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国務大臣(
福田一君) 科学技術庁の
所管で、実は私もはなはだ申しわけないのですが、そのほうの事情は明らかにいたしておりません。
それからいま
仰せになりましたアジ研とそれからジェトロの
関係でありますが、これはやはりいささか、いままで
局長が
説明をいたしておりますが、実際の商売と直接
関係のある
仕事のほうに
重点をおかれておる、ジェトロのほうは。このアジ研のほうはもう一歩進んだ基礎的な問題を
調査するというところに
重点がおかれておるのでありまして、これは戦後において、日本の政治経済の問題で、あらゆる面において基礎
調査が非常に少ない。日本という国はどうもその場その場のあれでやっておる傾向があるが、どうしてももっと基礎的に深く掘り下げた
研究をして、そうしてやっていかなければ、
ほんとうの政治も経済もうまくいかないじゃないかというようなところから基礎的な問題を特に取り上げてやろうという目的でこのアジ研ができておる、かように私は了解をいたしておるのであります。ただそれではその基礎的なことは学問に連なるのかということになりますと、もちろん学問にも連なりますが、実際問題として、たとえば
仰せのように本をいろいろ出しています。しかし、フィリピンなどを例にとり、あるいはインドネシア等を例にとってみましても、たとえばフィリピンの本を出しておりますが、「フィリピンおよび北ボルネオの木材資源」、こういうことについて
一つの
テーマを与えて、これが
一つの
出版物になっております。それから「フィリピンの金融と資本形成」、こういうようなことで
一つの
テーマが与えられて本になっております。それから「フィリピンの経済開発と国際収支」、これも
一つの
テーマだと思います。それから「フィリピンの
労働事情」「フィリピンの経済開発」あるいは「フィリピンの土地
制度と小作立法の展開」、それから「フィリピンの経済構造と労働構造」、こういうふうに、こういうものはもちろんほかにもないとは言いませんが、やはり現段階においていろいろな問題を、いろいろ総合した上でのこういう問題を
一つ一つ取り上げて勉強をし、それを
一つの本にまとめておる、これは直接には経済のいわゆる経済協力とか、あるいは
貿易自体については影響はないというふうにも
考え得るのでありますけれども、実際に会社が
仕事でもしようとするときには、必ず
調査部とか、
企画部とかというところがあって、
調査部や
企画部でもあらゆる
方面から
資料を集めて、その
資料を集めた上で、それでは向こうに出て行って
仕事をしようとか、あるいは
仕事をする場合に何を注意してやろうかということを
資料によって勉強すると同時に、人によっては勉強する、こういうやり方をいたしておると私は承知しておるのでありますが、そういう
意味で、やはりアジ研はアジ研なりに
一つの
仕事をする存在、
アジア経済研究所というものが
一つの
意味を持ち、また効果的な
仕事をしていてくれるというふうに私は承知いたしておるわけでございます。