○阿
具根登君 そうすると、来年度に三十四億円の賠償負担額があるということですね。これが自己資金でまかない切れないので、二十四億が自己資金でまかなえるから、
あと十億足らない、こういうことですね。しかも、この足らないうちの半分の五億は財政投融資でまかなってやる、みてやる。さらに、積み立て金は五億だけれども、一億は返さなければいかぬので、その一億を今度は政府出資で貸してやる。そうすると、積み立て金というのは、まあトン当たり幾らになっておりますか教えてもらいますが、これは
鉱害賠償のための積み立て金でしょう、この五億というやつは。
鉱害賠償に対する積み立て金としてトン当たり幾らということをきめられて、それを
業者に積み立てさしておるものだと思うんですね。そうすると、この法律そのものの
考え方が、三十四億もの
鉱害賠償の負担額があると、そのうちの二十四億は何かの形でいろいろまあくめんして自己資金でつくりますと、こういうことなんですね。足らない場合は積み立て金からこれを支払うということになっておるとすれば、積み立て金の額があまり少ないのじゃないか。これは今日
炭鉱が置かれておる状態は私ども一番よく知っておりますが、まあ政府に対して金出せ金出せということをぼくら言っておりますが、
炭鉱の経営者ぐらいあたたかい政府の支持を受けておるものはないと思うんです。
鉱害が起これば
鉱害で、こういうふうに財政投融資のほかに、積み立て金のほかにまた金を出してやる、もうかったときは一体どうであったか。ところが、実際問題としては、
鉱害を受けた被害者というものはみじめなものです。それで、そのみじめな被害者を少しでも助けたいということで、まあこういう政策をちびちびと出してカバーしておりますが、今後合理化も進んでいきましょうし、私の考えでは、現在いい
炭鉱では能率が五十トンからこして、平均でも三十六トンから三十七トンにきている。人は十二万名を切ってきた、私はこういう状態が正常な状態でないと見ております。合理化が進んで、機械化をそれだけやって、人間の労働強化もやらずに、そして五十トンなり三十八トンなりの能率があがっておるのならけっこうだと思うんです。しかし、そうでなくて、合理化に押しまくられて、政府のエネルギー政策の悪いところから、油に押しまくられて、そして生きるためにやむを得ずこういう高能率の政策をとっておると思うんです。そうすると、
先ほど問題になっておりましたが、
災害も起こってくるが、私は、
鉱害はもっともっとふえてくると思うんです。ということは、ここまで追い込められておるから、おそらく
鉱害の起こらないような万全の
処置をつくっていくということはできずに、
鉱害の起こったときは起こった
あとのことだということで、私は能率をぐんぐんあげておると思うんです。そこまで
業者も追い込まれておると思うんです。労働者もそこまで追い込まれておる。そういうことから考えるならば、積み立て金も五億なんということでなくて、来年だけでも三十四億要るんでしょう。その
あともっと要るということは、これはもう考えなきゃならない。それなら
鉱害賠償の積み立て金をもう少し考えるべきじゃないか、こういうふうに考えるんですが、将来の見通しですね、来年は三十四億とおっしゃる、私は、これを上回っても、下回りはしないと思う。そうすると、次の年はもっと多くなる。いまの能率の
あとの問題というものは、
保安問題から
鉱害賠償
——私は今日の状態でないと思うんです。だから、そういう点についてどういうお考えを持っておられるのか。去年は去年だけのことを考えて三億の金を出してやったんだ、ことしはことしだけのことを考えて一億追加してくれ、来年
鉱害が起こったらまた頼みますよと、こういう考えなのかどうか、それをお尋ねしておきたいと思います。