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1964-05-29 第46回国会 参議院 農林水産委員会 第39号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年五月二十九日(金曜日)    午後一時四十九分開会     —————————————   委員異動 五月二十九日   辞任      補欠選任    木島 義夫君  亀井  光君    温水 三郎君  野田 俊作君     —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     青田源太郎君    理事            森 八三一君            渡辺 勘吉君    委員            植垣弥一郎君            岡村文四郎君            亀井  光君            北口 龍徳君            野田 俊作君            野知 浩之君            堀本 宜実君            山崎  斉君            大河原一次君            矢山 有作君   国務大臣    農 林 大 臣 赤城 宗徳君   政府委員    農林政務次官  松野 孝一君    農林省農林経済    局長      松岡  亮君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○連合審査会開会に関する件 ○食料品総合小売市場管理会法案(内  閣提出、衆議院送付)     —————————————
  2. 青田源太郎

    委員長青田源太郎君) ただいまから委員会を開きます。  委員異動について報告いたします。  ただいま温水君、木島君が委員を辞任され、その補欠として野田君、亀井君が委員に選任されました。     —————————————
  3. 青田源太郎

    委員長青田源太郎君) おはかりいたします。河川法案及び河川法施行法案について、建設委員会に対し連合審査開会を申し入れることに御異議ございませんですか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 青田源太郎

    委員長青田源太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、連合審査の日時につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんですか。   〔「異議なし」と呼ぶものあり〕
  5. 青田源太郎

    委員長青田源太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。     —————————————
  6. 青田源太郎

    委員長青田源太郎君) これより食料品総合小売市場管理会法案を議題とし、質疑を行なうことにいたします。  質疑のおありの方は、御発言を願います。
  7. 森八三一

    ○森八三一君 大臣出席でございますので、数点をお伺いいたしたいと思いますが、この総合小卸市場法考えは、提案理由説明にもございますように、生鮮食料品価格形成適正化ということをはかりつつ、国民生活の安定に寄与するというところにあることはよく了承ができるのであります。そこで、その目的を達成いたしまするためには、基本的に何といたしましても生活の確保ということが問題の基底だと思うのです。そのものが合理的な流通機構によって処理せられるという両面が、それぞれ適正に解決されなければならぬと思うわけであります。そこが、今度のこの小売市場法を通じまして生産拡大、安定ということに考えが及ぶというものであるのか、それは別個の問題であって、この法律では、生産の問題については全然無関係ということに考えていらっしゃるのか。もっと端的に申せば、この法律最終消費者価格のことだけを考えるのであって、私の申し上げまするように、所期の目的を達成いたしまするためには、両面が並行的に解決されなければならぬわけでありますが、その他の半面というものはこの法律では考えない、農林行政全体を通じては、あるいは政府施策としては、当然別の対策として生産の安定、増強考えるということなのか、その辺の考え方ですね、それはどういうふうに相なっておりまするのか、その点をまず最初にお伺いしたいと思います。
  8. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) いま御指摘でございますけれども、生産安定拡大ということは、流通あるいは価格対策前提に相なっておると思います。でございますので、それなくして流通合理化あるいは価格の安定ということは望めないのでございますけれども、この法案そのものは、生産拡大とか、安定というまで手を広げていくということではございません。もちろん生産の問題は前提となっておりますけれども、流通及び価格の安定というところを重点として考えております。
  9. 森八三一

    ○森八三一君 ただいま大臣お答えのように、法律がねらっておる重点は、流通機構整備を通しまして、最終消費者価格の合理的な適正、安定を期するというところにあることはよく了承いたしておりまするわけでありますが、その目的を達成いたしまするためには、大臣お話ございましたし、私も申し上げましたように、生産の安定と拡大がなければならないということですから、この法律運営にあたっては、その前提となる生産の安定と拡大寄与し得るような方向というものがやはり考えられてしかるべきではないか。それは別個農林政策として行なうのだということだけではなくて、この法律の主たる目的ではないといたしましても、そのことが基底となり、前提で解決されなければならぬ重要事項であることは間違いないのですから、といたしますれば、この法律の副次的なものといたしましてでも考えていくべきものではなかろうか、もしそうだといたしますれば、本法運営にあたりましては、そういうような趣旨が出てくるような運営というものが考えられることが好ましいと私は思いますが、そうではないのかどうかという点です。
  10. 赤城宗徳

    国務大臣赤城宗徳君) お説のとおりに考えております。ですから、末端の消費まで一連の考えを持っておるものでございますから、この流通、あるいは消費価格ということを考える場合にも、生産の問題を離れては考えられない問題でございますから、御趣旨のような考え方に従って、生産の面にも相当流用していかなければならぬ、こう考えております。
  11. 青田源太郎

    委員長青田源太郎君) おそれ入りますが、大臣衆議院のほうで本会議が始まりましたから……。
  12. 森八三一

    ○森八三一君 そこで、いま大臣も、当然この法律が主としてねらっておる考え方は、直接的に流通機構整備改善によって、最終消費価格の適正安定を期するということであるけれども、そのことを達成いたしますためには、その前提であり、基底をなす生産安定的拡大ということがなければならぬはずであるから、やはり本法運営については、そういうことをもあわせ考えていくという趣旨お答えであったと私は了解いたすのであります。そこで、そういうことであるといたしますれば、そのことのために、具体的にはどんなことを一体取り入れていこうとしていらっしゃるのかという点について、構想を承りたいのであります。
  13. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) さしあたり東京都に二十カ所の公設市場を設けるということでございますので、それだけでは大きな影響力を持つとは考えられないわけでございますが、漸次これを拡充しながら、その運営にあたりましては、最終小売り価格をまず安定させていく、それによってできるだけ産地へも安定した価格取引されるように持っていくように、できるだけ拡充しながらそういうようにつとめるということを考えなければならぬと思うのでございますが、その際、具体的に相当整備された場合に、たとえば野菜の暴落等のおそれがある場合に、できるだけこの市場が安定に対して、買い出動をするとかいうことも漸次整備されるに従って考えてまいらなければならない。それから取引の過程におきまして、ものによっては、これはまあ一般論として、産地と直結することが必ず中間経費を節約するとは限らないわけでございますが、日本のように、非常に品物がバラエティが多く、産地も非常に分散しておる場合に、これを賢い付ける場合には、中央市場のような非常に大量に入荷するところのほうが、運賃、諸経費等も節約されてまいりますので、そういう機構を通じたほうが一般にはかえって節約されるということがございますが、しかし、必ずしもそれだけではなくて、ものによっては産地から直接荷引きし、あるいは出荷団体が直接小売り市場を通じて売り出す。こういうような方式をあわせて考えていく必要があると考えております。
  14. 森八三一

    ○森八三一君 ただいま局長からお話しでございましたが、ただ今度の法律によっては、とりあえず東京都内に二十の店舗が設けられて、まあ端的にいえば、試験的に実施をする、漸次これが成果を上げるに従って、全国的に同趣旨のものを拡大していく、そういうようなときがくれば、というような前提があってのお答えのように受け取ったのでありますが、私は、東京都に、とりあえず二十の市場が設けられるというとき、そのスタートにあたって、大臣お答えになったような施策というものが、この管理会法案実施をめぐって行なわれなければならぬのではないか、だとすれば、整備されることに従ってというのではなくて、この法律の出発と同時に、そういうただいまお答えになったことでは十分でないと思いますが、趣旨が実践に移されるということでなければならぬと思いますが、そういうように運営されるものであるかどうかということだけを最初に承っておきます。
  15. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) もちろん、まだ東京に二十カ所だけでございますが、東京都の入荷量に対しまして数%にとどまるわけでございます。これでもかなりの量になるわけでございます。特に商勢圏といいますか、勢力圏かなり広くなりますので、そういう意味からもできるだけ産地生産の安定に、まだ十分ではなくても、寄与するように、さっき大臣が申しましたような趣旨でやるように、当初からやってまいりたいと考えております。
  16. 森八三一

    ○森八三一君 そうしますると、その具体的な進め方としては、中央卸売り市場を通じてこの市場に供給されるものと、物によっては産地と直接に取引、仕入れをされるものと、二つになる。その二つのルートを通して、結果的には生産者にも生産の安定と増強に役立つような寄与をすることを考えていくといたしますれば、中央卸売り市場を通じて入ってくるものについては、おそらく現在の機構のもとでは、直接的にはそういう結果はにじみ出てこないかと思います。間接的にはそういうことも考えられると思いますが、直接的なものではない。後段のほうの場合について、そういうような寄与が期待できると思うわけでありますが、その期待できることを、この小売り市場経営だけにまかせるということでは、最終価格をとにかく安くしようということにねらいがあるわけですから、具体的には、経済的にそういう結果を導き出すということについては、必ずしも私は期待することが無理ではないかと思うのです。だといたしますれば、その面をどういうようにして解決する対策をとるかということが問題になると思います。もっと端的に申しますれば、もちろんこの提案理由説明にありまするように、この施策を通しまして、近隣と申しまするか、東京都の場合でございますれば、東京都内に散在する多数の小売り業者に対して、急激に直接的な影響を与えないように考えるということになっておりますが、非常にむずかしい問題ではあろうと思いまするけれども、市場経営の中に、生産者が、あるいは生産者団体が参加するというようなことを認めていくということでなければ、いまお話しのような趣旨を具体化するというわけにはまいりかねるのではないか。といって、そのことが小売り業者の権益を侵すということに問題がからんでくるとすれば、そこにもいろいろ考慮しなければならぬ面があろうかと思いまするけれども、一番重要な問題は、何と申しましても生産安定的増強ということが、最終価格を安定し合理化する基本であると思いますので、多少の問題はあるといたしましても、そういう対策が具体的にとらるべきであると私は考えておりますが、そういうことをお考えになっておるのかどうかという点についての御回答を願いたいと思います。
  17. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 確かに、ただいまお話がありましたように、既存の小規模な小売り市場に急激なショックを与えるような形で、一挙にいろいろなものを、中央市場を通ずるにいたしましても通じないにいたしましても、激しい摩擦を起こしながらやるということには、ほかの面から若干問題があるわけでございます。しかしながら、と同時に、一面においては、この制度を将来発展させ生かしてまいりますためには、やはり不必要なものはできるだけ省かなければならぬということもございますので、漸進的にではございますけれども、特に中央市場を通じないもの等につきましては、出荷団体等がこの小売り市場に直接委託して販売するとか、そういうような方式をとるように、管理会指導面において考慮してまいりたい、こう考えております。
  18. 森八三一

    ○森八三一君 中央卸売り市場を通じないというようなものにつきましては、生産者なり、生産者団体と直接的な取引をするという場合も考えるが、その場合における考え方は、管理会指導によってその市場に参加する小売り商業者に供給するという範疇を出ないのか、その物資につきましては、それらの団体、あるいは生産者組織が直接に消費者との関連を持つというところまで、物によっては考慮をはらうということなのか、その点はどうなんでしょうか。
  19. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 生産者あるいは出荷団体が、たとえば食鳥のような場合におきましては、現在中央市場を通じていないわけでございますが、消費地問屋に出荷いたしております。それを問屋を通じてさらに小売り商に売り渡されておるわけでございますが、そういう段階を経ずに、この小売り市場荷受け業者に委託して販売するというやり方でもかなりの前進になるかと思うのでございます。しかし、そのほかに、場合によっては出荷団体の直売に準ずるような方式考えられる、こういうように考えております。
  20. 森八三一

    ○森八三一君 そうしますと、いまのお答えを整理いたしますと、この法律のねらっておる最終目的を達しつつ、生産安定的増強にも寄与するということのために、その物の種数によって生産者団体もしくはその組織が、直接にこの市場小売業務に参加する場合、それから小売り市場に参加をしておる業者に直接卸すと申しまするか、供給するという場合と、物によって二つの場合を考えるということと理解をいたしますが、それでよろしいかどうか。
  21. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 大体そういうことでございます。
  22. 森八三一

    ○森八三一君 大体ということじゃなしに、そういうことなんでしょうね。そういうことに私は理解をいたします。  そこで、中央市場を通ずるものが大部分を占むるとは思いますが、その中央市場が、現在のような姿でございましては、この総合小売り市場最終目的を達するためには、非常に問題点があるように思うわけであります。でありますので、さきに、本院でも、中央市場法改正をはかりました場合に、すみやかに抜本的な改正を行なうべきであるという趣旨附帯決議をつけたはずでありますが、そのことには今回は触れておりませんけれども、そのことを解決しなければ、全面的な本法のねらうところを達成するというわけにもまいりかねると思うわけでありますが、それについて、何かお考えがございますれば、この際、構想だけでも承っておきたいと思います。
  23. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 中央市場法改正につきましては、両院におきまして、しばしば御決議あるいは御要請があったわけでございまして、三十六年でございましたが、一度、市場法改正案を御審議いただきまして、一応の改正はいたしたわけでありますが、もちろん、その改正だけでは不十分であると考えておるのでございます。で、中央市場取引機構につきましては、市場法制度自体改正による部分と、運営改善による部分両面あるわけでございます。運営改善につきましては、昨年以来、取引方法せり方法改善でありますとか、あるいは仲買人、一部の中央市場におきましては、非常に仲買人が過剰といいますか、過多といいますか、そういう状況にございますので、そういう仲買人の統合をはかって、大型化していく、それによってマージンを節約するというような方向での指導を行なっておるのでございますが、法律制度そのもの改正につきましては、きわめて重要な面がございます。ずっと長いこと問題になっております荷受機関の単数、複数の問題、仲買人の地位に関する問題、そういった基本的な問題があるわけでございます。それから中央市場開設者、現在、地方公共団体になっておりますが、開設者地方公共団体にまかしておいていいかどうか、特に東京とか大阪のように、東京大阪だけの消費のものを扱っているのじゃなくて、周辺の、相当広範な地域にわたる消費対象が入荷し、その価格が形成されている。むしろ、東京大阪のごとく全国的に、その価格形成なるものに影響力を持っておる市場を、単に、東京大阪という地方公共団体運営にまかしてよろしいかどうかというような基本的な問題もございますので、本年度におきましては、それらを含めまして、中央卸売市場審議会、あるいはいろいろな研究所等の力を借りまして、基本的な検討をいたしたいということで、必要な予算も計上いたしておる次第でございます。
  24. 森八三一

    ○森八三一君 ただいまお述べになりました問題点については、すでに昭和三十一年ですか、三十六年ですか、前後二、三問にわたって市場法の一部改正が行なわれました場合に、それぞれ具体的に指摘せられて、すでに問題として浮かび上がっておるわけなんですがね。ですから、そのことの結論を早く出さなければ、小売り市場の問題についての施策が進みましても、根本的にこの法律のねらっておる目的を達成するというわけにはまいりかねるのではないかというように私は考える。でありますので、本年度予算をとって、そのことに終止符を打つと申しますか、結論を得たいということでありますれば、それを持たざるを得ないということだと思いまするけれども、その結論を早く出すということに努力をされたいと思うのです。その場合に、中央における市場整備だけでは、生鮮食料品流通問題を全的に解決するというわけにまいりかねると思います。と申しまするのは、地方における中央市場にかからぬ市場の問題をどうするかという問題を合わせ考えなければならぬと思いますが、今回の研究には、端的に申しますれば、地方市場法とでも申しますか、そういったものをも含めて考えていこうとする姿勢であるのか。ただ、現行の一定数以上の人口の地域における中央市場法適用地域だけに限定をして、その市場の問題だけを考えるということなのか、その辺の内容はどうなっていましょうか。
  25. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 中央卸売り市場以外に、産地あるいは消費地市場があるわけでございます。その中にはいわゆる野市のようなものも含められまするが、その実態は非常に千差万別でございます。運営の主体が公共団体である場合もあり、農協である場合もあり、株式会社である場合もあり、あるいは漁協である場合もあるというような、きわめてさまざまな形をとっておるわけでございます。特に青果につきまして、数が非常に多過ぎるという意見がございます。水産につきましては、産地市場が非常に価格形成の画で重要な影響力を持っておりますので、産地市場改善をはからなければ、全体の取引改善されないというような意見もございます。で、農林省といたしましては、青果及び水産のそれぞれの市場につきまして、実態が非常に複雑でございますので、目下実態調査をやっておるのでございます。で、その結果を見まして、これについては、何らかの対策をとらなければならぬ、施設の整備の問題もございますし、運営の基準となるべきルールをつくる、必要によっては地方市場法をつくるというようなこともあるかと思いまするが、それらをあらためて結論を出したい、こう考えておる次第でございます。
  26. 森八三一

    ○森八三一君 その場合に、中央市場法の根本的な改正にいたしましても、あるいは必要によって、調査の結果、地方市場法を制定するにいたしましても、その市場において荷受けをいたします卸売り業者と申しましょうか、そのもの性格が、現在のような性格であっては問題の解明にはならぬのではないかという感じを持つのでありますが、これはいま実態調査中であって、その調査が済んだ上で、その事態を明らかにしつつ、審議会等を通じて広い知識を集めて結論を出そうということであるわけでありますので、いま御意見を聞くのはいかがかと思いまするけれども、きわめて重要な問題でありますので、政府当局の気持ちを伺っておきたいのですが、荷受けの業に当たるそのもの性格が、現在のような性格であってはいかぬのではないか。もう少し公的な性格を持たせる、それには、ときによって配当の制限というようなこともあるでしょう、そういうようなさまざまなことが考えられませんと、営利中心荷受け業者ということでございますると、いろいろな問題が派生をしてくると私は考えまするし、現にそうなっておるのではないかという感じを持つのですが、その辺について、何か御構想がございますれば承りたいと思います。
  27. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) いまもお話ありましたように、いまから結論を申し上げるのはいささか尚早かと存じまするけれども、農林省自体が、現状について持っております感じを申し上げますと、これは地方市場に限らず、中央卸売り市場荷受け機関卸売り人につきましても、もっと公共性を明確にする必要があるのではないか、こう考えておるのでございます。まして地方市場の場合には、小さいといいましても、やはり生産者の委託を受けて、信頼を受けて品物を扱い、代金を支払うものであります。消費者にとっても重要な役割を持っておるわけでございますから、小さいながらもやはり信用される、しかも、かなりこれは公共性があるものと考えておるのでございます。特に中央市場荷受け機関でも、かって代金の支払い不能を起こし、倒産したようなものがございます。地方市場のように、県の条例で簡単な取り締まりをやっているところもございますけれども、大体放任の状態であるということは必ずしも望ましい状態ではない。相当な規制を加え、できれば公共性を持たせるという必要があるのじゃないか、こういう感じを持っておるのでございます。
  28. 森八三一

    ○森八三一君 大体私の希望する点を取り入れて、農林省としてはお考えのようでございますから、中央市場はもちろんのこと、あるいは将来制定されるでありましょうと思われる地方市場の場合におきましても、その荷受けの衝に当たる者につきましては、公的な性格を十分にじみ出させるという——といって、役人の商売になってしまうと、これはまたたいへんなことになりますので、その辺の調節が非常に重要だと思いますけれども、単純な常利機構のもとでは、煮て食おうと焼いて食おうと、おまかせをしている生産者の立場から考えると、非常に不安だということも言えましょうし、その間に不要な競争が起きて、それが生産者のほうに非常にしわ寄せになるような事例もないわけではございませんので、そういうことを排除してまいりますためには、単純な公益機関というわけにはまいりませんものでしょうけれども、相当強度な公的性格を持つ、性格のものにしむけていくということが非常に大切だと思いますので、そういう点をひとつ考えていただきたいと思います。そういうことで、中央における、あるいは地方における市場整備が行なわれる、今回の総合小売市場法によって、小売り業者の適正な整備が行なわれるということになりますると、まあ多少はいずれの場合にも、相当過剰な業者の数が出てこなきゃならんと思うのですね。そのものをそのままにしておいて、目的を達成しようとするところに、私は非常に無理が起きると思うのです。その無理をそのままにしておいたのでは、法律の全き運営をはかるというときには、非常な摩擦が起きる。そこで、この法律実施に関連して、合理化されるために過剰となる小売り業者の問題をどう取り組むかということが、あわせて考えられなければならんのじゃないかと思うわけでありますが、それについて、この法律に直接に規定はございませんけれども、施策全体を通して何らかの対策がございまするかどうか。
  29. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) その点は確かに問題の点でございますので、この法案を立案いたします際にも、中小企業庁と十分連絡いたしまして、考え方を整理してもらったわけでございます。その場合に、まずこの小売り市場の入居業者としては、その周辺にありまする小売り商をできるだけ活用して、優先的に入居させるということを、まず第一に考えておるわけでございますが、それでもこの小売り市場影響力というのは、通常の小売り商の場合は、大体半径五百メートルぐらいは商勢圏と、こう言われておりますが、おそらくこの小売り市場勢力圏は半径二キロぐらいに及ぶと思われます。もちろんその二キロの範囲内の小売り商が全部強い影響を受けるわけではございませんが、近いところはかなり影響を受ける場合がございます。そういうこともありますので、中小企業の合理化資金におきまして、中小商業者の協業化によるスーパー・マーケットの設立といったことでありますとか、あるいは商店街の造成の資金、非常に低利の資金でございますが、ものによっては無利子でございます。そういうものを融資いたします。また東京自体につきましては、東京都にこれも低利の設備近代化資金が用意されております。年四分の非常に低利な資金でございます。そういうものを借し出しまして、できるだけ小売り商の近代化をはかってまいる、こういうように考えている次第でございます。そのほか税制の面におきましても、小規模事業者の面については、今年度特別の配慮をいたしたわけでございます。
  30. 森八三一

    ○森八三一君 いまの話ですね。結局、総合市場ができて、一キロなり、二キロの範囲の小売り業者には無影響だということであれば、いままでの最終価格が適正であったということになるわけでありますので、この市場をつくったという意義がないというふうに、逆説ではありますが、言えると思います。この市場が、最終段階における価格に相当変化をもたらすということによって、目的を達することになるのですから、影響は必ず与えるものと思わなければならぬと思います。与えるとすれば、その与える結果としては、まず第一に考えられますることは、この市場の進出によって取り扱い量が減る。その減った中で、いままでどおりの営利を維持しようといたしますれば、逆に単位当たりのマージンをよけいとるということが一番端的ないき方ですね。それではこの市場をつくったことが、何にも意義がなくなってしまうわけです。そこで、お話のように、その残された業者組織する合理化小売り市場というものができるように導いていかなければならない。そのために資金の準備をするなり、何なりする、こういうことでございますが、実際そういうことが期待できるのかどうか。ここに総合市場ができて、そこに店舗を持たせてもらう。そうすると、そこに働く何人かの人はそれで救われましょうけれども、全部の人をそういうふうに救うというわけには、実際問題としていきかねる。そうなれば、当然そこに過剰人員、過剰店舗というものができてくる。過剰店舗のできたやつを、また総合市場というか、スーパー・マーケットなり、共同店舗なりをつくって、そこで養っていこうとすれば、それは何にも小売り価格に反映しないということになります。合理化するということは、結局、過剰な店舗、過剰な人間が生れてこなければならぬように私は思うのです。その対策が、そういう人に資金を融通して市場を開設せしめるとか、共同の何をやらせるということだけでは目的の解明にはならぬのじゃないか。そういうことでやるとすれば、その新しくできるマーケットなり、何なりが、全体を養っていくだけのマージンを、取らなきゃならぬということになる。結局同じになってしまうのではないかという感じを持ちます。全部イコールではないと思いますが、期待するような効果というものは期待できない。その辺のことがもう少し具体的に解明されなければ、この市場の開設ということが一つのモデルになって、全的に最終価格適正化されるという結果というものは導き出されないんじゃないかという感じを私は持ちますがね。農業の場合でも、自立農家をつくるといったって、離農しようとする人に対する対策というものが十分にございませんと、なかなか農地の集団化もできなければ何もできないという悩みに逢着しておる。事情は違いまするけれども、私は理念的には同じようなものであると思うのです。そういう点の対策というものは、それは農林省農林行政の範疇ではないから、通産省のほうで考えている、向こうのほうへお願いしてあるということなのか、何か打ち合わせの際に、踏み込んだあれがあったのかどうか。あったとすれば、それをすみやかに公表して、小売り業者に安心を与えつつ合理化せしめるということを並行してやらぬというと、この法律のねらう目的というものを拡大していくわけにいかぬというように考えますが、どうでしょう。
  31. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 確かに、御指摘のような問題を伴う場合が出てまいるわけでございます。ただその場合に、取り扱い高の減少という場合もございますが、むしろ価格面での牽制を受ける。つまりこの小売り市場が存在することによって——大阪に現に公設市場が四十カ所ございますが、うまく運営されておるわけでございますが、その影響がやはり小売り価格の牽制作用を持っておりますが、そういうような効果が直接にはあらわれてくる。したがって、多少その面で、小売商がよほど合理化につとめなければ、従来より所得が減少する場合がある。で、最近における物価値上がりの原因を考えますると、小売り商というのは、自分のなわ張り、古くから持っておるなわ張りの中で、大体顧客の範囲はきまっておるわけです。取り扱い高というものもきまっておる。したがって、諸経費が上がる、生活費が上がるということをマージンにぶっかける傾向があるわけです。売り上げの増加によらないで、取り扱い高の増加によらないで、値上げによってやっていくという面が強いわけでございます。むしろそういう面を抑制して、できるだけ合理化してもらうというのが一半の効果であろう。ただ、ときには営業困難におちいる場合があるかと思いますが、そういう場合につきましては、具体的に取り上げて、むしろ具体的に配慮していくということが必要だろうと思います。
  32. 森八三一

    ○森八三一君 いま、お話で小売商がマージンのほうに依存をしていく傾向が強いと、だから最終価格が高騰の状態を示しておる。まあそれも一つの面でございましょうけれども、私が最初にお尋ねいたしましたことは、そうではなくって、逆に生産者のほうにしわ寄せが及んでおるという面もあるのです。だから、生鮮食料品流通機構の不合理性から、最終価格のほうにしわ寄せがいっておる。小売り価格が高くなって、消費者生活を脅かすということになる。他の半面は、生産者のほうへそのしわ寄せがいく。生産安定的拡大を阻害しているという面と、両方にこれは出てきていると思いますね。その割合がどっちが強いかといえば、それは比較的安易な、小売りマージンを増高していくほうが安易ですから、そっちのほうへいく場合が多かろうと思いますけれども、必ずしも断定はできぬと思います。両方にその影響というのは及んでいる。そこで、最初にお尋ねいたしましたことは、そういう後段の半面というものが続いていったのでは、ほんとうに最終消費価格を安定し、合理化し、適正化するというわけにはいかないのです。やはり生産が基礎になるのだから、その生産のほうへしわ寄せが及ばぬということを考えなければならぬ。そのためには、この市場の運用を通して寄与する対策というものをどう考えるかということをお尋ねして、そういうことはこの法律では考えていないというのか、考えるのかというお尋ねに対して、大臣は、直接的なものではないけれども重要な点だからそれは考えますと、こうおっしゃった。当然だと思うのです。そのことを今度具体的にどうお考えになりますかと聞いていくと、中央市場を通して入荷するものについては言えませんけれども、必ずしもものによって、そういうルートで入るものばかりじゃございませんので、また中央市場を通して入ってくるような品物にいたしましても、ときによっては直接的に生産者を対象にする場合、あるいは生産者、その団体等を面接入居せしめて、その市場に参加せしめるという場合も考慮するというお話ですから、そこで、一応その生産者のほうへしわ寄せが及んでいくだろうという心配については、不十分でも解決される方向というものが考えられる。もう一歩進んで、中央市場法なり、地方市場というものを整備しなければ、大多数の物資についてはうまくいきませんよ。それはいま審議会を設けて考えていくというお話ですから、その点で一応私は理解をしたのです。そこで、小売り価格のほうへしわ寄せを持っていっているということを排除する対策としては、何としても私は店舗の数が減らなければならぬと思う。そうして従業員一人当たりの扱い量というものがふえていくということにならなければ、小売りマージンを低減するという結果は出てこないと思うのですね。それをやっていこうといたしますれば、それは過剰人員、過剰店舗というものが出てくる。その過剰人員、過剰店舗というものをどういうように始末をするかということを考えなければ、これはほんとうに成果をあげるわけにいかぬのじゃないか。後段の問題にしても、そのはみ出した人の対策というものを非常に手厚く考えている。同じようにそこまで考えてやらなければ、結果的には法律が、モデルをつくって全的にそういうような適正化される機構というものをつくろうという趣旨を達成するというわけにはいかぬのじゃないか。そのことについてですね、農林行政の範疇で考えるべきではないと思いますが、通産との間に十分お打ち合わせがございませんと、具体的対策がございませんと、それはなかなかうまくいかぬと思うのですね、実際問題として。だから、共同の店舗をつくらせる、それに融資をするといっても、過剰人員を吸収するということにならぬと思いますね。むしろそれによって過剰人員はさらに拡大されていくという方向を描き出すと思うのです。だから、その対策というものは非常にむずかしいことでございますが、何か考えておかなければいかぬと思うのですが、その辺の通産との打ち合わせなり、了解なり、通産のほうで行なうという施策というのはどんなものであるのかという点なんですよ。
  33. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 先ほども申し上げましたように、この法律案をつくります際には、中小企業庁と十二分に話し合いをやっております。で、具体的にこういう場合にはこうする、こういう場合にはこうするというようなことではございませんが、先ほど来申し上げましたように、協業による総合店舗をつくる、あるいは商店街の造成をはかるというような方向で、できるだけ影響を緩和していくということ、それから東京都の設備資金の貸し付けにつきましても、優先的に考えてもらうというような話し合いを進めてきたのでございます。今後も現実に問題が出てまいりました場合には、直接中小企業庁と話し合いましてその解決をしてまいりたいと考えておるのでございます。  それからもう一つ中央市場との関係におきましては、これはまあ小売り段階の合理化ということだけじゃなくて、中央卸売り市場取引合理化ということにも、かなりの期待を持っておるわけで、たとえば仲買人が非常に小さな扱い高でやっておりますような場合、神田の青果市場では直接小売り商がせりに参加いたしておりますが、そういった面では、この市場が特に共同仕入れ組織をつくるように指導してまいりたいと考えております。大量の荷口になってまいります場合は、仲買人を通ずる場合にしましても、そのマージンの節約を要求できますし、場合によっては神田におけるように直接せりに参加して荷を引くということができるわけでございます。そういう面で、必ずしも小売り商との競合だけではなくて、中央市場取引そのもの合理化の促進にも役立てたい、こう考えております。
  34. 森八三一

    ○森八三一君 まあお話しのとおりですが、中央市場合理化にも寄与し得る、そうだと思うのです。その寄与する結果というのは、やはり中央市場仲買人なりなんなりに過剰が生ずるという結果になると思うのですね。そういう過剰になる店舗なり人員というもののはけ口を考えてやるところに、私は政治もあるし、それは知らぬままで勝手にせいということでは、問題を進めていくのには非常に摩擦が多過ぎていかぬのではないか。そこまで親切な対案というものが並行して出てくるところに、法律運営がスムーズに成果をあげていくということになると思うのです。これは非常にむずかしいことですから、いまここで簡単にお答えをちょうだいできるとは思いませんけれども、そういうことをひとつ考えていかなきゃならぬということを、十分考慮をしていただきたいと思うのであります。  その次には、この市場運営管理会が指揮するといいますか、監督するといいますか、方針を立ててやっていく。そこで管理会の構成は一体どうなりまするのか。具体的に構想がありますれば、お示しをいただきたいと思うわけであります。
  35. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 管理会は、出資者は国と地方公共団体でございます。これはどうしてこういう組織をとったかということでございますが、実は先年東京でやはり公認小売り市場と言っておりますが、それをつくろうとしたわけでございます。それは結局一カ所しかできなかったのでございますが、その場合においても、まあ非常に地元との関係が密接に過ぎますので、区あるいは都のような自治体においては、なかなかこれを設置したり運営したりするにいろいろな問題が多い。そこで財団法人にしたいという東京都の意向もありまして、財団法人がそういった設備をしまして、それを貸し付けるという方式をとったのでありますが、そういう経緯がありまして、今度の場合は特に国も推進するということから、自治体だけでなく国も合わせて出資者になる。で、そこに別個の主体を設ける。こういうことにいたしたわけであります。その中で役員は、特に常勤役員はわずかでございますが、役員を置きまして、特に直接執行部を構成するものは別といたしまして、非常勤の役員等につきましては、関係の地方自治体等の代表者と申しますか、それから出荷団体等の代表者のような人を非常勤の役員にしたい。そのほかに運営審議会というのを置きまして、消費者代表、それから出資する地方公共団体の代表、それから小売り商の代表、こういうような人々を委員にいたしまして、運営においていろいろな問題がございますので、それの円満な処理に当たり、また運営基準等の作成について諮問するようにいたしたい。こう考えておるわけでございます。
  36. 森八三一

    ○森八三一君 管理会の役員のほうは、各会から適当な人を任命する。その中にはこの目的を達成するために生産者の関係の諸君にも参加してもらうというような意図を持っておるということが明らかになりました。が、運営審議会のほうはこの提案理由説明の中にもあり、ただいまもお話がありましたように、出資地方公共団体委員のほか一般消費者小売り商業者等関係者の意見を代表するものを充てる、こういうふうに規定されている。この中にもやはり生産者の代表なりというものが、産地の実体というものを運営の上に反映させるようなものがあってしかるべきように私は思うのでありますが、その辺は説明書にも書いてありませんし、ただいまお話にもなかったわけであります。管理会の役員のほうについては具体的にただいまお話がありましたので、そういうように構成されて、前提となる基本的な生産の問題にも、運営上遺憾なきを期していただけると思いますけれども、審議会のほうはそうでないということになりますると、片手落ちのような感じを持ちますが、それはどうなりますか。
  37. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) まあこの小売り市場性格から申しまして、まず消費者の意向を、とにかく消費者の何と申しますか、気持を十分に把握する必要がございます。それから周辺の小売り商、また荷受する小売り商に対するいろいろな問題を円滑に処理する関係がございますので、こういう人々はぜひ参加してもらいたいと考えておるわけでございます。そのほかに自治体がこれに協力してもらう必要がありますので、出資地方公共団体が推薦する委員というものを考えておるわけであります。それで、そのほかにまあこうこういった場合によっては利害対立するような人々だけでは不十分でありますので、第三者的に公益委員、あるいは中立委員というような形の人々も加えたい。こう考えておりますが、生産者といいますか、出荷者のほうの利害というものをある程度反映させるのは、まあこの市場が間接的な関係がありますので、直接生産者の代表というような形であるよりは、むしろ公益的な、野菜でもくだものでも、そういった生産することにこの小売り市場運営影響がありますので、公益的な考え方に立つ人としての委員としてそういった人々が入ることは考えられる、こう思っておる次第でございます。
  38. 森八三一

    ○森八三一君 それは一般消費者の代表というものを参加せしめるということであれば、別に利害が対立するということでなしに、この管理会の業務の円滑な運営を期し、そうしてこの総合小売り市場の成果をあげてまいりまするためには、どっちのほうがいい子になって、どっちのほうが難儀をするということであってはならぬので、双方がよく意思を通じ合って、適正に運営されるという意味において、消費者生産者、そうしてその流通過程を担当しておる小売り業者というものを網羅して審議をせしめるということが一番公正、妥当な結論が出てくると思うのです。そういう立場の人を第三者的な、公益的なということで考えるというのではなくて、むしろ端的に考えるということのほうが、運営上はいいんじゃないかと思いますが、それは必ずしもどういう団体がいいか、農業団体がいいのか、何がいいのか知りませんが、そういう生産に直接しておるという団体の人々を参加せしめるということが、消費者の代表を参加せしめて意見を聞くということと別に、対立するというような考え方でなしに、妥当のように思いますが、それをカムフラージュして公益的な性格と言わずに明確にしたほうが、むしろ私は運営上は一生懸命意見を戦わして、いい結論を導き出すためにいいという感じを持ちますが、そうは考えられませんか。
  39. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 私のことばが足りなかったと思いますが、消費者生産者は、小売り市場運営につきましては利害は対立しないと考えております。むしろ利害が一致いたしまして、要するに中間経費を節約することでございますから、その利益は生産者または消費者に帰属することになると思います。利害はむしろ一致してまいるのが普通であろうと思います。ただ、この小売り市場性格が直接には消費者を相手にしております。消費者の利益をはかる場合に、小売り商との利益との摩擦がございますので、その意味で消費者代表と小売り商代表が対立する場合があるということを申し上げたわけでございます。お話の点につきましては、今後の運営の問題でございますので、なお十分考えさせていただきたいと思います。
  40. 森八三一

    ○森八三一君 それから最後に一つ伺っておきたいのですが、これもしばしば委員会では議論されたことでございますが、やはり私は何といいましても、生産の安定と増強をはかるということが、最終の基本的な問題と思う。一番重要事項と思うのです。そのためには、生鮮食料品拡大安定生産をはかってまいりまするためには、農業災害補償法の対象として重要な生鮮食料品考えていかなければならぬ。それは園芸、果樹等ですね、あるいは畜産の一部も入りましょう。そのことがなければならぬように思いまするし、委員会でもそういうことについては、すみやかに結論を得なさいということを政府に進言をしておるわけでありますが、そういう意図が早急に具体化される方向にございまするかどうか、その実情を承っておきたいと思います。
  41. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 農業災害補償法の対象として、さしあたり問題といたしておりますのは、畜産関係につきましては家畜を対象に現にしておるわけでございますが、園芸関係については果樹を、あるいはくだものを対象にするという問題でございまして、これは現に試験設計をやりまして、相当多数の県で、実際の金の授受はいたしておりませんが、いろいろな方式の保険を実験いたしております多数の町村で、これらの結果が得られましたならば、これはおそらく来年は得られると思いますが、それの制度化の検討に入りたいと考えておるのでございます。野菜につきましてはこれは作付が非常に変動します。同じ土地で必ずしもつくらないでしょう。それから同じ土地でもいろいろな作物がつくられるということで、収量の変動、作付の変動が非常に大きいため、なかなか保険の対象とはいたしがたいのでございますが、一面、先般の野菜暴落等の際になかなか十分な対策がとれない。低利資金の融通はやったわけでございますが、どうも安定対策が不十分でございますので、なかなか実際に効果ある施策を生み出すことは、どうも知恵が足りないといううらみがございますけれども、目下園芸局におきまして、この間の野菜暴落対策以後、安定対策を基本的に再検討いたしておるのでございます。
  42. 堀本宜実

    ○堀本宜実君 この法案の第一条、つまり総則に、管理会というのがございますが、いま森委員の御質問の中で、管理会というのはほぼ明らかになりましたが、この管理会云々という条項の中で、事務所、資本金、定款その他いろいろなものがきめられておるのでありますが、この管理会をつくらなければならなかったということ、しかもその管理会というものをつくり、資本金が政府から出る、公共団体から、東京から半分出るのですが、そういうことで、理事の解任であるとか、あるいは定款の変更には、大臣の認可がなければ効力を発しないというようなことがあるのですがね、これはたとえば常識的な話なんですけれども、何となしにいかめしいスーパー・マーケットができるのだというような気がするのですよ。何かひとつそういう構想でないものはなかったろうかと実は思うのですが、管理会というものを置かなければならなかったという理由、これひとつ伺いたいと思いますが。
  43. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 現在関西地方東京にもごくわずかございますが、主として関西地方、特に大阪に公設の小売り市場がございます。これは市の経営になっておるわけでございます。市が業者に貸し付ける。その貸し付けにあたっていろいろな条件を付して、マージン等の規制をやっておるわけでございます。いままでの行き方からいたしますと、自治体にやらせるというのが通常でございます。私どもも当初そういう考えをとったわけでございますが、先ほども申し上げましたように、東京の場合はこれは実は大正年代に公設市場ができたのでございますが、どんどんその後衰微してまいりました。いろんなこれは事情があったようでございます。東京都の主婦がうすぎたない市場はいやだとか、そういうようなこともあったようでございますが、なかなか地元の関係が非常にむずかしかったということで、先年やはり一カ所にすぎなかったんですが、公認市場というものをつくった場合には、財団法人を別に設けてその運営に当たらせたわけでございます。そういうような実例がありますのと、東京において特にむずかしいということがありますのと、この市場施設を管理運営するにあたりまして、特に効率的に運営する必要がある。官庁的な機構でありますと、たとえば市場は平屋づくりでなければなりませんが、この土地の値段が高いときに、平屋の大きな設備だけをつくるというのは、いかにももったいない。そうしますと、その上にさらにビルを一緒につけるというような弾力的な経営もやらなければならない。その場合には住宅公団とタイアップすることにいたしておりますが、住宅公団以外の場合もございます。そういうことは、どうも官庁的なものではなかなかやりにくいということがございます。それから、この小売り市場の中でセルフサービスをやる、出口で一ぺんに代金を払うチェックアウト方式をとるという場合に、業者が幾つか入った場合に、それを一カ所をチェックアウトの出口にするのは、なかなかねずかしいことなのであります。そういう場合にこの管理会がやってやるというのは、これはお役所ではなかなかやりがたいわけであります。そういうこともございますので、官庁的ではなくて、しかし公共性のある組織にいたしたい。特に、国も今度は関与するということから、こういう組織をとったわけでございます。なお、国や地方自治体が出資したり補助したりいたしますのは、まあモデルとしての相当近代的な設備をつくるわけでございますが、冷蔵設備にいたしましても相当りっぱなもの、個々の小さな冷蔵庫でなくて、市場全体として効率的に使えるような冷蔵庫をつくる、それから冷凍の商品ケースを置かせるというようなことになりますと、その設備自体に相当な金がかかりまするので、一般小売り商では、なかなかそういった資金もございませんし、その負担にたえない。で、この補助などは、価格を直接安くするための補助ではなくて、そういうモデル施設、りっぱな施設をつくるために小売り商の負担が大きくならないための補助でございます。
  44. 堀本宜実

    ○堀本宜実君 私はいまの説明でわかるのですが、それは財団法人、社団法人、これはまあ特殊法人ですから、定款変更については大臣の認可がなければ効力が生まれない、あるいは理事の解任等については、大臣の認可を得るということにしておることもわかるのでありますが、何かやはりこう、そういうものが零細業の上に立って事業をしてみて、はたして円滑にいくのであるかどうか、そういうことが組織の下にできて、それがモデル的なものになるのであるかどうか。補足説明の中で、中小小売り商業者経営近代化のモデルといたしたい、こう述べておられるのでありますが、これはモデルにならぬと私は思う。何となれば、牛の薬を馬でためしてみるようなもので、いまの小売り業者というものがきわめて貧困な、投資の弱い形の上に立って、あえぎながら家族労働で経営をしておる。そこへいま言うような組織を持ってきて、そして設備もやってやろう、資金も借りられるようなことにしてやろう、そういうことで大きな冷蔵庫も買うた、商店もりっぱな、ウインドーもりっぱなものにしたということで、なるほどそれに右へならえというので、りっぱなものにはなったが、そういうものに一般の中小小売り業者が——モデルという意味が私にはわからぬが、よし私の理解するようなことであるとするならば、そのことがなるほど見本にはなると思います。しかし、見本になっても、まことにりっぱなものだということだけで、それについていく方法は何ら講じられておらぬということなら、私はほんとうに品物の違うものでためしをやっているというふうに思えていけないのでありますが、そこはどうお考えになりますか。
  45. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) どうもまことにごもっともな点でございます。私どもも、単にそれをつくって、まあ誇示するような形になるだけでは、これはむしろいけないということで、実は中小企業高度化資金で、協業によるこういったマーケットをつくる資金、低利資金を一方で用意しております。それだけでいくことも実は考えたのでございます。しかし、それじゃなかなか進まないということもありますので、せっかく東京都にも低利資金がございますし、こういうものでモデルをつくって、小売り商業者は協業をやって、そういうものに発展していくということを促進したいということを考えたわけでございます。と同時に、これはまあ御承知のごとく、アメリカにおきましても、スーパーマーケットだとか、スーパーストアとか、いろいろもう一九三〇年代から発達してまいったわけでございますが、依然としてやはり家族経営小売り商は、数は減ったかもしれませんが、存続いたしております。それはそれなりの役割りを持っておるわけでございまして、いまわれわれ業界の人々の意見を聞きますと、若い層の人々は、こういう形で伸びたいという希望も持っておるようでございます。それで、一面において低利資金を貸していくという方式と、こういったものが設備をつくって貸し付けていくという方式と、両面あってよろしいと思います。両方からそういう対策をとっておるわけでございます。
  46. 堀本宜実

    ○堀本宜実君 いま御説明のように、まあ私の言い方が悪かったが、馬の薬を牛でためすように、まるで異質なものでモデルにするなんというようなことは、理想としてはりっぱでしょうけれども、現実としては私はなかなか困難だ。なるほど中小零細企業に対する助成の道もありましょうが、それよりも、もう少し何か手厚い指導、これは農業にも同様に言えることなんですけれども、痛ければ脱落せよ、どこかへ行っちまったらいいじゃないかというような無責任な行き方でなしに、少し数がやはり多過ぎやせぬかという結果になるわけですね、これは。結果はそういうことになるわけなんだ。いままでのように、人間が、コップの中の水の量が同じであってそういうことができようはずがないと私は思う。そこにはやはり窓口というものが、経営者というものが減ってくる、減少される。それを近代化して、一般消費者の便益に供するという場所と、そしてその方法が講じられてこそ、初めてこの意義が達せられるのでありまするので、そういう点をもあわせて講じる。ただ金を貸し、投備はできているというだけでは、十分に機能を発揮しないのではなかろうかという心配をするわけでございます。それを特に問題にしておきたいと思います。これはもう御答弁は要りません。ただ、この場合に、仲買い人という制度が昔からあるわけですが、まあ昔からあるのだからこれからもあると思いまするし、あってもけっこうだと思うのですが、いわゆる荷受け卸売りというものがあって、東京都のように、この一千万に余る人口の中で、ぽつねんとただ一つ狭い中央卸売り市場というものを持っておるだけではどうにもならぬと思いますが、それはそこに仲買人としての役割りを果たすものがあると思うが、しかし、できればこういう理想的な小売り業者ができれば、私は卸売り業者が、荷受け卸売り業者から小売りへという段階でよろしいのであって、仲買い人というものが要るのかどうかということです。これは私も若干疑問に思っているが、仲買い業者というものは要らないという断定はいたしません。が、いまのように、私の知っておる限りのような組織あるいは形態で、仲買い人というのが必要なのかどうか、こういうことを一応お聞きをいたしておきたい。そうでないと、マージンの幅は狭められたと言いながらも、少しづつそこそこでマージンを吸うていく機関が存置するということは、やはり消費者にとっても、生産者にとっても私は悪いことだと思う。これは流通機構の上で、少なくとももっと単純化していくべきじゃなかろうかと思いますので、その点を伺っておきたいと思います。
  47. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 確かに問題の点でございます。一面、仲買い人は絶対必要だから、中央卸売り市場法を改正して、中央卸売り市粉には必ず仲買い人を置くべしという規定にせよという、これは仲買い人業界の力からの要望でございますが、しかし、現に仲買人のない市場もございます。それで運営できておる市場もございます。しかし、これには中小の、中都市のような場合におきまして、仲買い人がなくて済むということでございまして、むしろ大都市においては、小売り商が非常に何千という、東京の場合は何千という小売り商がおります。それが直接せりに参加するようなことはなかなかたいへんでございます。やはり、そこには中間的に仲買いというものがあって、ある程度需要をまとめてせりに参加して値段をきめていくという分化機能というものが必要であろうと思うのでございます。しかし、その場合にも、大口需要者などは直接せりに参加して、できるだけ段階を置かないという必要があるかと思います。しかし、仲買い人を省いたからといって、必ず節約できるというわけではなくて、東京都のような大きな世帯におきましては、小売り商中央卸り市場まで行ってせりに参加して買ってくるということは、なかなか容易じゃございませんし、仲買い人の機能というものは、大都市の場合は相当ある。しかし、その数が多過ぎるという問題がございます。小売り商とあまり取り扱い高が変わらないような仲買い商がございます。そういうような面については、できるだけ統合して、大型化するように指導し、金融のあっせんなどもいたしておるわけでございます。
  48. 堀本宜実

    ○堀本宜実君 アメリカにおきましては、合理的なマーケット方式が採用されつつありまして、わが国におきましても、私はその会社名、品名等は省略いたしますが、卸しから中の特約店、あるいは代理店というものを省いて、直接小売りへつなごうとする気風がきわめて旺盛でございます。これは御承知のとおりであります。そういうシステム、方式をとることは、やはり生鮮食料品においても同様であろうかと思うのであります。  そこで、この広範な地域に一カ所しかないというところに、中央卸売り市場というものが、しかも狭隘で一カ所しかないというところに問題が起こってくるのではないか。そこで、いまのように多数の仲買い人がおって参画をしていくということはあり得ないことであろう。また、これは一面小売りの金融という面がございます。資金の問題がございます。一応そこでアジャストする、あるいは弾力的な問題、資金の解決をする一つの役割りを果たしておると私は思う。決して無用の長物ではないと思いますが、しかし、合理化、近代化を目ざす段階においては、かくのごときものにもう少し深い施策が必要なのではなかろうかと思いますので、私の意見を申し上げておく次第でございます。  次に、第九条の管理会に、運営審議会というものがございます。この運営審議会の役割りについて伺いたいのでございますが、審議委員というものを選びまするのに、いま、この補足説明書をちょっと読んでみますと、いろいろ書いてございます。まあ十二人程度でございますから、多くの人を入れるわけにもまいりますまいが、生産者を入れておらないのであります。生産者は利害が相対立するものではない、これはもう全く別個のものであるから、生産者というものを考慮する必要はなかったのだ、こういう御説明で先ほどあったかのように思うのでございますが、私は、やはり生産者意見を聞くということは、この際には必要であろうと思う。ただに利害が相反するから、その意見を調整し、それをまとめるために必要な審議会か、あるいは季節の状況、あるいは生産の状況その他を、仲買い並びに小売り商経営をいたしまするために、必要な参考資料というものを提供する立場においても当然必要な事項、これを全然除外するということは、どうもいけないのではないかと思うのでありますが、その点どいうふうにお考えになりますか。
  49. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 森委員からも同じ御指摘がございました。私どもとしては、消費者代表、小売り代表、それから中立代表というふうに考えてまいったわけでございますが、運営に直接生産者が関係する場合は、わりあい少ないわけでございますが、しかし、小売りにおいて自分らのつくったものがどういうふうに売られておるか、あるいはどういうふうに売ってもらいたいというようなこともあると思います。そういう面からいいまして、生産者あるいは出荷者についてそういった人々の入ることにつきましては、今後の運営考えさしていただきたいと思います。
  50. 堀本宜実

    ○堀本宜実君 私は、これをあまりに強調はいたしませんが、物の流通というものは、仲買いのところで切れ、小売りのところで切れ、消費者のところで段階を考えるべきものではないのであって、生産者から消費者へという一連のルートの中で一応の計画を立て、それが連帯されるということが最も望ましいことだと思うのであります。そういう立場に立って、セクト的に関係がないごとくに考えるということは、いかにも私は浅慮であると思われますので、御考慮を願いたいものである、こういうふうに思うのでございます。もう一つは、審議会の運営でございますが、その中に業務方法書をつくって云々ということがございますが、大体これはまあ政令できめられるかもしれません。が、何かまあ役所がやることじゃから、こういうことも必要なのではありますが、何となしにおむつ買いまで政府がやることのような気がして、おしっこまでさしてやらなきやならぬというような手取り足取りというような、まあ上手でないような気がしてならないのでありますが、業務方法書というものの作成、いわゆる業務方法書というのは、一体どういうものなんですか。
  51. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 内容といたしましては、小売り市場を設置する場所、あるいは標準の規模、それからいろいろ問題が出ると思います荷受け業者を選定する基準、それから使用料の算定方法、それからいろいろな設備の貸し付け、契約の基準、そういうものでございます。これをできるだけ統一的にきめる必要がありますので、もちろん、事こまかにやるわけじゃございません。あとは運営にまかせられるわけでございますが、基準的なものを定める、こういうことでございます。
  52. 堀本宜実

    ○堀本宜実君 まだできてはおりませんか。
  53. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 内応となるべき事項はできております。ただ具体的に規定そのものは書いてございません。
  54. 堀本宜実

    ○堀本宜実君 そこでこの法案を見ますと、資本金は別に資本金としてあるようであります。  それから大体、その前に一市場一億円程度のものを二十カ所というのだけれども、これは二十億くらい金が要るのだろうかと想像するのですが、そうすると二億五千万円出資金があるわけですね。それからまあそのほかに二億九千七百六十万ですか、というようなものがまあございます。それで五億四千七百六十万円でございます。その上に四億くらい国から東京都へ入り、一方、東京都から出していこう、こういうのですから八億あるわけです。合計いたしますと私のそろばんが違うかもしれませんが、十三億何がしあるわけです。そこでそういうふうになりますと、そういうところで店舗を開いて入居者をきめて、そして指導をしてやるのですから、それがモデルになりにくいということを申し上げようと思ったのです。これは裸で人より一時間朝早く起きて余分に働いてどうにか安く売ろうという、つまり、労働意欲といいますか、そういうものがなければ商売というものはやれない。もっと解剖して言うと変なことになりますから申し上げませんが、その努力というものをやるか、もう大部分手取り足取りしてやるわけですから、私はモデルにはなかなかなりにくいと思うのですよ。それはけっこうなことですよ、このこと自体は。決して悪いというておるのではない。もう御親切なことだと思うのだが、そうする場合に、この周辺の小売業者等は実際困ったことになるであろうと思うのです。それには金を貸してやろうと、先ほども森委員の御質問で金を貸してやろう。それは一キロだ五百メートルだ、一キロだ二キロだというておるようでございます。二キロでもぐあいがいいんでしょう。ふろ屋だってそれぞれキロ数があって、それ以内には設置させぬというあれは規定がある。二百メール以内にはふろ屋というものはつくってはならぬという環境衛生のほうでも薬屋さんでもこのごろは軒を並べてやってはいかないという、許可にしないという規定が、最近薬剤師法でできたわけです。ですから当然なことなんだ、これはやることは。それがために資金までまるがかえで家までつくってくれてやるわけですから、私はこれはもう申し上げません。わかっておいでになるのだと思うがこれによっていろいろなトラブルが起ころうとする原因をここでつくっておりますよ。相当、私は周囲に困難な人ができてくるであろう。また、首をつらなければならぬようなあわれな人もできてこなければよいがと祈りつつ、私はこの質問をいたしておるようなわけでございます。ですから、そういうことにならないような配慮を、単なるお経だけでなしに、現実にやっていくという親切さを希望しておきたいと思います。  それから次に、これらの入居者を選定するとありますが、入居者を選定するのは、どういうことで選定されますか。どういう観点からこの入居者をお選びになりますか。ついでですから申し上げておきますが、そこへ入る、つまり何といいますか、管理会というものは設備をして、資金を出してやるわけですから、いて商売をするわけじゃなかろうと思うわけです。商売する人は別におるのだろうと私は思う。それを入店者というのだろうと思う。これは私の考え方が違っておれば御指摘をいただきたいと思うのです。そういうことだとするならば、それは元金に対する利潤との比例の問題、そういうものがあるわけですね。元金というのはおかしいけれども、設備資金ですよ、要は、それは日に日にの買い出しは、日に日にの運営資金というのは別でございますが、それは個人が調達する、入居者が調達するのであろうと思うのです。これは私の想像ですけれども、そういうようなところを一体どのようにして入店者の選定とそれから入居者にそれを貸し与える、つまり貸し賃というのですか、借り賃というのですか、どっちから言うたら正しいのかよく知りませんが、とにかくそういうものは何によって基準できめるのか、これ、たいがい読んでみましたが、一向出ておりません。それはまた別なところできめるのかもしれません、ところによって違うのかもしれません。二十カ所できましても、場所によって、消費者の散在する、あるいは住居数、それが対象等になっていく。そしてその中には、将来の営業の実績によって将来は改訂することがあるというようなことにするのかもしれません、その点は一体どういうふうになりますか。
  55. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 最初のほうの御指摘になりました、だいぶこっぴどく御指摘いただきましたが、この低利資金あるいは補助金を通じまして大体中小企業の高度化資金とバランスするようにいたしております。その設備はかなりしっかりしたものをつくるわけでございますから、小売商業者自身がつくることは低利資金でも借りなければなかなかむずかしい。低利資金は別個でございますが、これをつくって貸してやる、こういうことでございます。しからば、その貸し賃はどのくらいか、貸し賃が異常に低いあるいはただという場合には、小売商業者に対して、価格に対して直接補助して他の小売商等に不当な競争を与えるということ、それから高過ぎては入る人はない、なかなかむずかしいところでございます。そこで、実際にいろいろな例を調べまして貸し付け、小売商がどの程度で借りられるか、また貸しておるかという事例を調べて、また業界自身の意見も聞いたわけでございます。大体場所によって違ってまいります。住宅団地というようなところは、比較的安くなっております。大体坪四千円前後で貸してまいりたい、こう考えております。
  56. 堀本宜実

    ○堀本宜実君 入居者の選定はどうなりますか。
  57. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 入居者の選定は、こういう公共的施設でございますから、信用は、もちろん信用といっても相対的なものでございますが、あることは必要でございます。もちろん経験者であるということ、そのほかに実際に入居させる場合には、地元と相談するようにしてまいりたい、こう考えております。
  58. 堀本宜実

    ○堀本宜実君 大体青果物は、もう調査をいたしました年が古いから、いまの問題にはなりますまいが、生産者が三、運賃、卸売り、仲買いを含めて四、あとが小売商のマージンというか、取り分である、だから生産者は全体の三しか取らない、こういうふうな常識があるように私は心得ておるわけですが、これはもういまでも、三年ほど前に、三河白菜が暴落をいたしましたときに調査に行きましたときのデータでございますので、その後変わっておると思うのでございます。三、四、三の比率である、こういうふうに私は常識的に考えた記憶がございます。で、その場合に設備なりその他の一応の店舗に入居したものが商売ができるというような、いわゆるかまえができておるところに入ってきてやらすわけですね。これはマージンの規制いたしますか。これだけでなければならぬというのか、あるいはそこに努力というか、いわゆる常識的、社会的に言いますならば勉強といいますか、そういうようなものの努力によって解消し得られるものが、それが一つのマージンと化するわけだと私は見ておりますが、そういうものを計算のうちに入れますか。
  59. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 大阪公設市場の場合は、標準価格を示しております。これは中央市場から買い取ってきた価格に一定のマージンをプラスして標準価格をきめておるわけでございますが、東京では標準小売り店というものです。そこで東京都が標準価格を示しておるようなわけです。ところが東京の標準小売り店の場合は、標準品の品数が少ない。個々の小売り商にまかされておりますので、いろいろ鮮度も違う。品物は同じキャベツでもいろいろな銘柄がある、そういうことから、必ずしも的確に標準価格というものは守られていないわけです。この小売り市場におきましては、標準品の数をふやして、できるだけこういう場所でございますですから、大阪公設市場のように的確に守ってもらえると思うのでございます。そういう方式でできるだけマージンの節約をしてもらう。もちろんそれには努力もしてもらわなければなりませんし、経営方式自体も、従来の小売り商とはだいぶ変わった方式になります。非常に節約の余地はあると思います。
  60. 堀本宜実

    ○堀本宜実君 それで契約書に書くわけですか。
  61. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 契約書でそれを順守してもらう事項を書くわけです。
  62. 堀本宜実

    ○堀本宜実君 まあ、そういうことで一応私はきょうの質問は終わりたいと思いますが、中央卸売り市場というもの自体にも問題があるのですね。その問題を、まあ少しは去年手直ししましたけれども、まだまだあれは少しうみを出した程度のことであって、世の期待に沿うているとは言いがたいと思うのであります。で、これをそのままにして、そうしてこの枝葉を直そうとするのは、はさみ芸者みたいなもので、根本的、基本的対策を講じたとは言いがたいと私は思います。その点についても再考の余地があるということを私は申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。
  63. 青田源太郎

    委員長青田源太郎君) ちょっと速記をとめて。   〔速記中止〕
  64. 青田源太郎

    委員長青田源太郎君) 速記を起こして。
  65. 渡辺勘吉

    ○渡辺勘吉君 わが党の質問に必要な資料の提出を要求します。  まず、この法案の提出に至ったもとをなす生鮮食料品流通改善対策要綱、これがまず第一点。それから東京都生鮮食料標準品小売り店関係資料、第二点です。それから第三点は、青果生産安定事業実施要領、それに関連する京浜地域生産出荷協議会野菜の入荷量及び価格調査公表事業実施要領というのがありますが、これを合わせて提出を願います。それから第四点としましては、野菜指定産地推進事業実施要領、第五点は、野菜指定産地生産安定事業実施要領、それから次は、臨時生鮮食料品流通事情調査中間報告、これだけは三十七年の二月に出ておる。あとは全部去年です。それから、生鮮食料品流通モニター調査結果報告、これはことしの五月に報告されております。それから生鮮食料品流通行政査察報告、青果、畜産、水産物の内容について去年の十二月に出ておるもの、それから消費者保護に関する答申、これは経済企画庁から出ておる。それから中央卸売り市場八カ年計画、それから数日前に取りまとめられておる広域経済圏農業実態調査、これを来週火曜日の審議に間に合うように取りそろえて御提出を願いますが、その確約をいただきたいと思います。月曜日に渡してもらえれば、火曜からこれらの資料を中心として質問に入りたいと思います。
  66. 松岡亮

    政府委員松岡亮君) 九番目の消費者保護に関する答申につきましては、私のほうから企画庁のほうへ連絡いたして提出してもらいますが、そのほかにつきましては月曜日までに提出いたします。
  67. 青田源太郎

    委員長青田源太郎君) よろしうございますか。  本日は、これをもって散会いたします。    午後三時三十八分散会