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政府委員(
昌谷孝君) ただいま
委員長からお話がございましたような経緯で、私
どものほうで、現在、
補助対象事業、あるいは
公庫資金の
対象として助成をいたしております
農山漁村の
電気導入事業につきましての、従来の
経過その他を御
承知いただくための
資料をお手元にお配りいたしましたので、御
説明をいたさしていただきたいと思います。
まず最初の第一ページは、
昭和二十五年以降の逐年にわたります
各種目的別の
補助金と
融資の概況でございます。
電気導入事業は、予算上から申しますと幾つかに分かれております。この表にございますように、離島
関係、これが開拓地を除きましては一番早くから手がけられた
事業でございますが、離島
関係は、御
承知のように、最近では、予算といたしましては経済企画庁に一括計上がせられております。で、二ページの注に書きましたように、
昭和二十九年から三十二年度までの四カ年間は、これは
農林省に計上されて、企画庁計上になりましたのは三十三年度以降でございますが、便宜この欄に二十九、三十、三十一、三十二の予算実行計上もここにまとめて計上いたしてございます。内地の離島
関係で、今日までに施設費の
補助金といたしましては四億八百万円が投入をせられたわけでございます。それから同じく離島の
関係で、北海道の離島は北海道
開発費に計上がせられております。この
関係は、はっきり分かれて計上されましたのが三十四年度からでございまして、その中での施設費が九千二百万円ということに相なっております。それからいわゆる僻地
農山漁村電気導入事業、内地の
関係でございますが、この内地及び北海道を合わせまして本土と申します。離島以外でございますが、これは三十四年度から補助
事業が開始をせられまして、今日までに約十億の施設費が計上されております。この中には北海道分も含んでおります。それからもう
一つの種類といたしましては、これは
農地局のほうがやっておられるわけでございまますが、開拓地の
電気導入事業がございます。これは補助
事業としては一番歴史が古いものでございまして、これが
昭和二十六年度からこのような予算
措置で今日までに約十四億円が投入せられたわけでございます。それらを合計いたしますと、施設費としては約三十億円の国庫
補助金が従来三十九年度予算までで計上せられたわけになります。
それから次に三ページでございますが、三ページは、今度は制度金融と申しますか、
公庫資金の系統の金が今日までにどれだけ
計画されたかという企画、これは
計画額でございます。累計をいたしまして約八十八億円の公庫
融資が
計画せられ、この中には先ほど御
説明をいたしました
補助金のいわゆる補助残に当たります部分と、
融資単独
事業で行なわれます部分と、それらを含んだ額でございます。で、注に書きましたように、
昭和二十五年度はまだ農林漁業
関係の制度資金の確立を見ておりませんので、いわゆる見返り資金から出たわけでございます。それから農林漁業資金融通特別会計、現在の公庫の前身であります特別会計が扱ったものがこの二十六、二十七の両年度で、二十八年度以降がいわゆる金融公庫による貸し付けでございます。三十九年度は、一応の資金
計画ワクとしては五億二千万円を予定をいたしております。
それから次に四ページでございますが、四ページは、
事業実績を、ただいまの国庫
補助金と
融資額とを合わせましてどれだけの
事業が年度ごとに実行されたかということを見たものでございまして、国庫
補助金は三十八年度までをとって・先ほどの三十九年度の予定を含めて約三十億でございますが、三十八年度までで二十五億、それから
融資額は同じく三十八年度までで、これは
計画額でなくて実績額ということになりますが、六十六億円、もっともこの実績額は、注に書きましたように、年度をまたがって行なわれました
融資額については、初年度、当初の
計画額が承認をせられた年にその資金額を計上するという整理
方法をとっております。したがって、公庫の帳じりとは若干差がございますが、いずれにいたしましても、国庫
補助金二十五億と
融資額六十六億をもちまして、三十八年度までに、ここでごらんいただきますように、未点灯解消戸数が十五万九千戸、それから電力不足を解消いたしました戸数が十万八千戸、合計二十六万八千戸の電力不足あるいは未点灯の戸数が、この
事業によって電灯がつくという結果になったわけであります。
それから六ページからあとは、いま申しました分類とちょっとかえまして、総体の
事業成果を、今度は融単
事業と、予算の、要するに種目別に実績を見たものでございますが、まず、最初の
融資単独
事業でございまして、
融資単独
事業は二十五年から発足をいたしておるわけでありますが、未点灯解消戸数が五万一千八百六十五戸、電力不足解消戸数七万七千余、合計十二万九千戸ということになります。それに、これに投入せられました
補助金、これは融単
事業で
補助金というのは異様でございますが、カッコで書きましたように、災害復旧に使いました
補助金でございます。主体は
融資額でありまして、五十一億円が投入せられております。
それから僻地
事業は、三十四年から先ほど申しましたように始まっておりまして、これによって三十八年度までに未点灯が解消いたしました戸数が約三万戸、電力不足の解消いたしました戸数が約千七百戸、合計三万二千三百三十二戸、それに要しました国庫
補助金が七億七千九百万、公庫
融資が約四億ということであります。
離島の
関係は、同様にいたしまして二十九年度以降やっておりまして、未点灯、電力不足合わせました受益戸数が約四万戸で、それに要しました
補助金が四億、
融資額が二億八千八百万ということになっております。
それから開拓地の
関係は、二十六年度以降補助
事業としてやっておりますが 受益戸数が六万五千五百三十九戸、これに要しました国庫
補助金が十三億三千万、
融資額が七億七千七百万、それらを合計いたしました数値は、先ほ
ども申し上げました合計数字でございますが、受益農家戸数二十六万八千戸、国庫補助額が二十五億、
融資額が六十六億という姿であります。
八ページは、ただいまの分類を、今度は水力、火力、共同受電施設、一般受電施設というふうに、施設の種類別に分けてみたわけでありますが、水力で申しますと、受益地区は百八十四、発電出力で二万三千六百八キロワット、受益戸数が八万七千戸、国庫
補助金で六千四百万円、
融資額が三十七億というような姿になっております。それから三十七億円というのは、先ほど来御
説明いたしましたいわゆる制度
融資以外のものも含めた金額であろうと思います。
それから火力が比較的少のうございまして、八十一地区、その受益戸数が約一万戸、共同受電施設が、地区数で四百五十地区、それから
補助金で四億八千万、
融資額が九億、一般受電が二千地区で、受益戸数四万九千戸、国庫補助額が五億五千万、
融資額が十億、以上合計をいたしまして、国庫
補助金が十二億、
融資額が五十八億というのが、総体の使われました資金でございます。
なお、いま御
説明いたしましたのは、表題にもございますように、開拓地の部分は含んでおりません。
それから次に九ページでございますが、これはいわゆる小水力発電施設の建設の実績でございます。で、大きく分けまして単独発電方式と連係発電方式とあります。単独発電方式と申しますのは、その地区だけで、その施設で、一般の電力会社とは接続せずに
自給自足をやっておる電力供給方式であります。それから連係式と申しますのは、一たん一般の発電に連係をいたしまして、発電いたしましたものを、電気会社を通じて供給を受けるという方式でございますが、その二つに分けてみますと、地区数にして両者合わせて百八十四のうち、単独式が百三、連係式はいままでに八十一というのが地区数の実績でございます。発電所数にいたしますと両者合わせて百九十四、そのうち連係式が八十八、単独発電方式が百六というようなことになっております。で、それらのそれぞれ発電出力、受益戸数、総
事業費、ここに書きましたとおりでございますが、一発電所当たりの出力、単独式の場合に百十一キロワット、連係式の場合で百九十五、両者の加重平均では百二十一ということになります。一キロワット当たりの建設費を見ますと、単独式の場合には修正がしてあることと存じますが、一キロワット当たり建設費は、単独発電の場合で三十五万二千円、連係式の場合で二十一万一千円、で、単独発電の場合は建設費が割り高になっておりますが、この建設費の中には配電の施設も含まれておりますので、それが実際の割り高以上に建設費の中にそういうものを含んで平均がされておるようであります。なお、いまの一発電所当たりの出力というところで、単独式百十一キロワットとありますのは、まことに申しわけございません。印刷の修正がしてございませんが、五十五キロワットでございます。御訂正をいただきたいと存じます。
それから次に一〇ページに書いてありますのは、先般、
昭和三十六年、三十七年の両年度にわたりまして、
全国農業会議所及び
関係県に委託をいたしまして、小水力発電の
開発可能
地域の、非常に達観的でありますが、一応の
調査を、願ったことがございます。その
調査を願ったことがございます。その
調査結果の数値を二ページ以下にまとめてございますが、一〇ページでそれの概略を申しております。その結果によりますると、
全国で約二千五百地点、六十万キロワットないし百万キロワットの小水力資源がある。もちろん
経済性その他がございますから、全部が
開発可能というわけではないかと思いますが、一応の可能性としては、その程度の資源があるというふうな
調査結果が出ております。なお、そのことは次の一一ページ以下で、県別に集計をしたものを載せておりますが、それの締めくくりといたしましては、一四ページのところで、
全国計で、地点数二千五百十二、最大出力百五万四千キロワット、それから常時出力六十二万キロワット、これが六十万ないし百万の出力資源があるというふうに御
説明した数値のもとでございます。年間発電量といたしましては、八十億九千八百三十万キロワット・アワーということになるわけであります。一地区平均にいたしますと、最大出力で四苦二十キロワット、常時出力で二百五十キロワット、年間発電量にいたしまして三百二十二万キロワット・アワー——これはキロワットと書いてありますが、万キロワット・アワーでございます。三百二十二万キロワット・アワーというようなのが、この三十六、七両年度にわたっての
調査の一応の結果の数値でございます。それだけの可能性があるということだと考えております。
それから一五ページ以下は、冒頭で予算総ワクあるいは
融資総ワクを御
説明をいたしましたけれ
ども、これは多少年度にわたって助成の方式が変わってきております。その
経過を年度を追うて書いたものでございまして、先ほど概略は御
説明申し上げましたので、重ねて御
説明は省略をさしていただきたいと思います。
以上が、この
事業につきまして私
どもが、と申しますか、
政府のほうで従来手がけてまいりました助成の概要とその実績でございます。以上で終わります。