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市川房枝君 ボーリング・センターが、スポーツとしては健全という点も私はあると思うのですよ、けれ
どもいまお二人から
お話しのように、雰囲気といいますか、時間といいますか、それから値段が非常に高いということはひとつ問題じゃないかと思う。これはアメリカがこのボーリングの本家なんですが、そのアメリカで一体ボーリングがどういうふうになっているのか、アメリカ大使館について
調べてみたのですが、そうしますと、アメリカでは特に年齢の制限はしてない、各州で
取り締まりをしている。それでアメリカでは日本のように高くない、一ゲーム二十五セントないし三十セント、といいますと、百円前後ですね、日本では一ゲーム二百五十円、くつの借り代が要りますから三百円とか
——一ゲームといっても十分か十五分で済んじゃうから、一ゲームではどうしても満足できないから続いてやる、口もかわくから飲みものを買うというと、じき千円、二千円すっ飛んじゃうわけでして、それで非常に違うのですが、アメリカでは一人で遊びに行くというのでなくて、家族で一緒に行って楽しむ。そういうような
状態で、まあそれから夜なんか、もちろん深夜は
営業していないと思うのですが、健全な娯楽としてならいいけれ
ども、どうも日本のは、そういう点でも、値段の点なんかでも少し問題があると思う。それでボーリングが近所にできたという洲崎のほうの婦人会の幹部の人が、お母さんたちが困っているんだ、子供たちがボーリングに行きたいので小づかいをせびられる。それでしょうがないから出すんだけれ
ども、それもしょっちゅうで金高も大きくなるし、それをやらないと、それこそ、どろぼうしたりすることになっては困るというので
心配しておる。この間の十六歳の三人組強盗も、あのとき新聞を拝見しますと、
ボーリング場に行って金を使っちゃって、金が足りなくなったからああいう強盗をしたというのですが、そういう点も私は問題がある。それで、これを何とか健全なスポーツにするように自主
規制といいますか、これは
警察が
心配なさって、十一時まで
——十一時以後は未青年者は入れないという自主
規制があるらしいのですが、たまたま私たちが見に行ったところでは午前三時までやっている。しかも三時というのは、受付を締め切るのが午前三時、それまでに入った人たちは朝までやっているわけなんでして、それでそこには私たち見たところ目の鋭い、変な
少年たちがやっぱりいたと思うのですが、やはり自主
規制だけではできないのじゃないか。また、そのボーリングは実は持ち主がアメリカ人なんだ、持ち主はアメリカに帰っちゃって、組合から自主
規制の通知が来て、
警察から
あとで、まだ三時までまっているというので、警告があったらしいのですが、社長がいないからどうもしようがない。われわれは社長の命令を守るよりしようがない、こう言っていたのです。社長が帰って来たらどうだろうか、社長はちゃんと守ってやるだろうかと言ったら、いや、うちの社長は言うことを聞かぬでしょうと言うのです。それは、やはり朝までやるでしょうというのですが、それはやはり法がないと、そういうことになるので、やはり、それは弊害があるとすれば、法でちゃんと
規制していいわけなんです。しかし、いまは法がないので、これは法は私つくっていただく必要があるのじゃないか。これはスケートなんかも私はやはりその中に入れて
——民間のいわゆる
営業としてやっているスケート場なんかも健全な
家庭の子供は、そこにやるとすぐ悪くなっちゃうからやれないのだということも話題に上っているのですけれ
ども、これもいまのボーリングと同じことで、何らの法の
規制がなく、野放しという
状態のようなんです。だからここはどこが一体主管になるのか、私はもう健全なスポーツとすれば、それこそ
風俗営業といいますか、
警察のほうでなく、これはやはり文部省といいますか、スポーツを
所管している文部省あたりにやはり
考えていただくべきことじゃないか。もう
一つ申し上げれば、私はこんなに高いのでなくて、なんで国なり
自治体が
——子供たちはあの遊びはおもしろいと言いますが、そうしたら、そういうのをあんなに自動的に金のかかるのでなくていいと思うのです。やはりいろいろ各区や都なんかでも体育館なんというものをこしらえているのですけれ
ども、そういう中にあれの類似の設備というようなものを奨励して、そうして子供たちを遊ばせるということを
考えてもいいのじゃないかと思う。それをやはり私は文部省に
——もうそれは体育局でなく社会教育局になりますか、どっちになりますか、とにかく子供たちの健全な育成はやはり文部省の任務だと思うのですが、それはいかがでしょうか。