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1964-03-17 第46回国会 参議院 逓信委員会 第10号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年三月十七日(火曜日)    午前十時四十五分開会   —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     光村 甚助君    理事            鈴木 恭一君            寺尾  豊君            松平 勇雄君            野上  元君    委員            郡  祐一君            白井  勇君            野田 俊作君            最上 英子君            谷村 貞治君            安井  謙君            久保  等君            永岡 光治君            横川 正市君   国務大臣    郵 政 大 臣 古池 信三君   政府委員    郵政政務次官  金丸  信君    郵政大臣官房長 武田  功君    郵政省郵務局長 佐方 信博君    郵政省簡易保険    局長      田中 鎭雄君    郵政省人事局長 増森  孝君    郵政省経理局長 長田 裕二君   事務局側    常任委員会専門    員       倉沢 岩雄君   説明員    郵政大臣官房建    築部長     薬師寺 厚君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○簡易生命保険法の一部を改正する法  律案内閣提出)   —————————————
  2. 光村甚助

    委員長光村甚助君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。  簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案の審査を進めます。  質疑のある方は御発言願います。
  3. 久保等

    久保等君 私は、一昨年に発足した例の簡保郵便年金福祉事業団運営問題について若干お尋ねしたいと思います。  例の法案が一昨年この国会で論議されましたときに承った当時の実情から、その後現実発足して福祉事業団運営が約二年間ばかりなされてきた最近の実情等中心にして、お伺いをいたしたいと思うのですが、創立当初、いろいろ郵政当局から抱負らしい抱負等も伺ったのですが、その後、例の福祉施設その他で、昭和三十七年あるいは八年、本年度ですが、増設等も着々なされておるんじゃないかと思うのですが、加入者ホームそれから診療所、あるいは保養センター、そういったような施設状況について最初にまず承りたいと思います。
  4. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) 一昨年事業団設立されたのでありますが、その資金源はほとんどが簡保会計に求められておるのであります。資本金は、全額政府出資にかかる現金現物から成っておりますが、設立当時は、資本金は、現金現物合わせまして十二億一千万円余りであったのでありますが、三十九年二月末には、それが二十七億三千五百万円余りとなっております。  事業団運営いたしております施設は、加入者ホーム六カ所、保養センター一カ所及び診療所が二十九カ所、こういうことになっております。  加入者ホームでありまするが、これは、設立のときに現物出資のものが、熱海、別府、小樽と、この三カ所でありまして、診療所は二十九カ所でございます。その後、三十七年度に和倉が追加出資になりまして、三十八年度には白石白浜追加出資になったのであります。それから保養センターは、設立当時は全然ございませんで、三十八年度に有馬が追加されたのであります。それから診療所は、設立当時と全く同様に、現在も二十九カ所ということになっております。このほか、現在着工しているもの、または近く着工予定のものは、加入者ホームといたしましては、これは国において追加出資予定のものは、柏崎、皆生の二カ所であります。保養センターは塩原。それから事業団建設のものが、加入者ホームといたしましては、鴨川と道後、それから保養センターは、伊野、恵那碇ケ関、この三カ所になっております。したがいまして、三十九年度末には、加入者ホームが十カ所、保養センターが五カ所となる見込みでございます。  それから三十九年度におきまする予算に組まれて国会に提出されておりまする計画内容を申し上げますると、土地の購入といたしましては、加入者ホーム、これは、名古屋管内に一ヵ所、それから保養センター、これは長崎県の島原、長野県の鹿教湯、群馬県の磯部、奈良、山梨県の石和、この五カ所が予定されております。それから建物工事といたしましては、加入者ホームは道後、これは前年度からの継続であります。それから保養センター恵那、これも前年度からの継続。それから碇ケ関、湯田、それから三ケ根、妙高、この五カ所でございます。その他診療所関係の若干の工事がございます。  それから事業団になりましてから、診療艇更改をいたしましたり、診療自動車更改といったようなことをいたしております。  以上でございます。
  5. 久保等

    久保等君 ただいま診療艇お話がちょっとあったのですが、これは完成したのですか。それから診療自動車ですが、これも、台数はどの程度になっているのですか。
  6. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) 診療艇は完成いたしまして、高松診療所に配属いたしております。  それから自動車でございまするが、これは二十七台ございます。
  7. 久保等

    久保等君 その二十七台の更改状況といいますか、これは三十六年、三十七年等あたりでも、台数はやはり二十七台とあったのですが、それを更改しなければならぬというお話を当時説明として承っておったのですが、それが三十七年、三十八年、あるいは来年度あたりもかかるかもしれないのですけれども、そういった計画がどんなふうになっているのですか。
  8. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) 診療自動車は、東京池袋と、それから高松診療所を除いた他の診療所、したがいまして、二十七カ所へ各一台ずつ配備してあるわけでありますが、これの更改状況は、三十七年度には六台更改いたしております。三十八年度は全然いたしておりません。ただ、三十八年度は、予算のやりくりで若干、二台程度更改できるかとも存じております。それから三十九年度は、九台更改する予定でございます。
  9. 久保等

    久保等君 三十九年度のこの福祉事業団予算の概略、まあ、ただいま土地建物等の問題で御説明があったのですが、予算金額の面では、どういうことになっていますか。
  10. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) 三十九年度におきまして、収入面で、これは簡保特別会計からの出資金が七億七千六百万円。それから交付金が七億六千八百万円、事業収入が一億三千二百万円、ちょっと端数は、それ以下は申し上げておりませんので、正確なところは若干数字が動くとも思いまするが、合計いたしまして十六億七千六百万円。で、これが支出の面を見てみますると、業務費といたしまして八億二千九百万円、それから施設建設費が八億七百万円、それから予備費が四千万円、合計やはり同じく十六億七千六百万円でございます。
  11. 久保等

    久保等君 これは、本年度予算に比べると、どういう増加になっておりますか。
  12. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) 収入の面では、三十八年度資本収入、すなわち特別会計からの出資金六億三千七百万円でありましたので、約一億三千九百万円の増加、それから交付金は、三十八年度は五億八千万円でありましたので、一億八千八百万円の増加事業収入は七千七百万円でありましたので、五千五百万円の増加合計いたしまして、三十八年度は十二億九千五百万円でありましたので、三億八千百万円の増、支出面といたしましては、業務費は三十八年度は六億一千八百万円、結局二億一千百万円の増加、それから施設建設費は三十八年度が六億五千七百万円でありましたので、一億五千万円の増加予備費は、三十八年度は二千万円でありましたので二千万円の増加合計三十八年度におきましては、十二億九千五百万円でありましたので、三億八千百万円の増加、以上でございます。
  13. 久保等

    久保等君 福祉事業団の要員の面ですが、設立当初は、たしか五百何十名くらいだったと思いますが、現在はどういう数になっておりますか。
  14. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) 現在五百九十七名でございます。
  15. 久保等

    久保等君 一昨年の発足当時は。
  16. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) ちょっといま調べておりますので、後ほどお答えいたします。
  17. 久保等

    久保等君 加入者ホームなり、それから保養センターが逐次設立されて、簡保加入者の利便に供されつつあるわけなのですが、特に施設運営等については、どういう形で運営がなされているのか、お尋ねしたいと思います。その趣旨は、要するに、加入者意向等がどういう形で運営の面に反映されているのか、具体的な手続なり、方法等について御説明を願いたいと思います。
  18. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) 施設といたしましては、加入者ホーム、それから保養センター診療所と三つございますが、加入者ホームは、いわゆる俗称老人ホームと申しているのでありますが、その名前のように、長期に滞在するという点に主眼を置いて始められたのでございますが、その後、長期の人だけでは不十分である、やはり短期間でも、そこへ行って静養するというような希望も出てまいりまして、現在は、加入者ホーム長期短期と両方の施設を設けまして、この利用を願っておるわけでございます。  それから保養センターは、これはレクリエーションセンターとも申すべきものでありまして、加入者ホームがどちらかと申しますと老人層を対象としておるのに反しまして、保養センターは、もっと若い人たちが簡単にレクリエーションその他に利用できるようなところをねらったのでございます。  診療所は、これはその名のように、診療に当たっておるわけでございますが、診療所も、従来のただ医的の診療ということは一般の医療設備が逐次完備してまいりましたので、比較的これの利用というものは減少と申しまするか、増加は見ておりません。そのために、われわれといたしましては、この診療所の目的と申しまするか、診療中心を、最近非常に問題になっております成人病の予防というような面に重点を置きまして、人間ドックというようなものを主眼にしていきたい。また、従来から健康保険扱いもやっておりませんので、この方面の折衝を遂げまして、近く健康保険扱いもできるようにいたしたい、かように存じております。  それから先ほどの定員の面でございますが、発足当時は五百十七名でございました。
  19. 久保等

    久保等君 加入者ホームなり、保養センター等利用について、たとえば料金決定等についてはどういう方法でおきめになっているのですか。
  20. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) 料金の大綱は省令で決定されておりまして、その具体的の料金つきましては、これは郵政大臣認可事項ということになっております。
  21. 久保等

    久保等君 福祉事業団のほうから料金認可申請が出てくるだろうと思いますが、そうだとすると、認可申請される福祉事業団で、その根拠といいますか、金額決定をされるにあたってどういう方法をとっておられるか。
  22. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) ほかの機関の同じような施設料金を勘案して、申請を出してくるということにいたしております。
  23. 久保等

    久保等君 ただそれだけですか。
  24. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) その根本には、加入者福祉ということが当然考えられるのでありまして、なるべく安い料金でやるということが前提になっておるわけであります。
  25. 久保等

    久保等君 一昨年、事業団法案国会にかかって論議せられた際に、運営にあたって、できるだけ利用者やあるいは加入者等意向が反映できるような方法考え意味で、運営審議会といったようなものを考えるという御説明だったのですが、現実には、そういったものはないわけですね、じゃ。
  26. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) 運営審議会現実に設けられまして、年に何回か会合が開かれております。
  27. 久保等

    久保等君 その料金等決定というか、申請するにあたって、福祉事業団として、そういう運営審議会意見を聞くとか、あるいはいろいろ諮問をするというか、そういったようなことはやっておらないのですか。   〔委員長退席理事野上元君着席〕
  28. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) 料金つきましては、設立当時から変更は見ておらないのでありますが、ただ、最近問題っておる点もございまして、それらは運営審議会意見も十分聞いておると存じます。
  29. 久保等

    久保等君 そうすると、なんですか、福祉事業団に移行してからは全然値上げあるいは改定等を行なっておらないという御説明なんですか。要するに、発足前の料金そのままでずっと今日まで及んでおるということなんですか。
  30. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) さようでございます。
  31. 久保等

    久保等君 それで、少し話がこまかくなるのですが、白浜老人ホームのようですが、あそこの場合、利用料金が非常に高いのじゃないかというような話も出ておるようですが、何か、聞くところによると、一人一日五百円、しかもこれが食事抜きで五百円程度だと言われておるのですが、そういった程度金額になっておるのですか。
  32. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) ただいまのお話は、短期利用者に対する料金と存じますが、これは一人一泊三食つきで五百円ということになっております。
  33. 久保等

    久保等君 そうすると、老人ホーム長期の場合は、どういう料金になっておりますか。
  34. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) 長期の場合、独身用アパート式ホームにおきましては、基本的には部屋代一室一ヵ月で二千円、食事代が一日三食つき月額五千七百円となっております。その他、光熱費等は実費ということでございます。それから一戸建ちの小住宅式長期ホームがございますが、これは一戸一ヵ月で三千五百円、食事は原則として自炊ということになっております。
  35. 久保等

    久保等君 この料金は、いつごろ、何といいますか、定められた金額なんですか。福祉事業団移行後には改定をやっていないということになりますと、いつごろの料金決定なんですか。
  36. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) これは、熱海ホーム発足いたしました三十年当時にきめられたものでございます。
  37. 久保等

    久保等君 いま御説明のところで、特に短期宿泊等について一人一日五百円だというお話、その五百円は三食つき五百円だということでほぼわかったのですが、実は、ことしの三月号の文芸春秋に、谷口善太郎君が、現地へ行ったときに、寮の管理人の方に聞かれた話として、何か、一日一人五百円、しかもそれは食事を別にしてだという話で問題にされたような随筆をちょっと見たものですから、もし食事抜きで一日五百円ということになれば、確かに月額にすれば一万五千円ということで、きわめて高額な金額になり、たいへんだと思ったのですが、そうすると、いまのお話短期ですから、もちろん一室に三人か四人、適当に、何といいますか、要するに、大部屋等には大ぜい入れるような形になるでしょうけれども、いずれにしても、一人一日五百円で一切食事もついてまかなっておるというのが現状ですね。その点ひとつはっきりしておいてもらいたいと思います。
  38. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) 短期ホーム料金は、先ほど申し上げましたように五百円、これは宿泊費が二百円、それから三食三百円、合計五百円、こういうことでございます。  それから一つの部屋に大ぜい入れ込むということでございますが、これは、たまたま利用者の方々が大ぜい来られまして、まあ、何でも泊まれればいいのだというようなことで、狭い部屋に大ぜい寝るというようなことも、これはあるかとも存じます。私も、あの随筆については確かに拝見いたしたのでありますが、まあ、四畳半に何名も詰め込むといったようなことがあったように思いますが、白浜ホームには四畳半部屋というのはございませんので、何か、その辺の説明その他話の食い違いがあったのではないかと思っております。
  39. 久保等

    久保等君 こういう老人ホームにしろ、あるいは保養センターにしろ、非常に利用者の申し込みが殺到しておるんじゃないかと思うのですが、大体どの程度期間をおいて申し込めば現実利用できているのですか。たんへんな、よほど前に申し込まないと利用できないというような実情なんですか。
  40. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) これは、場所によっても若干違うのでございますが、また、短期長期によっても異なるのでありますが、短期のほうは比較的利用しやすい。長期のほうは、一度入ってしまえば、ほとんど出るということもないというようなことで、特に熱海あたりは、順番が一年もたっても回ってこないといったような状況もございますが、中には、まだあいている部屋もある。たとえば白石とか、そういう方面には、あき部屋があるという状態でございます。
  41. 久保等

    久保等君 いずれにしましても、その需要といいますか、利用したいという希望を持っておられる方が非常に多い。しかし、片や施設にはおのずから限度がありますし、また、いまのところ、まだまだ、加入者ホームにしましても、保養センターにしましても数が少ないことですから、これが利用できるという人は、きわめて限られたわずかな人だと思うのですが、そういったような意味で、いろいろ計画を立てられて、逐次これの増加をはかっていかれようとしておるのだろうと思うのですが、予算面では、しかしなかなか金額から見ると微々たるような感じがするのですが、一昨年、やはり十カ年計画といったようなものを一応考えておられたようでしたが、それは、特別その後、事業団発足して以来、内容等について検討せられたのかどうなのか、一応郵政省直轄でやっておられた当時の計画福祉事業団になっても継続して推進しておられるという程度にとどまっておるのですか、どういうことですか。
  42. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) 郵政省時代から比較いたしまして、事業団になってから、施設拡充整備は急速によくなっております。最近五カ年計画を新しく立て直しまして、これの充実に努力していきたいという考えでおります。ただ、予算の面におきまして、若干計画どおりにいかない懸念もございますが、これからは、五カ年計画が完全に遂行できるように、ひとつ十分努力を続けたいと存じております。
  43. 久保等

    久保等君 この福祉事業団に、何といいますか、支出する簡保資金限度、これは、ずっと前の御説明を伺ったときには、収入保険料の一%以内だとか、あるいは余剰金の五%以内だとかいうお話を承っておったのですが、いま言った余剰金の五%、あるいは保険収入の一%くらいにぎりぎり持っていかれることはできないのですか。明年度予算あたり考えても、十六億云々と言っておられたのですが、これは、少なくとも限度一ぱいということにはなっておらないのではないかと思うのですが、どうですか。
  44. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) ただいまお話のあったとおりでございまして、私どもは、収入保険料の一%をめどに、事業団施設運営の経費に充てたいという考え方でございますが、三十九年度を見てみますると、大体収入保険料が二千億程度でございます。事業団関係支出といたしましては十六億七千万円で、若干低いということが申せるかと思います。
  45. 久保等

    久保等君 それから、先ほど診療自動車の御説明があったのですが、これなんかにしても、本年度計画等を含めて、自動車そのもの台数増加はもちろん計画をしておられないらしいんですが、私この前、一昨年でしたか、法案が審議されておりました当時にも、台数増加について極力努力をされる必要があるんじゃないかというお話もしておいたのですが、要するに、無医村、無医地区等診療機関のない地帯あたりに対しては、特にこういう巡回自動車あたりがきわめて適切な施設でもあり、とかく医療機関というものは都市に集中するということで、適正配置のことについて厚生省あたり法案国会に出して先年国会を通過したという経緯もあるのですが、むしろ過度集中の傾向すらあるくらいですが、片や、非常に医療施設に恵まれない地帯がある状況から考えると、こういう診療自動車等巡回をしながら治療をしていくというようなことは、非常に私は適切な措置でもあるし、そういったことについては十分に力を入れていくべきではないかというお話をしておったのですが、そういう点については、先ほどの御説明で、はたして更改そのものも十分にこれは行なわれておるかどうか疑問だと思うのですが、これは相当経過年数のたったものじゃないかと思うのですけれども、そういうこまかいことは別として、そういった将来診療自動車そのもの増加させる、増設するといったような計画はお持ちでないですか。
  46. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) まことに先生のおっしゃるとおりでございまして、われわれとしては、今後この巡回診療ということに大いに力を注いでまいりたいと存じております。したがいまして、診療車更改増備ということは当然なさなければならない点でございます。残念ながら現在は更改手一ぱいといったようなことでございますが、今後状況に応じまして、こういった診療車増備ということも十分考え実行してまいりたいと思います。
  47. 久保等

    久保等君 それでは、私は福祉事業団関係のことにつきましてはその程度にとどめて、いま申し上げたようなことについては、ぜひ、単に従来の計画を推し進めるという程度じゃなくて、やはり適切な、いま言った自動車増備等はお考え願うとか、五カ年計画そのものについて、はたして具体的に御説明を願える段階にあるのかないのか、ちょっと疑問に思うのですけれども、いずれにしても、五カ年計画等をお考えになっておるならば、そういった計画の中で積極的に、この前の事業団法案審議の際に申し上げておったようなこともお考えを願って、十分にひとつお考えをいただきたいと思います。  それで、この簡保改正法案の問題について一、二ちょっとお尋ねをいたしたいと思うのですが、この郵政省で出された簡保一部改正法案のプリントの二十二ページのところをあけますと、第二表がありますが、第二表のところ、二十八年から三十七度度までの簡保収入保険料及び事業費比較等が出ております。保険料なり事業費等年度別経過が一応記載されておるのですが、この簡保関係の人の面ではどういう変化があったのか。要するに、人員がどんなふうにふえてまいっておるのか、お答え願えますか。この表に書いてある年度別に沿って。
  48. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) いますぐにお答えできかねますが、調べまして後ほど申し上げます。
  49. 久保等

    久保等君 それは後ほどお答え願うとして、それはそれとして、ひとつ簡保でいろいろ事務機械化等をお考えになって、具体的ないろいろ手だてを講じておられると思うのですが、簡保でやはり、たとえばキーパンチャー等の方が相当おられると思うのですが、どのくらいおいでになりますか。キーパンチャーは。
  50. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) これも、いまちょっと手元に資料がございませんので、後ほどお答えを申し上げたいと思います。
  51. 久保等

    久保等君 最近、キーパンチャーの方で、民間の保険会社等でいろいろ問題を起こしておることをときどき私も新聞等で見るのですけれども、要するに、職業病的な——たとえば腱鞘炎といったような、もちろん婦人の方ですが、二十歳ちょっと出た程度婦人方等が職業病にかかって、一種の、何というか、ノイローゼのような症状で自殺をされたというような事例も過去においてあったようですが、簡保でそういったような病気等にかかられたようなお話はありますか、ありませんか。
  52. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) 私の聞いておる範囲では、ノイローゼといったような非常にひどい病気になったということは聞いておりません。ただ、指がちょっとぐあいが悪いといったようなことで、一時他の職場に移したといったようなことは聞いております。
  53. 久保等

    久保等君 その、指がちょっとぐあいが悪いというのは、いわゆる医学的にいうと腱鞘炎というものに該当する病気といいますか、症状じゃないかと思うのですけれども、要するに、人さし指あたりのところが特殊な痛みを覚えたりするような症状だそうですが、そういったことを、ある程度、私は、医学的な立場から研究をせられ、あるいはまた、これに対する十分な予防措置といいますか、こういったことの発生のないような措置等考えていく問題が簡保なんかの場合にもあるのじゃないかと思うのです。そういったようなことを、何か医学的に、あるいは統計的にお調べになったり、それに対する対策等をお立てになったことはないのですか。その人員は、いまのところ、御説明がないから、見当がつかぬので、私も抽象的なことしかお尋ねできないのですけれども、人員はまだわかりませんか。
  54. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) 最近、キーパンチャーの問題がかなりやかましくなってきておりまして、保険事業におきましても、従来からパンチャーもおりますし、今後機械化の進展に伴いまして、この問題は重要な問題だと存じます。関係の部門では、部外との連絡、それから適切なそういった面の研究をしておるようなところ等とも十分打ち合わして、これの対策を進めつつあるところでございます。  それから、この定員の面でございますが、三十年度以降の数字がここにありますが、三十年度が四万三千七百五十八人、それから三十一年度末が四万三千九百五十八人、三十二年度が四万三千九百三十四名、三十三年度は四万三千九百三十四名、これは同じでございます。三十四年度も同じ。それから三十五年度は四万三千九百六十九名、三十六年度が四万四千八百六十四名、それから三十七年度が四万五千三百二名、三十八年度が四万六千三百七十六名でございます。  それからキーパンチャーの数字は、もうちょっとお待ち願いたいと思います。   〔理事野上元君退席、委員長着席〕
  55. 久保等

    久保等君 それで私、キーパンチャーの問題について特にお願いを申し上げておきたいと思うのですが、いまの局長お話で、他のこういった同種の産業といいますか、そういう方面とも十分連絡をしたり、あるいは研究をしたり、十分に対策を考えていきたいというようなお話なんですが、これがはたして職業病と認定せられるかどうかというような医学的な問題についても、まだ解決されておらないようですが、保険会社等では、そういった先ほど申し上げましたような事故が現実に出たりなんかして、非常な切実な問題として研究をせられておるようですが、私は少なくとも、もうすでにこういった機械化されて早いところでは十年前後になる。経験がもうすでにあるわけですから、そういう中から、この問題そのものについても、十分に職業病としてやはり認定のできる段階にきておるのじゃないかと思うのです。しかし、これについても、医学界での見解が必ずしも一致しないといったような問題もあるようですが、やはりこういった問題について、まず根本的な見解というものを明確にする問題が一つ。  それからまた、こういった事態の起こらないような措置を講じてまいる。すなわち、勤務時間の改善といいますか、勤務時間等の内容を、たとえば休憩時間を随時設けていくとか、あるいは総体的な勤務時間を短縮するとかといったようなことでもちろん防止できることなんですが、そういう時間短縮なんかの問題も、特にこういったキーパンチャー等の問題については十分考慮していく必要があるのじゃないかと思うのですよ。だから、そういった問題については、これは電電公社の場合にも、最近、事務近代化に伴って機械化されてきておるのですから、特にまた電話の料金収納等の関係の事務も、こういった計算機等を使います。電子計算機等を使ったりなんかするものですから、いろいろとキーパンチャーの問題が出て、問題になっております。そういうこともございまするから、郵政省で特にそういう面の仕事の多い簡易保険、あるいは貯金局あたりもそうだと思うのですが、こういった問題についても、十分にひとつ研究調査をされて、私は医学的な対策と同時に、救済措置を十分にひとつ考えていってもらいたいと思うのです。  まあ人員がどの程度になるのか。あるいは過去においてそういう症状を起こした職員の方が何人ぐらいおられるのか、そういったことについて、いまここで局長のほうから即答願えなければ、そういったこと等についてもお調べ願って、研究をいただきたいと思うのです。  まあ、先ほどもお伺いしたのですが、人員等についてはわかりましたか。
  56. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) 人員等につきましては、もうちょっとお待ち願いたいと思います。  それから、ただいまのお話でございますが、私どものほうには医事研究所というものがございまして、これが中心になって調査研究をしておるのでございますが、まあ当面の問題といたしましては、たとえば五年以上継続勤務者につきましては、ほかの手作業業務に移す、あるいは休息時間を拡張するとか、休憩室の設備を改善するとか、さらには、その事務室内に軽音楽を流して疲労度を緩和するといったようなことにつきまして検討を進めておる状況でございます。
  57. 久保等

    久保等君 簡保の場合には、そのキーパンチャーが何人ぐらいおられるところが一番多いところですか。一カ所にですね。
  58. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) 保険業務関係のキーパンチャーは、全部で百十九名でございます。
  59. 久保等

    久保等君 まあ、いずれにいたしましても、人員の多寡にかかわらず、特殊な職種ですし、特殊な作業ですから、これに対しては、ひとつ、先ほども申し上げたように、十分に健康診断等も随時やっておられるのでしょうけれども、そういった健康管理の面も十分やっていただくと同時に、そういう、何といいますか、職業病の発生の防止を格別にひとつお願いしたいと思うのです。
  60. 古池信三

    ○国務大臣(古池信三君) ただいま御指摘になりましたように、最近、民間といわず、官庁といわず、事務の機械化ということが非常に進められてまいっております。したがって、それに伴って、健康に与える影響ということも決して少なくないと想像されますので、これについては、郵政省としまして今後十分に検討を加えて、万全の措置をひとつ講じてまいりたい、こう考えます。
  61. 久保等

    久保等君 先ほど、医事研究所等でこういった問題についても、調査なり研究をされたというお話だったのですが、この医事研究所も、先般のあの福祉事業団発足に伴って、従来医事研究所で診療等もやっておられた部門は、これは福祉事業団のほうへ移ったのだろうと思うのですが、それで、あとは比較的純然たる医事研究的な面をいまの郵政省で医事研究所としてやっておられるのじゃないかと思うのですが、医事研究所の陣容といいますか、機構といいますか、そういったようなものはどういうふうになったのですか。だいぶ変わったのじゃないかと思うのですが。
  62. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) 先ほど申し上げました医事研究所は、これは人事局の医事研究所でございます。
  63. 久保等

    久保等君 それは、どういった陣容でやっておられるのですか。人事局の医事研究所というのは。
  64. 増森孝

    政府委員(増森孝君) 医事研といいますのは、正式な機関ではございませんで、いま、もっぱら人事局の保健課でそういったものも研究しておる次第でございます。
  65. 久保等

    久保等君 それは、名前はどういう名前ですか。保健課……。
  66. 増森孝

    政府委員(増森孝君) ほんとうの名前は人事局保健課でございまして、そこにたぶん——私もつまびらかにしませんで申しわけないのですが、前に保健課長をやめました人が主になって、そして一種の、何といいますか、委託されるというような形で研究しているのがいまの医事研の現状でございます。
  67. 久保等

    久保等君 まあ、何か実体があまりなさそうな話なんですが、私何も、医事研の問題で最初からお聞きしたのじゃないのですが、結局、キーパンチャー等の新しい職種の問題から出てくる病気その他の症状等に対する予防、あるいは治療等の対策を十分に考えてもらいたいということを申し上げたのですが、何か、そういったことについても、いまの程度ではきわめてたよりない話なんですが、やはり大臣の先ほどの御説明もございましたが、こういった問題についても、もう少し、こういったものに対する、何といいますか、これは専門的な問題ですから、当然医者等を配置し、しかも相当長期にわたって研究してもらわないと、何か問題があったからといって、一、二度診察をして、すぐ問題が解決するという問題じゃないと思うのですが、やはり、長期的にある程度しっかりしたスタッフをそろえて、陣容をつくって研究調査をしないと、成果があがってこないと思うのですが、どうもいまのお話を聞くと、何か、あるのかないのか、はっきりしないようですが、もう少ししっかりした陣容を整えられて取り組んでもらいたいと思うのですがね。これは、単に簡保だけの問題じゃないのですが、貯金局等にもありますし、さらにその他の職種の場合にも、事務近代化に伴って機械化されていく面が徐々に出てきておるのですが、これは一つの例にすぎませんけれども、まあ、その他いろいろ職業によって出てくる病気等について調査研究を要する問題があるのだろうと思うのですが、特に郵政省のような、何十万という従業員をかかえてやっておられる現業官庁なんですから、単に病気の出てきたことを、症状をとらえてこれを治療するということじゃなくて、もう少し体系的に研究をされる必要があるのじゃないかと思います。そういう点については、何か、いまの御説明では、非常に陣容その他の面において手抜かりというか、きわめて不完全なような気がするのですが、とれについて、ひとつ今後十分にお考え願いたいと思うのです。
  68. 古池信三

    ○国務大臣(古池信三君) ただいまの御説、私まことにごもっともだと存じます。確かに、いままでのやり方は、私から見ましても不十分であったんじゃないかというふうに思います。御説のように、非常に多数の従業員を擁する事業でありまするから、従業員の保健、特に事務機械化に伴う健康保持というような問題については、今後特別に注意をいたして、十分に研究もし、また対策も講じていかなくちゃならない、かように考えております。
  69. 増森孝

    政府委員(増森孝君) ちょっと久保先生から、たいへん御苦言が出まして、申しわけないのですが、どうも医事研がたよりなかったものですから——研究そのものがたよりないのではないのでございまして、私どもこれは、組合等からも前々から要求がございまして、そうして、たとえば保険局等にも、あるいは貯金局等にも、それぞれ医務室がございますので、そういった関係の医務室なり、あるいは関係のお医者さんなり、専門家なり、そういったような人たちにいろいろとデータを出し合ってもらいまして、そうして根本的に検討しようという段階になっているのでございます。したがいまして、私どもとしましては、そのデータに基づいて何らかの結論を出したい、こういうふうに思っておりますので、その辺御了承願いたいと思います。
  70. 久保等

    久保等君 人事局長にお尋ねしますが、データを出し合って、何らかの結論を出したいというのですが、いつごろからそのこと自体について取り組んでおられるのですか。
  71. 増森孝

    政府委員(増森孝君) 一昨年の暮れの団交でその問題がございまして、その後鋭意データをとってやっております。
  72. 久保等

    久保等君 ですから、問題は、単に郵政省だけの問題じゃなくて、医学的な問題になってくる。これは学界なり、あるいは他の同種産業方面のデータ等もいろいろ集められて、総合的な検討を加えられるだろうと思うのですよ。だから、単に郵政省内だけで、何ヵ所かしりませんけれども、出てきたデータだけを突き合わしてどうこうという簡単なことにはならぬだろうと思うのです。したがって、そこで相当私は、そういった方面の研究調査までということになると、単に診療した結果のカルテかなんか、そういったものの資料だけ集めて、関係者だけで何か相談をして、というわけにはいかない。相当何か手数のかかる、また広範な方面からの資料等を集めなければならぬという問題等もあると思うのです。だから、そういう点から考えると、先ほどもちょっとお尋ねしたように、必ずしも十分な——全然手をつけておらないという意味じゃなくて、はたしてそれに対応できるだけの陣容なり機構——機構といいますか、組織なり体制なりというものができていないのじゃないかという点を私お尋ねしたのですが、大臣からお話もございましたが、ぜひそういった点について、十分やり得るということならまた別なんですが、そうでないとすれば、やはり思い切ってそういう方面についての体制を確立していただく必要があるのじゃないか。それで、こういう問題については、できるだけ早急に結論を出し、しかも従業員の諸君の不安なり、あるいはまた犠牲なりというようなものも未然に防いでいくというようなことをやってもらわなければならぬのじゃないか、そういうことでお尋ねしたのですが、先ほど大臣からの御説明もございましたから、今後もひとつ十分な御努力をお願いをしておきたいと思います。  それから次に、先ほど簡保関係の職員の定員の数をお知らせ願ったのですが、要員が若干、ここ約十年近い経過をながめてみると、ふえてはおるようですが、また一面からいくと、三、四年ほとんど人員に変化がないといったようなことになっておるのですが、こういった点は、どういう根拠でこういろ経過になっておるのですか。要員のはじき方の問題ですが、もちろんこれは大蔵省で定員の査定等があって、実現をさせたいと思ったが、なかなか増員が実現しなかったというような経過もあるのだろうと思うのですが、全然要員がふえない年度もあったようです。三十二年、三十三年、三十四年度あたり一名もふえておらないといったようなこともあるようでありますが、これはどういう経過だったのですか。
  73. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) 保険事業の定員につきましては、ただいま久保委員のおおせのとおり、三十九年度では、二百九名、三十八年度では百九十名、三十七年度で二百二十二名、三十六年度で一千七名、三十五年度四十名、三十四年度で五名というような増員のしかたできているわけでございます。で、保険事業の定員につきましては、いろいろな出し方もあるかと存じますが、集金とか募集とかの件数などが数字的には一応の根拠になってやっておるわけでございます。同時に、予算の編成方針、あるいは行政管理庁を中心にいたします要員管理等の観点からして、増員は年々、極力押えるというような方針で、予算あるいは定員が組まれたり、きめられたりしている実情でございまして、それやこれやいろいろ勘案いたしまして、このような数字になっている次第でございます。
  74. 久保等

    久保等君 この保険募集の目標、これは年々一人当たりやはりふえてまいっておると思うのですが、そこらのところは、どういう根拠で募集目標をふやしておるのですか。ただ単に、何かばく然とはじき出した数字なんですか。要員と募集目標との関係というのは、どういう関係になっておるのですか。
  75. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) 募集目標算定の上におきまして、要員も一つの要素にはなりますが、そのほかに、経済情勢とか、もろもろの要素をかみ合わせまして目標を算定いたしますので、要員のみで目標の数字が左右されるということは、そう一がいに若干影響はいたしますが、それのみで動くということにはなっておらないわけでございます。
  76. 久保等

    久保等君 ただいまの御説明のようなお話があるだけに、私はやはり、結果的に無理な目標の押しつけになるということも多分に出てくる可能性があると思うのです。ということは、経済情勢その他の事情というようなことで、結局目標額がふやされるということになってくると、何といっても、募集目標の金額が上がれば、それだけ、無理をしてでも募集をしていかなければならぬということになってくると思うのですが、そういったことについて、もちろん無理のかかることを承知の上でやっておられるわけじゃないでしょうけれども、結果的によほど無理をしなければならぬ。一面からいえば、しりをたたかれたたかれ募集をやっていくというようなことに現実はなっておるのじゃないかと思う。しかも、今度のこの法案の改正によって、最高限度額を引き上げるということになってくると、なおさら大口の加入者を募集しなければならぬというようなことで、従業員に対するいわば過大な要求というようなことになってくる可能性が非常に多いと思うのです。そういったことについては、どういうふうにお考えになっていますか。
  77. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) 募集目標算定の基準、先ほど非常に概略的に申し上げましたが、要素といたしましては、外務員の数、人口、世帯数、個人所得、貯蓄実績、それから地方税の収納額、国税の納付額、ラジオ、テレビの有料の契約数、あるいは新聞の配付数、このような点を勘案して算定をやっております。  ただいまのお話でございますが、今度百万に上げるということは、私どもは、それだけ外務員の募集環境をよくする、募集がしやすいようにということを考えておるわけでございまして、それによって外務員がしりたたきをされるとか、強制割り当てで苦しむというようなことは、いささかも考えておりませんし、そういうことは、現実としても、われわれとしては、そういう姿はないというふうに思っておるのでございますが、もしそれに近いような状態があったといたしますれば、今度の法案改正によりまして、そういう環境がよくなって、募集がしやすくなる、こういう点にわれわれの意図するところがあるわけでございます。
  78. 久保等

    久保等君 確かに、百万円に最高限度を上げたいという考え方の中には、いま説明せられたようなことも理由として説明できると思うのですが、ただ、現実問題として、これが実施せられたという暁には、私は、一面において、そういう大口加入者等は、もちろん、従来五十万円じゃ少し少ないじゃないかといったような加入者等については、百万円の最高限引き上げによって勧誘がしやすくなるでしょうが、総体的な金額は、これは当然、募集目標というものは、上がっていくだろうと思うのですが、そういうことになってくると、もちろん何も百万円ばかり集めるわけじゃないので、小口のものも募集をしていくでしょうが、やはりそれだけ努力をしなければならぬ。それだけ従来より以上に特別の配慮をしていかなければならぬというようなことで、募集される職員の方には、それだけ労働が重くなっていくことは、私は現実の問題として十分考えられると思うのですよ。したがって、そういった点の、少なくも内容の十分な配慮も、ぜひひとつ考慮しておいてもらいたいと思うのですが、局長の言われるような話でいけば、全然問題のないようなお話でありますけれども、現実にはそうはいかないのじゃないか。要するに、目標額自体が上げられてまいれば、その目標額をどの金額程度の種目で集めようと、それはある程度私は自由だろうと思うのですが、しかし、いずれにしても、むしろ労働が従来より以上にかかっていく可能性が強いのじゃないかと、私はそう思うのですが、ぜひ、そういったことのないように考えていってもらいたいと思うのですよ。
  79. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) 現在の目標は、昨年の九月から始めましたいわゆる募集年度の目標ということでありまして、これは、ことしの八月末までその募集年度が進行するわけですが、今回の法案によりましてその目標は全然いじる意図はございません。それから、ことしの九月以降の目標を幾らにするかということは、これはまた後にその時点で考えることになるわけでありまして、ただいまお話しになりましたように、今度の法案が成立した暁に、外務員がいまよりも苦しくなるということは考えられないのでありまして、ただいま先生のおっしゃったようなことのないように、われわれも心がけてまいりたいと思います。
  80. 横川正市

    ○横川正市君 実は、私の質問保留条項から入っていきたいと思うのでありますけれども、私の質問の内容が、おそらく郵政当局では答弁のできない問題があるのではないかということで、さきに特定局長会の幹部、それから特推連の幹部の出席を求めるように要請をしておきましたが、これはいまもって理事会の決定に至っておりませんので、私は、その点を、当局からの答弁でカバーできれば、あえて出席を求めないで済みますので、引き続きひとつ郵政当局に質問をいたしていきたいと思います。  その質問をする前段としてお伺いをいたしたいのは、昭和三十六年、七年、八年、そして、ことしの予算における借り上げ局舎に対する予算が、当初の予算と実行予算がどういうふうに推移されておるか、それを第一問としてお聞きいたしたいと思います。  それから第二問は、普通局舎の借り上げと特定局舎の借り上げとを分けて、そのパーセンテージを、これは概数でよろしゅうございますから、お答えをいただきたいと思います。
  81. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) ただいまの御質問の中の前段の、特定局の局舎借料の予算と実行の点でございますが、三十六年度、七年度のは、ちょっと手元に持ち合わせておりませんので、八年度のだけについて申します。  予算が十三億八百万でございます。一応使用を予定しております金額は十三億九千六百万でございます。この部分だけについて見ますと、やはり九千万足らず、八千万余り、使用を予定しております金額のほろが大きくなっておりますが、御承知のとおり、借料全般は、予算が需品費という目の中に入っておりまして、その需品費の中の特別事務費、その内訳として、宿舎の借料、それから局舎の借料という、ことに局舎の借料全般では予算が十九億六百万、それから実行を予定しておりますものが、これはかなり内輪になって出ているわけでございます。とりあえずお答えとしてはそのくらいであります。
  82. 横川正市

    ○横川正市君 その特定局とその他の割合はどうなっておりますか。
  83. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) 予算で十九億六百万のうち、特定局として一応区分されておりますのが十三億八百万、それからその他の局舎とか病院とか、そういうものが五億九千八百万でございます。
  84. 横川正市

    ○横川正市君 そうすると、局舎料の値上げの推移というのは、昭和三十五年に改定をして、三年そのまま据え置かれて、三十八年に改定をされているわけですが、三十六年と三十七年の予算実行がわからなければ、三十八年の増加額については、これは比較はできませんか。
  85. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) 前回の値上げは昭和三十三年でございまして、三十八年度に値上げを予定しましたのが五年目でございますが、昨年につきましては、私、先ほど申し上げましたように、特定局の分につきましては、一応予算上区分されておりますのが十三億八百万、それから使用を予定しておりますのが十二億九千六百万でございますが、年度当初、予算増加いたしました金額が一億七百万でございます。で、実行計画におきまして増額を予定いたしましたのが、増額することとして取り運び中のものが、約二億四千万前後になるかと思います。したがいまして、これは年間の増減、いろいろな事情がございますけれども、三十六年度、七年度等におきましては、こういうような現象は起こっておらない、ちょうど五年目、三十三年に値上げをいたしましたあと、五年間据え置きました上で、いろいろな事情を考えまして、三十八年に値上げをしよう、三十八年度限りの状況についてみますと、全体としては十分いま間に合っておりますけれども、こまかな特定局の区分というところについては若干動きが出ている。あと、この次はどういうことになっていくかわかりませんが、最近までのいろいろな事情の変動に応じまして、五年ごとぐらいに値上げをしておりますので、五年間に私どもは——ことしは、いろいろな事情から、こういうような措置をとったわけでございますけれども、今後におきましても、予算上の非常な細区分のようなものとは申せ、そういうようなことはないようにやっていくつもりでございます。
  86. 横川正市

    ○横川正市君 局舎料の取り扱いで、いま経理局長の言われるように、一般社会の経済上の推移に伴って、五年目五年目にこれは改定をされるという、そういう考え方で、三十三年ですか、三十三年から今回までの一般社会の経済事情を見て、五年目に該当するから改定をしたと、こういうふうに私どものほうでとってよろしゅうございますか。それとも、局舎料の改定は、年月にとらわれないで、随時状況によって改定をしなければならないものと、こういうふうにお考えになっておりますか。どちらですか。
  87. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) これは、事情によりまして、非常な変動がありましたような場合には年々ということも考えられますが、私どものほうの実際の経過から申しますと、二十八年にやりました。その後、三十三年にやっております。別に五年目ごとにやらなければならないということではないと思っておりますけれども、三十三年以来相当の事情の変化もあるというようなことからして、三十八年度に実施することにしたわけでございます。
  88. 横川正市

    ○横川正市君 そうすると、これは、三十六年から倍増計画によりまして、ことしで大体二割程度の諸物価の値上がりも明確に出ておるわけですが、おそらく経済上の急激な変動といえば、戦後のインフレか、あるいは倍増計画によるところの物価の値上がりか、顕著な例としては二つあげることができるわけですけれども、そういう状況というものが勘案されて検討されたものではなくて、三十三年から五年間という期間的な経過を経て改定に踏み切ったと、こういうものなのか。その点がまだ明確にならないわけですが、たとえば、それは三十九年度から五年たって、現在のような経済が安定をしていっても、やはり状況によって五年目に検討すると、こういうことなのか。それとも、安定すれば、これは何十年でも同一料金で取り上げていく、こういう考え方に立つのか。私は大体後者じゃないかと思うのですが、どうですか。その点。
  89. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) ちょうど、たまたま二回続いて五年目ということがあったわけでございますが、その間、事情の変化も相当ございまして、直接には、同じようなほかの借料、世間の借料が相当上がっているということ、あるいは税金だとか地価だとか建築費等も上がっているというようなことからしまして、今回やったわけでございますから、お話のように、そういうほかの事情が変化しないというような場合におきましては、当然横ばい——そういうことはないかもわかりませんが、場合によれば、事情が変われば逆に少なくなるということもあり得るかと思っております。
  90. 横川正市

    ○横川正市君 この局舎料の改定等に、家主であるところの局長会の団体から郵政当局に対して、一体どういう要請が——五年間、ことに三十六年からは著しい物価の値上がり、あるいは周囲の情勢の変動もあるわけですが、どういう要請が郵政省のほうに来ておるか。
  91. 薬師寺厚

    説明員(薬師寺厚君) ときどき特定局関係から値上げの要請はあったようでございます。詳しい事実その他につきましては、いまこまかい資料を持ち合わせておりません。
  92. 横川正市

    ○横川正市君 この局舎料の値上げに関係して、自主的に周囲の情勢を勘案しながら値上げをしていくという積極的な立場がありましょうけれども、まあ従来は、あまりそういう積極的な態度というのは見られないのじゃないかと思うのですが、必要に迫られて……値上げの要請が、家主である局長から郵政省のほうに出されておったのではないか。その一つには、たとえば金額について、今回の予算措置で満足をされたのか、されないのか。たとえば要請額はもっと高いものであって、話し合いの過程でこの程度にとどめたものであるか、ですね。もっと具体的に、局舎料値上げについての家主と郵政省との折衝過程がわかれば、ひとつお教えいただきたいと思う。
  93. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) 私の記憶では、事情も相当変わりましたことと、たまたま前回も五年目だったりしたことがございまして、三十八年は当然値上げをしてもらえるもの、あるいは値上げをしてもらいたいということが非常にございました。その際、たしか四億前後増額してもらいたいというようなことだったと記憶しております。
  94. 横川正市

    ○横川正市君 そうすると、そのときの大体値上げの予定額に対して二億四千万程度の引き上げを今回行なったと、こういうふうに数字からいって判断してよろしいのでございますか。
  95. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) 大体そうでございます。いまの二億四千万は、年度末の支出などで少し数字が動くかもわかりませんが、大体その程度、三十八年度について見ますと、そういうことでございます。
  96. 横川正市

    ○横川正市君 そうすると、年度末の大体一億九百万と予定された金額というのは、これは局舎料の移動であって、値上げによるものではないわけですか。
  97. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) ただいまの一億九百万といいますのは、三十八年度予算で増額された分でございますが、これは移動ではなくて、予算上三十七年度の借料の上に上積みをされた額でございます。いわば、予算上の区分ということで、一億七百万でございます。
  98. 横川正市

    ○横川正市君 そうすると、三十八年度予算額は十三億八百万円ですね、三十八年度は。それに年度末推定で一億七百万、それから大体ことしの値上げ分二億四千万程度と、こういうふうに積み重ねられていったわけですが、これは値上げの、年度末いわゆる三カ月分、それから三十九年度四月から十二カ月分と、こういうふうに分けて考えたらいいのかどうかですね。実際に局舎料の支払いは、ことしの二月に、昨年の四月から十一ヵ月分払っておりますね。そうすると、昨年の四月から二月までの十一ヵ月分に、さらに三月までのやつをプラスしたものが一億七百万、それからさらにその上にことしの四月から来年の三月までの支払い分が二億四千万ふえる、こういうふうに考えていいのでしょうか。
  99. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) 予算上の三十八年度の増額分一億七百万を加えましたものが十三億八百万でございます。それから今度実行のほうでは約二億四千万前後のものを加えまして、年度支出見込みが十三億九千六百万程度、そういうことになっております。なおこの二億四千万の分は、一年度全部を、昨年の四月以降の分を全部見込んでおります。
  100. 横川正市

    ○横川正市君 もう一ぺん建築部長にお伺いをいたしますが、局舎料の算定の場合、郵政省で提示をする設計に従って請負者が局舎の建築を請け負い、そのときに、ある程度坪単価というものは五百円とか千円とか動くことはあると思うのでありますけれども、算定の基準とされる場合に、どういう方法をとっておられるか。私は、前段にあなたに質問したときも、大体いまの提供されておる局舎は坪単価にしますと三万七、八千円から四万五、六千円ぐらいの坪単価で建てられて、それが郵政省では幾ら坪単価に見積もっておるか、五万とか五万五千とか見積もっておられて、その中から一坪幾らという借り上げ料が払われているという不良局舎が相当あるんじゃないかという質問をしたのですが、たまたま私が見たあれよりか、ある特定局長の、しかもこれは幹部局長意見の中に、現在のいわゆる局舎料値上げの要請に対して不満に思いながら局舎の提供者のその実情というものを訴えているのがあるわけなんですけれども、あなたのほうでは、どういう検査をしながら局舎料を算定するのか。これは全国ですから相当な数ですから、一つ一つ全部部内監査をどうこうということにはならぬと思いますが、概略でよろしゅうございますが。
  101. 薬師寺厚

    説明員(薬師寺厚君) お答え申し上げます。  局舎料を算定いたします場合は、新築の場合でございますと、図面——青写真でございますが、それには、平面、立面、それから構造の図面もつけるようになっております。それと、簡単な仕様書と見積もり書がついております。それを郵政局で検討いたしまして、基礎といたしております。実際につきましては、何ぶん数が多いものでございますから、その借り入れの際に技術屋が一々立ち会って検査するというわけにも実情としていっておりませんので、借り入り担当者がまいりましたときなんかに、一応検討することになっておりますが、完全とは申せませんと思います。
  102. 横川正市

    ○横川正市君 そうすると、これは一部分であっても、借り上げ料は正規にもらい、事実上提供する局舎は借り上げの条件の備わらないものもあるということは認められますね。
  103. 薬師寺厚

    説明員(薬師寺厚君) 特殊な事情がございまして、たとえば自分のうちの木を切ったとか、そういったことがあった場合には、こちらのほうとしてはわかりませんです。一般にやられた場合でございましたらば、大きな間違いはないと思います。
  104. 横川正市

    ○横川正市君 検査するあなたのほうが間違いがないと言っても、提供する局長側が間違っているというのですが、これはどっちがほんとうだと思いますか。提供する局長側が、不正があるのだ、こう言っているのですから。検査するあなたのほうでは、提供を受けたものを外から見るわけですね。それで間違いない……。どっちが正しいと思いますか、そういう意見がぶっつかった場合に。
  105. 薬師寺厚

    説明員(薬師寺厚君) 実際に、そのケース・バイ・ケースで見ないと、どちらともちょっと判断いたしかねるかと思いますが。
  106. 横川正市

    ○横川正市君 これは、そのあるということよりか、局長から言えば常識化されているのです。あなたのほうの借り上げ局舎は坪単価幾らときめられても、それより幾ら安く建てるかということが常識化されているのですよ、実際に。その点は、あなたのほうで借料を払う借り人なんだから、もっとりっぱなものを家主に要求するようにしてもらわないとまずいと思うのですがね、実際には。どうですかね、それは。もうこれから、そういういままで間違いないと思っているのだから直しようがないでしょうが、局長側は、そういう間違ったやつがあると言っているのですから、この点についてはひとつ明確にしておいてもらわぬと困るのですが。
  107. 薬師寺厚

    説明員(薬師寺厚君) 今後十分注意いたしまして、建築と借料が妥当なように努力したいと思います。
  108. 横川正市

    ○横川正市君 もう一つ、これは保険局の運用関係で関連がありますので、お聞きをいたしますが、衆議院の内閣委員会で取り上げられました昭和三十七年度地方債運用についての自治省次官通牒の地方債許可方針の中の第六項に関係して、地方財政再建促進特別措置法の二十三条の、五条一項五号によると、これは転貸債の分については一応除外されて運用されてよいことになっているようです。その場合、この五条一項二号によるところのいわゆる除外されていると判断をされる条文の運用について、これは調査をされたのではないかと思うのでありますが、いわゆるこの厚生年金その他の実際の運用の実情等をどのように検討されて、今回昨年八月八日の郵政次官通牒を出すに至ったか。その点の経緯をひとつ説明していただきたいと思います。
  109. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) ただいまの条文、ちょっと私手元に持ち合わせておりませんので、それにつきまして申し上げられませんが、あの次官通達を出す際には、あらかじめ自治省、大蔵省とは十分協議の上に実施したのでございまして、自治省、大蔵省からも、これに関連した通達が出され、三者合意の上に実施するということになっておるわけでございます。
  110. 横川正市

    ○横川正市君 その合意の上に立って出された通牒に疑義がはさまれて、先般衆議院の内閣委員会の席上では、自治省側の意見としては、きわめて消極的であったけれども、今回の転貸債に対してはそれほど明確な答弁がなされておらなかったということをちょっと聞きまして、まだ速記録が出ておりませんので、それを私は見ておりませんから明確ではありませんけれども、私は、そのときの適用条項であります三十七年度の地方債運用計画についての運用の精神と三十八年度地方債運用計画についての次官通牒とあわせて質問をされた内容を聞きましたところが、三十七年度、三十八年運用の姿勢、態度としては、自治省として変わっておらない、そういうふうに明確な答弁があったようであります。  そこで、一体、この運用計画の運用についての地方債の許可方針の条文については、一体協議の中でどういうふうにされたかという点を検討してみますと、その検討の内容は、一番最初私が当委員会で質問をいたしましたときに、あなたのほうから答弁がありましたものとは、いささか違った解釈が出ているのではないか。あのときは、公共事業という公共性の問題が中心になって、転貸債に対する局舎への方針は間違いでない、こういう言い方をされておりましたが、その適用条項になったのは、「地方債の制限」の条項の第五条第一項第五号が制限条項になり、いわゆる禁止条項になり、第号項が適用条項になっておったようであります。  ところが、その第二号の適用条項をさらに運用の許可方針の条項で見ていきますと、「厚生年金保険法の適用を受ける中小企業主に賃貸するための住宅を建設する事業」あるいは「農山漁村住宅の改修(台所、風呂場等の構造設備の改修)」、それと「下水道終末処理場が完備している地域における水洗便所に改修するために要する資金の貸付事業」こういうふうになっておるわけですが、そこで、私の一番大きな疑問点は、こういうふうな転貸債によるところのものは、これは、貸付金が全部返還になった時点における以降においても、その公共性というものは喪失されておらないわけで、ですから全く、存続する間の公共性というものは、つくられたときから消滅するまで永続的に続くわけなんです。ところが、局舎のほうは、期間満期でもって完全私有化ということになるわけです。私は、これは、転貸債によって貸し付けた局舎は、この局舎が消滅するまで、郵政省のいわゆる借り主としての権利が存続する、そこで郵政事業を行なわれる、こういう意味での公共性になれば、二号というものは、これは該当するのじゃないかと思いますが、返済後全くの私有化ということになりますと、これは私は地方債の許可方針の中の禁止条項に該当する、これを実施するとするならば法律の脱法行為である、こういうふうになるのではないか、こう考えるわけですが、その点の検討をどういうふうにされたか。この際ですから、明らかにしていただきたいと思います。
  111. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) 融資によりまして建設された局舎、これにつきましては、一定の期間局舎としての提供義務というものがそれに付随せられるのでありまして、やはり郵便局舎としての建設ということでありますので、私どもは、いわゆる地方自治法第二条の公共の目的に合致する、したがいまして、ただいまの制限の条項の適用はない、こういう解釈に立ちまして、この点につきましては自治省も同意見であるというふうに、われわれは聞いておるところであります。
  112. 横川正市

    ○横川正市君 保険局長の答弁は、前回も同じそういう答弁だったのですが、その後、今月に入ってからの衆議院の内閣委員会での自治省側の答弁は、この問題について非常にあいまいになってきているようです。まだ明確になっておらないで、たしか、あすあたりは明確になるのじゃないか、自治省側の態度として明確になるのじゃないか、こう思われるわけですが、ただ私の疑問とするところは、いわゆる一定期間の公共性ということと、すでに運用をしております厚生年金の資金を受けての転貸債を具体的に使用している、そのもの自体というものは、これは一定期間ではなくて、いわゆる設備をされたときから消滅するまでの公共性、これが明確になって公共性というものが法律としてはうたわれたのじゃないかと思うのですよ。その逆な意味で、たとえば、学校施設の一部としての公共性ということで、ある個人が転貸債を借りてくる、ところが十五年たった、もうあとは全然これは私有物ですから、この物について私が私の用に使います、こういうふうなことも、これはおそらく郵政省の立場でなくて、自治省の立場からすれば、このことによってそういう乱用の道が開かれたというふうに解釈をされるところにも私は疑義が出てきたのじゃないかと思います。あなたのほうでは、公共性を持たせた、いわゆる期間的に断続的に公共性のあるものについては自治法によって適法だと、こういうふうにお考えになっているようですが、実際上の地方起債というものを認める場合、たとえば赤字団体だとか、あるいは接待費がかさんでおるところの団体に対しても起債を認めない。この点は、転貸債は一応はずれております。しかし、そうであっても、転貸債を受ける側が公共性を時間的期間的に認められておれば起債の承認を与える、こういうことにはならぬと思うのですよ。  そこで、私の言うのは、もしその融資によって、地方債によって建てられた局舎については、いわゆる木造家屋については木造家屋の消滅期間、たとえば三十年、あるいは鉄筋の場合には六十年、この存続する間は局舎として使いますよという契約を結んでおるならば、これは一貫した公共性というものをある意味では証明することになるのじゃないかと思うのですが、返済した時期から私有化、完全に私有化になるわけであります。それを時間的に説明すればそういうふうになりますし、もう一つは、郵便事業をやる局舎だから公共性を持っているのだ、こういうふうに言われるのを私どもは実は反論したいわけですね。やはり賃貸契約をやって、自分のものとして金を借りて自分が建てたものですかう、あくまでもこれは私有契約ですよ。そこで生きてくるのは、貸し主である局長郵政省との間で、どれだけのいわゆる証文上の賃貸契約は効力を持っておるのか。十五年だったら、絶対裁判的に法律的に十五年縛られなければならないという、そういう契約を結んでのものではなさそうなんです。職員的な身分的な、そういった縛り方があるから、そこで何年間とすれば、おそらく何年間は局舎として提供するであろうという、そういう考え方で期間が付されているように思うのですが、そういう点を私は抜きにして、いわゆる期間的な、一定期間が過ぎたあとの私有家屋についての公共性、こういったものは私は消滅すると思うのですが、そういった場合であっても、あなたのほうでは、公共性としての一貫した金の貸し方が正しい、こういうふうに考えられるかどうか。私は、これはただ感じだけではなしに、もっと、私もない頭で、適用条文というのを読みながら、ネズミかネコかという小さな問題かもわからないけれども、全体の法律の解釈上からいえば、これはやはり脱法——いわば便宜主義に走った解釈、こういうふうに考えられるわけなんですが、その点、あなたのほうは金を貸す側ですから、貸す側としてはどういうふうに考えておりますか。
  113. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) 私どもの解釈は先ほど申し上げましたとおりでありまして、郵便局舎としては、その建物が提供され、使用されるという点につきましては、これは公共目的に合致するというふうに考えて差しつかえないと思います。最初から一定期間そういう局舎に提供する、その期間は、契約によりまして提供義務というものが課されるわけでありますから、契約義務の履行として当然課さなければならない、それを過ぎてしまったら、もう私有にしてしまう、いわば、一種の、そういう場合には法の乱用というふうに解釈しても差しつかえないと思いまして、それに対する措置というものは、また別途考えなければならない問題だと思いますが、私は、正面から現実の姿を見て、郵便局舎という公共性のあるものが改善整備されるために簡保資金がそこへ流れるということは、まことにけっこうなことであり、また、地方自治体の業務あるいは関連法律の立場から見ましても正当な方法である、かように考えておる次第でございます。
  114. 横川正市

    ○横川正市君 大体は、転貸債の基本的な考え方を示したものは、厚生年金の運用の中の転貸債の方法を参考にしながら簡保資金の貸し付けというのはどういうふうに行なわれるかということで、方針というものは、そこから私は生まれてきたんじゃないかというように思うのです。私が一番最初にお聞きしたときも、実は前例がないわけではないのだ、前例は厚生年金の貸し付けの中にあるのだ、こういうことが説明をされました。だから、そういう前例があるのならばというので、そのとき、公共性の問題についていろいろ論議をしたわけですが、公共性とは、借家局舎でも郵便業務を行なうという意味での公共性があるというので、前段の質問は私はそれで引き下がらざるを得なかったわけですが、ところが、事実上、厚生年金の貸し付け、いわゆる転貸債の貸し付けを見ておりますと、借りているところが、これは先ほども言いますように、期間的な断続的な公共性じゃないんですね。これは一貫して公共性を保有するものに対して貸し付けされているわけなんです。そうすると、一体局舎の場合も、この例からいけば、木造家屋なら二十五年とか三十年とかという期間、全期間について、あなたのほうで提供の義務を負わせる、あるいは鉄筋コンクリートの場合には六十年の義務を負わせる、こういう処置がとられて初めて私は起債の対象として加えられるものではないか、それは、十五年とか二十年とかで切られて、あとは全部私有ですと、こういう提供義務を失ったものであって、私有化することのできる状態に持っていくものに厚生年金の貸し付け制度というものを適用するということは、これは、なるほど時間的にも公共性があるんだからというあれがあるかもしれないけれども、初めからそういうことがわかっているのに、これを使うということは、いわゆる私は法に忠実な解釈ではなかった、こういうふうに考えるわけなんであります。これはひとつペンディングにして、ここでどうしても決着をつけなければならない問題ではありませんから、なお私のほうでも検討をいたしますし、あなたのほうでも検討していただきたい。その点、よろしゅうございますか。
  115. 田中鎭雄

    政府委員田中鎭雄君) 厚生年金関連融資の方法にのっとったということは事実でございますが、これは、いわゆる転貸という方法はそこにあると、そういう一つの手段を参考としたということでありまして、その内容を自主的に検討いたしますると、全部が全部全く同じというわけではないのであります。厚年の関係の転貸というものは、それ自体に目的があったわけでありまするし、私どもの今回の転貸借というものも、これはそれに相応した目的があったということで、方法、手段としては、地方公共団体を通ずる転貸ということにつきましては全く同様でございまするが、内容は若干違う面もあるかと思います。私どもは、法律を改正するということになりますれば、いろいろの方法があるわけでありますが、さしむきの段階で間に合わない、あるいは関係法律の目的からいって妥当でない、というようなことで、あれこれ考えた結果、こういった方法をとった次第でございます。  建物が消滅するまで提供義務を負わせるということにつきましては、これはまた別の法律解釈の観点から、必ずや、そこに問題が残ることであろうと存じまするが、はたしてその点ができるかどうかというようなことにつきまして、これは今後検討するのにやぶさかではございません。
  116. 横川正市

    ○横川正市君 借地借家法による借り主と貸し主との関係というものは、これは十六年以降まだ法律改正されておりませんから、新しい解釈での賃貸というものはまだでき上がっておりませんけれども、しかし、いまでもやはり借り主の立場というものは相当強化されてきておるわけなんです。そういう意味からいくと、郵政省が事実上賃貸契約を結ぶときに、しかもあなたのほうで貸した金でやるという、借り上げるという立場にありますし、また、その金で貸すという立場にある場合には、この期間というものは、これはやはり単に弁済される期間だけが対象ということにならない、こういう考え方というのは、やっぱり、いまの借家の立場からいっても私はあり得ると思うんですよ、実際には。そういうふうな形からいけば、局長は、これを借りて、提供義務を負うようなことはしない、ということにも、逆な意味ではなってくることもあると思う。最も有利なこれは貸し付け内容ですからね。いろいろな点からいって、郵政省局長間に結ばれております借り上げ局舎の義務の問題とか、あるいは局舎の改築に対する資金の貸し付けとかいう問題を、全体としては、私はまだ検討する内容を持ったものだ、こういうふうに思っております。ひとつ、先ほどの答弁の中に加えて、ぜひ検討していただきたいと思います。  そこで、大臣にお伺いいたしますが、あなたは、私がさきに質問をいたしたのに対して、国営とか公共とか私有とか、あるいは地方債によるところの局舎の建築とか、そういうことをしなければ、いまの局舎事情というものは改善することはできないので、全部に力を入れるんだ、こういうことを言われておりますけれども、具体的には、それは一体どういうことなんですか。
  117. 古池信三

    ○国務大臣(古池信三君) 多数にわたる局舎の改善でございまするから、いろいろな手を尽くしまして、できるだけすみやかに、老朽あるいは狭隘な局舎が改善されることを望んでおるのでございまして、その一つの手段として転貸債というような方法も講じたわけでございます。  なお、全部のさような不良局舎の改善は国費でもってまかなったらどうかという御意見もありまするが、しかし、これはやはり事業運営の立場から言いまして、経済的財政的な事情を十分に勘案してやってまいらなくちゃならぬ点であることは申すまでもございません。しかし、私としましては、財政的な事情の許す限りにおいては、やはりできるだけ国の費用によって改善をしていくというような方向に向かっていくべきではないか、かようなことを申し上げたと思っております。
  118. 横川正市

    ○横川正市君 大臣のその考え方で私どもが局舎の問題について改善の方向というものを話し合えば、大体一致する方向というのは出るのではないかと思うのですがね。ただ、その中で、私どもは前回もこの委員会で取り上げました職員本俸の百分の三を拠出しながら、老後の安定を期そうと、そういう意味でつくられた互助会の組織も、局舎に対する資金の融資というのを行なっているわけです。だが、これは、金利からすると、たしか七分八厘ですか、という、率からすれば非常に高い率です。それに対して、今回の転貸債は六分五厘ということです。しかも、互助会の局舎は、ある年月を経たあとは、省側と協議の上、これを国に提供する、こういう申し合わせ事項がついておるわけです。それは互助会側も確実に実行するということになっております。ところが、片一方のほうは、返済が終わりますと、完全私有化ということになります。まあ、金利の問題その他からいって、安いものを借りたものが期間後に私有化され、高いものを借りたものが一定期間を終えると国に提供すると、こうなって、同じ局舎を建てるという立場に立っているものでも、いろいろあるわけです。  そこで、今度の地方債による私有化の問題が出た中で、私は、まあこの問題は、さらに自後相当研究の上で、あなたとここで意見を戦わしたいと思いますので、具体的な問題についてはあとに譲りますけれども、単刀直入に、先般この委員会で、私が金丸政務次官に、私設と言われておりますけれども、全国の特定局長の組織をされている会、これが、先ほど私が建築部長や経理局長に聞いた局舎料の値上げ、それからいま経理局長に、相当無理してまでもこういう転貸債をして局舎を直したい熱意については、これは局舎を建てたい熱意であったかもわかりませんが、方法において疑義があるというものを続行するためにどういう方法をとったかというと、全特幹部の精力的な政治工作と膨大な活動資金の裏づけが必要であったとして、全特臨時資金カンパとして、各局当たり金一千円、それから昨年の四月から本年の二月までに納められたいわゆる局舎料の値上げのうちの一月分に該当する六〇%を拠出して、推定金額が一億五千万円、これぐらいの金を使って、このことが現在あなたのほうで実行に移されたという結果が出ているわけなんです。資金を集めているという事実も、これは文書が明確にありますし、局長の名前が出ているわけなんですから、明らかです。  それから、使われたものは何かと言えば、いま言っているあなたのほうの転貸債と局舎料の値上げということになっているのです。これは一体、郵政省の、いわゆるあなたの所轄する特定局長が、公務員である身分を持った、しかも特推連という——業務の上では明確な官名を持っているにもかかわらず、私設の局長会と称し、役員その他は、特推連と局長会は、これはみな表裏一体になっているところがたくさんありますけれども、そういう中で、これは一体どういうことなんですか、政治工作というのは。あなたが一ぱい飲んだとか何とかということではない。また、一万や二万の金で晩めしを食ったというようなことを私は言っているのではないのです。少なくとも、議会の中でこの種の問題が起こったのは、売春防止法をつくったときに、業者が政治工作のために資金を贈って刑事処分を受けたという事例はまだ耳新しい問題であります。あなたのほうがやった行政に対して、二つのしかも明確に国会で審議の対象になっているものに、推定額では一億数千万円の金が拠出されて使われたという事実に対して、あなたはどういうふうにお考えですね。
  119. 古池信三

    ○国務大臣(古池信三君) ただいまお話しのようなことは、私初耳でありまして、さような事実は全然知っておりません。また、さような政治工作がなされたとかいうような話も全然私は関知しておりません。私がこの転貸債問題を取り上げて実行に移しましたのは、先ほどもちょっと御説明しましたように、現在の特定局の局舎があまりにも老朽化し、狭隘におちいっているのが非常に多いので、一日も早くこれは改善をはかりたい、そのためには、国費でまかなうだけでは、とうてい追いつかないので、この方法を用いることにいたしたのでありまして、全く独自の、自主的な見地から実行に移したのであって、いまお話しのようなことは、全然私は関知しておりませんから、ここではっきり申し上げておきたいと存じます。  さらに、いまの御質問の中で、互助会が国に貸しているという局舎、これも、私が承知するところでは、すでに五百局に満ちたという話であります。これも、互助会という法人がさような事業として行なわれることについては、私どもももちろん異存がないことであって、これによって不良な特定局舎が少しずつよくなるということであれば、まことにけっこうなことである、かように考えております。
  120. 横川正市

    ○横川正市君 だから、私は前回、金丸政務次官にこの問題について提起をして、この委員会で答弁できるように調査をしていただきたい、こういうふうにお願いしたら、よろしゅうございますと、ちゃんと速記録にも残っているはずです。いま全然関知いたしませんというのは、調査の結果については、全然なかったということでしょうか。それならば、私のほうで文書をちょっと読んでみますと、「特定郵便局舎改善のための簡保融資問題を中心とした全逓の年末闘争も、官側の全面的勝利をもって終局をみましたことは、特定局制度獲得のためご同慶にたえない次第であります。しかし、この勝利を獲得するためには、全特幹部の精力的な政治工作とぼう大な活動資金の裏付けが必要であったことは、ご想像に難しくないと存じます。(その真相については、三月中旬開催の当地会通常総会において詳細説明予定)につきましては、今般」云々といって、一月三十日当地区役員の議を経たので、全特臨時資金カンパとして各局当たり金一千円、それから局舎料の値上げの一ヵ月分のうちの六〇%、とれを拠出する方法をとってもらいたい。送金は、右記の送金書により所属部会長あてときめましたから、御了承いただきたい。——こういう文章なんですよ。  これは私のほうでつくった文章じゃないんです。局長会の中に、非常に専断なやり方に反対する一部の人がおりまして、私どものところに資料提供をしてくるわけですね。こういう無謀なことを国会では黙っているですか、しかも億以上の金が政治工作に使われたという事実についてどうですか、こう言われるわけなんです。あなたのほうでは知らないと思いましたから、私は前回の委員会で事実を明らかにして、その内容について報告を求めたわけであります。  それからまた、委員会には、これはおそらく答弁ができないだろうから、特定局長会の三役と、それから特推連あたりの幹部を委員会に参考人として呼びたいというので、私のほうで提起しましたが、あなたの所属する自民党からは返事がない。返事がなければ呼べませんので、私は事実をあなたのほうに聞いて、明らかにしてもらう以外には方法がない、こういうことで質問をやっているわけなんです。その取り扱いについては、逆に言えば、あなたのほうでは全然知らない、局長会は金を集めた、局長会がネコババしているかもしれないんですよ。あなたの部下にそういう事実を行なっておる者もあるかもしれないのを黙って放っておくというわけにはいかないでしょう、どうでしょう。
  121. 武田功

    政府委員(武田功君) お答え申し上げます。  ただいま先生のお尋ねの件でございますが、前回の委員会で御質問がありまして、その後さっそく調査をしておりますが、ただいままでのところ、ただいま大臣の仰せのとおりでございます。それで、特に今回各局長から金を集めておるというような御指摘がございますが、これは、この局長会は、各局長が親睦団体としてつくっております会のことでございまして、省の直接公認しておる団体ではございません。それで、また特定局長は同時に局舎を提供しておりますので、いわば家主としての局長という資格におきまして、従来とも、その家主の代表者であるものと省と協定を結びまして、そうして借料その他の取りきめをしております。したがいまして、そういう立場におきまして、いろいろと各局舎の状況を調べたり、また相互間の連絡をとったり、いろいろな仕事があるようでございます。それで、従来も、そういうような意味合いにおきまして、局舎料の上がりましたときあたりに、何がしかのお金を出し合って、そうしてそういったような連絡の経費とかいったようなものに充てるというようなことをしておったわけでございます。たまたま今回の局舎料の値上げにからんで、そういうようなことをするということを言っておりました。私どもの調べました範囲では、大体そういうことでございますが、特に、御指摘のように、一昨年の暮れに億というような金を使ったとか、また政治工作に回したということは全然ないと言っておりますし、また、その点は先ほどの大臣の御答弁のとおりでございます。
  122. 横川正市

    ○横川正市君 官房長は弁護士に雇っているわけではないでしょう。あなたのほうでは、自分の部下がどういうことをやったかということを弁護する立場ではないわけでしょう。監督する立場でしょう。何ですか、いまの答弁は。事実も知らないでそういうことを言ってもらっては迷惑ですよ。私のほうにある証拠は、局長会が出した文書ですよ。局長会が出した文書に基づいて私は質問しているのです。そういうことではだめですよ。しかも、私は例を出したけれども、売春禁止法のときに、業者が金を集めてやったのと同じじゃないですか。経常会費のものは、全部これは日常経常会費で集めているわけです。もう一つ、あなたのほうで、これだけの金をつくって行動する、旅費とか宿泊料というならば、何人の局長が東京に来ておるのか、あるいはその始末はどうなっておるのか、資料で出せますか、出せないでしょう。これだけの金の裏づけだというものを出せますか、出せないでしょう。旅費とか宿泊料ということであれば、あるいは会議施設費というならば……。出せないはずですよ。こういう事実が背景にあってつくられた。なるほど局舎料の値上げというのは、五年たって、推計されるところによれば、物価の値上がりもしているから、あなたのほうでは、いろいろいままで苦しい点をがまんしてもらったので、今回はこの程度の値上げをしてまいりましょう、こういうことで、五年の推計によって値上げをした。それが二億四千万だ、こういう説明ならば、私は何も無理を言わぬですよ。ところが、そうではなしに、局長会の内容というのは、そういうものを含めて、八・八の次官通牒を確保するために、すなわち、融資を受けるために、それから局舎料の値上げをするために政治工作をし、膨大な活動資金を使ったといっているわけですよ。これは、局長は公務員ですからね。それを、私のほうから言われて、弁護的な立場でものを言うのは実際におかしいですよ。もっと一人一人について明確にしてもらわないと、私はこの質問を打ち切るわけにいかぬです。調査をしてもらえるなら自後に譲りますけれども、どうでしょう。
  123. 長田裕二

    政府委員(長田裕二君) ただいまの、あるいは先ほどの御質問の中に、局舎料の値上げにつきまして、非常に無理をさせる、それについて、というお話でございましたが、私も、直接には建築部関係でございましょうが、局舎料値上げの問題に関係いたしましたが、横川先生そういうことならばとおっしゃった、そちらのほうに該当するようなことだけしか経験しておりません。ただいまも先生の申されましたように、過去の経験からいって、五年目にたまたま当たっているということ、その間、世間の家賃地代が非常に上がっている、建築部の調査によりましても、こちらの値上げ幅よりもはるかに上がる率も高うございますし、その結果として、五年前のたしか建築部の調査によりますと、三十三年と比べますと、世間一般が、都市、地方を通じて平均して三七%ぐらいは上がっている。しかも、もとが低い上に、ほかが三七%上がったというような事情を踏まえての、これは局長側ばかりではありませんで、互助会のほうからも強い要望がございまして、そういう事情を背景にいたしまして、しかも年々上げるという面は非常に精密な調査が要りますので、そうひんぱんに上げるというわけにもまいりませんので、おそらく従来五年おきぐらいになったのじゃないかと思いますけれども、したがいまして、上げた年だけをとってみますと、先ほど申し上げましたように、若干借料のごくこまかな内訳という面から見ると、少し出ておりますけれども、長い目で見ますれば、そういうことではない。予算のほうは、そういう五年ごとということではございませんので、少しずつ変わっていく、年々変わっていく、借料のほうは事務の煩瑣の関係もありまして、五年おきぐらいにやる、そういうようなことからいたしまして、先ほど申し上げたような、若干の、三十八年度について見れば、こちらのほうが多くなるというような事情がございます。きわめて何といいますか、事務的といっては少しあれでございますけれども、そう非常に無理をさせられたと、ことに先ほどのお話に関連して、そういうことがあったという感じでは全くございませんので、その点ひとつ御了承願いたいと思います。
  124. 横川正市

    ○横川正市君 事実について大臣はまだ十分知らないということですから、一つだけ大臣にお聞きしますが、こういうことが行なわれたということについて、大臣は、事実か事実でないかは、あとであなたのほうで究明していただきたいと思いますが、こういうことが行なわれているということについて、もし事実であった場合、あなたは、これはどう処置されますか。あなたの考え方をひとつお答えをしていただきたいと思います。
  125. 古池信三

    ○国務大臣(古池信三君) 先ほども申し上げましたように、さような事実は今日私関知しておりませんし、さような事実はないであろうと考えております。先ほど事務当局から御答弁しましたように、事務当局において調査しましたところでも、さような事実はない、こういっておりますから、私はそれを信じております。  なお、仮定の問題として、もしも、そういうことがあったらどうかというお話でありますが、仮定の問題については、ちょっとお答えできない、こう申し上げるよりしようがありませんけれども、しかし、もしも万一そんなことがあるとすれば、これは非常な遺憾なことと言わざるを得ないと思います。
  126. 横川正市

    ○横川正市君 遺憾な事実があるから私は指摘しているのであって、事実が、後刻あなたのほうでも明らかにされるでしょうし、私のほうでも、これはなお事実を、当事者に来てもらって、ここで明らかにしていきたい問題だと思いますので、あなたのほうで処置をされる点について、調査をされる点について、ぜひひとつ早く取りまとめていただくように、この機会に要請をしておきたいと思います。  そこで、最後に私の質問は、簡保が百万に上がったのに、郵便貯金は最高額は変わらないのは、これはどういう理由ですか。実は、貯金の運用権の問題その他もあわせて聞きたいと思っておりましたが、関係が簡保の百万だけですから、この際貯金関係の最高額についてどうお考えになっているかをお聞きいたしておきたいと思います。
  127. 古池信三

    ○国務大臣(古池信三君) 本年は、簡易保険の金額を最高限百万円にいたしましたが、郵便貯金のほうはそのままで、引き上げはばかっておりません。いずれ、将来の問題として十分検討してまいりたいと思いますが、本年はさような処置は講じていないのでございます。なお、従来簡易保険の保険金額と郵便貯金の貯金額の最高限度が並行して増額されたという例もあるようでございまするけれども、私は、両者の間には必ずしも理論的な関係はないと考えております。
  128. 横川正市

    ○横川正市君 理論的な関係はないんだけれども、いままで上げるときは上げてきたという事実はあるわけですよ。何か、今回上げなかったというのは、理論的関係がなかったから上げなかったと。どういう理論的関係がなかったのか。これは、簡保を上げるから貯金も上げる、そういう形式的なものではないんだと、こういうことだと思うんですね。しかし、簡保が社会経済上、あるいは国民生活上百万だという最高額をきめるときに、どうして貯金だけが、経済上あるいは事実上の国民の生活上、最高額にしなくてもよいという、そういう何か理由が明確にあったのでしょうか。私は、そうじゃなくて、上げなくてもいいという理由は別に明確にあるべきはずだと思うのです。私は、保険を上げる理由とあわせて貯金を上げる理由というものは同じようにあると、こう思っておるんですが、これは少しおくれておるけれども、あとで上げるということなのか、それとも、実際上理由がないから上げないということなのか、それはどういうことになっていますか。
  129. 古池信三

    ○国務大臣(古池信三君) 先ほどお答え申しましたように、保険の最高限と貯金の最高限、必ずしも同一でなければならぬという理論的根拠はございません。ございませんが、従来の例は大体並行して上げられたことが多いように私も承知しております。したがって、この問題については、近い将来において上げるように検討をしてまいりたいと思っております。
  130. 横川正市

    ○横川正市君 私は、この問題については、いろいろな意味で、簡保百万にした理由と同じように、貯金にそういう理由が内在しておると思いますので、当面ひとつ精力的に検討をして、早い時期に解決をしていただきたいと思います。  先ほどの特定局の局長から出された文書等をめぐっての私の質問については、さらにこまかな内容がありますけれども、この点では答弁ができない段階ですから、一応質問は保留して、きょうは私の質問を終わっておきたいと思っております。
  131. 光村甚助

    委員長光村甚助君) 暫時休憩いたします。    午後一時四分休憩    ————・————    午後四時開会
  132. 光村甚助

    委員長光村甚助君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。  簡易生命保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。  午前に引き続き、質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言願います。——御発言もなければ、質疑は尽きたものと認め、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  133. 光村甚助

    委員長光村甚助君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。  御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
  134. 野上元

    野上元君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となっております簡易生命保険法の一部を改正する法律案に対して賛成の討論を行ないます。  この法案内容は、簡保の保険金の最高制限額及び最低制限額をそれぞれ引き上げるとともに、簡易保険の新種として特別養老保険の制度を創設しようとするものでありまして、現下わが国の国民経済の実情から見て時宜に適したものと判断をいたしますが、なお、積み立て金と同様に、余裕金の自主的運用の道を開き、かつ電力債への長期運用その他有利な社債への運用を行なうことによって事業の経済基盤を強化することにより、保険料の実質的引き下げ、あるいは契約者に対する福祉施設を強化する等、いまだ施策すべき幾多の問題が存することに留意し、これを推進することを強く希望するとともに、次のごとき附帯決議を付して賛成いたします。何とぞ満場の御賛成をいただきたいと思います。  以上であります。
  135. 鈴木恭一

    ○鈴木恭一君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております簡易生命保険法の一部を改正する法律案に賛成するものであります。  今回の改正は、保険金の最高限額を五十万円から百万円に、最低制限額一万円を五万円に引き上げ、新たに特別養老保険の制度を創設しようとするものであります。  まず、百万円に引き上げることですが、現在の五十万円は、去る三十七年四月一日より施行されておりますが、大臣の理由説明にもありますごとく、最近の社会、経済事情にかんがみ、医療費、葬祭費及び遺族の当分の間の生活費を保障する金額が百二十万円程度、また満期の場合は老後の生活安定に必要な金額が百万円から百五十万円になる現状から見まして、いわゆる保険の性格から妥当であると認めます。従来、ややともすると、簡易保険が単なるお葬式の費用であるというようなことは、保険の性格を忘れたものであって、この程度の保険は当然考えらるべきものと思うのであります。しかも、戦後小額加入者の大量募集をしたものが集中満期となるときでもあり、事業経営上、保険料収入の減少を補充し、その基礎を強固にすることになるのであります。  また、最低限一万円を五万円とするのも、今日の社会事情、経済事情から、四万円未満の契約はわずかに四%であるということであります。五万円にすることは、保険的価値の点から見ましても、事業経営の点から見ましても、妥当のものと考えます。  新種保険については、簡易保険がややともすると貯蓄保険におちいりやすく、死亡保障面を軽くする傾向もあります。このとき、従来の養老の貯蓄的要素を持ちながら、他面、生命保険本来の機能たる死亡保障を強化いたしたものでありまして、これは簡易生命保険の体質改善の上からもよいことだと考えます。  ただ、簡易生命保険は無診査でありますから、高額になりました際、特に逆選択の行なわれないよう、面接観査の励行など、不良契約防止に万全を期していただきたいのであります。また、その維持については、現在良好な成績をおさめられているということでありますが、さらに一そうの努力をされますことを強く要望いたします。  以上をもちまして、私の賛成討論といたします。
  136. 光村甚助

    委員長光村甚助君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  137. 光村甚助

    委員長光村甚助君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。  簡易生命保険法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  138. 光村甚助

    委員長光村甚助君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって、原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  139. 光村甚助

    委員長光村甚助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次に、討論中に述べられました野上君提出の附帯決議案を議題といたします。  野上君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  140. 光村甚助

    委員長光村甚助君) 全会一致と認めます。よって、野上君提出の附帯決議案は、全会一致をもって、本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対し、古池郵政大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。
  141. 古池信三

    ○国務大臣(古池信三君) ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、その御趣旨を体し、今後の行政運営努力してまいりたいと存じます。
  142. 光村甚助

    委員長光村甚助君) 本日は、これにて散会いたします。    午後四時九分散会   —————————————