○
米田勲君 政務次官の話を聞いていると、ビートの栽培というものはめんどうだ、長年月を要すると、私もそれはわかりますよ。これはあなたがいまいろいろ述べられたその条件を徹底的にやるなら、これはヨーロッパにおけるヘクタール当たりの収量を上げるだけの品種改良は可能なのです。私はそう思う。そういう品種改良について国が徹底的にいままでやりましたか。やっていないです。土地改良についてもどうですか、ある程度はやりましたが、やらぬとは言わんですよ。しかし、あなたがビートはこういう条件のむずかしいところがあるのだという、その条件に見合うような国のてこ入れを徹底的にやったら、あなたの期待するような
生産は上がってくるのですよ。価格についてもそうです。農家がほかの作物をつくるよりもビートをつくるほうが経済的にいいとなれば、つくるなと言ってもつくるのですよ。そういうむずかしい条件にてこ入れをする腹がないから、五年後の
自給率は三七%しか見込めませんということに裏返すとなるのです。あなた方がほんとうにビートの
生産を上げることはむずかしいのだ、そのむずかしい条件はかくかくですというところになぜ力を入れないのですか。なぜ力を入れると約束しないのですか。そういうふうに力を入れれば、
自給率を三七%じゃなくて四七%にも伸ばすことが可能なんです。しかしそれは約束しない、それが低くしている。五年後にはそれをこえるかもしれぬと夢みたいな話をしてもだめです。私の言いたいのは、
国内の経済、日本経済全体の立場から見て、大きく
輸入糖に依存する五年後ではなく、これだけの張り切った
甘味資源特別法案を出す
政府であれば、もっと
自給率の高いものを
目標にして、ここまで到達させなければならぬ、そのために何が必要か。ビート
生産は非常にめんどうだ、めんどうだがしかし、その隘路に向かって国が徹底的にてこ入れをすれば可能なんです。可能でないならば可能でないと言ってください。農家の犠牲に大きく依存をしておるようでは、だめにきまっています。ヨーロッパを見てこられた政務次官が、品種の改良に国が徹底的にてこ入れをすれば、そういう品種の改良はできるのだ、日本においても。それをやるのだとなぜ言わぬのですか。そうすれば
生産収量が上がり、ヘクタール当たりの価格についてもわれわれはこういうふうに考えているのだと、そうすれば農家が率先して
作付面積もふやすに間違いがない、そうすると
生産量は上がる。そうするとわれわれが立てておるこの
自給率のここまでは優に到達するのだ、という将来の展望に立ってこの法案をぜひ通してもらいたい、こう言うならば大賛成なんです。法案の中には大々的なことをうたってあるが、よくだんだん確かめてみると、悪口を言うと、私に言わすとこうです。これからの
国内の
砂糖に対する
需要量は大きく
輸入糖に依存をする、そういうものの考え方、しかし
国内では
甘味資源を
生産をしておる者がいるから、これもほどほどにしておいて価格でまずくなってくれば、
精糖業者は
政府がおかかえでピンチは切り抜けさせるような、そういう仕かけをしておいて、実際は
輸入糖に大きく日本の
砂糖需要については依存をしたり、
精糖業者に依存をする、こういう悪口を言いたくなってくるのです。ほんとうに
甘味資源の
生産に画期的な決意をもってこの法案を出しているということが、だんだん私は理解ができなくなってくる。私がおとといもしきりに、この
自給率を示してくれ、それが一つの
政策目標になるのだから、と言ったのもそういう
意味なんですよ。一つの高い
自給率を示せば、それに到達するための条件整備が必要なんだ、その条件整備は農民にまかしておいたって、なかなかそこまではいかないから、国のてこ入れを必然的に要するようになる。その国のてこ入れは、この法案のどこに盛られているんですか。私、法案の中身を最後にはお聞きしょうと、こういう順序で私はおるんです。その
自給率のはじき方がきわめて消極的な三七・二%、しかもその五年後に経済成長が
予定よりも、七%よりもこえていればますます
自給率を下げていくんだという
計画、こういうものでは納得はできない。あまりにも消極的だという批評をせざるを得なくなるわけです。何かぼくら法案の趣旨
説明の中を読ませてもらったときも、一つ一つ確かめていってあなた方の政策のほんとうの腹を聞いたときはまるっきり違った感じであって、そういう感じを私たちに持たせているわけです。私は故意にそういうことを言うんじゃないんですよ。
答弁を聞いておってどうしても消極的だなと、将来はたいしたものを考えておらぬなと、しかし
甘味資源というものは実際あるんだから、あれは投げるわけにいかぬからしかたなしにやっていこうと、それぐらいの程度の法案なんではないのかということを私はいま思った。そうでないならないと、しっかりした
答弁をひとつしてもらわなきゃならぬが、農林大臣も政務次官もそろっておるところではっきりしたことを聞かしてくれませんか。そうでないと安心してわれわれは賛成できないんですよ。あなた方のいまの立場だとやみくもです。行き当たりばったりで、この
自給率をはるかにオーバーするかもしれない、五年後には。そんな夢のようなことを聞かされたってだめですよ。やっぱり責任ある政策的なものをぴっと示して、これに向かってわれわれはやるんだという、責任あるものを見せてもらわなきゃ……。そうすれば安心してわれわれも
政府の提案してみる態度を理解できるわけです。それをまたビートを作付しておる農民の方たちにも大いに啓蒙宣伝をできる。しかし、いまのような疑問をわれわれが持って、ビート
生産者と一緒に話をしたら、これは明るい展望に立つものではないということしか話ができないんですよ、どうですか。