれるのならやはりこういうものをやったほうがいいのじゃないかと思いますが……。
  113. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) やれないわけではございません。たとえば冷凍商品ケースを置きまして、そこで陳列販売をするとか、そういうことはできるわけでございますが、配達するような営業方法はとりませんので、そういう意味ではやらないわけでございます。
  114. 北條雋八

    ○北條雋八君 これは先ほど大河原委員のほうから質問があったようでありますけれども総合小売り市場に入居できる業者を選定する場合の選定基準あるいは条件、そういうものを具体的に御説明願いたいのですが……。
  115. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) むろん、これは公共施設でございますので、信用があること、これにはいろいろ、具体的には資産上の問題あるいはいままでの営業の実態等の調査を必要とすると思うのです。それから営業の経験等がもちろん必要でございます。そのほかにいろいろこまかく言えばあると思いますが、できるだけその地区の消費者あるいは販売業者団体等の意見を取り入れまして、そこで具体的な選定をやりたい、こう考えております。
  116. 北條雋八

    ○北條雋八君 その資産の状態というのはどういう基準できめられるのですか。
  117. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 設備、土地、建物、それから倉庫、それから冷蔵庫あるいは規格品である冷凍商品ケースとか、そういう設備はつくって貸し付けるわけでございますが、そのほかに入居する業者自体が持たなければならない設備、それから運転資金等がございます。それだけの資力は持ってもらう、こういう考えでございます。
  118. 北條雋八

    ○北條雋八君 そうすると、資産の、金額にしまして何百万円とか何千万円とかといったような、そういう基準はないわけですね。
  119. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 具体的な金額でまだ定めておりませんが、大体の見当としてそう大きな金額ではございません。
  120. 北條雋八

    ○北條雋八君 そうしますと、これは場所によって違いますけれども、今度つくられる中央市場を中心としまして、半径が約一キロ以内のものが入居するわけですが、大体何%ぐらいが入居できることになって、何%ぐらいは入居できないことになるか、お見込みはわかりませんですか。
  121. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 直接影響を受けるのは、大体五百メートル以内ぐらいだと思われます。その五百メートル以内ぐらいでは、大体生鮮食料品の販売の比率で四分の一くらいが小売市場に移るのではないか。まあ取り扱い高を計算してみますと、そういうことでございます。これを店舗の数にいたしますと四・六ぐらい、これは一つの計算にすぎませんが、そういう見当になるのでございます。
  122. 北條雋八

    ○北條雋八君 この選に漏れた業者に対して、あるいは店舗の改造に対する低利資金の融通とか、あるいは先ほどちょっとお話がありましたけれども、これを組合組織にして、あるいは会社組織にして、そうして税金の負担を軽くさせるように指導あっせんをするというようなお話がありましたが、そういうものに対する政府の助成はお考えになっていらっしゃると思いますが、どういう点に一番力を入れられておりますか。
  123. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) この問題は、私ども構想をつくるときに一番慎重に考えた点でございます。小売り団体意見を聞いて、また要望も聞いたのでございますが、一面においてスーパー攻勢に対抗する意味で自分らもこういう方向に行きたいという面と、そこに入らない人に対しては低利資金を貸してくれ、それから老齢に入ってそれもできないというような人もおる、周辺の地区に限られますけれども、そういう人については税金を安くするとか、そういう方法考えてもらいたい、こういう要望があったのでございます。前のほうの自分らの共同でそういうマーケットをつくるとか、そういった商店街をつくるという要望につきましては、中小企業の高度化資金によりまして、これは所要資金の半分を無利子で貸し付けるわけでございますが、そういう方法考えてまいりたい。それから東京都の店舗の近代化資金でございますが、これは年四分で据え置き期間中は無利子という条件でございますが、これも活用してまいりたい、こう考えております。それから税制の面では、今回の税制改正で小規模事業主の負担軽減がはかられたわけでございます。事業税における事業主の控除、それから所得税で家族専従者の控除額を上げました。あわせてかなりの控除額の増額をいたしております。そういった要望に対応する措置もとったわけでございますが、できるだけ近隣の業者に優先的に入居させる。で、運営にあたりましても、あまり摩擦を起こさないように、できるだけ協調的に運営してまいりたい、こう考えております。
  124. 北條雋八

    ○北條雋八君 この入居業者品物を仕入れる場合に、品目別におのおの数量を自分のほしいだけ自由に仕入れることができるのかどうかですね。これは管理会が各入居業者の希望の数量を一まとめにまとめて、それを大口にしまして仕入れをするのか。また仕入れをした場合に、それを分ける場合に、等分に分けるのでありますか。それとも各店の要求どおりにまたさらに分け直すということをやるのでしょうか、こまかいことですけれども
  125. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 管理会自身は仕入れをやらないのであります。入居業者が相寄って共同の仕入れ組織をつくるように指導いたしたいと考えております。できるだけ大量大口にいたしますように、共同仕入れ組織、これはほかの商品でも各地でそういうものができつつあるようでございますが、そういうようにして取引条件を改善するというように指導したいと考えております。特に加工食品なんかは、それが容易にできると思いますが、生鮮食料品につきましても、できるだけ共同組織の仕入れをやるようにいたしたいと考えております。
  126. 北條雋八

    ○北條雋八君 そうすると、十人なら十人入居業者がお互いにそこで一口にまとめて、そうして仕入れをして、それは自主的には数量は自分の欲するだけのものを確保できるわけですね。  次に伺いますが第一条に、「小売市場を設置することにより、生鮮食料品等の流通の合理化を促進して適正な小売価格の形成に資し、もって国民生活の安定に寄与することを目的とする。」とありますとおり、その適正な小売り価格を形成するということが、一番大事な点だと思うのであります。このたびの小売り市場ができることによりまして、従来の小売り価格より安く大衆に売ることができるという根拠と、また一体どのくらい安くする見通しを持っておられるのか、その点を伺いたいと思います。
  127. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) まず考え方でございますが、これは先ほど申し上げましたようにマル公をつくって統制価格を実施するというようなことは全然考えてないのでございます。ねらいとしましてはできるだけ安定させるということと、今後もとにかく、人件費の増高などがございますが、その影響を少なくするために人手を大きく省くというようなところに重点を置くわけでございます。それと大量仕入れによって運搬費でありますとか仲買い人マージンを節約する、こういう考え方をとっておるわけでございます。これは計算でございますけれども、販売方法合理化といいますか尾行販売をやめ、それから包装についてはブリ・パッケージの方式をとり、代金支払いについてはチェック・アウト方式をとるということで人手を大幅に減らし、それから商品の同紙もそれだけ早くなるということでございますが、それと仕入れ方法はできるだけ共同仕入れで大量仕入れをやって仲買い人を通ずる場合でもできるだけマージンをまけてもらうというような方法をとりますと、まあ計算上は一割前後の節約ができるのではないか、こういう考え方をしております。具体的にどういうふうにやるかということでございますが、現実に東京都では標準品小売り店で標準価格を定めております。それから大阪公設市場では市場内の入居業者の標準価格をきめておるわけでございます。大体大阪公設市場の標準価格のやり方をとりますと、東京の場合、標準店よりは銘柄を大幅にふやしまして標準品をたくさん置く。それについておそらく東京都の標準品のマージンよりは少ないマージンできめられると思いますが、標準価格を定めましてそれにならってほかの商品も売ってもらうようにしたいと、こう考えております。
  128. 北條雋八

    ○北條雋八君 そうしますと、その標準価格をもとにして大体マージンは何%という表示は一応するのでありましょうか。
  129. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 私、商売のあまりこまかいことまでなかなかあれでございますが、大体マーケットをごらんになりますと、きれいに同じ商品が陳列されます。その上に一キロ幾ら、こういう表示をするわけであります。消費者はその中から自由に取って重量をはかったらすぐ代金の支払い場所に持って行くと、こういうことでございます。
  130. 北條雋八

    ○北條雋八君 私が伺っているのは、そうでなしに、大体中央卸売市場の標準価格はラジオで放送されますからわかるわけです。それに対して大体二割なり二割五分なりのマージンをかけたものを標準にするということなのかどうか。これは別に二割なり、あるいは二割五分なり、そういうものは指示しないのか、自主的に各店舗にやらせるのか、それを伺っておるのです。
  131. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 大体大阪公設市場と同じような方式をとりたいと考えておりますが、東京の標準店の場合も、中央市場の標準品の仲値に対して何%とか、こういう方法をとっております。それをもっときめこまかく標準品の数をふやしまして、いまの東京都の標準品のマージンよりはやや低いところにきめられると思いますが、そういう価格を表示するようにいたしたいと思います。
  132. 北條雋八

    ○北條雋八君 この生鮮食料品は、ほかのものと違いまして鮮度によって値が非常に違うわけです。ですから朝仕入れた朝の品物と晩の品物とは違うし、特に売れ残りで翌日になったようなものは、全然値段が低いわけです。ですからこういうものをきめるということはできないと思うのですね。それはまあその中に入った十軒なら十軒の八百屋なら八百屋がお互いに自主的にきめて、そうして一応は標準価格を基準にしますけれども、自由にやらせることになるのじゃないかと思うのです。その点はいかがですか。
  133. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 仰せのように鮮度の問題がございます。したがって標準価格といいましても、いつでもそのまま守れるわけではございません。その辺は入居しておる業者自身が、標準価格を基準にしまして幅を持ってきめるように指導いたしたいと考えております。なお鮮度はできるだけ落ちないように、設備もできるだけの設備はいたしたいと考えております。
  134. 北條雋八

    ○北條雋八君 次に伺いますが、これも先ほどお話があったと思いますが、この食料品の仕入れは必ず中央卸売り市場を通さなければならないということはないのだと小売り市場ができれば直接生産者から仕入れたほうがこれはもう中間のマージンも省けますし、生産者にもその利益が均てんしてくることになりますから、こういう形に将来はもっていかなければいけないと思うのです。また特殊の品物については、この市場の中に生産者団体出荷組合とかあるいは農協とかいうものの直売式売り場をつくることも非常にいいのじゃないかと思うのですが、そういうことは政府のほうとしてお考えになったことがありましょうか。これが一番徹底した方法だと思うのです。生産面と消費面をできるだけ直結させる措置として最も好ましいのじゃないかと思うのですが、そういう点いかがですか。
  135. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 生産者団体あるいは出荷団体消費地に直売所を持つあるいは消費者団体産地に進出して直接産地から買い付ける、こういう方式は欧州なんかではよく見られる形でございます。イギリスでは消費組合が産地へ逸出しておりますし、スイスなんかでは農協が都市に直売所を持っておる。しかしこういった場合に大体すべて総合的な商品の扱い方をしないと効果がなかなかあがらないように考えられます。日本の場合は商品が同じ野菜の同じカンランにいたしましても、大根にいたしましても、きわめてバラエティーに富んでおります。産地も非常にいろいろございます。そこでなかなか荷物がまとまらないという問題がございまして、小売り店はできるだけバラエティーに富んだ商品の陳列をしなければならぬわけでございますが、そういたしますには、やはり中央卸売市場のような大きな組織で、市場に一度集荷されたほうが、むしろ流通経費がかからないという傾向がある、少なくとも現段階ではそういう傾向がございます。しかし考え方として、できるだけ産地から直接引くということは望ましい方向考えますし、特に中央市場を現に経由してないような商品につきまして、消費地の問屋をわざわざ通して小売り段階に入る必要のないものもございますので、そういうものは直売、あるいはそれに準じたような方法考えてみたいと思っております。
  136. 北條雋八

    ○北條雋八君 そうすると、そういうことができる場合には、入居業者とそういうあるいは団体との特別な関係があった場合には、入居業者の売り場の一部をさいて直接当たらせるということもでき得るのじゃないかと思いますが、その点はこの法案によってはできないのですか。
  137. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 今度の公設市場は、できるだけ既存の小売り商を活用していきたいと考えておりますので、出荷団体があまり直売で小売市場を大きく占拠するというようなことにもってはまいらないようにいたしたいと考えておりますが、しかしお話しのような問題については、そういう面、特にたとえばブロイラーなどこれから普及しようというようなものもございます。せっかく農協組織で大々的に生産に乗り出してこれを普及しようというふうなものもございますし、そういうものについては、特にそういったくふうもしてみたいと考えております。
  138. 北條雋八

    ○北條雋八君 次に、この管理会は二十二条の一項の二によりまして、生鮮食料品の種類、品質、価格その他の購入、保管及び販売に関し必要な事項についての指導を行なうことができるとありますが、この指導の内容というのは、具体的にどういうことなんでありましょうか。
  139. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) いま申し上げましたブロイラーの扱いなども一つの指導でございますが、別なもので申し上げますとプリ・パッケージを指導する。同じ商品は同じ包装で事前に包装をやる。店に着いてからでなくて、たとえばメーカーの段階で同じ品物を同じ量目、同じ包装にしてしまう、そういうような指導を加える必要がございます。そういう点も指導の対象でございます。
  140. 北條雋八

    ○北條雋八君 この指導といっても、これは口先だけの指導でなく、もっと積極的に動いて、そして仕入れの代行をするというような、代行ができないところにはあっせんをして積極的に安い品物入荷させるというようなことまでやっぱりするわけですね。  次の二十二条の一項の三に、管理会は小売り業者に対して生鮮食料品等の購入のあっせんを行ない、及び小売り業者の委託を受けて業務の一部を代行する、この業務の一部を行なうことができるとあるのですから、ある程度積極的に事業にタッチすることができるんじゃないかと思うのですが、この業務の一部というのは、どういうことを言っておりましょうか。
  141. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 二十二条の第一項の三号の前段の「購入のあっせん」は先ほどのブロイラーなどでございますが、公益的に見ましてこういうものをぜひ小売り市場で扱ったほうがよろしい、あるいは新製品だけれども普及するにはいいじゃないか、あるいはこの際こういうものの値段を安定させるために、こういう品物をこの際少しオーバーに扱ってはどうかというようないろいろのあっせんをいたしますが、特定のメーカーあるいは特定の商社などの売り込みのためのあっせんというようなことはさせないようにいたしたいと思います。それから後段の「業務の一部」ということでございますが、これを具体的に考えておりますのは入居業者が一本になる。これは一本になれば一番いいのですが、たとえば加工食品がございましたりして必ずしも一本にならない場合に、チェック・アウトだけはやはり一緒にしてもらう必要がある。その場合にチェック・アウトを管理会がかわってやってやる、こういうことを考えておるのでございます。
  142. 北條雋八

    ○北條雋八君 そうすると入荷する場合に入荷先のあっせんですね、安くていい品物入荷させるように特定の団体と結びつけるためにあっせんすることはできないのですか。
  143. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) それが流通の合理化に資するとか、あるいは新しい商品の普及に役立つとか、そういう公益の目的に役立つと考えられる場合は、あっせんを積極的にやるべきものと考えております。
  144. 北條雋八

    ○北條雋八君 そうすると、管理会というものは実際の仕事というよりも、むしろ建物の管理あるいは事務的の仕事がおもでありまして、この生鮮食料価格安定あるいは流通の合理化といったようなことに対して、何ら力を発揮することができないことになりますか。そういう点につきまして、私はこの管理会の存在価値が非常に疑われるわけなんですけれども、どういうところにこの管理会の価値的存在といいますか、あるんでしょうか。
  145. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 建物の建設管理、特に建設の土地をきめるとかいうこともなかなかめんどうな問題でございますが、入居業者を選定する、これも容易ならぬことでございます。そういったことのほかに標準価格を定める、あるいは、たとえば先ほど来問題になっております仕入れ先のあっせん、これは特定の品物については特に出荷団体と直接取引を指導するとかいうような業務があります。標準価格を定めて、それを守らせるということは、これは日常指導しなければならない業務で、相当な業務だと考えております。
  146. 北條雋八

    ○北條雋八君 標準価格は、これは中央市場できめるわけであります。それを守らせるということは、先ほども申し上げたとおり、その標準価格というものは一応は立ちますけれども、それはもうごく新しい品物に対する標準価格でありまして、それが一日の朝と畳と晩と違ってくるし、守らせるというのを監督するのにじゃあ何を基準にして守らせるか、標準価格は一応はわかった。それに、それじゃ二割五分なら二割五分をかけたものをもって、それ以上に非常に高くしたものは取り締まるとかいうような取り締まりの対象にする根拠というものはしょっちゅう変わってきておるんです。ですから取り締まることはできない。自由にまかせるよりないんだろうと思って先ほども伺ったわけです。取り締まりようがないんじゃないか。
  147. 大河原一次

    大河原一次君 委員長関連して。あわせて答弁してもらいたい。先ほどの質問の指定を管理会があっせんをして、一つの取引所にあっせんをするという、そういう場合に、これは管理会が行なうということになりまして、ぼくは、これは悪く解釈する意味じゃないけれども、そのあっせん先の指定によって何かそういうことが常時行なわれるということになれば、一方にはぼくは入居者の自主性というものが、もちろん入居者の自主性に対しても、ある程度の規制はしなくちゃならぬだろうと思いますが、いろいろ好みやその他があるわけですから、それをたまたま管理会が指定先をあっせんをするというような中から、ある特定の卸業者といいますか、特定の商業に対して約束づけるというような結果を生みやしないかという危険もあるんじゃないかと思いますが、こういう点もひとつあわせて御答弁願いたい。
  148. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 先ほども申し上げましたように、特定の荷主機関とか、特定の商社から買えというようなあっせん指導は行なわせないわけでございます。しかし、公益的に見まして、こういう品物はぜひ直売の方法考えろというような指導、これは公益上からいっても望ましいことであります。そういうものは積極的に指導すべきだと、こう思うのであります。それから価格を守らせるということでございますが、確かに鮮度などの問題もありますから、事こまかに統制し、あるいは取り締まるというようなことはできないわけでございます。大阪などの例で見ますと、やはり職員が見回りをしまして、よく妥当な、鮮度が落ちればそれなりの値段で、標準価格を基準として売られているかどうかということを見回っておるわけでございます。それから、標準価格につきましても、大阪の場合は、非常に長い経験を積んだ職員がやっておるそうでございまして、中央市場の仲値から、きょうはこのくらいが妥当だということをきめるわけでございます。その辺も画一的なきめ方だけではまいらないと思うのであります。その日の実勢というものはやはり加味して、大体の基準を置きましても、その辺少し考慮するというようなことがなければならない。やはりそこは幅はございますけれども、相当めんどうでもあり、また量としても相当なものがあると考えております。
  149. 北條雋八

    ○北條雋八君 その管理会が常に需給に合って、また暴騰、暴落のないようにするのがこれが一番大事な役割りじゃないかと思います。万一暴騰、暴落のあったような場合に、何か管理会がそこで業者のためにするということが望ましいと思うのです。これをこの規定の中に何か入れるというようなお考えを前にお持ちになったことあるのですか、ないのですか。そういうことは一切お考えにならなかったのでしょうか。
  150. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 私ども目的としましては、標準価格を指導いたします目的の第一は、やっぱり安定であると思います。でありますから、暴騰するような、ほかの店でかなり上がった場合にもできるだけ上げないで売る。それから捨て売りみたいな投げ売りをやるような店が出ますけれども、そういうようなものに対しても、あまり乱暴な値段で売るようなことはしないように、やはり安定させることを第一にして価格の指導をやるべきであろうと考えております。
  151. 北條雋八

    ○北條雋八君 指導あっせんの中に、やっぱりそういうようなこと、安定させること、あるいは出荷調整などのことを、そういうこともむろんやるのだと思うのです。なお一歩進めて万が一暴騰、暴落のあった場合には、ある程度指示価格をきめておいて、そうしてその損害を補償してやるというところまでもっていけばなおいいんだというふうに思います。この法案の管理会は、特にまあ建物を二階、三階建てて、そうして家賃を目的にしているような、営業までするようなこともございますけれども、そうすると、そこにいわゆる本来の生鮮食料の流通の合理化価格の安定ということよりも、貸し家の大家さんみたいな仕事をするようなことになってしまうというので、非常にその点、私は遺憾に思うわけなんです。なお、東京都でもって、これと同じような東京都の小売市場協会というものをつくりまして、そうして何かこれは予算にも計上しまして、これはすでに実行しているということを聞きましたが、それは私は、内容は知りませんけれども、御承知でありましたら、その経過と実績を伺いたいと思います。
  152. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) これは、実は数年前に農林省が指導してつくったものでございます。当時は、もっと考え方が違っておりまして、映画館がだいぶ不入りになった。ところが、これがちょうど繁華街にありますので、映画館を転用して小売り市場につくる、あるいは国有地を貸与してつくるとか、そういうことを考えたわけでございますが、現実問題として、映画館の転用は、非常に貸し賃を高く要求されまして、話にならないで、結局北区にあります農林省の管理している国有地を貸与いたしまして、公認小売市場をつくったのでございます。その際にも、東京都は、都自身あるいは特別区が、直接これを管理することはむずかしいから、財団法人の小売市場協会をつくって運営したいということで、その財団をつくったわけでございますが、その後の営業の状況は、かなり繁盛していると聞いております。ちょうど近所に住宅団地でございますか、げたばき住宅の下につくったわけでございます。そういうものでありまして、非常によく利用されておるようでございます。ただ、一カ所にすぎませんので、そのために特別の法人があるということもいかがかと思いますので、もしもこの法律が成立いたしましたならば、そういう法人は解散してもらったほうがよろしくはないか、この中に、できれば、吸収したほうがよくはないかと考えております。
  153. 北條雋八

    ○北條雋八君 それはいつごろ発足したのですか。
  154. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 事業を始めましたのは、昨年の十月からでございます。
  155. 北條雋八

    ○北條雋八君 それで、出資関係はどうなっていますか。
  156. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 出資は、別に政府やその他はやっておりません。ただ、国有地を貸しておるわけでございます。
  157. 北條雋八

    ○北條雋八君 それで、財団法人になっておるのですか。それですと、都も、国も……。
  158. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 小売り市場自身には出資をいたしておりませんが、財団法人に対して、東京都が百万円と、関係団体が同じくらいずつ、合計四百万円の出資をいたしております。
  159. 北條雋八

    ○北條雋八君 西ケ原のほうに、やはりそういうものができておると聞きましたが、今のお話とは違うようでありますが……。
  160. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) いま申し上げたのは、西ケ原にできたものでございます。
  161. 北條雋八

    ○北條雋八君 映画館のですか。
  162. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 映画館の転用は、話がつきませんで、持ち主のほうが非常に高く言うものですから、どうも商売にならないということでやめたわけでございます。
  163. 北條雋八

    ○北條雋八君 今度の法案は、この立案はいつごろやられたのか。また、そのときに、初めから東京都のほうと連係をとっておやりになっておったのかどうか。世間で、これは農林省でつくって東京都のほうに押しつけられたのだと、まぎわまでちっとも知らなかったのだというようなことを聞きましたのですが、そういうことはないのでありますか。
  164. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 大きな方針として流通対策要綱が閣議決定されましたのは、昨年の七月でございます。その後、また具体的な構想まではさまっておりませんでしたが、一環としてこういうものをつくるということが、閣議決定されたわけでございます。その閣議決定の前に、東京都と十分相談をいたしております。その後、閣議決定を具体化するために、予算措置あるいは設置の場所と数等、これは、もうすべて東京都と相談ずくできめてまいったわけであります。
  165. 北條雋八

    ○北條雋八君 予算も、都のほうはその予算が取ってあったわけですね、予算には計上されておるわけですか。
  166. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) すでに三十九年度予算として、三月に来京都議会を通過して、成立いたしております。
  167. 北條雋八

    ○北條雋八君 時間が参りましたから、きょうは、私の質問は、これで終わります。     —————————————
  168. 青田源太郎

    委員長青田源太郎君) この際、おはかりいたします。櫻井志郎君から理事辞任いたしたい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  169. 青田源太郎

    委員長青田源太郎君) 御異議ないと認めます。     —————————————
  170. 青田源太郎

    委員長青田源太郎君) つきましてはこの際、委員長は、その補欠として、理事に矢山有作君を指名いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ君あり〕
  171. 青田源太郎

    委員長青田源太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。  本日は、これをもって散会いたします。    午後一時五十八分散会      —————・—————