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説明員(倉八正君) いま
近藤先生、
赤間先生の両
先生から、非常に適切な御
指摘がありましたが、非常に問題が大きいのでありまして、いま私がここで
通産省全体の施策がどうなっておるかということは申し上げられませんが、主として
爆発物あるいは
可燃性のものについての
考え方をアウトラインだけ申し上げさしていただきたい。
近藤先生の御
指摘のように、
過密地帯にすでになってしまったものと、いまから新設する
工場の
レイアウトに伴う
災害というものは、私は分けて
考えるべきではないかと思います。と申しまするのは、すでに
既存地帯にある
工場というのは、必要によっては大きく人煙希薄なところに移転させるという根本問題ももちろんありますが、
既存地帯の
保安の第一は二つあろうと思います。
一つは、
施設をもう少し近代化して、
安全操業をやらせる設備を入れるというのが
一つでございまして、
火薬なんかについては、すでにそれを始めております。それから
高圧ガスについても、すでに最近の
合成塔なりあるいは計器については、それをすでに取り入れております。そういう
施設の面が
一つと、もう
一つは
災害防止自体の障壁と申しますか、防壁と申しますか、そういうものを取り扱わせておりまして、従来はたとえば二十センチの壁でよかったのが、いまは六十何センチの壁につくれ、それから中に薄い鉄筋を入れろとか、こうしまして、できるだけ
災害が起きましても、それが
第三者被害がきわめて少いようにするとか、こういうふうないろいろの
指導をしておる次第でございます。
それから第二の問題としまして、新設の場合にどうするかというのが、今後の
一つの
国土計画として私はきわめて重要だと思います。それで外国の例を、これは非常に参考になると思いますが、見ておりますと、
指定工場ができますと、そこの何百メートルには近寄ってはいけないという
法律を持っている国があります。ところが、
日本ではそうではなくて、たとえばいまきわめて人口の少ない、いわゆる一軒家というぐらいのところに
工場を立てたら、二年ぐらいすれば周囲が全部町になってしまいまして、
災害の危険がきわめて大きくなると、こういうことがありまして、たとえばそういう思い切った
法律も、
考えとしてはあり得るのじゃないかということと、それからさっきもちょっと触れましたように、新しく
工場をやる場合には、いま新
産業都市とか
工業整備地域とかを指定されておりますが、そのところには、はっきり三つの
地域を分けてきめることが必要じゃなかろうかと思います。
一つは
工場地帯、
一つは
住宅、
一つは
ビジネス・
センターをきめまして、お互いにそこに踏み入らないでやる、こういういわゆる大きい
意味の
レイアウトというのが必要ではなかろうかということで、これはさっきも触れましたように、主として
企業局を
中心として
考えております。
それから
赤間先生の御
指摘になりました、たとえば
東京、
大阪に
災害が起きたら、どういう
指揮系統でこれの緊急の措置ができるかということにつきましては、これはいま総理府の
防災会議で今後の大きい問題として取り上げられることになっておりますが、いわゆる
産業と
保安というものを離すべきではないという御
指摘には全く
同感でございまして、
保安がなければ
生産ができない、
生産を上げるためにはちゃんとした
保安が必要だ、こういう
意味におきまして、われわれとしましては
産業をたとえば認可する、あるいは
産業に対して資金をつけてやるというときにも必ずそういう面から
指導している次第でございまして、今後この問題につきましては、省内としましても
一つの大きい問題としていま検討している次第でございます。