○
政府委員(
昌谷孝君) ただいま議題となりました
農業改良資金助成法の一部を改正する
法律案の提案の
理由と主要な
内容を補足して御
説明申し上げます。
農業改良資金制度は、昭和三十一年、当時の零細な
各種生産奨励補助金を整理統合して、新
技術の
導入に必要な
資金を
都道府県の
特別会計から、無利子で
貸し付ける
制度として発足したものでありますが、自来、三十八
年度までに、国費十九億三千万円、
都道府県費九億六千万円を投じ、
造成資金額は二十八億九千カ月に達し、
貸し付け額は延べ百五億円に達するのでありまして、これを
事業費に換算すれば、百五十億円に相当する新
技術の
導入が行なわれたこととなります。
この
技術導入資金により
導入され、
普及された新
技術は広範にわたるのでありますが、その成果につきましても、たとえば
水稲の
健苗育成技術の
導入は、稲作の安定を助長し、
野菜の
不時栽培技術の
導入は、周年にわたる
野菜の
生産を促進し養蚕における屋外条
桑育技術等の
導入は、養蚕の
近代化を推進している等、いずれも
農業経営の
改善と
農業生産力の増強をはかる上に重要な
役割りを果たしてきたのであります。
このような
農業改良資金制度の実績と成果を基礎とし、最近の
農業をめぐる諸般の情勢にかんがみ、今回、新たに、本
資金制度の
貸し付け対象に、
農家生活改善資金と
農業後継者育成資金を加えることとしたのでありますが、次に、これら両
資金の創設の背景、
理由について御
説明いたします。
生活改善普及事業の浸透の結果、
農家生活の
改善も徐々に進んできていますが、残念ながら、
生活面の
近代化、
合理化には、なお立ちおくれが見られ、これが、最近における
農村青少年の流出や
農村における
配偶者難の一因ともなっており、また、
労力不足等とも関連して、
主婦等の
労働過重という問題が生ずる原因ともなっております。
農業生産の
近代化のためには、従来から、
技術導入資金の
貸し付けのほか、各種の
金融制度もあり、
農業者の
自主的改善意欲の
助成に大きな
役割りを果たしてきておりますが、
農家の
生活改善については、
住宅金融公庫による住宅の新築または改修の
資金の
貸し付け等若干の
制度を除きますと、格別の
資金的裏づけのないままに今日に至っているのでありまして、
生活改善関係についての
資金制度の創設については、かねてから強い要望があったのであります。
また、近年
農村宵少年の流出は著しく、
新規学卒者の
農業従事者数は、ここ二、三年は、年九万人に満たない状態でありまして、このような現象は、長期的には
農業就業構造の
改善に寄与するものと考えられますが、反面、短期的には
農業労働力の
劣弱化を招来するおそれもあり、
農村社会における重大な問題となりつつあるのであります。
このような現象の原因としては、
農業と他産業との
生産性の格差、
農村生活環境の劣悪さ等があげられますが、同時に、
農業に従事する
農村青少年が通常、
経営主が
経営植えの実権を全面的に握っている
家族農業経営の中において、
経営主の単なる
補助者たる地位に置かれ、その意欲と能力を伸ばす機会に恵まれないのみならず、
自分自身の固有の収入もない場合が多く、ひいては、
農業経営に対する希望と自信を喪失するに至るという傾向も軽視できないところであります。
このような情勢にかんがみまして、
農業後継者たる
農村青少年が
経営主の下で、
農業労働に従事するだけでなく、みずからの創意と責任で
特定部門の
経営を行なう等により、近代的な
農業経営の
担当者として必要な
技術や
経常方法を身につけつつ、ある
程度の収入もみずからのものとして得られるようにすることが、次代の
農業経営者を育成確保する上できわめて必要かつ適切なことと考えられるのであります。
以上が、
農業改良資金制度を大幅に改正し、無利子の
貸し付け金として、
農家生活改善資金及び
農業後継者育成資金を加えることとした
理由でありますが、これら両
資金の
具体的内容は、それぞれ
政令をもって定めることとしております。
政令においては、
農家生活改善資金としては、
家族関係の
近代化や
家事労働の
能率化をはかる
目的で行なう
住居の
利用改善に要する
資金、
太陽熱利用温水装置等家事労働の
能率化に役立つ
生活設備の
導入に要する
資金及び
共同炊事施設等家事共同化に必要な
施設の造成、取得に必要な
資金を
予定しておりますし、また、
農業後継者育成資金としては、
農業後継者たる
農村青年がみずから特定の
農業部門の
経営を開始するのに要する
資金と
農業後継者たる
農村青少年が
共同して能率的な
農業技術を習得するのに要する
資金を
予定しております。
また、
償還期同については、五年の範囲内において
政令で定めることとし、
貸し付け限度額については、
農林省令で定めることとしていますので、具体的には、それぞれの
資金の
種類ごとに、その性格に応じて、
政省令をもって定めることとしております。
なお、
農業改良資金制度に関する
明年度の予算上の措置といたしましては、今回の
農業改良資金制度の大幅な
拡充に伴いまして、
明年度の
貸し付け額は、総額で四十五億五千万円を
予定し、そのうち
技術導入資金として三十九億五千万円、
農家生活改善資金として一億五千万円、
農業後継者育成資金として四億五千万円をそれぞれ
予定しておりますので、これに必要な
都道府県の
農業改良資金特別会計の
新規造成所要額が約二十九億円で、このうち三分の二が
国庫補助でありますから、このための
補助金を約十九億円計上いたしております。
以上がこの
法律案の主要な
内容であります。
それでは引き続きまして、
改良資金助成法の一部を改正する
法律案に伴いまして御提出申しました
資料につきまして概要を御
説明さしていただきます。
最初に
縦書きで
政省令予定事項がございますので、それを御
説明申し上げます。ただいま
補足説明で申し上げましたようなことでございますが、まず
法律案第二条第二項で
政令を
予定しておりますが、この
政令の
内容といたしましては、
生活改善資金の中身と申しますか、中身を一
政令できめることになっています。で、
先ほども申しましたように、まずその一番といたしましては、
住居の
利用の
改善の
関係の
資金でございます。
豪族関係の
近代化または
家事労働の
能率化をはかる
目的で
住居の
利用を
改善するのに要する
資金ということになっております。
住宅金融公庫で
農村住居向けの
新築改築についての
資金の融通の道が開かれておりますので、こちらの
資金は、そういった本格的な
増新築、
増改築ではなくて、現在の
住居の簡単な手直しで
生活の
近代化がはかれるようなものというところに重点を置いているわけであります。
その(2)が
家事労働の
能率化に資する
生活用設備で
農林省令で定めるものの
導入に要する
資金ということになっておりますが、
農林省令で定める
予定のものは別紙の表の2のところにございますような
種類のものでございます。
それから第三番目は
家事の一部を
共同して行なうために必要な
施設、つまり一月の中でやることでなく、隣り近所と合わせてやるというものでありまして、それは一番最後の
ページにございますように、たとえば
共同炊事施設でございますとか、
共同洗たく施設でございますとか、それから最後に書きました
集団住宅に付帯する
総合生活施設と申しますのは、最近
農村でも集団的な、いわゆる
アパート式のものもございます。また、そうでなくても会合その他のことを一部
共同でやりたい、また農繁期に子供を遊ばせる場所を
共同で持ちたいといったような問題もございますので、それらとも関連をいたしましてこういった要項を考えたわけでございます。
それから
法律の第二条第三項でいっております
政令といたしましては、
農業後継者育成資金の
内容を定めることが
目的でございます。これはまず
最初が、個別の
農家の中で
農村の青年が
経営主たる
——たいがいの場合、父親でございましょうが、父親と違った新しい
農業部門をみずからの責任と創意のもとに開始するというような場合の、その着業に必要な
資金をこの
改良資金で提供しょうということが第一点でございます。それから第二は、こういった個別でそういう
独立部門をやります場合のほか、
青少年が
共同いたしまして家畜を飼いますとか、
果樹園をやりますとか、ビニールをやりますとか、そういう新しい
技術を
共同で取り入れて習得をしようという試みを
助成しようというものでございます。これは従来の
農業改良資金の中にも
技術改善の
一つのタイプとしてこういうことを
予定しておったのでございますが、それを今度は
後継者対策という観点から大きく取り上げてまいろうというつもりでおります。こういったことが将来の協業化への
一つの素地をつくることになるのではなかろうかというような期待を持っております。
それから第四条で定めます
農林省令は、
貸し付け限度の問題であります。これにつきましては、別紙にございますように、たとえば
住宅利用改善資金でございますと、一軒
当たり五万円を
限度といたします。ただし、資材だけを調達いたしまして、自分で組み立てていこうと、そういう新しい、好ましい、傾向も見られますので、そういった場合は特に奨励をする
意味で十万円まで
資金の
ワクを広げたいと思っております。これは些少なようでありますが、
先ほど申しましたように、
住宅金融公庫の機能との重複を避けて、むしろそちらで手の届かないところを、まず第一歩としてはやってまいりたいということでございます。それからその次の
家事労働能率化設備につきましては、それぞれ一応標準的な見積もりをしてみまして、この
程度の
資金ということで、それぞれここに書きましたような金額を
予定しております。それから
家事共同施設化についても同様でございます。それから
農業後継者資金の
貸し付け限度額につきましては、
先ほど申しましたような趣旨の
資金でございますので、
独立部門の
新規着業という場合には、五十万円を
限度として
貸し付けをいたしたい。それから
青少年が
共同で新しい
技術の勉強をやりたい、実地に勉強したいというような場合につきましては、
在来の
経験等から見て、六万円という
資金限度を設けた次第でございます。
それから第五条は、この
政令は
償還期限を定める
政令でございます。
先ほど補足説明で申し上げたとおりでございますが、
住居の
関係につきましては、最長の五年をとったわけでございます。それからその他につきましては、それぞれかかります費用との
関係等を考慮いたしまして、適当かと思われます
限度を定めました。
後継者資金につきましても、そういう趣旨で新しく
経営を始める場合には五年、
共同で新
技術を習う場合には三年というように、それぞれ定めたわけであります。
以上が今回の
法律改正に伴います
政省令基本事項でございます。
それから次に横とじの
数字にわたります
資料でございますが、これもごく簡単に概要をご
説明させていただきたいと思います。
まず、
資料の第一
ページでございますが、これは
先ほど補足説明でも申し上げました、
在来の
農業改良資金の
蓄積経過と申しますか、実績でございます。三十一
年度に
制度が発足いたしましてから、三十八
年度末までで
造成累積額は約二十九億円でございまして、
負担区分としては国が三分の二、
都道府県が三分の一ということになっております。これを三十九
年度にはかなり大幅に
拡充をいたすということでございます。なお、造成されました二十八億強の
資金は、
在来の
償還期限でございますと、三年、二年、一年ということで現実に運用されておりますので、
明年度使えます
資金はこの中の約三分の二
程度でございます。なお、一番右のところにその造成されました
状況の、一県
当たり平均額が書いてございますが、これの
都道府県別の
状況は、右の棒グラフで御承知願いたいと思います。で、府県によってかなりでこぼこがございますが、これは何と申しますか、新
技術の
導入と申しましても、
農家の進みぐあい、あるいはその
農家の意欲の
程度等でございますし、またすでにある地方では、非常に
普及に困難をきわめ、こういうものの
裏づけを必要とする場合でも、ある地方ではすでに
農家が自力でどんどんこなしておるという
状況を反映した県別の
状況だと思います。
それから第二
ページ目の3の
資料は
技術導入資金でございますが、
技術導入資金は大きく分けますと、
指定事業と
特認事業とになりますが、ここではそのうちの
指定事業につきまして、どんなものをいままでやってきておるかということを、表と申しますか、こういう形で
ごらんに入れたわけでございます。たとえて申しますと、
水稲の場合の
保温折衷苗しろの
事業は、三十一年以前は
補助金で
年次計画をもってやっておりましたのを、三十一年に
改良資金に切りかえました。そこで年次を迫ってやってまいりまして、三十五
年度で一応何と申しますか所期の
普及の
目的を達成したと認められましたので、そこで打ち切りましたわけでございます。そのかわりと申しますか、そのころに次の畑苗しろでございますとか
水稲の
室内育苗でございますとか、
保温折衷苗しろからさらに一段と進んだ従来対象としておりませんでした畑苗し
ろ等についての
貸し付けを
新規に始めたわけでございます。以下そのようなことでございますが、この中で三十九
年度から、要するに今
年度から
新規に
指定事業に追加しようと考えておりますものを拾って申し上げますと、三段目の「
野菜および花き」のところの下から三段目の「
園芸作物灌水技術改善」というのがございます。これはこの表で
ごらんになりますように、三十九年のところから始めるしるしがつけてございますが、これは
新規にやろうというもの、以下そういったものがこの
ページで
あと二つ、それから次の
ページにさらに二つあるわけでございます。で三
ページの一番下のところに参考といたしまして、各
年度の
新規指定種目数と廃止いたしました
種目の数と、それから各
年度の
指定の結局
差し引き累計数とがあげてございます。大体現在では約二十九の
種目について
指定事業として取り上げておるわけでございます。
それから次の四
ページは、いまの
指定事業に対応いたしますいわゆる
特認事業でございます。
在来は
特認事業は
指定事業に対しまして一割を
特認事業の
ワクとして
予定をいたしまして、それで各府県と御相談をして、必ずしも厳密にその
ワクでやっているわけではございませんが、そういうことで、全国的な新しい
技術ということよりも、局地的な地方的な
普及を急速にやらなければならない新しい
技術を、この
特認事業の
ワクの中で取り上げてやってきておったわけでございます。たとえば稲で申しますれば、米の
乾燥関係の
施設として、ここにありますように岩手、宮城、富山、福井、和歌山、鹿児島、石川といったような
単作地帯等でそういった
特認事業を取り上げております。
園芸関係等で、たとえば花の
関係等では、右のほうにございますように「
花き球根増殖」ということで、かなり地方的の特色の出た新しい球根を急速に
普及するということでこの
資金が
利用されております。その
状況は次の
ページに及んでございますが、一々申し上げるのを省略さしていただきます。
それから六
ページの、第五番目の
資料でございますが、これは
技術導入資金の
事業別貸し付け実績でございます。これは
先ほどの
種目につきまして、毎年どれだけの
資金が現実に
利用されたかということの表でございまして、三十九
年度の欄に書いてございますのは、一応現時点で私どもが
予定をいたしております
予定額を並べたものでございます。
それから七
ページに参りまして、6といたしまして
技術導入資金の
貸し付け件数等が書いてございますが、これは三十五年以降の
数字でございますが、三十五、三十六、三十七と三
年度にわたりましての
貸し付けの件数、一件
当たりの金額、それから借り受けられました
関係農家の数、借り受け
農家の一戸
当たりの
貸し付け金額というようなものを調べた結果を載せてございます。
それから三十九
年度の
貸し付け計画が7の(1)というところにあります。ここで三十九
年度の特色と申しますか重点を注いでおりますのは、新しく
法律改正でお願いをいたします
生活改善資金、
農業後継者育成資金もさることながら、やはり本筋は
技術導入資金でありますので、これを格段に
拡充をいたしたいということと、それから
特認事業が
先ほども申し上げましたように、
在来は大体総体の一割
程度を見込んでおったわけでございますが、今回は
資金に多少のゆとりもできましたので、この
特認事業の
ワクをかなり大幅に
拡充をいたした次第でございます。全体の
ワクが広がりましたから、率で申しますと一五%近い
程度のものでございますが、額としてはかなり大幅に
特認事業の
ワクを広げました。これによって地域の実情に合った新しい
技術が入りますことを期待をいたしておる次第でございます。
それから次に
技術導入資金の
貸し付け計画とございますのは、
先ほどの御
説明ともちょっと
ダブリますが、特にここでは
事業量を載せる
意味で
事業量、単価、
事業費ということをつけ加える
意味で、
先ほどの
所要資金の
数字は
ダブリますが、いま申しました三点を見ていただくために、前
年度の比較をしながら三十九
年度の
予定の
使用計画をここに計上いたしました次第でございます。それが八
ページ、九
ページということでございます。
それから一〇
ページは現在のと申しますか、
農業改良資金の
貸し付けの手続がどういうふうになっておるかということを見ていただきますために図でお示しをいたしましたものでございます。備考に書いてございますように、Aは
技術導入資金貸付申請書の流れでございます。
農家または
農家の組織する団体、これは任意の団体でけっこうなのでありますが、
改良普及員と相談をしまして、ひとつ取り上げてやろうということになりますと、
技術導入資金貸付申請書を出します。その
申請書を正副二通出していただきまして
農協がそれを受け付けます。
農協が正本は
市町村にあげ、
副本は
農業改良普及所、蚕糸の場合であれば
蚕業指導所に渡し、そこからそれぞれ経路を経て県庁に上がります。県庁では
資金の管理をやっております人々と、それから
技術の開発をやっております人々とがここで突き合わせができるわけでございますが、そういうことできまりますと、Bの
貸付決定通知が出されるわけでございます。
貸付決定通知は、正本が信連に参ります。それから
農協を通して
申請者に参ります。
副本が
市町村へ参ります。そういうふうな連絡のしかた、それからもう
一つの
副本が県から
農業改良普及所、
改良普及組織のほうへ流れるというような仕組みになっております。それからそれに応じて
借用証書を出し、
貸し付け金の交付が行なわれるということでございます。
それから次は趣を変えまして現在の
生活改善の
関係でございますが、
生活改善資金の御審議をいただきます前提として、私どもが
生活改善普及事業を通じていろいろと持っております現在の
生活改善上の
問題点の中の主要なものについて、ここで御参考のために
資料を用意したわけでございますが、
最初の
資料は、
食生活の概況を見ていただく
資料でございます。で、上のところに点線で横に
基準量と書いてございますのは、三十六年四月、
栄養審議会が
決定をいたしました
一つの
食生活の
基準ともいうべきものでございます。これと比較した場合、
農家、非
農家がどうなっておるかということでございます。熱量におきましては、ほぼ
基準量に近いものが得られているようでございます。また
都市世帯よりも
農家のほうが、若干多い、これは
労働の質にもよると思いますが、こういう
状況でございます。
たん白質の
関係になりますと、かなりよろしいわけでございますが、しかし、その中での
動物たん白質の占める
割合は、かなり低いということが言われております。それから脂肪、
ビタミンというふうに逐次ございまして、
基準量を上回って摂取いたしておりますのは、
農家、非
農家とも
ビタミンCだけということでございます。
なお、この
関係を「
食糧構成基準に対する
食品群別摂取量の
構成比」ということでお示ししたのが(2)の表でございます。これはやはり
基準量に対しまする、今度は
栄養価ではございませんで、具体的な
食品群別に見ていただく
資料でございます。
動物たん白が著しく低いといったような、一般的によく言われますことが、ここでも出ているわけでございます。
それからこの
数字の下に(3)として書いてございますのは、
農協病院で調べました
農村の
病気の
種類の
構成割合一と、
東大病院での
病気の
種類、ウエートと申しますか、
構成割合と比較したものでございまして、これで見ますと、都市では
神経感覚という分類の
病気が
農村よりはるかに多いわけでございますが、
農村では
伝染性の
病気、あるいは率はたいしたことはございませんが、都市と比べて目立ちますのは、分べんの
関係の
障害等が見られるようでございます。
それから以下、そういった秘教の
資料が幾つか重ねてございますが、次の
ページの(4)は衣類の
整備状況でございます。ここでは下着類あるいは寝巻きの類が非常に十分でないといったことが指摘をされております。
それからその右にありますのが、洗濯を現在どういう
施設で洗濯をしているかといったようなことの調べでございます。もちろん、事例的な調査でございまして、全部をおおっておりませんけれども、一応
ごらんいただきたいと思います。
それから(5)は
農村の家屋の
状況でございまして、これもよく言われることでございまして、こと新しいことではございませんが、換気なり、採光なり、
清潔度なり、といったようなものを
農村医学会でお調べになった結果を出してございます。それから寝室について窓がある、窓がないというような
割合から見ましても、窓のない場合がかなりまだあるというようなことが出ております。
それから
居住空間は狭くないが、一室に
過密就寝をしている状態、あるいは一人
当たりの
専用機数の
問題等が出ております。
それから下水の処理の問題がその次の
資料でございます。
汚水処理の
状況別で見まして、
農家戸数の場合、こういったことで十分でないという
生活環境の不備の点が出ております。
それから「
農家の
家事作業の能率及び家庭経済問題の現状」ということで、これも事例的な調査でございますが、ここでは(2)の表に書いてございますように、耐久消費財の中では、やはり
生活に直結したものがどうも十分入らない。で、テレビとかラジオとかカメラとかというものよりも、もっと先に整備されてほしい電気洗濯機といったようなものが案外
普及しないといったようなことが言われているようでございます。
それから次は簿記をつけております
状況、それから(4)は、動向報告でもつかみました
数字でございますので、省略いたしますが、家計費の各種の比較でございます。
それから「
農家住宅と文化度の現状」というのは、これは
生活改善課で数県調べたものでございますが、住宅の一部を
生産に使って、要するに
生産の場と
生活の場が混然一体をなしておって、仕切りがついていないというその問題のこれは参考にしようと思って調べた事例調査でございます。
それから(2)は、食事
施設として、ちゃんとした専用の食来場があるかどうか、また、食卓形式はどういうふうになっておるかといったようなことの調べでございます。
それから入浴
施設、これはふろ場のあるもの、ないもの、また、洗い場が独立してあるもの、ないもの、脱衣場があるもの、ないもの、そういったような調べをしております。
それから十四
ページの第四に書きましたのは、
先ほど来たびたび申し上げております
住宅金融公庫が
農村住宅の整備のために、比較的最近でございますが、特別の
ワクを設定して推進をしていただいておりますその
状況でございまして、まず、新築の
関係で申し上げますと、三十九
年度は一応
住宅金融公庫の
貸し付け対象として約五千五百戸を
予定をしております。金額としては、三十二億二千万円を
予定をいたしております。一戸
当たりに直しますと、約六十万円。融資条件といたしましては、家屋の構造によって違いますが、木造の全国平均では坪
当たり単価が今度若干引き上げられまして四万八千九百円というようなことになっております。それから融資額は、標準建設費の七五%ということになっております。それから融資対象面積は、木造と耐火とで若干違いますのと、それから
農村は若干都会よりも広く見てあるのでございますが、なお十分ではございません。それから、利率は年五分五厘、
償還期限は、これは一般に住宅の
関係はそうでございますが、十八年ということになっております。それから改修
資金が別に
予定されておりまして、これは件数で一応八千件、金額で十二億円、一件
当たりの単価で十五万円
程度のものが、
予定をされております。
貸し付け条件といたしましては、工事費の七割、
限度額は最低五万円以上二十五万円まで、利率は年六分、
償還期限は十年以内ということになっております。だんだんこれの
普及ができまして、最近はおおむね計画
ワクをこなすようになったようでございます。これは
生活改善と建築のほうとがタイアップをいたしまして、今後伸ばしていきたいと思っております。
それから次の
資料は、
生活改良普及員が一人でどんなことを、どういう
種類の仕事をやっているかということをお示しするために出しました
資料でございまして、白い棒が勤労者としての健康の維持、それから小さなまるの点々がありますのが家庭
生活の
合理化、それから斜線の入っておりますのが後継者あるいは育児等を中心にした指導、
改善ということになります。それから、
共同の場合はどんなことを、
共同施設の
内容としてどんなものを指導しておるか、やはり農繁期の
共同炊事、それから季節保育所等が主になっております。
それから次の
資料は、
生活改善普及員が仕事をやってまいります際の当面の対象といたしております
生活改善実行グループがございますが、これの消長でございます。円の中に示しておりますのは、三十八年三月末現在の総グループ一万五千何がしの中で、どういう要するに構成になっておるかということでございまして、八二%が主婦を中心としたグループ、ただその次のランクの夫婦グループがかなりのウエートを示しておりますことは、最近の私どもの
普及指導も、そういう面で、冬季学校も夫婦込みで指導するというようなこともやっておりますが、そういうことのあらわれだと思います。それからグループ数のほうは、グループ数の年々の消長と、そのグループでつかまえておりますというか、グループに属しております人の数でございます。グループのほうは逐年増加を示しておりますが、グループに参加する人の数は、三十六年と比較をいたしますと、ここ一、二年は若干減少しております。やはり
農村の就業構造の変動、あるいは主婦
労働の激しさがうかがわれるのじゃないかと思います。
それから次の
資料は、三十九
年度の
生活改善関係の予算の概況でございます。ほかの機会にも御
説明がありましたので省略いたします。
それから一九
ページからは後継者の推移でございますが、
最初に
後継者資金の
関係で、まず新学卒者の中等学校、高等学校卒業者の
農業への就業者の推移でございます。一番
最初に書いてございまするのが、中、高卒合計でございますが、これで
ごらんいただきますと、昭和二十七年ごろは四十二万人
程度でございましたのが急に下がりまして、三十六年の七万六千を底として、最近では九万人
程度になっておる。最近ふえておりますのは、人口分布から、この年代からふえておりますことの反映かと思います。必ずしも率の問題ではないと思います。ただその中で中卒と高卒の動きでございますが、高卒は一番下にございますように最近では二万六千人
程度で横ばいでございます。中卒のほうは三十六年を底にして、総体で申し上げましたと同じような
理由で若干絶対数はふえております。これは男女込みでございますが、その次の右の欄は男女別で示したものでございます。一番上になっておりますのが男子の中卒、その次の点線が女子の中卒、三番目のグラフが男子の高卒、一番下が女子の高卒ということでございます。
それから
新規学卒者の学歴別の
割合でございますが、これはいまの表を
割合でみたものでございまするが、中卒の
割合は
ごらんのように三十六年五七・二%を底として若干回復を示しております。それから高卒のほうは以前には高卒で
農業に残ります方の
割合というものは非常に少なかったわけでございますが、最近率としては、かなり高い率が高卒の
農業就業者として残っておりまります。
これを補充率という形で見ましたのが次のものでございます。補充率は、世帯交代を三十年というふうに仮定して、それに必要な就業者の数を出したものでございますが、男女計で申しますと二二%の補充率、男子だけで申しますと二八%の補充率、これがこのまま推移して世帯の交代が行なわれれば
農家戸数も激減するのではないかというふうなものとして使われる
資料でございます。
それから次の二一
ページの
新規学卒者の動向でございますが、これは中卒の場合に進学が圧倒的に多くなっております。それから高校卒では通勤就職が圧倒的にと申しますか、かなり多いわけでございます。就農の
割合は、
先ほど申したとおりでございます。
それから
新規学卒のあと継ぎ男子の進学者を除きました
経営規模別の就農
状況、これは一般的には
先ほど申し上げたとおりでございますが、これを
経営規模別に見てみますと、一町五反歩以上の段階では、総数におきましても中卒、高卒それぞれ合わせて見ましてもかなり高い就農
状況を示しておりますことが、ここではうかがえるわけであります。やはり
農業らしい
農業が行なわれることが、後継者確保の前提要件といいますか、そういうことが示されていると思います。
その次は、
経営耕地規模別に見た
新規学卒の学歴別構成ということで、
先ほども申しましたが、それぞれの
経営規模別に見まして、中卒、高卒がどのくらいのパーセンテージ残っているかということでございます。これで見ますと、中卒はかえって上層ほど進学の
割合が大きいことだろうと思いますが下がっております。高卒の場合には
経営規模の大きいものほど
農業就業の
程度が高いということがわかるわけでございます。
それからその次にクラブ活動の
状況でございます。これは各地にクラブがございますが、
農村青少年のクラブ活動を統計でとらえたのが一番上におりますもので、最近はやはり
先ほど来申し上げておりますような事情で、クラブ活動は数においては必ずしも活発ではないというような
状況が見られるわけでございます。なお、低年齢層のクラブ、高年齢層のクラブとも最近は下向きでございます。
それから員数で申しましても、やはり同じような傾向があらわれておりますのが、その次の右の分類でございます。
その次、二四
ページは改良
普及事業の仕組みでございまして、すでに御存じのところでございますので省略させていただきます。大体現在どういった数あるいはどういうものが配置されているかということで、
農業改良普及所は全国で千五百八十六ありまして、その次に
農業改良普及員が一万七百九十七人、
生活改善普及員が二千二百二十人になっているという
状況でございます。
それから
経営伝習農場の生徒の入場
状況でございますが、最近ふえております。これは子供の数がふえたこととも
関係いたしますが、やはり
経営伝習農場に入って後継者を確保したいという熱心な
経営主の意図のあらわれとも見られるのでありまして、現在道府県、民間を通じまして五十二の
経営伝習農場がございまして、そこでそこへ入ります人の数は男女合わせますと四千九百人、約五千人でございます。ひところから比べると、かなり
経営伝習農場の効用といいますか、再確認されてきたというふうに見られるわけであります。
それからその次が、三十九
年度の
農村青少年対策の概要ということで、これはしばしば予算等の際に申し上げておりますのでございますが、
都道府県段階で行なっているものと申しますのは、いわゆる
青少年活動促進
事業という、一種の総合
助成事業でございますが、それらを活用して、各地でやっておられます
状況も含めたものでございます。
それから二六
ページは
生活改善と同様、
農業改良
普及関係の新
年度予算のあらましを、
農村青年活動促進というのが、
先ほど申しました総合
助成でございます。この中で本年は冬季農学校といったようなことを考えております。以上、お配りいたしました
資料の概要について
説明いたしました。なお、後ほどまた御質疑がございますれば御
説明申し上げます。