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1964-06-23 第46回国会 参議院 商工委員会 第37号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年六月二十三日(火曜日)    午前十一時十八分開会     —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     前田 久吉君    理事            赤間 文三君            上原 正吉君            近藤 信一君    委員            大谷藤之助君            岸田 幸雄君            剱木 亨弘君            豊田 雅孝君            吉武 恵市君            大矢  正君            藤田  進君            鈴木 一弘君            向井 長年君   国務大臣    通商産業大臣  福田  一君   政府委員    通商産業政務次    官       竹下  登君    通商産業大臣官    房長      川出 千速君    通商産業省公益    事業局長    宮本  惇君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞壽君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○連合審査会に関する件 ○電気事業法案内閣提出衆議院送  付) ○産業貿易及び経済計画等に関する調  査  (総合エネルギー政策に関する決議  案に関する件)     —————————————
  2. 前田久吉

    委員長前田久吉君) ただいまから商工委員会開会いたします。  まず、委員長及び理事打ち合わせ会協議事項について御報告いたします。  本日は、工業整備特別地域整備促進法案について、地方行政委員会に対し、連合審査会開会を申し入れることの決議を行なった後、電気事業法案について質疑を行なうことになりましたから、御承知を願います。     —————————————
  3. 前田久吉

    委員長前田久吉君) まず、連合審査会に関する件についておはかりいたします。  工業整備特別地域整備促進法案について、地方行政委員会に対し、連合審査会開会を申し入れることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、連合審査会に関しては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     —————————————
  6. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 次に、電気事業法案を議題といたします。  前回に引き続き質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  7. 鈴木一弘

    鈴木一弘君 新潟地震災害に行っておりましたものですから、様子がよくわかりませんので、多少重複することが出るかと思いますが、最初大臣にお伺いしたいのですが、火災現場にまいりまして、東北電力新潟火力発電所も行ってまいりました。あそこの建物を見ますというと、十三メートルの下まで掘った岩盤まで達している基礎を持っておりまして、レベル等もほとんど影響がない。ただ、送排水溝がこわれたということで、多少現状のところで直ちに再開ということは困難であるという状態だったわけです。ところが、周辺のところを見てみますと、新潟火力が持っている重油タンクもすでに溶接部分がはがれてかなり重油が噴出しており、遠くから見ると黒焦げになったような印象さえ受けるわけであります。すぐそばに昭和石油タンクが燃えている。所長の話によれば、もし、もうちょっとこちらへくれば、こちらのタンクのほうへいくんではないか、こういう心配を非常にされておるわけです。そこで、あそこで考えられましたことは、建物自体についてあれだけの基礎かなりの金をかけてやったわけでありますが、タンクについてももう少しの配慮をはらってもらったらよかったんじゃないか、こういう印象を強く受けたわけです。その点について政府のほうからも、石油タンクについてはかなり強力に規制をしていきたいという考えがあるようでありますが、それを伺わしていただきたいことと、いま一つは、これから先、原子力発電ということも起こってまいりますし、今回の災害よりもさらにこわい災害ということになりかねないわけであります。あのような事件があれば。その点についての規制というものをどういうような方向に持っていこうとなさっているか、この二つの点について最初に伺いたいと思います。
  8. 福田一

    国務大臣福田一君) 新潟火力の問題につきましてはお説のとおりでございまして、実はタンクのほうがいささか損傷を受けたのと、送水管が損壊をした。そこで昭石側重油供給しておりますので、この重油供給ができませんので、今度はそこでこれは船で持ってきてやるようなことにしております。それからできるだけ早く送水管を直すというふうにしたいと思っておりますが、お話のようにこういう重化学工業関係のあります。特に石油関係コンビナートあるいはまた火力発電所タンク、その他ガスタンクにしてもそうでありますが、こういうものを築造する場合においては、今後は一そう規制していかなければならないと考えておりまして、今度の昭石の事故につきましても、事態を明らかにするために今明日中に現地へ技術調査団を出して、その結果を明らかにし、その結果を待って対策等考えようと思っておるのでありますが、同時にまた、いままですでに敷設されておる工場がたくさんある、それがはたして災害が起きたときに十分やれるかどうかという問題が、対策が立ち得るかとしうことがありますので、これに対しても調査をして、各工場ごとにしかるべき保安対策措置するように行政指導をいたしたい、かように考えまして、いませっかくその調査を行なわせておる段階でございます。
  9. 前田久吉

    委員長前田久吉君) ちょっと速記とめて下さい。   〔速記中止
  10. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 速記始めて下さい。
  11. 鈴木一弘

    鈴木一弘君 大臣が、中途で答弁が終わってしまったわけでありますが、原子力発電のほうはとうとう答弁がもらえなかったわけです。政務次官に伺っておきたいんですが、簡単な問題から始めたいと思いますが、電気料金の問題ですが、今度の法案によると、供給規程認可基準そのほかを法定しております。そして細目のことは政令にゆだねられておりますが、その基準について、料金については「能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたもの」と、こういうようにはっきりとしるされているわけです。そうなりますと、適正な原価ということ、あるいは適正な利潤ということが大きな問題になってくるわけですが、その適正な原価とか適正な利潤というものが現在のように、だんだん石油専焼になるとかあるいは石油ガス混焼になるというふうになってまいりますと、将来はというか、値下げというような方向ということは考えられるかどうか。より低廉なより豊富な電力供給するということは、一に電気事業法案にとっても大きな目的であろうと思うわけでありますが、料金の問題についてそういうような方向に向かうかどうか、その見通しについてまずひとつ伺いたいのですがね。
  12. 竹下登

    政府委員竹下登君) ただいま大臣がまいりましたが、いまの点だけそれではお答えいたします。  電気料金の問題は、先生指摘のとおりのことでありまして、ただ値下げの問題は可能性としては私もあり得るというふうに考えております。ただし、いわゆる重油の値下がりだけによって直ちにこれが考えられるということは断定できないと思います。その他送電配電費等々もろもろの要素がございますので、それだけでは直ちにそれが結論的な要素にはならないというふうに考えておるわけであります。
  13. 鈴木一弘

    鈴木一弘君 料金の問題は、適正な原価ということにまた適正な利潤ということでかなり変わってまいりますから、その点重々いまのような理由もわかりますけれども値下げ方向はあり得るということで了解しておきます。  先ほど大臣答弁の中に原子力の問題についてはなかったわけでありますが、今度の新潟のあれをみますというと、火力発電でも所長の言明によれば、隣に昭石タンクができるときにも、距離等については全然どこにガソリンタンクを設けるという相談もなかった。ほんとうに実際煙をかぶっていつ燃え移るかという心配のときを考えると、あのときもっと相談してほしかったということを切実な声として現場では訴えているわけであります。その点が一つと、それでもう少し緑地帯というものを大きく広げる必要があるのじゃないか。  いま一つはあそこで消防の通路を見てみますと、東北火力に入ってくる通路が一本しかない。それも昭和石油に入っていくのと同じ通路であります。あとはみんな水の中に埋まっております。水の中に入って管も通せない状況であります。ですから、これに対しても電気ということになれば、何といいましてもすべての市民に対しての不安を電灯がつかないということだけで巻き起こすわけでありますから、そういうもの、そのほかのことを考えると、一方通行でなくて三本も四本もいわゆるその工場の中に、発電所の中に入って行けるような、水にもつからないような程度のものの高さということを考えておく必要があるのじゃないか。特に臨海地帯においてそうでありますが、その点についてのお考えを伺っておきたいと思うのであります。
  14. 福田一

    国務大臣福田一君) まず原子力発電所の問題でありますが、さしあたりいま具体化しておりますのは、福井県敦賀に厚子力発電所の第一号炉をつくろう、それから関西電力がその反対側にまた一基つくろうという計画であります。これは災害の問題を非常に考慮しておりますから、付近に人家等はほとんどございません。またそういう場合も十分考慮しながら施設もいたしてまいりたい、かように考えておりますが、今後原子力発電所はこれのみにとどまらず将来もふえるわけでありますから、そういう場合には御指摘のような点を十分注意をいたしまして、その施設造築するようにいたしたいと思います。  なお、ただいま御指摘のございましたいわゆる火力発電所の既設のものがあって、その隣りにたとえば石油コンビナートをつくるとか、あるいは石油精製工場をつくる、あるいは石油精製工場がある隣に火力発電所をつくるとか、こういうような場合等々において、相互関連性考えながら建築物造築をしていく、災害時のことを考えながらやるということは、これはもう当然今後はやりたいと考えておるところであります。同時にまた道路その他につきましても、単に一本だけでいいか、あるいはまた数本用意しておく必要があるかというようなことも、その地形あるいは地勢といいますか、そういうことを考え、あるいは災害の起こり得る、予測される災害を考慮してできるだけの配慮を払ってまいりたいと考えております。
  15. 鈴木一弘

    鈴木一弘君 その程度でそれはとどめておきたいと思いますが、大臣に次に伺いたいのは、電力再々編成の問題です。昭和三十二年に東北電力と北陸電力値上げをするときに、河野経企庁長官電力再々編成ということをおっしゃられたわけです。これが広域運営ということで切り抜けてきたわけですが、三十六年また東北電力値上げによって、同じような電力再々編成というような問題が言われてきたわけでありますけれども、同じようにすべて電源開発まで調整するということで切り抜けてきたようなかっこうであります。今後電力再々編成していこう、そうして企業体制というものをそれに適応したものに考えていこうというような考え方が出てくると思うのでありますけれども政府として、あるいは通産省としては電力再々編成という大きな問題、基本問題でありますけれども電気事業の基本問題についてはどういうふうなお考えか、この点を伺っておきたい。
  16. 福田一

    国務大臣福田一君) お答えをいたします。御案内のようにこれは九電力電源開発と十のいわゆる会社電力運営をされておるということに相なっておるのでありますが、電気というのは御承知のように二つの特質があります。それは発電をした場合に貯蔵することができないということと、発電をすると同時に、遠隔の地にこのエネルギーを送達することができるということ、二つであります。この特徴を考えながら電力問題というものは処理をいたさなければならないのでございますが、現在のところ十の電力会社がございまして、そうして発電並びに配電等をやっております。いわゆる再編成がございましてから今日まで相当の発電垣を確保して、いわゆる需用には応ずることができまして、まあ順次合理化も進んでまいりまして、比較的人数をふやさないで仕事をやっていくというような合理化をなかなか電力会社がつとめてやってくれておると思います。いわゆる自分の会社だからひとつ何とかせねばいけないという企業努力というものがかなり私は一面において行なわれたと思うのでありまして、九分割をいたしましたときの趣旨が、いわゆる企業努力をもととして、そうして消費者に対するサービス、その他あらゆる面における合理化、並びに企業を勘でやる場合の結果というものを補うようにという趣旨がある程度私は実現しておると思います。しかし、一方において電力の特性でありますところのいわゆる貯蔵ができない、送電ができるという場合において、全国的規模において発電をさせ、あるいはまた全国的規模において発電所建設考えていく、相互にむだがないようにする、いわゆるむだを排除する、こういう意味において、私はいわゆる九分割をするというときに反対しておったのはそういう意味でございますから、それがはたして十分に行なわれておるかどうかということに、私は問題があろうかと思うのであります。これは分割した場合の利益と、統合した場合の利益と、両方を勘案して考えてまいるわけでありますが、少なくともそういう面に配慮をしなければいけないと考えまして、今度の電気事業法におきましては、いわゆる広域運営ということでブロックごとにひとつよく電力の融通あるいは発電所建設等考えてやる、将来はこれを全国的に運営をする、あるいはまた発電所をつくるというような方向に持っていく広域運営、この趣旨を徹底してまいる法案をつくりますと同時に、消費者に対しましても、もっとサービスをよくするように努力をしてまいる・あるいは電気をつけてくれという場合にたいへんな手間が、たくさん手数がかかるとか、あるいはいろいろ不便な面もある、あるいは法案の面において欠けるところがある、こういう点を全部直すように今度の法案でわれわれは心がけておるのであります。将来私たちとしては、この広域運営によって実効が、いわゆるわれわれが意図するところが実現されて、有効適切に電力を使い得るような方向になると思っておりますが、しかし、これでもなおこの法律を施行いたしましても、それがうまくいかないという場合においては、そのときにいかなる措置をとったらいいかということを考慮をいたしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
  17. 鈴木一弘

    鈴木一弘君 時間が十分ありませんので、あと一、二問にとどめたいと思いますが、その次に、今度の法案の三十条で周波数なり電圧というものについて規制といいますか、一定に維持するということがきめられてきて、サービスという面のかなりの確保が出てきているわけでありますけれども、これがもしできない場合においては、これは罰金をとられるということになっているわけです。ですが、実際に非常に電圧変動というものが激しいピーク時の問題であるとか、あるいはそういうような周波数なり電圧が変動することを通産省としてはこれを実態としてつかんでいかなければならない。そうしなければ三十条に書いてあることを実行することは不可能ではないか、現実こしてはそういうことを実際につかむということは非常に困難ではないか、このように考えられるわけでありますが、そうなると、そういうようなこの二十条あるいはそれに伴う罰則なんというものは空文になるのではないかという心配がある。ただのこれは精神規定みたいなように考えているのか、それともこれに対して本腰を電力会社に入れさせるなら入れさせるようにする。あるいは監督官庁である通産省が本格的に取り組むならば、どういう体制をもってこれに臨まれようとしているのか、そういう点についてどういうふうに考えていらっしゃるか、お伺いしておきたいと思います。
  18. 福田一

    国務大臣福田一君) いわゆる良質の電気消費者供給するということは電力会社の義務でございます。その場合に電圧等の問題におきましては、電圧の計器をある程度据えつけさせるというような方途によりまして、何かやっているのかやっていないのかわからない、あるいは条文をつくったけれども、さっぱりだめだ、こういうことにならないように措置をいたしてまいりたい、かように考えておるわけであります。
  19. 鈴木一弘

    鈴木一弘君 中小需用家に対して特にそういうような電圧が下がったり何かするということになりますと、末端ですから、それだけに混乱を招くわけであります。これについては鋭意努力をして法案のとおりに施行されるように望みます。  いま一つですが、特に新しく引っぱる場合に、受電設備の新設をやらなければならない。それで工事費負担額というものは中小需用家が持つわけでありますが、これについてかなり紛争というものが多いわけです。いままでもあるわけであります。それを今度の法律では第二十七条でその適用をみているわけでありますが、こういう紛争について調停機関というようなものを設けていこうというような考えはございませんか。できるだけそういうように機関をつくってあげて、中小需用家というものを守ってやっていただきたいと思うわけでありますが、その点についてのお考えをお伺いしておきたいと思います。
  20. 宮本惇

    政府委員宮本惇君) 工事負担金紛争について調停機関をつくったらどうかという御趣旨だと思いますが、われわれといたしましては、中小企業負担法律をつくらないでも、行政指導でそういった点についてやっていきたい、また、過去におきましても、かなり解決をみておる点でもありますので、今後は大いに先生のおっしゃる方向で指導していきたい、こう考えておる次第であります。
  21. 鈴木一弘

    鈴木一弘君 これで終わりますが、臨時行政調査会のほうで調停機関を設けるということを答申されていると思います。そういう点を考えると、これだけで十分ならば、そういうことも出なかったと思いますので、本格的にそれにかわるべきものを考えるなり何なりしていただきたい、このように申し上げてお願いしたいと思います。以上です。
  22. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 速記をとめて。   〔速記中止
  23. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 速記を始めて。  他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  24. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
  25. 藤田進

    藤田進君 電気事業法につきましては、審議の過程にも明らかにいたしましたように、非常に提出がおくれてまいりまして、ようやく戦後ここに十数年、提案されたわけでありますが、この内容を見ますると、要するに現行九電力、さらに一電源開発株式会社、これに地方公営電気事業自家発等々、麻のごとく千々に乱れた形そのままを開放経済体制の今日、さらに維持していこうという基本的考え方を盛った法案であります。私どもは今日の段階におきましては、国内においてその消費者に対するサービスの強化、さらに家庭においても今日生活の必需品であると言われるこの電力については、特にその料金のアンバランスという現状をこのまま放置するわけにはまいりませんし、あるいは大口電力料金についても同様非常な格差があり、ひいては事業者の内部においても、それぞれ企業格差があるわけであります。今後の需用の伸びに対応する電源開発、並びに以上申し上げた諸般の格差是正等から見て、この際抜本的に電気事業企業形態なり、運営なり、管理についてメスを加えるときであり、この電気事業法提出するにあたって、当然このことが加味されるべきであったと思うのであります。しかしながら、衆議院段階におきまして、特に運営管理についての重要な事項は法の明定のもとに電気事業審議会を置くという修正がなされてまいりまして、この点に関する限りは私どもももとより賛意を表するものであります。しかしながら、自余の原案について、そのまま手直しなしに送付されてまいりましたので、私どもといたしましては、このいま提案されております電気事業法案については賛成することができません。  しかし、これらを今後どのように進歩的に展開していくかということにつきましては、幸いに委員会並びに本会議におきまして、つとに衆議院においてしかり、また本院におきましても根本的な検討を加えるという趣旨をもちまして、内閣のもとに調査会を設ける、その手段として立法措置を講ずるようにということが各会派間に意見の一致を今日見ましたので、この委員会の早急な発足、そのための前置条件としての立法、これを政府にすみやかに御処置をいただくことを強く希望いたしまして、この委員会において、将来電気事業並びに石油石炭ガスその他原子力等総合エネルギー対策について基本的施策を講ずることといたしたいと思うわけであります。  なお、これらの本会議並びに委員会調査会に関連する決議には、今日国策上必ずしも十分でないという結果からも、石炭産業の非常な問題があるわけでありまして、なかんずくこれに携わる労働者としてはまことに見るに忍びない現状であり、かつ地域社会においても産炭地現状はまことに悲惨な状態であります。これにつきましても、あわせて本会議におきましても決議をするということに相なっておりますので、これについては、わが党といたしましても心から賛成をいたすつもりでおります。  以上をもちまして、簡単でございますが、電気事業法案に対する反対討論にかえる次第であります。
  26. 向井長年

    向井長年君 私は民主社会党を代表いたしまして、原案賛成する立場討論を行ないたいと思います。  少なくともこの法案が今国会に提案されましたことは全くおそきに失したという感じをいたしておるのであります。そういう関係で、いま政府から出されましたこの法案をいろいろ逐条審議いたしてまいりましたけれども、これがすべて万全であるという立場に立っての賛成ではないのであります。しかしながら、現在まで全く古い寄せまぜのいわゆる法のもとにやってまいっておりますが、こういうことではやはり電気事業の将来の運営、あるいはまたすべての問題について非常に何と申しますか、困難な状態があるように私たち考えております。したがって、そういう意味から、一歩前進という立場において賛成の意を表したいと思います。  しかしながら、この条項なり、あるいはその他いろいろな諸問題、特に大きくは事業形態の問題から、広域運営の今後の成果という問題もますます私は疑問視される点もあるわけでございまして、そういう点につきましては、今後この法案修正等を適当な国会で行ないたい。なおまた、審議会等が設けられるわけでございますので、この審議会の中において十分ひとつこれに対する意見を反映して、政府に対しましても猛省を促していきたい、こういう考えでおるわけであります。  なお、私は質問をしたかった点がたくさんございますが、当委員会において決議なり付されるものと思いますが、総合エネルギー対策につきましても、実は現在までは水力あるいは火力、あるいはまた原子力、そしてその中には石炭なり重油なり、そういうような総合エネルギーという問題については全く場当たり的な対策にすぎなかったかと、こう思うわけでございまして、そういう問題も長期的に経済計画の中において開発計画を立てていかなければならぬ、こういう立場に立っておるわけでございます。なお、今後この電気事業法案の運用をよりよくやるべきであろうと思います。  なお一言、通産大臣もおられますので、つけ加えておきますけれども、この法案を今後運用する過程において、電気労働者のいわゆる労働過重になることは、これは何としても排除しなければならぬ、こういうことを私は十分つけ加え、正常な労使関係を生むべく、そして一般大衆に奉仕でき得る電気事業の健全な運営のために政府努力していただきたいことを心からお願いいたしまして、簡単でございますが賛成討論といたします。
  27. 前田久吉

    委員長前田久吉君) ちょっと速記をとめてください。   〔速記中止
  28. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 速記を始めてください。
  29. 鈴木一弘

    鈴木一弘君 私は公明会を代表して、電気事業法案賛成をいたすものであります。  ただ、この法の運用にあたっては、あくまでも使用者の利益、中小企業家に対しての利益ということを十分に配慮されることを要望して賛成討論にかえたいと思います。
  30. 赤間文三

    ○赤間文三君 私は自由民主党を代表いたしまして、この電気事業法案に対して賛成の意を表するものでございます。  わが国の電気事業は、いわゆる再編成以後最近に至るまで、まことにめざましい大発展を遂げまして、電力の需給についても、かつての不均衡からくる混乱状態をすでに脱却いたしまして、現在では一〇%余りの供給予備力を持つまでに安定しておることはまことに御同慶の至りに存じます。現在の電気事業規制している根本法規である「電気に関する臨時措置に関する法律」は、一たん失効した旧公益事業令等の規定を生かして復活するという法形式的にも特異なものとなっておりますので、以前から新しい法律の制定が懸案となっておりましたのを、通産省電気事業審議会を設けて、電気事業のあり方等、その根本問題について検討を加えた結果、その答申に基づいてこの法案が提案せられたもので、その内容も電気事業の実態に適合しておるものと私は考えております。特に広域運営方式を重視し、広域運営を強化する措置を講じており、さらに一般使用者の利益の保護を強調し、それに対する周波数電圧等の維持についての考慮が払われており、新しい法律が使用者の利益を非常に保護し、電気事業の健全な発展に寄与されることは明らかであると存じます。  電力会社は公益事業特権の上にあぐらをかくことなく、常に企業合理化を念頭に置き、私企業性のよさを十二分に発揮し、使用者の利益の保護をはかるよう十分留意して運営に当られますよう、私は心から希望をいたしまして、本法案賛成するものでございます。
  31. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  32. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。電気事業法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  33. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 多数と認めます。よって本案は、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  34. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次に、赤間君から附帯決議案が提出されております。本附帯決議案を議題とすることに御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  35. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 御異議ないと認めます。  それでは、赤間君から本附帯決議案に対する趣旨説明をお願いいたします。
  36. 赤間文三

    ○赤間文三君 私はこの際、自由民主党を代表いたしまして、電気事業法案に対する附帯決議案を提案いたします。  次に、案文を朗読いたします。    電気事業法案に対する附帯決議(案)   政府は本法の施行に当り、次の諸事項の実現に努力すべきである。  一、一般電気事業者のサービス向上を強力に指導すること。これに関して供給規程公表に当って、営業所及び事務所に掲示するほか、その周知徹底に努め、停電事故の防止に万全の措置を講じ、作業停電についても需要家に予め周知させるようにすること。  二、広域運営の推進に当っては電力融通、電源開発等を実施するにとどまらず、資材共用、技術交流等についても強力に実施するよう指導すること。  三、電力料金の地域差をできだけ縮小することとし、特に電灯その他小口電力料金については、全国一本化を図るよう努力し、未点灯部落の解消を期すること。  四、発電送配電の施設設置に伴なう補償、特に公共補償の適正かつ迅速なる解決を図るため適切強力なる措置を講ずること。  五、電気事業における争議行為の法的規制についてはこれが廃止の方向にむかって速やかに検討を加えること。  六、水力電源の開発が広汎多様な意議を有することに鑑み、積極的に関連事業との連繋結合を図り、これが開発を計画的総合的に推進すること。   電源開発に当り、発電コストの軽減を図るため、電気事業者に対し長期低利な国家資金の融資等財政上の諸施策を講じ、尚サービスの強化、コストの軽減等消費者に対する考慮を払い、苟も公営復元等に名を籍り不当な支出を行なわしめないこと。尚旧公営電気事業の復元問題にからむ経済協力については、自治体並に電力会社間に於て従前通り話合に依り早急に解決を図ること。  右決議する。  以上でございます。趣旨につきましては、質疑の過程で十分論ぜられたものでありまするから、説明を略させていただきまするが、各位の御賛成をお願い申し上げます。
  37. 前田久吉

    委員長前田久吉君) ただいまの趣旨説明に対して、御発言のおありの方は順次御発言を願います。——別に御発言もなければ、本附帯決議案の採決を行ないます。  赤間君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  38. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 全会一致と認めます。よって、赤間君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会決議とすることに決定いたしました。  次に、ただいまの決議に対し、福田通産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許可いたします。福田通産大臣
  39. 福田一

    国務大臣福田一君) 電気事業法審議にあたりましては、非常に短時日であるにもかかわらず、皆さまの御協力を得て、本日この段階において可決していただいたことについて、ここに厚くお礼を申し上げたいと思います。  なお、ただいま議決をいただきました附帯決議につきましては、政府といたしましても十分その趣旨をくみ取って、善処をいたしてまいりたいと考えます。ありがとうございました。     —————————————
  40. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 次に、私から、総合エネルギー政策に関する決議案を提案いたします。本決議案を議題といたします。案文を朗読いたします。    総合エネルギー政策に関する決議(案)   開放経済体制に対応して、わが国のエネルギー政策に抜本的検討を加え、エネルギー源の総合的調整をはかる必要にせまられている。   よって、政府は、すみやかに総合エネルギー調査会を設置するため、所要の措置を講ずべきである。   さらに、新たな事態に直面している石炭鉱業並びに産炭地域の窮状にかんがみ、特別調査団を派遣し、積極的対策を推進すべきである。  右決議する。  ただいまの決議案に対して、御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もなければ、本決議案の採決を行ないます。  総合エネルギー政策に関する決議案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  41. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 全会一致と認めます。よって本決議案は、全会一致をもって本委員会決議とすることに決定いたしました。  ただいまの決議に対して、福田通商産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。福田通産大臣
  42. 福田一

    国務大臣福田一君) ただいま御決議をいただきました総合エネルギー政策に関する決議につきましては、御趣旨を体して善処いたしたいと考えております。
  43. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 速記をとめて。   〔速記中止
  44. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 速記を始めて。  暫時休憩いたします。    午後零時十分休憩   〔休憩後開会に至らなかった〕