○国務
大臣(福田一君) お説のとおりの国際情勢でございますが、私はこの問題については、まず
業界の方々がこの点を非常によく認識されて、そうして努力をして、これはたいへんである、もっと
製品の高度化をはかるとか、あるいは
輸出のやり方についてももっときめのこまかい手を打たねばいけないということを一部の
繊維業者が相当真剣に
考えてくれておるようでありますが、まだしかし、それでも一部の
業界ではまあいままでどおりやっていれば何とかなるのではないかというような安易な
考え方を持っているところもありますので、まず第一には、
国内の
業者に対していわゆる警鐘を乱打していくということが必要である。われわれとしてはまず第一にそういう面を
考えなければならない。その次には、今度は
国内に対する何といいますか、
国内消費の面におきましては、これは
国内の景気の動向がかなり
影響いたしてまいりますので、われわれから見れば来年はどうなるであろうということをいまから言うことは早計でありますが、消費自体がそんなに減退するとは
考えておりません。問題はいま御
指摘になったような東南アジアのインド、パキスタン、香港等々、いわゆる
繊維産業を順次高度化してきておるもの、うしろから追いかけてくるもの、また一方においては
アメリカがやっておりますような、いわゆる
アメリカの
業者の体質改善、そのための
綿花の同一
価格の採用というようなことは、これは非常に大きな
影響をもたらすのではないかということを
考えておるのであります。私はそういう点から
考えてみるというと、大体日米
綿製品協定というものは、
日本が
アメリカから安く
綿花を買って、そうしてその
綿花をもってつくった
製品を
アメリカに
輸出する、その場合にはすでに
アメリカの
業者としては非常な
一つのマイナス血を受けておるのだから、そういう点から
考えてみても、あまり
日本の
輸出を町方図に認めることはできないということが、これはおもな主体原因とは言い得ないかもしれませんが、
一つの大きな原因であったことは間違いないと思っておるのであります。その原因がこういうふうに解消するということであれば、この際われわれとしては、何らかの
アメリカとしてもこの
自主規制の問題について考慮をしてもらいたいという、いわゆる二
国間協定についてもよく
考えてもらいたいということを、私はいまから申し入れておくことは決してむだなことではない。むしろそういうような姿勢を少なくとも示すべきである。まあ
向こうがどう応じてくるか、一応約束はしたことでありますけれ
ども、そういうような
綿花を同一
価格にした場合には
協定はもう一ぺんやり直しますということをきめてあの
協定を結んだわけではないわけですから、これは
向こうがどう出てくるかということが問題でありますけれ
ども、姿勢としてはそういう姿勢を示すべきである、こういう私は感触を持っておりまして、この点については私の省内においても、また外務省とも連絡をとらせるつもりです。また研究をいたしております。一方、今度は
各国への
輸出の問題でございますが、これは
綿製品とかあるいはまた
繊維製品に限りませず、いまの
日本の
輸出のやり方は、まだまだ私は改善し、改良すべき面が多々あるように見ておるのでございまして、もう少し
輸出ドライブを商社もあるいは製造
業者もかける気持ちになれば、まだ
輸出が相当伸ばせるのではないかという私は感触を持っておるのでございます。もちろん
あとから追いかけてくるころの香港その他に対しては、追いかけられる面はありますけれ
ども、しかし、また
日本の製造業はかなり高度化されつつあるのでございますから、私はこの
輸出先を開拓するという面において一そうの協力をわれわれとしてはいたしますと同時に、いわゆる
日本の
輸出商社、特に大きいところはそうでもないんですが、小さい
輸出業者あたりが
輸出秩序をむやみに破って、そうして
向こうの商社に迷惑をかけるというようなやり方をいたしておりますことは、今後ともひとつ十分戒しめて、そういうことのないように、大体商売をふやそうという場合には相手をもうけさせなければだめなのであります。相手に損をかけてでも自分が一時の負担をのがれようというような、一時の苦しみをのがれるような
考え方では、私は貿易というものは伸びない。ほんとうに伸びない。信用はつかない。こう思いますので、こういう点についても格段の努力をいたしてまいりたいと思います。もちろん
輸出のことでございますから、税制とか金融とか、いろいろの問題はございます。あわせてこれを強力に推進しなければならないことは論を待たないところと
考えておるのでございます。