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杉山善太郎君 大体方向づけと、そして今後の取り組みのかまえについては、いま基準
局長からおおむね承ったわけでありますけれ
ども、私思いまするに、港湾に働く立場の労働瀞の側に立ってみますというと、とにかくこういう港湾労働安全衛生会議ができまして、そして今後この
法律がいずれ紆余曲折はあっても日の目をみて、
ストライキをするような場合において、港湾
産業関係の労働は指定業種であるというような形になっていくとは思いますけれ
ども、それ以前の問題として、現行法そのものについて完全に
実施をして、十分点検あるいは地ならし工作をやってもらわないと、たとえば現行港湾
関係の法規と申しましては、やはりどうしても労働基準法であるとか、職業安定法であるとか、港湾
事業法であるとか、労働組合法であるとか、こういったようなものが完全
実施の方向で地ならし工作をされないというと、どんないい
法律ができても、どうしても根っこからくずれていくと思うのです。今日これは具体的な例は申し上げませんけれ
ども、六大港にいたしましても、それに準ずる十大港にいたしましても、労働基準法を厳にやっていただけば、いま港は、申し上げるまでもなく、海のとびらでありまして、文明の一つの窓口でありますけれ
ども、これほど封建性の深い
就業の状態が、やはり時間外労働の問題にいたしましても賃金の問題にいたしましても、非常に矛盾を包蔵している。そこで、非常に労働基準法にあるものを克明な形ではかっていただくならば、完全
実施をする、それには
予算上要員の不足であるというようなことが結局連鎖反応として出てくると思いますけれ
ども、さらに港湾労働
事業法の関連において、非常に多くの
事業者が雨後のタケノコのごとくでき、
企業の体質として、常用工を持っていないで臨時工的なもの、手持ち常用工も持っていないで未熟な臨時工でやる、これもやはり港湾
事業法で申請すればすぐ認可をしてしまうというような、ある
法律を完全
実施をするというようなことが、まだ完全
実施の地ならし工作が済んでいないということにも通ずると思うのです。それから、職業安定法についても、非常に門前募集であるとか何とかいうことが非常に多い。それから手配師であるとか、いろんなものが横行しているというような事実があります。それから、労働法にいたしましても、港湾の労働組合については、労働組合はまっこうから否定はいたしませんけれ
ども、すぐ一つある組合というものを新会社をつくって二つにする、そういうような形でありますけれ
ども、あるものを十分完全
実施をしてもらうという手だてをしてもらわないと、こういう
法律が次から次へとできることはいいのでありますけれ
ども、いいものをつくるということにお互いが
努力をすることは惜しみませんけれ
ども、あるものを、ある限りにおいては完全
実施をするという方向に港湾の場合には特に目を向けてもらわないと、浮き彫りにしてこの
産業災害の
減少を目的とするこの問題を意図いたしましても、これらのからみ合っている
法律を完全
実施をしてもらわないと、しり抜けになってしまうというふうに考えるのでありまして、この
機会ではだめであったのでありますけれ
ども、次の
機会には、いわゆる港湾労働
審議会の
答申によって港湾労働法ができれば、それは一つの防波堤にも網にもなると思いますけれ
ども、きょうはこういう意見めいた今後の質問の前段を申し上げておいてやめますが、その辺のところをひとつ
大臣から、何か今後の所信についても、一応お聞かせいただきたいと思います。