○
矢山有作君 その
作業をやられた根拠になる土地の利用
計画といったらいいのですかね、表現は。それがありますればこれもぜひ
資料として御提出をいただきたいと思うのです。
それからその次にお尋ねしたいんですが、
日本の
畜産というのは、いままで土地と、案外無関係な形で伸びてきたわけですね。つまり
購入飼料にたよる、
濃厚飼料に非常に大きく比重をかけて伸びてきたと思うのです。だから主知の結びつきが少なかった。ところが先ほど
畜産局長が言っておられたように、現在の七二%ですか、
自給度を維持していこうと思えば、
改良増殖目標から見てかなりの
国内の
生産体制というもの、
飼料の
自給体制というものを強力に進めなければならぬと思うのですが、特に
畜産物は三倍以上、
牛乳については五・七倍なんていう膨大な
計画なんですから、その
飼料を具体的にどういうふうに確保していくかということは、これはもう土地の問題と
関連して非常に重大な問題になってくると思うんですね。そういう中で私はこの間も触れたと思うのですが、いまはむしろ農地の壊廃のほうが造成よりも進んでおる、したがって四十、五年度の
目標で見ると、むしろ現在よりも耕地は減少していく傾向が出てくるんじゃないかと思うのですが、そういう中でこの
飼料の
自給度を
現状どおり、膨大な
改良増殖目標を掲げておりながら保っていくというのは非常に困難な問題が出てくるのではないか、現在の土地の
面積だけでそれを達成しようというのは、非常にむずかしい面があるのじゃないかと思うんです。そういう点でやはり積極的に農地の——いま農地といった場合は
牧草地を含めておりますが、その拡大というものに積極的に取り組んでいかざるを得ないようになる、こういうふうな気がするわけなんですが、そういう点で草地の開発というものに、かなりの今後はウエートを置いて
土地改良の
長期計画もこれは立てていただかなくちゃならぬと思うわけです。ところが、その場合に
一つの
問題点になって出てくるのは、これは例の土地利用調査研究報告書の中にも出ておりますが、草地を拡大していく場合の
一つの
問題点は、旧来の草地の多くが入り会い地の形で存続しておる、だからそれを改良して優良牧野にしていくのにはなかなかむずかしい問題がある。というのは具体的にいうと入り会い権者のうちで一人でも反対があれば、なかなか改良をやりにくいという問題のあるという点が
指摘されております。それからさらに草地のほとんどが自然草地として旧来の利用管理、これは主として放牧と年一回
程度の干し草をつくるという利用の
程度ですが、それを前提として存在しておるのであって、部落からわりあい遠いところにあるたとえば山に例をとっていえば、山すそが耕地になっておって、中腹が山林になっておる、一番高いところ、一番奥のほうが草地になっておる、そういう配置になっておる。そこで
考えられるのは、これから
畜産の中で
自給飼料を増加する、特に粗
飼料の
自給体制を強化しようということになると、草地の再配置をやらねばならぬ、土地利用の再編成をやらねばならぬ、こういう問題に遭遇することになるという点が
指摘されておるわけです。ところが、その際の障害についても
指摘をしてありますが、人工草地造成の必要のあるような土地は、すでに他の利用に供されておる、所有権がしたがって確立をしてしまっておる、だから草地を造成するんだといっても、これはとてもむずかしい問題だ。したがって今後
畜産の
飼料基盤というものを充実して、安定的な
畜産の発展をはかろうというためには、この土地制度自体にまっ正面に取り組まなければならぬというふうなことになってくると思うんですが、それをやられぬ限りは、幾ら
改良増殖計画を立てられて、そうして
飼料の
自給率の現在の七二%を維持する、こういうことを言われても、特に粗
飼料の増加の度合いが
計画では非常に大きいわけなんですが、非常にむずかしいんじゃないか、こういうふうに
考えられるんですが、それに対する対策というものをどういうふうにお
考えになっておられるか、ひとつお聞かせいただきたいと思います。