運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1964-04-23 第46回国会 参議院 商工委員会 第23号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十九年四月二十三日(木曜日)    午前十時三十七分開会     —————————————   委員異動 四月二十三日   辞任      補欠選任    近藤 鶴代君  大谷藤之助君     —————————————  出席者は左のとおり。    委員長     前田 久吉君    理事            赤間 文三君            上原 正吉君            田畑 金光君    委員            大谷藤之助君            川上 為治君            岸田 幸雄君            剱木 亨弘君            豊田 雅孝君            吉武 恵市君            阿部 竹松君            大矢  正君            中田 吉雄君            藤田  進君            鈴木 一弘君            奥 むめお君   国務大臣    通商産業大臣  福田  一君   政府委員    通商産業政務次    官       竹下  登君    通商産業大臣官    房長      川出 千速君    通商産業大臣官    房参事官    宮澤 鉄蔵君    特許庁長官   佐橋  滋君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞壽君     —————————————   本日の会議に付した案件 ○特許法等の一部を改正する法律案  (内閣提出)     —————————————
  2. 前田久吉

    委員長前田久吉君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  まず、委員長及び理事打ち合わせ会協議事項について御報告いたします。  本日は、特許法等の一部を改正する法律案について、補足説明を聴取し、質疑を行ない、討論採決を行ない、次回は明日午後一時から開会することとなりましたから御承知を願います。     —————————————
  3. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 次に、委員異動について御報告いたします。  本日、近藤鶴代君が辞任され、その補欠として大谷藤之助君が選任されました。     —————————————
  4. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 次に、特許法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  本案につきましては、すでに提案理由説明を聴取いたしておりますので、本日は、まず政府委員から補足説明を聴取いたします。佐橋特許庁長官
  5. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) 先般、当委員会提案をいたしております特許法等の一部を改正する法律案提案理由につきまして、さらに若干の補足説明をさせていただきます。  御承知のように、特許出願は、九−十一年のベースで大体九万件程度でございましたが、戦後特許制度といいますか、工業所有権制度に対します社会的の関心が逐次高まってまいりまして、三十四年から三十六年には年間十七万件という出願件数に達したわけでございますが、まあそのころはそれでやや安定をいたしたのでありますが、それが自由化影響を受けまして、三十七年の後半から急激な増勢を示しまして、三十七年には出願件数が二十一万件に達し、三十八年には二十六万件という非常に大きな数字になったわけでございます。ところで、この出願件数増加が、いわゆる特許審査の遅延を来たしておるというばかりではございませんで、従来、すでに能力の限界にまできておりました出願の受理をする事務だとか、あるいは審査補助事務書類進達発送事務、あるいは公報発行事務登録事務というようなものに非常に深刻な影響を与えまして、従来こういったことに誤りといいますか、過誤はほとんどなかったのでございますが、非常に仕事に追われるようになりまして、若干こういう問題につきましても過誤を生ずるような状態に立ち至って、特許庁全体の事務能率の低下を来たしておるわけでございます。この対策といたしまして、どういうことが考えられるかということでございますが、人員増加をはかることがまず一つ考えられるわけでございますが、御承知のように特許審査審判処理をいたしますために絶対に必要な審査審判官というものの増員を相当今後大幅に考えなければなりませんので、こういった事務処理に対します人員増加はできるだけ最小限に切り詰める必要がある、こういうふうにわれわれは考えまして、いろいろ検討を加えました結果、電子計算機組織を導入しまして、これを周度に利用することによりまして、従来の出願登録等事務処理を画期的に改善いたしまして、所要の人員増加をできるだけ小幅にとどめたい、こういうふうに考えたわけでございます。  そこで、今度の予算電子計算機組織を導入するための予算がついたわけでございます。この電子計算機を入れることによりまして、従来人間帳簿に手で記載しておりました事項電子計算機に記憶させまして、帳簿に基づいて事務処理いたしますかわりに、電子計算機によりまして照合、外部への通知書作成統計表作成あるいは画一的な処分、通知書作成というようなことを全部機械の手でやろうというのが今度の考え方でございます。いまひとつ電子計算機を導入いたしますのについて大きなねらいといたしましては、現在世界各国とも特許事務が錯綜いたしまして、いかに事務処理迅速化すかということについては各国ともいろいろと研究をいたしておりますが、われわれのほうといたしましても、この電子計算機の余分の力を利用いたしまして、資料整備をいたしまして、これを電子計算機に記憶させることによりまして、審査官がいろいろの書類資料を渉猟いたして調べるわけでございますが、そのいわゆる機械検索の一助にいたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。ところで、この電子計算機を導入いたしますと、従来登録事項原簿記載をしたわけでございますが、原簿記載をするということがなくなりまして、磁気テープに覚えさせるということになるわけでございます。現在の特許法実用新案法意匠法商標法それぞれ特許法の二十七条、あとは同文でございますが、いわゆる特許権についての重要事項原簿登録するということになっておるわけでございます。ところで、原簿登録するのではなくて磁気テープに覚え込ませる、いわゆる磁気テープ原簿概念に相当するかどうかということにつきましては、いろいろ議論を重ねましたが、現在の社会通念では少し無理であろうということでございまして、今回法律改正して、磁気テープ原簿にかえるといいますか、原簿の代用をさせるという意味法律改正しようというわけでございます。  ここで、磁気テープ原簿に置きかえますのにつきまして若干の問題がございますが、これを簡単に申し上げますと、従来のいわゆる原簿登録する事務比較しまして、これは比べものにならないぐらい能率がよくなり事務迅速化するわけでございますが、若干の問題がございまして、磁気テープに覚え込ませるということがはたして正確さの問題についてどうであろうかという点でございますが、電子計算機が間違いをおかすということは絶無でございまして、間違いが発生するという場合には、電子計算機に覚え込ませる場合、つまり電子計算機登録いたします場合に文字をカードまたは紙テープにパンチングをいたすわけでございますが、ここでいわゆる間違いが発生するわけでございますが、これにつきましても、もう一度完全にチェックをいたしますので、従来帳簿記載しておりますが、ここにもまあ間違いは発生するわけでございますが、それに比較して決してまさるとも劣らないものであるというふうにわれわれは考えておるわけでございます。いまひとつの問題点は、登録されましたものを今度は引き出す場合でございますが、それがかな文字でプリント・アウトされるわけでございまして、これが若干読みにくくなるということが考えられるわけでございますが、登録の文章は一つの型にはまってございまして、たとえば登録の年月日というような場合は、昭和何年何月というのはあらかじめ印刷をしておきまして、その間へ数字を打ち込んでいくというようなことになりますので、特に不便を感ずることもないのではないかと考えておるわけでございます。  次に、登録内容が従来の原簿と違いまして、直接目に見えないということでございますが、これも命令を与えますれば、即時に文字でその結果があらわれてくるということでございますので、この点もいささかも問題はないのではないかと考えておるわけでございます。  次に、この記録が永年保存できるかどうかということでございます。機械操作のミスによって磁気テープ記録させたものが消えるというようなことがあるかないかというようなことでございますが、これも現在では技術的に検討され尽くしておりまして、不安はないものと考えておるわけでございます。で、今回、こういった電子計算機を導入いたしますにつきましては、数年来からこの準備室を設けまして、出願登録事務をどういうふうに電子計算機にアプライするかということにつきましては、十分に実験をいたしておりまして、その実験の結果、満足すべきものを得ておるわけでございます。  次に、そのいわゆる特許重要事項登録いたします二十七条を受けまして、百八十六条に、いわゆる一般国民はこの原簿を閲覧することができ、かつ謄本請求ができるという規定があるわけでございます。ところが、ただいままで御説明申しましたように、原簿でなく磁気テープになりますので、いわゆる閲覧とか、あるいは謄本とかいう概念が非常に不明確になってまいりますので、その条項に追加をいたしまして、原簿のうち磁気テープをもって調製した部分に記録されている事項記載した書類請求する、または交付を求めることができると、つまり磁気テープから打ち出した書類交付する、それを請求することができるというふうに法を改正しようとするわけでございます。さらに、これにつきまして、従来まあ特許原簿を閲覧いたしますと、一回四十円、それから謄本請求をいたします場合には一枚につきまして八十円という料金が公定されておるわけでございます。磁気テープになりまして、書類交付をいたしますにつきまして、この最高限をきめる必要がございましたので、今回は一件について八十円というふうに変えたわけでございます。この一件八十円といいますのは、ただいま申しましたように、従来まあ一枚八十円でございましたのが、二枚になれば百六十円でございますが、長さを問題にせず、一件八十円ということにいたしまして、従来のまあ国民の負担というものに変化が来たさないように考えたわけでございます。われわれのほうの原価計算上も八十円で十分まあペイするというふうに考えておるわけでございます。  以上が本法案を提出いたしました改正の要点でございますので、よろしく御審議の上お定めくださるようお願いいたします。
  6. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 以上で補足説明を終了いたしました。  それでは、これより質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  7. 藤田進

    藤田進君 特許庁高橋是清さんの胸像もあるように、かなり古いのですが、依然として進歩性がないことは私も認めるわけです。しからばといって、直ちに磁気テープシステムを採用することがいいかどうかという点については、ただすべき点があると思うのです。現状はいろいろ世界的にも機械化されつつあるときではあるけれども、まあ御調査になっている範囲でけっこうですが、各国特許事務に関する機械導入状況、実務の現状をまず御説明をいただきたいと思います。
  8. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) 先生の御質問でございますが、特許出願登録というような事務電子計算機を導入いたしましたのは、私の承知いたします限りでは日本が今度初めてであると考えております。いわゆる審査審判事務迅速化というのは、これはもう日本ばかりでなく、世界各国の問題でございまして、これにつきましては各国非常に熱心に研究をいたしておりまして、アメリカでは各国連絡会議も毎年開いてやっておるわけでありますが、この点につきまして、審査の何といいますか、機械検索といいますか——という点につきましては、各国それぞれいろいろくふうをこらしているようでありますが、出願登録という全く事務的な問題につきまして、電子計算機を導入するというのは今度が初めてだと私は考えております。
  9. 藤田進

    藤田進君 そういたしますと、かなり機械化文明が進んだアメリカその他欧州においても、いまだにこのようなシステムは採用していないということのようですが、日本で従来やってきたああいうやり方ですか、特異性がありますか、諸外国日本の場合を対比して。
  10. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) 日本の現在の特許庁のこういった事務というのは、これは全く原始的なものでございまして、たとえば一件の出願がございますと、これに対しまして補正命令等が大体三ないし四ぐらいは平均で出ますだから二十八万件の申請に対しましては、いわゆる書類進達発送業務というのは年間百万件に達するわけでございますが、これは日本の場合は現在全部人間が手でやっておる。こういう点につきましては、欧米はじめ諸外国タイプなり何なりを打っておりまして、日本のように全く全部がハンドワークでやっておるところは日本だけだ、先進国の中では日本だけだとこう考えております。
  11. 藤田進

    藤田進君 そうすると、考え方によれば、タイプライター等能率が上がるということであるならば、そういうものを採用するということが当然考えられなければならぬと思うのですが、日本の場合はそれができないという何か理由があるわけですか。
  12. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) このタイプその他でございますが、これも一言ってみれば相当な人手を要するわけでございまして、特許庁といたしましては、この際電子計算機に切りかえることによって一挙にタイプ業務機械化し得るわけでございまして、言ってみれば、途中の段階がなしに一つ飛び越して最終段階と申しますか、進んだ段階に突入する、こういう形になるわけでございまして、特許庁といたしましては、なかなか人員増加というのは、審査審判官というような決定的にどうしても人間でなければならないという部面がございますので、それに合わせてさらにこういった一般的な事務職員の飛躍的な増員ということはなかなか困難でございますし、かつ、給与等関係におきましても問題がございますので、われわれのほうといたしましては、一挙に電子計算機を導入いたしまして、ハンドワークでやったようなことを全部機械化してまいりたい、こういうふうに考えたわけでございます。
  13. 藤田進

    藤田進君 一人当たり審査官日本の場合は統計出ますが、アメリカあるいは欧州、代表的な国々との関係で検討されましたか、能率状況をですね。タイプといったようなものを主体としてやっている国々の一人当たり審査件数、これと日本との場合どういう格差があるのかないのか。
  14. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) 日本は先ほども申しましたように、三十七年度で二十一万件、三十八年度で二十六万件というような非常に世界でも圧倒的な大きな出願件数を持っておるわけでございまして、処理比較でございますが、ちょっと資料が古く数年前の資料になりまして恐縮でございますが、大体アメリカ特許庁人員当たり処理件数というのは年間五十件くらいでございます。ドイツが百件ぐらいでございます。日本の場合は二百八十件程度になっておると考えております。
  15. 藤田進

    藤田進君 これは内容にもよりますが、御指摘数字から見ると、かなり能率をあげて、アメリカの場合から見ると六倍近いんですね、ドイツの場合から見ても三倍、こういう結果から見ると、結局するところ人手が足りない、一人当たり能率は非常にいいということで、勤務時間等も若干違いましょうが、ところが、アメリカ等はすでに終戦直後から電子計算機等民間においてもお役所においても広範に入れてきたわけです。一台入れることによって六十人程度人員整理が伴うことをあえてしてでも入れてきたわけで、今日民間においては日本でもかなりこういったものが進んできておるわけです。そのアメリカにおいて現在これを使用していないという理由はどこにあるだろうか、お伺いします。
  16. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) アメリカあるいはドイツにおきましても、審査処理がおくれておるということにつきましては非常に切実な問題として、前からそれぞれ五カ年計画、八カ年計画をつくりまして推進いたしておりますが、これも一にかかって審査審判処理という点で、いわゆる審査審判官増員とか、あるいは審査審判官が使うための資料整備をいかにして実行するか、あるいはその機械検索にどういうふうにしたらのるかということにつきましては、非常に熱心に研究いたしておりますが、日本のように、そういった特許の本体であります審査審判事務以外の出願を受ければ番号を渡す、あるいは登録する、公報を発行するというような点につきましては、アメリカがそれほど困難といいますか、問題を起こしておらないというふうに考えております。そういう意味アメリカドイツ登録事務あるいは出願事務電子計算機を応用するというところまでは考えていないのではないか、こう考えております。
  17. 藤田進

    藤田進君 ですが、前段に言われたように、かなり特許事務については各国ともふくそうしているし、件数もむろん各国においてふえております。しかし一人当たりアメリカは五十件、ドイツの場合は百件とおっしゃるわけですね。とするならば、日本統計を諸外国から見た場合でも、日本では二百八十件を処理しているということであれば、日本より先に機械文明もむろん進んでおるところだし、能率も悪いんだから、機械化がより能率的であるという決定が出る以上、必ずこれを採用するに違いないと私は思うんです。採用していないということについて私大いに疑問を持つわけです。これがややおくれている日本世界に初めての着手としてこれを導入するということについては、かなり先進国の実態というものを見きわめてやりませんと、相当膨大な予算年間必要とするわけです。はたしてそのために——特に審判というようなことはこのあとで詳しく聞きますが、大きな差異もないと思うんです。結局は記録事務といったことの能率化ということになると思う。こう考えてみると、かなり慎重にこれは検討した上で、もちろん思いつきとは申し上げませんが、やっていかなければならないのじゃないか、特に法改正を必要とするという事項でございますので、率直に言って、そこまで検討していないということなら、しかたありません。われわれいまからそれぞれ行って見てくる時間もないのでありますが、もしそういったものを検討されておれば、また私は検討されるべきであったろうと思うが、検討したのかしないのか、したとすれば、以上申し上げたようなことについて抽象的でなく、その理由をお聞かせいただきたい。
  18. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) 現在までアメリカあるいはドイツ等におきましては、相当特許に前から習熟をいたしておりますし、特許制度重要性にもかんがみまして、日本特許庁人員に比べまして、非常にたくさんな人間アメリカドイツもかかえておるわけでございます。事務職員等審査審判官比較でも、日本では大体審査審判官事務職員は一対一くらいの計算になっておりますが、アメリカドイツでは大体審査審判官一に対して三くらいの事務職員がついておる計算でございます。と同時に、ドイツアメリカは先ほど申しましたように、出願件数日本に比べて非常に少ないわけでございます。これは六十一年の統計でございますが、アメリカは十一万件、それからドイツは十八万件ということでございますが、その後の情勢出願はもう微々たる伸び方であって、日本のように当時の十七、八万件が二十八万件をこえてくるというような状況とはだいぶん違いまして、ただいま先生の御指摘のように、ドイツアメリカあたり出願登録事務電子計算機を導入していないというのは、一にかかって出願件数あるいは登録件数等日本に比べまして非常に少ないのと同時に、ある程度機械化、ただいま先生の御指摘のように、タイプなり何なりというようなものもこれは日本とは格段の相違があるわけでございまして、そういう意味日本先進国に比べまして非常に出願件数が圧倒的に高い、しかもそれを処理するのに、現在全くプリミチブな方法であったために、途中の段階を抜いて一挙に電子計算機組織に入るということになったものだと私は考えております。
  19. 藤田進

    藤田進君 ですが、アメリカは非常に人手不足で、人件費が高いという情勢があるからでもありましょうが、一般の食堂にしたってセルフサービスのキャフェテリア、あるいはその他の商品も、街頭でも、日本でも最近入ってきたけれども、機械販売器を使うとか、あらゆる面で非常に合理化ということが強く進んできたわけですね。それは戦争中を通じて今日まできたわけです。そういう国ですから、件数比較して人員が多い、これを機械導入によって相当削減ができるということになれば、アメリカ自身がすべての事務処理についてやってきたわけですから、ひとり特許事務に関する限りこれを導入しないという例外は私は考えにくいのです。理由としておっしゃるのは、件数比較的少ないのに人員が多い、それに若干タイプ等によって日本よりはその面では進んでいるという、したがって電子計算機の算入を必要としないだろう、こう聞こえるのですが、アメリカというのはそういう国じゃないのです。日本が入れて高能率であるし経済的であるならば、これはもう当然導入する国柄なんですが、まだやっていないのですね。ですから私は知っていて聞くのじゃないので、この特許事務についてそういう国々が入れていないのには何かほかに理由があるに違いないと、私はそう考えざるを得ないのですが、いま言われた点ではどうも国柄として歴史的に見てきた点からいって、妥当な理由でないように思うのです。しかし、そこまで究明されていなければ次に進みます。いかがですか。
  20. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) 私現地へ行って見たわけではございませんが、最近は特許事務につきまして、審査審判官の交流といいますか、見学といいますか、そういうものが各国盛んに行なわれてきておりまして、日本特許庁に対しましてもアメリカから、あるいはドイツから来ておりますが、この特許出願事務を全部電子計算機に乗せるという当庁の考えておりますアイデアにつきましては、これは非常にいいアイデアであって、アメリカも早急にそういうようなことを考えざるを得ぬのだけれども、いまのところ審査審判の一番特許としては大事なところにいま問題をしぼってやっておるのだと、こういうことでございましたので、私は出願登録事務電子計算機に乗せるというのは日本が初めてだと考えておりますが、それは先生の御指摘のように、アメリカのようにタイム・セービングを主として考えておる国で、まだこういうところが案外に手抜かっておるというのがちょっと意外な気持がいたしますが、われわれは少なくともそういうふうに承知いたしておるわけであります。
  21. 藤田進

    藤田進君 いろいろ検討された段階議論もあったでしょうが、新しいこういうものを導入することについては十分自信を持ち、何らの不安はないという確信が持てたわけですか。
  22. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) これは数回実験を行ないまして、これを実際の事務にアプライして支障はないという確信を持ったわけでございます。
  23. 藤田進

    藤田進君 改正される新条文との比較もここに提示されておりますが、「(特許原簿への登録)」ということで、2で「特許原簿は、その全部又は一部を」とこう改められるわけですね。この原簿というものの実定法上の定義としては、これはおよそテープといったようなものは従来考えられなかったわけです。新しくこういうものが入るという観念になるわけですけれども、はたして特許原簿と銘を打ってもこのものが日本文字で出てこない、あらためてタイプアウトして初めて閲覧に供し得るのでしょう。このことがこの法の条文として原簿という定義の中に入るということについての従来の他の法文の例なりその他の解釈をお伺いしておきます。
  24. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) これは法務省あるいは内閣の法制局といろいろ議論をいたしたわけでございますが、おそらく今後の技術進歩の状況に応じまして、いわゆる原簿というようなものは、特許ばかりじゃございませんが、逐次機械化していくということが考えられるわけでございます。法務省等の見解では、まあまあ読めるのではないかというような見解でございましたが、しかし法制局あたりでは、現在の社会通念からいけば、原簿というのはやはりあくまでも紙をとじて一冊の本にしたものだという感じが原簿という意味であって、磁気テープ原簿のかわりをする、こういうことになるわけですが、これが現在特許庁の持っております登録原簿でございますが、これとこれと同じ役割をいたすわけでございますが、これがどうもやっぱりまだ現在の社会通念上は原簿という概念にはちょっと無理ではないかということで、結局受簿と内容を全く同じに機能し得る、働き得るテープというものは別途原簿に変えるのだというふうに法律改正するのが現在の社会通念段階では妥当ではないかという御意見でございましたので、今度その点をはっきりさせる意味法律改正をお願いしたわけでございます。
  25. 藤田進

    藤田進君 そこなんですよ。だから原簿としてああいうものでいいかどうかというそのこと自体に疑問があるわけです。法律で書けばそれでいいというのじゃなくて、社会通念原簿というものは古来日本文字というものができてからお役所の事務でも文字によって表現されて、そのことを原簿と称してきたわけです。これはあらゆる官庁なり民間がそうですね。その基本的な解釈から見ると、単に法律に書いたからといってそれを——この法文の編さんの問題はあるだろうと思うのですが、特許原簿はというのじゃなくて、特許原簿にかわるべき云々とするか、まあその表現はいろいろあるでしょうが、それなら、社会通念上はこうなんだが、特にこれをみなすという解釈でいこうということならば、このことが立法上もう規定化されると、税務署関係においても問題が出てくるのじゃないだろうか。百貨店だろうが、各種会社でもこういうもので原簿の閲覧だ、あるいはその権利があるのだとか言ってかなりこまかくやっておる。税務署自身でもそれを出して、これですよというと、そんなものは原簿じゃないじゃないか、いや、今度国会で特許法に関する限りはこうなったのだ、これはそういうふうに新しい時代になったのだから、お前のところに機械があればかけてみろ、こんなことになったのでは困るでしょう。ここらに法文の編さん上の問題としても問題があるのじゃないだろうか。その点は法制局等の説明はどういうことでございましたか。
  26. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) いわゆる原簿は、社会通念上はまさに紙をとじた本になったもので、それに日本文字記載されてあって、それがだれでも見られるということだろうと思いますが、まあその主たる内容は、その記録が保存をされておるということと、それがだれの目にも触れ得るという二点が原簿意味であろうかと思います。その意味で、切めの記録が保存されるということはこの磁気テープが置きかわって同じように保存をされるわけです。ただ、人間の目でじかに見れるか見れないかという点が従来の原簿と変わってくるわけでございますが、その点につきましては、指令を発しますと、瞬時にしてその見べきものが活字になって出てくるわけでございます。この点では、いわゆる原簿の持つ意味と言いますか、十分磁気テープによって置きかえ得るということでございまして、まあ原簿磁気テープによって調製することができるという新しい条文を一項入れることによって差しさわりはないのじゃないかというふうに考えるわけでありますが、これが社会全部といたしまして、ただいま藤田先生の御指摘のように、今度会社の帳簿だとかというようなものもこれがテープあるいは磁気ドラムというようなものに置きかわる状況になりますと、これは原簿概念自体を全体的に改正するというようなことになるかと思いますが、現在の段階ではまだそこまでの進み方はございませんで、特許につきまして、原簿磁気テープをもって調製することができるという一項を起こすことによって、いわゆる社会通念のギャップと言いますか、というものを法律的に制度化しておこうということでございます。
  27. 藤田進

    藤田進君 この法文をすなおに読み、そうしてまた従来の経過もあるわけです。旧法の二十七条で、「特許庁に備える特許原簿登録する。」とある。そうして改正案では、特許原簿はその巻いてあるフィルム自体を原簿と言っているのですか、言っていないのですか、あなた方の解釈はどうなんですか。
  28. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) これはわれわれ磁気テープと言っておりますが、今度の法律でこれが原簿になるわけでございます。原簿磁気テープで調製する、磁気テープで調製したこれが原簿だ、こういう解釈になる、こう考えるわけであります。
  29. 藤田進

    藤田進君 これを見ると、「特許原簿は、その全部又は一部を磁気テープをもって調製することができる。」というのだから、その磁気テープというのは原簿だという定義になっていると解釈していいのですかどうか。その巻いてあるのが原簿か。
  30. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) そのとおりでございます。これが原簿だ、こういうことでございます。
  31. 藤田進

    藤田進君 そうなると、原簿というものは文字によらないという——これは紙は何だってかまわないだろうけれども、少なくとも文字であらわしたものを称するのではないという、新しい画期的な法的な解釈がここに生れてくることになる。
  32. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) この磁気テープを七月からパンチングにかけまして、実際は十二月から動かし始めるわけでありまして、十二月からはいわゆる新しい出願登録テープにのせてまいります。結局事務の一貫性といいますか、能率化をはかるためには既存の原簿テープに置きかえなければならぬわけです。新しいものを十二月からやりまして、その電子計算機の余裕の時間を見計らいまして、過去のものを全部さかのぼって原簿磁気テープに納めてまいる。ある時期は現在申します特許原簿磁気テープが並行して存在するわけでございまして、原簿を一切磁気テープに置きかえてしまうということではない時期がかなり長く続くわけでございます。われわれが現在考えておりますのは、出願事務につきましては、四十一年までに過去のものを全部テープに置きかえて、それから登録事務につきましては、四十三年までに過去のものも全部磁気テープに置きかえる、こういうふうに考えておりますので、それまでの問は原簿は従来どおりの既存の原簿も生きており、テープも生きておるという併存状態が続くわけでございます。ただいま先生指摘のように、もう特許原簿というものは一切テープになってしまうのだというのは、現在の段階ではそうではないわけでございます。
  33. 藤田進

    藤田進君 いや、それは過去のものまでテープに置きかえる必要があるかどうか、またあとでお聞きしますが、少なくとも七月一日から法改正に基づいて執行される場合はおおむねその磁気テープをもって原簿とする、こういうことを求めておられる、そうなんでしょう。
  34. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) そのとおりでございます。
  35. 藤田進

    藤田進君 そこで話がもとにもどるのですが、特許原簿文字でなくても磁気テープでもよいのだということを法律で規定していく、こういうことになるわけです。言いかえれば、原簿というものは従来の観念とはもう革命的に変わってきた、こう解釈していいのかどうか。
  36. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) そのものについてはまさに画期的に変わってきたということでございます。
  37. 藤田進

    藤田進君 こういうふうに原簿という概念が変わってくることによって生ずる他の影響については検討しましたか。したとすればどういう方面に影響を持つか、今後あらわれてくるだろうと予想していかがです。
  38. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) 特許原簿が従来の形式から磁気テープに置きかわるにつきまして、一番問題になっておりますのはプリントアウト、指令をして人が見たいという場合にはその部分がすぐ印刷になって出てくるわけでございますが、現在の日本電子計算機といいますか、世界電子計算機でも漢字というのはまだございませんで、かなで打ち出してまいる。その点がやや何といいますか、従来の漢字を見つけた目については読みづらいのではないか。あるいはかなでありますので、いわゆる権利者等の同一性が確保できるかどうか。たとえば同じ名前の場合、漢字では違いましても、かたかなにしますと同じ発音になるケースがあるわけでございます。これにつきましては、初めの点につきましては、この磁気テープにのせます登録の様式というものは非常に定型化したものでございまして、たとえば所番地の場合については何々県市町村という活字があらかじめ漢字で打ってある用紙にかたかなでそのあいたところへ打ち込んでまいりますので、その点の見にくさというものはまあ多少の不便はあっても、それがしんぼうし切れないほどの問題ではないのではないかということが考えられますのが一つでありまして、次が権利者の同一性云々という問題でございますが、これは何と言いますか、いわゆる所番地が必ず上についておりますので、ここに権利者の同一性ということが問題になることはまあまあないのではないか。たとえばうちの政務次官の田中先生は同町の中に全く同姓同名で番地まで同じだと、名前も同じだという方があるそうでございますが、そういうケースの場合は漢字の場合でも問題がございますが、しかし特許出願をする方とそうでない方というのはちょっと違うと言っちゃ語弊がありますが、いま言ったような権利者の同一性が問題になるということはよほどの場合でしかないと考えられますし、それが問題になるようなときには必ず特許原簿による程度ではなくて、特許のこまかい内容まで知悉されたときに問題が出てまいりますので、その点は、これは特許公報なり何なりに従来どおりの形で載ってまいりまして、それが現在の法律でもそうですが、特許原簿の一部をなすわけでございまして、その点についてはいささかも問題がない、従来どおりでございますので問題はないと、こういうふうに考えておるわけでございます。
  39. 藤田進

    藤田進君 いや、ですから特許庁内部としては——これはあなたにお聞きするのはちょっと無理かと思いますが、大臣が見えられてからでもいいんですが、政務次官が大臣にかわって見えておりますからお伺いいたしますが、これは税務事務関係とか、あるいは裁判所、検察庁といったようなところについても、必ずしも調書というものは——これは原簿とは違う、文書にしなくてもテープにとって、最後に間違いございませんと言っておけばそれでいいんだと、かなり実用化しておりますけれども、しかし最終的には裁判、検察事務でもちゃんとした調書をとるわけですね。これは素朴に考えれば、むだのように思うし、一方でテープをとっていてですね。ですから、そういうようにかなり広範に影響してくる、お役所の立場から見ればこれのほうがいいと言えばそれでいいけれども、今度手数料を払って閲覧の場合は事情はそれだけ違ってくるでしょう、対民間の場合にですね。これが概念が変わってきたのだからということで出てきた場合、それはまかりならぬぞというわけにはまいるまいと思うのです。予想される範囲において、この一角を原簿としての概念を変えることによって他への影響をどう検討し、考えたか、こういう点をお伺いしたいのです。
  40. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) ただいま私は原簿タイプアウトいたしましたものが、それを求める人にどの程度影響があるかということを説明したつもりでございますが、いわゆる謄本なり何なりが裁判所その他において証拠書類というようなことになるわけでございますが、その点につきましてもこれは法務省と連絡いたしておりますが、このタイプアウトしたもので、もちろんこれは間違いないという署名はつくわけですが、これでいささかも問題はないということで、法務省その他とも話がついておりますので、何と言いますか、いま先生の御指摘のような、これによって非常に権利関係あるいはいろいろの点で問題が起こるということは私はないと考えております。
  41. 藤田進

    藤田進君 いや、私が申し上げているのは、あなたのほうのよって来たる連鎖反応がどういう影響かというのじゃなくて、こういう窓口をあけるということがきっかけになって、かなり時代の進歩、機械化の動向につれて、同種同類の機械化事務という方向に進むという影響について、例示したのは税務であるとかあるいは検察事務なり地方関係なり、その他類似のものについてどういうふうに検討されているだろうか、どういう影響があるのだろうか。概念が変わってきますから、原簿なり証拠書類なりといったようなものについて。
  42. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) これは私は逐次各所ともといいますか、各方面とも勉強が進むにつれて、いわゆる原簿からテープ方式というのに変わってまいると思いますが、現在のところでは戸籍の登録事務というようなのをテープにのせれば非常に便利ではないかというような考えがあるようでございますが、これは非常に広範でございますし、特許庁のように一カ所に一切の書類が全部集中している、特許庁には本庁だけに全部の書類が集中しておりますが、そういう形でないところにつきましては、電子計算機を分散させるというようなことはこれは経済的にも非常な問題でございますし、そういう意味でおそらくアイデアはありながら、なかなかほかのところでは現在特に官庁関係では進んでおらない。現在何といいますか、これは帳簿の観念とは違いますが、外務省は昨年から情報については電子計算機を導入いたしまして、書類記録にとどめるのを電子計算機にのせてとどめているという事例はございますが、現在のところ、ほかではまだそれほど計画的に進んでいるという話は聞いておりません。
  43. 竹下登

    政府委員(竹下登君) いまの藤田先生の御質問でございますが、実は私どもこの議論をいたしました際に、法廷上における証拠書類としての問題点については、たまたま先ほど長官が申しましたように、衆議院を担当しております田中政務次官が、同町内同番地に同じ田中榮一、字も一緒な田中榮一がおるわけでございます。そういう事例を引き出していろいろ検討して、法務省ともかなりその問題については協議をいたしましたが、それについては差しつかえない、こういう御見解をいただいたわけであります。先生のおっしゃるのは、いわゆる磁気テープそのものがここでこの特許原簿として概念づけられてきた場合、その他民間もろもろの諸原簿概念そのものが変わってくる、その波及する点についての御質問ではなかろうかというふうに私お聞き及びしたわけでありますが、その波及する方向については、それそのものを問題点として議論いたさなかった。これは将来の課題として、この法律そのものとの関係は別といたしまして検討すべき問題ではなかろうかというふうに存じております。
  44. 藤田進

    藤田進君 これは国会でももう相当前に速記ということについて検討をしたわけです。相当前から、もう十年も前から、もうとっくになりますが、アメリカなんか十五年ぐらい前から議会でぽつぽつやっておりますが、日本でも裁判所でこれを採用したところもありますが、ところがいろいろ検討した結果、一利一害があって、現在のように速記者による速記をとるということに慎重検討の結果なったわけです。ですから、こういった画期的な変更を加える場合には十分検討される必要があると私は思います。それからこういうふうに概念規定が変わってきますと、これ自体がそうですが、かりに裁判になった場合に、公判廷の書類として原簿を出せということになれば、第二十七条の二項によってこれでございますといってお出しになってもこれはもう通るはずです。原簿ですから。法律がそれを規定している。そのもの自体が原簿だということになるので。ただ、そういうことはおやりにならないで翻訳したものを出すということにはなるとしても、特許庁ならばそうするでしょうが、そうでない場合には、これが立法化になりますと、特許原簿はこれだといっても一向法律上差しつかえはないということになろうかと思うのです。そこで、このカッコの中に書かれている「これに準ずる方法により」というものがあるのですが、現在考えられているものには、いわゆる在来の原簿とそれから磁気テープというものと、それからこれに準ずる方法によって一定の事項を確実に云々ということですが、「これに準ずる」というのはどういうものを予想しておられるわけですか。
  45. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) 現在われわれが採用いたしましたのは、こういう形の磁気テープでございますが、いわゆる記録を永久に残し、かつ引き出し得るというものは、必ずしも磁気テープだけではございませんので、いわゆる現在開発されておりますのに磁気ディスク、まあ円盤といいますか、レコードのようになったものだとか、磁気ドラム、円筒になったものだとかいろいろございまして、現在われわれはこの磁気テープが一番効率的であろうということでこれを採用したわけでございますが、今後技術革新の状況によりましては、この磁気テープといいますか、あるいは機械的な装置で一定の事項を確実に記録することができ、しかも引き出すことができるというようなものが開発されることも考えられますので、そういったものが開発されました場合でも、それを採用しました場合には、必ずしも法律改正を要することなく、これと同じような効果が出る機械、あるいは磁気装置によるほかの仕組みといいますか、ものも考え得るわけでございまして、その意味でカッコ書きに、磁気テープに準ずる方法というのを書いたわけでございます。
  46. 藤田進

    藤田進君 そうだろうと思います。そこで、この法改正というのは、何かものをきちっと指定して従来原簿と、もうこの社会通念ははっきりしている。しかし、それを変えて磁気テープにということだが、この磁気テープというものはかなり広範な、現在もそうですが、将来もいろいろ開発される過程にあるわけだし、どうも磁気テープというものの定義条項がないとすれば、磁気テープに類するものは何でもいいということになり、採用する場合は能率中心になるでしょうし、この点の歯どめというか、一般国民が法を読んで、磁気テープというものの観念自身もまだ決定しておりません。いわんや今後の発展性というものがあるわけで、したがって、かなり幅の広いものが採用されてくるというきわめて浮動的な、不確定なものになるような心配があるわけです。これについてはどういうふうにお考えですか。現在それに対応する機械がここに資料として七台か八台か言っておられますね。当面はこれなんだが、将来、しかしこれより変わったものも法改正等によらないで変えていくことができるという解釈になるわけでしょうか。
  47. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) ただいまわれわれは、現在は磁気テープを採用いたしますが、磁気テープにかわるものであって、しかも磁気テープと同じように一定の事項が永久的に記録が保存をされて、しかもそれが随時引き出し得るという装置が完成されれば、それも原簿に置きかえるのにいささかも支障がないわけでありますので、その場合でもかまわない。ただ現在はわれわれとしては磁気テープを使おう、こういうことに考えておるわけであります。あくまでもやはり一定の記録が確実にしかも永久に保存されて、しかも引き出し得るということが条件でございます。
  48. 藤田進

    藤田進君 だけれども、そのことは法文上明らかでないし、省令、政令にもゆだねていないんだし、それはいまの答弁はわかるのですが、局長が変わり何代か先になると、これも磁気テープだそうだということになれば、相当永久保存ができて、そして文字にたやすく変え得るといったような点がポイントで、あとは何にでも変え得るのだと、かなり広範なものとわれわれこれは読めるわけですね。それから特許原簿というのは永久保存ですか、ものによって違いますか。
  49. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) 特許原簿は永久保存でございます。
  50. 藤田進

    藤田進君 この寿命というのはまだ開発されて間がないわけで、普通はフィルム——セルロイドみたいなものだが、これは実験的には永久というけれども、百年なら百年といったような経験を経ていないのです。まああらゆる化学変化、その他の実験をされたかもしれませんが、メーカーが言うことだけでは信用できない場合もあるので、いまのデータからすると、これは永久に不変であるということは言い切れるのですか。その証明はできるわけですか。
  51. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) この磁気テープは非常に進んできておるわけですが、現在でもこの磁気テープの使用が何回堪え得るかということは何十万回でしたか、ちょっと数は忘れましたが、何十万回かはこれは使えるわけでございまして、この記録を常にわれわれのほうは二本とっておきまして、片ほうが寿命が尽きるころには片ほうのものをすぐそのまま調製ができるわけでございまして、そういう意味で現在の実験その他の段階からいわゆる永久に保存が可能であるということは、逐次調製をし直してまいりますので、その意味で何といいますか、これが記録が消滅するということはないというふうに考えておるわけでございます。
  52. 藤田進

    藤田進君 実務の面で説明いただきたい。幸いにこれは見本があるわけで、この前の作業がパンチャーというか、何かいてやるのですか。指令を与える、その辺はいいとして、これが磁気テープそのものを保存しておる。そうして必要があると、閲覧したいとかという場合に、プリントアウトされて文字にかえる。しかも通常の場合は、これ自体が原簿として永久保存をされる、こういうふうになるのでしょう。そうなれば、このものが二巻つくろうが三巻つくろうが、どうも記録が薄れてきたというようなことで、テープの製造過程における優劣もありましょうが、常に定期的にチェックをしながら、新しいものにのせかえるといったようなことを必要とするのか。これ自体が永久に何らの支障なしに変化もないというようなことが言えるのか、その点はどうなんです。
  53. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) あれは一巻で七百六十メートルで、大体語数にしますと、千五百万語が入るわけでございまして、現在の特許原簿、これはこういう様式で書き込んでおるわけですが、これは一冊で百件入ります。あの一巻で二万件、これの二百冊分入るわけであります。従来一年間登録だけで十万件ございますので、この帳簿が一年間に千冊ずつふえてまいりますが、これでまいりますと、五巻だけで済むわけでございます。何といいますか、登録統計表をつくったり、あるいは中間処理段階を見るとかいうようなことでしばしばこれを使う。いわゆる磁気テープにかけて電子計算機本体に読み込ませて検算をしたり、いろいろするわけでございますが、その回数をいわゆる記録できるわけでございまして、かりにこれが二十万回使ってもいいという場合には、何といいますか、その限度にくれば、もう一本全く同じものを保存しておりますので、それでまた新しいのを一本つくって、これを廃棄して同じのを置きかえる、こういう形になりますので、いわゆる記録の永久保存という面については、全然支障がないというように私は考えております。
  54. 藤田進

    藤田進君 そうでなくって、その材質は化学製品でしょうが、そういうものが永久に記録も消えない、そういう保証があるのかないのかという点なんです。取りかえるとかなんとかいうのじゃなくて。
  55. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) これは、私も磁気テープの製法を詳しくは知りませんが、いわゆるプラスチックみたいなものに何とか炭素を吹きつけるわけですが、現在のいわゆる技術の段階では、これがどのくらいもつものである、いわゆる品質的に保存が可能であるということについては、全部データがございまして、その意味でいわゆる物理的になくなるとかいうようなことは、そういう点で問題が起きるということはないように心がけてまいりたいと、こう考えております。
  56. 藤田進

    藤田進君 ないように心がけても品物が変わればどうにもならないわけだが、その点は確信があるのですか。永久に不変のものだと、その質においてですね。したがって、記録に、消滅したり、かりに欠損ができたりということがないものかどうか。
  57. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) その点については問題がない。ここにデータを持っておりませんが、かりにこのままほうっておいても、現在の保存でかりに二十年しかもたないということになれば、そのときにいわゆる新品に置きかえるわけです。そういう意味で永久保存ということには支障のないようにいたしてまいるつもりでございます。
  58. 藤田進

    藤田進君 従来の実例から見てどうです。そんなに古いものを引き出して見る、調べるといったような事例があるんですか。どうですか。
  59. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) 御承知のように、特許は一番長いもので、設定されまして十五年間が権利期間でございますので、十五年たつと権利は抹消されるわけでございまして、それ以前のいわゆる特許原簿を見るということは、これはもうほとんどないわけでございます。ただ、御承知のように商標につきましては、これは順次書きかえが可能でございますので、永久に生きておるわけでございます。商標関係につきましては、古いものを見るということもあると思いますが、特許、実用新案、一番問題になっております点につきましては、それほど古いものを見るということはまずほとんどない、こういうふうに考えております。
  60. 藤田進

    藤田進君 いま言われた商標なんかはデザインがかなり複雑なものもあるわけですが、それには絵——ピクチュアーですが、それは載らないのでしょう。文字だけでしょう。
  61. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) 特許原簿に載せますのは、いわゆる特許なり商標なりの案件が全部載るわけでございませんので、いわゆる、これはいつ出願されたものであり、出願の番号はどういうものであり、それはいつ査定をされていつ登録になったものであり、権利者はだれであり、その番地はどこである、あるいは権利の得喪関係あるいは質権を設定しておるというようなことが、特許原簿に載るわけでございます。ただいま藤田先生の御指摘のような意匠というようなものは、これは全部図面がついており、こまかい説明がつくわけです。この点はこの原簿には載せません。それはいずれ申請のままの書類——われわれのほうでは包袋と言いまして、永久保存になっておりますが、その中に入れて保管しておりますので、特許あるいは実用新案、意匠の詳しい内容を見るには、その包袋を全部現在でも見ておるわけでございます。ですから、いわゆる磁気テープにのせますのは、あと先生のところへお回ししますが、ここに記載されております——定型化された記録といいますか、だけが載るわけでございます。だから、ただいま先生の御指摘のような意匠の図面というようなものは、それはこの磁気テープにはのせないのでございます。
  62. 藤田進

    藤田進君 よくわかりました。そうすると、実用新案なり新案特許といったようなものの内容は、図面その他説明があるから、これは従来どおり出願者のほうから所要の書類を出させて、それを保存して、原簿に従来載せていたものが、そのままの項目がテープにのっている、こうなる。そののせる場合の作業で、原簿ならば所要欄があって書き落としもないでしょう、比較的そういうふうにできていると思う。テープの場合には、それをチェックすることが必要じゃないだろうか。そのテープ自身が、目で見て落ちているか落ちていないか、記録漏れがわからないので、そのチェックを必要とするのはどこでおやりになるのか。
  63. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) このテープにのせますのについては、従来のいわゆる特許原簿の様式を若干変えて、テープにのせやすいように新しい様式を考えるわけでございます。その様式を見て、いわゆるパンチャーがそれを写すと同じように、タイプアウトするわけでございまして、そのタイプアウトしたものと、いわゆるタイプを打つ前の原簿というものは、全部これはチェックをいたしまして間違いのないものを磁気テープに覚え込ませる、こういうことをいたしますので、これは全部チェックをいたしますので、いわゆる打ち間違いということはないようにいたすつもりでございます。
  64. 藤田進

    藤田進君 そうすると、こういう原簿じゃなくても、その原稿というものをパンチャーに示さなければならぬでしょうから、結局原稿というものは必要になるのでしょうね。そうすると手間が省けるというのが理解できないのです。その辺はどの辺で手間が省けるのか。
  65. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) これは登録のときでもですが、出願のときに出願人が、その特許原簿に載るようなことは一覧表にまず書いて出願をしてまいるわけでございます。その段階で全部、何といいますか、タイプアウトしまして磁気にのせますので、あとはこちらで書き込む事項等は、それが磁気テープに逐次追記されていくわけでございまして、様式は別につくるわけでございます。それは、初めは出願人が書いてまいりますので、役所の手間は著しく省けるわけでございます。現在も同じように書いてまいりますが、それをそのまま原簿に引き写しているわけでございます。だから、出願人が書いてきたものが——様式に従って書いてもらっておりますので、それをチェックしながらパンチングをして磁気テープに覚え込ませる、こういうことになるわけでございまして、役所のいわゆるそういうものに引き写す手間とかというものは、全然ないわけでございます。
  66. 藤田進

    藤田進君 これはテープコーダーでもぼくらよく間違ったりして、記録をとっていたやつは目に見えないし、記録が録音されているかどうか、テープコーダーの場合わからないわけです。そこで裏表かけたり——あれは何回でもかけられる、かければいままでの録音は消えてしまう。それもそういう性質のものらしい。そうすると保存なり、そういう系統をよほどはっきりしないと消えたり重複して——重複するということは、前のが消えるかもしれませんね。テープコーダーはそうですが、そういうおそれはどういうことで防止いたしますか。
  67. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) ただいま先生の御指摘のような、いわゆる機械の操作の三人で既存の記録が消えるというようなことにつきましては、これはわれわれのほうとしても十分に研究をいたしまして、現在の機械操作の技術では、そういう事故が起きることはないという確信を得ているわけでございます。
  68. 藤田進

    藤田進君 これは機械操作といっても、人間がやることなんですがね、この技術者というのは、養成は七月までということになれば、かなりの熟練した人たちを養成しなければならないでしょうが、あれですか、七月ごろまでに実用化できるという体制はもうあらかじめつくっておられるわけですか。
  69. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) 電子計算機にのせるにつきまして、いわゆるのせる前の段階のパンチングをするパンチャー、これはパンチング・マシンが三十三台入るわけでございまして、このパンチング・マシンにつきましては、現在所要人員を採用いたしまして訓練をいたしておりまして、これが七月からパンチングをいたしまして、そして電子計算機の本体を動かすのは十二月からでございます。これにつきましては、オペレーターを現在すでに採用いたしまして訓練を受けさせておりまして、今年の十二月までには十分練達の度を加えて、十二月以降のオペレーションには差しつかえない、こういうふうな段取りにいたしております。
  70. 藤田進

    藤田進君 三十九年度が三千五百万余、これは電子計算機システム予算で、以下カード等があるわけで、平年度八千五百万余、これはとりあえず、電子計算機磁気テープ装置八台として、これがワンセットになったものを一つ入れるということなのですか。それとも磁気テープ八台、資料を出しておられるが、それぞれ同じものを八台づつ、八台で一連の作業ができると解してよろしいのですか。
  71. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) 磁気テープの操作機八台と本体が一台入るわけでございます。
  72. 藤田進

    藤田進君 そこで、これは借用される、賃借をされるということなのですが、現在国産でやろうとしておられるようですけれども、これは賃借を平年度八千五百万というものはどういうことでおきめになっておりますか。メーカーは、今度日立でしたか、何か言っておられたのですが、機械の優秀性、あるいはまた単価、いわゆる賃借のそういうものについての予算計上までに至る折衝なり、といったものは、どういうことでこれはおきめになっておりますか。
  73. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) 御承知のように、現在日本でも電子計算機の本体をつくる有力な会社がたくさんございます。私らのほうが現在日立ハイタック三〇一〇というのを採用するに至りましたのは、現在の日本の主要メーカー全部と外国のIBM、それからレミントンランドの二社を比べまして、特許庁事務と、それから今度乗せようとしている計画について説明をいたしまして、それに向こうのアンサーをとったわけでございます。われわれのほうの特許庁の要望にこたえ得るというのは、日立ハイタック三〇一〇、それからIBMと、三社が最終的に残ったわけでございます。初めは、日本の日立はIBMに比べまして相当高かったのでございますが、その後量産体制等の関係もございまして値下げをいたしまして、現在では、われわれの入手いたします時期には、IBMよりも若干低目でございます。そういう意味で日立ハイタック三〇一〇を採用いたしたわけでございまして、同じような能力が発揮でき、しかも、何といいますか、値段も変らないということになれば、当然官庁といたしましては国産機を愛用すべきであるというように考えましたので、これを採用いたしたわけでございます。
  74. 藤田進

    藤田進君 この機械の性能は、いま特許庁で予想される事務量等から見て、新規に取りかえるといったような時期は、何年ぐらいでそうなるのですか。
  75. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) 電子計算機は、御承知のように中型以上のもの——中型、大型という電子計算機は、これは御承知のように、アメリカのIBMが一番パイオニアでございまして、本体を売るということはよほどの場合でなければない。いわゆるユーザーとレンタル契約でやっているというのがIBMの使用普及方法でございまして、日本でも多分にその方式を取り入れているところが多いわけでございます。いわゆるレンタルでやりますと、その後機械を逐次インプルーブいたしました場合に、それに逐次取りかえていくという意味もございまして、IBMの電子計算機というものは、いわゆるレンタル方式、こういうことになっておりますので、その後、現在われわれが入れます三〇一〇よりもより進歩いたしますれば、逐次それに置きかえていく、こういうことに相なろうかと考えております。現在のところ、それがいつになるかということはわれわれ予定いたしておりません。
  76. 藤田進

    藤田進君 この間大蔵省の所得税の減税計算というものが間違っておりましてね、たいへんなことでして、そこで大蔵大臣の答弁では、電子計算機の間違いだったと、こうおっしゃったわけでございます。あれはパンチャーの打ち間違いじゃなかったかと思っておったんですが、ああいう間違いがあるとたいへんだと思うんですね。機械が老朽化してきてそうなったものかどうか、御検討になりましたか。
  77. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) 大蔵省の場合は私知りませんが、電子計算機自体が、本体が計算を間違えるということは、万が一つにも私はないと思います。故障しておれば動かないわけでございますから。それではなくて、ただいま御指摘のように、それに覚え込ませる、いわゆる入録といいますか、パンチャーの段階あるいはその指令の出し方が間違ったということであろうかと、私は考えております。
  78. 藤田進

    藤田進君 結局この審判官を漸次ふやしてこられるといいますが、私ども、特許庁の実務状況の調査に数年前にも参りました。そのときに、非常に審判官並びに事務職員の人たちが苦労している。しかも憂うつな、暗いところで、あれでは目も悪くなるだろうと思ってきたわけですが、これに加えて待遇関係についても、いわゆる一般公務員といったような形で、そういったことで特許庁としては人材をなかなか集めにくいという傾向があるんじゃないだろうか。いまそういった件数も多いし、能率世界一あげて、アメリカの六倍近くもやっているにもかかわらず、事務量の消化が思わしくないという、いわば窮余の策としてこんなところに落ちついたのじゃないだろうかというふうに思われてなりません。  そこで、大臣にお伺いいたしますが、通産大臣としては、非常に範囲が広いので、すみずみまでとやかく申し上げてもむずかしいと思うんですが、私は、もっと職場の環境の整備というか、採光なり、あるいはまた職員の待遇などについても特段の考慮を払われないと、これは機械化ができて、電子計算機万能と考えられると、少し問題があると思うんです。まあ、年々ふやしてきておられますけれでも、他の諸官庁の現業等に比べてみると、その定員の増加等についても遅々たるものです。一方非常に事務量はふえてきているわけですね、もう少しこの際、電子計算機を入れるという事態を迎えようとされるわけで、これはひとつ通産大臣の大きな施策の一つとしてお取り上げになる必要があると思うんです。戦後建物自体も、官庁の建物は、何というか、いなかっぽいものですけれども、それにしても、通産省の本省も自衛隊のあとに行かれたように、だんだんと近代建築というか、高橋是清さんの胸像が、あそこへ行ってみますと、まことに古色蒼然たるものです。それを誇りとしておられますね、特許庁の偉い人は。いろいろ陳列されまして、昔のものを、誇りは誇りとして、健康上、事務能率上、あるいは人材上、私は問題があるように思うのです。人事の交流などということも行なわれないでしょうし、思いやりのあるひとつ通産行政の一環としてお考えになる必要があるのじゃないかと思うのですが、当面出されている限りでは、予算上あるいは、その他の運営上お困りになるかもしれませんが、近い将来の方針としては、十分検討いただきたいと思うのですが、ひとつ御所見を伺っておきたいと思います。
  79. 福田一

    ○国務大臣(福田一君) お説のとおりでございまして、今日の特許庁事務の運営の状態等を見ておりますというと、ただ機械化をしたとかというような、一部の機械化が行なわれたとかというようなことで、飛躍的な能率の改善ということはなかなかむずかしいと思われるわけであります。特に庁舎その他につきましては、環境あるいはまた人員の密度、あるいは事務の配分関係の室の配置等々見てみましても、非常に不便が多いわけでありまして、われわれといたしましては、可及的すみやかに新しい庁舎をつくりまして、そうして新しい、いわゆる時代に即した特許行政の運営をはかっていきたいということを考えておるわけであります。ただいま藤田委員の仰せになりました御趣旨に沿って今後とも善処いたしてまいりたいと考えておるのでございます。
  80. 藤田進

    藤田進君 長官にお伺いしますが、国際関係の事情があって、十一、二カ月ぐらいは、申請してその申請者に対して、出願のとおりそれを認めるかどうかということについての最終的判断は下らないと聞いておるのです。だとすれば、かりに事務能率を画期的にあげても、期間の短縮ということは現状ではむずかしいのですか。世界の動向として、各国ともスピード時代における特許事務としてもっとこれらをスピードアップして期間を短縮するとかという動きはありませんか。
  81. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) 特許出願件数が、まあ日本は格段に飛躍的に増加をいたしておりますが、世界先進国も逐次、なだらかな線でございますが、増加をいたしておりますと同時に、出願内容が、技術革新を反映しまして、非常に高度、複雑になってまいっておりますので、世界各国とも出願事務処理というのがおくれておるのが現状でございまして、現在日本は、特許の案件につきまして、特許実用新案につきましては、現在の滞貨だけで三年分持っております。アメリカあたりでも、先般私向こうの人に承ったのですが、大体出願から審査終了までに三年ないし五年かかるということをいわれておる。これはまあ日本と大同小異でございますが、こういう技術革新の非常に目まぐるしいときに、特許のいわゆる公開というのがそんなにおくれては問題にならないわけでございまして、われわれとしましては、現在の滞貨を処理しまして、出願からいわゆる特許権の設定まで、大体二年以内にしたいというのがわれわれの理想で、それを目標にやっておるわけです。  ただいま先生の御指摘のような外国出願の問題でございますが、外国出願が現在特実関係では二五%、外国人から日本への特許出願でございます。これは出願をいたしましたときに、いわゆる優先権主張というのができるわけでございまして、これはいわゆる第一国に、たとえばアメリカ人でありますと、アメリカ特許庁出願して、何といいますか、特許設定になって、それから日本出願を、その後おくれてきましても、一年以内は、第一国の出願特許設定日にさかのぼって効果が発生することになっております。そういう意味で、何といいますか、優先権主張の問題はございますが、それがあるかないかを待って審査ということではございませんで、審査をして、日本人なら日本人の特許設定をいたしました場合に、その後一年以内にかりに外国からの出願がございまして、われわれがそれを不知で認めたという場合には、いわゆる日本特許庁が設定いたしました特許権に対して、相手方が無効審判をやってまいるわけでございます。だから、それを待って審査をするということではございません。
  82. 藤田進

    藤田進君 最近、特に外国からの特許、いわゆる工業所有権等の出願が目に見えてふえておりますね。昭和二十八年あたりから見ると四%近くもふえている、これはどういうわけなのか。特に日本はロイアルティーを払って、私の調査では二十対一ぐらい、外国から二十入れて日本が出しているのは一だといったような割合に現状はなっているわけです。これ自体は特許事務なり、その運営といったようなものにかなり影響があるのではないだろうかという点も考えられるわけです。こういう点については、どういう御見解ですか。
  83. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) 先生の御指摘のように、特許外国人の出願の案件が逐年ふえてまいっておりまして、現在、先ほど申しましたように、特許・実用新案の一番問題になります案件に対して、約二五%近い出願があるわけでございます。これをいわゆる審査審判官の実際のロードから参りますと、五〇%以上のロードになっております。で、これは御承知と思いますが、日本特許庁に対しては、日本語で出願をするわけでございまして、向こうのいわゆる優先主張の切れる範囲内に、非常にあわてて翻訳してまいりますので、いわゆる相手方の出願を解読するには、非常に時間がかかるわけでございまして、現在いわゆる審査官のロードの五割以上、六割くらいまでは外国人の特許案件の審査に要しておるわけでございます。そういう意味で、いわゆる翻訳の適正化とか、いろいろの点につきましても、われわれは、弁理士その他を督励いたしておりますが、逐次改良はされておりますが、現在非常にまだ読みにくい、何が出願されておるのかわからないというようなのが非常に多いわけでございまして、その点は非常にわれわれのほうとしては参っておるわけでございます。
  84. 藤田進

    藤田進君 それにもかかわらず、国内の出願に対しては、約四割八分程度の割合で合格している、外国特許については六八%、六割八分という高率になっておる。これは日本の技術水準が低い、開発能力が低いということなのか。実務を担当された中におけるあなた方の主観的な判断はいかがなものですか。
  85. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) 外国人の特許出願日本人の特許出願で、いうところの公告率、出願特許権の設定になるものの比率が違っておりまして、日本人の出願のほうが、ただいま先生の御指摘のような大体五割程度アメリカ、あるいは西独その他外国からの出願の公告率は六五%以上になっております。これは外国人が特許出願をいたします場合には、必ずと言っていいくらい、少なくともその国、ドイツなりアメリカ審査をされて合格したのが入ってくるわけで、日本の場合は、日本が初めてやる、日本人の特許出願に対しましては、日本人が初めてやるわけでございまして、いわゆる初手の試験でございますし、外国人の出願は、少なくとも当該諸国で合格したのが日本特許庁出願してまいるということで、いわゆる合格率と申しますか、その点は多少外国人のほうが高いということは言い得ると思います。と同時に、先生指摘のように、現在日本の戦後における技術のブランクがございまして、まさに外国人の技術援助といいますか、特許料の支払いは、三十八年度で一億三千万ドルで、日本が技術輸出をいたしましたのが約五百万ドルでございまして、先生の御指摘のように、五%ぐらいの比率になっております。そういう意味で、日本のいわゆる技術がややおくれておったということは言えると思いますが、最近は、日本人の特許出願の技術内容も非常に進歩してまいりまして、むずかしい複雑なのが入ってまいっておるのが現状でございます。
  86. 藤田進

    藤田進君 それから別表によりますと、百八十六条の規定によって特許原簿磁気テープの場合には、八十円の、これは一件についての手数料ですね。この八十円の算出の基礎は、原価計算ですか。
  87. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) 従来、謄本を閲覧だけをいたしまして、いわゆる謄本をとっていかない場合には、四十円を特許庁はいただいておるわけでございます。で、その原簿を、謄本作成をいたします場合、要求されます場合には、いわゆる謄本一枚について、八十円が法律できまっております。大体いわゆる原簿の閲覧だけというケースは非常に少のうございまして、閲覧して、必ず謄本をとって帰るということでございます。そうすると、まあ一枚だけの場合で百二十円でございます。今度磁気テープでやるということは、結局閲覧という行為がなくなって、すぐ謄本にかわる書類がもらえるわけでございまして、その意味で、従来一枚について八十円を、今度一件について八十円、むしろ利用者の負担を軽減するということになろうかと考えております。そういう意味で八十円ときめたわけでございますが、同時に、一件八十円いただければ、われわれのほうは、原価計算的にも現在はペイをするというように考えております。
  88. 藤田進

    藤田進君 そうすると、これは物価その他社会経済事情の大きな変わりのない限り、この八十円というものは固定化していけるということになりますか。
  89. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) そういうふうに考えております。
  90. 藤田進

    藤田進君 そこで、賃借されて、こういうシステムに置きかえるということになった場合に、将来人員の補充、これはまああるとしても、新規に定員増といったようなこと、いわんや現在の人員を削減するというようなこと、つまり増減を含めてどういう将来に影響があるのか、この点についてお伺いいたします。
  91. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) 出願登録事務機械化いたしますので、従来封筒書きをやっておったとか、あるいは書類の輸送をやっておったというような全く機械的な——機械的といいますか、肉体的な労働をやっていたのが要らなくなるわけでございますが、それに伴いましていわゆるパンチャーだとか、あるいはオペレーターだとか、あるいはプログラミング、これを織り込ませる様式を研究をするものだとかいうのが逐次ふえてまいる、その点で現在の仕事をやっている者の仕事の内容が変わる、あるいは配置転換というようなことをわれわれとしては考えております。審査審判官につきまして、審査審判官が実際に審査審判を行ないます場合のデータの収集だとか、その下請だとか、いろいろなことで審査審判官をわずらわさない方法を考えるという意味で、いわゆる事務補助職員等は逐次ふやす必要がございますので、この機械化によりまして人員の整理が行なわれるということは全然考えておりません。むしろ特許庁といたしましては、今後とも機械化する場合に比しますれば、多少事務職員増員の幅は少ないのですが、やはりそれ相応の増員は必要でございます。
  92. 藤田進

    藤田進君 三十九年度で百十名、これはその中に審査官が七十名、審判官が六名を含むわけですが、この三十九年度の増員をもって、オペレーター、パンチャーといったようなものも含めて解決ができるという予定でございますか。
  93. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) 機械関係に、ただいま御指摘の百十名の中に、大体パンチャーとオペレーターで二十三名ほど入っております。この七月からパンチング、それから十二月から機械本体を動かすというのについては、現在のところそれで行き得る、こういうふうに考えております。
  94. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  95. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 速記をつけて。
  96. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 長官の説明を聞いておりますと、いままでの答弁の中からうかがえるのですが、いままで出願をしてから三年ぐらいかかっている、これを二年ぐらいにしたいという答弁が先ほどあったわけですが、日本の国は特許出願に対して審査主義をとっているわけですね。そうすると、審査主義のせいでこうなっているんじゃないか。特許出願して、それを書類の上で一応審査をしてくる、方式の審査ですか、それからだんだんと内容審査に移って、これが実際に公知公用されているかどうかのところまで見てから、差しつかえないとわかったら公表をして特許になってくる、こういうような特許のやり方をやっているわけでありますけれども、まあ、ほかの国では審査をやらない、いわゆる無審査出願のまま、そのまま受け付ける。受け付けてそれを公表してしまう。異議申し立てがあったならば初めて調べてみて、まずければ取りやめる、こういうようなやり方をとっているところがあるわけです。審査官が足りない、審査が思うようにいかない、やむを得ず今回はこういうように電子計算機の導入ということになるわけでありますけれども、むしろ根本的に一ぺん考え直してみるという必要があるんじゃないか。あるいは無審査にしたならばかえっていろいろ異議申し立てや何かのようなことがあるので、そのために時間がかかり過ぎるということであれば、これまた別問題でありますけれども、その点について何か、少しずつでも、全部が全部というわけにはいかないけれども、無審査主義というものもある程度いいのじゃないか。その点どうですか、研究なさっていませんか。
  97. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) ただいま先生の御指摘の点は、工業所有権制度の根本にさわる問題でございまして、現在工業所有権制度改正審議会というのを再開いたしまして、先生が御指摘のような問題について検討を加えております。ただいま御指摘のいわゆる無審査主義は、現在全般的にやっておりますのは、フランスだけでございます。アメリカドイツ、イギリスという先進国は、全部日本と同じ審査主義をやっております。ただドイツにつきましては、日本と何といいますか、違いますのは、日本には実用新案制度というのがあるわけでございます。実用新案制度を世界でとっております国は、日本ドイツとイタリア、スペインぐらいでございまして、このうちドイツでも実用新案制度については、先生指摘のような無審査主義をやっておるわけです。特許については審査主義、実用新案については無審査主義をいたしておるわけであります。われわれのほうでも、制度審議会で一生懸命になって議論をいたしておりますが、現在のところ実用新案制度も審査主義にしたらどうかという意見も非常に強く出ております。ただこれに対しましては、先生もいま御指摘のように、あとの異議申し立て、無効審判というのが非常に飛躍的に逆にふえてまいるわけであります。そういたしますと、特許庁審判事務と同時に、その最終的な係争は、現在の特許法では、特許庁審判についての異議申し立ては、東京高裁が専管高裁でございまして、東京高裁の判事連中には、どこでためても同じことだと、裁判所にそんなにわんさと押し込まれてはたいへんだという議論もございまして、現在、慎重に検討をいたしておる段階でございます。
  98. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 長官のお話、よくわかるのですけれども、そうすると、これはいずれ答申みたいなのが出てくるわけですね。そのときに、無審査の問題が、たとえば飲食物関係特許については無審査にしたらいいだろうとか、あるいは医薬品関係についてはやったらいいじゃないかということになるかわからない。そういう部分的にも無審査にしたほうがいいと、一々こまかく審査しなくても、医薬の問題ということになれば、製造方法ですから、そんなにぶつかる問題でもないだろう、あるいは、いろいろ化合の問題、化学的な問題ということになれば、そううるさくしないでも済むのじゃないかというものもあります。しかし機械的なものになるというと、これはかなり異議申し立ての部分もあると思います。そういうようなふうに部分的にも、もし、そういうような事態になったときは、考えて無審査をとると、そういう方向は、長官としての意向は、どうなんですか。審査主義をずっとやるかどうか。
  99. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) いろいろ研究をいたしておりますが、現在の出願の増勢、それから処理能力の増勢との間のギャップは、なかなか埋めることができませんので、どうしても、やはり制度審議会のほうでも、先生の御指摘のような根本的な問題にさわった答申を出さざるを得ない状況にあるのじゃないか、その場合に、いわゆる実用新案全部について無審査制度をとるのか、鈴木先生のおっしゃるように、ある部門は無審査にするのかということになると、現在のところ、われわれとしてはわかりませんが、制度審議会でそういう結論が出ますれば、その方向に従って、法改正なり何なりをいたしまして、処理迅速化をはかってまいりたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  100. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 これは長官に、少しはずれるかもしれませんけれども、わが国の特許の期限、存続期間というのは十五年です。ところが、ほかの国に比べてみますと、イギリスなんかは十六年であるとか、フランスあたりは二十年であるとか、長いわけです。どうしてわが国だけ十五年というふうに短く詰まってきたのですか。
  101. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) 特許のいわゆる権利の存続期間は、ただいま御指摘のように、各国、多少の相違がございます。これにつきましては、この前の、三十五年に、いわゆる現在の新法に移ったわけでございますが、その前、数年間にわたりまして、改正審議会でいろいろ検討を加えられた結果、日本の技術の、何といいますか、革新の状況から、十五年が適当であろうということから、その点は十五年になっているわけです。たとえば日本の場合は、特許のいわゆる権利の存続期間だけは違いまして、実用新案は十年になっておりますが、ドイツはそれが六年になり三年になるというふうに、非常に短い期間にいたしておりまして、各国、それぞれ発明に対する保護についての期間については、いろいろ議論がございます。現在は、御指摘のように、各国と違いまして、十五年になっておるわけでございます。
  102. 鈴木一弘

    ○鈴木一弘君 あと電子計算機の導入でかなり磁気テープを使うことで変わってくると思いますけれども、そうすると、この機会に、たとえば現在、特許にならない発明というのがあるわけですね。発明をしても特許にならないと、言いかえれば、食べものであるとか、あるいは医薬の調合の方法であるとか、こういうのは、特許にならないわけです。そのほか、原子核分裂の問題とか、分解に対して、特許のワクをこういうように磁気テープを使うということになりますと、いままでの方式だけの発明ということでなくて、ものそれ自体の発明に対しても許可を与えていく、特許を与えていく、こういうことを考えていいんじゃないか、こういうようにも一面考えられるわけです。いままでは処理能力がないからということも一つの原因だろうと思いますけれども、これだけの文化が進んでまいりますと、むしろ医薬の調合などについては、はっきりしたものをしたほうがいい場合も出てくるだろうと思うわけです。この点についてのお考えはどうですか、特許をふやしていくか。
  103. 佐橋滋

    政府委員佐橋滋君) 鈴木先生の御指摘は、いわゆる化学関係に多い物質特許だと思います。物質特許というのは、先進国でこれを認めている例がございます。この前の改正のときも、物質特許を認むべきかどうかということにつきましては、非常にいろいろ議論がございまして、民間のアンケート調査もやった結果、先般の大改正では、物質特許は認めないということになったわけでございます。これは日本のいわゆる技術の進歩の度合いがおくれております場合に、物質特許を認めますと、たとえばポリプロピレンという物質が日本特許される、言ってみれば、富士山の頂上に登るのに富士山の頂上自身を押えられてしまう。ポリプロピレンの製造方法の特許の場合には、吉田口から登るものも認めれば、あるいは静岡方面から登るのもよろしいということで、いわゆる日本の技術の進歩の度合いから見ますと、当時は物質特許を認めるべきではなかったと、私は改正の方向は正しかったと思いますが、現在程度まで進んでまいりますと、必ずしも物質特許を認めることが悪いということはむしろないのではないかということも考えられますので、この点につきましては、改正審議会で議論の対象にいたした上で結論を得次第善処をいたしたいと考えておるわけでございます。
  104. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  105. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 御異議ないと認めます。  それではこれより討論に入ります。  御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
  106. 藤田進

    藤田進君 私は、日本社会党を代表いたしまして、次の理由で賛成をいたします。  全体の、国の今後の機械化といったようなことの全貌が明らかでありません税務事務なり、先ほど来指摘した諸般の面で、この社会通念上の原簿という考え方が、立法上もどういう変化をたどっていくかという問題もあります。そこで、これを一つのテストケースとして、いろいろ伺った限りでは、確信もあるようだしいたしますので、十分その運営管理についても過誤のないように能率をあげるということ、また、あわせては、この機械を入れたということで職場の状態が不明朗にならないように、承れば、配置転換あるいは人員の減ということではなくて、むしろ長い目で見れば、増員の傾向はやむを得ないという状況のようでもありますので、これが成果については期待しながら、私どもは十分の監視をいたしたいと思います。  以上をもって賛成の理由を表明いたしました。
  107. 赤間文三

    ○赤間文三君 特許法等の一部を改正する法律案は、能率増進の上からしごく適当な法案と思っております。  自由民主党を代表して賛成をいたします。
  108. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  109. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 御異議ないと認めます。  それではこれより採決に入ります。  特許法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  110. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  111. 前田久吉

    委員長前田久吉君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後零時三十一分散会