○松本賢一君 私は、本
改正案に対しまして、日本社会党を代表して
修正の御
提案を申し上げたいと思います。案文はお手元に配布してあると思いますので、朗読は省略させていただきます。
御
承知のように特別区の
区長の
公選制は、昭和二十二年の
地方自治法制定以来とられてきたのでありますが、昭和二十七年八月の
地方自治法の
改正におきまして
公選制は廃止せられ、議会による
選任制に改められたのであります。この
改正後、今日に至るまでの実情は、
委員各位の見聞されているとおりでありまして、
区長選任のために長い期間を要し、ために区政に渋滞を生じ、区政の
運営上重大な悪影響をもたらしているというのが実情であります。このことは特別区の
住民及び議会が、
区長の
公選制の復活を強く
要望している事実、並びに
東京都
知事などが
区長の
公選制に賛意を表しているという事実などからも、うかがわれるのであります。
今回
提案されました
地方自治法等の一部を
改正する
法律案は、都が処理している
事務のうち、
一般の市に属する
事務は、できるだけこれを特別区へ移譲することによってその合理化をはかるとともに、特別区の権限を拡充することになっております。このように特別区の権限が拡充されてまいりますと、特別区とその
住民との
関係は、いよいよ密接になりますので、
住民の意思をより反映する
方法をとることが必要と
考えます。にもかかわらず、今回の
改正案のように、
区長を
現行どおり議会による
選任制としておきますことは、この点において欠けるところがあると言わざるを得ないのであります。それゆえ私は、今回の
改正に伴いまして
区長を
公選制とすることは、この際当然とるべき措置であり、それによってこそ民主主義の
基本である
住民自治の発展を期することができると思うのであります。
以上述べましたような
理由から、この
修正案を
提案した次第でございます。
次に、
修正案の概要について申し上げます。
修正案の要点は次の三点でありまして、他の
部分は、この
修正に伴う条文の整理であります。
第一点は、特別区の
区長は特別区の議会が都
知事の
同意を得て
選任する旨を
規定した
地方自治法第二百八十一条の二第一項を削ったことであります。
第二点は、公職選挙法第二百六十六条第一項を
改正しまして、公職選挙法上特別区の
区長の選挙は、市長の選挙と同じ手続によって行なわれることとしたのであります。
第三点は、附則に一項を加えまして、この
法律施行の際、現にその職にある
区長は、その任期中はなお従前の例により在職するものと明記しまして、現在の
区長の地位を明確にしたことであります。
以上の三点の
修正によりまして、特別区の
区長を
公選とすることとしたわけでありますが、
修正の形式は、以上申し上げましたように、
区長を
公選とするために障害となる条文を削った消極的な形のものではありますが、
修正の意図は、特別区の
区長は必ず
公選としなければならないという積極的なものであることを申し添えたいと思います。
以上がこの
修正案の
提案の
理由とその概要でございます。何とぞ皆さま方の御賛成をお願いいたします。