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政府委員(
浜中英二君)
刑事警察の刷新
強化ということにつきましては、来年度の
予算要求の際におきましても、一番重要な柱といたしまして強く要求してまいった次第でございます。ただいま御指摘のように、単に
増員だけの問題でなくして、やはり
予算の上から
考えてみますと、
増員のほかに
刑事警察の機動化ということから
捜査用車の四百七十台、あるいはまたモーターバイクを五カ年
計画でそれぞれの
刑事に持たしていくと、これが第一年度四百十六台、さらにまた
刑事の個人装備といたしまして、携帯用無線機とか活動用無線機、携帯用受令機とか、そういったような無線機の購入、改修、あるいは
刑事警察官の宿舎の問題がやはり大事な問題でございますので、待機宿舎のうち三分の二はこれを全部
刑事警察官に当てようと、こういうことで緊急整備の
予算を要求いたした次第でございます。また、活動経費につきましても、昨年と比べましてかなりの増額を見たような次第でございます。
そのほか、
捜査装備の
充実とか、電子計算組織の急速整備、
刑事警察官の教養の徹底、科学
警察研究の推進、こういうような項目を総合いたしまして、従来
刑事警察には、いま申し上げました費目に盛られました
予算が国費、補助金あわせまして二十一億ございましたが、今回の
予算では三十二億と、約十一億四千万近くの増を見ておるわけでございます。
それからなお、
刑事警察官の処遇の徹底、処遇の改善という問題がございますが、これにつきましても
地方財政
計画上の措置といたしまして、ある程度の前進を見ることができたわけでございます。まず給与面におきましては、三十八年度は特殊勤務手当の増類、大体従来の倍増という
計画を、財政
計画の上に計上いたすことができたわけでございますが、三十九年度の
地方財政
計画上の措置といたしましては、
刑事を中心といたしまして、私服勤務の
捜査係の超過勤務手当を三%増、
警察官は従来九%でございましたが、一線の
刑事等に三%の増、こういう措置をとることといたしたわけでございます。
そのほか、府県自体におきましても、自主的にそれぞれ中央措置と相まって努力中でございます。
また要綱にございます
刑事警察官の教養というところに、上級幹部の指揮能力の向上とか、あるいは中級幹部の教養の徹底とか、初任
刑事警察官の教養の徹底、学校教養における
刑事教養の刷新とかいう項目を掲げてございますが、従来そういう点につきまして非常におくれておりましたが、今回管区学校に新しく
刑事課程を創設いたしまして、
捜査活動に必要な基本技術と、特に聞き込みとか取り調べ、尾行、張り込み、あるいは鑑識、通信、
捜査装備等の取り扱い技術とか、こういう実習演練を中心とした教養を行なうことといたしております。また現任の
刑事クラスに対しましても、いまのような教養のほかに、さらに応用技術を兼ねまして、実際の
捜査に重点を置きまして、実例演習的な
方法を取り入れる
予定でございます。
また昇任の問題でございますが、これも
刑事の士気に非常に関連のある問題でございますが、現在正規の競争試験によるものと、特別昇任というような二通りの
方法が講ぜられておるわけでございます。正規の昇任につきましては、これも従来どおりの試験の
やり方をいろいろと府県で検討を加えまして、科目にも
刑事にウエートを置くというような措置をとっておるわけでございまして、最近の合格率もきわめて高い状態になりつつあるわけでございます。なお、昇任につきましては、全体の三〇%ぐらいが特別昇任という形で、いわゆる従来の筆記試験を抜いて特別の昇任をする、選考昇任するというような
やり方を進めてございますが、特に、
刑事のように何年も第一線で働いておりますような、そういう専門的な能力なり技能を持っておるものにつきましては、この特別昇任のワクを広げることによりまして、
刑事の士気の刷新をはかっておるわけでございます。特別昇任の
刑事の割合も非常に高い比率になっておるわけでございます。さっき申し上げました、管区学校の
刑事課程が九月から開設されることになっておりますが、こういうような課程を卒業いたしました者、これは巡査部長の試験の合格者とか、あるいはこれに準ずる能力とか適性がある者で選抜されました者につきましては、終了と同時に昇任試験合格者とみなすというような特別の措置も将来
考えていきたい、こういうふうに
考えておるわけでございます。
以上、
刑事警察の
強化対策要綱につきまして、教養とか、処遇改善、装備
予算、
増員、こういうものを総合いたしまして、現段階におきまして着々努力をいたしておる最中でございます。