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説明員(
酒折武弘君) その点につきましては、現在市場に出向っておりますのは、いわゆる泉州の黄、岐阜の黄という
種類でございます。これは
兵庫県とか、大阪とか、そういうところへ出ておるわけでありますけれ
ども、このための
基金は現在二億一千万円ぐらい
程度で、
安定制度の定めるところによって、
一定価格以下に相場が下がった場合に、それに補てんするわけでありますが、七月の
価格から見ますと、大体七、八月の間で千五、六百万円
程度の
補てん金を出さなければならぬだろう、そういう推算をいたしております。したがって、その点においては
基金の
不足が直ちに起こるというものではないわけでございます。ただ、御
指摘の問題は、その
前提として、いわゆる
出荷調整をやっておるわけであります。
出荷調整をやっておる結果といたしまして、産地によりましては相当多量のものを出したいというのが、
関係者の相談の結果、もう少し減じてもらいたい。これはあとに延ばしてもらいたいというふうな問題が起こっておる。そういうわけでありまして、確かにそこで、たとえ
出荷を延ばしたものが将来一体どうなるのかということについては、今後また
北海道ものの
生産の
状況等も関連いたしまして、はたしてそれで将来採算のとれる
価格になるかどうかということの問題はあるわけでありますが、しかし、あくまでもこの
安定制度はこういう
出荷調整を
前提としてできるだけ市価を
安定していく。しかも、なおかつ起こった市価の低落について、
基金から値下がり
補てん金を出すという
仕組みになっております。その点はある
程度がまんしていただかなければならないと思います。また半面におきまして、そういう
仕組みでありますので、いま森先生から申された問題が出てくるわけでありまして、こういう野菜の
価格安定制度を
実施する場合に、
出荷されたものの値下がり
部分について
価格補てんをするということ自体に、実は本質的な問題があるわけでありまして、
出荷されなかった、あるいは捨てられた
部分について
価格補てんをするべきではないかということは、理論的に当然
考えられるわけであります。しかし、このことは、われわれ技術的にいろいろ検討いたしておるわけでございますが、現
段階におきましては、まだなかなか確認方法といったものにつきまして十分な自信を持ち得ませんので、検討
段階であるということしかまだ申し上げることはできないと思います。