運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1964-06-04 第46回国会 参議院 逓信委員会 第28号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年六月四日(木曜日)    午前十時二十五分開会     ―――――――――――――   委員異動  六月二日   辞任      補欠選任    永岡 光治君  占部 秀男君  六月三日   辞任      補欠選任    光村 甚助君  永岡 光治君  六月四日   辞任      補欠選任    久保  等君  鈴木  強君   委員長異動 六月三日光村甚助委員長辞任につき、 その補欠として占部秀男君を議院にお いて委員長に選任した。     ―――――――――――――  出席者は左のとおり。    委員長     占部 秀男君    理事            鈴木 恭一君            寺尾  豊君            安井  謙君            野上  元君    委員            郡  祐一君            白井  勇君            最上 英子君            谷村 貞治君            鈴木  強君            横川 正市君            白木義一郎君            須藤 五郎君   国務大臣    郵 政 大 臣 古池 信三君   政府委員     郵政政務次官 金丸  信君    郵政大臣官房長 武田  功君    電気通信監理官 畠山 一郎君    電気通信監理官 野口 謙也君   事務局側       常任委員       会専門員 倉沢 岩雄君   説明員      日本電信電      話公社総裁 大橋 八郎君     日本電信電話     公社総裁  米沢  滋君     日本電信電話     公社総務理事 金光  昭君     日本電信電話     公社営業局長 千代  健君     日本電信電話     公社計画局長 宮崎 政義君     日本電信電話     公社経理局長 井田 勝造君     ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○理事辞任及び補欠互選の件 ○日本電信電話公社法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)     ―――――――――――――
  2. 占部秀男

    委員長占部秀男君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  議事に入ります前に、一言あいさつを申し上げたいと存じます。  このたび、皆さまの御推挙によりまして逓信委員長に選ばれました。浅学非才でございまして、皆さまのお世話をいただかなければ、この重要な職務をとうてい果たすことはできないわけでございます。何とぞ、皆さまの御理解ある御指導と御鞭撻を切にお願いを申し上げます。  簡単でございますが、ごあいさつといたします。(拍手)     ―――――――――――――
  3. 占部秀男

    委員長占部秀男君) まず、委員異動について報告いたします。  六月二日、永岡光治君が委員辞任され、その補欠として占部秀男君が、また、六月三日、光村甚助君が委員辞任され、その補欠として永岡光治君が、それぞれ選任されました。     ―――――――――――――
  4. 占部秀男

    委員長占部秀男君) 次に、松平勇雄君から、都合により理事辞任したい旨の申し出がございましたが、これを許可することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 占部秀男

    委員長占部秀男君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  つきましては、直ちにその補欠互選を行ないたい存じます。  互選は投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 占部秀男

    委員長占部秀男君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事安井謙君を指名いたします。     ―――――――――――――
  7. 占部秀男

    委員長占部秀男君) 日本電信電話公社法の一部を改正する法律案(閣法第六七号)を議題といたします。  本案の審査を進めます。  質疑のある方は、順次、御発言をお願いいたします。
  8. 安井謙

    安井謙君 ちょっとすみませんが、議事進行一言。  光村委員長あと、また占部委員長を迎えまして、われわれ大いに張り切っておるわけですが、私初めて臨時理事で雇われたから言うわけじゃないんですが、この委員会をいろいろ見ておりますと、非常に重要な法案であるにかかわらず、なかなか審議日程にのらないといったようなものも実はあるように思う。ことに先月の七日に回付された法案で、まだ大臣趣旨説明も聞いていない。これは私は、参議院常任委員会運営の問題として非常に遺憾なことじゃないかと思いますので、これはしかるべく、新委員長ができ、また、理事さんもそろわれたところで、一ぺん早急に今後の運び方についても十分な御相談を願って、少なくとも、参議院常任委員会運営が、外から見て変則だというようなこと、特にこの逓信委員会がそういうようなことのないように、今後はぜひひとつお計らいを願いたい。これを与党として特にお願いしておきます。
  9. 占部秀男

    委員長占部秀男君) ただいまの安井委員の御要望の点につきましては、私も委員長にきのう選任されまして、きょう初めての委員会でございますのですが、もちろん、委員長委員会を円滑に処理しなければいかぬというたてまえは、これは当然のことだと思います。あとでひとつ、わが党の理事の方々ともよく相談し合ってやってまいりたいと思います。  それでは、質疑のある方は、順次、御発言をお願いいたします。
  10. 横川正市

    横川正市君 最初に政務次官にお伺いをいたしますが、日本電信電話公社法の第三条の二の「公社は、国際電信電話株式会社株式保有することができる。但し、発行済株式総数の五分の一をこえてはならない。」、こういうふうに、株を保有する条文と、一応の制限事項が、三条の二にあるわけなんですが、この主たる目的と、それから制限事項を付して、現在、公社国際電信電話の株を百三十二万株持っているわけでありますけれども、その制限を加えている趣旨というのは、一体、どういうところにあるのでしょうか、お伺いいたします。
  11. 金丸信

    政府委員金丸信君) お答えいたします。  国際電信電話事業は、高度の国家性公益性を有する事業でありますので、公社会社安定株主とすることにより、その株式が投機の対象となることを防ぎ、企業経営の安定をはかる必要がある。なお、国際電信電話株式会社事業日本電信電話公社事業とは、同じ公衆電気通信事業国際部門国内部門であって、きわめて密接な関係を有するものであるから、公社会社株式の一部を保有させることによって、両事業運営の一そうの円滑化をはかる必要があると、こういうことだと思っております。
  12. 横川正市

    横川正市君 この事業形態からいえば、国際、それから国内というふうに分離をして、それから、その分離をしたものの円滑な運営のために投資をすると、この二つが任務だというふうに聞くのでありますけれども、私どもは実は、国際電電電電公社とは、国内あるいは国際というふうな企業別な分け方をしないで、一本化された中で企業というのが経営されてしかるべきではないかという考え方を持っているわけです。そういう考え方から、ふに落ちかねるのは、方法としては、株を持つことが、いわば、そういう意味での一つの代弁になると、こういうことも言えるのでしょうが、それならば、その機関に五分の一という制限を加えているということは、三条の二というのを読んだときの私ども考え方からすると、配意をしたことだけは間違いないのだけれども分離をしたということは、他の目的があるように思うのでありますけれども一体国際国内とを分けなければならないという、そういう根本的な問題というのは何でしょう。
  13. 畠山一郎

    政府委員畠山一郎君) 国際電信電話株式会社分離いたしまして独立の会社になりましたのが昭和二十七年でございまして、その辺の詳細ないきさつは、いま、私つまびらかでございませんので、的確にお答え申し上げることはできないわけでございますけれども、一応考えられますのは、外国の各事業体相手でございますので、相当身軽でなければならないというような配配慮があったのではないかと考えております。
  14. 横川正市

    横川正市君 そうすると、公社という組織体と、それから株式会社という組織体とでは、身軽さにおいてだいぶん違うと、こういうふうに判断していいわけですか。
  15. 畠山一郎

    政府委員畠山一郎君) やはり株式会社でございますと、国際電信電話株式会社によりまして若干の規制はございますけれども電電公社ほどの、何と申しますか、政府規制と申しますか、そういったようないろいろな規制はないわけでございます。
  16. 横川正市

    横川正市君 電電公社公社として取り扱っている趣旨は、一体、どこにあるのですか。
  17. 畠山一郎

    政府委員畠山一郎君) この点につきましては、十年以上前に公社になりましたわけでございますので、いま的確にその辺のいきさつということをお答え申し上げることは、私にとってはむずかしいわけでございますけれども、やはり政府事業であった場合と、公社になった場合に、若干の財政上なり、人事上なり、組織上なりの相違が出てくるというところが、公社制度考えられた理由かと考えております。
  18. 横川正市

    横川正市君 もっと具体的な、私は、説明する内容というのがあるのじゃないかというふうに思うのですが、それがもしなければ、今度は逆な意味電信電話事業というのは、私は、その公益性の度合いにおいて、国内国際とを分離することができるかどうかという問題ですね。国際の場合には株式会社で行なってもいいんだ、いわゆる営利事業としてやってもいいんだ、それから国内の場合には、電信電話事業というのは、政府事業では少し窮屈過ぎるから公社にして、どうして企業というもののサービスだとか、あるいは企業経営であるとかいうような問題をやったらいいんだというふうに分けて考える、そこに私どもとしては理解のできないものがあるのだ。一体国際の場合には株式会社でいいが、国内の場合には公社でなければならぬという、そういう理由は何ですか。たとえば企業公益性の問題からいったらどういうことになりますか。
  19. 畠山一郎

    政府委員畠山一郎君) 企業公益性という点で申しますと、それほどの相違はないかと思いますが、国際電電の場合には、外国事業体といろいろ日常緊密に接触をしまして、いろいろな取引があるわけでございます。そうして外国相手政府直営の場合もございますし、また、株式会社の場合、民間会社の場合もございます。そういったところから考えまして、比較的身軽な株式会社で、民間会社でいいのではないかと考えられたと考えております。
  20. 横川正市

    横川正市君 私は、法律事項によって今度の場合も、船舶通信株式会社に七千万円投資をすることになるわけですが、日本電信電話公社という組織体が、その組織企業関連性のあるところに投資をするとか、あるいは、それに類似した資金の融通をするとかいうような、そういうやり方というものは、一体、いま言われたように、大体同一企業で、その同一企業の疎通をはかるためにという、こういう趣旨であるというふうな説明でありますけれども企業体としては、私は、これは株を持たせられ投資をするというのではなくして、その公益性によっては、たとえば国が他の機関を通じて資金的な注入をはかるというようなほうがいいのではないかというふうに思うわけなんです。それを、せっかく国際電電と分けなければならぬという理由があるのに、今度は株を持つなり、投資をするなりして連関を持たなければいけない、こういうやり方というのは、どうも私どもとしては納得しかねるわけなんですがね。  そこで船舶通信とか、あるいは国際とかいう問題に関連しないで、政府としては、公社という事業体が、大体同一企業であるといわれている電信電話株式会社の株を五分の一保有すると、こういうことは一体どういうことなのか、これをひとつ明確に説明をしてもらいたいと思うのであります。私は、いまの説明では、分離をする理由があって、そうして企業の持っておる性格上からいっても、それが妥当だと、こういうふうに結論をつけて、そのあとは株を持つということで連関を持たせるというのは少しおかしいんじゃないかと思います。もし公益性があるならば、政府第三者金融機関が低利な金をこれに融資をするという方向をとってこの問題はいくべきじゃないかと思うのですが、これは表面上の理由ですが、なぜ株を持つのか、裏面の問題ではなぜ株を持たなければならぬのか、これは表裏一体ですから、一面の理由説明されれば私も納得できると思う。  さらに五分の一というような制限を加えるとか、あるいは前回の質問者が、船舶通信株式会社の場合には七千万円の投資をするけれども、その他については、条文制限のできない、いわば相当相手方が広いのに、それを今度は解釈でもって狭めていく、通信株式会社にする、こういう判断、これは国会審議をやっているときに、私どもはたまたまこういう論議をいたしておりますけれども法律が出ていってしまうと、今度は行政官がかってに解釈をして、次官通牒というか、あるいは局議決定というか、どんどんものがなされていく、そういう議会審議のときには、非常に何といいますか、厳格な、しかも、だれからもうしろ指をさされない方法でしておいて、実際上ひとり歩きするときには、議会審議というものと離れたかっこうで動くという過去の例もあるわけでして、そういう点から私ども聞いておるわけですけれども、少し具体的な説明をしていただきたいと思います。
  21. 畠山一郎

    政府委員畠山一郎君) 電電公社国際電電分離いたしましたのは、理由があって分離したわけでございましょうけれども分離いたしましたところで、やはり公衆電気通信事業を営んでいる事業体であることには変わりがございません。国際国内と申しましても、実際のたとえば通話の流れにいたしましても、緊密なる関係があるわけでございますので、やはり緊密関係を保持するために、国際電電株式電電公社が保持することができるように定めたものと考えられております。  五分の一をこえてはならぬということについては、これは実は私、不勉強でございまして、なぜこうなったかということは、御説明申し上げかねますけれども、いろいろ沿革と申しますか、沿革的な理由がございまして、最終的にこういうふうに定められたと聞いております。
  22. 横川正市

    横川正市君 だれかもっと明確に答弁できる人はいないんですか。きめられたのでこういうふうになっているのです、こういうのじゃちょっと審議ができかねます。
  23. 金光昭

    説明員金光昭君) 私がお答えするのはいささか筋違いでございますが、ちょうど国際電電設立の際に監理官をやっておりましたので、だいぶ記憶が薄らいでおりますけれども横川先生お尋ねでございますが、私の記憶にある範囲内においてお答えをいたします。  当初、日本電信電話公社が設立されましたのは昭和二十七年の八月一日でございます。その際には、従来の電気通信省で営んでおりました国内及び国際電気通信事業を一応引き継いだ。しかし、電電公社が設立されるということが決定されます際に、国内電気通信事業公社形態国際電気通信事業はこういう会社形態に、こういうことで両方法律が同時に当時の国会を通りまして、ただ、電電公社をつくりますと同時に、またさらに国際電信電話会社分離するということは非常に無理がありますので、一応電電公社ができました後、しばらくたって、国際電信電話株式会社をさらに電電公社から独立するという形をとったわけでございます。  いま横川先生お尋ねの、国内については公社形態で、国際については民営形態というのはどういう理由かというふうなお尋ねがあったわけでございますが、本来、電気通信事業というものが、非常に公益的の性格が強いものであることは申し上げるまでもないのでございます。ただ、事業でありますので、政府国営としてやりますには、いろいろ法律的な規制等もございますので、できるだけ経営自主性を持たせて、企業的な性格を導入したい。さればといって、これだけの膨大な事業民営形態に移すという場合におきましては、民営としてのいろいろなまた欠陥等もあるわけでございますので、それやこれやを勘案いたしまして、国内公衆電気通信業務というものは公社形態をとったわけでございます。  ただ、同じ公益性を持つ国際電信電話事業を、それじゃなぜ民間形態にしたのかということになりますと、当時、公社設立前の電気通信省におきましては、戦災を受けました国内電気通信施設復旧整備というものに全力をあげていたわけでございますが、遺憾ながら、限られた資金をもっていたしましては、国内電気通信整備も十分でなかった。そこで、できるだけ建設資金を各方面から集めるということで、国内電気通信事業について公社形態をとったわけでございますが、そういうことで集められた資金というものは、ほとんど国内整備だけで手一ぱいでございまして、国際電気通信事業整備まではなかなか手が回りかねる。  ところが、戦後日本の経済が復興するにつれまして、新しい直通の国際電気通信回線等を設定するということが必要になりまして、それにはやはり、国際電気通信事業につきましても、ある程度投資をする、もちろん、その投資額等につきましては、国内のものに比べますれば、非常に少ない額ではございますけれども、やはり相当量資金を必要とする。それまでを、なかなか国際国内業務一緒にやっていては資金の調達ができない。そこで、国内業務から比べれば比較的資金量が少ないので、これをできるだけ急速に復旧整備するためには、民間資金を導入するということがむしろいいのじゃないかということが一つ理由でございます。  それからもう一つは、先ほど監理官もちょっと触れられましたが、国際電気通信業務というものは、諸外国との交渉をやる必要がございます。交渉等がまとまりますと、急速に回線を設定しましてサービスを開始するというようなことで、非常に機動的な面を必要とする。それにはやはり民営的な、民間会社というもののほうが非常に身軽に動けるといるようなことが一つ。  それから、それでは民営形態については、公衆電気通信事業公益性から見てどうかという点につきましては、同じ民営形態と申しましても、国際電信電話株式会社は、特別の法律に基づいてできましたところの会社でございまして、純然たる商法によります一般民間会社とは相当趣きを異にするわけでございまして、この国際電信電話株式会社法によりまして、相当のやはり監督を受けておるわけでございまして、いわゆる一般民間会社とは違った特殊会社形態というふうに考えてよろしいわけでございます。それやこれやを勘案いたしまして、国際電気通信事業につきましては、民間会社会社形態国際電信電話株式会社という形をとったわけでございます。  それから次にお尋ねの、第二点の株の点でございますが、先ほど申し上げましたように、電気通信省時代においては、国内国際も、両方とも一緒電気通信省国営として営んでいたわけでございます。それらに要します設備は、全部国が所有していたわけでございます。それを全部電信電話公社に国が出資をいたしたわけでございます。そこで、昭和二十七年の八月一日に電電公社ができました際には、一応国内電気通信公衆電気通信業務に必要な設備のみならず、国際電気通信業務に必要な設備も、電信電話公社現物出資をされたわけでございます。その後、約九カ月を経過いたしまして、昭和二十八年の四月一日をもって国際電信電話株式会社が設立されたわけでありますが、その間に評価委員会等を設けまして、国際電気通信事業に必要な設備というものを、適正な評価をなしまして、電電公社からこれを国際電気通信株式会社現物出資をいたしたわけでございます。それに対する対価としての株式は、日本電信電話公社が取得したわけでございます。その取得いたしました株式が、国際電信電話株式会社資本――当時の資本金の三十三億のうちの何%を占めていたか、ちょっと私も失念いたしましたが、相当額を占めております。  そういうふうに両会社分離いたしまして、もちろん、国内国際の両通信業務というものは密接な関係がございますが、過半数の株を持って国際電信電話会社を支配するということは、やはりいろんな面で問題があるということで、これをなるべく近いうちに民間会社に全部出してしまう、全部放出してしまうということに、当時実はなっていたと思いますが、しかし、それはまたいろんな面において問題がございますので、ただいま横川先生のお読みになりました現在の法律三条の二というものは、後に修正されまして追加された条文でございまして、いろいろの検討の結果、やはり五分の一程度まで持って、あとの、それ以上の超過した株式というものは、他の民間等に持たせるほうが適当だ、その程度において公社と、それから国際電電との資本的なつながりというものを持たせるというのが最も適当であろうといヽうことで、こういうふうに相なったというふうに私、記憶しておりますが、資料も持ち合わせておりませんし、だいぶ昔のことでございますので、若干記憶違い、あるいは言い足りない面が多いかと思いますが、一応御質問にお答えさしていただきます。
  24. 横川正市

    横川正市君 私は、すっかり割り切って筋道の通る方法で――これは根本ができておらない、その矛盾をあちらこちらの条文の中で見せつけられるような気がするんですから、それで、当初国際とそれから電電公社とは一本であったのに、分離しなければならなかった理由、それから現物を等価にして株の保有というふうになったというのでありますけれども、そういうような株の保有に変わっていく過程で、国内国際の連携が資本の導入で裏づけをされるというようなやり方は、非常に矛盾をしているような気がするわけです。おそらく、電電公社政府事業に帰れと言ったら、うんと反対するだろうと思うんですが、たとえば会計法の問題とか、その他、できれば民営のほうがいいんだというような、いわゆる説明のつく事業経営というものがあるんじゃないかと思うんですが、公社として、実際上、民営にならないまでも、公社のほうがいいと、こういう特徴的なものは何と何でしょうか。  これは御案内のように、社会党は公社法の一部改正というものを実は出しているわけなんです。その出している内容は、少なくとも現在の電電公社の持っております経営とか、あるいはサービスの行き届いたあり方とか、そういったものや、職員に対するところの待遇の問題等考えて、実は公社法改正というものを出しているわけなんですが、これはここで審議をしてくれませんから、その内容は皆さんが読んで承知されているだろうと思うのですけれども、この公社であるということの特殊的な問題というのは、公社としてはどういうふうにお考えになっておりますか。また、それで満ち足りたものと思っておりますか。なお、これを改正する必要があるとお考えですか。もし改正する必要があるとお考えになっておれば、一体どういう点ですか。これは日々経営に参加されておるわけでありますから、この際、御意見をひとつ伺っておきたいと思います。
  25. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) 公社性格に関する根本的な問題であります。公社の立場としては、この際、ここで詳細にこの点この点ということを申し上げることはいかがかと思います。ただ、これに関しては、御承知のとおり、いままでは公社ができましてから二回も大きな委員会ができまして、その答申案も出ております。第一回は、たしか原安三郎氏が委員長であった委員会、次は石坂泰三さんを委員長とする審議会が、今度また御承知臨時行政調査会でございますか、佐藤喜一郎氏を委員長とする委員会ができて、しきりに調査を進められておるわけでありますが、この場合、この委員会からも実は公社意見を求められて提出をいたしております。また、前二回のときも、いろいろ意見提出を求められて出してありますが、これはごく非公式にということでありまして、公に公社意見としてこういう際に発表することがいいか悪いかということは問題であろうと思いますので、むしろ遠慮すべきだろうと考えておりますが、しかし、いずれにいたしましても、私どもの立場から言いますと、できるだけいま少しく自主性を与えていただくほうが仕事の上にはよかろうと、ごく一般的な考え方としてはそういうことでございます。その趣旨に基づきまして、予算の編成のやり方なり、また、会計上の運用の問題等につきまして、相当自主性を与えていただきたいという趣旨意見書は出してございます。
  26. 横川正市

    横川正市君 まあ公社性格という点から、この場所で論議することが妥当か妥当でないかということになりますと、単に船舶通信株式会社へ金を出すという、そういう問題がいいか悪いかという論議では、実は私は十分に論議をすることはできないのじゃないかというふうに思っておるわけなんであります。その論議の基礎になる問題として、公社法改正を私どものほうで用意をして議会へいま提出しておるわけなんでありまして、私たちの考えは、諸般の事情からもっと改正したい点もあるけれども、やむを得ざる問題として必要事項についてのみ公社法改正をしようという考え方法律案を提起をいたしたわけであります。そういう提起された考え方を基礎にして、いまの公社のあり方というものを考えていってみますと、第一に、たとえば、私は、相当年次計画が進んでいって、ある年次を経過すると電信電話料というのは下がるのじゃないかというふうに考えておったわけでございます。ところが、きのうの新聞を見ると、大橋総裁は、電信電話の料金の値上げを考えておると、これは少し私ども考えでは、あさはかかもわかりませんけれども、実際上は考え方に食い違いがあるわけなんであります。もっとも、急激な設備投資が必要だから、それに必要な資金の調達をということならば、これは話がわかるわけですが、永久的に存続をしていくであろうところの料金の改定ということになりますと、少し問題のとらえ方というものが違ってくるように私は思うわけなんであります。そういう一つの問題をとってみても、どうも私どもとしてはふに落ちかねるものがあるわけなんでありまして、まあ、ひとつ性格の問題から入りましたから、先ほどの質問は一応保留して、公社に引き続いて質問を申し上げたいのでありますけれども、その第一は、電電公社のいわゆる設備会社というのですか、通信株式会社というのですか、民営で行なわれている工事請負人でありますが、この民営で行なわれておる工事請負人というのは、これは公社との関連において、たとえば一級業者、二級業者というような認定事項だけにとどまっているものなのか、それとも、そのほかに深い関連のあるものなのか。いわゆる公社事業経営していく面から考えてみて、設備会社というものの地位、位置は、どういうふうに私ども考えたらいいのでしょうか。その点からお聞きをしたい。
  27. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) 建設会社――工事建設請負の会社と呼んでおりますが、これは工事を請け負わす会社でございます。ちょうど建物の建築業者と同じような性格のものでございます。
  28. 横川正市

    横川正市君 性格的にはそういうものだろうと思うのですが、これは公社では入札をして、それぞれの入札価格によって仕事を請け負わすという形態をとっておるわけですか。それとも、幾つかの業者に仕事を分担させて、ほぼ指名入札といいますか、そういう形態をとっているわけでしょうか。たとえば工事請負人の指名願いが出て、指名をされた業者の等級に従って入札の場所へ参加をする権利だけが与えられておって、あとは価格によって工事を請け負うと、こういう形態をとっているのでしょうか。どういう内容で仕事が進められているのでしょうか。
  29. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) だいぶ手続き問題があるようでございますから、副総裁のほうから……。
  30. 米沢滋

    説明員(米沢滋君) ただいま請負会社と申しますか、建設請負会社の御質問がございました。われわれといたしましては、指名競争入札ということで処理いたしております。  それから、ただいま一級、二級、三級という級別のことが御質問に出ましたけれども、仕事の技術的な困難さ、それから工事の質、あるいはまた、工事の大きさ等に関係いたしまして、やはり高度な技術のものと、それから低い技術のものと、いろいろありますので、ですから、おのずから、その辺はいわゆる限度といいますか、やり得る能力というものを考えに入れまして、一、二、三、四級の四つに分けております。この四級につきましては、いろいろ経営能力点数とか、技術能力点数というようなものを考えに入れまして、二年に一回、その内容を審査いたしまして、そして処理いたしております。
  31. 横川正市

    横川正市君 この工事請負会社につきまして、電電公社からの人事交流については、どの程度になっておるか。
  32. 米沢滋

    説明員(米沢滋君) ただいま交流ということはいたしておりません。ただ、電電公社から、たとえば定年退職になってやめた人とか、あるいはまた、公社から去っていきたいという、そういうやめたいという方が行っておられるわけであります。別に交流はいたしておりません。
  33. 横川正市

    横川正市君 指名競争入札と、それから、いわば公社の職員の退職後の再就職の場所としての関係というものについては、どういうふうに見ていらっしゃいますか。
  34. 米沢滋

    説明員(米沢滋君) 別に直接関係さしてはおりません。ただ、何といいますか、先ほども申し上げましたように、電気通信工事というのは、非常に技術的に高度なものでもありますし、特殊なものでもありますから、個人の能力といいますか、その技術能力というのは考えておりますが、別に、ただいま御質問のような関係はいたしておりません。
  35. 横川正市

    横川正市君 端的に聞きますけれども、たとえば地方通信局長あたりが栄転をされる場合には、工事会社からは餞別をもらうんですか、もらわないんですか。
  36. 米沢滋

    説明員(米沢滋君) 餞別は受けておりません。
  37. 横川正市

    横川正市君 そうすると、概して米沢さんの答弁を聞いておりますと、工事請負会社というものと電電公社との関係は、仕事を与えるものと、仕事をするものとの関係しかない、こういうふうに判断してよろしゅうございますか。
  38. 米沢滋

    説明員(米沢滋君) 結局、建物の関係もございますけれども、そういう一般の請負会社というふうに考えていただいて、特別な関係はございません。
  39. 横川正市

    横川正市君 電電公社は最近の綱紀粛正はきわめて厳格でありまして、検査院の指摘事項もきわめて少なくなって、業務上については非常に私は成績がよくなってきたと思うんです。ですから、いわば一、二の例外を除いては、非常に姿勢を正して仕事をされているのだという点はわかるわけでありますけれども、私は、設備会社というものの性格は、そういうあなたのいま言ったようなものではなしに、相当公社のいろいろな点に、発言力といえば大げさでありますけれども、ある程度の影響力を持った存在になりつつあるんではないかというふうに考えるわけでありますけれども、その点は全然心配ないというようにお考えでしょうか、どうでしょう。
  40. 米沢滋

    説明員(米沢滋君) ただいまの影響力と言われる意味が実はよくわからないのでございますけれども公社といたしまして、たとえば建設部長会議等を通じまして、あるいは通信局長会議等におきましても、そういう綱紀粛正という点については、厳格にこれを実施しております。それからまた、いわゆる仕事の内容に直接影響するということはありません。ただ、私たちといたしまして、この大きな仕事をやるために、やはり技術的に、あるいは能力的に工事会社の力を、いわゆる請負という形においてかりている、こういう事実はございます。
  41. 横川正市

    横川正市君 副総裁の担当しておらないことなのかどうかわからないけれども、担当していることだとすれば、ちょっと私は事実の認識が違うんじゃないかと思う。私は、きわめて近い機会に事実ぶつかったわけでありますけれども、請負会社が、端的に言えば、退職後の就職問題等を関連させて、これを左右させるような事件が起こっているわけなんです。それはここで名前を言ってどうかということを聞けば、一番あなたのほうじゃぴんとくるだろうと思いますが、それは私は差し控えたいと思う。私の言いたいのは、あなたのほうが、たとえば建設部長を集めて、綱紀粛正で厳格な業務をするようにと言って、それを忠実に守った、いわば公社にとってみれば一級人物ですね。そういう人たちの退職後の処遇とかなんとかいう問題に非常に悪い影響を及ぼしている。それから非常に社交的で政治的な建設部長であった場合には、その人は退職後の再就職については非常にいい条件がきている。いい条件を与えるか、悪い条件を与えるかということの判断を建設請負業者がやるようになってきている、こういうふうに私は仄聞するわけなんですけれども、そういう事例は全然ないですか。
  42. 米沢滋

    説明員(米沢滋君) 私はそういう事実はないと思います。     ―――――――――――――
  43. 占部秀男

    委員長占部秀男君) ちょっと質疑の途中でありますが、この際、委員異動についてお知らせをいたします。  本日、久保等君が委員辞任せられ、その補欠として鈴木強君が選任せられました。     ―――――――――――――
  44. 占部秀男

    委員長占部秀男君) 引き続いて御質疑願います。
  45. 横川正市

    横川正市君 だれに聞けば一番いいわけですか。副総裁の答弁では私は不満足で、名前を出さざるを得なくなってくるわけですが、そういう事実を、名前を出していいと言うならば私は出しますが、もし出して困るというふうに言うんだったらば、あなたのほうでは、私の言っていることを認めざるを得ないような事情もあるかもわからぬぐらいなことは言っていいんじゃないですか。全然ないということではないはずですがね。
  46. 米沢滋

    説明員(米沢滋君) 私はないと思っておりますけれども、先生のほうでそういうふうなお話があれば、別にこの席で名前を出していただいてもいかがかと思いますけれども、私はないと思っておりますが、お話があれば一ぺん別に伺いたいと思います。
  47. 横川正市

    横川正市君 私は、だから公社と請負業者との関係は非常に事務的な、仕事をやるもの、仕事をもらうものという関係だけではなしに、人事の問題等も含めて私は改善をする必要のある時期にきているんではないかと思うのです。それは船舶通信株式会社に金を出すのであれば、工事請負会社にも金を出すべきじゃないかと思うわけです。そして、いま幾つかある設備業者は、形態からいえば、一つの県を単位にするか、あるいは組織からいうならば、中央から末端までの三つとか四つとかいうような系列ごとに会社というものはまとめていくというような必要が起こってくるんじゃないか、こういうふうに思うのでありますけれども、そういう点で検討されたことはございませんか。
  48. 米沢滋

    説明員(米沢滋君) 最初の御質問でありますけれども、この公社法投資条項を請負会社に適用する問題については、私たちは、これは前に公社からも答弁いたしましたけれども、なるべく狭い範囲に考えていきたいというふうに思っております。したがって、現在のところ、法律的には一応やり得ることにはなると思うのでありますけれども、現実に請負会社投資条項を適用するということは考えておりません。  それから、もう一つの県単位に少しまとめてはどうだという御意見でございますが、だんだん技術的に工事が非常に高度化してまいりますし、それからまた、工事の量も全体に多くなってきております。したがって、工事の質というものを今後とも一そう上げていきたいというふうに考えております。したがって、何といいますか、従来弱かったといいますか、技術的に低かったものがだんだん能力的に強くなってくることは希望はしておりますけれども、私のほうで、何といいますか、命令してといいますか、指図してそれをやらせるというわけには、この問題はいかないと思っております。だんだん強化されていくということは希望はしております。
  49. 横川正市

    横川正市君 年次計画的に見て、請負会社の請け負うべき仕事の量というのは、これはどんどん増大するのですか、それとも、年次計画終了後には、仕事の量というものはだんだん少なくなっていくんですか。どちらの道をたどるのですか。
  50. 宮崎政義

    説明員(宮崎政義君) お答え申し上げます。  第三次五カ年計画を立てましたときは、加入者の増設をごらんいただきますと、大体七十万、八十五万、それが十五万おきにまいりまして、四十七年に第四次五カ年計画で需要を大体完全にまかなえるという線にいくのには、順序を追ってだんだんにやっていくという考えでおります。したがいまして、いま先生の御質問になりましたように、工事が急激にふえるということは、工事技術からいきましても、工事能力からいきましても、いろいろ問題がありますので、逐次仲ばしていく、十五万ずつ伸ばしていくという形をとりまして将来の姿に持っていくわけでございますが、その後、需要が急激に落ちるというこも考えられませんので、大体その頂点になったときには、それを維持していけるというように考えてつくっております。
  51. 横川正市

    横川正市君 もう一つお伺いいたしますが、技術とか能力とかいう問題で、必要な人に対して再就職の機会が与えられて、その人たちが老後の安住の地の直前に二度目の就職をする、こういう形態で請負会社に再就職しているようですが、大体定年の問題から考えてみて、電電公社としては、定年制というのはないのじゃないかと思いますが、いわば経済上の問題から考えてみて、あるいはまた、技術の老化現象を起こして事実上使えなくなるという、そういう能力の限界の問題とか、そういったところを勘案してみて、再就職しなければ生計が保てない、生活ができないというような、そういうことを非常に私どもは憂慮するわけでありまして、そういう点から、再就職される方々の現状というものは、どういうふうに把握をされておられるでしょうか。たとえば現場の課長でやめたらどこかへ再就職をしなければ生活が苦しい、できないというわけじゃないけれども苦しい、だから再就職をする、こういう傾向が非常に強いと思うのでありますけれども公社では幾つまで雇ったのだから、あとは自分で道を開け、こういうことなのか。それとも、個人の内情等を検討した上で、ある程度各自についてあっせんをしてやる、こういうことで取り運んでおるのか。両者かみ合わせてやっているのではないかと思うのですが、その状況はどういうふうになっているでしょうか。
  52. 米沢滋

    説明員(米沢滋君) いまの退職後のお話でございますが、昔は何といいますか、昔といいましても戦前でありますけれども、これは恩給でももらえばある程度生活できたという状況でございますが、現在はなかなか決してそういうわけにはいかない。退職金はもらっても、なかなか――現在、五十八歳ということを一応慣例的にやっておりますけれども、これは国といいますか、社会全体として非常にむずかしい問題だと思うのであります。公社といたしまして、もちろん、その五十八歳になりましたときの本人の何といいますか、能力なり、あるいは健康なり、いろいろなそういう条件、それから、その人の家庭の状況とか、いろいろございますが、何でも本人がかってにやれということでなくて、公社といたしまして、ある程度できるだけ就職のあっせんといいますか、便宜をはからうというふうに考えてやっておる次第であります。しかし、この五十八歳というのは、別に強制的ではないのでありまして、特に管理職等につきましては、その線で現在やっておる次第であります。
  53. 横川正市

    横川正市君 質問がもとへ戻りますけれども、先ほど副総裁は、工事請負会社と退職者との関係については、別段深い理由がないように思われますけれども、大体常務取締とか取締役とかいう形で工事請負会社電電公社の退職者が再就職をしているというのは、これは例外ではなくて、普通のことになっているのじゃないですか、どうでしょう。
  54. 米沢滋

    説明員(米沢滋君) 私、いま、はっきりした数字を持っておりませんが、公社退職といいましても、一ぺん公社をやめてしまって別なところに行って、また――またといってはおかしいのですが、そういう工事会社に入ったという例もありますし、それから、ずっと前に逓信省におられて、逓信省をやめて、たとえば満州に行ったとか、ほかのところに行かれて、そして会社を自分でつくってやったというような、いろいろな例がありまして、いま先生の言われましたように、定年退職でやめた人が、いきなり常務になっておるという例は、これはパーセンテージとしては、そう大きなものじゃないと思いますが、はっきりしたことは、数字を持っておりませんので、お答え申し上げることはできないわけでございます。いろいろな例がありまして、昔、逓信省におって、だいぶ前にやめられて、自分自身で民間会社をつくって、それから民間工事会社を始めたというような、いろいろな例があると思います。
  55. 横川正市

    横川正市君 工事会社性格で、たとえば東京の業者が地方の仕事を請け負った場合に、実際の仕事は、地方の工事請負者がやるのに、一割なり一割五分なり東京の業者がピンはねをするという制度がありますね。これなんかは、おそらく、公社のほうでは、中央の業者が請け負ったのだから、地方で当然その出先が行なっているんだろうというようなことで見ているのじゃないかと思うのですが、事実はそうじゃなしに、請け負ったのは中央業者だけれども、仕事をやるのは地方の小さな業者、しかもピンはねをされておる、こういう例もあるようです。電電公社の、公社性格の中で、いわば零細企業のようなことで格差がつけられて、その結果、工事の内容によしあしが出てくるというようなことは、これは当然防ぐ必要があるのじゃないかと思うのです。そういう点から、工事請負者については、当然、公社としても、体質改善について考える必要があるのじゃないか。  それから第二の問題は、人事の問題ですけれども、在任中に工事請負会社の社長に、ある程度の便宜をはかっておかないと、退職後不安になると、こういうばかげたできごとは、これは壊滅していただきたい。人情ですから、おれがやめたら、ひとつ、あすこの会社に雇ってもらおうということが、便宜供与の原因に私はなるだろうと思うのですが、そういったことは絶対にやってもらいたくないし、もし、そういうことが一件でもあったら、これは業者との契約を取り消すぐらいな決心をしてもらいたいと思う。  それから第三の問題は、公社というたてまえから、何も公務員と一緒にする必要はないので、技術や能力のある者については、何も五十八でやめれということは、これは必要ないんじゃないかと思うのです。今度は、次官の年限を何か調査会では四年以内にするというようなことを言っておりますが、私は、持論として、能力ある者については、当然労働力を国の仕事に提供すべきなんでありますから、二次的な職業について、いままで課長であったのが、今度は行ってみたら、お茶をくんできてなんというような、見ていてあまりかっこうのよくないことは歓迎すべきことじゃないと思うのです。能力のある限りは、当然これは使うべきだと思うのですね。  こういう点で、三つの点を考えておるわけでありますけれども公社としては、どうでしょうか。
  56. 米沢滋

    説明員(米沢滋君) 最初に、二番目の御質問に対しましては、私たちも厳格にやっておりまして、今後も厳格にそれをやっていきます。  それから三番目の、五十八歳の問題につきましては、これは御意見として一応伺っておきますけれども、従来、管理職等につきましては、慣行といたしましてやっておる次第でありまして、従来の慣行としてやっておるということを申し上げたいと思います。  それから中央業者の地方に行っての下請の問題でございますが、これは、いわゆる元請になった場合には、元請としてのいろいろな責任がありまして、予定の期日に完全にやらなければならないとか、あるいは技術的にむずかしい問題があるとか言っております。しかし、いずれにいたしましても、この下請の問題については、特に工事の質を上げるという点から、最近といいますか、昨年あたりから特にやかましく言っております。下請に対して登録するとかいうことで、私ども建設局でいろいろ内容を調べておりますので、それが何といいますか、無理なことがないように進めていきたいという考えでおります。
  57. 横川正市

    横川正市君 大橋総裁、いまの点について、私はあなたにぜひやってもらいたいと思うのですけれども、これは、やはり工事会社の体質というのは、自由契約時代ですから、たとえば資本統合だとか、あるいは役員の任命について公社発言権を持つとか、そこまで工事会社を云々するということは行き過ぎだとは思いますけれども、しかし、工事の結果の質というものを上昇するためには、やはり地方業者というものを育てなければいかぬ、そういう地方業者の体質改善のために、資金的な一つの融資計画というようなものがありましょうか、あるいは、ある程度金のあっせんをするとかいうよるな、そういう点について検討をしていただきたいと思うのでありますけれども、これはひとつ総裁から返事をいただいておきたい。
  58. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) 工事幅がだんだん大きくなるにつれまして、民間に依存する仕事もだんだんふえてくることはやむを得ない状態であります。建設業者の質をよくするということは、これはぜひ必要なことでありまして、私どもも、この点について従来とも非常に注意をいたしておるのであります。しかし、いまお話しの、建設業者に投資までしてやらなければならぬかどうかということになりますと、これはもう少し研究しないと、どうも直ちに賛成いたしかねるのであります。私どもとしては、できるだけ育成には御趣旨のとおり、ぜひ力を尽くしたいとは考えております。今後も十分注意をいたします。
  59. 横川正市

    横川正市君 それと、地方局長になって行かれた方に、十分ひとつ注意をしてもらいたいのは、いろいろなかっこうの贈りものがあるようです。酒を一本もらったとかなんとかいうのは、贈りもののうちに私は入らぬとは思いますけれども、しかし、金品その他の贈与というのには相当注意をしておかないと、私は、そういった点におかしな結果を生むような原因をつくることになるのじゃないかと思うのです。これは私の老婆心と思って聞いておいていただけばいいわけでありますけれども、そういった点は十分いままで以上に注意をしていただくように要望をいたしておきたいと思います。  そこで第二の質問でありますけれども、これはさきの国会でも、私からるる質問をいたしまして答弁をいただいておるわけでありますが、それは小局運営というのは、一体電電公社としてどういうふうにこれから行なっていこうとしているかという問題で、第一は、年次計画が進むに従って直営が入っていくわけでありますが、そういう直営化が促進をされていく結果、おそらく直轄経営ができなくなるが、できない範囲というのは、どの程度に規定をされているのか。大体年次計画が進んで、四十七年には一応の計画が終了する、そういう時点でもいいわけでありますが、それでもなおかつ委託局として残るだろうと想定される局数、それから加入者数、それから大体、人員はどのくらいでありましょうか。
  60. 宮崎政義

    説明員(宮崎政義君) 第三次五カ年計画を設定いたしましたときに、将来の電話自動改式の進め方をどうしていくかということで検討したわけでありますが、御承知のとおり、現在約五千五百局くらいの委託局がございまして、三十七年度末くらいで見ますと、それを一度に直営化するということは、なかなか困難な問題でございますけれども、順次、期間別に移行をしていく、順次やっていきたい、五カ年計画ごとにやっていきたい、こういう考え方で第三次五カ年計画は大体千局を予定しております。それから第四次には、もちろんまだ積み上げてもおりませんけれども、およそ二千くらいやっていくことになるのじゃなかろうか、こう見ております。したがいまして、最後には、第四次五カ年計画の場合には、二千五百局くらいの手動局がなお残るのではなかろうか、こういうぐあいに考えております。まだ加入数どれくらいになるかという見当は、四次のものは積み上げておりませんので、正確には申し上げられませんが、二千五百局の手動局が残っていくわけでございますが、これを五次以降でさらにやっていきたい、こういうぐあいに考えております。  現在、直営化する基本方針といたしまして、郵政局と協定いたしておりますのは、改式のときに直営化をするというのが原則でやっておりまして、なお、電報配達につきましては、電話業務を直営化いたしまして、窓口を置くような場合には、電報配達についても公社で直営化をいたしていく、こういう原則で進めております。  なお、最近の需要の伸びから見まして、一部、移動型交換機をもちまして改式をしていく場合がありますが、この場合には、大体、四百未満の局につきましては、窓口を郵政にお願いをしておる。営業窓口を郵政に委託をしていくという線で進めております。
  61. 横川正市

    横川正市君 この四次までで二千五百局、五次以降の計画はまだないのだと思いますけれども、一応想定としては、直営化というものについてどこまで実施をしようとされておるのか。その何といいますか。郵政の委託として、これはおそらく将来見込みのない数字といいますか、これだけは残るだろう、こういうふうに想定をしておる数字があれば、それでもよろしゅうございます。
  62. 宮崎政義

    説明員(宮崎政義君) まだそこまで検討しておりませんので、いまの三次五カ年計画を立てたときに、大体、四次末では二千五百局の手動局が残る程度だという、しかも、これは先ほど申しました直営化の方針から申しまして、現時点では郵政にお願いしていかなければならぬであろう。スイスのように完全に自動局になったところは別問題としまして、英国その他におきましても、あれくらい電話が進んでおりましても、なお手動局が相当数残っていることから見ましても、われわれとしては、いまここで五次以降いつまでに全部直営にするということは、ちょっと見通しが立てられぬ状態ではないかと思っております。
  63. 横川正市

    横川正市君 そこで、委託局と、それから直営局との経費の比なんというものは、調査した結果が出ておりますか。
  64. 千代健

    説明員(千代健君) 御質問趣旨がちょっとよくわかりかねまするので恐縮でございますが、いまの御質問で、委託局――委託方式でやったのと、直営でやったのと、どちらが公社としては採算上いいか、こういうような御質問考えましてお答え申し上げたいと思いますが、現在委託局でやっております局は、大体直営局よりも小さい局が多うございます。しかも、その交換機という機器類は、これは直営をやって、運用業務と、それから営業の仕事、こういった点を郵政省のほうへ委託をしてもらっておるわけでございます。比較のしかたはいろいろございますけれども、現在そういった委託局のほうへ全部出ておる公社の直接の保守費等を含めて考えますと、当然にこれは現在、直営局のような機構と比べまして非常に小そうございますので、採算的には、つまり、収支率と申しますか、そのほうでは委託局のほうが悪い、こういうぐあいになるかと存じております。
  65. 横川正市

    横川正市君 費用細日の構成比を見ると、減価償却費が三十七年度の場合には六百六十九億で二五%、それから業務委託費は三百二十四億で一二%、こういうふうに比率が出ているわけでありますけれども、減価償却費というのは、どういう計算で、たとえば建物に対しての償却費は何年とか、いろいろ設備に対する償却費があるのだろうと思いますけれども、それとこの委託費の一二%という中には、これは全然減価償却費というようなものを含まない、おそらく、全部人件費じゃないかと思うのでありますが、一体、この構成はどういうふうになりますか。
  66. 千代健

    説明員(千代健君) ただいま御質問がございました減価償却費、こういうのは委託費には直接関連はございません。減価償却費のほうは、ただいま御指摘いただきましたように、こういった種類の機械は何年と耐用年数がございますから、それぞれやっておるわけでございます。ただ、この委託業務費とは全然関係がない問題とお考え願っていいのじゃないか、こう考えております。  委託業務費の出し方と申しますか、どういうぐあいになっておるか、こういうお話でございますが、これは私ども委託業務取り扱い費と称しておりますが、郵政省と私どものほうと現在支払いをやっております委託業務費は、昭和三十七年度に改定をいたしまして、郵政省において電信電話業務運営に必要とする経費を支払うという、こういう原則でございまして、これを電信電話の事務別に単価を測定しているわけでございます。なお、その中の相当大きな面を占めます人件費、この問題につきましては、郵政省において所要経費の変動があった場合――具体的に申しますと、ベースアップがあった場合、こういった場合は変動率でスライドをする、こういうような方法をとっておりまして、この協定は昭和四十年度までこのままで双方やりましょう。こういった内容のものでございます。
  67. 横川正市

    横川正市君 構成をちょっと聞いてみたのですが、パーセンテージが、非常に減価償却費は高いわけですね、全体から見て、そういう高い減価償却率を必要とする電電公社企業というのは、これは設備投資の度合いというものと正比例してふえていくものだというふうに私ども考えるわけですが、ただその業務委託費の場合には、全部これは人件費であって、公社としては、設備投資をする金の上昇する度合いというものを、一体、委託しているような局の直営化された場合に、どの程度伸びていくかという点について計算をされたことはありますか。
  68. 千代健

    説明員(千代健君) 非常に不勉強で、なんでございますが、そういう計算は現在まで私どもやっことはございません。
  69. 横川正市

    横川正市君 それともう一つは、具体的な例でありますけれども、今度のベースアップで郵政に籍を置く者は七・五%、同一交換業務を行なっております電電公社に籍を置く者は六・五%と、こういうふうに給与に一%の差が出てきたわけでありますけれども、委託業務費の計算のときには、これは郵政の人件費として七・五%組み、それから電通の職員の給与については六・五%を組むという、これはきわめて常識的な結果になるわけですが、そういうことになることをそのまま行なうわけですか。
  70. 千代健

    説明員(千代健君) 現在の委託費は、公社職員の給与とは全然無関係でございまして、郵政省の側で人件費の増高があった場合には、その率でスライドをするという取りきめになっておりますので、今度の仲裁裁定によるものも当然に私どもそのまま実施をし、昇給額がきまれば、それを郵政省のほうへ支払いをしていく、こういうことになっておるわけであります。
  71. 横川正市

    横川正市君 非常につらいところだろうと思うんですが、これはまた別な機会に十分真意をただしていきたいと思いますが、そこで、小局直営化の計画については、電電公社として年次計画で推進する、その中で消化をされていく、第四次まで大体二千五百局、これまでは計画としては立つけれども、五次以降については全然皆目見当がつかないというふうに考えられるんですが、そのとおりですか。それとも、小局経営については、別途多角的な検討を行ないながら、時間をかけて結論を出したいと、こういう考え方で、いわば小局の直営化について公社としても無関心ではないんだと、こういう立場をとっておられるのでしょうか、どちらでしょうか。
  72. 宮崎政義

    説明員(宮崎政義君) 先生おっしゃいましたように、決して無関心であってはならないわけでもありますし、われわれとしては、できるだけ先まで見通した長期ということを考えておりますが、まだ十年先のことになりますので、いろんな問題は逐次あらわれてくると思いますし、そういうものもあわせて検討しながら進めていきたい、こういうふうに考えております。
  73. 横川正市

    横川正市君 そこで、年次計画の推進過程における、都市と並んで農山漁村におけるところのサービスの度合いといいますか。先般私どものほうの羽生三七参議院議員の場所であります長野の飯田について、電話の交換の、いわゆるつながる時間が年ごとにだんだん、だんだん長くなっていく。自動化でもって即時通話することはいいんだけれども、こういう地方都市、ことに、それ以外のところはもっとひどいんじゃないかと思うんでございますけれども、いわゆる地域的な公衆サービスのアンバランスについては、これはどう把握をされておるでしょうか。それとも、それに対してどういうふうな対策を考えておるでしょうか。
  74. 宮崎政義

    説明員(宮崎政義君) 第三次の基本方針としましては、四十七年度末に、電話を申し込めばすぐつながるようにしたい。市外通話についても即時にするという大体めどは、四十七年末に置いておるわけでありますが、いま申しましたように、そのめどへ持っていくためには、できるだけ均衡のとれたサービスをしていきたい、こういうことに進めておるわけでございます。ただ、いま御指摘のありました飯田あるいは一部の局につきましては、局建待ちというところもございます。たとえて申しますと、東京の近郊では――東京からは相当できますけれども、横浜になりますと、市外通話は東京ほどに進んでいないと、こういうような場合には、横浜に市外局をいま建設しておるわけでございますが、これが完成しないと、そういう有効な機械を入れることができないということで、多少前後しております。しかしながら、先ほど申しました基本方針に沿いまして、逐次、年度計画で掲上しながら進めていきたいという予定でやっております。
  75. 横川正市

    横川正市君 私もあまりよくわからないので聞くわけですが、普通通話で申し込んだ場合と、それから特別至急報でやった場合、受付時間がずいぶん違うわけですが、回線が限られておる場合に、通話の取り扱いというのは、普通通話が同通話たまっておっても、あとから申し込まれた特別通話を先にやるのですか。取り扱いの基準というのはどういうふうになっておりますか。
  76. 金光昭

    説明員金光昭君) その具体的な資料を持ち合わせておりませんが、一般に市外通話、先生のお話のように、普通通話、至急通話、特別至急通話の三種類になっておるわけでありますして、普通通話に対しまして至急通話が優先、特別至急通話は至急通話に優先するということにいたしておるわけでありまして、普通通話がすでに相当たまっておるところに特急通話の申し込みがあった場合においては、特急通話のほうが優先するということになりますので、特急通話等が引き続き申し込みがありますと、相当早目に申し込まれた普通通話がだんだんとあとに延ばされていくという結果になると思います。
  77. 横川正市

    横川正市君 これは取り扱いの実情は、各局とも、まちまちだと思うのでありますけれども、普通通話で申し込んでは、もう四時間も六時間もかかって、それが至急あるいは特別通話で申し込むと、十五分か三十分の間に出る、大体、通話は、普通通話ではだめだから全部特別通話にしよう。郵政でいえば、普通郵便ではとてもおそくてしかたがないから、全部速達便にしよう、十円じゃだめだから、四十円払えば早くいくんだということで、一種あたりは極端に速達がふえるというように、おそらく、電電公社もいわゆる「特」のついたやつがうんとふえているのじゃないかと思うのですが、大体年次的な通話の内容はどういうふうなパーセンテ-ジになっているのでしょうか。
  78. 宮崎政義

    説明員(宮崎政義君) その資料を持ち合わせておりませんが、計画をする場合には大体こういう考え方でやっておりますが、第三次五カ年期間中は、短距離については四十分の待ち合わせ、それから長距離については九十分の待ち合わせということで、事務的には、運用部門からの回線がどのくらいの待ち合わせになっておるかという資料がまいりますので、その資料をもとにしまして、必要な回線増設をやっておるわけであります。したがいまして待時の区間につきましては、いま申しましたような基準になるような回線増設をやっておるわけでありますが、ただ、地域的に見ますと、回線を増設するためには、相当大きな基礎をやらなければならぬ、こういうようなものがございまして、そういうことで多少おくれておるということで御迷惑をかけているところがないとは申せないと思います。
  79. 横川正市

    横川正市君 私は、しろうと考えですけれども、安いほうはまあだめだというのは、これは一般の通念ですからね。だから、たとえば普通郵便が十円でおそいならば、速達との関係で、たとえば二十円に料金をしたら、一種の取り扱いは全部一緒というくらいな抜本的な考え方というのはあると思うのです。同時に、電電公社の通話のつなぎぐあいは、いま言ったように、普通通話ならば何分とか、特急の場合には何分とかと、こういう基準があって、その基準をオーバーする場合には回線を増設するということで、それが守れるならばそれでもいいと思うのですが、そうでないなら、私は料金というものをある程度単一化して、そして通話については、受付順序にやられるような、そういう考え方もあるんじゃないかと思うのですけれども、前者が通れば一番いいわけですがね。それがなかなか通らないとすれば、料金はあまり変わらないのに、何時間も待たされて、それでなお何回も督促しても通話ができないというような状態というものは、これは克服すべきだと思いますけれども、どうでしょうか、それに対する考え方は。
  80. 宮崎政義

    説明員(宮崎政義君) お説の点、私十分考えなければいかぬと思いますが、現在、待時回線は、最近におきましては相当新しい交換機が入ってきておりますので、待時中継をできるだけ省いて即時化していこう、こういう考えで進めております。たとえば、われわれの三次に計画した以上に自動即時で新しい交換機を使いながら、中継交換をなくしていくという進め方をして進めております。しかしながら、これを全国全部一斉にやるというためには、必要なところにそういう交換機が全部入らなければならぬので、完全にできるというわけにはいきませんが、できるだけ回線数をふやしながら進めていきたいとは思っております。
  81. 横川正市

    横川正市君 いまの問題は、年次計画の進むに従って、小局の経営についても、公社が非常に熱心にやっているのだというふうに私も理解をして、一そうひとつ、この取り扱いについてスピードを上げて解決できるような方向へ取り組んでいただきたいと思います。前回も相当、事情については私どもも聞く範囲で内容は申し上げておりますので、私どもとしては、サービスがそれぞれの地域差でもってそのまま据え置かれるということについては、公社の使命からいっても歓迎すべきことじゃありませんので、サービスについては、少し公社が利潤について、あるいは経費の面から困難だというような点があっても、取り組んで解決していただくようにお願いをいたしたいと思います。ほんとうは、この小局経営については、もっと細部にわたってお聞きをいたしたいと思うのでありますけれども、それは直営化された場合に、いままで十四、五人くらいしかいなかった職員が、たちまち倍くらいに職員がふえるというような実例は、職場におけるところのいわば労働条件というようなものにも、私は相当違いというものがあるんじゃないかと思うので、一々指摘はいたしませんけれども、当然これは郵政との間で話し合うことでありますので、よく話し合った結果、そういう地域におけるサービスの不公平な点が取り除かれるように、また、職場における労働条件が改善されるように、さらにまた皆さんの努力をひとつお願いしたいと思う。  それから今度の改正法の中で出ております船舶通信株式会社というのは、まず人事の面からお伺いをしたいと思うのですけれども、取締役社長さんというのは中山次郎さん、元、これは一番最後は電務局の外信課長というので、これも部内出身です。それから専務取締役の山下さんは、最近まで公社のポストにおった方であります。そういうふうにずっと見ていくと、公社とそれから船舶通信株式会社とは、人事の面ではだいぶ前からいろいろこう疎通がされておったように見受けられるわけですが、できたときに、これをどういうふうに公社としては見ておったのか、いま企業の面からいって今度の関係を持つに至ったのは、一体、どこに大きな理由があるのか、これをひとつ、どうも人事の面から先に言って勘ぐっているようで申しわけないのですが、私は、必要ならば、もっと早くこの問題は出ておってしかるべきだったと思うのですが、この国会でこういう改正案が出てきたというのは、準備の段階もあったと思うのですが、何かほかに理由もあるのではないかと思いますので、その点からお聞きをいたしたいと思います。
  82. 千代健

    説明員(千代健君) この船舶通信株式会社が発足しましたのは昭和二十七年の暮れであったと思いますが、いま御指摘の中にもございましたように、従来無関心であったというとはなはだなんでございますが、海上の船舶と地上をつなぐ通信というものがないがしろにされておったことは事実でございまして、当時は神戸・大阪港、東京・横浜港、限られた二つの港の中の船と陸上と電話で話をする、こういうようなことから始まったわけでございます。いま社長の中山次郎さんの話がございましたが、元電務局長をやっておられた方でございまして、当時そういった会社形態でやることをきめました際に、なかなかやっていただける中心的を方がなかったのと、それから中山さんがそういったほうの経験者であったという観点から、取りまとめて会社を設立していただいたわけでございます。したがって、この会社は発足のときから、当時の電気通信省でございますが、公社になったばかり、その前からいろいろと計画したわけでございますから、電気通信省当時からいろいろと公社の声がかりででき上がった会社でございます。  それから、その当時どう経営を見ておったかということでございますが、当時、船と港の中の湾内の電話、当時は俗称港湾電話と称しておったわけです。それを始めました際に、たまたま当時、海運の不況時代に際会しまして、事、志と若干違った結果になりまして、数年間というもの無配当で経過した、こういう状況でございます。その間、昭和三十三年でございますか、この問題につきまして私どもいろいろ検討をいたしました結果、船に積む無線機の稼働というものが、需要との関連もございまして非常に悪かったというのが、一番大きな原因であったことを突きとめたわけでございまして、会社ができましてから三年、四年目に、少しそういったことで考え方を変えまして、長期のもくろみを立ててまいったのでございます。その当時、ようやくこの船のほうも落ちついてまいりますし、いろいろ需要のほうも出てまいったわけでございますが、一方、そのサービスの海域を現在まで逐次ふやしてまいりまして、御案内のように、清水港、名古屋、堺、大阪、神戸、瀬戸内一帯、それから関門港、洞海湾、そういったほうへふやしてまいりまして、したがって、当時は非常に稼働率が悪かった無線機が、ようやく現在並みに約二百台のものが、毎日百五十台動く、こういったような状態にまいったわけでございます。私どもがちょうど予定しました時期から五分の配当が実施できるようになりたわけでございますが、先般来説明申し上げておりますように、今度この海域を三年計画で日本の全海域にいたす、こういう点で考えておりますので、将来とも相当に努力していかなければならないということで、いろいろと現在検討しておる最中でございます。
  83. 横川正市

    横川正市君 先般、質問の中で、船舶通信局の取り扱い事務といいますか、それをするために認可、許可が与えられるわけでありますけれども、その認可、許可については、船舶通信株式会社に許可がおりるのだ、こういう説明であったようですが、それで間違いないですか。
  84. 畠山一郎

    政府委員畠山一郎君) 現在、船舶通信会社公社から委託しております事務は、船舶に積みます無線送受話機の設置、保守及びそれに関連しまして、加入事務、料金事務といることになっております。これは公社からの申請によりまして、公社に対して、そういう事務を船舶通信会社に委託することを認可しております。
  85. 横川正市

    横川正市君 この賃貸しを受けて無線機を備えつける船の通信取り扱いは、これはどういうふうになるのでしょうか。その無線機取り扱いをしておったときだけ、局の開局を認める、こういうふうになるのでしょうか。それとも、株式会社への認可でもって代行する、こういうことになるのですか。
  86. 千代健

    説明員(千代健君) 船舶に積みました無線電話機ですか、これは、例の電波法上は無線局ということに相なるわけでありますが、これは公社自体が免許を受けまして、公社の無線局でございます。それで、かりに何々丸というものに積まれた場合には、公社の無線局がそこにある、こういうぐあいに考えざるを得ない、こういうわけであります。
  87. 横川正市

    横川正市君 そうすると、一枚の免許証は、大体百五十の効力が常に稼働されているということになるわけですか。
  88. 千代健

    説明員(千代健君) 一つの無線送受話機ごとにつける、こういうことで免許いたしております。
  89. 横川正市

    横川正市君 これは電波法のいわゆる基準からいって、局を置く場合に、免許、許可というようなものの基準については、それで、何といいますか、不都合なところはないのでしょうか。
  90. 畠山一郎

    政府委員畠山一郎君) 先生御質問の点は、電波監理局の所管のことでございまして、私からお答え申し上げるのはいささか筋違いかと思いますが、移動無線局として免許がされておりまして、別段不都合なことはないと思います。
  91. 横川正市

    横川正市君 船舶安全法ですから、関係の人がいないとわからないのですが、私が電波法の審議の過程で質疑をした内容から承知しておりますのでは、たとえば運輸省の船舶局では、内航であっても当然三百トン以上五百トン未満のものについては無線電話の備えつけをすべきである、それから千六百トンまでのものについては無線電話を装置すべきである、こういうことで、その点については、運輸省からの答弁も、その趣旨に合致するように努力するという意味の返事があったわけであります。私がいわば老婆心で心配をするのは、借りた通信機を備えつけたときには、公社がかわって無線局の開局の許可をもらったということになるけれども一体、無線機をおろしたとき、身軽になった船だとは言いながら、安全の度合いについては少なくなったということであって、安全がなくなったということではないわけなんですけれども、そういう場合に、通信施設を持たないで内航であっても航行するということになるのですけれども、それでいいと、こういうふうに判断をしているのでしょうか。それは電波監理局がいなければちょっと返事ができないと思いますが、その点はどうですか。
  92. 畠山一郎

    政府委員畠山一郎君) 船舶で無線局を設置しなければならないのは、船舶安全法の規定によりまして、あるトン数以上に制限されております。そういう無線局を設置することが強制されている船舶につきましては、原則として船舶通信会社の商売相手ではない場合もございまして、それ以外の船についてサービスを提供されるということになっております。したがいまして、かりに義務船舶以下の船が、一時、船舶通信会社から機器を借りまして、その後、機器を取りはずして航行いたしましても、船舶安全法上の違反といいますか、規定には反しないことになるわけであります。
  93. 横川正市

    横川正市君 そうすると、これは船舶通信株式会社が貸与する船のトン数というのは、大体何トンから何トンまでのものときまっているのですか、それとも、きまらないで、設備のないものについて要請があれば貸し付けるということですか。
  94. 千代健

    説明員(千代健君) トン数の制限なく、求めに応じて貸し付けるというたてまえでございます。
  95. 横川正市

    横川正市君 そうすると、畠山さんのいまの答弁は、安全法に基づいてのトン数制限で全部備えつけているというわけではなくて、備えつけていないものであっても、一時借りて無線局を開局することができる、こういうことになっているわけですか。そういう場合、私は実は、この船舶通信株式会社の営業を妨害するわけじゃないのですけれども船舶通信株式会社業務で、無線とか電信とか電話とかというものを備えつけるということが強制ないしは半強制、義務規定になっておらなくても、当然つけなければならないという、そういう何といいますか、経営者の良識でつけている船もあるわけですから、そういうつけた船を、私どもはさらにこれを義務化するようにというふうな意思で、先般、電波法の審議をやったわけなんです。その電波法の審議をやった際に、私どもの認識としては、大体三百トン以上の内航船であっても、これは義務として五百トンまでは無線電話、五百トン以上千六百トンまでは無線電信と、こういうふうなことを義務化すべきだということで、運輸省はその趣旨に従って検討しますということになっているわけですよ。この営業からいくと、そういう義務化される船が、実は無線電信電話をどこかの港へ預けっぱなしにして今度は帰ってくるわけですね、次の荷物を積むまでは。荷物を積むとか積まないとかいう問題は抜きにして、安全という問題から考えたときには、これは度合いから考えてみて心配の度合いがあるのではないか。そういったことまでも、許可の問題については何も検討をされなかったのかということをお聞きをいたしたのです。
  96. 畠山一郎

    政府委員畠山一郎君) 船舶安全法によりまして強制されておる無線局は、免許されました場合には、専用通信のための無線局でございます。船舶通信会社の場合には、公衆電気通信業務の一環としての、いわば船舶につけられた加入電話に当たるものでございまして、種類が違うわけでございます。したがいまして、義務船舶であるないにかかわらず、船舶側の必要に応じて船舶通信会社の機器を設置して、公衆電気通信系の中に入るということになるわけでございます。もちろん、義務船舶でありましても、目的が違いますので、これをつけることも好ましいこととは考えられますし、また、義務船舶でない場合には、安全という観点から見まして、なおこの船舶通信会社による電話機が設置されることが好ましいということになるわけでございます。
  97. 横川正市

    横川正市君 ちょっと私の心配していた点の、それらの内航船舶が借りて持っていく電話設備というのは、実はそれらの船舶はすでに無線電信なり電話なりの備えつけはあるけれども、なお必要でもって公社の電話を積んで、いわゆる陸上との通信連絡のために借りていくのだ、だから、それをおろしても、安全法に基づいてのそれぞれの設備というのは持っているのだと、こういうふうに理解していいのですか。
  98. 畠山一郎

    政府委員畠山一郎君) 現実に船舶通信会社の機器を借りてつけております船の中に、義務船舶がどれだけあるかということは、私実は存じませんが、たてまえから申しますと、義務船舶でありましても、これを申し込んでつけることができるわけでございます。したがいまして、かりに一時その機器を取りはずしましても、別に船舶安全法の規定による専用の無線機が設置されているわけでございますので、その点については支障が起こらないわけです。
  99. 横川正市

    横川正市君 現在運航しているときの、何といいますか、支障か支障でないかということでなしに、経営としてこういう経営がありますということについては、一応私どものほうでこの法文でわかるわけですが、ただ、安全法のたてまえからいったら、借りた通信器材だけで、あとは全然通信器材を持たないでもとの港へ帰ってくる、こういうことはないというふうに考えていいわけですね。通信器材は必ず何かつけている、こういうふうに理解していいわけですか。
  100. 畠山一郎

    政府委員畠山一郎君) 義務船舶及び、義務船舶ではございませんでも、任意に専用無線局の免許を受けておる船舶につきましては、そういうことになります。
  101. 横川正市

    横川正市君 だから、そういうことになりますというのは、つけていない船はないということですが、全然つけていない船もあるということですか、どちらですか。
  102. 畠山一郎

    政府委員畠山一郎君) 専用無線局の免許と、この船舶通信会社の機器を備えつけるということとは、一応別問題でございます。したがいまして、法律上強制されて専用無線局をつけている船と、強制されなくても専用無線局を任意につけている船とがあるわけでありまして、その点については、この船舶通信会社の無線機器を備えつけるかどうかということとは、関係はございません。ただ、船舶の中には非常に小さな船舶も多うございまして、船舶安全法上も強制されていない、そのほかいろいろな理由で専用無線局の免許を受けていない船がたくさんあるわけであります。これにつきましては、できるだけやはり公衆電気通信業務の一環であります船舶通信業務を利用してもらうように勧奨していかなければならないというように考えております。
  103. 横川正市

    横川正市君 私は、この船舶通信株式会社の営業内容というものと、それから安全法による――これは義務規定のあるなしにかかわらず、安全の処置というものとは、これは決して矛盾しないと思うのです。だから、電波法の審議のときには、安全の問題で論議をするわけですね。それから通信株式会社の場合には、営業の問題で論議をする。しかし、それは法律に規定された範囲内のものであって、安全の問題ということになれば、全然別個の問題ではないというように判断をするわけですよ。だから、そういう場合には、たとえば三百トン以上の船で内航船であっても、無線電話の備えつけを強制的にすべきだ、こういう意見があって、それには賛成だという運輸省当局の答弁がある。ところが、営業の面からいくと、借りた船は、荷物をおろしてしまうと、その通信器材はほかの倉庫に預けてしまうわけですね。その場合には、他の通信施設を持っているのか、持っていないのかということが問題だろうと思う。持っていないという場合に、安全の場合には、同じ郵政当局から出された法律案で、片一方は強制してもつけなければならぬと言っておいて、片一方、営業の話になったときに、それは法律にないからつけなくてもいいんだ、こういう答弁にはならないと思うのです。ですから、私どもは、電波法の審議のときに安全の問題をやったのだし、営業の問題であっても、営業が成り立つかどうかは別問題として、安全の問題、それに関連して答弁をしてもらいたいと思うのです。  もう一つは、移動無線局の問題であるから、置局について、いわゆる無線電信取り扱い局の認可というのは、これはその船その船に認可をするのではなくて、公社に認可したものを移動して持ち歩くのだという、そういう便宜的な処置もあろうかと思うのでありますが、その便宜的な処置が、無線電話電信を備えつけないで航行するという安易さで解決されたのでは、これはやはり電波法の審議のときの質疑というものは死んでしまうということになるわけです。そういった点、船舶株式会社の営業の中でどういうふうに安全確保のための努力をしているのか、それをはっきりすれば私は了解するのじゃないかと思うのですがね。
  104. 千代健

    説明員(千代健君) 横川先生の御質問で、強制船舶のほうをうんと小さな船まで及ぼす、こういった点が望ましいというお話がございました。私どものほうとしても、それには異論はございませんが、これはやはり法律できまっておることでございまして、なかなか小さい船まで入れるということは困難なように聞いております。ただ、私どものほうで、この船舶電話というものに関して、船の安全についてどういうことを考えているかと申しますと、ただいま開発しております機器では、その設備の中に保安チャンネルと申しますか、保安関係の専用のチャンネルが入るような仕組みになっておりまして、あるアタッチメントをつけますと、それが保安通信の用もなす、こういったことになっております。この点につきましては、ただいま保安庁当局といろいろとお話しまして、たまたま今年度から四年間で海上保安庁が海岸局の整備を始められて、すでに東京、横浜、大阪その他数局今年度内にできるわけでございますが、そういうところから保安通信を出されました場合に、それがこの船の機械が受けられるようになると、こういうようなやり方で海上保安の業務に御協力をしようと、こういう考えであります。なお、ちょうど、例はよくございませんが、普通の電話から一一〇を回しますと警察が出る、一一九を回しますと消防、救難と、こう出ますが、例は悪うございますけれども、大体あれに似通ったもので、その船から呼びますと保安庁が出る、こういったようなことを考えておるわけでございます。
  105. 横川正市

    横川正市君 そこで監理官のほうで、通信局の設置については公社への認可で、いわゆる移動無線通信局の認可による認可でこれらの業務は支障ないという考え方でこの問題を処理することにするということですが、それで通信局の置局に対する基準とか運営とかいうようなものについては、全然支障を来たさないと、こういうふうに考えていいんでしょうか。
  106. 畠山一郎

    政府委員畠山一郎君) 電波法四条の規定によりますと、公衆電気通信業務のための無線局は、電電公社あるいは国際電電以外には免許できないことになっております。これは原則で、例外はございますけれども、一応そういうことになっております。そういうたてまえのもとにおきまして、やはりこの船舶電話につきましても、公衆電気通信業務のための無線局でございますので、電電公社に免許をされているものと考えております。
  107. 横川正市

    横川正市君 そうすると、これは船の取り扱い場所における、何といいますか、人員の配置等というような問題については、全然これはないわけですね。機械だけ備えつけておいて、あとは利用者が利用すると、こういうだけで、普通の船舶に対する通信士の場合の資格というものは廃止されるわけでございますけれども、大体この場合にはだれですか、操作する人は。
  108. 千代健

    説明員(千代健君) 普通の電話をかけるのと同じ操作でございますから、そういった特殊な有資格者の配置を必要といたしません。
  109. 横川正市

    横川正市君 これは電報を打つとか、それから通話者に対する何ですか、料金の問題とかいうのはだれがやるのですか。
  110. 千代健

    説明員(千代健君) ちょうど加入電話から電報を打ちますと同じ方法であります。それから営業のほうはどうかというお話でございますが、ちょうど何と申しますか、たとえば旅客船の中についているというような場合には、これを一般の乗客が利用できるように、ちょうど赤電話みたいな扱いにする、こういうぐあいになっております。それからその営業というお話の中に入っておるかと思いますが、それの加入事務とか、あるいは料金の徴収事務をどうするか、こういったお話も含まれておりますが、その点は船舶通信株式会社のほうでそれを扱う、こういうことになるわけであります。
  111. 横川正市

    横川正市君 これは単位は、十円を単位とするわけですね。そうすると、倉庫に入れるときに十円は全部出して、そして、その港なら港の電話局のだれかが立ち会って納めるとか、あるいは船の中のだれかが代理人で料金の徴収計算をして払うとか、そういうことで、からにしたものが倉庫に入るということになるわけですか。
  112. 千代健

    説明員(千代健君) 赤電話のようなものだというふうに言いましたので、お金を入れてかけるというようにお考えになったようでございますけれども、そうではございませんで、赤電話と同じようを関係で乗客一般が使えるという意味でこう申し上げたのであります。  それから現在やっております料金をちょうだいする関係ですが、これは船舶通信会社が船主のところへ、つまり、何々船会社というところへ請求でたしまして、それからこの本店なり営業所なりからちょうだいする。船の船長とか事務長とかいうようなものから直接現金を授受するというようなことはやっておらないのが現状でございます。
  113. 横川正市

    横川正市君 いや、ちょっと私のわからないのは、取り扱い者が全然なくて、赤電話と同じように備えつけておくと言うから、それじゃ一回十円かと。そうでなしに、そういうのだと、だれに取り扱わせるわけでしょう。
  114. 千代健

    説明員(千代健君) 公衆電話のようにやります場合には、その船の、つまり、旅客船でございますから、そこの人が一回何がしという代金をちょうだいしてかけさせる、こういうぐあいになっております。それはまた、船舶通信会社とは別に、公社と委託公衆電話契約というものを結んでおりまして、一回何がしという委託手数料を払ってやっているわけであります。
  115. 横川正市

    横川正市君 そこで、これを備えつけることは、公社の収入に影響することと、もう一つは、七千万の金の投資によるところの金利の問題と、二つあるわけなんですが、一つは、この船舶通信株式会社の持っております性格から、公社としてある程度設備をするということ、これは何か公益性みたいなものが優先して利潤は度外視をすると、こういうふうに考えていいのかどうか。  それからもう一つ、大体年五分とか六分とかいう配当しかないという、そういう会社に七千万の金をつぎ込む、こういうことは、これはまあ営利を目的とした投資じゃないことははっきりわかるわけでありますが、こういうことがあなたのほうでやられるのは、この船舶通信株式会社というものの持っております性格でぜひ必要だという点から出たんではないかというふうに思うのでありますけれども、それは一体何と何ですか。私のほうでは、何回聞いても、いま特別に投資をしなければならないというような理由をちょっと発見しかねるわけですがね。
  116. 千代健

    説明員(千代健君) この投資の必要ということの一番根本的な問題は、海上の船舶と陸上の電話との通話をする、このサービスの海域を日本を包む全海域に及ぼすと、こういう問題でございまして、陸上の側といたしましては、それの送受に必要でございます陸上基地が必要でございます。この点につきましては、先ほどちょっと触れましたように、公社のほうで三十八年度以降三カ年間で、それぞれ十五、十五、九と、全部で三十九局の海岸基地局を整備するわけでございます。それに伴ってサービスの海域というものは、現在のところから、初年度においては――初年度と申しますか、最初は太平洋から九州の西側、それから次の年は大体北海道、それから南九州、それから第三年度目には、主として日本海沿岸沿い、こういったぐあいに考えております。  そういたします際に、現在二百台ばかりございまず無線機の数では、とうていだめでございまして、すでに現実的にも数百の申し込みがたまっておる、こういう状況でございます。それを急に整備いたしますについては、相当資金を要するのでございます。その資金を要しますが、先ほど御指摘いただきましたように、五分というような配当の会社に対して、一般民間からの金というものを借りるのは非常に困難でございます。そういった点で、あるいは公社出資をいたしました後においては、あるいはそれに伴う信用の増大というようなことでその道も幾らか開けるかと思いますけれども、現状をもってしましては、なかなか困難でございまして、私どもとしては、そういった急激に増備するという問題に対処する資金の問題と、いや一つは、現在五分でございます配当を何とかして一割程度のところまで引き上げて、もう少しいい経営状態に持っていかなければ、将来外部からお金を調達する場合に、非常に難があるのじゃないか。こういった点もございまして、私どもとしては、公社自体の収支というものは、当分のうち赤字が続くであろう。会社のほうの関係では、これも私どものもくろみどおりまいりました場合には、ここ三、四年というところで何とか七分とか八分とか、できれば一割程度の配当にこぎつけたい、こういった考え方でおるわけでございます。
  117. 横川正市

    横川正市君 私は、営利を目的と当面はしない、将来はある程度の配当が予想されるという、そういうものに先物で好んで投資をするというほど、金は電電公社は遊んでおらぬのじゃないかと思うのですがね。  そこで必要なのは、これは古池郵政大臣にお聞きをしたいのですが、一体、こういう金は必要であれば当然他の金融機関から低利のもので貸し付けて――いまどき、株式会社と銘を打つもので全然利益の度外視された状態で仕事をやっているから金を貸してくれ、よろしゅうございますといって、七千万の金をつぎ込んでもらえるなんというものは、これは普通の事業としてはないですね。だから、ある程度の金を用意するなら、その金で運営のできるような企業というものは、当然企業努力でやるべきであって、それでなければつぶれる。私は実は、電電公社がたとえば農山漁村の赤電話を備えつけるように、サービスの一面として、そういう船に電話機を備えつげて、使用料でまあ赤字が出るかもしれぬけれどもひとつがまんをしようというのなら、これは公共性から当然認めるべきだと思うのです。赤字が出てもやむを得ない。そうでなしに、株式会社というものに投資をし、利潤を目的とする会社が、その目的とする利潤の上がらないところへ金を貸してやって、そして、その公共性を維持しようなんというのは、これは少しおかしいやり方だと思う。もしできるならば、第三者の金融機関から金を都合してあげて、そして船舶通信株式会社が当然経営が成り立つように、役員給与も全部払えるように企業努力をすべきだ、こう思うのですけれども、どういうふうにお考えでしょうか。
  118. 古池信三

    ○国務大臣(古池信三君) 企業努力はあらゆる事業において必要なことであると考えます。また、船舶の無線につきましては、もとより公衆電気通信でありまするから、本来ならば、すべての点において公社が施設をはかるというのが原則であろうと思います。しかしながら、例外的に特殊な場合として委託業務を行なうということも事情やむを得ないものがあると考えられる。かつまた、その対象として日本船舶通信株式会社というものがここに設立されたと、こういう事情を考えてみまする場合においては、この会社を育成するという意味合いから、公社が若干の投資をするということは必ずしも不都合ではないと私は考えております。さらに、かような公共性の強い事業会社でありまするから、もちろん高配当は望むべきではありませんが、しかしながら、株式会社として設立されておる以上、若干の利益の配当ということは認むべきであろうと思います。しからば、どの程度の利益の配当が適当であるかということは、その事態々々によって、必ずしも一定したものがあるとは考えられませんけれども、ただいまの会社経営状況を見ますると、大体五分は現在配当し得るようであります。そうして将来の見通しとしては、一割の配当も期待できるという予想でございまするから、まず一割程度の配当ができれば、日本における公共事業としては適当なところではなかろうかと、かように考えております。  大体この会社の仕事が非常に限られた仕事であり、もっぱら委託業務を実行するという会社でありますから、世間でいううまみのある会社、あるいは投資の対象として妙味のある事業ということは決して申されないと思います。したがって、一般の公募によって民間資金を吸収するということは非常に困難な事情にあるということも考えなければなりません。また同時に、一般の市中銀行等の融資についても、かような事業についてはなかなか容易でないということも想像できるわけでございます。もちろん、今日の公社経営状況からいいまして、非常に資金が豊かであるということは申されないと思いまするが、しかし、何しろ、日本電信電話公社という大きな世帯でありまするから、その仕事の一部を委託する事業に対しましては、七千万円程度資金投資することは、全体から考えて非常に支障を来たすというものでもなかろう、かように私は考えております。
  119. 鈴木強

    鈴木強君 関連。横川委員の御質問にありましたように、七千万円の資金投資するということは、現在の公社の建設財源等から見て無理ではないか、こういう横川委員質問だと思うのです。私は、いまの大臣の御答弁ですと、ちょっと問題があると思うのです。というのは、けさ、私は朝日新聞を見ましたら、電電公社昭和四十二年の第三次長期計画の年度末までに、電話、電報の料金の引き上げをしなければならない、こういう記事を見たわけです。もちろんこれは、もうすでに二年ちょっと前に距離別時間差法という新料金体系に改正になりまして、残っておるのは電報料金、これは百三十億も赤字がございまして、従来からの懸案でございますので、私は強く、電報料金の問題についてはすみやかにその結論を出すように要請してあるわけです。公社も改善会議を持ちまして努力をされておるようでありますが、そういうものとあわせてさらに電話料金を上げるということは、私は非常に問題があると思うのですね。まあ新聞の記事ですと、度数料が七円から九円ないし十円に上がっていくと、こういうまあ内容でありました。これは一体総裁は、現在までの、電電公社の発足以来十三年近いこの歴史の中で、建設財源の調達ということは、いつも問題になっておるわけでありまして、三分の二は自己資金、ことしもわずか三百八億だけが外部資金として一応計上されておる。しかも、縁故債だとか、公募債だとか、外債とか、こういった内容でありまして、ほんとうに政府からの直接の、財政投融資からの出資というものはほとんどない。こういうところに、本年度四千百五十六億の電電公社の総予算の中で八十二万電話をつけるのには二千二百九十六億ですか、かかるわけです。そのうちわずか三百億、しかも、純然たる政府援助といえば七十二億の外債――これはどうなるかわかりませんが――しかないわけでしょう。そういうものが結局、電話料金にひっかかってきて、いまでも高いと言われる電話料金が下がらない。逆に、今度その電話料金が上がるなんということは、これは私はとんでもないことだと思うのです。一体、これは公社の新聞記者会見の内容を郵政大臣は了承しておったかどうか、知っておったかどうか。もし知っておったとすれば、いま私が申し上げましたような、たとえ七千万でも、料金値上げでなくて、運営上やるということなら筋が立つわけです。ところが、そのことが今度は逆に、電話料金の引き上げにはね返ってくることは明らかです。額は少なくても、そういうことはプリンシプルの問題からして私は了承できない。一体大臣は、これをどう考えられておりますか。また、この料金について、この際、私は総裁の御所信を承っておきたいと思います。  それだけです。
  120. 古池信三

    ○国務大臣(古池信三君) 電話料金、電信料金の値上げという問題につきましては、私は何も今日まで報告を受けておりません。  それから、ただいまのような公社経営状況のもとにおいて、七千万円を他の会社投資するということは適切ではないではないかというようなお考えでございますが、これは考え方の問題だと思いますけれども、もしもそのような日本船舶通信会社というものでなくて、みずからの手で公社がこれらの設備をすべて行なうとすれば、あるいは七千万円以上の資金が必要になるということも考えられるのではなかろうか、かように思っております。
  121. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) 今朝の各新聞に出ております電話の料金についてのお尋ねでございますが、これは昨日、記者の方々と会見したときに、いろいろ意見の交換といいますか、話し合いをしておったときに、たまたま、最近の収入状態はどうだという話が出まして、それからだんだんそういう話に移ったのでありますが、御承知のとおり、公社の設立以来、収入状況は非常によかったことは御承知のとおり。ところが、最近の情勢によりますと、三十六年までは大体予定以上の収入が毎年このように生まれておったわけです。三十六年度を境といたしまして、七年、八年と御承知のとおり、予算に比べても相当の減収があらわれてまいりました。まあ三十九年はどうなりますか、まだこれが容易に予測はできませんけれども、しかし、以前のように自然増収的の増収があろうということはよほど困難になってくるのではなかろうかという想像はできるわけであります。これは御承知のとおり、最近の電話の増設につきましては、事業所につける電話よりも、各住宅電話の増設というものに相当主力がだんだんと移ってきまして、したがって、一電話機に対する収入単価というものは、どうしても低下せざるを得ない。これは全体の今後の大体の趨勢としては、どうもこういうことになっていくだろう。そういたしますと、ちょうど数年先になりますというと、加入者引き受けの債券の償還ということも起ってまいりますので、その時期になりますというと、相当資金繰りというものは困難な状況に立ち至るだろう。そうなりますというと、今後の資金繰りをどうするかということを検討しなければならない。こういうお話もいたしたのでありまして、この検討の結果、どういう値上げになるとか何になるとかというようなことは、まだそこまで何にも具体的にきまっておるわけでも何でもございません。これからわれわれ検討しなければならぬだろうということを、申し上げたわけでございます。
  122. 横川正市

    横川正市君 私も、大臣のきわめて太っ腹なところを見せたのは歓迎すべきですが、金の使い道というのは、たとえば七千万円が一億になっても、やはり筋の通った金の使い方をしてもらいたいと思うのですよ。いま農山漁村なんかの赤電話は、みんな赤字で、黒字になっていないでしょう、実際上。しかし、備えつければ、赤字でも、それにさらに拍車をかけるようにそれぞれの人はやはり高い料金でもって運営しているわけですから、だから、そういう意味合いからいいますと、海の上の船舶に行きだけはつけるけれども、帰りはつけないということでなくて、行き帰りつけるように、公社の赤電話を備えつければいいと思う、一億かりにかかっても。どうも勘ぐるわけではありませんけれども、こういる株式会社をつくって、どうも経営がうまくない。だから、親方日の丸のところから少し金をもらおうといって、人事の問題と取り組みながら、何とかかんとかうまくコネをつけて金を出してもらう、そういう言われ方をしてもしかたがないじゃないですか、今度の船舶通信への七千万円なんかは。もっとも、電電公社企業内でやるならば、もっと海の上の赤電話だって公社がつけてもいいと思う。しかし、つけたいと思ってもつけられない、そういう人がいるのですから、そういう人たちにつけてやれるような公社の立場というものがあっていいのじゃないかと思う。金を使っちゃだめだという、そういう面もあろうかと思いますけれども、金の面では、金を出すことについては、私どもは別段不賛成ではないわけであります。そういう意味の金の使い方というものがあるのではないかと私は思うのです。ことに船舶通信株式会社経営に、たとえば船舶安全法だとか電波法だとか、いろいろなものが適用されて、そうして安全の度合いを締めつけられたら全く企業的に成り立たないような零細さというものがあって、私はいろいろな多角的な解決というものは必要だと思うのですけれども、しかし、やはり安全の問題は、他も幾らか無視するわけにいきませんが、優先させて安全の問題は考えていいと思う。その場合に、先ほど言いましたように、電波法のたてまえからいえば、電信も電話もつけているのかつけていないのかわからない。ただ、株式会社の営業方針としては、これを貸し与えて、そうして積み荷が終わって帰るときには、着いた倉庫に預けてくる。ついているかついていないかわからない。船がまた次の港に航行するということで、それを特別、何といいますか、見てもやらないということは、電波法を審議したたてまえからすれば、少しおかしいと思う。そういう点で、この通信会社の七千万円の金を出す分については、私は、やはり郵政としては、再考すべき点があったのじゃないか、かように思います。そういう点から一そうひとつ御検討をしていただくようにお願いをいたしたいと思います。  他にいろいろ質問もありますけれども一般公社の問題でありますから他の機会に譲りまして、私の質問は一応これで終わっておきたいと思います。
  123. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 公社法の一部改正の問題については、社会党の先輩諸君がたくさんやられましたから、私は簡単に聞きたいと思うのですが、その前に、一点だけ、まず大臣に私は質問をしておきたい問題があるのです。それは、あなたが衆議院の予算委員会において、大野副総裁の死亡にあたって、大宅壮一氏がテレビ放送か何かでけしからぬことを言ったという山口喜久一郎君の質問に対しまして、「録音を取り寄せて聞いたところ、国民の良識、道徳に反する発言であると思った。放送法、電波法の改正は当面の急務であり、臨時放送関係法制調査会の結論が六月中にまとまり答申されることになっているが、これに基づいて放送法、電波法を改正するときには、ただいま問題の発言も考慮した改正案にしたいと考えている。」、こういう発言がなされておるのです。私は大臣の不用意な発言ではなかろうかと思いますが、どういうふうに改正をなさるお考えか、それをお伺いします。
  124. 古池信三

    ○国務大臣(古池信三君) ちょうど先日の衆議院の予算委員会におきまして、山口喜久一郎議員から質問がございました。私は、その際の問題の内容についてはただいま申し上げませんが、そういうことが国会の論議の対象となった以上は、それらの論議も参考にいたしまして、将来の立法の準備の場合には検討をしてみたいと思う、そういう趣旨のことを申し上げたわけでございます。御承知のように、臨時放送関係法制調査会の答申もやがて六月中には提出されるという見通しでございますので、その答申も十分に拝見をして、かつまた、でき得る限り広く皆さんの御意見も承って、そして適正なる法案を立案して国会に提案をし、御審議を願いたい、そういう意味で申し上げたのでありまして、直ちに法律をいかように改正するかどうかというような問題までは至っておらないのでありまして、その一歩手前の段階である。したがって、そういう一歩手前の段階において、かような論議が国会においてなされる以上は、その論議も検討の中に参考として考えるということは、これは当然であろうと思います。そのことを申し上げた次第でございます。
  125. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 私もどういうことを大宅壮一君が言ったか、そういう内容を実は私はテレビを見ていなかったので知らないのですが。聞くところによりますと、死んでよかったというような発言があったというように聞いておるのです。死人に対してこういうことばは適当ではないことばのように実は私自身も考えますが、そうかといって、そういうことばがあったから、放送法、電波法によって言論統制をしなくちゃならぬというようなところに飛躍すると、これはやはり憲法に抵触する問題だと思うのです。大臣が放送法、電波法によって言論の統制をしようというお考えがあるならば、これはゆゆしい問題だと思っていま質問した。どういうお考えなのか、もう少し具体的にどういうふうに処置をしたらよいのか、どういうように考えていらっしゃるか、お伺いしたい。
  126. 古池信三

    ○国務大臣(古池信三君) 今日の事態におきまして、言論の自由というものは特に尊重しなければならないわれわれの基本的な権利であると考えます。したがって、簡単に法律をもって言論の自由を束縛するとか、あるいは、これを規制するということは考えておりません。しかしながら、法の改正ということを目前にいたしておりまする今日、国会においてさような論議があったということは、やはり立法の際の参考資料として検討することは、これはしかるべきであろう、かように存じております。
  127. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 しかし、非常に抽象的な御答弁ですが、調査会から答申があった場合、実際具体的にどういう処置がとれるのですか。この言論の自由が保障されるときに、一評論家がそういう意見を述べた、これはけしからぬといってどういう処置を一体とれるのでしょうか。どういうふうにあなたはお考えになっておられましょうか。
  128. 古池信三

    ○国務大臣(古池信三君) 調査会の答申案がかような問題についてどんなふうに考えているか、それを見ないと私の考えも定まらないわけでございまして、その答申案を拝見した上で、十分に検討を加えていきたい。これは正直ないまの私の心境でございます。
  129. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 そうすると、大臣には具体的に何ら考えがないのだと、調査会から何か答申があったらそれを参考にして処置したい。しかし、その場合、調査会から言論統制の意見が出たら、やはりそれに従われるのですかどうですか。
  130. 古池信三

    ○国務大臣(古池信三君) 良識のある方々ばかり集まられた調査会の答申でありまするから、現代の国民思想と申しましょうか、社会の通念から言いまして、これに著しく背反したような言論統制の答申は出ないものと考えております。
  131. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 それならもう一ぺん伺いたいのですが、当然こういう言論は、評論家が自由に発言することを処置のしようがない問題だと思う。それを大臣はどういう答申がくるだろう、どうしたらそういう処置ができるのだろう、こういうふうに何か考えていらっしゃる、頭の中に何かひらめきがあると思う。だから、私はそれを確かめておきたい。そういうことなしにこういう発言をなさったら、あなた、挑発にのって、つい失言したということになりはしないかと思うのです。こういう発言は、私は適当でないというふうに考えるのですが、どうですか。
  132. 古池信三

    ○国務大臣(古池信三君) 新聞の書き方がいかにも法律によって規制するかのごとくに受け取られるような表現もあったようでありますけれども、私も注意してさような発言はいたしておりません。  また、何かひらめきがありはしないかというお話でありますが、やはり言論の自由というものはあくまで守らなくちゃならない、こう基本においては十分私は考えております。問題は、言論の自由と申しましても、やはりこれは国民的良識の上に立ってこの自由は守らるべきものである、あまりに良識にはずれた言論が自由に横行闊歩するということは、これは文明国家として恥ずべきことであり、さようなことはあってはならないと思うのでありますが、しからば、それは法律をもって規制できるかどうかということは、私は非常にむずかしい問題であると、こう考えておりまして、調査会の有識者の方々がこういう問題についてどんなふうにお考えになっているか、その答申を待っておる次第でございます。
  133. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 これは大臣、とにかく言論の自由が憲法で保障されている限り、法律をつくって規制するということは許されないのです。それではどういうことで規制するかということは、これはとうてい不可能なことなんですよ。こういうことは言わないでおいてくれと言っても、言う人は言うわけです。それで言ったのはけしからぬと言ってそれを法で処罰することはできないわけです。だから、これは良識にまつよりしかたがないわけです。良識にまつよりしかたがないというような意見が答申に出てくると思うのです。ですから、そういうものが出てきても、これは何ら拘束するものでも何でもない、力のない意見なんですよ。それにかかわらず、その答申案が出た場合は大臣は考慮しなければならぬというような意見を持っていらっしゃるから、それでは大臣はそういう不可能なことに対してどういう考慮を持っていらっしゃるのか、私は聞いておきたいのです。どんなんですか。実際は何か案をお持ちじゃないんですか。
  134. 古池信三

    ○国務大臣(古池信三君) 繰り返してお答えするようでありますが、現在何ら案の持ち合わせはございません。
  135. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 それでは将来立法をやるという意見もないし、言論統制をするという意見もないということをはっきり言明してください。
  136. 古池信三

    ○国務大臣(古池信三君) 言論を統制しようというような考えはございません。
  137. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 これ一つ私はやはり手段が残っていると思うのですよ。こういう場合は、とにかく個人の名誉を傷つけたということならば、やっぱり名誉棄損で遺族が法廷に訴えたらいいと思う。そういうことが一つ可能なだけだろうと思うのですね。だから、すぐこういう意見大臣が述べられたことは、ぼくは少し軽率であったように思うので、それで大臣のお考えを伺ってみたわけです。  それから、電電公社に、きょう私も、いま同僚議員が質問しました料金値上げの問題についてちょっと聞いておきたいのですがね。電電公社は、私の持っておる資料によりますと、昭和二十八年が五十一億円、三十二年が三百十億円、三十五年が六百五億円、三十六年度が六百七十五億円、三十七年度が五百四十三億円と、こういうふうに、三十六年度から三十七年度にかけて約百億円余りの減収があったというふうにつかんでおるのですが、そのとおりなんでしょうか。
  138. 井田勝造

    説明員(井田勝造君) 三十六年までは、仰せのように相当額の利益金をあげておるのは事実です。
  139. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 三十七年度になって減収になった最大の原因は何なんですか。
  140. 井田勝造

    説明員(井田勝造君) これはちょうど景気が下降期に向かっておりましたために、通話利用が少し落ちたといったようなこと。それから、三十七年度の九月末から料金制度の改正をやりました。こういうふうに大幅な料金制度の改正をいたしますると、何といいますか、お客様がこれになれないために、利用が減るという現象がございます。それから、新料金そのものが、かなりの値下げの要素を含んでおります。こういったようなことから、三十七年度は予算に対しまして百三十一億円の減収を生じた、大体そういうふうに考えております。
  141. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 この表で見ますると、三十六年度は一日に一億九千万円ももうかっているわけなんですね。日本で一日に一億九千万円ももうける会社というのはないと思うのです。日立や東芝よりも、その利益の三倍ほどの利益をあげておるのですね。それでなお赤字になるという最大の原因が、要するに金の使い道に問題があるんであって、料金に問題があるというのとは違うのです。どういうところにその金は使われているのですか。
  142. 井田勝造

    説明員(井田勝造君) 三十七年度の予算に対しまして百三十一億円減収があったと、こういうことは言えますけれども、決算上赤字ということではございません。やはり三十七年度も利益は生じております。
  143. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 それでは、予算の上の赤字だけだけれども、決算の上で赤字になってないというならば、料金値上げの理由にはならないじゃないですか。何で決算上の赤字になってないものを、料金値上げでよけい金を取らなきゃならぬのですか。理由は何なんですか。
  144. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) 先ほどもちょっと申し上げましたように、今後の長い将来を通観いたしますと、いままでは事務的の電話をつける数が比較的多かったのであります。同じ電話でも、各住宅の電話というものは、使用回数が非常に少ないのであります。したがいまして、一電話機当たりの収入から申しますと、事務用の電話の収入が非常に多くて、各住宅電話というものは非常に使用度数が少ないのであります。いままでは、どちらかといいますと、事務的の電話が比較的多くつけられたわけでございます。近ごろ一般の電話に対する要望が非常に強くなってまいりまして、各住宅電話の申し込みが非常に多いのです。今日すでに、御承知のとおり、百数十万の申し込みがまだつかないで持ち越して残っておる電話が多いわけであります。これらのものは、大部分は個人住宅電話でございます。今後も電話の申し込みは非常にますますふえると思いますが、その大部分はどうしても住宅電話が大部分である。こういうことになりますと、今後の趨勢といたしましては、一電話機当たりの電話収入というものはだんだん下降線をたどっていくという傾向にどうしてもならざるを得ない。一方物価の値上がりがあり、もしくはベースアッフがありまして、支出のほうは減らないで、どんどん増加するという傾向にあります。この両者をかみ合わせますと、いままでのような差し引き収支剰余金というものはそうたくさん出ないのではないか。ことに、今後数年を経ますと、加入者債券として引き受けていただいておる加入者債券の償還期がそろそろまいります。そういうことを全部総合して考えますと、以前のような収益といいますか、収支差額というものは大きく期待はできない。今後建設財源というものは、そういう収益から建設財源に繰り入れるということが非常に困難になってまいりますと、今後の建設財源としては、あるいは値上げということを考慮しなければならぬのではないか、そういう時期が近く来るのではないか、こういう話をいたしたわけであります。その点をこれから少し検討いたさなければならぬ、かように考えております。
  145. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 日本の加入者の負担金は、いま十五万円と、驚くべき高額だと思います。これはアメリカの六十四倍、フランスの四十二倍、西ドイツの三十七倍、イギリスの三十二倍、こういう金を加入者は負担させられておるのです。この負担金は何に使う金ですか、これは架設費に使う金なんでしょう。
  146. 大橋八郎

    説明員大橋八郎君) ただいまお話しの十五万円というものは、東京とか、大阪とか、大都市の加入の場合に、その加入者から公社債を十五万円引き受けていただいておるのです。これは負担金ではございません。一時借用をいたしておる金でございます。したがって、これは十年先になりますと、これを償還いたすのでございます。その間は、一般公社債と同じような七分以上の利息をつけて払っております。決してこれが直ちに負担金ではございません。この金はどこに使うかという話は、これは建設財源として使うわけでございます。
  147. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 ところが、この十五万円の加入者の負担金ですね、これは十五万円をほとんど加入者は持ってないで、大多数の人は市場に売りにいくわけです。そうして、大体十万円くらいでこれを買ってもらっておるようなことです。だから、返るときには、この人には十万円の金しか入らなくて、五万円という金はだれが一体もうけるかということですが、電電公社はこれを買い取るようなことはやってないですか。
  148. 井田勝造

    説明員(井田勝造君) いま、十五万円の債券を十万円で処分するといったような御趣旨の御発言がありたわけでございますが、これは毎日、新聞に相場が出ております。大体現在利付債で百円につき八十七円程度、割引債で四十円程度という相場が立っておりますので、その相場で処分できるはずでございまして、十五万円のものを十万円で売ったような例は、昔はそういうふうなことも聞きましたけれども、最近相当公社もPRにつとめておりますし、証券会社相当積極的にやってくれますので、そういったような例はないと考えております。
  149. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 それは公社が買い取ってぼろもうけをしておるというようなことはないですか、どうですか。
  150. 井田勝造

    説明員(井田勝造君) 公社が社債を引き受けていただきますのは、その十五万円の金が必要だからこれを引き受けていただいておるのでございまして、たとえ十万円という非常な安値にいたしましても、それをすぐ買い取ったのでは、五万円しか公社に入らないわけでありまして、そういうばかなことはいたしておりません。
  151. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 ところが、この赤字の原因は、料金の手直しがあったためにこういう予算面の赤字が出た――決算面では黒字だが、予算面では赤字が出たというんですが、それはやはり金の使途、いわゆる建設費、設備費にたくさんの金をかげるためにこういう結果が出てきておるのと違うんですか。
  152. 井田勝造

    説明員(井田勝造君) 出ました利益は、債券、借り入れ金の償還に充てまして、その残りは全部建設費に充てております。
  153. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 そうすると、要するに、こういうことを私は聞きたいと思うんですよ。これは、今度自動化の法案――首切り合理化法案とわれわれ言っている法案が出たときに、あらためて私はもっと詳しく質問するつもりでおるんですが、要するに、この設備の拡充によって実際利益を受けるのはだれか、自動化によって。それは、東京と大阪とを自動化することは、使用者の立場に立てば便利な点はありますよ。しかし、それにたくさんの金をつぎ込んで、大体だれがそういう電話を利用する人が多いのか。一般の人はそういう電話をほとんど利用しないわけなんですね。こういう電話を利用する人は、資本家、商人、会社、そういう人たちが使用する度数が多いだろうと、こういうふうに私は考えるんですが、一般国民の使う度数とそういう会社の使う度数とはどんな比率になっておるんですか。
  154. 宮崎政義

    説明員(宮崎政義君) いま資料を持っておりませんので、的確な話は申し上げられませんけれどもあとでこれは調べますけれども、ちょっと申し上げますと、市外通話の八〇%は大体百キロ以内のものが多いんです、市外通話の度数で申しますと。御存じのとおり、最近の経済圏の拡張あるいは生活圏の拡大ということは、昔と違いまして一般加入者もかなり百キロ以内のところの市外通話は伸びてきておるわけであります。もちろん、東京から九州の端のところというのは、特定の加入者あるいは特定の事業家というようなことになりますけれども、大体市外通話の大部分というものは百キロ以内というぐあいお考えいただいていいんじゃないかと思います。
  155. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 私たちの考えでは、電電公社が金をかけてやった設備を、それを実際に有利に利用している人は、大会社、そういう人たちが多くて、一般の加入者はその設備を利用する度数が少ないだろうと思うんですよ。そういう大会社が利用する設備に金をかけることによって赤字が出た場合に、赤字が出たからといって一般国民の電話料金まで値上げするということは、少しおかしいじゃないかといるのが私たちの考えです。
  156. 宮崎政義

    説明員(宮崎政義君) 数字を申し上げずに申しわけございませんけれども、私の記憶によりますると、中小企業等も相当利用されているわけでございます。したがいまして、市外通話の利用は、ちょっと数字をいま申し上げかねますけれども記憶では、前の料金改正のときに一応調べた資料がございますけれども、これもまたごらんに入れようと思いますが、かなり中小企業等が使っているわけでございます。
  157. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 これはこの法案とあまり関係のない質問ですから、また後日に譲りまして、法案関係のある点を少し聞いておきたいと思います。  各委員もおっしゃいましたから、私は端的に質問したいと思うのですが、私は、この日本船舶通信株式会社に七千万円の融資をするという話なんですが、そういうような無理をしないで、電電公社はあまりもうかっていないというよるな状態のときにそういう無理をしないで、こういう金を投資することはやめたらいいだろう。これは結論ですが、しかしそれ以上に、何で電電公社自身がこの事業をやらないのかという点を重ねて伺っておきたいと思うのです。
  158. 千代健

    説明員(千代健君) ただいま御質問の、公社みずからなぜやらないかというお話でございます。公衆電気通信法に、この公衆電気通信業務というのは公社みずからが行なうことがもちろんたてまえになっておりますけれども、その業務の種類が非常に特殊なものである場合、それから業務の行なわれる場所が公社の通常の事業所から離れている場合、こういったような場合には、それは大体委託というような方法でやることが許されているわけでございまして、この点は公衆法の第八条においても一号から六号にそれぞれ規定しておりますけれども大臣の認可を受けて定める条件に適合する者に委託するということになっておりますが、この船舶通信業務というのは、四六時中非常に時をたがわず架設したり、あるいは撤去したりする、こういった特別な作業がございます。それからまた、場所も海の上というような、私どものほうの職員がみずからやることが非常にむずかしいというような点もございます。それから、この問題につきましては、船舶の関係相当専門的な知識を要する、それから船の出入り等について、あるいは税関の関係、その他、私ども全員が交代勤務でやるために、全員がその知識を覚えなければいかぬ、そういったむずかしいことがございます関係で、そういった意味から、十一年前でございますか、これをいまの会社に委託をしてやったわけでございまして、従来の経験によりますると、やはり現在の工事をやる体制その他から見ますと、いまのやり方のほうが公社みずからやるよりも適当である、こういった考えでこれを委託する、そういった観点からこの委託業務をやるということが出たわけでございますが、それによって今度の投資の問題が出たわけでございます。
  159. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 それじゃ、日本船舶通信株式会社昭和二十七年十二月に発足したのですね。その前は一体どういう状態でやっていたのですか。
  160. 千代健

    説明員(千代健君) それまでは、全然戦後においてはやっておりません。船とおかとの通話は戦後やっておりません。会社ができましたのが昭和二十七年の十二月でございますが、二十八年の八月一日から実施しております。
  161. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 戦前は。
  162. 千代健

    説明員(千代健君) 戦前は、これも船というとなんでございますが、接岸している、岸壁にあるものにつきましては、これは岸壁電話としてやっておったわけでございます。つまり、沖へ出たものとの間ではやっておりません。
  163. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 それで、戦前はちゃんとそれは逓信省でやっておったわけでしょう。戦前やっておったものを、何で戦後こういうふうに切りかえになったのですか。やはり戦前やっておったとおりのことを電電公社は受け継いでやっておったら一向差しつかえないことじゃないですか。
  164. 千代健

    説明員(千代健君) 戦前はやっておりませんでした。戦後………。
  165. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 でも、戦前は岸壁のやつはやっておったのでしょう。
  166. 千代健

    説明員(千代健君) 岸壁に着いた船にそこからコンセントで電話をつける、このことはごく一部でやっておりましたけれども、たまたま戦争というようなことがありまして、なくなったわけでございます。
  167. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 だから、それをなぜ戦後電電公社が、岸壁にはもちろんのこと、沖がかりの船にもやるように、何で電電公社自身がやろうとしなかったのか。
  168. 千代健

    説明員(千代健君) その点は、実はこういう関係がございます。実は船が、貨物船その他沖がかりの船というのが非常に多うございまして、それがある時間になると接岸ができるというように港の中で動く状態が非常に多いものですから、これを一本に掌握したほうがよろしいというので、最初会社業務を委託いたします場合、論議の結果こういうぐあいにきまったわけでございます。
  169. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 私は、これはやはり電電公社自身がやるべきことだと考えるのです。社会党の同僚諸君からもそういう意見がたくさん出たと思うのです。そのやるべき事業を、船舶通信株式会社、これに肩がわりさして、委託してやったほうがとにもかくにも能率がいいとあなたはおっしゃるし、便利であり経営もうまくいくような話をされたのですが、公社がやろうと思えば私はやれる問題だと思うのです。それをやらない。何で積極的にやらないかというところにやはり問題があるのじゃないかと思うのです。電電公社事業というものは、一般国民に対するサービスということをまず第一に考えてやっておると思いますし、またやらなければならないと考えます。便利ということよりも、こうやったほうが安くあがる、もうかるということでやろうと、こういうことをやろうとしておるのではなかろうか、こういうふうに考えるのですが、この点はどうなんですか。
  170. 金光昭

    説明員金光昭君) お答えいたします。先ほど来営業局長もお答えいたしておるとおりでございますが、もともと船舶通信というものは公衆通信でございますから、電電公社がやるべき仕事でございます。しかしながら、電電公社の仕事のうちでは船舶通信の仕事というものは非常に特異な仕事でございまして、一般公社でやっておりますその他の公衆電気通信業務とは全然異質のものであるわけであります。そういうものを公社のほかの大事業の中でかかえてやるということになりますと、特殊の知識、技能というものを必要とするというようなことで、公社の中でそういうものをやるというよりも、それだけを抜き出して、別のそれに適当な会社に委託してやるというほうがより能率的、合理的であるという意味から、こういうような委託にいたしたわけでございまして、もちろんこれは、公社でやれということになれば、絶対にやれないものではございません。しかしながら、両方比較いたしまして、どちらのほうがより能率的であり、より経済的であるかということを彼此勘案いたしまして、このような方法をとった次第でございます。
  171. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 熟練が要るとか技術が要るということをあなたはおっしゃいますが、それならばその技術者を公社に入れたらいいじゃないですか。公社がやろうと思えばできるのです。
  172. 金光昭

    説明員金光昭君) この船の船舶通信というものは、港に入ってまいりますと、無線機を船まで持っていって据えつける。ところが、船の出入りというものは、二十四時間いつ入ってくるかわからないわけでありますから、そういう勤務の形態というものは、公社のほかの勤務と非常に違うわけでございます。そういうことから、やはりこういった特異の業種、特異の勤務形態をとるものというものは、むしろ公社の中でやるより、それだけ別にほかのものにやらせたほうがより能率的であるということから、こういうふうにやった次第でございます。
  173. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 船舶通信株式会社以外にも、たとえばこの間も委員会で話のありました自動車無線、あるいはベル・ボーイ、それからこれから電気通信科学の発展に従いましていろいろのケースが出てくると思います。そうすると、公社でやるよりも、一つ株式会社のようなものをつくって、いまの船舶通信株式会社のようなケースで事業をやらせたほうが便利だということになると、船舶通信株式会社投資するのでありますから、こちらにも投資せよということになってくるおそれがあると思るのですね。この投資対象が拡大されるおそれが出てくると思いますが、この条項でいきますと、国会での新たな議決をしないで、政令でどんどんやるということになると思うのです。そうなると、無責任な投資が行なわれる危険性が生まれてくると思いますが、こういう前例をこの法案でつくるようになると思いますが、そういうことが今後かってにやられていいかどうか。
  174. 畠山一郎

    政府委員畠山一郎君) ただいま先生から御指摘のございましたのは、この法律条文からいって、考えられるものとして申し上げたものでございます。  なお、将来かってにできるようになるかということでございますけれども、やはり「予算で定めるところにより」という条文がございますので、予算の際に御審議願うことになると思いますし、もちろん「郵政大臣の認可」ということもございますし、「政令で定める」ということもございますし、いろいろ制限がございますから、乱にわたるということは起こり得ないと考えます。
  175. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 しかし、そういう運営のし方によってそういうやっぱり乱にわたるという結果が全然ないということは保証されていないように思うのですが、どうですか。
  176. 畠山一郎

    政府委員畠山一郎君) 条文の上で申しますと、やはり公社がかってにやれるということにはなっていない。「郵政大臣の認可」ということと、「予算」ということと、「政令」ということと、三つで制限を設けている。そのうち特に予算につきましては、やはり国会の御審議を願うわけでございますので、乱にわたるということは起こり得ないと考えます。
  177. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 電電公社が設立されましたのは、たしか昭和二十七年――一九五二年だと思います。このとき国際通信部門だけ切り離して現在の国際電電株式会社になりまして、昭和二十六年内閣に設置された政令諮問委員会は、行政制度の改革に関する答申の中で、電気通信事業は将来民営に移管することを前提としてさしあたって公共企業体とする、こういう趣旨のことを述べておりますが、電電公社を将来民間企業に持っていく、電電公社株式会社にしていく一つの足がかりをここでつくるのだ、一つのステップとしてこの改正案が提出されているとも考えられるのですが、この点郵政大臣から基本的を考え方について答弁をお願いしておきたいと思います。
  178. 古池信三

    ○国務大臣(古池信三君) ただいまお述べになりましたような考えはございません。
  179. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 郵政事務からまず小包郵便だけはやはり民間経営に移そう、こういう考えがあって、年末のいわゆるストを控えて小包郵便だけ民間事業を委託したというようなことを耳にしたのですが、そういうことをちょっと考えると、将来電電公社株式会社に持っていく、すべての問題をそういうふうに処理していこうという考えは持たないのですか。
  180. 古池信三

    ○国務大臣(古池信三君) 小包郵便の問題は、本法案とは直接の関係はございませんけれども、目下郵政審議会におきまして郵便事業全体についての近代化、合理化というものに対して検討を進めてもらうように諮問をきたしております。その諮問に対する答申がありました上において、将来小包郵便はどうするかというようなことも考えてまいりたいと思っております。また、昨年の年末の際には、小包郵便物の配達業務を一部民間に委託したことはございました。さらに、法案について申し上げますと、この一部改正を契機として今後公社全体の業務会社経営に移すという考えは目下持っておりませんということをただいまお答えしたわけであります。
  181. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 目下は持ってないけれども、将来そういう方向にいくのではないかということを私は質問しているのですが、そういう方向をとっているのじゃないですか。
  182. 古池信三

    ○国務大臣(古池信三君) ただいま御指摘の問題は、これはきわめて重大な問題でありまして、私がここで簡単に申し上げられるような性質の問題ではないと存じます。かりに民営に移すというようなことが考えられるとしても、それは相当将来の問題ではなかろうかと考えております。
  183. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 電電公社のまわりには、日立、岩崎、東芝、日本電気、富士通信機、沖電気、古河電工、住友電工、藤倉電線など、数々の独占資本電電公社を取り巻いて、利潤追求をやっていると思いますが、それにアメリカの技術導入や、合弁、最近においては公社がアメリカで千五百万ドルの外債を募集して、外資を導入したりしております。アメリカ独占資本にとりましては、日本はこの上もないありがたい市場になりつつある。こういった点を見ると、電電公社の方針、考え方というものは、いまの公社をやがて民間株式会社にするという底意があるのではなかろうかと、私たちはこういうふうに考えて、それでいま質問したのですが、将来のことはともかくわからぬ、将来はそういうふうになるかもわからぬというふうに理解していいんですか。
  184. 古池信三

    ○国務大臣(古池信三君) 遠い将来のことでありますから、そういうふうになるか、あるいはならないか、これは今日断言すべき問題ではないと考えます。
  185. 占部秀男

    委員長占部秀男君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度といたします。これにて散会いたします。    午後一時三十四分散会