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説明員(永田正董君) お手元に八郎潟の略図がお配りしてあると思います。左上と左下とに日本海、その間に左のまん中より下に陸地の男鹿半島があります。中央が八郎潟でございます。八郎潟は総面積二万二千百七十ヘクタール
程度ございます。いわゆる八郎潟事業と言っておりますのは、中央に白く浮かび上がっておる
部分、これが中央干拓でございまして、この
部分が一万孔子八百七十ヘクタールございます。それから周辺に、下の左のほうからまいりまして西部干拓、南部干拓、それから右側にいきまして東部干拓、北のほうに一部北部干拓一というのが帯のように小さく見えておりますが、これがいわゆる周辺干拓と称しておりますので、この周辺部が千五百六十ヘクタールございまして、中央干拓地と周辺干拓地とを合わせますと、新たに陸地となる面積が一万七千四百ヘクタール
程度になるのでございます。一万七千四百数十ヘクタールになりますので、約一万七千五百でございます。
この事業は、
昭和三十二
年度から国営干拓群業として着工されたわけでありまして、これは特別会計で行なっておるわけでございます。それで、さきに申し上げました干拓します面積一万七千五百ヘクタール
程度のうち、耕地となる面積は、一万四千七百ヘクタール
程度ということを予定しておるわけでございます。その差は、堤防とか
道路とか水路とか宅地とか、そういうものになるわけでございます。この特別会計によります事業費の
総額は、現在のところ三百三十一億円ということになっておりまして、三十八
年度までの、すでに使いました事業費は、なまで約二百十九億円ということになっております。
具体的な工事の進捗
状況について申しますと、中央干拓地につきましては、堤防が付帯工事を除きましてほぼ築造が終わっております。それからその堤防のまん中の白く浮かび上がっておりますところ、右側のまん中よりも上に北部排水機場というのがございます。左下にも南部排水機場というのがございます。その二つが、一万五千ヘクタールばかりの中央干拓の排水機場になっております。この二つはすでに完成しておりまして、堤防とこの機場が完成いたしましたので、咋
昭和三十八年の十一月に排水を開始したわけでございます。この図面にはございませんけれ
ども、地区内の幹線排水路も水中で荒堀りを行なっておりまして、三十九
年度、本
年度中には、五、六千ヘクタール
程度のものが水中からあらわれまして干陸される予定になっております。
それから周辺の干拓地、これにつきましては、すでに西部、南部の干拓地はほぼ完了いたしまして、東部干拓地のほうがややおくれておりますけれ
ども、築堤がほぼ完了しておる
状況でございます。先ほど周辺干拓の耕地面積の内訳を申し上げませんでしたが、中央干拓の一万五千八百ヘクタールばかりの中の耕地面積は、一万三千七百ヘクタールばかりを考えております。それから周辺干拓の一万五千ヘクタールの中で耕地面積になりますのが千三十五ヘクタールを考えております。これを合わせて先ほど一万四千七百ヘクタールと申し上げたわけであります。
なお、残存水面がございまして、この残存水面は下のほうに調整池と書いてありますが、調整池とそれから承水路、これは向かって右のほうが東部路水路、向かって左のほうが西部承水路と、このようになっております。それと下のほうに船越水道と書いたのがございますが、これが日本海に抜ける道でございます。これの掘さく工事もあわせてやっておりますので、これらの水面を合わせますと残存水面も四千七百ヘクタールばかりになりまして、もとの二万二千余りの総面積の約四分の一が水面として残存する、こういう形になっております。これらの干拓地は主として耕地となるわけでございますが、中央干拓地におきましては、干陸に引き続きまして、国営事業といたしまして用排水路、
道路というようなものの基幹的な工事が行なわれまして、その末端工事は特別会計以外の施行によりまして、入植者が入りますまでに、農地、農業用
施設、公共
施設等の
建設整備が必要であると考えておるわけであります。これらの卒業は、おおむね四十
年度から開始されまして――と申しますのは、
建設工事以外の小さな仕事も含めまして、末端の仕事は四十
年度から開始されまして、最初の入植は四十二年といまのところ予定しておるわけであります。で、これは中央干拓地のことでございます。周辺の干拓地は、周辺の
市町村の増反用地として逐次現在
配分しつつあるといろ遊行状態でございます。
次に、入植
計画につきましては、まだ確定をしておらないのであります。実は八郎潟干拓事業企画研究会、こういうものをわれわれのほうでつくっておりまして、これには東畑四郎さんを会長にいたしておりまして、学識経験者が非常に多いのでございますけれ
ども、秋田県もメンバーに入っておりますし、関係各省もメンバーに入っております。こういう会合でいろいろ試算を試みておるわけであります。で、その一つの試案について申し上げますと、一戸五ヘクタール、こういう工合に仮定をいたしますと、農家の戸数は約二千四唐戸と推算されます。それに伴いまして、他産業の商工関係が八百四十戸、
給与生活者が千戸、合計いたしまして四千二百戸
程度のもので、人口にいたしますと二万一千人
程度の規模になるであろう。研究会の試算は、実は二戸当たり二町五反、それから五町歩、ヘクタールでも大体同じでありますけれ
ども、それから十町歩、この三つに分けて実は試算が行なわれております。いま一戸当たり五町歩ということの数字を申し上げたわけでございますが、十町歩になりますと、農家戸数はきちんと半分になる。その他のものはちょうど半分というわけにはまいりませんが、おおむね大体これの半分に近いもの、それから二町五反ということになりますと、おおむねこれの倍の数字ということで大体見当がおつきになると思います。――いまの概略の
説明で落としましたことは、先ほど申し上げましたように、水面の面積を約四分の一に狭めたわけでございますので、周辺から入ってきます河川の水をここにプールする能力が減ったわけであります。したがって出口の船越水道というところを、いままで曲って出ておりましたものを、まっすぐ突き抜けるという船越水道の工事をやっておりまして、これが海に向かって吐き出せるところまできております。護岸その他がちょっと残っておりますけれ
ども、通水はしております。それから重要河川、その他の河川につきましても、流入河川の改修が伴うわけでありますが、これらもおおむね完了に近づいております。
以上をもちまして概略の
説明を終わります。