○
大矢正君 この
保険料と
保険支払い金の面、それから出資の面、これらを眺めてみて考えられることは、この
保険制度を
政府みずからがやっていることについて疑義が出てくるわけです。
政府がなぜやらなければならないかということになってまいりますれば、ある場合にはかなりの赤字を予測してもやらなければならぬ民間ベースじゃ赤字のことはやらないということになると、なかなか
輸出の面に果たす
保険制度の役割りというものが生きてこないということだと思うのであります。したがって、この際
政府は、ある場合には赤字になってもやはりできる限り多くの
貨物に対して、また海外の投資に対して
保険をかけてもらうような体制をつくることが、やはり
考え方の基本だと思うのであります。にもかかわらず、出資もなければ、
保険料と支払い
保険金との大きな差があるにもかかわらず、料率の引き下げが行なわれないということは、
政府みずから行なう
保険制度はもう意味がないというように解釈されてもしかたがないのじゃないか、
政府が行なっていることの最大の意味は、多少の危険があっても安い料率で
保険制度というものを普及させようということが私は中心的なねらいじゃないかと思うのであります。それを抜きにして
政府みずからがやらなければならぬという
理由は私はないと思うのであります。にもかかわらずそれが一切とられないで、普通の民間ベースにおける
保険会社よりはまだまだこれは
内容的には充実したものですよ。大蔵省は積極的にこの
保険会社に対して、たとえばテーブル・ファイアのように火事がなかったのにあったように見せかけて
保険料率を高くすることはけしからぬといって、民間の
保険会社に対しては指摘をしておるじゃないですか。ところが、
政府はこれだけの黒字を出し、しかも十年以上も
一つも出資をしないでおいて反対に
保険料をいじる気配がないということは、私は本来国の行なう保際
制度ではないと解釈されてもしかたがないと思いますが、どうですか。