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1964-05-28 第46回国会 参議院 大蔵委員会 第34号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年五月二十八日(木曜日)    午前十時三十八分開会   —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     新谷寅三郎君    理事            柴田  栄君            西川甚五郎君            成瀬 幡治君            渋谷 邦彦君    委員            大竹平八郎君            大谷 贇雄君            岡崎 真一君            川野 三暁君            高橋  衛君            田中 茂穂君            鳥畠徳次郎君            林屋亀次郎君            木村禧八郎君            野々山一三君            鈴木 市藏君   政府委員    大蔵政務次官  齋藤 邦吉君    大蔵大臣官房長 谷村  裕君    大蔵省管財局長 江守堅太郎君    大蔵省為替局長 渡邊  誠君   事務局側    常任委員会専門    員       坂入長太郎君   説明員    大蔵省管財局国    有財産第一課長 宮川 国生君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○国際開発協会への加盟に伴う措置に  関する法律の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付) ○国有財産法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。  国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案議題といたします。  前回に引き続き、本案質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。(「なし」と呼ぶ者あり)  別に御発言もないようですから、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
  4. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 社会党を代表して、次の二点から本法律案反対をいたします。  その第一は、第二世銀の持っている性格でございますが、確かに低開発国に対する開発を促進するという美名であること、そういう目的をさしているというようなこともわれわれは認めているわけではございますけれども、もともとそのよってくるものは、西陣営東陣営に対抗してのいわゆる後進国家、低開発国に対する援助をしようとする、その対抗上の一つのものということも判断ができると思うわけでございます。したがって、われわれは、東西陣営の激発と申しますか、衝突というようなことを歓迎するのではなくて、むしろ融和の方向に努力するのが政治のあり方じゃないかという、その持っおる本質と申しますか、いわゆる何か東西陣営がしのぎを削るというような、そういうものに対するいわゆる西陣営一つ防衛の一環とし七、軍事同盟とは言わないけれども経済上のそういう組織体とわれわれは判断をいたします。  それから、二つ目の問題は、今回の増資でございますけれども、そのよってくる理由というものは何かといえば、いわゆる国際通貨流動性の問題であって、なぜそういう流動性がなくなる、増資をしなくちゃならないかといえば、それは要するにアメリカのいわゆるドル危機、こういうところに根ざしておるのじゃないか。そのよってくる原因はそこにあるのじゃないか。それじゃ、アメリカがなぜドル防衛をとらざるを得なくなったかといえば、御案内のように、貿易収支においては完全に黒字を示しておるのに、いわゆる経済援助、あるいは軍下援助とかございますけれども、それは経済援助というけれども、何がそれじゃ純粋な経済援助かとなるというと、非常に苦しいことになるわけでございまして、それでやはりいわゆるアメリカを頂点としたところの軍事援助というようなふうにも受け取れるわけでございます。そういうものの肩がわりを日本がするといってはおかしいわけでございますが、一翼をになうということは、非常にわれわれはいわゆる東西間のみぞを深めるような結果にさおさすということになると思います。  以上のような二点において反対をいたします。
  5. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手
  7. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、前例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。   —————————————
  9. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 次に、国有財産法の一部を改正する法律案議題といたします。  前回に引き続きて、質疑を行ないします。御質疑のある方は順次御発言願います。  ちょっと速記をやめてください。   〔速記中止
  10. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 速記を始めてください。
  11. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 この間、本委員会で新宿区若松町の国有財産貸し付け状況についてお願いしておいたところ、若干資料も出てきましたので、この問題について一、二だけお伺いしたいと思うのです。  その同胞援護会というのは、一体これはいまでも存続しているのですか。
  12. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 同胞援護会は、昭和二十六年に解散をいたしております。
  13. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 そうすると、その相手方というのはどういうことになるのですか。それは当時はたぶん財団法人恩賜財団ですか、この同胞援護会に貸すということで、この二千四百坪の土地を貸したということを聞いておりますけれども、これが解散してしまったということになると、一体この相手方というのはどういうことになるのですか。
  14. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 現存は、かつての同胞援護会牛込支会会長であられる個人契約をした形になっております。でございますが、これは適当でございませんので、たとえばここで住宅組合のようなものをつくるとか、何か政府がこういった土地を貸すという相手にふさわしいような団体になっていただくように、いろいろお話をしております。
  15. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 ことしは昭和三十九年ですから、二十六年に解散したとなると、実に十三年間、個人貸し付けることができないというたてまえであるにもかかわらず、十三年間、今日までこれを個人名義で貸しているという理由は、一体どういうところにあるのですか。
  16. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) この問題につきましては、いま仰せられました同胞援護会がなくなったためにどうも契約の対象として適当でないということ、それから、資料にも差し上げてございますとおり、東京都に転貸をしておるという問題がございますために、この問題を解決して契約をしようということで、実はいまだ未契約状態になっております。
  17. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 未契約というのはおかしいと思うのですがね。これも、それでは何ですか、全然そこから要するに貸し付け料地代とかなんかは取っていないのですか。
  18. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 同胞援護会時代契約をいたしまして、契約を更新する時期になりまして、いま申しましたようなことで契約が結ばれていないその後の地代などは、契約は結んでおりませんけれども弁償金という形でいただいてはおります。三十八年度まで全額納付されております。
  19. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 ずいぶん変な話だと思いますけれども、それでその土地の半分近くを東京都に貸したわけですね。しかし、東京都に貸されるということについては、あなたのほうでは知っていたのですか。その経過はどういうことなんですか、半分だけ貸したというのは。
  20. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 転貸を認めましたのは昭和二十二年の十一月でございます。ずいぶん昔のことでございますが、当時は、この同胞援護会は国から借りました土地全体の上にいろいろの施設をしようという計画であったのでございますが、その時分、資金がなかなかうまく思うように手に入らない、そのために財産の一部、現在東京都に転貸しております部分東京都に転貸をいたしまして、東京都が予算措置を講じてそこに住宅を整備するということで、何とか住宅緊急整備をしたいという申し出がありまして、まあ当時の事情としてはやむを得ないということで転貸を認めたのでございます。  国としてはそのように、一時まあ資金の手当ての一助という意味東京都に建ててもらい、それからあとは東京都のほうから同胞援護会のほうに、これをまた一括してまとめて同胞援護会に渡して、そしてその辺を一帯として同胞援護会管理して、住宅を貸すというようなことを期待しておったのでございますが、その後は必ずしもそのようにいかないで、現状のようになっておるわけでございます。
  21. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 そうすると、同胞援護会があるうちは、とにかく一応契約もあったし、国としての契約もあったのだが、同胞援護会が解散して、未契約状態のままその一部が東京都に又貸しされていると。だれの名義一体東京都は——いや、だれがこのいわば東京都に貸すということになってきたのですか。つまり、東京都で借りている相手方はどういうことなんですか。個人ですか。
  22. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 二十二年の十一月に転貸をいたしました。そのときは同胞援護会がございましたので、同胞援護会東京都の間で契約をいたしまして……。
  23. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 現在はどうなっていますか。
  24. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 現在は、ちょうど国となくなった同胞援護会との関係と同じような関係が、東京都と同胞援護会東京支部牛込支会を継承する個人との間で行なわれています。
  25. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 そうすると、具体的にいうと、つまりかつての牛込支会長であった中野四郎氏が貸していることになるのですね、東京都へ。これは念を押しておきますよ。そんなばかなことが許されるものですか。中野四郎なる人がとにかく国から二千四百坪の土地を借りて——それだって不当だ。そのうちのまた半分を個人名義でとにかく東京都に貸して、その地代はだれが取っているのですか。東京都からの地代はだれが取っているのですか。
  26. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 東京都の地代は、いまだに同胞援護会牛込交会長の名前で東京都から牛込交会に払っております。
  27. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 それじゃ、その一体地代はどのくらいのものですか、額は。
  28. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 東京都が同胞援護会牛込支会に支払いました使用料は、貸し付けをいたしました二十二年から三十八年度までの総額は、四百六十一万円余りでございます。
  29. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 それじゃ、もう一度聞きます。昭和二十二年から昭和三十八年まで国が貸していて、一体国に払った金はどのくらいですか。
  30. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 五百六十二万一千円余りでございます。
  31. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 そうすると、東京都からいわゆるそういった名義人相手方に四百六十一万、国のほうには五百六十二万というと、差し引き百万円だけですね。結局、個人中野四郎なるものが昭和二一二年から昭和三十八年まで実に十六年間もこの二千四百坪の土地を借りて、実際国に支払った、彼自身から支払ったと考えられるものは百万円程度ですか。
  32. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 国の貸し付け料と、それから東京都が同胞援護会牛込支会に支払いました金額との差額は、仰せのとおりと思います。ただ、その金額は必ずしも同胞援護会牛込交会会長である中野氏の個人のふところに入ったというようなものではございません。同胞援護会は、ここへ住宅を建てて、その管理運営をいたしておりました。そのような経費に充てられたものだというふうに考えております。
  33. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 それはずいぶんおかしな話ですけれども、その東京都に又貸しした金で、あるいは権利金みたいなもので、いままだ残っている、旧同胞援護会建物だといわれているあの建物ができたとおっしゃるのですか、あなたは。
  34. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) できたというんではなしに、そこに住宅を持って、その維持管理をいたしております。その維持管理の費用に使われたわけでございます。
  35. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 それはあなた、そんなことを言ったって、それはとてもだめですよ。維持管理に使ったとかなんとか言うけれども、それは当然そこに住んでいる人たちから維持管理費というものが出るわけで、東京都に又貸しでしょう、その又貸し地代維持管理をまかなうということはやれるはずのものじゃございませんよ。だれが考えたって、又貸し維持管理をするという状態でなかった。当然家が建てられていて、低い家賃といえども維持管理をするくらいの家賃は取っているのですから、おそらくこの東京都に又貸しした地代四百六十一万円というものは、何らかの意味でそれ以外の別途の方向の金が入ったという以外に見ようがない。普通の商取引でも明らかな事実で、ましてやこれは全く常識を無視して、しかも国としても十六年間にわたってこのような不法不当なことを平気で見のがしているという事実からいっても、私たちはとてもこんなことは納得できるものでない、いまの説明なんかで。今後どうするつもりです。
  36. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 転貸をいたしております事実は、これは私どもも適当でない、何とか是正をしなければならないと思っておりますが、転貸をいたしましたときには、昭和二十二年ごろの事情としてはやむを得なかったものもあるのではないかと思います。  国といたしましては、先ほど申し上げましたとおり、まず第一に、同胞援護会牛込支会というものは現在ございませんので、こういった団体住宅組合なり何なりの適当な団体をつくっていただくということが一つ。それから、転貸をしているという事実を解消する。その方法としては、東京都からそれを再び返していただくか、あるいはもう現在ここは東京都が都営住宅を建ててりっぱにやっておられますので、むしろストレートに東京都のほうに国からお貸しするという措置をしたいということで、いま話し合いをしているところでございます。
  37. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 聞くところによると、東京都が借りたところには約九十世帯ばかりの東京都営住宅が建てられたということで、ところが、東京都のほうでは、何か、個人の借りたもので、その個人が返してくれというので、東京都ではめんどうだ、だから、あそこを取り払って返すのだということで、都営住宅に現在住んでいる人に立ちのきを現在迫っているという事実がありますが、御承知ですか。
  38. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 聞いております。
  39. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 そうすると、いよいよもって奇怪な話なんだが、東京都に現在貸してある約一千二百坪からの土地は、ではそのまま、どういう形をとるか知らないけれども、とにかくそのまま東京都に貸すというたてまえをとっていくわけですね、これから。名義変更という形になるのですか。
  40. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 私どもも、転貸という事実は非常に遺憾でございますので、これを何とか解消しようと思っておりますが、ここにおります都営住宅に住まっている方を、もうこれは都営住宅にしなくなるのだから出ていってくれ、そしてもうすでにあいたものには入れないという事態は、これは私どもとしてもそういう解決のしかたを決して期待しているわけではございません。現在の住宅事情からいって、現在ある都営住宅というものはそのまま利用する、非常に老朽しているならば、改良住宅のようなものに改良させるということがきわめて好ましいと思っておりますので、今後の解決方向としましては、こういった転貸された土地は、むしろまっすぐ国から東京都にお貸しして、東京都のほうでその部分管理をする。転貸されない部分については、同胞援護会牛込支会を新たな団体に改新をいたしまして、そうして正規の契約を結んで、ここのいろいろな住宅管理していただくという方向で、解決をいたしたいというふうに考えております。
  41. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 それは事実そういうふうに事態が進んでいるのですか。何か聞くところによると、どうもそういうふうに話は内々あるようだということは聞いておりますけれども、少しも事態が進んでいないようじゃありませんか。
  42. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 半年くらい前までの情勢は、仰せのとおりあまりはっきりしないまま事態が推移しておったのでございますが、最近東京都のほうにも、また同胞援護会牛込支会長名の方にも、そのようなお話をいたしまして、おそらくそのような方向解決できるというふうに私どもは思っております。
  43. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 それで、現在、これはこの問題とは直接に関係がないのですけれども、この事実を知らしたある新聞社名誉棄損だということでこの個人某々氏から訴えられている。現在訴訟事項になっているという事実なんかも御存じですか。
  44. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 先日この問題について資料提出御要求がございまして、それからあと実は私もいろいろこの問題の経緯を聞いたのでございますが、そのときにそういう事実があることも承っております。
  45. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 これはむしろ、その国有財産の、不当なつまり使用ということで、国が相手どってしなければならないほどの性格のものだったが、ある団体がこの事実をつかんで、これは不当であるということを言ったのに対して、名誉棄損で訴えてきている。現に訴訟事項になっているような問題でありますけれども、いずれまた法廷で、あるいはまた他のしかるべき場所で、こういう事実が明るみに出てくるということについて、一体国はどういう責任をとるのですか。
  46. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 非常に遺憾なことだと思います。ただ、何ぶん戦後の、昭和二十一年ごろのことでございまして、その当時は同胞援護会というものがあって、そのいろいろの目的をなさる一つとして、当時非常に住宅がなかったので、東京都の中に住宅を供給するという御計画があって、これを貸したということも、当時の事情としては私はやむを得ない。それからまた、いろいろ資金難があったために、それを克服して住宅を獲得するというために東京都に転貸をしたというようなことも、いまにして見ればはなはだおかしなこととも思いますが、当時としてはやむを得ない事情もあったのではなかろうかと思います。  でございますが、いまになってみると、全くこういうことは国有財産管理として非常に不適当なことでございますので、先ほど申しましたように、これを正規な状態に戻す。その戻す方法としては、現在同胞援護会名義で使っております土地は、住宅組合その他適当な組合をつくっていただいてそれにお貸しをする。東京都がそれから転貸受けておる部分については、東京都に直接この土地を貸すということにすれば、国有財産管理としてすっきりした形になると思いまして、その方向に向かっていま努力をしておるわけでございます。
  47. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 委員長事態がかなり明らかにされたから、私はこれで質問をやめますけれども中野四郎さんという人は一体どういう人ですか。
  48. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 自民党の代議士をしておられまして、私がかつて内閣審議室におりました時分にいろいろの問題でお話し合いをしたことがございます。
  49. 鈴木市藏

    鈴木市藏君 私はこれで質問は一時終わります。
  50. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 国有財産審議会といいますか、それが九条の三でいろいろなことをやるようになっておるのですが、中央審議会として、法文を読んでみると、管理処分に関する基本方針その他国有財産に関する重要事項を調査審議するというようなことが書いてございます。それから、あるいは国有財産中央審議会規則では、企画部会国有財産管理及び処分について調査審議すると、いろいろなことがきめてあるようでございますが、ここから出された些末方針というようなものはどんなものがあるのか、承りたい。
  51. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 国有財産管理処分基本方針といいますものを国有財産審議会に対して出したというようなことは、もちろんないわけでございます。国有財産の仕事を進めてまいりますについて、毎年管財局長名財務局長に対して、その年度において特に重点を置いて処理しなければならないというような基本方針については、毎年管財局長の通牒として出して財務局を指導をいたしております。
  52. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 いや、ぼくが聞きたいのは、国有財産審議会大蔵大臣に向かってこういうふうだよという基本方針なり、そういうものを建議することになっておるわけですから、それはどんなことがありますかと、こういうことを承りたい。
  53. 宮川国生

    説明員宮川国生君) 国有財産審議会には中央審議会地方審議会とございまして、地方審議会は、これは個々の問題について諮問をいたしまして、それについて調査して、それから審議すると、こういうことになっております。それから、中央審議会のほうは、これは国有財産管理及び処分に関する基本方針その他国有財産に関する重要事項を調査審議するということで、個々の問題ではなくて、むしろ国有財産あり方全般の問題について調査審議するのが中央審議会、それから特に非常に重要な財産については個別問題でもやります。これが中央審議会でございます。  従来、中央審議会がいままでやりましたのは、大体回数で二十回ほどやっておりますが、その中で、そういう基本方針に関することで大蔵大臣のほうから諮問して答申をいただいたおもなる事項を申し上げますと、たとえばいろいろ法律改正を、国有財産法改正を過去何回かやっております。こういう改正のときには必ずこの中央審議会諮問いたしまして、それでよろしゅうございますかと、こういうことでおはかりするわけでございます。今回出しております国有財産法改正につきましても、これも諮問をいたしまして答申を得ております。そのほか、たとえば普通財産の売り払いの評価基準というものを現在国でつくっておりますが、そういった評価基準を、そういった基本方針を、根本的な大体の全体の基本になるようなことは、評価基準なんかもこの中央審議会にかけております。それから、国有財産実態調査基本方針、こういったものもかけております。それから、その他官公庁、官庁庁舎等の集合、立体化に関する法律がありますが、そういった法律をつくるとき、この官庁庁舎使用の調整、こういった基本方針についてもこの審議会にかけて、それぞれ答申を得て、一応中央審議会を経て基本方針を定めておる、こういうことになっております。
  54. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 これはいまちょっと御答弁を承っていますと、大蔵省のほうから大体諮問するほうが多いのか。そうではなくて、こういうお方たちが独自でいろいろなことを、こうなければならぬのではないか、たとえばいまここに問題になっておるような管理処分の点でたいへん遺憾な点があり、特に行政訴訟などになっているような遺憾な問題がたくさんあると思うのですよ。そういうようなことは、こういうところでは一度も議論されたことはないわけですか。
  55. 宮川国生

    説明員宮川国生君) 従来、中央審議会及び地方解議会を通じまして、ほとんどすべてのものは大蔵大臣諮問に応じた答申でございまして、審議会自身のほうから建議なさったということは聞いたことはございません。そういったことをする権限と申しますか、権能はもちろん審議会にあるわけでございますが、いままではございません。
  56. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 それはわかったのだが、しかし、それじゃ大蔵省のほうで行政訴訟をやらなくちゃならなかったということは、非常に財産管理上手落ちがあり、よくなかったから、あなたのほうは異議があって小当だというので相手を告訴、告発をしておるわけです。行政訴訟を起こされた。そういうようなことをどうしたらいいか、今後どういうあり方をせなくちゃならぬかというようなことについては、一度も諮問されたことはないわけですか。
  57. 宮川国生

    説明員宮川国生君) そういった、たとえば訴訟になっておるような事件、そういったものについて今後どうしたらいいかというような諮問は、したことはございません。
  58. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 国有財産地方審議会のほうは、これはもうもっぱら個々の財歴の処分について、それがいいかどうかということをおはかりをしておるわけでございます。そのおはかりをする過程におきまして、各委員の方々から国有財産管理処分についてのいろいろの御意見というものは活発に出されまして、財務局でもこれを十分聞いてそれに従うようにつとめておるわけでございます。いま申し上げました制度的なものは、これは国有財産中央審議会のほうでやるというたてまえになっております。これもかつて、国有財産管理及び処分の適正化、効率化のための方策いかん、あるいは国有財産制度の合理化のための方策いかんというような、こうった制度の基本に関する諮問をいたしまして、これに対して御答申は得ておるわけでございます。ですから、中央審議会のほうではそういった制度の基本問題について、いろいろ、積極的な建議という形で御意見を承ったことはございませんが、諮問の御客中という形で承っておるのでございます。
  59. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 国有財産審議会というのは、もちろん中央帯議会のことを私はさしておるわけですが、ここで少なくとも大蔵省は、いままでそれじゃ行政訴訟を起こされておるものは何件ございますか、全部で。これは内訳で、いままで全部やったので、これだけ解決した、延べでこれだけになった、そのうち解決したのはこれだけだ、未解決はこれだけだというふうな意味のお答えを願えませんか。
  60. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 不法占拠をされておりますものに対して訴訟をどれだけしておるか、あるいは旧軍の未登記財産などについて訴訟をしておるのはどれだけあるかというような個別的な数学はございますが、全体でどれだけ訴訟をしておるか、またいままで訴訟でどれだけ解決したものがあるかというものにつきましては、ただいますぐ申し上げる数字がございませんので、あらためてまとめまして、資料として差し上げさしていただきます。
  61. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 二十一条で「貸付期間」というのがございますですね。で、たとえばいま例にとられた旧陸軍経理学校あとの問題ですが、これはもしこの二十一条でいうと、一、二、三号とあるわけですが、このどれに相当しますか。
  62. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 本件の貸し付けは一時使用ということになっておりまして、すべて一年ごとに更新をすることになっております。
  63. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 そうしますと、一年ごとに更新をしてもなお解決がつかずに、いま承っておると、ここは二十年近く何かごたごたしておみえになるように受け取ったわけですけれども、一般民間ならこんなことは捨てちゃおきませんよ。国なので、こうのんびりしたことができるわけですがね。そういう点についてはどういうふうに考えておるのか。これは個人で民間だったら、こんなことをのんびりしちゃおらぬですよ。
  64. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 本件だけでございませんで、貸し付けをいたしておりますものにつきましては、貸し付け料を値上げいたしましたときに、その貸し付け料は高過ぎるということで、契約ができないで未契約のままいろいろお話を進めておるというのが、これ以外にも相当たくさんございます。民間の場合でも、場合によっては、私はこういうこともあり得るかと思いますが、国の場合は、何ぶん、貸し付け料のお話し合いをしますときに、この貸し付け料は高いと言われましても、その折衝に当たる者が、それならこれをもう少しまけましょう、おっしゃるような線で契約をしましようという、話し合いの自由裁量が第一線の者にはございませんために、なかなか、腹でもってそれじゃすぐ契約しようということができません。そのために未契約になっておるものがほかにも相当あるわけでございます。これは管財局の仕事の中で解決あるいは改善をしなければならない重要な問題の一つというふうにも私ども考えておりますが、遺憾ながらそういうものは相当あるわけでございます。
  65. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 いま例に出たんですが、こういうような場合はあなたのところは直接やらずに、たとえば関東財務局なら関東財務局がいろいろとやるわけですか。
  66. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 財務局あるいは財務部でやるわけでございます。
  67. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 一時貸し付けなんですけれども、これをそれじゃ破棄して、全部返してくれ、こういう場合もあり得るわけですね。それから、そうじゃなくて、更新をするということになれば、それは返すということが私は前提になって更新をしてみえると思う。で、これを継続していくということなら、ただ単に地代の値上げ等の問題ですから、私はそうむずかしい問題ではないと思うんですよ。いま例に出ました旧陸軍の経理学校あとなんかは、これは返してくれという、そういう立場に立って話を進めておみえになると承っていいわけですか。
  68. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 現在住宅が建っておりまして、そこに住まっておられる方がたくさんあります。したがいまして、これを直ちに国に返してくれということは考えておりません。ただ、その住宅管理しております団体との契約が正規に行なわれるように、また、転貸しておられます点については、そういった転貸という事態を解消して、東京都との間で直接契約を結ぶというような、すっきりしたしかたでやりたいというふうには考えておりますが、この土地全体を返してもらって、国でまたほかの用途に使うというようなことは、さしあたりは考えておりません。
  69. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 一時使用というのと、そうじゃなくてこの二十一条で定めておるものとは、片一方には期限が切ってございますね、六十年とか三十年とか十年とか。一時使用の場合には一年ごとに更新するということなら、返却ということを前提とし、そうして相手方もそれを是認しておやりになったことだと思うんですね。しかも、その一時使用の場合には、住宅を建てるとかそういうようなことまで無条件で、一年契約をするような場合に、借りた土地には何をやってもいいんだ、たとえばコンクリートのビルをつくってもそれは差しつかえないんだということになっておるのか、その辺は条件はないんですか。
  70. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 本件の一時使用は、一時使用とは申しますけれども、本来は正規の契約をしたい、場合によってはむしろ買っていただきたいというような案件でございます。ただ、終戦直後におきましては、一方において非常に膨大な財産が国に流れ込んできた、一方においてはそういったものを処分する、あるいは進駐軍のためのいろいろな仕事をするということで、非常に手がございませんでしたために、正規の契約をするといういとまがないために、一応一時使用という形で使っていただく。ですが、それはあくまで過渡的なもので、本来正規の契約にしていただく、できれば早く買っていただくということが前提でございます。
  71. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 私、法文関係よく調べておりませんがね、一時使用の場合には条件がつくことになっておりますか。そうじゃなくて、それじゃ、無条件でやるということですか。あるいは規則、そういうようなものは何にもないのですか。
  72. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 本件についての一時使用につきましては、先ほども申しましたように、正規の手続を踏む事務的な余裕がなかったためにそういうことをしたということでございますが、一般的な一時使用——本来、本当の一時使用というものもあるわけでございます。こういうものにつきましては、一時使用の必要がなくなった場合にはすぐ返してもらう、あるいは国が特に積極的な必要がある場合には返してもらうというような条件をつけて契約をしております。
  73. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 私は、法律かあるいは規則にそういうことがきめてありますかと言っておるわけです。
  74. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 国有財産法上そういうことは別に規定をしてございません。ただ、国有財産管理処分するという管財行政のたてまえ上、そういった一時使用をするときにそういう条件をつけているということでございます。
  75. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 そういったことは何もきまらずに、そのときどきの行政の衝に当たられる人の判断によってどうこうということになるわけですか。一時使用はこうしなければなりませんよ、こういう条件をつけなければなりませんよというようなことは、どこかに規則か何かあっていいような気がするのですが。
  76. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 一時使用の場合にも、第一線の者がかってにいろいろな契約を結ぶということではございませんで、契約を結ぶ際の標準的な、契約において規定しなければならない標準的な事項については、もちろん管財局から通達で流して財務局を指導しているわけでございます。  それから、普通財産の一時使用というようなことは、先ほど申しましたように、終戦直後の過渡期においてやむを得ずとった方法でございまして、最近の管財の仕事では、行政財産の一時使用ということはあるわけでございますけれども普通財産の一時使用というようなことは、よほど特別のことでもありますれば特別ですが、一般的にはそういう契約のしかたはしておりません。
  77. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 そうすると、普通財産の一時使用ということはいまはないのだ、まあない、したがってそういうことは規則、法律等によらなくて、局長通達で大体いままでもやってこれたし、今後もそういうことには支障がないのだ、こういうふうに了解してよろしゅうございますか。
  78. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) そのとおりでございます。一般的に管財の処分の面につきましては、たとえば処分相手方、条件等につきまして法律ではっきり規定してあるものがございますが、管理の面につきましては、これは管財局長の通達で財務局、財務部を指導しているという面が非常に多いのでございます。
  79. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 私はこういうことが知りたいのですが、それは資料として出していただくか、あるいは説明していただいてもいいんですけれども普通財産を民間に払い下げるときに、これは各地方にあります国有財産何々審議会というのがあって、ここで審議をされて財務局長諮問にこたえてやられるというふうに地方の審議会ができておるようですが、実際の審議の状態というものが、これは公開のものであり、記録等をとっておみえになるわけだと思うのでございますが、実際審議されておる実情というものを知りたいのですけれども。ですから、この国有財産普通財産を民間に払い下げるときにこんなことで審議をしてこれを払い下げることに決定したというような、どこかに例がございませんでしょうか。あるいは普通やっておられる実情を知っておみえになりましたら、知らしていただきたい。  私はなぜそういうことが知りたいかということは、払い下げられたものが、Aの受けたものをBに転売してしまったり、それからその値段が、払い下げられたものが、二倍とは言いませんけれども、それに近いような値段で他に転売されて、払い下げを受けた人が非常に、不当利潤といってはおかしいのですけれども、そういうものを得たというような例もあるわけなんですね。ですから、ほんとうに責任を負って審議しておるのかどうかという点に、私は若干疑義がある。まあ形式的な審議をしておみえになるのか、実質的な審議をしておみえになるのかということに非常に疑問がある。ですから、どうも形式的であまり役に立っていないような気がして、こういうものは各地方の審議会がやっておみえになるということを答弁されても、何か言いわけの個所になっておるような気もするわけですから、で、そういう点を承りたいと思います。
  80. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 地方審議会は、開催いたしますつど議事録というものをつくっております。この議事録は会長の御承認を得た場合は公開するということになっておるわけでございまして、本件に関しましては、あらためて成瀬委員のところに個別的にいろいろ御説明をさせていただくということにさしていただいては、いかがかと思います。  それからまた、審議会がきわめておざなりなものではないかという御質問でございますが、諮問をいたします以上は、財務局といたしましてもいろいろの点を考えまして、これが妥当であるという案件を御諮問いたしますので、大体はそれでいいという御答申をいただくのがこれは普通だと思いますが、中には、いろいろまだ説明の足りない点がある、こういう点はどうかということで留保になって、その次の会、あるいはその次の会で再び御審議をいただくという例もまたたくさんあるわけでございます。
  81. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 私も、こういうのはどうだと言ったほうが、あなたのほうもお答えしやすいし、またそうかとも思いますので、まあ議事録の公開は、いまおっしゃるように、その地方の会長等の了解がなければできないというのならば、公式的にその記録をつけている、そういうことについて私も控えたほうが妥当であるかもしれませんけれども、それは了承することにいたします。  それで、しかし、私は、あなたのほうがおざなりではなくて実質的に審議をしておるかどうかという点はつかんでおみえにならなくちゃならぬと思うんですがね、そういう点については自信をもって、いいぐあいにやっておる、ほんとうに国のもの、国民のものを預かって責任をもってこういうものは処分しているんだということについて、自信をもってお答えができる段階ですか。それとも、どうも少しおざなりなところがあるんじゃないかというふうにあなたのほうで判断しておみえになっておるか。これは非常に抽象的な大ざっぱな、そんなことはないよと言われるのがあなたのほうとしてはあたりまえかもしれませんけれども、この辺はどうでしょう。
  82. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 地方審議会答申をいただきました事案は、これは財務局長限りで処分をいたしません。答申をいただいたあとで、大蔵省のほうに書類が回ってまいりまして、大蔵省のほうであらためてこの書類をよく見まして、きめておるわけで、したがいまして、審議会——十分まず第一段階で財務局でいろいろ検討して、そうして審議会でもまあいいというような御答申を得ました事案を、本省の立場でも十分審議しておりますので、私は大体どこへ出しても間違いないという処分のいたし方をしておると思います。  ただ、非常に例外的に、後日になって非常に遺憾だと思われる事案もございます。この点につきましては、やはり現地の財務局処分相手方の把握というもの、あるいは案を起こした当時においてはだいじょうぶだと思っておっても、何ぶん経済界のことでございますので、売り払う時分になると、それが非常に変わっておったというような点について、把握のしかたが少ないというような事案もございます。でございますが、大体におきましては、まずまず間違いのない処分のいたし方をしておるというふうに思っております。
  83. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 国有財産を民間に払い下げる場合、これは原則として公開ですか、随契ですか。
  84. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 原則と申しますか、国有財産法上と申しますか、とにかく会計法上一般競争入札、随意契約ということでやれることになっておりますので、どちらが原則というような考え方は、たとえば競争入札というものが予決令の原則だからそれによってやるべしというような指導のいたし方はいたしておりません。むしろ、最近の土地事情から申しますと、最も必要とされる向きに、また最も役に立つ方面に使われるように土地が利用されるということが第一でございますので、あるいは産業の保護でございますとか、あるいは公共団体が利用しますとかというふうに、随意契約、あるいはもっと減額だとか譲与だとかということで処分しておりますもののウエートのほうが、最近においては高くなっております。
  85. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 最近、たとえば億でいいと思いますけれども、億円、一億以上くらいでいいと思いますが、民間に払い下げられたのを、随契で払い下げられている件数と、それぞれ公開競争入札で払い下げられている件数がありはしないかと思うのですが、ここ二、三年の資料でけっこうですが、御答弁を承っておって、どうもどっちつかずのようですが、どちらが普通多いのか、これはひとつ資料としてお出し願いたいと思うのですが、これは出ましょうか。
  86. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 後日、資料として提出いたします。
  87. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 これは管財局長の所管ではないといえばそれまでなんですけれども、物価の値上がりに対して土地の問題が一番大きいことになるわけですね。土地の値上がりというのは、物価対策上からもよく考えてやらなければならぬ。しかも、土地というものは商品ではないようなことになって、国有財産というようなものが、何といいますか、うまく活用されるということが非常に大切な実は問題だと思うわけです。たとえば、それが道路だとかあるいは緑地帯等にやられるというようなことは、われわれ非常にそういう点は優先的であってしかるべきだと思っておるわけです。しかも、都市に対して道路というものは何%くらいが大体いいだろうというようなことも、都市計画しからは大体標準というようなものが割り出されておるのです。たとえば東京都は何%くらい、あるいは、いやそうじゃなくて、世界の大きな都市は、たとえばワシントンは四〇%とか、名古屋は二八%だとか、東京都はそれに比して一八、九%しかないのだから道路が非常が非常に狭い、あるいは緑地帯が非常に狭いということが片一方でいわれておるときに、たとえば公園、せっかくある公園を切り売りして、そこにホテルをつくったというようなことは、これは法律上違反でなかったり違法でないかもしれませんけれども、もう少し大きな立場から見たら、たいへんな損害を将来に残したことになると思うのですが、こういうようなことについてはどういうような立場で指導してみえるのか、あるいは通達等を出しておみえになるのか。
  88. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 公園の中にホテルが建つというようなことは、私ども非常に遺憾なことだと思っております。  それが、普通財産管理処分ということにつきましては、まず第一に、公共目的を第一に実現するような方向にこれを活用するようにということを、毎年繰り返して財務局に言っておるわけでございます。  で、現実の問題といたしましては、たとえば地方公共団体から学校にする、あるいは緑地にするというようなお申し出があれば、これは国有財産法上あるいは無償で譲与する、あるいは無償で貸し付けることができるわけでございます。こういう問題は、まず何よりも優先的にそういった措置をとるというふうに考えております。それから、新産業都市の建設、あるいは都市の再開発というようないろいろの計画があるわけでございます。国有財産処分についても、極力そういった基本のラインに沿って処分できるようにつとめております。  ただ、土地と申しますものは、そういった大きな観点から処理いたしますものと、それからまあたとえば個人住宅、あるいは中小企業、工場というような向きからの需要もあるわけでございます。そういう面についても、これは極力国有地で利用できる限りはそういった面にも利用していただくことが必要だと思いますけれども、そういうものを処分いたします際にも、たとえば住宅地のまんまん中にある土地を中小企業の工場にしてくれと言われても、それはお断わりするというふうなことで、一般的な都市の編成という観点に沿い、また産業の再配偶というような点にも沿った普通財産処分ということに心がけておる次第でございます。
  89. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 あなたのほうが都市に、地方自治体に、これは緑地帯だということで無償で貸し付けたり、あるいは無償で払い下げしたら、それを地方自治体が民間に又貸ししたり、あるいは転売をしたというような例は相当あるわけですか。
  90. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 最近におきましてはそういう事例はございません。ただ、公園の中でもたとえば売店のようなものがございますが、部市公園法で定められましたような施設については、これはまあ貸し付けてもいいということになっております。その目的を逸脱したような面にこれを利用させるとか、あるいは公園として使っておるものをまたほかに又貸しするというようなことは最近はございません。
  91. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 これを何か規制するものはございますか。何もないですか。
  92. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 公園は無償で貸し付けをいたしております。譲与しているのでございませんので、そういった目的に違反するような使い方をすれば、これはもう契約を解除して返してもらうというような措置がとれるわけでございます。法律的にはそういった最後の手段があるということになっております。
  93. 成瀬幡治

    成瀬幡治君 私は、少し資料が出てから、次に質問をしたいと思います。
  94. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 一つだけ伺いたいのですが、この公園または広場である公共用財産の減少と皇室用財産の増加に関する国会の議決を要しない金額の限度、これをまあ変更したわけですね。これを三百万円を三千万円に引き上げて、三千万円を三億に引き上げた、この根拠はどういうところにあるのですか。
  95. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) 当初は、現行法の三百万円というような除外の規定もなかったわけでございます。もうどんな小さなものでも、国会の議決をしなければ——まあちょっとしたうまやをつくるという場合でも必要だということだったのでございますが、それではあまりに煩瑣でもあるし、その必要もないであろうということで、三百万円という限度ができたわけでございますけれども、これがちょうどできましたのは昭和二十八年のことでございます。それ以来十年余りたったわけでございまして、三百万という限度をつけました当時の事情がそのままであるとするならば、現在においては土地その他の値上がりが平均いたしますと十一倍程度になっております。まあ十倍といたしまして、三千万程度のものは国会の御審議からはずしていただいてもいいのではないかという趣旨でございます。
  96. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 一件について三千万円、それから一年間を通じて三億ですか、ということですね。そうですね。
  97. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) そのとおりでございます。
  98. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 その場合、最初三百万円のときにもそういう議論があったかどうか存じませんが、昭和二十八年ですか、この金額がそれが適当であるかどうかはやはり問題であると思うのですね、国会の議決を要しないということになると。これは国有財産だけではなく、地方財務会計制度ができまして、地方自治体においてもこの問題がやはりあるわけですね。地方議会で議決を要しない財産の取得等について、非常に限度を上げた、引き上げたのですよ。そうしますと、全部議決を要しなければならぬということは、非常に繁雑であって、昭和二十八年に三百万円という限度、そういうある一定の限度を設けたということについては、これは私もその趣旨は理解できるわけです。当時三百万円が適当であったかどうかについて国会で論議があったかどうか知りませんが、たとえば公園とか広場ですね、その減少、公共用財産の減少が三億円という場合、一年間にその価額が三億円という場合ですね、これは国会の議決を要しないということになると、どうも私は金額が少し高過ぎるように思うのですよ。この点ですね。  ですから、昭和二十八年から最近までの物価の値上がりですか、そういうものを勘案して計算したと言われるのですが、そうしますと、約十倍ですね。昭和二十八年から最近まで十倍になっているでしょうか。それはなっていないと思うのです。もちろん、一番物価の上がったのは、終戦後から昭和二十三年ごろまでですね。ものすごいインフレのときですね。ですから、それ以前のことだったらわかります。それ以前のことだったら、まだ足りないと思いますよ、この限度の引き上げが。昭和二十八年から最近まで十倍というのは少し大き過ぎるように思いますし、ですから、物価の値上がり以外に、やはり十倍に引き上げる根拠というものがあるのかどうか。公園とかそういう広場を一年間三億という場合、それはそんなに狭いところでもないと思うのです。そういうものが国会の議決もなく今度はほかに転用されるというような場合ですね、そういうような場合、それはちょっと問題ではないかと思うのですよ。ですから、十分納得のできる根拠があるならば、われわれも納得でますが、ただ機械的に、物価の値上がりを考えて十倍にしたというだけでは、どうも納得できませんし、また、あとで実害が生じてくる危険も予想されるのですがね。皇室用財産についても三億ですね。三億は全然国会の議決を得ない、必要はないということになると、これはやはり問題じゃないかと思うのです。ですから、もう少し論拠を明らかにしてもらいたいのです。
  99. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) まず、十倍にした根拠でございますが、これはいわば非常に形式的な考えかもしれませんが、二十八年の二月と三十八年九月の土地価格指数を比べますと、一一・三八倍になっております。なお、私どもは十倍に上げましたという根拠はもっぱらこれでございます。  それから、まあ公園その他が三億ものものが減少するということが全然国会の御審議を得ないで行なわれるということは、これは非常に心配であるというお話もわかりますが、ただ、これは一件が三億でございません。すべてのものを合わして三億、年間のものを合わして三億ということでございますので、たとえば都市公園——東京都内にある公園などのことを考えてみますと、日比谷公園あたりの坪数が幾ら、時価がどのくらいになりますか、まあ百万円ぐらい。百万円といたしますと、まあそれから出してくる坪数というものは非常に少ない坪数になるのではないかと思います。のみならず、最近におきましては、こういった公共用財産の減少というようなことは、まずないのでございます。  それから、皇室用財産につきましては、これは一方において、予算の際にこの予算の面で審議される面がたくさんございまして、ここはただ交換とか寄付とかいうものだけのことでございますので、立法の当時におきましては、皇室用財産について念には念を入れた制限というものを加える必要があったろうと思いますが、その後毎年ここで皇室用財産の取得の御議決をいただいておりますが、その内容から見ても、そう立法当時のように気を配って特別の議決をする必要もないのではないか。またそういった御意見も、この本院の中でもあったことはございません。まあそのようなことで今回御提案をしている次第でございます。
  100. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 皇室用財産については、寄付もしくは交換により取得した場合だけなんですか。それ以外については国会の承認は要らないということは、一ぺん予算で国会の承認を得ているから要らないのであって、寄付もしくは交換により取得する場合は、これはまあ国会で承認を得ていないから、承認が必要だ。しかし、その場合三億円までは承認は要らないというわけですか。
  101. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) いまお話しのとおりです。
  102. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 すると、三億円以下なら承認要らぬということですね。これもあれですか、公園と広場の場合、一件について三千万円、年間を通じて三億円、これも同じことなんですね。
  103. 江守堅太郎

    政府委員江守堅太郎君) そうでございます。
  104. 木村禧八郎

    木村禧八郎君 すると、要するに三億円までは、全然国会の、寄付または交換による取得の場合は年間を通じて三億円以下は、要するに承認を要らぬということになるわけですね。それでいいかどうかですね。そこが問題ですよ。これはいいか悪いかは、これは議論になりますから、とにかく事実をまあ明らかにしたいと思って質問したのです。事実がはっきりしましたので……。
  105. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 本案に対する質疑は、本日のところこの程度にとどめておきます。  本日は、これにて散会いたします。    午前十一時五十分散会