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1964-03-17 第46回国会 参議院 地方行政委員会 第14号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年三月十七日(火曜日)    午前十時二十四分開会   —————————————    委員の異動  三月十日   辞任      補欠選任    上林 忠次君  田中 啓一君    小林 武治君  後藤 義隆君  三月十一日   辞任      補欠選任    田中 啓一君  上林 忠次君    後藤 義隆君  小林 武治君  三月十二日   辞任      補欠選任    館  哲二君  宮澤 喜一君  三月十三日   辞任      補欠選任    宮澤 喜一君  館  哲二君  三月十七日   辞任      補欠選任    鍋島 直紹君  田中 茂穂君   —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     竹中 恒夫君    理事            石谷 憲男君            西郷吉之助君            西田 信一君            松本 賢一君    委員            井川 伊平君            沢田 一精君            占部 秀男君            鈴木  壽君            千葉千代世君            林  虎雄君            市川 房枝君   国務大臣    運 輸 大 臣 綾部健太郎君    自 治 大 臣 早川  崇君   政府委員    文部省体育局長 前田 充明君    運輸省自動車局    長       木村 睦男君    自治省行政局長 佐久間 彊君    自治省財政局長 柴田  護君    自治省税務局長 細郷 道一君   事務局側    常任委員会専門    員       鈴木  武君   説明員    文部省体育局学    校給食課長   臼井 亨一君    自治省行政局公    務員課長    松浦  功君   参考人    公営企業金融公    庫総裁     三好 重夫君   —————————————   本日の会議に付した案件地方税法等の一部を改正する法律案  (内閣送付予備審査) ○市町村民税減税補てん債償還費に係  る財政上の特別措置に関する法律案  (内閣送付予備審査) ○大規模公有水面埋立てに伴う村  の設置に係る地方自治法等特例に  関する法律案内閣提出) ○地方行政の改革に関する調査  (学校給食に関する件) ○公営企業金融公庫法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○参考人出席要求に関する件   —————————————
  2. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。  本日は、初めに先議案件一件、予備審査法律案二件の説明を聴取いたしまして後、学校給食に関する件の調査を行ない、午後公営企業金融公庫法の一部改正案審査を行なう予定でございます。  地方税法等の一部を改正する法律案市町村民税減税補てん債償還費に係る財政上の特別措置に関する法律案、両案を一括して議題といたします。  まず、提案理由説明を願います。早川自治大臣
  3. 早川崇

    国務大臣早川崇君) ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由とその内容大要を御説明申し上げます。  地方税につきましては、累次にわたる改正により、住民負担軽減合理化をはかってまいったのでありますが、今後とも引き続きでき得る限り、住民負担軽減合理化につとめる必要があると存じます。ただ、地方財政現状は逐次好転しておりますものの、地方行政水準はなお低く、すみやかにその向上をはかることが必要であり、これに伴う所要経費の増大を勘案するときは、地方財政はなお予断を許さない状況にあります。したがいまして、明年度地方税制改正にあたりましては、このような地方財政の実情を考慮して、国において所要財源措置を講ずることとして、市町村民税所得割負担の不均衡是正電気ガス税税率引き下げ等一般的に住民負担軽減合理化をはかりますほか、中小企業者負担軽減合理化を行ない、住宅建設促進に資するための措置を講じ、あわせて道路整備計画の推進に伴う道路目的財源の充実をはかるため、所要改正を行なうこととしたのであります。  なお、市町村民税所得割の不均衡是正に伴う減収額を補てんするため、地方債発行を認めることとし、地方財政法について所要改正を行なうことといたしております。  以下順を追って、地方税制改正概要について御説明申し上げます。  第一は、市町村民税についてであります。市町村民税につきましては、低所得者負担軽減するとともに、市町村間の負担の不均衡を是正するため昭和三十九年度及び四十年度の両年度にわたって所要改正を行なうこととしたのであります。すなわち、昭和三十九年度におきましては、市町村民税所得割課税方式として、従来の本文方式のほかに、現行ただし書き方式本文方式に近づけるため、経過的に、所得控除として基礎控除のほか扶養控除を行ない、かつ、事業専従者について青色申告者千六百円以上、白色申告者千円以上の税額控除をする課税方式をとることとし、昭和四十年度におきましては、課税方式につきまして従来のただし書き方式を廃止して、本文方式統一し、税率につきまして準拠税率制度標準税率制度に改めるとともに、市町村は、標準税率の一・五倍をこえて市町村民税所得割を課することができないことに改正することといたしております。  このほか、道府県民税及び市町村民税につきまして、障害者未成年者老年者又は寡婦についての非課税範囲年所得二十万円までに拡大いたしました。  第二は、事業税についてであります。事業税におきましては、中小企業者負担軽減をはかるため、個人事業税事業主控除額を二十二万円に引き上げるとともに、法人事業税軽減税率適用範囲を拡大し、普通法人については所得年百五十万円以下六%、所得年百五十万円超三百万円以下九%に、特別法人については所得年百五十万円以下六%にそれぞれ改めました。  なお、事業税課税にあたりましては、国税における輸出特別措置改正に関連し、海外市場開拓準備金に係る損金算入制度等については、従来の方針どおり国税の例によらないことにいたしております。  第三は、不動産取得税についてであります。不動産取得税につきましては、住宅建設促進に資するため、新築住宅にかかる基礎控除額を百五十万円に、新築住宅用土地にかかる税額控除基礎額を百五十万円か、または一戸当たり二百平方メートルを限度として新築住宅床面積の二倍の面積土地の価額かのいずれか高い額にそれぞれ引き上げました。  なお、このほか、免税点土地家屋についてそれぞれ引き上げるほか、公益法人設置する看護婦等養成所農業生産法人組合員等から現物出資を受けた土地などについて、現行規定との均衡等を考慮して、非課税といたしました。  第四は、固定資産税についてであります。固定資産税につきましては、新評価制度実施に伴い、次の評価改訂の時期までの暫定措置として税負担調整を行なうことといたしました。すなわち、新評価制度実施によりまして一般土地評価額は増加いたしますが、その税負担については、農地昭和三十八年度税負担をこえないようにし、農地以外の土地昭和三十八年度税負担に比し二割をこえて増加しないよう税負担調整措置を講ずることといたしております。  また、住宅建設促進に資するため、今後五年間に新築される住宅一定条件に該当するものについて、新築後三年度間に限り、税額を二分の一の額に軽減することとし、また一定条件に該当する新築中高層耐火建築住宅については、この軽減措置適用期間を、四階建以下のものにあっては五年度間、五階建以上のものにあっては十年度間といたしております。  さらに、中小企業者が新設した農林漁業及び中小企業経営合理化のための機械設備等のうち、租税特別措置法の規正の適用により特別償却を認められるもの及び地方鉄道業者または軌道経営者事業の用に供する新造車両一定条件に該当するものにつき、取得後三年度間に限り、課税標準を二分の一の額とする特例を設け、負担軽減を行なうとともに、公益法人設置する看護婦等養成所などについて固定資産税を課さないことなどの改正をいたしております。  このほか、国際収支改善措置として行なわれる特別とん税の引上げとも関連し、日本海運の現況より見て、今後五年度間に限り、外航船舶に対する固定資産税を免除することといたしました。  第五は、電気ガス税及び市町村たばこ消費税についてであります。  電気ガス税につきましては、住民負担軽減をはかる趣旨から、その税率を一%引き下げて七%とすることとし、これに伴う減収を補てんするため、国からたばこ専売納付金の一部の移譲を受けて、市町村たばこ消費税税率を一・六%引き上げ、一・五%にいたしました。  電気ガス税については、このほか、新たにポリプロピレン等四品目の製造に使用する電気非課税とし、また輸出振興に資するため、今後五年間に限り、綿糸等製造に使用する電気にかかる税率を二%に軽減することといたしました。  第六は、軽油引取税についてであります。道路整備計画改訂に伴い、国、地方を通じて大幅な財源措置を講ずる必要がありますが、これを一般財源のみでまかなうことは、地方財政現状にかんがみて、至難の状況にありますので、揮発油課税における税率引き上げ予定されていることでもあり、軽油引取税税率を一キロリットルにつき、一万五千円といたしました。  第七は、料理飲食等消費税についてであります。東洋で初めてのオリンピックが今秋東京で開催され、これに伴って、オリンピック関係者のほか、外人客が多数来訪することが予想されるのであります。なお、オリンピックを機縁に、今後ますます観光を目的として、あるいは商用その他の目的で来訪する者が増加することが予想されます。これらの者の税負担を少しでも軽くして、わが国における滞在の印象をよくし、また、外人客を一そう多く誘致いたしますため、当分の間、外人客飲食と旅館における宿泊に対しては、料理飲食等消費税課税しないことといたしました。  以上のほか、税制合理化その他規定整備を行なうことといたしております。  以上、地方税制改正につきまして概要を御説明申し上げましたが、これに伴う地方税減税額は、初年度であります昭和三十九年度におきましては、住民税で、負担の不均衡是正百五十三億円を含みまして百九十八億円、事業税百三十億円、不動産取得税三十億円、固定資産税五十一億円、電気ガス税七十二億円、料理飲食等消費税十四億円で、合計四百九十五億円となるのであります。反面、国からの税源移譲による市町村たばこ消費税税率引き上げによる増収六十六億円、軽油引取税税率引き上げによる増収八十七億円があります。また、平年度におきましては、住民税事業税不動産取得税固定資産税電気ガス税等減税額は八百八十億円になりますが、別に市町村たばこ消費税及び軽油引取税増収百七十億円があるのであります。  最後に、市町村民税所得割減収補てんに関する地方財政法改正について御説明申し上げます。  市町村民税負担の不均衡是正にあたっては、市町村行政水準が急激に低下することのないよう経過的に財源措置を講ずることが不可欠の要件であると考えたのであります。したがいまして、課税方式統一及び標準税率制度の設定に伴う減収額については、市町村地方債を起こすことを認め、昭和三十九、四十の両年度から五年度間にわたり、初年度においては減税額全額、以下これを基準として漸次二割を逓減した額の地方債を起こす方式をとるものといたしました。  なお、別途これら地方債元利償還に要する経費のうち、三分の二に相当する額については国が元利補給金交付し、三分の一に相当する額については地方交付税基準財政需要額算入するものとする法律措置を講ずることとしております。  以上が、地方税法等の一部を改正する法律案提案理由及びその大要であります。  何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。   —————————————  次に、ただいま議題となりました市町村民税減税補てん債償還費に係る財政上の特別措置に関する法律案提案理由とその要旨を御説明申し上げます。  政府は、別途提案いたしております地方税法等の一部を改正する法律案によりまして、市町村民税について、低所得者負担軽減するとともに、市町村間における負担均衡を確保する目的をもって、昭和三十九年度及び昭和四十年度の二年度にわたり、市町村民税所得割課税方式統一と極端な超過課税の解消を行なうこととしたのでありますが、今回のこの減税は、その意義においても、その規模においても、画期的なものであり、関係市町村財政に与える影響もまた極めて大でありますので、この減税を円滑かつ確実に実施するためには、当面減税に伴う減収を補てんすることが必要であると考えられるのであります。これがため、減収額について、五年間を限り漸減的に減税補てん債発行を認め、その元利償還に要する経費の三分の二の額については国が元利補給金交付し、三分の一の額については地方交付税算定上これを基準財政需要額算入することによって、毎年度元利償還に要する経費全額について財源付与を行なうという財政上の特別措置を講ずることといたしたのであります。  これがこの法律案を提出する理由であります。  次に、この法律案要旨について御説明申し上げます。  その一は、元利補給金交付であります。  別途提案いたしております地方税法等の一部を改正する法律による改正後の地方財政法附則第三十三条の規定により関係市町村が起こした市町村民税減税補てん債については、国は、毎年度当該市町村が支払った当該年度分元利償還金の三分の二に相当する額の元利補給金交付するものとしております。  その二は、地方交付税算定に用いる基準財政需要額への算入であります。  当分の間、関係市町村交付すべき地方交付税の額の算定にあたっては、当該市町村が起こした市町村民税減税補てん債にかかる当該年度分元利償還金の額の三分の一の額を、全額基準財政需要額算入することとしておるのであります。  以上が、市町村民税減税補てん債償還費に係る財政上の特別措置に関する法律案提案理由及びその要旨であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。   —————————————
  4. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 次に、大規模公有水面埋立てに伴う村の設置に係る地方自治法等特例に関する法律案議題といたします。  提案理由説明を願います。早川自治大臣
  5. 早川崇

    国務大臣早川崇君) ただいま議題となりました大規模公有水面埋立てに伴う村の設置に係る地方自治法等特例に関する法律案につきまして、提案理由並びにその内容概要を御説明申し上げます。  大規模公有水面の埋め立てによって新たに土地が生ずる場合におきまして、将来その土地にかかる区域において周辺市町村と関連なく新たな集落が形成され、しかもその規模が一つの地方公共団体として十分な要件を備える見通しがありますときは、当該区域をもって新たな村を設置することが適当と考えられるのであります。昭和四十年度中に干陸が完了する予定八郎潟中央干拓地のように面積百五十八平方キロメートルに及び、将来その区域において新しい形式の営農を行なおうとする地域のごときは、まさにその適例と考えられるのであります。このような事態に対処するために、新村設置の手続き並びに当該新村組織及び運営に関し経過的な地方自治法等特例を定める必要があるのであります。これが、この法律案提案する理由であります。  次に、この法律案内容概要を申し上げます。  第一は、新村設置の処分は、内閣関係普通地方公共団体の意見を聞いて行なうことができるものとしたことであります。  第二は、新村には設置当時において共同社会が形成されていないことも考えられますので、設置選挙自治大臣の指定する日以後において行なうものとしたことであります。  第三は、新村議会議員及び長が選挙される時までの間における新村組織及び運営について、次のような特例を定めるものとしたことであります。その一は、村長の職務を執行すべき者として、職務執行者を、都道府県知事都道府県の吏員のうちから、都道府県議会同意を得て定めるものとしたことであります。その二は、議会議決事件とされていることを執行するときには、すべて都道府県知事の承認を要することとし、特に住民権利義務上重要なものについては、さらに都道府県議会同意を要するものとしたことであります。その三は、行政委員会等事務は、原則として、都道府県行政委員会等が管理し、または執行するものとしたことであります。第四は、新村設置選挙後も、なお当分の間、新たに移住してくる者も多いと考えられますので、住民の意思をよりよく反映させるため、一定期間に限り、議会議員及び長並びに行政委員会委員等の任期を短縮するものとしたことであります。  以上、提案理由並びに内容概要を御説明申し上げたのでありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。
  6. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 続いて、地方税法等の一部を改正する法律案について補足して説明願います。細郷税務局長
  7. 細郷道一

    政府委員(細郷道一君) 地方税法等の一部を改正する法律案につきまして補足説明を申し上げます。  法律案の順に従って御説明申し上げたいと思います。  地方税法等の一部を改正する法律案は、第一条から第四条までと、以下は附則でございます。第一条は三十九年度改正施行をする分、それから第二条は四十年度に施行する分、第三条は地方財政法関係規定でございます。第四条は地方税法の三十六年の附則の一部改正、こういうふうになっております。  最初に第一条でございます。第一条の「第二十四条の五第一項第三号中「十八万円」を「二十万円」に改める。」、これは道府県民税障害者未成年者老年者寡婦等非課税範囲金額引き上げでございます。それからその次の「第七十二条の十四第一項ただし書」、それからその次にあります「第七十二条の十七第一項ただし書」は、輸出控除にかわる金融措置国税においてとられましたのに対し、事業税の面でそれを遮断するための規定改正でございます。  それから「第七十二条の十八第一項及び第三項中「二十万円」を「二十二万円」に改める。」というのは、事業主控除——個人事業税事業主控除引き上げ規定でございます。  「第七十二条の二十二第一項第二号及び第三項並びに第七十二条の四十八第一項中「百万円」を「百五十万円」に、「二百万円」を「三百万円」」というのは、中小法人所得のきざみ——軽減税率適用範囲のきざみを改めるものであります。  それからその次は、規定整備でございまして、飛ばしますが、「七十三条の四第一項」——ここは非課税法人追加でございます。現行非課税規定との均衡を考慮いたしまして、つけ加えてございます。いずれも要綱にお示ししたものでございます。  それから次のページに行きまして、「七十三条の七第十号の次に次の一号を加える。」、これも同じく非課税規定追加でございます。  それから「第七十三条の十四第一項」、これは不動産取得税新築住宅基礎控除額を、従来百万円でありましたのを百五十万円に改めようとするものであります。  その他規定整備が入っております。  それから四ページに行きまして、「七十三条の十五の二」——不動産取得税免税点改正規定でございます。「「一万円」を「五万円」」は土地、「「十万円」を「十五万円」」は家屋新築分、「「五万円」を「八万円」」は家屋の諸経費ということでございます。  それから「第七十三条の二十四」の改正規定は、新築住宅用土地取得した場合に、従来六十万円分の税額控除がございましたのを、今回百五十万円に引き上げるものでございます。なお、それの関係規定整備されております。  それから五ページの最後にいきまして、第二百九十五条でありますが、市町村民税につきまして、先ほど府県民税にありましたように寡婦老年者等非課税範囲の拡大でございます。  それから六ページに参りまして、三行目、三百十四条の二第一項、これはいわゆる住民税課税方式改正に伴うものでございますが、従来は基礎控除だけを所得控除としていたしていたのを新たに扶養控除も加わるように改めるものであります。「「第六号」を「第五号及び第六号」に改める」というのがその関係規定でございます。なお明年度におきましては、扶養控除の額を本文の場合とは若干違いますが、七万円のところを四万円、こういうふうになっておりますので、その規定整備をいたしております。  七ページの三行目でありますが、「第三百十四条の七第二項を削り」というのは、従来の扶養控除につきましての税額控除規定を削るわけであります。ただいま申し上げましたような所得控除に改まるわけでございますので、削るわけであります。なお、そこに専従者税額控除の額を法定いたしております。終わりから五行目に「千六百円以上の金額」、これが青色専従者のものでございます。それからその四行目に「千円以上」、これは白色税額控除の額の法定でございます。  それから八ページであります。百四十八条、これは固定資産税非課税規定整備でございます。不動産取得税と同じようなものがあがっておりますが、現行非課税規定との均衡を考慮いたしてつけ加えたものでございます。内容要綱にお示しをしてございます。  それから次の三百四十九条の三のうちの改正規定でございますが、九ページに、十五項、十六項とございます。これは償却資産に対する固定資産税についての軽減規定でございますが、第十五項のほうは中小企業者あるいは中小法人が新たに機械設備等を設けました場合、これは特定の機械設備でございますが、その価格の二分の一に固定資産税を三年間軽減するという規定でございます。  第十六項は鉄軌道事業者が新たに車両取得いたしました場合に、三年間二分の一の適用を受けるという改正規定でございます。  一〇ページの第四百六十五条、これは市町村たばこ消費税税率改正でございます。百分の一三・四を百分の一五に改める。  それから次の第四百八十九条第二項の改正規定は、新規産業についての電気ガス税の三年間の非課税規定整備をいたしたものでございます。  それから第四百九十条の改正は、電気ガス税税率でございます。  それから次の第七百条の七の改正規定は、軽油引取税税率引き上げ規定でございます。  それから次の附則第九項及び第十一項は、不動産取得税の、交換分合あるいは開拓者営農等非課税規定の期限の延長でございます。三十九年三月三十一日までのものを四十二年三月三十一日まで延長するものでございます。これも要綱にお示ししてございます。  それから一一ページに入りまして、三十四項というのがございます。法律附則を直しておるわけでございますが、固定資産税を三十九年度から三年度間、農地については三十八年度分の税額、その他の土地については三十八年度分の一・二倍の額にとどめるという規定でございます。  一二ページに行きまして、三十五項は、その三十四項の用語の定義をいたしております。  三十六項も同様でございます。  それから十三ページの三十七項は、その三年間固定資産税土地についての免税点を、現在二万円でございますのを、二万四千円相当額まで引き上げるという改正規定でございます。  それから三十八項は、明年度——三十九年度におきましては、固定資産の土地課税台帳に税額の基礎となる額を登録させる。ただし、それはもうすでに前の基準年度の際に縦覧に供したものでございますので、審査の申し出はできないが、登録させるという規定でございます。  四十項は、都市計画税を固定資産税とあわせて徴収する場合の規定でございますが、趣旨は、先ほどの固定資産税について申し上げたと同じように、土地についての頭打ちの規定でございます。  十六ページの四十一項は、都市計画税だけを固定資産税から離して取る場合にも、同様の措置をするような規定でございます。  四十二項は、外航船舶のうち主として外国貿易のため外国航路に就航する船舶、これにつきましては、今後五年間固定資産税を課さない。従来六分の一課税をいたしておりましたが、課さないという規定でございます。  四十三項は、新築住宅についての固定資産税の減額でございますが、四十三項で一般的に三年間二分の一の固定資産税の減額を行なう。  それから十八ページに入りまして、四十四項は、新築中高層耐火住宅に対しては、四階建てまでのものは五年間、五階以上のものは十年間固定資産税を半分にするという規定でございます。  十九ページの四十五項は、電気ガス税について、綿紡その他につき、輸出奨励の趣旨から、五年間税率を百分の二とするという改正規定でございます。  二十ページ、四十六項でございますが、料理飲食等消費税につきまして、当分の間、外客の飲食と旅館における宿泊に対して免税を行なうという改正規定でございます。  そこまでが第一条関係でございます。  次が第二条、これは四十年施行の住民税の関係でございます。  二十ページの終わりから二行目、第三百十三条、これは専従者控除につきまして、四十年度からは普通の控除に変わりますので、それのための改正規定でございます。  それから二十一ページの終わりから二行目、第三百十四条の二、これは「ただし書を削り」というのは、ただし書き方式をなくするという意味でございます。同様にして扶養控除の額を本文の額にあわせるための手続的な改正規定をいたしております。  それから二十二ページの最後の行、第三百十四条の三、これは市町村民税所得割りの税率に関する規定でございますが、現行準拠税率制度標準税率制度に改めるための規定でございます。  さらに、その二十三ページの終わりから四行目に、三項というのがございますが、所得割りを課する場合に一・五倍を制限税率とするという改正規定でございます。  それから以下、規定整備をいたしておりますが、二十五ページの第七百三条の三、国民健康保険税についてでありますが、所得割りのただし書き方式住民税の面でなくなりますので、国保税についてただし書きの方式がとれるように改正をいたすものでございます。  それから二十七ページにまいりまして、第三条、地方財政法の一部改正、これは住民税減収補てん債を起こすことのできる改正規定であります。終わりから五行目に、第三十三条、これは課税方式改正及び税率の引き下げに伴う起債ができるという地方財政法の例外規定であります。  それから二十八ページに入りまして、第二項は、地方債を起こすことのできる額は、五年間二割ずつの逓減であるという規定であります。  三項四項は、方式改正によります四十年度からの五年間の起こすことのできる額の規定でございます。  それから五項は、税率を直した場合に起こせる地方債についての規定。あとは六項、七項、八項、ずっとそれのための関連規定でございます。  それから三十三ページの第四条、地方税法の一部を改正する法律の一部改正、三十六年の附則のうち、一部を改正してございますが、これは国税にならっての規定整備でございます。  以上、簡単でございましたが、大体の御説明を申し上げました。
  8. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 三案についての質疑は後日に譲ります。   —————————————
  9. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 次に、地方行政の改革に関する調査といたしまして、学校給食に関する件を議題といたします。  行政局長、財務局長のほか文部省の体育局長、学校給食課長が出席いたしております。  御質疑のある方は御発言願います。
  10. 占部秀男

    ○占部秀男君 文部省の体育局長にお伺いをいたしますが、この学校給食の義務法化の問題は、この地方行政委員会でも、予算委員会、あるいはもちろん文教委員会のほうでも従来たびたび問題になっておりますが、聞くところによると、今度の国会あたりには改正案が出るのではなかろうかというような話も聞いておるのですが、この間の事情を御説明願いたいと思います。
  11. 前田充明

    政府委員(前田充明君) 学校給食の問題につきましては、先年学校給食制度調査会を設けまして、どういうふうにやっていくかということにつきましていろいろ御審議をいただきまして、御答申をいただいたのでございます。そのときに小学校五年、中学校十年によって完全給食を義務教育学校に全部実施するようにという御答申がありまして、私どもとしては大体そういう御答申の方向で進んでおったわけでございます。しかし学校給食の進み方がまだ何と申しますか、十分とは思われないので、ミルク給食を一応全面的に実施いたしまして、それをきっかけと申しますか、それによってやっていこう、こういうような考え方を持ったわけでございます。したがいまして、三十八年度に御承知のとおりのミルク給食の全面実施ということにとりかかったわけでございます。しかし、やはり御承知のとおり、途中におきましていろいろな反対論争等もございましたのですが、今日までそれの推進をぜひやりたいということで、私どもといたしましては、このミルク給食の推進に実は全力を傾けてまいったわけでございます。かようなところで、今日の行政といたしましては、完全給食もこれをきっかけにして、従来の速度よりも幾分早まってきたような感がいたしております。これは実際問題としては、三十九年度からの完全給食の増加の状況によってはっきりしてくるわけでございますが、その状況を見て、それとにらみ合わせまして、どうするかという問題をきめたい、したがいまして、三十九年度においてはまず基本的にそういう問題を考えていきたい、かように経過といたしましては考えてきたような状況でございます。
  12. 占部秀男

    ○占部秀男君 そうすると、三十九年度に考えたいということは、結局、今度の国会には義務化の問題は一応法律的な扱いとしてはとっておいて——とっておいてというか、やらずに、次の通常国会でやりたい。結局は四十年度から施行するような——四十一年からですか、そういう形になるかしらんんけれども、いずれにしても、今度の国会ではやらんと、こういうことになるわけですね。
  13. 前田充明

    政府委員(前田充明君) おっしゃるとおり今度の国会においては、法律改正ということは、私どもとしては一応考えておりません。
  14. 占部秀男

    ○占部秀男君 現在までの、ラフな形でけっこうですが、小学校で学校給食が普及しておる。パーセンテージといいますか、状態はどういう状態でありますか。ミルク給食の場合は別にして、A型からB、C型まであるわけですか、ミルクだけの場合はD型になりますか——だからA、B、C型ぐらいの、ミルク給食は別にした普及率はどのくらいになっておりますか。
  15. 前田充明

    政府委員(前田充明君) 完全給食の状況でございますが、本年度——三十八年十二月現在で私ども調べまして、そのときの実施校、及び三十八年度内にやるという見通しのあるもの、おおむね一%程度でございますが、それを加えまして、小学校において一万五千二百校、パーセンテージといたしまして五七・九%、それからこれを子供の数にいたしますと、学校によって大きい小さいがございますが、子供の数で総計いたしますと、八百万人余でございまして、七六・八%でございます。中学校は完全給食二千二百九十九校で一九・三%、生徒数にいたしまして約百五万人、一五・六%でございます。これを全部小、中学合わせますと、学校数といたしまして一万七千四百九十九校、四五・九%、子供の数といたしまして、約九百五万人、五二・八%でございます。
  16. 占部秀男

    ○占部秀男君 これはたしか三年くらい前の予算委員会の分科会のときですか、この問題をお伺いしたときに、小学校の普及率が六〇%までいっていれば、これは義務化をしなければならんじゃないか、こういうような御答弁を得たと思うのです、当時の局長かあるいは大臣かしりませんが。少なくとも三十八年十二月末現在調べで児童数からいくと七六・八%、八〇%近く完全給食が行なわれているわけですね。こういうような情勢から見ても僕は、少なくとも義務化の問題は今度の国会で解決をつけるのが当然じゃないか、かように思うのですが、そういう点については特別に今度の国会でやらずに、次に延ばしたということについて、どうも受け取れないのですが、われわれが納得できないという、その間の事情はどうでしょう。
  17. 前田充明

    政府委員(前田充明君) 子供の数にいたしますと、いまおっしゃるとおり七六・八%と小学校については申し上げられるわけでございますが、私どもミルク給食をやり出しましてから、中学校を一体にして実は考えてきているような状況もございます。特にやらないという別に取り立てて申すほどの理由はないのでございますが、私どももこのミルク給食を小中全部について何とかしてこれを全面的にやって、それをきっかけにして、全部に移行していきたいということを、非常に強く考えておりましたことが結局一番結果としては大きい理由になるのじゃないかと思っております。  それからなお、義務化いたします問題につきましては、これはいろいろの問題があるのじゃないかと、私どもは私どもでいろいろ相談をしたのでございますが、相当いろいろな問題がありはしないかということを考えておりますこと。それからもう一つには、そういう非常に技術的な問題等も考えますと、非常にスムーズにやらなくちゃならぬ。義務ということになりますれば、どんな果てまでも入れなければならないのでございますので、そういう点をいろいろ考えますと、スムーズにやるためには物資の配給と申しますか、学校のほうから言えば物資の獲得でございますが、そういう問題についてよほど慎重に計画をりっぱに立ててやるというようなことを、まだはっきりとふん切りを今日つけておるということが言えないものでございますから、義務化の問題についてはもうしばらく時間をおかし願いたいと、かように考えておる次第でございます。
  18. 占部秀男

    ○占部秀男君 この問題、しつこいようですが、きのうきょう始まった問題じゃないわけですね。しかも戦前からも一部、学校給食の問題はあったわけですが、戦前の場合は救貧事業といいますか、そういうような社会政策的な意味があった。いまの学校給食は学校教育そのものの一環としてやられるのですから、たてまえは違うわけですが、そういうような意味合いからいっても義務化を文部省が先頭立って従来もやってきてくれたと思うのですが——実現していかなければならぬ。その場合に全部が全部一〇〇%そろったから義務化するというのでは、それはなかなか義務化といっても私はできないのじゃないかと思うのです。ある程度で踏み切って、もう義務法化の段階へ——対象人員、対象とされる学校の数、あるいはまた必要性からいっても、もう義務法化へ踏み切る段階に当然きておるんですから、そこで少なくとも来年、まあことしは踏み切れなかったにしても、来年の国会あたりまでには、来年というか、次の国会までには、何とかこれが出せるように、やはり三十八年度のミルク給食の経過を見るというんですから、そうしてもらいたいと思うんですけれども、その見通し的なところは、どうですか。
  19. 前田充明

    政府委員(前田充明君) 私ども推進しようとする者にとっては、たいへんありがたいお考えをいただいたわけでございますが、私どもミルク給食を全面的にやった経験から申しまして、それに現状では、なまミルク問題と関連いたしまして、完全給食の内容の中には、どうしても私どもミルクを入れていくという方式を非常に考えたいと思うのです。ところがミルク給食をやりましても、相当にいろいろな御批判もございますし、私どもが思わなかったような点もないでもないし、それらを考えまして、これをさらにパン並びにおかずというような問題まで考えますと、よほど慎重にやらないと、途中でいろいろ学校に御迷惑をかけたり、あるいは子供に御迷惑をかけるというようなことになっては、相すまぬことでございますので、その辺私どもとしては、ぜひ慎重にやりたいと思っております。で御趣旨のほどは、全く私どもも、おっしゃったとおりで、賛成でございまするので、できるだけ御趣旨に沿うように努力はいたすつもりでございます。
  20. 占部秀男

    ○占部秀男君 しつこいようですが、慎重にやるというその問題の中には、財政的な関係から相当金がかかるので、なかなか踏み切れないんだというような問題が、大きなウエートを占めておりますか。
  21. 前田充明

    政府委員(前田充明君) もちろん財政的な面でもございますが、いわゆるシステムの問題としても、機構と申しますか、そういう問題としても、相当研究を要する点があるのではないかと考えるのでございます。
  22. 占部秀男

    ○占部秀男君 かりに、義務法化するような場合には、そのシステムの問題として問題があるということになると、たとえばいま、A型から——一週何回というあれがありますね。それによって形がございますね。その形の統一なんということも、この際——ということで考えておるわけですか。
  23. 前田充明

    政府委員(前田充明君) 形とおっしゃいますと、いわゆる五日制、四日制、そういう問題であろうかと思うのでございますが、それはもう、私どもできるだけ、いわゆる五日制でございますか、それにいたしたいと思っております。その問題は一番大きいかと思います。で現在でも五日制、いわゆるA型と称するものが、おおむね九〇%ございますので、その他の形というものは一〇%になるわけでございますが、その点は、特にそう問題とは思っておりませんです。また、五日制でやるというところに、私ども価値としてもなお一そうあるというふうに考えております。
  24. 占部秀男

    ○占部秀男君 かりに、この統一の問題が、五日制に全部できなくても、やはりその普及することそのことが、重大だと思うのです。全然給食されてないところ、こういうところについての問題点が大事だと私たちは思うので、ある程度、五日制なら五日制にさや寄せはできない段階でも、やはりこの義務法化の問題を進めて、そうしてともかくも学校給食のないというところがないようにしていかなければならぬ、かように思うのですが、その点は、どういうふうにお考えになっておりますか。
  25. 前田充明

    政府委員(前田充明君) 五日制でなくても、ともかくやるということが大切であるという御見解のように伺ったのでございますが、これは、学校給食と申しますと、全面的に完全給食を全学校がやりますと、相当な金額になるわけでございますが、そのお金というのは、結局、材料を買う費用が大半だと思うのでございます。たとえば、パン屋で申しますと、一年間、三百六十五日間について買ってもらえるのが、パン屋にとっては一番ありがたいわけでございます。それが、大きなかまをつくっても、一週間のうちの二日だとか三日だとかいうことになりますと、ほかの日が、その分だけ遊ぶ勘定になります。そういうことになりますと、パンの加工賃と申しますか、そういう点でもなかなか高くつくというようなことで、私どもも、その辺のことまでこまかく考えますと、これは商売に関係することでございまして、なかなかむずかしいのでございますが、できるだけ、そういう業者との関係においても割り安にいくようにというようなことを考えますと、なかなかその辺、踏み込んでしまってうまくいかないというようなことになっては、ぐあいが悪いから、やはり五日制を標準にして考えていきたい、そういうふうに考えております。
  26. 占部秀男

    ○占部秀男君 念のためお伺いするのですが、これが義務法化されますと、学校給食に従事する栄養士なりあるいは調理員といいますか、一般学校給食婦と従来はいっておりましたですね、こういう人たちの身分というものは、もちろん設置義務者である各市町村なり、また夜間高等学校の場合、あれは県ですか——県当局なり、これの定数の中にはっきりと組み入れられるようになるだろうと思うのですが、その辺の事情は、どういうことになりますか。
  27. 前田充明

    政府委員(前田充明君) 私どもそこまで、義務化について具体的に考えておりませんですが、できるだけそのようになることを希望いたしております。
  28. 占部秀男

    ○占部秀男君 そのところを私は、行政局長にお伺いいたしたいと思うのですが、学校給食法が義務法化されていけば、当然、学校の設置責任者といいますか、義務者といいますか、それが学校給食をするということになりますので、したがって、その給食に従事する者は、当該市町村なり、あるいは夜間高等学校の場合は、県の職員となるのが当然であると私は考えるのですが、この点はいかがなものですか。
  29. 佐久間彊

    政府委員(佐久間彊君) 一般的に申しますと、御趣旨のとおりと思います。
  30. 占部秀男

    ○占部秀男君 ちょっとそこのところが、一般的に申しますと私の言ったとおりだというのですが、一般的というのが気になるのですがね。それは、当然、設置義務者が市町村であり、県であるのだから、その人たちをいまの地方公務員法からいけば、臨時というわけにはいかぬのじゃないかと私は思うのですが、どうですかな、それは。
  31. 佐久間彊

    政府委員(佐久間彊君) これが義務化いたしました場合の法律の定め方にもよると思います。その仕事が、常勤的な勤務を要する内容でございますれば、常勤ということになりましょうし、非常勤でも差しつかえない程度の仕事でございますれば、非常勤の職員を置くということになろうかと思います。それから、一般的にはと申しましたのは、これも定め方によるわけでございますが、私も所管外ではっきりしたことはわかりませんが、必ずしも公務員じゃなくて、何か委託をしてやらせるというようなこともあるのじゃなかろうかと、ちょっとそんな気がいたしましたので、そう申したわけでございます。
  32. 占部秀男

    ○占部秀男君 委託というような場合はこれは別ですが、これは何か会をつくってセンター式にやるというような問題も起こってくると思いますが、少なくともこれは学校で給食する場合のことであって、この場合は、やはりいま文部省のほうで言われておる、そのところがちょっと私はどうも力弱い感じがするのですがね。少くともA型なりB型くらいのところは、もうこれは常勤制ですね、五日間給食をやるということは——一週間のうち五日といえば、日曜と土曜を除くわけでしょう。ほんとうに常勤だから、そういうような場合は当然定数に入れてもらわないといかぬと思うのですが、その点いかがですか。
  33. 前田充明

    政府委員(前田充明君) 現在では交付税に入れていただいております大部分のものは、一応町村の職員ということになっておると思っております。昭和三十八年の九月現在では総数四万二千五百十人おりまして、いわゆる公費で負担されておる職員、これは地方公務員にはっきりなっておる者がもちろん大部分と思いますが、そうでないにしても、公務員の身分と扱われておる者、それが四万一千二百六人ございます。
  34. 占部秀男

    ○占部秀男君 しつこいようですが、その公務員の身分として扱われておる者が四万二千五百十人おる。ところで全国の学校給食のほうがどのくらいいるか、私パーセンテージはわからないのですけれども、相当数が、いま局長の言われたこの数字になると、公務員化しているわけですね。われわれがこの問題を取り扱ってからもう十数年になるわけです。その当初は、ほとんどPTA雇いとか、臨時とか、そういうようなものであったものが、ともかくここまで来ておるという数字を聞いてびっくりしたのですが、いずれにしても、こういう実態であればなおさらのことで、この義務法化の場合には、当然定員に加えるような形の法のおき方といいますか、それを考えてもらわなければならないと思うのです。私は法律のやり方はわからないものですから、あれですが、根本的な方針として。
  35. 前田充明

    政府委員(前田充明君) ちょっとはっきりお答えになるかどうかわかりませんが、公費負担と私費負担、いわゆるPTA負担をおっしゃったわけでございますが、そういうものの割合を考えてみますと、三十七年度におきましては五%でございました。それから三十八年度においては三%になりました。したがいまして、従来これはなくすべきであるということは御承知のとおりで、私どももそのために非常に努力をしてまいりまして、自治省からも非常に交付税の積算等についても御協力をわずらわしておりますので、もうわずかになってまいりましたので、これはもう全然ゼロにいたしたいというふうに考えております。で、そうなれば定数化は何でもないではないかというような、あるいはお考えかとも思うのでございますが、もちろん、それは私も先ほど申しましたように、それを希望しておりまして、そういうふうになるように今度法律改正される場合にはそういう希望を持っております。これは調理員のみならず、そのほかの栄養士とか、あるいは事務職員とか、そういうような問題も私どもとしてはできるだけ解決しなければならぬと思っております。そういうことになりますと、さて、事務量の問題等とからみ、また、ほかのいわゆる学校給食以外の仕事等ともからんで、事務の全体の何と申しますか、能力と申しますか、能力の限界というような問題についても十分考えまして、そしてやらなくちゃならぬと思いますので、ここではっきり私、お答えするには、まだ至っておらないというふうに申し上げるのでございます。
  36. 占部秀男

    ○占部秀男君 どうもはっきりお答えするには至ってないというところが、どうも不安なんです。結局学校給食を義務法化すれば、これはもう設置義務者がセンターをつくったり、あるいは委託をしない限りは、雇うことは当然じゃないかと思うのです。当然のことを法律的な仕組みの中に入れてもらうということは、これまた当然のことじゃないかと思うのですが、その原則が確認できないようでは、どうも少しおかしいと思うのですけれども、その点はどういうわけなんですか、どうもわれわれ法律家ではないので。
  37. 前田充明

    政府委員(前田充明君) なかなか申し上げにくいのでございますけれども、私ども、やらなくてもいいということを決して思っているという意味ではございませんですが、これはやはり身分でございましても、いろいろなきめ方等もございますでしょうし、それから自治省のお考えもございますでしょうし、その辺十分調整してからでないと、はっきり申し上げかねるわけでございます。それで私としては、希望はもちろんおっしゃるように、定数で何人の学校にはどのくらいおくべきであるかということがはっきりきめられることは、希望いたしております。ただ、そういうような、ほかの関係もございますので、現状では定数を絶対はっきりこういうふうにしていこう、こういうことを考えているということを、申し上げられないというふうに申し上げているわけでございます。
  38. 占部秀男

    ○占部秀男君 そうすると、少なくとも文部省の設置基準があるわけですね。何百人に何人とかいうような、現在もありますね。その設置基準にぶつかった人間ぐらいは、これは当然もう定数化してもらうのがあたりまえだと思うのですが、そういう点はいかがなものでございましょうか。
  39. 前田充明

    政府委員(前田充明君) 定数化してもらうのがあたりまえだというお考え、私も全く同様に考えまして、このぐらいは——現在でもやってもらっているぐらいは、当然やってもらいたいと思っております。
  40. 占部秀男

    ○占部秀男君 これは私よくわからぬのですが、行政局長にお伺いしますが、結局義務法化なら義務法化ということにかりになれば、あとは自治省関係で定数の問題はやることになるわけですか。
  41. 佐久間彊

    政府委員(佐久間彊君) 義務化いたしますれば、先ほど先生のおっしゃいましたように、委託とかその他の例外を除きますと、市町村の仕事をやるわけでありますから、それは身分は当然公務員になるべきだと思います。その中で定数化いたしますのは、常勤職員として扱うものでございますから、週五日制であれば、これは私どもは当然定数化の中に入れるべきものだと思っております。
  42. 占部秀男

    ○占部秀男君 次に、現在の文部省の設置基準の人員は、どうも最近の実情に合わないような気がするのです。特に最近でしたか、労働科学研究所でいろいろな詳しい適正配置に関する研究なども行なわれているのですが、もう少し基準をふやして万全を期するのが当然じゃないかというふうに考えるのです。特に労研などの調査から勘案してみても、児童や教員の数が三百人未満のところでやはり一つの給食作業をするのですから、三人はどうしても要るというわけです。三百一人から五百人ぐらいまで四人、五百一人から九百人までは五人、一人ずつ……、それ以上もありますけれども、従来の設置基準よりは、多くの人を必要とするという調査結果が出ておるのですが、いま、こういう点について、文部省のほうとして何かお考えはございませんか。
  43. 前田充明

    政府委員(前田充明君) お調べになっておられる労研のものというのは、こういう本でございまして、「学校給食調理従業員の適正配置に関する研究」というものを、実は三十八年度初めからやってまいりまして、これによりますのを結論的に申しますと、九百人で四・八人と、こういう数字が出ております。そこで、現在の小学校の実態で申しますと、三十八年九月の実態では、九百人規模で三・八人になっておりまして、ちょうど、一人ぐらい実際が少ないのでございます。そこで、一体、はたして、ほんとうに——それだけ必要であると労研で御調査になったものでございますので、間違いがあるということを申すのではございませんが、学校の給食内容そのものでございますが、それが、また学校によって相当違いがございます。この労研では東京、神奈川両県でやりました。したがいまして、わりあい、何と申しますか、献立が複雑な地域の数字でございます。そこで、私どもとしては、四・八人は、それは複雑なところでは確かに必要ではあろうと思いますが、全国的に全部、四・八人というまではいかなくてもできるのじゃなかろうかということでございます。三十九年度予算についての交付税は、三人のいわゆる固定職員と、それから一人の賃金職員、合計いたしまして四人ということにいたしたわけでございます。前年度は三・五人になっておりまして、今度は四人になりましたので、相当に、何と申しますか、引き上げられたわけでございます。これは、給食内容の実態と合わせていくことが、いま非常に大切な問題があるわけでございますので、これはまた、来年度四人でやってみまして、まだ足りないという実態が、ほうぼうからの御意見に出ますれば、これはどうしてもその次の年には、自治省にお願いして、ふやしていただくようにお願いしようと、かように思っております。
  44. 占部秀男

    ○占部秀男君 給食の内容の問題が関連する点は、確かにごもっともなことだと思うのですが、ただ、いま局長は、調査の対象が東京、神奈川だけだというようなことを言われましたが、これは今度の労研のものは、北海道、埼玉、岩手、秋田、山梨、富山、愛知、京都、和歌山、岡山、香川、福岡、鹿児島と、抽出調査ではあるが、一応全国的な規模でやっておって、東京、神奈川、大阪というような、何といいますか、地域的に高度なところだけというわけではないわけです。もちろん現地に私行ったわけじゃないですから、鹿児島の対象にされた小学校の二、三が、どれほどのものであるか、内容については知りませんけれども、少なくとも全国的な規模でやっておるので、そういう意味からいって、私ちょっと受け取りにくいところがあるのですが、その他、交付税の中でふやしたようですから、その点は私も了承いたしますが、なぜ、こういうことを言うかというと、結局この人たちには代替要員も何にもないわけですね。相当無理をして、体の悪いところを、あるいはいろいろな問題のあるところを、相当無理をして仕事をしておるわけなんです。もちろん、いまの事情では代替要員であるとか、けがをしたときの臨時のものだとか、なかなかおいそれとはできない事情もわれわれは知っております。したがって、少なくとも代替要員的なものも、ある程度——病気、けが等のときにはできるのじゃないかという足がかりのためにも、私は労研の調査程度ぐらいまでのところまではいってもらうことが必要じゃないかと、こういうように考えたから実は申したのですが、そういう点についてはどうでございますか。
  45. 前田充明

    政府委員(前田充明君) おっしゃるとおり、給食というものは、衛生という点に特に注意をいたさなければならない仕事でございますので、そういう人がいないから、そこらにいる人をひょいと頼んでくるということは、これはまずいと思います。したがいまして、私ども指導といたしましてやっておりますのは、これはやはりいろいろな理由——病気とか、産休とか、そういういろいろな理由で休む人のかわりは、ある特定の人を平素から考えておいて指定しておいて、そうしてまああしたから休むとか、あるいは来月から休むという場合には、その指定した人にやっていただくような指導はいたしております。で、こういうことになりますと、今度は給与の問題にすぐからまってくるわけでございます。そこで自治省と私ども積算をいたします場合に、いろいろお話をしたのでございますが、賃金職員は、一応来年度につきましては十二カ月分でやっておるのです。そうしますと実態は大体十カ月、賃金職員でございますので、これは月々きめていけばいいわけですが、十カ月程度で済むのじゃないか。そうすると二カ月あるから、そこをひとつ利用していただきたい。はなはだみみっちいことを申しますのでございますが、それでもないよりはいいんじゃないか、今後はその点につきましてお説のようにできるだけ努力いたしたいというふうに考えておるわけでございます。
  46. 占部秀男

    ○占部秀男君 それから調理士関係の方のほかに、栄養士の問題があるわけですね。これはいま、どういうふうな指導になっておりますか。
  47. 前田充明

    政府委員(前田充明君) 栄養士は、これは町村が学校に現在置いてもらっておりまして、交付税としては全然やっておりませんが、来年度につきましては給食の調理のやり方につきまして、先年来共同調理場という方式をとったらどうかという御意見もありまして、試験的にやってきまして、来年度は施設につきましても、共同調理場というやり方で一応四十カ所の、全国的に見本をつくるというふうに考えております。その四十カ所と、それから従来すでに共同調理場をやってきたのと合わせまして二百カ所になるのでございますが、その二百カ所につきましては栄養士を一名ずつ置く、これは国の補助金で、半額補助でもって予算をお願いしている現状でございます。
  48. 占部秀男

    ○占部秀男君 これは何か設置基準にはっきりさして、少なくとも保健衛生の立場からも、栄養士を各学校に一人以上は置けるようにできないものでございますか。
  49. 前田充明

    政府委員(前田充明君) 先ほど私、その他の職員ということもにらみ合わせてと、実は申したのですが、その中にはもちろん栄養士が入るのでございまして、私どもも年来栄養士はぜひ置きたいということで、各方面に御協力をいただき、やっといま申しましたように、今度先生方の御協力によりまして、共同調理場だけは設けたのですが、その他の学校におきましても、置くことは当然望ましいことでありますし、私ども熱望しておるところでありますが、従来調理士と栄養士との仕事の分担とか、それからそっちのほうの支出の問題とかいうようなことが、いろいろ問題になりまして、実はいままでにはっきりと国の関係の予算化のほうにまいっておらないのは、私ども残念に思います。で、今後は学校栄養士というものが専門的に置かれるようになることは、私どもいつも熱望しておりますので、今後そういう方面についても努力はいたしたいと存じております。
  50. 占部秀男

    ○占部秀男君 行政局長にちょっとお伺いしたいのですが、三十九年度学校給食人員関係の小学校の積算の基礎といいますか、それはどうなっておりますか。基準財政需要額を何かいまふやしたとか言われておりましたですね。その標準規模ですか、児童数……。
  51. 柴田護

    政府委員(柴田護君) 先ほど文部省からお答えのありましたとおりでありまして、小学校では三人、そのほかに調理士職員一人、合計四人を予定しております。規模は八百八十二人、小学校ですが、児童数が八百八十二人の学校を想定しております。
  52. 占部秀男

    ○占部秀男君 給与費はどうなっておりますか。
  53. 柴田護

    政府委員(柴田護君) ちょっとこまかい資料を持ち合わせておりませんので、お答え申し上げかねますが、大体私どもの推算では、基準財政需要額に見合う額が大体九十億くらいと考えております。それで大体四千二百人くらいですから、大体年平均二十万円強、そうしますと月に直しますと、大体十五カ月になるわけでありますから、大体一万三、四千円程度のものじゃないかというふうに私は考えております。
  54. 占部秀男

    ○占部秀男君 それは、いまの三人の給与と一人の賃金ですか、それを含めたものですね。
  55. 柴田護

    政府委員(柴田護君) そういう計算になります。
  56. 占部秀男

    ○占部秀男君 なお、中学や定時制の夜間の場合の、この人員のあれは別にして、給与や賃金の額は同じでございますか。
  57. 柴田護

    政府委員(柴田護君) 高等学校の場合は種別補正で入れるわけですが、中学校の場合は単位費用に入れるわけです。大体同じ単位で計算しております。
  58. 占部秀男

    ○占部秀男君 次に、身分上の問題なんですが、先ほど体育局長のお話で、このPTA、公費以外のものは三十七年度で五%程度、三十八年度では三%程度であるということを言われたわけですが、公費以外というのはPTAだけですね。たとえば失対関係であるとか、ああいうようなやつは、やはり公費関係に入ってくるわけですか。
  59. 前田充明

    政府委員(前田充明君) やっぱり大体お話のとおりPTAだと思っております。
  60. 占部秀男

    ○占部秀男君 そこで御存じのように身分関係は、これはわれわれの了承しておるところでは、身分が市町村の、いわゆる本務としての調理員、これのほかに月給の嘱託、日給の嘱託、さらに補助の作業員あるいはPTA雇用、失対雇用というように、いろいろ各地の事情によって違うのですが、その中でいま言われた私費の分、これはPTA雇用かと思うのですが、これは大体五%、あと残りの分は本職員に——月給、嘱託あたりもその中に入るかもしれませんが、本職員になっている分と、あるいは失対関係というような分との比率はわかりませんですか。
  61. 前田充明

    政府委員(前田充明君) そこのところを私どもの調査では、大体これぐらいであると思っております。定数内というのが現在三万六百九十一名、それから定数外というのが一万五百十五名、したがいましてパーセンテージにしますと、定数内というのは約七五%、それから定数外というのが二五%、これがいわゆる公費によるものの内訳でございます。
  62. 占部秀男

    ○占部秀男君 すると全国で調理員の数は、いまおよそどのくらいあるのでございますか。
  63. 前田充明

    政府委員(前田充明君) これは先ほども申し上げましたわけでございますが、三十八年九月現在で四万二千五百十人、そのうち公費負担は四万一千二百六人、それから私費負担が一千三百四人、したがいまして、公費が九六・九%、約九七%、私費が三%、合計一〇〇%。九七%の内訳がただいま申しました定数内と定数外、こういうわけでございます。
  64. 占部秀男

    ○占部秀男君 全体のあれをもう一ぺん言ってくれませんか。
  65. 前田充明

    政府委員(前田充明君) 四万二千五百十人で、公費が四万一千二百六人、私費が一千三百四人、九七%と三%。
  66. 占部秀男

    ○占部秀男君 このごろだいぶ公費が多いわけで、ほとんど公費になっておるということは、非常にわれわれも喜んでおるのですけれども、この前地方財政法の一部改正をして、給与関係まで私費で払うというのはおかしいじゃないかということで、公費に変えるべきであるという考え方でやったのですが、まだ一千三百人程度残っているわけですが、これはどういう理由で残っているのですか。
  67. 前田充明

    政府委員(前田充明君) はっきり私も理由は……、結局町村が金を結果において出さぬというわけで、したがってPTAで持つ結果にもなり、また場合によりますと、公費による配当分では少ないから、ひとつ皆さんで金を出し合って、もう一人雇おうじゃないかというような積極的なものと、これは両方あると思うのです。学校によって相当違いがございます。それもいまおっしゃるとおり、地方財政法でそういうことになりましたので、あれは三十五年からだと思っておりますが、三十四年には実は私費のものが二二%ございました。が三十五年にいまのことがきまりまして、三十六年には一挙に一二%に下がりました。三十七年度は五%、三十八年度は三%、漸次下がってきております。したがいまして、これは理由ということは、やっぱり町村の財政の問題と、それからもう一つは、やっぱり積極的にPTAで何とかしようじゃありませんかといって、寄付といいますか、出すのが残っていて、こういう結果になっておるんじゃないかと思っております。
  68. 占部秀男

    ○占部秀男君 これは行政局長のほうかもしれませんが、いま言った公費で払われておる分で二五%定数外のものがあるわけですね、一万五百十五人。これは将来定数内のほうへ組み入れるというような、そういうような行政指導というか、何というか、そういうふうな方針を持っておるか、あるいはその他の事情があってこれは当然焦げつきになるものなのか、その点ひとつお伺いしたい。
  69. 佐久間彊

    政府委員(佐久間彊君) これは先生よく御存じのとおりに、定数化の指導を数年前からやっておりますが、その基準といたしましては、勤務が常勤的なものということでございますから、この給食婦の場合におきましては、A型の場合は定数内に組み入れるべきものだと、そういう考え方で指導をいたしております。
  70. 占部秀男

    ○占部秀男君 次に、実際に給与の問題ですが、交付税の中に含まれておる問題は、これは了承しましたけれども、現在の給与の実態を見ますと、これは行政局長のほうにお伺いしたいのですが、いろいろあるわけですね。たとえば別表をつくって、学校給食婦の給料表というものをつくっておるところもあるし、行(二)のあるいは技能労務職ですか、これを適用しておるところもあるし、中には行(一)の適用をしておるところもある。いろいろあるわけなんですが、この問題はやはり統一していくように行政指導をすべきじゃないかと思うのですが、こういう点についてはいかがでございますか。
  71. 佐久間彊

    政府委員(佐久間彊君) 私どものほうでは、技能労務職というふうに指導をいたしております。
  72. 占部秀男

    ○占部秀男君 その内容を見ますと、ここのところたびたびの交付税の賃金あるいは給与費の積算の基礎を引き上げたので、だいぶ全国的にはおかげさまでよくなっていると思うのですが、ところによってはまだ何か八千円から七千円程度のところが相当あるというように私聞いておるのですが、いまの実給与の実態は、一般的な意味で五日A型の場合にどのくらいになっておるのでございますか。
  73. 佐久間彊

    政府委員(佐久間彊君) 私どものほうでは、特にこの給食だけに限っての調査をいたしておりませんので、はっきりつかんでおりません。
  74. 占部秀男

    ○占部秀男君 ただたびたびの、毎年のように給与の引き上げの問題もあるわけですから、したがって、それと見合うように基準財政需要の基礎を引き上げたといえば、それまでなんですが、現在の物価のもとでは、少なくともA型なりB型なり、週五日あるいは四日というふうに、もう常勤的に給食をやっている学校の調理員については、少なくとも一万二千や、一万三千の月給を出さなければ、実際問題としてはやっていけないのではないかと私は思うのですがね。そういうような点についてのやはり行政指導というか、何というか、そういう点についてはお考えになったことはありませんか。
  75. 佐久間彊

    政府委員(佐久間彊君) 先ほど申しましたように、技能労務職と考えておりますので、行(二)の俸給表が適用されることを予想いたしておりますので、それに応じた俸給を受けるということを予想しておるわけであります。
  76. 占部秀男

    ○占部秀男君 それからなお、これは体育局長にもお考えを願いたいと思うのですが、地方の調理の職場によっては、なかなか基準どおりの調理場の設備その他までいかないところが相当あって、重労働なわけですね。しかも問題によっては危険などに対する問題もあるので、何とか手当的なものを、やはり重労働のような場合にはつけてやる必要があるんじゃないか。こういう点はあるいは自治省のほうとの話し合いになるのかもしれませんが、何らかの重労働手当のようなものをつけるというような考え方をお持ちになってはおりませんか。
  77. 前田充明

    政府委員(前田充明君) 給与面でいま自治省からはお答えになりませんでしたですが、大体八千円から一万二千円のところが、カーブにいたしますと一番多い勘定になっております。そこで給与のほかに仕事の性質上から特別手当と申しますか、そういうものの手当でございますが、これはいま非常に高度な技術、あるいは危険とか、そういうことに対して置かれるわけでございまして、これはちょっと私特別手当をつけるのはなかなか困難が多いんじゃないだろうかという見通しを持っておりまして、現在までのところでは自治省に特に私のほうから希望を申し述べたことはございません。しかし実態でもし非常に危険があるというようなことになりますれば、またこれは別途検討はいたさなければならないと思うのでございますが、現状ではちょっとそこまでいっておらないと思うのでございます。
  78. 占部秀男

    ○占部秀男君 実は調理場のボイラーの扱いですね、ああいうふうな問題が相当専門的な資格の取得者じゃない形で行なわれておる場合があるわけですね。そういう点などは特にひとつ今後——私はそういう意味の一つに入ると思うのですがね、これはきょうどうの、こうの言う意味ではありませんが、文部省としても注意していただきたい。特に排気ガスの問題なんかでも、それからあとでちょっと触れますが、このごろは学校給食関係の病気がだいぶあるようなんですね。そういうような点もあるもんですから、ひとつお願いをしたわけですが、このことは打ち切ります。いまも触れたのですが、給食用のボイラーについて、あれは正規の資格を取得している者にボイラーの扱いをさして、やはり労働条件を改善していかなければならないと思うのですが、そういう点などはいかがなものでございますか。
  79. 前田充明

    政府委員(前田充明君) この問題は相当きめのこまかい問題でございまして、私もいまここでお答えするだけの勉強をいたしておりませんので、ひとつ給食課長からお答え申し上げます。
  80. 臼井亨一

    説明員(臼井亨一君) いま御質問の点につきましては、昨年度も実は北海道で一件ございまして、女の調理人さんがボイラーマンとしての資格がないのにやれと言われてやっているという、そういう御報告をいただきました。これは自治労連のほうから御報告いただきました。これは当然資格がなければ従事できないということに法律上なっておりますから、これは当然教育委員会において改めるべきであるという、そういう見解をとっております。
  81. 占部秀男

    ○占部秀男君 夏休み中の問題ですが、これは行政局長にお聞きしたいのですが、いまのあれは、夏休みはもちろん本採用の者はそのままでけっこうですけれども、本採用じゃない者はどういうような扱いになっておりますか、夏休み中。
  82. 松浦功

    説明員(松浦功君) 正規の職員として定数内の取り扱いを受けている者については、夏休みでありましても所定の勤務時間に従って研究をしていただくというようなことも課せられているかと思いますが、そういう形態でございますれば当然給与はまるまる受けるということでございます。臨時、非常勤の職員につきましては、これは期間を切って雇っていくということがたてまえでございますが、夏休みにその必要がない場合においては、これは給与を支払わないというたてまえが一般的であろうかというふうに考えております。
  83. 占部秀男

    ○占部秀男君 その定数内の職員の夏休みの問題で、たとえば学校給食に関係のある研究をしたり、あるいは他のそういう類似のところの実地見学をしたりして、調理事業、給食事業の改善の仕事のほうに向けてやると、こういう場合はこれは当然だと思うのですが、何か場所によっては全然違った方向へ——やっていないときには、たとえば用務員が足らない場合には学校の用務員、あるいはどこかの会議に使われる、そっちに夏休み中は回すというような、何というか全然職種の違った配転をやる。そういう問題があちらこちらに起きておるというのですが、そういう点については自治省のほうは何かお聞きになったことがありますか。また何かそういうふうなことが起きた場合、これは私は正しくないと思うのですが、そういう点についての行政指導というか、何というか、考え方をひとつ明確にしてもらいたいと思うのです。
  84. 佐久間彊

    政府委員(佐久間彊君) お尋ねのような実態につきまして、私どものほうではあいにく存じておりません。また文部省のほうからいろいろお伺いいたしまして、必要があれば検討してみたいと思います。
  85. 占部秀男

    ○占部秀男君 ただ検討は検討なんですが、本来雇った目的以外の、全然別な留守番的なところへ臨時にぽいぼいと置かれる。こういうようなことは、これはどうも仕事の実態から見て私は不当だと思うのですがね。そういうことはなるべく、かりに起こったとしたら自治省関係のほうとしては、そういう点は規制してもらわなければ困ると思うのですが、そういう点はどうなんでしょうか。
  86. 松浦功

    説明員(松浦功君) やっぱり給与というものは労働に対する対価でございますので、研究も何もしないで、ただアルバイトを別のところでしておるというかっこうになっておるものに給与を支給するということは、いまの地方公務員法の精神からいかがかと思います。研究がないという場合にあまり極端なかっこうで、とんでもない畑違いのところに振り向けるということは、これは若干問題があるかもしれませんが、学校で先生方がいろいろ研究している際にお茶くみをさせるとか、まあ常識的なことであれば、これはいけませんという必要はないのではないかというふうに考えます。
  87. 占部秀男

    ○占部秀男君 私も、いま言われた程度ならこれは当然あり得ることだと思うのです。全然違った——その期間だけ、僕の聞いたところでは、何といいますか道路の飯場といいますか、何というのですか現場ですか、現場の留守番にやられたりなんかしているのがあるというのです。あまりそういうのはひどすぎるので、今度は実例が来ましたら、一ぺんひとつ御相談に乗っていただきたいと思うのです。  それから最後に、学校の最近給食センターの問題なんですがね、これは給食センターをいま設けられておるその内容については、われわれはまあ全面的にこれはいかぬとか何とかという問題ではないと思うのですが、給食センターに伴って合理化のような問題が起こってくるということは、非常に調理人の方々も心配をされておるのですが、こういう点についての文部省なり自治省なりの指導方針はどういうふうになっておりますか。
  88. 前田充明

    政府委員(前田充明君) これは私どもも、調理する場所の問題でございますが、これは能率的であり、うまくいくだろうというようなことで共同調理場もやりかけたわけでございますが、いま現在学校でやっておるものを、その施設をもうやめてしまって、全然別のところに新しくそれを持ってきてやるというようなふうには考えておりませんし、またそういうふうな指導はいたしておりません。新しくやる場所についてだけ共同調理場という問題を考えております。
  89. 占部秀男

    ○占部秀男君 現在やっている各校ごとのものは配転はしないわけですな、その問題が起こったとしても。
  90. 前田充明

    政府委員(前田充明君) もちろん原則としてはやる考えは持っておりません。たとえばこういう場合でございますね、A校がやっておりましてB校は現在やっていないのですが、新しく給食をやろうというときに、A校のやつをもう少し拡充して、そしてB校と一緒にセンターにするということは、これは当然私ども考えられることではなかと思っておりますが、いまのA校をやめてしまって全然別のほうでということは、別に考えておるわけでございませんので、これは大体御安心願っていいのではないかと思っております。
  91. 占部秀男

    ○占部秀男君 最後に、調理士の中で職業病の問題なんか最近だいぶ問題になっておるということを私聞いておるのです。この調理人のまあ職場が職場ですから、冷えたりいろいろな関係がございますが、そういう点について特に文部省のほうとして、何か調査されたり研究されたりしたことがありますか、またその結果が何か出ていたらお知らせ願いたいと思います。
  92. 前田充明

    政府委員(前田充明君) 私も、いわゆる子供の学校病というのは聞いておりますが、給食部の学校病というのはいま初めて聞いたわけでありますが、推察いたしますと、おそらく冷えるというようなことだと思うのでございますが、それはどういうことか。また私も実は現地を方々近ごろ見ておりますが、そういう際に、私自分で仕事の指導をしていて恐縮なんですが、日本では調理場を水を流してきれいにするというようなことが非常に多いのでございます。しかしこれは世界的に見ますというと、調理場というものは乾燥させるのが本当です。したがって下に水を流すのはいけない、水を流してきれいにするのではなくて、ごみを落とさぬところに目的がなければならない。調理のやり方として、そういうふうに外国の進んだところでは全部あれですが、日本ではみな長ぐつをはいて、場合によるとげたの高いやつをはいて、これはみんな水を流すからやむを得ないのですが——調理場は水を流さぬようにするほうがほんとうではないかと思って私よく注意しますが、やっぱり水を流したりしますと、どうしても湿気が出る。それから全体があたたかでございますので湿気も多く湿度も高くなる。自然病気が起こりがちだというふうに考えますので、現在そういうような調理の手引きというようなものも、いまつくりつつございますので、そういうようなことでできるだけ病気などにならぬような指導はいたしておりますし、また将来とも、ますますいい指導はいたしたいと思っております。
  93. 占部秀男

    ○占部秀男君 これは最後ですが、文部省も自治省も、もう学校給食がいま言ったような状態に普及していますし、調理員の何といいますか、職員の給与問題や身分問題も、相当学校給食の義務化の方向にコンクリートされていると思うので、この一、二年には、ぜひひとつ踏み切ってもらいたいと思うのです。これはきょうはあれですから、またあとで大臣なり何なりに、その点についてお伺いしたいと思いますけれども、そういう希望を申し上げて、一応私の質問はこれで終わります。
  94. 沢田一精

    ○沢田一精君 関連して一点だけお尋ねしますが、ただいまもお話がありましたように、学校給食の義務化という趨勢からしまして、これは文部省と自治省と、両方にお伺いしたいのですが、この必要な給与関係経費について国庫負担をするということについての御見解をお伺いしたい。
  95. 前田充明

    政府委員(前田充明君) 国庫負担ということになりますと、義務教育学校の先生の国庫負担ということになるかとも思いますが、そういたしますと、県費という問題と国庫負担という問題とで解決するわけでございますが、これは義務になれば当然だという考え方も、もちろんあるわけでございますが、しかし一ぺんにそこまでいけるかどうかということも、なかなか現実問題として問題があるのじゃないかと思うのでございます。私ども、もちろん義務化される場合に、そういうことになることを希望はするのでございますが、その辺は、ひとつ十分検討をさせていただき、御趣旨のほどは十分わかりますので、検討をしたいと思っております。
  96. 柴田護

    政府委員(柴田護君) 問題は、給食というものを一体どう考えるかということになるのじゃなかろうかと私は思います。つまり、体位を向上するというのも義務教育の一つの態様だと考えるならば、義務教育職員と同じように国庫負担というものは理論上成立する。しかし別な態様を考えれば、そこに問題があるのじゃないかと——いま私、初めて伺いましたので、ほんの思いつきですけれども、そういうふうに考えるわけです。なお、具体化いたしましたときに検討したいと思います。
  97. 沢田一精

    ○沢田一精君 いま財政局長がおっしゃいましたように、今後の趨勢としては、やはり義務教育の一環として、学校給食というものが重要なウエートを占めてくるのじゃないかと思います。それと、もう一つは、現実の問題としまして、現在の市町村財政という面から見ます際に、先ほどから御説明がありましたように、交付税の算定基準というものを、だんだん改善していただいておることは、よくわかるわけなんですけれども、零細な財政規模の町村等におきましては、この給与費というのが相当町村財政を圧迫してきているのじゃないか。これは交付税で算定してあるからいいじゃないかというのは一応の理論でございますけれども、なかなか現実はそうはいかない面が末端には非常にあるのではないかと思うのです。したがいまして両面から考えまして、やはり義務教育の一環として学校給食という問題を今後必要な事柄として大きく取り上げていきますためには、やはり将来はそこまでお考えいただきませんと、いかないのじゃないかという気がするものですから、その点もあわせてひとつ御検討いただきたいと思います。
  98. 松本賢一

    ○松本賢一君 先ほどからたくさん御質問がありましたので、大体聞くこともないのでございますが、一点だけ、聞き漏らしたのかもしれませんが、お尋ねしたいと思います。給食の設備の問題ですね。給食を始めるとき、あるいはまた維持するために学校の規模等によっていろいろ設備が変わってくると思うのです。そういう基準はどういうふうになっておりますか。  それから、それに対する予算的な、財政的な裏づけというものはどういうふうになっておるのか、双方にお聞きしたいと思うのですが。
  99. 前田充明

    政府委員(前田充明君) 施設の補助につきましては、坪単価木造の場合三万七千円、鉄骨が五万三千円、そういうことでやっておりまして、それから設備基準が一校当たり十八万九千八百円でやっております。それから共同調理場につきましては一応二千人分ということでやっておりますが、単価は同じでございまして、それから設備費は一カ所について二百四十八万一千円を見込むということになっております。
  100. 松本賢一

    ○松本賢一君 いまの一校当たり十八万幾らというのは何ですか。
  101. 前田充明

    政府委員(前田充明君) 四百人につきまして十八万九千八百円でございます。
  102. 松本賢一

    ○松本賢一君 生徒数幾らについて坪は幾らですか。
  103. 前田充明

    政府委員(前田充明君) 四百人につきまして十五坪三分の一でございます。で単価は木造三万七千円、鉄骨は五万三千三百円、十八万というのは中の設備でございます。
  104. 松本賢一

    ○松本賢一君 それで、これは自治省のほうにお尋ねするのですが、これは給食を始める学校があった場合、財政需要額として認められるわけなんですか、この金額が。
  105. 柴田護

    政府委員(柴田護君) いまの設備等について文部省からいわれました基準で計算したものを、基準財政需要額の中に償却分の形で織り込まれるのです。それから共同調理場につきましては、額も大きうございますし、これは地方債を認めております。普通の規模では地方債は認められません。これは減価償却の形で基準財政需要額の中に入るわけです。ただし先ほど申し上げましたように、共同調理場だけは積極的に起債を認めています。
  106. 松本賢一

    ○松本賢一君 それでよく給食設備に対するPTAの寄付というような話を聞くのですがね。そういうことがあっちゃ好ましくないと思うのですが、そういう点について実際そういうことがあるのかどうか。こういう今おっしゃったような予算で実際できるものかどうか、その点について一つ。
  107. 前田充明

    政府委員(前田充明君) 学校給食設備も、今の単価ではなかなか実際の問題に及びますと、PTAがずいぶん関与しているわけです。そうしてもう少しりっぱにしたいとか、何とかいうことになりますと、結果においては寄付ということもないでもございません。私どももできるだけそういうことのないように、大蔵省との折衝におきまして単価を高くすることはやってきているわけでございますが、やっぱりいよいよつくるとなりますと、せっかくつくるなら少しでもりっぱにつくったほうがいいというような希望等も出まして、そういうことも起こっておることは聞いて知っておりますが、今後はひとつ、そういうことのないように、こちら側の補助金のほうで単価を高くするように努力いたしたいと思っております。
  108. 松本賢一

    ○松本賢一君 局長さんのおっしゃるとおりだと思うのです。設備の十八万というようなものは、実際今日の実態には全然即していないと思うのです。  それから子供の大勢の給食なんですから、衛生には十分気をつけなければなりません。それには近代的な機械等も相当程度やはり必要だと思う。そういうことから、結局、父兄の間から声が起こって寄付を集めてでもやろうじゃないかというようなことになってくるのだと、そういうものは私は必要だと思う。実際に幾つかの学校を私も見て、現在やっているぐらいの設備は最低限度必要だという感じを持っているのですが、それを実態に即するように、ひとつ文部省にも自治省にも十分お考えをいただくようにお願いをして質問を終わります。
  109. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 本件についての本日の調査は、一応この程度にいたしたいと存じます。  なお、午後一時まで休憩いたします。    午後零時二十分休憩    ————————    午後一時二十六分開会
  110. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 休憩前に続き、委員会を再開いたします。  公営企業金融公庫法の一部を改正する法律案議題といたします。  本法律案につきましては、衆議院において修正議決されておりまするので、まず衆議院修正部分について説明を聴取いたします。柴田財政局長。
  111. 柴田護

    政府委員(柴田護君) 衆議院で修正をされました点は、改正法律案の第十条の第四項に、監事の権限強化の規定がございますが、総裁または総裁を通じて主務大臣に監事は意見を申し出ることができるという規定でございますが、この規定の、「総裁を通じて主務大臣に」という点の、「総裁を通じて」というところを削除されたのであります。削除されました理由といたしましては、原案には、「監事は、監査の結果に基づき、」まして、「総裁を通じて主務大臣に意見を提出することができる。」ものとされているけれども、総裁を通じて主務大臣に意見を提出することとすると、監事の意見が総裁の手元で保留になったり、また総裁を通ずることによって、監事の自由な意見の表明が制約される。せっかく監事の権限を強化する目的が貫徹されないおそれがあるので、総裁を通じないで直接主務大臣に意見を申し出ることができると、こういうことにしよう、そのほうがいいのだ、こういうような趣旨でございます。その点だけでございまして、あとは附帯決議を付せられて衆議院におきましては可決されたのでございます。   —————————————
  112. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 次に、参考人出席要求についておはかりいたします。  本法律案審査のため、公営企業金融公庫総裁三好重夫君ほか役職員の出席を求めることにいたしたいと思いますが、さよう決することに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  113. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 異議ないと認めます。   —————————————
  114. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) これより本法律案について質疑を行ないます。なお、自治大臣並びに運輸大臣が後刻出席の予定でございます。  それでは、御質疑のある方は、順次御発言を願います。
  115. 鈴木壽

    鈴木壽君 総裁にお尋ねをいたしますが、昭和三十二年にこの金融公庫が誕生したわけでありますけれども、当時新しい金庫を創設するというその理由として、まあいろいろなことが述べられておりました。特に地方公営企業に対しての起債のワクを広げる。しかもその場合に、低利で安定したものにする必要がある。そういうことをすることによって、地方公営企業の健全なる発達を促すんだと、こういうことであったと思うんでありますが、そしてまた、この公営企業金融公庫法の第一条にも「特に低利、かつ、安定した資金を必要とする地方公共団体の公営企業の地方債につき、」云々と、こういうふうになっているわけでありまして、目的ははっきりしていると思うんですが、現在までの運用にあたって、当初考えられたこういうことと実際の間で、もし目的どおりそういうふうにやっておるんだということでしたら、それでもよろしゅうございますし、また、当初考えたものとは若干合わなくなってきているんだというようなことがもしあったら、そういうことでもよろしゅうございますが、運用全体の問題としてひとつ総裁の見解をお聞きしてみたいと思います。
  116. 三好重夫

    参考人(三好重夫君) お話しのとおりの趣旨で設立されました公庫でございますので、私ども運営にあたりましては、できるだけその趣旨に沿うような運営をしたいという念願で、今日まで参っております。ただ、政府機関でございますので、根本のところが常に政府によって定められまして、これでやれという形になりますのが事実でございます。そこで、私どものほうも意見をしばしば出しまして、一つは、なるべく貸し付け期間を長期にするという問題がございます。今日までのところ、思うようにそれが長くなっておりませんけれども、設立当初に比べましては、大体一等長いもので十五年でございましたものを、十八年まで延ばしてもらうということができたのでございます。ただ、率直に私だけの気持ちを申し上げますれば、まだ延伸のしかたが足りないのであって、理想を言えば、償却、耐用年数、そういったものに見合うところまでやられるべきではないか、公営企業の本質からいえば、それが一等理想ではないか、しかし、それが困難であれば、せめて政府資金の程度までぐらい長い貸し付け期間を持ったものにしてもらうということが望ましいのじゃないかということを私としては考えております。機会あるごとにそれに近づけるような努力をいたしておりますが、ようやく最近、ただいま申し上げました程度に延ばしていただいたという実情でございます。ただ、これを民間資金に比べますと、比較になりません。かつての民間資金で調達しておりました時代に比べますと、比較になりません長期のものでございまして、その意味では、これでも大いに役立ち、喜ばれておる実情でございます。  それから、資金の率といいますか、平たく言って利子がなるべく安いにこしたことはございませんので、当初、出発当時は七分六厘ということで貸し付けをいたしておったわけでありますが、その後機会あるごとにお願いをいたしまして、だんだん引き下げてもらって七分四厘にし、現在では七分三厘まで下げていただいたわけであります。この七分六厘、七分四厘ということをきめます数字的な根拠は、債券の発行者利回りより下らないということで大体きめてもらっておりますので、そういう数字になっておるのでありますが、一つの例外といたしまして、ただいまの七分三厘にしてもらうにつきましては、御承知のように、一般の公募債のほかに、通常縁故債と称せられるもの、公庫で直接発行する債券がございます。その債券は、手数料におきまして公募債より若干の開きがあります。少し安いものでございますから、それによってかせぎ出した金によって、普通の公募債の発行者利回りは七分三厘をこえておるんでありますけれども、その利子計算の差額で七分三厘を割るということができましたので、それを機会に七分三厘に下げてもらって今日まで参ったのであります。政府におかれましても、そういう点は十分お考えになっておる次第でございまして、お願いを申し上げるときに、理由が立てば下げてもらっておるんでありますが、これまた私の個人の欲から申しますと、あるいは地方団体の立場に立って考えますると、そう下げられなくても、せめて債券発行の応募者利回りぐらいのところまでは下げてもらえないかという念願を持っている次第であります。  それから、起債の量でございますが、これは一般の金融市場の諸情勢によってきまるのでございまして、私どもがたくさんなワクをつけてもらうということのお願いにいたしましても、なかなか実現は至難でございますけれども、地方債計画策定にあたりましては、いろいろ進言も申し上げ、私どもの努力によって調達し得る金につきましては、そのお話も申し上げまして、次第にワクを拡大していただいております。出発当時は総額七十億が債券発行のワクでございましたが、明年度お願いいたしておりますものは、公募債だけで三百八十億というものがついている次第でございます。漸次地方団体の御希望に沿う方向にはあらゆる点で向いておりますけれども、実際の仕事をやっております気持ちから申しますと、債券発行のワクの問題、あるいは貸し付け期間の問題、利率の問題等において、なお私個人としてはもの足りないと思っております。できるだけ私の申し上げましたような線に近づく努力を将来も続けていきたい、かように考えている次第でございます。
  117. 鈴木壽

    鈴木壽君 いま総裁から、個人の見解も交えながらの現在の貸し付け期間の問題なり、あるいは利率の問題、起債のワクの問題等についてお話がございましたが、いまのおことばの中にありました、個人の見解とか、個人の考え方ということでありましたが、自治省の財政当局としては、いま総裁があげられました三つの問題について、どのようにお考えになり、将来またどうすべきであるというふうに考えられておるのか、お尋ねしたいのであります。
  118. 柴田護

    政府委員(柴田護君) 大体私どもも相似た見解を持っているわけでございますが、公営企業金融公庫をつくりました趣旨は、公営企業金融公庫法の一条にはっきり出ておりますけれども、平たく申し上げますならば、起債能力のない弱小の地方団体のために、低利で安定した資金を手軽に早く貸してやるというのが、公庫創設の趣旨であったと私どもは記憶しておるわけでございます。先ほど来総裁からいろいろお話がありましたように、逐次努力をしてまいっておりますけれども、まだ十分ではない。償還の期限にしましても、利率にいたしましても、資金の量にいたしましても、御指摘のとおりであります。まあ、一挙にはなかなか達成できませんので、逐年努力をしてまいっておりますけれども、私どもといたしましては、将来はやはり起債のワクを割り当てられれば、地方団体は労せずして、事公営企業に関する限りは、すっと借りられる、こういうような機能を公庫が持っている、こういう方向に持っていきたいと思うのでございます。事実、公営企業金融公庫ができましてから、借り入れについての非常に煩瑣な手続は一切省略されておりますので、その辺に関する限りは、地方団体からは非常に喜ばれているわけであります。ただ、残念ながら、安くて安定した資金をというところにまだ十分目的が達成されてないうらみがある、これを早く所期の線まで持っていきたい、こういうことで努力をいたしておるわけでございます。
  119. 鈴木壽

    鈴木壽君 設立されてから現在までの間に、若干改善され、前進したことは私も認めますが、しかし、設立にあたって考えられたその必要性から来る、低利かつ安定した資金の供給というようなことになりますと、まだまだ私は問題があると思うのであります。総裁もあげられましたように、償還の期限の問題、これは十八年に最近なったのもありますけれども、しかし、これは何といっても、やはり公営企業という、こういう仕事をやる性質のものについての償還する期限というものは、やはり私は短か過ぎると思うのです。お話の中にもありましたように、やはり耐用年数等に準じてやるようにしなければならないと思うのでありますし、さらに、利率の問題を見ましても、七分三厘になったとはいうものの、しかし、政府資金の場合だと六分五厘ですか——五厘でやられておる。ここにも差があるわけなんですね。また、資金の量、ワクの問題にしましても、特に貧弱な府県とかあるいは市町村が仕事をやっていく場合にほしいという額を満たす、これにはまだまだ私は遠いものであるというふうには見ておるのでありますが、そうしますと、私はよほどこれに対して公庫のあり方——設立にあたって考えられたその必要性から来る条件というものを満たすための、さらに一そう強い努力というものが私は必要じゃないかと思うのであります。  で、関連しまして、特にこの公庫に対する政府出資が非常に少ないということですね。私はこの問題は利率の問題にも関係してくるだろうと思うし、あるいは場合によっては、償還年限等とも無関係ではないと思うのですが、いずれ、特にその利率の問題等に関連してくる、こういう問題があるのでございますが、どうしてこの公庫に対して政府出資がこんなに少ないのか。あなた方これに対して、たとえば具体的に言うと、三十九年度、あるいはことしの三十八年度の資金計画をつくる際に、どういう態度でこの問題について臨んでおられたのかということですね。これをひとつあわせて聞かしていただきたいと思うのであります。
  120. 三好重夫

    参考人(三好重夫君) 増資につきましては、いろいろの見方がございまして、公庫の与えられた規模における経営上なければならぬ金の程度でいいということにしますれば、今日、またそういう方針をとっておられるのでございますが、それでございますれば、大体今日の出資ワクでやれないことはないというのが実情でございます。しかし、私ども考えまするのは、金融機関でございますから、ある程度のやはり信用というものが必ずつきまとう。しかも、債券発行額がすでに今日一千億以上のものを残す形になっております。累積しましてそういう形になっておりますが、そういう数字を見まするというと、今度増資していただいてようやく二十五億でございますが、現在それではどうも少な過ぎるのじゃないかという感じを持っておる次第であります。そういうことでございますので、毎年度の予算の要求にあたりましては、常に相当の増資の要求をお願いし、自治省におかれましてもそれをお認めになりまして、要求に加えていただいておるのでございますが、遺憾ながら、今日までになかなか増資が思うようにはかどっておらないことは御承知のとおりでございます。と申しますることは、ただいま申し上げましたように、やってさえいければいいじゃないかという考え方をとる限りにおいては、その限度で済むということになるのでございます。ただ、ほかの公庫にもたしか規定があったと思うのでございますが、債券発行額というのは、資本金の二十倍までできるというような常識的なおよその線があるわけでございます。したがいまして、それから逆算いたしまするというと、千億発行するためには、やはり、五十億以上の資本金がなければ、常識的にやはり金融機関としての信用という線からいえば不十分ではないか、かように考えられますので、正直申しますと、いろいろな手を使って増資をお願いしているのですが、いま言ったような事情でなかなか実現しないということで、まことに申しわけないと考えておる次第でございます。
  121. 鈴木壽

    鈴木壽君 私は、当初この公庫が設立されたころと、それといまの状態を比べた場合、この政府出資と、いわゆる民間の公募といいますか、公募との、当時考えられておったこととは違ってきているのじゃないかと思うのですね。というのは、違ってきているというのは、割合がもう公募が著しくいま大きくなっている。これはまあいろいろ信用制度からそういうこともできるのだと言えばまあそれまでの話でありますけれども、しかし、さっきも申し上げましたように、公営企業を育てるために持たなきゃいけない公庫の役割りとして、やはりどうしても低利かつ、安定した資金の供給が必要だ、こういうたてまえからしますと、勢い、低利かつ長期というものに大きく制約をされるということになってきていると思うのですね。で、初めは、当時、三十二年のこの公庫ができるころの話では、できるだけ政府出資というものを大きくして、しかし、それだけでは足りぬから、若干は公募をしなきゃならぬ、こういうことを言っておったのですがね。そうしますと、いまの場合とは私は違ってくると、こういうふうに思うのですがね。その点はいかがです。
  122. 三好重夫

    参考人(三好重夫君) その点になりますると、まあいろいろ意見のあることだと実は思うのでございまして、地方団体が自分で発行する起債を共同消化して、そしてできるだけ有利にする考え方の機関だというふうに了解いたしますれば、それも一つの了解のしかたであって、必ずしも御指摘のような結論にはならないかと思うのでございます。ただ、実際問題といたしまして、金融機関としての信用の問題、それから、先ほど申し落としたのでございますが、利率を下げるには、今日の金融界の情勢からいたしましては、政府出資による増資以外に下げる手がないのでございます。したがって、まあラウンド・ナンバーで七分なら七分にするということにつきましても、ある程度の政府出資を思い切って出してもらって、その利ざやで下げるという考え方をとらざるを得ない。その点は、実はこういうことを申し上げていいかどうかわかりませんが、自治省におきましてもそういうお考えのもとに、しばしば御折衝願っているやに聞いておるのでございまして、私どももそういうお願いをいたしておるのでございますが、いまだその実現を見ないのはまことに残念だと思っております。
  123. 鈴木壽

    鈴木壽君 私お聞きしたいのは、政府出資によって利率を下げるとかということも一つは問題としてあるし、私もさっきちょっと触れたと思います。それはそれとして、創設にあたって私どもにこういうふうに説明しておられるのですね。これは三十二年の三月にこの委員会で、いわゆる提案理由説明をした。それによると、「できるだけ政府資金によって処置することが望ましいのでありますが、政府資金の原資の関係もあり、ある程度は公募資金によることもやむを得ない」、こう言っておる。ある程度はね。ところが、ウエートにおきましては、現在はそうではない。政府資金というのはわずかで、ある程度政府資金が出ておって、公募その他によってまかなわれておるというのが、私はこれは資金繰りのそれからしますとはっきりするのじゃないかと思います。そこを、私はだんだん設立の当時とは違ってきているのじゃないか、こういうことを言いたいのですが、この点どうです。
  124. 三好重夫

    参考人(三好重夫君) この点につきましては、御承知のように、ある地方団体がやっております仕事の資金として供給されます金は、政府資金と、一部私のほうの資金がつく、こういうたてまえになっておるわけでございます。したがって、公庫の扱いますものは、すなわち公庫なかりせば、地方団体が公庫債によって市場で調達する金に当たるものを貸す、こういうたてまえでございますので、お話のございます趣旨、これは私誤解かもしれませんが、できれば政府資金で地方団体の公営企業というものを全部まかなってやりたい。しかし、それでは足りないものがあるから、公募債をつけざるを得ない。そのつけるものは、公庫で扱わそう、こういう考えのあらわれじゃないかと想像されるのでございますが、と申しますることは、設立当初すでに七十億の——年度半ばからでございますが、七十億の貸し出しを予定いたしまして、その際の資本金は政府出資五億にすぎなかったのでございます。今日から見ますれば、割合から見ますれば、比較的政府出資が多いのでございますが、たてまえはそういうふうに一応できておるのじゃないか、こういうふうに私は解釈しておるのでございます。
  125. 鈴木壽

    鈴木壽君 私の聞いておることはこういうことなんです。もう少し当時の記録を読んでみます。「すなわち地方債につきまして、一般会計分は公債費対策の一環としてこれを漸減し、必要な限度にとどめる一方、公営企業債は可能な限り増額すること」としたい、こういうことを言っていますね。そしてその原資については、政府資金でやることがたてまえなんだ、しかし、政府資金の原資の関係で、ある程度は公募資金に依存せざるを得ないのだ、こういうことなんですから、この点からしますと、私はやはり公庫で扱うその金であっても、さっき言ったように、政府出資等においてもっと多くのものがここにつぎ込まれなければならないのじゃないか、そういう気持ちを持って、いまお尋ねしておるわけなんです。
  126. 三好重夫

    参考人(三好重夫君) 公庫が現在貸し出しております金をもっと低利に貸すようにするということにつきましては、これはもう私どももそうでなければならぬ、それに対して努力すると、こういうふうに考えるのでございますが、全額を、あるいは大部分を政府出資にするということになりますと、御承知のように、直接に政府政府資金を貸しておるのでございますから、公庫が存在する意義がむしろなくなるのじゃないか、かように実は考えるのであります。三十九年度地方債計画を見ましても、二千六百十億円のワクに対しまして、政府資金が二千二百十億円、私のほうの資金が四百億円、こういうふうな計画になっておるのでありまして、公営企業に対する資金の供給としては、この総体のワクを広げる、あるいはこのうちの政府資金分をもっとふやすという問題がございます。と同時に、明年度で言えば、私のほうの四百億というものについて、利子を現在よりもなお下げる方向に持っていったほうがよろしい、こういう問題がある、かように考えておる次第であります。
  127. 鈴木壽

    鈴木壽君 これは自治省のほうへお尋ねしますが、お尋ねというよりも、資料としてほしいことを申し上げたいのですが、三十九年度地方債計画で、政府出資とそれから公庫で受け持つ分、こういうもののついた何か表のようなものがありましたらほしいのですが、いかがでしょう。
  128. 柴田護

    政府委員(柴田護君) 地方財政計画の中の地方債計画の欄の終わりのほうにその資金計画が出ております。
  129. 鈴木壽

    鈴木壽君 きょう私それを持ってこなかったので……。
  130. 柴田護

    政府委員(柴田護君) ちょっと私が申し上げますと、地方債計画三千九百八十四億のうちで、政府資金が二千五百二十一億、それから公募が千四百六十三億でございますが、そのうちで公営企業金融公庫の引き受け額が四百億、それから市場公募が三百六十億、外貨債が百六十二億、それから縁故等が五百四十一億でございます。
  131. 鈴木壽

    鈴木壽君 ちょっといま数字のことをお尋ねしますが、外債の分は百六十二億、これは昨年度と変わらぬのですね。
  132. 柴田護

    政府委員(柴田護君) 同じでございます。
  133. 鈴木壽

    鈴木壽君 現在の実際の貸し出し状況からしまして、総裁、特に貧弱な府県とかあるいは市町村というようなものに特にウェートを置いた、そういう貸し出しのしかたをとっておりますか。
  134. 三好重夫

    参考人(三好重夫君) 私のほうで扱うワクにきめられましたものは、起債の許可見込み額の全額に見合うようにできておりますので、私のほうで取り扱う分につきましては、許可にさえなればフルに貸したいということで、一切の差別はないわけでございます。ただ、もっと広い問題としてながめますれば、大きな府県とか大きな都市につきましては、御承知のように、旧指定債という制度がございます。これは各団体が面接に債券発行いたしております。それは私どもの貸す対象になっておらないわけであります。ところが、実は利子が私どものほうよりだいぶ高いのであります。私どものほうの利子でもできるだけ下げたらどうかと思っておる気持ちから申しますと、この旧指定債を発行しておられます地方団体につきましては、もっと利子を下げるべきじゃないかということは、これはどうもこういう席で申し上げるのもどうかと思うのでございますが、私のほうの取り扱いの中に入れていただけば、現在八分近くかかって調達しておられる金が、七分三厘でむぞうさに出ていくわけですから、旧指定債を私のほうの取り扱いに入れていただきたいという問題が、私のほうの将来の問題として残っておるわけであります。
  135. 鈴木壽

    鈴木壽君 その配分やら、ワク内での配分等については、これは自治省のほうでやっているのだ、そうしてその限りにおいては、あなたのほうの分野として出すようにすると、こういうことでございますか、もう一度。
  136. 三好重夫

    参考人(三好重夫君) 私のほうの貸し出しはお話しのとおりでございまして、地方債の許可のないものには貸し出さない。しかし、許可があれば、申し込みさえあればフルに貸すと、こういうふうにいたしております。
  137. 鈴木壽

    鈴木壽君 そうすると、自治省のほうでは、さっき私がお聞きした、貧弱な府県だとかあるいは市町村を中心にやっていきたいと言っておったのですが、そのとおりいまの起債の配分なんかやっておりますか。
  138. 柴田護

    政府委員(柴田護君) 公営企業でございますので、おのずから市町村が中心になるわけでございます。府県もございますが、どちらかといいますと、市町村が中心でございます。したがって、またその資金の配分等につきましても、お話しのとおり、そのような方法で扱っておるわけでございます。
  139. 鈴木壽

    鈴木壽君 旧指定債の問題について、総裁はいまお聞きのようなことを述べられておりますが、この点についてはどうですか。
  140. 柴田護

    政府委員(柴田護君) 金利等の問題から考えますれば、おっしゃるとおりだと思います。ただ、実際問題といたしましては、公庫のワクをどうふくらますかという地方債計画全体のワクとの関連も多少あるかと思いますが、いずれその問題は、先ほど来私が申し上げました基本方向からいえば、当然公庫の中に吸収していって、そこで金利を幾分でも引き下げてやっていくという方向に向かうべきものと考えますが、現在では、地方債計画全体の資金量の問題、それから公庫のワクの拡大の問題、そういった問題の関係で、まだ現在のままやっておるわけでございます。
  141. 鈴木壽

    鈴木壽君 公庫で実際に、地方団体が過去において高利に借りておるものを借りかえをしてやると、こういうようなことを現在まだやっておられますか。
  142. 三好重夫

    参考人(三好重夫君) これも、実は公庫出発以来の懸案で、できるだけ借りかえに応じていくように措置したいということで、政府にお願いをしてまいっております。ようやく認められまして、昨年度で借りかえは一応全部済んだわけでございます。
  143. 鈴木壽

    鈴木壽君 昨年度というのは、三十七年度末までにそういうことが済んだ、こういうことでございますか。
  144. 三好重夫

    参考人(三好重夫君) さようでございます。
  145. 鈴木壽

    鈴木壽君 これは、借りかえをやったものは、どの程度ございましたか。
  146. 三好重夫

    参考人(三好重夫君) 六億五千六百万でございます。これは、実は早い年度で取り上げられておると、もう少しは金額が多かったのでありますが、償還が少しずつ済んでいくものですから……。しかし、これはようやく昨年度で片づいたわけです。
  147. 鈴木壽

    鈴木壽君 さっきの問題に返りますが、償還の期限の問題あるいは利率の問題ですね。特に、いま、公営企業が、いろんな意味で赤字だとか危機だとかということをいわれておるので、そういうものに対処していくためにも、その償還の期限というものを、さっきも言ったように、耐用年数に合わしていくとか、こういうことは、私ぜひ必要だろうと思うし、また、利率もできるだけ引き下げた形で貸し出しをする、こういうことが、非常に私は大事な問題になってきていると思うのですが、これは、総裁だけからではあるいはお答えにくいかもしれませんけれども、これからのお考え方として、一体どういうふうにやっていかれるつもりなのか。まず、総裁の考え方をもう一度お聞きしておきたいと思います。
  148. 三好重夫

    参考人(三好重夫君) その点につきましては、ざっくばらんに私の個人的私見を先ほど申し上げたのでございますが、結局、なるべく長期の資金をなるべく低利で貸すという線を追っていくことが必要である。現状は必ずしも満足すべき状態じゃないというふうに考えますれば、これは結局政府におかれまして、その方針に沿った措置を講じられ、同時に、そのため必要とあらば政府出資の資本金を出していく、こういう以外に道はないと思うのでございます。
  149. 鈴木壽

    鈴木壽君 自治省のほうでは、どういうふうにお考えになっておりますか。
  150. 柴田護

    政府委員(柴田護君) 公営企業問題の考え方でございますが、いろいろ問題がございますが、その中で、公営企業の建設資金、運転資金というものを、どのような形で解決していくかということが基本問題だということは、おっしゃるとおりです。そのためには、どうしても安定した長期の資金を、しかも安い資金を貸すということにあることは、これはもう当然でございます。結局、政府資金を入れてくるというのも一つでございますけれども、ともかく、そのために公営企業金融公庫があるわけでございます。公営企業金融公庫というものを、積極的にそういうことができるような方向に持っていくということも、非常に大事なことだろうと思うのでございます。実は、そういう方向で考えられないかということを、私はこのポストにかわりましてから、少し努力をしてきたのでございますけれども、なかなか金融全体の壁、それから、ほかの公庫との関連等々の問題がありまして、今度の予算では解決ができませんでした。しかしながら、公営企業の問題は、御承知のように、もう火がついておって、燃え上がって、盛んに燃えておるわけでございますが、早くこの辺で公営企業の育成というものを考え直さなければならぬということで、別に法律をもってお願いをしておりますが、公営企業制度調査会というものを考えておるわけでございます。ここで、その問題も含めて経営全般の問題と一緒に御議論を願って、早く基本方針をきめて、そういう方向へものごとを出発さしていくように持っていきたいと思っておるわけでございます。で、公営企業金融公庫に関します限りは、私はこの問題については、やはり公営企業金融公庫というものをどう考えるかということが、ひとつ、まだ私どものほうと大蔵当局との門において話が詰まっておらぬというように、実は折衝を何べんもいたしました結果から、うすうすと感ずるのであります。それは、一体公営企業金融公庫というものをどう考えるか、普通の金融機関と考えるのか、あるいは公営企業を育成するための金融機関と考えるのか、その辺のところに、率直に言いまして、まだ相当開きがあるように私は思うのであります。言いかえますならば、公営企業の中でもいろんな企業がございますけれども、そこで公営企業そのものを育てるということになってまいりますと、そこにやはり政策金融的な考え方というものも入れてくる余地が、全然ないことはない。私どもは、そういうことがあったって別におかしくないじゃないかとさえ思いますけれども、その辺が、まだ実ははっきりしていない。金融界全体との問題もございますし、むずかしい問題でございますけれども、相当こういうところまで掘り下げて考えていかなければならないだろう。いずれにいたしましても、公営企業の立て直しについて、やはり公営企業金融公庫に大きな役割を負ってもらわなければならないというふうに私は考えております。
  151. 鈴木壽

    鈴木壽君 財政局長のお話、考えておられる方向はわかりますが、今度できるであろう公営企業の問題についての何か審議会ですか、調査会ですか、内閣のほうで、自治省設置法の一部を改正する法律案によって出てくるものでありますね。これは結論はいつごろ出る予想なんですか。
  152. 柴田護

    政府委員(柴田護君) これはいまの公営企業を育てるというだけではございませんで、最近やはり世の中がだいぶ変わってまいりまして、公営企業を取り巻くいろんな環境が変わってきておる。しかし、残念ながら、正直に告白をいたしまして、私どもの公営企業に対するいろいろな指導方針については問題があるのじゃないか。この辺で公営企業というものの行き方というものを見定める必要がある。そういうところから調査会を考えたわけでございます。それには公営の範囲という問題でございますか、限界の問題もありましょうし、それから、公営のあり方、経営体制あるいは資金のあり方、そういった非常に広範な問題も取り入れまして基本的に考えていただきたいと思うのでございます。したがって、期間は少しかかりますけれども、まあ二年くらいを目途にして結論を出してまいりたい。しかし、再建問題はもっと早く、いま困っております、赤字の増加してまいりますこの水をとめなければなりません。このとめる問題はもっと早く対案を出してもらって早く措置をしたい、このように考えております。
  153. 鈴木壽

    鈴木壽君 本格的な問題については二年くらいかかるだろう、それから、ただしいま地方公営企業の赤字の問題は大きな問題となっておる、それについてのいわば応急対策等についてはもっと早く出してもらう、こういうふうに聞いたんですが、柴田さん、私が一つ不満なのは、いまの公営企業の問題がいろいろこういうふうになってきたのは、実は去年からことしにかけて初めて出てきた問題ではない。三十四年ころから出てきていることなんです。もちろんいまのような形じゃなかったけれども、そのころから出てきていますね。そうして特に一昨年から昨年にかけての料金問題等でいろいろ大きな問題になっておるのですから、これについてさらに新年度からそういうものを検討してもらう委員会、審議会等をつくって結論を出してもらうという、これはちょっと少し間延びしておるのじゃないかと思うのですが、自治省としては、私は何かここに地方公営企業を育てるという意味で、これは当初から自治省としてはそういうふうにお考えになっていらっしゃるだろうと思うし、かりに大蔵省のほうでいろいろあなた方と意見の一致を見ることができないでおる問題があるかもしれませんけれども、それから、公営企業金融公庫法の中にも第一条にははっきり「公営企業の健全な運営に資するため」云々とあって、健全な運営をさせるということが一つのいわば大きな命題になっておるわけです。そういう点に立って、私はいまの時点で担当の自治省としてはこれをこうしなければならないという一つのやはり対策があるべきだと思うのです。また、そういうものに応じて金融公庫のあり方というものも考えていくということでないと、少し何か先へ送ってやって、あるいは権威のある審議会ができるかもしれませんけれども、そういうことに一切をかぶせてしまうというようなことについては、ちょっと私はふに落ちないと思うのですが、いかがですか。
  154. 柴田護

    政府委員(柴田護君) 私が言うのは、変でございますけれども、いままでの公営企業の持っていき方については、私どもとしては態度が、率直に申し上げまして、甘かったと思うのであります。それは公営企業法の中にも内在いたします、経営自体の中にもあるいろいろの問題が重なり合って、おっしゃるように、昭和三十四、五年から経営の問題はあったのでございますけれども、それが今日まで手を打とうとしてもなかなかうまくいかずにいっているような状態でございます。しかし、またそれに加えて、外的な問題も加わってきておるわけであります。早い話が、交通問題を取り上げてみましても、三十四、五年のときにおきます都市交通というものと、今日の都市交通というものは、全く様相が違う。かりにその当時に何らかの手を打っておっても、おそらくは今日のような事態というものはある程度は避けられないのじゃないかと私はいまになって思うのでございますけれども、そうなってまいりますと、一つ一つの問題が、私どもとしては一つの対案をかりに持っておりましても、いろいろの方面の協力も得なければなりませんし、あるいはまた、単なる経営方面の計数にあらわれてきたものだけからの批判をいたすのもどうかと思いますけれども、やはりいろいろの方面の権威にお集まり願って、幅広く御意見を聞いて、基本方向というものを持っていったらどうかというふうに実は思いまして、おそかったと言われるかもしれませんけれども、しかし、いまからでもまだおそくないのでありまして、結果論から言えば、おそかったかもしれぬけれども、気持ちとしては、いまからでもおそくないという気持ちでひとつ基本的にもう一ぺん考え直したい、こういうつもりでございます。
  155. 鈴木壽

    鈴木壽君 少なくとも私は、いろいろの公営企業のあり方、これについては現在の段階でやはりさらに検討してみる必要があるということも、私は確かにそういうこともあると思うのですけれども、しかし、少なくともいまの問題となっている経営上のいわゆる赤字の問題なり、それから来るいろいろの業務の渋滞等の問題からしますと、私はもうとっくにあなた方として対策を考えておるべきであったと思うわけですね。現に昨年の四月ごろ、自治省では公営企業のいわば再建整備措置ですか、こういうものを考えておられるでしょう。だから、ああいうものが出ておるということは、私はあそこにあらわれた、一つの事業それ自体の努力によっていろいろやってみろ、当方としてもできるだけ援助するのだ、こういうことがうたわれておりますけれども、企業内の努力、いま、はやりのことばで言えば、合理化等が行なわれるにしても、同時に、国として何か考え方がなければ、ああいうものを打ち出すわけはないと思っておったのです。現に、援助指導するということをちゃんと書いてあるのです、その中に。具体的には、これは一つの例でありますけれども、起債の問題なり、当然それにつく償還の問題なり、利率の問題なりその他の手だてが私は含まれておったのじゃないか。場合によっては、補助金等という名目はどうなるかわかりませんけれども、そういうものも考えておられたのじゃないだろうかと思うのですが、そういうものが全然なしに、ただ企業努力とか、企業の合理化とかいうことで再建をさせようというふうにお考えになったのかどうか、その点はどうなんですか。
  156. 柴田護

    政府委員(柴田護君) それは、全くそういうことと無関係にああいう措置をとったわけではございません。しかし、ああいう応急的な再建措置をとりましたのは、ともかく、早く現状においてできる範囲において経営の合理化なりそういったものを推進をして、早く健全性を回復するようにという措置を一方でとりながら、片一方で諸般の懸案の問題を片づけようとしたのでございます。しかし、諸般の懸案の問題というものが、単なる資金面といったような、そういう小さな問題ではございませんで、非常にもっと広範囲な問題になっておる。交通問題一つ考えましても、水道問題をつかまえましても、病院問題をつかまえましても、一つ一つがなかなか自治省の力でもってものが片づくようなそう簡単なものじゃございません。そこで、やはりああいった一つの調査会というものをこしらえて、そこで広範囲から御検討願って基本方向を出してもらう。また、出したものについては、われわれとしてはもちろんでございますが、関係の向きにも協力をしていただいて目的を達成していく、こういうことを考えておるわけでございます。いままでももちろん考えておらないわけではございませんけれども、事が事でございますので、もっとはっきりした形においてこれを片づけたい、このように考えて御提案を申し上げている次第でございます。
  157. 鈴木壽

    鈴木壽君 私は、何だかそこに、あなた方の力だけではどうもうまくいきそうもない。ことに政府から何らかの措置をする、金の面において何らかの措置をするという場合には、大蔵省あたりから抵抗があると思いますが、そういうことを予想されまして、もっとうまい方法でやる手はないか。審議会をつくってそこから結論を出したから、いやいやながらも言うことを聞くのじゃないかというようなことなんですか、率直に言って。
  158. 柴田護

    政府委員(柴田護君) 私の説明が至りませんで誤解を招いたようでございますが、そういうことではございませんで、御承知のように、日本の公営企業というのは借金企業でございまして、てんからの借金で、そうすると、普通の民間の企業でさえも資本構成の合理化ということがいわれておる。しかし、公営企業についてはどういうかっこうで資本構成の合理化をするかという問題一つを考えましても、民間の関係企業との比較論というものが出てきます。それから、公営企業の特殊性から来る資本構成もございますし、いろいろ議論が出てくる。また、資金構成を考えてみましても、どういう形でどういうところに資金を仰ぐのだという問題もあるわけです。経営の合理化をつかまえましても、一体いまの経営関係の法規がこれでいいのかどうかという問題があるわけであります。したがって、問題はそう簡単なものじゃない。これを安定した形に持っていきますためには相当の年月も要りますし、また、方向を出すだけでも、そう簡単にいかないのじゃないか。われわれは、帳面づらさえ合えばそれでいいのだという、そう簡単に、安い長期の金を受け入れればそれで経営が安定するのだ、そういうことじゃないと私は思う。もっと広い立場から企業というものをはっきりした安定した基盤に乗っける、そういうことを考えていかなければいかぬのじゃないか。そうしますと、単に財政関係だけでなしに、もっと幅広いところから公営企業の現状というのをながめる必要がある、こういう感じを持っているわけであります。そういう意味からああいう調査会をつくろうとしているわけでございます。
  159. 鈴木壽

    鈴木壽君 差し迫った、いまの地方公営企業のいろいろ赤字問題等で、たいへんな問題になっている。そういうことに対しても、自治省としてはどうすべきであるというような態度を表明できませんか。
  160. 柴田護

    政府委員(柴田護君) 赤字問題は二つございます。一つの問題は、当面問題になっておりますように、公共料金のストップというものに関連をする問題、これはさらに当面の問題で現在関係者省と話し合いを進めておりますけれども、もう一つの問題は、こう経営が悪くなってきて、ずるずる赤字が累増する動向をどうとめるか。この問題につきましては、やはり経営の内部に相当根ざす問題でありますので、ある意味におきましては、公営企業経営というものの根本問題にさかのぼる問題であります。そう簡単に、こうだからああだというわけにもいかんのじゃないだろうか。再建の問題は早くしてほしいということを希望を申し上げましたのは、そういう意味合いから、多少根本論にわたりながら、赤字が累増する水を早くとめるにはどうしたらいいかということをまず考えてもらいたいということで、そういう意味からそういった段取りをしているわけでございます。
  161. 鈴木壽

    鈴木壽君 公営交通事業財政調査会というのがありまして、それから意見書が出ておりますが、これは柴田さんも委員の中に入っておられますね。あるいは前の次官であった奥野さん、前の財政局長大村さん、官房長の松島さん、その他財政課長やら地方債課長、公営企業課長、いろいろこう入っておられますが、こういうことの中では、あなた方、いまの公営企業の、少なくとも交通の問題についての意見を、いわゆる自治省の立場から御意見の発表等があったと思うのですが、そこら辺どうですか。ただ個人としてお入りになって、自治省としての立場ということではなかったのかどうか。
  162. 柴田護

    政府委員(柴田護君) その問題は、もちろん個人として入っているわけでございます。しかし、ずぶの個人ではございませんで、肩書きのついた個人でございます。したがいまして、自治省の考え方というものを頭に置いた個人の意見というものを発言しているわけでございます。
  163. 鈴木壽

    鈴木壽君 そうしますと、これを見ますと、これは、相当はっきりした公営交通の財政改善のための基本的な考え方なり、あるいはそれに基づく具体的な措置、相当はっきりしたものが出てきておりますわな。これは必ずしも自治省で考えていることと同様ではないかもしれませんけれども、肩書きのついた個人としてお入りになっていらっしゃるあなた方の賛成したこれは問題ではないだろうかと思うのです。しかし、私これはなにもいやみを言うために申し上げるのではないのですけれども、私はある程度あなた方——大蔵省でどう言うのか、運輸省でどう言うのかわかりませんが——あなた方一つの対策というものをやはり考えられているのじゃないだろうかと思うのです。そういうものを出してもらって、かりに今度の審議会ができるにしても、審議会等にもそういうものを出して、これは一体どうなるのかというような審議の進め方をしてもらうことも、私はいい方法じゃないだろうかとも考えるし、全然、何かさっきも言ったように、あげてこれからの審議会にまかせるのだという態度は、私はちょっと、いまの公営問題を扱う自治省の態度としては、ふに落ちないものだと思うのですが、重ねてどうですか、その点は。
  164. 柴田護

    政府委員(柴田護君) 私どもは、審議会をつくって御審議を願うようにいたしているわけであります。そこで、その審議会もまだできないやさきに、私どもがこうだということを申し上げるのもいささか失礼かと思うのでございまして、この席でお答えいたすにはいささかはばかるわけでございますが、しかし、われわれといたしましても、もちろんわれわれ流の考え方は持っているわけでございます。おりおり実は申し上げているつもりでございますが、はっきりこうだと申し上げかねておりますのは、そういうような情勢でございますので、はっきり申し上げかねるということでございます。ひとつ御了承いたただきたいと思います。  なお、公営交通の問題につきましては、相当いろいろ意見はまとまっておりますけれども、残念ながら、肝心のところに参りますと、はっきりしない。それはやはり、ああいう利害関係が相対立するような関係者が集まってわいわいやっておりますので、勢いそれを取りまとめるということになりますと、肝心のところになりますと、ぼけてしまう。そういう性格を持つものでございます。そこで、やはり非常な努力はしたつもりでございますし、また、委員会といたしましても結論に近いものを出して、そうして、できる部分は、現に五大都市交通でも実行に移しておるわけであります。そこで、それ以上さらに進めて基本的なものになってまいりますと、やはり私どもは政府としての一つの指導機関的なものできめたのでありまして、したがって、政府としてはそれを尊重して、その方向において相互に協力する義務があるという体制をとりませんと、ものごとはうまくいきません。地方制度調査会という政府の機関もございますが、あそこであれだけ年月をかけ、あれだけ議論を練って出てまいりました答申でも、若干実現していないところもあり、いろいろ私どもは調査会からおしかりを受けるのでありますけれども、そういう情勢でございます。ましてや、全く一つの団体で組織しました委員会の結論というものは、まあなかなかうまく実行に移されないということは、鈴木先生御推察のとおりでありまして、そういう意味合いもありまして、やはりああいう一つの政府の機関として、権威にお願いをして審議をしていただくという手段をとるのは、やはり現段階においては至当なんじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
  165. 鈴木壽

    鈴木壽君 そうしますと、自治省としては、少なくとも公営企業を担当している自治省として、いまの事態に対して——いまの事態というのは、交通関係なり水道関係にいろいろ赤字が出たり経営の問題で大きな問題が出ておる、こういうことに対して、今度できるであろう公営企業についての審議会、これの結論を待たない限りは、何ら手をつけるわけにはいかぬと、こういうことなんですか、端的に言って。
  166. 柴田護

    政府委員(柴田護君) 何ら手をつけるわけにはいかぬというのじゃございませんで、現に必要なものにつきましては、資金繰りの心配もいたしておりますし、私どもの手元で必要と認められるものにつきましては、経営合理化をしてくれということを言っておりますし、経営合理化といいましても、いわゆる経費の節減合理化というだけでございませんで、広域経営をやれば採算が立つというものにつきましては、広域経営を進めておるわけでございます。早い話が、企業の合併をやったらどうかといったようなことも、実際問題として進めてはおります。しかし、基本問題になってまいりますと、やはり私どもの手元だけで進めるのはいかがか、それほど問題が深く、広い。したがって、深い、広い範囲を全部つかまえて大きな柱を見出して、その柱に沿って具体策を講じていきたい、かように考えておるわけでございます。
  167. 鈴木壽

    鈴木壽君 去年の十二月の二十一日に、自治省事務次官の金丸さんの名前で、運輸省の事務次官岡本さんあてに、バス料金の改訂に伴う措置についてというはっきりした態度で、何といいますか、要望ですか、出ているんですが、実は私こういうこともあるもんですから、あなたに何か考え方があるんじゃないか、こう聞いているんですが、これだとはっきりしていますね。「六大都市の公営バス料金については、低物価政策の要請によりその改訂が当分の間抑制されることはやむを得ないが、そのしわ寄せを地方団体に求めることは適当でないので国において全額その損失を補てんすべきであると考える。  ついては貴省においてはその損失額について国庫補助金の交付あるいは元利補給付融資の措置を講ぜられたい。」。何とかしてくれじゃなくて、もうはっきりしたそれが出ておるし、こういうものを運輸省あてに出したのだということを経済企画庁のほうにもあなた方文書で差し出していますね。いまの公営企業の赤字問題については、これが全部の答えにはならぬと思うのですが、このように私は、あなた方なかなかおっしゃらないけれども、考え方としては、対策としては出ておる問題だと思うので、もっと公営企業全般について、単に交通問題だけでなしに、水道の問題、あるいはまあ法を適用しているか、していないか別として、病院の問題とか、いろいろ問題になっているそういうことについて、かなりはっきりした具体的なそれを考え方としては持っておるのじゃないだろうか。もしあったら、それを聞かせてもらいたい、こういうことで私はさっきからお尋ねしているのですがね。あるのじゃないですか、これは。
  168. 柴田護

    政府委員(柴田護君) その問題はちょっと違いまして、要するに、六大都市の運賃値上げ問題というのは若干根が深うございまして、たしか昭和三十五年ごろから始まった問題であります。それで、運輸当局ともたびたび自治省としましては折衝をいたしまして、その結果が、経営合理化というものがないじゃないかというような話もあって、先ほど来御指摘になりました公営交通の審議会でしたか、協議会でしたかができて、そこで経営合理化対策を練ったわけでございます。そうして運輸省も、六大部市の交通問題につきましてはある程度の値上げはやむを得ぬじゃないかというような態度に大体なっておったのでありますが、そのやさきに、公共料金ストップという、もっと高い見地からの措置が決定されたのであります。したがって、運輸省といたしましては、それによって、運賃のある程度の改訂によって、公営交通の経営が回復されるという見込みをしておったわけでございましょうが、それがだめになった。だめになったから、ひとつ荒療治に対して経営面からの配慮というものを運輸省としてやってほしい。つまり、運賃許可官庁としての運輸省において自分で押えたのだから、その部分についてはひとつ何かしてくれぬか、その方法としてはなまに金を渡すという方法もあるだろう、元利補給付起債という方法もあるだろう、それをひとつ考えてもらいたい、こういう趣旨のことを運輸省に申し入れた書面でございます。で、かりにそれを運輸省があの場合に運賃値上げを認めようといたしましても、なお六大都市の交通は全部赤字であります。で、現に二百五十億円の繰り越し赤字が三十七年度末で出ておるわけであります。その赤字は、いまの私どもが運輸省にお願いいたしました措置がかりに講ぜられましても、それが解消するものじゃない、むしろ、さらにまだ累積していくものである、こういうようになるわけでございます。したがって、そのことに対しましてはそういうような措置をお願いいたしておりますけれども、基本問題につきましては、とてもそういうことじゃ話が片づくものじゃない。やはり企業でございますので、そのこと自身が成り立つようにするのが本来の企業のあり方でございます。そうすれば、どのようにすればいいか、こういうことになろうかと思います。
  169. 鈴木壽

    鈴木壽君 もちろん私も、この申し入れですか、何だか、これによって、いまの企業の赤字の問題なり経営全般の問題を解決する方法だとは思っていないのですよ。しかし、いまのとりあえずのそういうことに対する対策として、こういうことも私は考えられると、そういう限りにおいて、あなた方、全面的な公営企業全部についてのいわゆる再検討に立った場合のそれでなくとも、当面とらなければならない一つの対策としてこういうことも考えなければならぬという、そういうことだと思うのですがね。それはそのとおりでしょう。全然私、あまり違った受け取り方を、これを見てしておらないつもりなんですがね。これだけではもちろん解決つかない。しかし、いまの赤字のよってくる大きな原因としては、料金が、六大都市においてはもう十年も十二年も据え置かれておるという、こういう現実から、しかも、どうしても上げなきゃならぬという、そういうところに来たのにもかかわらず、いわばそれがまだまだだめだといって去年からひっぱられておった。ことしの一月になって、いよいよはっきりまた閣議で再確認されたようなかっこうで、引き上げをとめるということになった。だから、それによってくる損失といいますか、赤字といいますか、そういうものに対して、やはりあなた方が金丸さんの名前を出しているこういう措置というものは、やはり必要だと思うのですよ。そうでなしに、料金を押えるなんていう、ただ押えて、いまのような状態にしておくということはたいへんな問題だと思うので、ですから、そういう意味で、私どもはあなた方にいろいろな当面のとるべき対策、料金の引き上げを押えられたらそれに対して一体どうすべきであるか、あるいは累積赤字を一体どうしていくのか、いろいろあなた方の考えておられることがあるんじゃないだろうか、考えた一つの方策としてこういうことがとられたんだろうと私考えたものですからね。どうかもう少しあなた方の考え方をこの際明らかにすべきじゃないだろうかと、こういうことなんです、何べんも申し上げますように。やはりないですか。
  170. 柴田護

    政府委員(柴田護君) まあ公営企業の果たしております役割り、おそらく御承知のとおりでございます。この公営企業の役割りを完全に果たさしながら、なおかつ、健全経営を維持する、そのためにどうすればいいか、こういうことだと思うのでございます。私どもの考え方としては、それは経営面の問題、それから資金面の問題、資金構成の問題、大きく分けて三つありましょう。それぞれについてどうするかという問題は、私は企業によって違うのだろうと思うのです。交通と水道とは同一に論ぜられません。また水道と病院を一緒にするわけにもまいりません。そういうふうに違いますので、考え方を明らかにせよとおっしゃいますならばあれでございますけれども、全般的な問題について申し上げないわけでもございませんけれども、先ほど来申し上げました事情から、まあここで私どもがこう思うということを堂々と申し上げることは、はばかりたいのでございますけれども、要するに、資金構成をやはり借金企業からそうでない企業に切りかえるという、問題が一つございます。私どもはそうすべきだと思います。それから、その場合でも、どういう形でやっていくかというやり方の問題もございます。それから、安い長期の資金をどうして手に入れるか、まあこういう問題、それから経営合理化の問題につきましてはどのような形で合理化をしていくか。合理化と申しましても、企業が運転できないような合理化じゃいたし方ございません。企業が能率よく運転できるような形においてやる。ところが、合理化と簡単に申しますけれども、この合理化というのが実はなかなかむずかしい。早い話が、都市交通を考えますならば、路面電車というものはどうしたって経営が立つはずはない。それから、地下鉄というものも、これも建設資金を、どんなに安い建設資金を持ってまいりましても、全部これを運賃ではじき出すわけにはまいらない。そうしますと、その辺のところの一般会計との関係の区分けを一体どう考えるかといったような問題もあるわけでございます。そこで、そうなってまいりますと、都市計画との関係もございますし、単に交通だけの問題で考えるわけにもいきませんでしょうし、ほかの民営の交通との関連も出てまいりましょうし、非常に幅広いむずかしい問題になってくる。そうなってまいりますと、私どもとしても、勇気を持ってこれはおれはこう考えるのだということを申し上げるだけの自信はない、率直に申し上げまして。こうこうだとおおよそのことは申し上げられますけれども、具体的になりますと非常にむずかしい問題がからんでまいりますので、意見を申し上げることになってしまいます。したがって、その辺のところを申し上げることは差し控えさしていただきたい、かように考えておるわけでございます。
  171. 鈴木壽

    鈴木壽君 あなたのおっしゃることも、近く設置されるであろう公営企業全般について検討する審議会、そういうものを控えていま適当でないというふうな考え方はまあわからないでもないのですが、しかし、公営企業の問題、それを取り上げてみると、おっしゃるように、交通——交通の中でもバス、路面電車あるいは地下鉄等の軌道の問題、いろいろ違うところがありますし、あるいはまた、そういう交通事業と水道の問題あるいは病院の問題、いろいろこれは違うのですね。ですから、これは一がいにこうだとは言えなくとも、しかし、公営企業というものを一体どうしていかなければならぬかという立場に立つならば、私はやっぱりあなた方はあなた方の責任としてこういうふうにすべきだという、そういうものがあってしかるべきだと思うのですね。そういうことがなかったために、ついずるずる現在まで来てしまったと思うのです。あなたは最近いわば責任のある立場に立っておられますけれども、私はさっきも言ったように、三十四、五年あたりから何とかしなければならぬという問題の芽はもう出ておったにもかかわらず、それをほうっておいたということは、あるいはそう言えば言い過ぎかもしれぬけれども、何か当たらずさわらずみたいなかっこうでやってきて、さっきもあなたがおっしゃったように、甘かったということばの中には、そういうことも認めていらっしゃるんじゃないかと思うのだが、そういうことがいまになって抜き差しならないところまで来てしまっておるんですね。それではだめだと思うのです。ほんとうに地方公営企業というものを一体どう考え、どうなければならぬのか、こういう単に理屈だけではなしに、健全に育てなければならぬとか、住民の福祉につながることだから助成しなければならぬとか、そういううたい文句だけでなしに、ほんとうにどうなければならぬかということについてのしっかりした考え方と同時に、その健全化のために、あるいは援助育成のためにやるとしたら、私はもうとうに手はあったと思うのです。どうも私はいまになってそういう点について残念に思うし、さらにまた、こういう事態になっても非常に用心深い慎重な態度をとっておられること、まあそれはわからないでもないのですけれども、一体これはいつまでほうっておくのですか。
  172. 柴田護

    政府委員(柴田護君) おっしゃるとおりでございまして、ほうっておけない事態が参りましたらなにでございますが、もはやほうっておけない段階に来ておるわけでございますので、抜本的な対策をとろうとしておるわけでございます。いままでいろいろおしかりを受けましたが、私は率直に申し上げまして、私どもの公営企業に対する態度というものにつきましてもやはり問題があったのじゃないかということを反省をしておるわけであります。それは、やはり財政経理中心に考えたからではなかったか。やはり公営企業というものをひとつの基盤に立ってどう考えるかという配慮が足りなかったのじゃないかというふうに私自身は反省をしております。ですから、きわめて謙虚な気持ちで調査会にも臨み、また、おしかりも受けるつもりでございます。
  173. 鈴木壽

    鈴木壽君 私はこれは、あなたは謙虚な気持ちでおしかりを受ける——別に私はあなたをしかるわけでもないのですけれども、毎年自治省で出しておる公営企業についての報告書みたいなものがありますね、あれを三十六年度あたりから見ますと、やっぱり非常に心配な事態が出てきているわけですね。私ども見まして、あまりこまいところまで言おうとは思いませんけれども、見た限りにおいては、特に赤字問題を中心にしていろいろ出てきておりますね。そしてそういうものは、単に赤字が出たということだけでなしに、やはり根本的に企業そのものをどうしていくか、その方向を守っていくためにはどうなければならないかという対策というものがとられていなかったと思うのですね。そういうところから、非常に心配な事態が出てきておったと思うのですが、私は、とりあえずの対策として、くどいようでありますけれども、やはりそれぞれの関係官庁と話し合いをされて、ほおっておけないこの緊急な事態をどう乗り切っていくかということについての結論を、私は早く出していただきたいと思うのですが、今度の調査会ができても、かりに四月に発足すると、その構成を何だかんだ言って、これは八月までには、失礼だけれども、結論は出ない、秋になりあるいは年を越すかもしれませんな、ああだこうだやっていると。そうすると、一体これで持ちこたえることができるのかどうか。持ちこたえるとすれば、持ちこたえるために出るいろいろな、何といいますか、しわ寄せというものが各方面に波及してくるので、私は、実は何べんも言うように、あなたとここでやり合ってということじゃなくて、まじめに考えて、ほうっておけないような事態になってきていると思うから、どうです、これはもう少し具体的に、自治省としてはこういうふうにやるべきであると考えると——大蔵省から文句を食うかもしれませんよ、しかし、それくらいの、やはり私は態度の表明はあってしかるべきだと思うのですがね。それもだめですか。
  174. 柴田護

    政府委員(柴田護君) 私は、あちこちで態度を表明しているつもりなんでありますけれども、統一的な態度というものをはっきりした形において申し上げることは、差し控えたいということを言っておるわけでございます。それは、当面の問題としては、赤字が累増してきますのをどうとめるかというだけの問題であります。したがって、それは資金繰りをかりに考えましても、これは単につなぎにしかなりません。それで赤字がとまるわけでも何でもございません。したがって、赤字をとめるということになってまいりますと、とめ方の問題ということになる。それは結局、経営の合理化なら合理化というものを、どの程度まずやるかという問題になるわけでございます。それか資金の場合も、高い資金を安い資金に乗りかえるということ、当面の問題としては、それだけしかない。あとは、再建計画を立てる場合に、どういう方向で合理化を進め、それから資金構成をよくする方向をどのような形で持っていくかという問題になるかと思うのでございます。その問題につきましては、私は、四、五カ月あれば方向は出るのじゃないだろうか、かように考えておるわけでございまして、そうむずかしい問題とも思わないわけでございます。ただ、さらにもっと根本にわたりまして、こういうものにつきましては、公営のあり方としてはこうあるベきである、民営との競合の場合にはこうすべきであるという問題に、勢い及ぶのであります。そういう問題は基本問題でございますので、やはり若干の時日をかける必要があるだろう、こう考えておるわけでございまして、問題は、安い資金をどうして手に入れるかという問題、それから経営の合理化をどうして推進していくか、この二つの問題に尽きるのじゃないかと、かように考えます。
  175. 鈴木壽

    鈴木壽君 それじゃ、大臣来られる前に、とりあえずの問題として、これは私新聞で見たものでございますから、真実性についてはこれははっきりしたこと言えませんが、新聞一つだけでないですから、これは真実を伝えておるものだと思うので、そういう考え方からお聞きするのでありますが、根本的な経営改善なり、今後の公営企業のあり方等については、今度四月から生まれる地方公営企業調査会ですか、審議会ですか、それにゆだねると、しかし、とりあえずの、特に赤字のひどい六大都市の交通事業、バス等の問題については、大臣はこういうふうに言っておられますね。国から補助金を出すことが一つの案、もう一つは、政府関係金融機関などから受けている融資について政府が元利補給する。それからいま一つは、起債の償還をたな上げする。このいずれかの案で救済をはかるつもりだ。その結論は、三月二日の毎日新聞、あるいは二月の二十六日付の読売新聞によりますと、今週中に結論を出したいと、こういうふうに言っておりますが、私はこれはさっきからあなたにいろいろお聞きしておるように、自治省の、少なくともいまの公営バス等の問題についての応急的な対策として考えられておる案だろうと思うのですが、それがどういうふうに固まったかわかりませんが、こういう案をやっぱり持っているでしょう。  それからもう一つは、部内で一つこういうふうなことがありましたのですが、どういうふうに御検討なさって、もし結論が出ておるとすれば、どういう結論が出ておるのか。それを局長のほうからお聞きしたいのです。
  176. 柴田護

    政府委員(柴田護君) その問題、今お読み上げになりましたのは、新聞に出ているあれでございますけれども、例の運賃ストップの後におきまして、私どもが運輸当局にお願いをいたしましたときに、そこに新聞に出ておりますような対案を持っておったのであります。その後いろいろ話し合いを現在まだ進めております。関係事務次官のところで会議を持って話をいたしておりますけれども、まだ結論には到達いたしておりません。
  177. 鈴木壽

    鈴木壽君 大体来てから大臣にお聞きしたいと思いますが……。
  178. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) ちょっと速記とめて。   〔午後二時五十八分速記中止〕   〔午後三時二十三分速記開始〕
  179. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 速記を始めて。質疑を続行願います。
  180. 鈴木壽

    鈴木壽君 いま両大臣においで願ったんですが、実は公営企業の最近のいろいろな問題、特に交通事業等の赤字の問題等について一体どう政府としてはこれに対処すべきであるのかというようなことを中心にお尋ねしてきておりますんですが、大事な問題でございますので、大臣からひとつあらためてお聞きしたいと思います。まず最初に公営バスの料金の改定というものがストップを食っておる、これについて政府のほうでは、物価問題、物価政策の一つの大きなきめ手として考えておられるようでありますが、企業そのものから考えて一体改定をストップするという形でいいものか。これは両大臣からひとつまず最初にお聞きしておきたいと思うんです。
  181. 綾部健太郎

    国務大臣綾部健太郎君) 運輸事業の健全な経営をやっていきます場合におきまして、いまのような状態では私はむずかしいと思います。健全な企業の育成ということはなかなか困難であります。が、しかし、御承知のように、池田内閣は物価政策として、ほかの企業、ほかのいろいろな物価安定策を考えますが、特に政府が力をもって抑制し得るものはこの際まあひとつ自由経済のもとにおいては非常な無理な要求ではあるけれども、政府のきめるところの料金さえ上げるんじゃないかというようなことでは、一般の物価抑制のムードの上からいいまして非常に困るから、ひとつ忍びがたきを忍んで、ぜひこの一年間だけは現状維持にしてもらいたいと、やれと、こういうことが経済閣僚懇談会できまりまして、六大都市の公営企業の問題はもちろん、その他私営のバス等公営事業につきましても、その方針を貫くということに相なりまして、実際純経済問題として、またいろいろな社会問題等をも考えまして、私どもとしては政府の方針に従わざるを得なくて従っておるような状態でございまして、三十九年度一年は、公共料金は公私営を問わず、現状維持で押していくというような結論になって、私どもは、六大都市はもちろん私営の六大都市のバス路その他の事業につきましてストップするということは、はなはだ遺憾であるけれども、国家全体の問題としてそれに同意をいたして、今日その実施に当たっておる次第でございます。
  182. 早川崇

    国務大臣早川崇君) 運輸大臣お答えのとおりでございますが、われわれとしましては、この問題については数年間公営バスは運賃を上げておりません。一般の物価を四百倍とすると、その半分の値上げもしないという実情は、経済原則からいきましてどうかと思うのであります。しかし、政府で値上がりムードを押えるということで一年間ストップをさしたわけであります。これを機会に、公営バス事業それ自身においても合理化をしなければならぬ面も私は相当あると思います。東京都の交通局あたりは自主的な経営合理化に乗り出しまして、五十近い諸手当をやめるとか、ワンマン・カーに切りかえるとか、いろいろ真剣な合理化の努力をしておる姿に対しましては、自治大臣としては非常な感銘を受けておるわけであります。したがって、この一年間、ストップに伴う融資とか、あるいはその他考え得る方途が多々ありますので、この暫定措置につきましては、関係各省と目下真剣に検討して、政府のほうからも誠意を示して、お互いに公営企業というものをどうしていくか、自立できるように努力をいたしたいと思っておるわけであります。一年後の問題につきましては、現在国会に御審議を願っております公営企業制度審議会というものが国会で御承認いただきましたならば、私といたしましては、財界、経営界あるいは運輸担当の専門家に委員になっていただきまして、公営企業のほんとうの正しい自立のための御検討を願いたい、かように思っておるわけであります。
  183. 綾部健太郎

    国務大臣綾部健太郎君) 私ちょっともう一つ補足いたしますが、私どものところに、調査資料によりまして調査いたしました結果、昭和三十七年度において公営交通事業の収支は、大体事業数が七十ありますうち、黒字のものが十五であります。金額にして二億七千五百万円でございます。赤字が五十五ございまして、その赤字の額は八十三億八百万円という数字、そのようになっておるということをあわせて御報告しておきます。
  184. 鈴木壽

    鈴木壽君 三十八年度においても料金改定等を行なわなければ相当赤字が出てくると思うのですが、いま運輸大臣のほうから、交通事業について三十七年度の赤字八十三億という数字の報告がありましたけれども、いわゆる過去の累積赤字というものは九十億をこしておる。合わせて大体百七十五億円、三十七年度末でそういうふうに見ておられるようでありますが、三十八年度だけでどのくらいの赤字が出る見込みでございますか。
  185. 綾部健太郎

    国務大臣綾部健太郎君) 事務当局からその数字は説明いたさせます。
  186. 木村睦男

    政府委員(木村睦男君) 私の所管はバスだけでございますので、御参考にしかならぬと思いますが、バスだけで見ますというと、東京都の場合は三十八年度、これはまだ推定でございますが、約十四億四千五百万円程度の赤字になろうかと思っております。
  187. 鈴木壽

    鈴木壽君 交通事業全体として、まだこれはもちろん年度も終わらないところでございますから的確なことは言われませんけれども、あなた方の推定と申しますか、あるいは見込みと申しますか、そういうものをまだつかんでおられないわけですか。
  188. 柴田護

    政府委員(柴田護君) 私どものところの数字でもバスだけでございますが、三十八年度には赤字百億程度と見込んでおりますが、交通事業全体としては、まだ正確につかんでおりません。
  189. 鈴木壽

    鈴木壽君 現在のままで進みますと、いま自治省から話されました数字、バスだけでも百億ぐらい、その他の交通機関のそれを入れますと、相当大きな赤字が出てくるということがこれは見込まれるわけなんでありますが、これはたいへんなことになってきておると思うのです、正直言って。いわゆる公営企業であるから、つぶれるというようなことはなくいままでやってきたと思いますが、もしそうでない私企業等であったら、これはもうてんで話にならないことになってきておると思うのであります。そこでこういう交通事業、あるいは最近では水道事業等においても相当な赤字が出ておるし、三十八年度においてもそういう赤字がまたさらに予想せられる。こういうふうに公営企業全般にわたっていわゆる損失額というものは非常に大きくなってきておると思うのです。政府として一体これにどう対処していくのか。赤字が出るのはやむを得ないじゃないか、あるいは企業それ自体の責任でいわゆる再建をすべきである、こういうふうにお考えになるのか、一体どうなさるおつもりなんですか。これは直接担当の自治大臣、それから特に交通関係での運輸大臣からそれに対する対策をお聞かせ願いたいと思います。
  190. 早川崇

    国務大臣早川崇君) 公営交通、病院、水道の全部をひっくるめまして、昭和三十八年度末には二百五十億の赤字と推定されるわけでありまして、このままでいきますと、三十九年度一年間据え費寺によりまして、さらに六、七十億の赤字がふえるという事態に立ち至りました。これは容易ならぬことでありまして、自治大臣といたしましては、これはひとつ根本的に公営企業の全般を考え直す時期であると判断をいたしまして、公営企業制度審議会を設けることにきめまして、この一年間公共料金のストップが終わるまでに基本的に検討いたしたいと考えたわけでございます。それまでは公営企業自身の合理化というものも非常におくれておる、親方日の丸で。幸い、東京、大阪をはじめといたしまして、この合理化の努力が出てまいった。それから、公営企業は民営と違いまして、ほんとうに経営という立場で立っているかどうか、これも私はいろいろ御批判があるわけであります。また、不採算路線というものをやるかわりに、公営企業は税金がないのですね。所得税もなければ、法人税もないし、その他の税金の面における恩典があるから、不採算のところまでやらなければならぬが、これをカバーするだけの措置はそっちの面で得られるわけなんです。そういった点で企業自身の合理化という面を考えなければならないと私は思います。しかし、結論から申しますと、公営企業でありましても、受益者負担という原則は私は貫くべきだと思います。赤字だから自治体が一般会計からこれを穴埋めするといういき方は、これこそ親方日の丸になりまして、企業の独立採算制をこわしますから、これはやっぱり排除しなければならぬ。そういう観点で、一年たちましたあと、合理化でどうしてもカバーできない面というものは、受益者負担という原則で運賃やあるいは水道料金をどうするかということを検討しなければならない段階が来るのではなかろうか。それまでに公営企業審議会で大いに多角的な面から御検討願いまして、りっぱな公営企業を再建いたしたいというつもりでございます。このあり方——一年の経過等につきましては、また別途に考究いたしておる次第でございます。
  191. 鈴木壽

    鈴木壽君 公営企業全般の問題——公営企業のあり方なり財政の問題の根本的な問題について、今度できる公営企業調査会で十分検討してもらうということ、これは実は先ほども柴田財政局長からそういう答弁がありましたが、ただ、この場合問題として取り上げておりますことは、一体いまのこういう運賃ストップ、改定をストップをされて赤字がますます大きくなっていくという、こういう事態に対しては、一体政府はこのまま審議会なり調査会の結論が出るまで待っているかどうか。そういう問題についてどうなんですか。
  192. 早川崇

    国務大臣早川崇君) 目下その間のつなぎ融資をどうするか、利子をどうするか、いろいろ関係各省と目下検討中でございまして、近く結論を出したいと思っております。
  193. 鈴木壽

    鈴木壽君 自治大臣のお答えですが、それに関連をして、これは新聞記事でございますから、どこまで真実を伝えておるのか、この機会にあらためて大臣からはっきりさしていただきたいと思いますが、とりあえずの措置として——根本的な問題については、先ほど来話のあった調査会等に検討してもらうとしても、とりあえずの問題として、特に六大都市の公営バスの赤字の問題等について「国から補助金を出す」という考え方が一つ、「政府関係金融機関などから受けている融資について政府が元利補給する」ということが一つ、いま一つは「起債の償還をタナ上げする」、こういうことを大臣が考えて、それについての、何と申しますか、結論を早急に出したいということが二月二十六日の読売新聞、三月二日の毎日新聞にありましたのですが、これの具体的な検討を命じ、それについての結論を出すことについていま努力中なんでございますか。
  194. 早川崇

    国務大臣早川崇君) 新聞に出ましたのは、おそらく事務当局が大蔵当局その他にぶっつけた案ではないかと思います。あくまで要望の案だと思うのでありまして、なお、その内容はなかなかむずかしい問題でありまして、全部国で元利補給をするとか、全部補助金を出すとかいうことは困難なことであります。目下事務当局同士で検討いたしておる段階でございます。
  195. 鈴木壽

    鈴木壽君 そうすると、新聞に伝えられておりますこういう案、これは大臣のあずかり知らざるところだと、こういうことなんですか。事務当局の検討しておる段階でのいわば試案だと、こういうことなんでございますか。
  196. 早川崇

    国務大臣早川崇君) 私は存じません。事務当局がそういうことをもとに折衝しているということは聞いておりますけれども、それでなければならんという大臣の要望とは、私は考えておりません。
  197. 鈴木壽

    鈴木壽君 事務当局でもそういうことはわからんと言うのです。さっき、あなた来る前に、財政局長から聞いているのですが、そういうことわからんと言うのですが、一体どうなんです、これは。あなたは、新聞記事によると、「なお早川自治相は二十五日の記者会見で」いま言ったような三つの案について、これはそれぞれの試案の段階でありましょうか、いずれ「「今週中には結論を出したい」と語っている。」、こう言っている。あなたが知らないという問題ではないと思うのですが、その点どうです。
  198. 早川崇

    国務大臣早川崇君) そういう具体的な内容について記者会見で言った覚えはございませんが、事務当局同士の折衝には、あるいはそういう案を一つの検討の材料として関係各省に働きかけたということはあり得ることでございます。何ぶんにも、これはお金を出す、出さぬの問題であります。また六大都市は、御承知のように、有力な財力を持った都市でもありますから、合理化によってどうしてもまかなえない金額はどの程度のものかというような検討を、企画庁もやっているようであります。その検討をまちまして結論を出したいと、かように考えます。
  199. 鈴木壽

    鈴木壽君 どうもこれは大臣、あなた大臣として何かこれに対する対策を当然お持ちだろうと思うのですが、そういうものもないわけなんですか。ここにあげられたような、さっき私が申し上げたようなことも、これは事務当局の関係各省の事務当局との間の話し合いの問題で、自分としては関知しないようなことを何べんもおっしゃられるのですが、大臣としては一体どうなんです。
  200. 早川崇

    国務大臣早川崇君) 御承知のように、大蔵大臣、経済企画庁、みな了承を得なければなりませんので、いかにこちらが理想案を出しましても、そうはいかないのが現在の仕組みになっているわけでありまして、それはあくまで事務当局の折衝の一つの試案にすぎないのではないかと私は思っているわけでございます。
  201. 鈴木壽

    鈴木壽君 そうすると、あなたは事務当局がこういう試案をもって折衝しているということについては承知し、それを支持している、こういうふうに理解をしなければならんと思うのですが、それはそれでよろしゅうございますか。
  202. 早川崇

    国務大臣早川崇君) あくまでも事務当局の一つの試案という意味においては、そのように御理解いただいていいかと思います。
  203. 鈴木壽

    鈴木壽君 ひとつ大臣、大事な問題ですから、あまり何といいますか、言っちゃ悪いけれども、何か自分ではっきりした考えも出さずに、責任も感じないようなものの言い方は、ひとつ慎んでいただきたいと思うのですがね。これは、かりに事務当局の案であっても、それならそれでいいのです。しかし、大臣としてこの問題どうするか、こういうことについてはっきりしたものを持っておらなければならんと思うのです。それが、大蔵省との関係あるいは他官庁との関係でどういうふうになるかわかりません、あるいは思ったとおりにならんということも、お話しのとおり、過去においてもしばしばこういうふうな問題にはありましたが、しかし、それはそれとして、やはり、こうすべきである、あるいはこうしなければならんという大臣としての、公営企業全般を扱っている大臣としての心がまえ——というよりもむしろ具体的な方策というものは当然あるべきだと思うのですが、それもないのですか。
  204. 早川崇

    国務大臣早川崇君) これはなかなかむずかしい問題でありまして、企業自体として合理化し得る限度はどこまでかという具体的な結論も出ておりませんし、また、国家財政上どれだけの予算でこの暫定措置をやるかということも未確定である。したがって、われわれといたしましては、まだ最終的にかたまった結論を出す段階にないのでありまして、私は事務当局を督励して、すみやかに実行できる一つの案を各省あたりに打診をしろ、こう命じているわけでありまして、そういう結果をまって、自治大臣としてはこの点はどうしても譲れない、こうしなければならないという結論を出すべきものと考えているのでありまして、いずれそういう段階が来るかと思っておりますが、現在のところは、先ばしって自治大臣がこういう案を出すという段階ではないと存じております。
  205. 鈴木壽

    鈴木壽君 それではお聞きしますが、事務当局に結論を出すようにということを言いつけて、その結論を出す時期について何か具体的にあなたお話しになっていますか。できるだけ早くという程度でございますか。それとも、いつごろまでにというようなことを、何か期限をつけたような形でやっておられるかどうか。その点はどうです。
  206. 早川崇

    国務大臣早川崇君) 再三再四、これはほうっておけないから急げということは言っておりますが、何ぶん各省それぞれの意見がありますので、期限はもちろん切っておりません。
  207. 鈴木壽

    鈴木壽君 さっき財政局長のほうからは、いろいろな案はないわけじゃないですが、発表段階でもなし、あげて今度できる公営企業制度調査会、それの検討にゆだねたい、こう言っておりますが、あなたもそれでよろしゅうございますか。
  208. 早川崇

    国務大臣早川崇君) それは、基本問題はそのとおりでありますが、暫定措置としては、また別の問題として処理いたしたいと考えます。
  209. 鈴木壽

    鈴木壽君 私も応急の対策としていますぐとられなければならぬじゃないか、そういう審議会か、調査会かにかけた場合に、いつそういう答が出るかわからぬから急がなければならぬじゃないかと言ったら、一生懸命やってもらえばそんなに延びはしないだろうから、そっちのほうに検討してもらうのだ、こういうことをいま私は聞きましたのですが、これは速記録を調べてみればわかりますが、大臣の言うことは違ってきておると思うのですが、どうですか。
  210. 柴田護

    政府委員(柴田護君) ちょっと誤解があるようでございますが、私から釈明いたします。私が申し上げましたのは、赤字再建の問題について申し上げたのであります。いま大臣からお話しになっておりますのは料金ストップに関するこれの措置でございます。問題が少し違いますので、料金ストップについての応急措置については、これは別途早急に急がなければならない。これは前にもお話ししたとおりであります。赤字再建の問題、繰り越し赤字も含めての赤字をどうするかという問題については、これは四、五カ月はかかるだろう、こういうことを申し上げたのであります。
  211. 鈴木壽

    鈴木壽君 これは、特別に赤字解消の問題と料金ストップの問題と分けて考えないほうがいいと思うのです。赤字解消の問題の一環として料金ストップをそれじゃどうするのか、こうでなければならぬと思うのです。しかし、それはそれなりでよろしゅうございましょう。  大臣、それじゃ聞きますが、あなたのほうの金丸次官が昨年の十二月二十一日に運輸次官に対して、「六大都市公営バス料金の改訂抑制に伴う措置について」という文書を出して、料金を上げることを押えておるために出た損失というものは全額国で補てんをすべきだと考えるということを文書で出しておりますね。これは、とりあえずの料金の改定ストップに対する自治省の態度——大臣を含めてですよ——そういうふうに理解せざるを得ないと思うのですが、この点はどうですか。
  212. 早川崇

    国務大臣早川崇君) これも、そういう文書を出したことも承知をいたしておるわけでありますが、なかなか運輸省も、大蔵省も、全額国で負担するということにつきましては難色を示しておりますから、これは一つの考え方として出したわけであります。この問題は、自治体が非常に大きい力を持っておるから、政府も困っておるのだから、何とか自治体側でつなぎをやってくれという意見もあるわけでございまして、全額直ちに国で補てんするということにつきましては、いろいろな困難があろうかと思っておりますが、そういう要望を次官からしたことは承知しております。
  213. 鈴木壽

    鈴木壽君 これは、金丸さんから運輸次官の岡本さんに出し、さらに経済企画庁の次官に出しておるということを聞いただけで、大臣としてはこういうことに対してどう考えておられるか、この内容について。
  214. 早川崇

    国務大臣早川崇君) これは要望として出しておるわけであります。政府は一体でありますから、そういった間の調整を現在やっておるというわけでございます。片や公共事業自身の人件費が非常に高いとか、諸手当が五十幾つもあるとか、いろいろな問題がありますし、そういった問題を総合的に検討して結論を出すというわけであります。
  215. 鈴木壽

    鈴木壽君 どうもあなた方、みんなこの問題逃げてますね。運輸大臣にお聞きしますが、こういう文書をあなたのほうの次官の岡本さんのところへ自治省の金丸事務次官から出されておる。もちろんあなたも御承知でしょうが、内容について。料金改定が押えられているために、そのしわ寄せを地方団体に求めることは適当でないから、全額その赤字分を国で補てんすべきである、補てんの措置としては、国庫補助金の交付、あるいは元利補給つきの融資の措置でやるべきだ、こういう文書に対しては、あなた大臣として、いまの料金ストップに伴う公営企業の経営問題として、どういうふうに受けとめておられますか。
  216. 綾部健太郎

    国務大臣綾部健太郎君) そういう文書は確かに運輸次官の手元に参っておりまして、私どもとしては、何とかそういう方向に向かって解決すべきであると考えまして、目下関係各省と折衝をしているのが現段階でございます。
  217. 鈴木壽

    鈴木壽君 関係各省というのは、どういうところですか。
  218. 綾部健太郎

    国務大臣綾部健太郎君) 主として大蔵省、それから経済企画庁その他であります。
  219. 鈴木壽

    鈴木壽君 そうすると、自治事務次官からの申し入れの趣旨についてはあなたも賛成だ、こういう趣旨が実現できるように他の関係各省と折衝しておられるというふうにおっしゃいましたね。
  220. 綾部健太郎

    国務大臣綾部健太郎君) そのとおりでございます。
  221. 鈴木壽

    鈴木壽君 具体的に大臣の間でこの問題についてお話し合いをしたことがございますか。
  222. 綾部健太郎

    国務大臣綾部健太郎君) ありません。
  223. 鈴木壽

    鈴木壽君 事務段階で、事務当局の間で話し合いをしているということだろうと思うのですが、こういう問題は、いわゆる事務当局というようなことでまかせでおくべき段階でないと思うのですが、その点いかがですか。
  224. 綾部健太郎

    国務大臣綾部健太郎君) 金を出すのは大蔵省ですから、大蔵省の納得を得なければなかなか困難でございますから、せっかく大蔵省、企画庁と、そういう方面につきまして話し合っている段階でございます。
  225. 鈴木壽

    鈴木壽君 ですから、その話し合いの段階といういまの段階は、単に事務当局のレベルで話し合いをするよりは、大臣が、関係閣僚会議とかなんとかいろいろなものがありますから、こういうところでひとつ話を進めて、この趣旨に沿うような結論を出す。あなた賛成だと言っておりますし、自治省もそういう申し入れをしておりますし、残るところは大蔵省、企画庁がどう言うか、そういうところだと思いますから、そういう線で実現できるようにトップ・レベルで話し合いをすべき段階じゃないかというのが、いまの私のこれに対する考え方でありますが、その点まだそういう必要はないというふうに考えますか。
  226. 綾部健太郎

    国務大臣綾部健太郎君) 私はもうそういう段階に来ているのじゃないかと考えまして、種々大蔵大臣、企画庁長官と話し合っているのですが、まだ満足な答えを得ないのははなはだ遺憾であります。
  227. 鈴木壽

    鈴木壽君 大蔵大臣はせんだっての参議院予算委員会、これは三月七日の予算委員会で、公明会の鈴木委員からの質問に対して、国として金を出す必要はないのだ、こういうことをはっきり言い切っておりますね。そうすると、いまの段階では、あなた方の事務当局レベルの話し合いの中にそういう態度が出ておりますか、いかがですか。
  228. 柴田護

    政府委員(柴田護君) 事務的の段階におきましても、お話しのような筋、つまり国としてめんどうを見るべきかどうかという問題につきましては、大蔵省の事務当局としては、いまお話しになりました大蔵大臣と同じような感覚で話し合いをいたしております。
  229. 鈴木壽

    鈴木壽君 そうしますと、これは両大臣に聞いていただきたいのですが、ますますもってこれはやはりあなた方のレベルで話を進めるということが必要になってきていると思うのですが、田中大蔵大臣はひどいことを言っているんですね、予算委員会で。「民間企業に対してめんどうも見ないでおって、公営企業なるがゆえに赤字補てんをするというような道を開くということは、将来財政上、また制度の上でどういう問題を起こすかということは、」云々とあって、「私は、現在の段階で一年間くらいストップをしても、やっていけないなんという問題じゃないと思いますし、民間との均衡論から考えましても、政府が赤字補てんをするとか、財政支出によってこの問題を切り抜けるというような問題じゃない、こう思います。」とはっきり言っておりますよ。これは自治大臣もそばでお聞きになっていらっしゃったでしょう。一体公営企業というのはどう考えておるのか。これはまことに私は大蔵大臣の態度としては、あるいは政府の態度としてはおかしな態度だと思うのですが、事務当局でやっていって、話し合いを進めていって、自治省から運輸省に申し入れた、あるいは経済企画庁に申し入れをしたような、こういう趣旨が実現できるというようにあなた方はお考えになっておりますか、どうですか。
  230. 綾部健太郎

    国務大臣綾部健太郎君) 運輸省といたしましては、単にこの運輸行政に関する限りの公共料金につきましては、民営との関連もありますし、目下慎重に検討をいたしております、民営とあわせて。そこで私どもとしては、先ほど申しましたように、大蔵省がそれを認めることを期待し、認めるよう話し合いを進めておるのでございますが、残念ながらまだ結論が得られていないと、かように存じております。
  231. 鈴木壽

    鈴木壽君 衆議院のほうの委員会の関係で早川自治大臣が出られるようでございますから、いずれあとでまた機会を見て、この次の委員会等においてお聞きしたいと思いますが、せっかく大事なところに来たのですけれども。そこで私はこの次に、委員長にもお願いしますが、大蔵大臣並びに経済企画庁の大臣に来てもらいたいと思いますが、運輸大臣、交通事業という点だけを私は伺って、あなたのほうの直接の関係ですからお聞きしたいのですが、いわゆる公営企業として行なわれている交通事業について、民間のこういう企業との関係、これはどのように考えておられるのか。もっと申し上げますと、最近、公営で交通事業なんかやる必要はないんだという議論も出てきております。こんな赤字を出して、放漫だとかなんとか言って、民間でやるべきだというような意見もちらほら出てきている。かてて加えて、運輸省の従来の態度等から推測をして、どうもやはり民間のものを優位に取り扱うということじゃないだろうかというふうなことも取りざたされておりますがね。交通事業、いわゆる地方公営企業としての交通事業というものを、ほんとうに必要なものであり、したがって、健全な企業に育成助長していく、あるいは国としても援助もしていくのだというふうなことについては、運輸大臣としてはどのように考えておられますか。
  232. 綾部健太郎

    国務大臣綾部健太郎君) ちょっと御質問の趣旨がよくわかりかねますが……。
  233. 鈴木壽

    鈴木壽君 あまり公営で交通事業なんかやらなくてもいいのだ、こんなことは民間でやったらいいのだというようなお気持ちなのか。やはり公営企業として交通の問題も大事な問題であるから、これは育てていって健全なものにしなければならぬというふうにお考えになるのか、そのいずれであるかということなんです、簡潔に言うと。
  234. 綾部健太郎

    国務大臣綾部健太郎君) それは公営者の、たとえば東京都とか、いなかの都市であるとかいうような事情によりまして違うと思いますが、何と申しましても公営企業の経費が非常に割り高でありまして、収入は、公営企業だからといって安くも高くもない。一般民営と同じでございますから、その場合、場合によって私どもは考えていきたいと思います。同じ条件であったならば公営企業を育てていくのが当然だと考えております。
  235. 鈴木壽

    鈴木壽君 そういうところにも、場合、場合によって考える、同じような条件のところでは公営企業を育てていくと、こういうことでございましたね。あなた方いままで、たとえば路線の認可のしかた等からして、民間企業の優先というような考え方があったのじゃないかと思うが、その点はどうですか。
  236. 綾部健太郎

    国務大臣綾部健太郎君) 私が運輸大臣に就任いたしてからは、さようなことはありません。あくまでも平等と申しますか、同じレベルにおいて考えてまいっております。
  237. 鈴木壽

    鈴木壽君 交通等の、特にバスの場合でありますが、東京とか大阪でなしに、地方の公営企業でも赤字がだんだんふえてきておる傾向にありますが、その一つの原因として、民間の路線との競合の問題で、民間のものはどんどん入れるけれども、公営の場合にはチェックされる、回数なんかも制限される、こういうことがある。せっかくそこでもしフルに、たとえば市営なら市営のバスが動かせるならば相当な収益を上げることのできる路線が、いま言ったような制約のために、一日二十本とか三十本とかいうものしか通れない、こういうことがあるのですがね。そうすると、こういうことについては、大臣、あなたはいますぐある市の交通のほうから路線にもっと車を走らせろというようなことで申請があった場合にはお許しになりますか。
  238. 綾部健太郎

    国務大臣綾部健太郎君) 具体的の問題をおっしゃっていただかないというと、ここで即座にお答えできません。
  239. 鈴木壽

    鈴木壽君 それでは具体的に申し上げますが、これは私一般的な話として実は持ち出したのだけれども、いま、あなたは具体的にということをおっしゃったのですが、秋田市営のバス事業と中央交通——民間の企業でございますが、この路線の国道七号線の路線で市営のものがいつも回数を減らされておる。これは最近はもうあきらめてしまって、あなた方に申請を出してよこさない。こういうのがあるのです。こういうことは改めていただけますね、いかがですか。
  240. 綾部健太郎

    国務大臣綾部健太郎君) いま自動車局長から聞きましたが、そういうようなことはないと言っておりますから、もしそういうことでありましたならば、もちろん事案を考えまして適当に処理いたしたいと思います。公営だからといってとめるとか、民営だから先に優先して許すとかというようなことはやらぬということでございます。
  241. 鈴木壽

    鈴木壽君 自動車局長、あなたそういうことないとおっしゃったそうでございますが、あなたずっと前から局長をなさっていますか。
  242. 木村睦男

    政府委員(木村睦男君) 約二年半やっております。
  243. 鈴木壽

    鈴木壽君 その前の問題はあなた御承知ないね。国道七号線の土崎−秋田間の路線で、秋田市営バスはこれ以上動けない。何べん頼んでも何べん申請を出しても許してもらえなくなっております。もらえないのであきらめて、とてもじゃないが、あきらめたかっこうですね。あなたが局長になってからはあらためて申請は出さなかったのだろうと思うのですが、これはひとつお調べになって、私実はきょうこんな局部的な問題を取り上げるつもりでなかったのでございますけれども、私は公営企業のあり方として、バスならバス、交通なら交通のあり方として、ほんとうにフルに動いてもらい、また、健全な発達をさせるというものであれば、少なくとも自分の行政区域の中での路線の、認可ですか許可ですか、そういうものは私企業にある程度チェックしても、同じ自分の行政区域の中ではそんなことがあったのでは困る問題だと思うのですよ。そういう意味から、一般的な問題として私ちょっとお聞きしたのですが、これはひとつ、私がもし誤っておればあとからおわびしますが、そういう事実がありますから……。現にもうラッシュ時にしかバスを動かしておらないのですよ。あとは一時間に一本とかなんとかというのです。一番かせげる路線なんです。それが中央交通とかなんとかの関係で、私、中央交通を入れるなということでなくて、少なくとも対等に動かさしたらいいんじゃないか、こういうことなんでありますが、特殊な問題でありますから、これはこの席でどうのこうのということは私はこれ以上言いませんから、あとでひとつお調べになっていただきたいと思います。もしそういう事実がなかったというのであれば、私おわびを申し上げますけれども。
  244. 木村睦男

    政府委員(木村睦男君) 私のほうもよく調べます。  なお、一言大臣の答弁を補足いたしますが、公営と民営と競願になっておるような場合には、いずれも、たとえば公営の赤字を救うがゆえにそれを認めるとか、民営の赤字を救うがゆえにそれを認めるとかという考え方をとるのではありませんので、どちらを認めることが利用者の利便になるかということを考えるわけでございます。その次には、やはり事業者同士がそれぞれある地域を限って自分のバスをやっておるという業者間の協調態勢をくずしたくない、これが円満にやっていける方法でございますので、その点も考えるわけでございまして、公営につきましては、おのずから公営の公共団体の地域的な範囲内において大体バスをやるということで見ておりますし、それから民営につきましては、従来のその会社のやっております地域の範囲というものがおのずからあるわけでございますので、それを中心に見るわけでございます。そうして、一つの都市の中でも、その公営のバスがやっておると同時に、その都市の一部あるいは大半を民営にしてやっているという現実の実態もあるわけでございまして、そういうふうに、何といいますか、事業区域的なものがダブっておるというふうな地域で競願になっております場合には、やはり運行系統その他申請の状況を見まして、どちらを認めることが利用者の便になるかということを考えるわけでございます。  なお、回数その他につきましても、両方が円満にやっていけるように回数の調整等もやっておるわけでございまして、特に公営だから優先させる、民営だから優先させるというような考え方には、従来の運輸行政は立っていないということで、少なくともそういう考えで処理いたしております。  なお、御質問の点は、あとで実態をよく調べてみたいと思います。
  245. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止〕
  246. 竹中恒夫

    委員長竹中恒夫君) 速記を起こしてください。  本日はこの程度にいたしまして、次回は、三月十九日木曜日午前十時開会の予定でございます。  本日は、これにて散会いたします。   午後四時十七分散会