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藤原道子君 一昨年、国際輸血会議が
日本で開かれたときに、
日本ではまだ売血制度をとっておるのかと指摘されて、国際的に恥をかいたはずなんです。いまあなたは、アメリカでも相当残っておるとおっしゃますが、アメリカでは約一〇%売血は残っておるけれども、その売血に対する基準は非常にきびしいものがある。ドイツは終戦後は
日本と同じように売血でございましたけれども、これは非常に弊害が多い。ドイツではこの病気に戻ってくるという
ことばがあるそうでございますね。そういうことで非常な努力で切りかえまして、同じ敗戦国であるドイツでほとんど売血制度はないということを私は資料で
承知いたしました。イギリスでも国の
責任でやっております。あるいはフランス、オランダ、スイス、スエーデン、フィンランド、オーストラリア、ほとんど理想的に運営されておる。売血が残っておるのはアジア・アフリカ地区とかイタリアに残っておる。私、敗戦国であるドイツで、終戦後は
日本と同じ売血であったのが、今日それがもう献血、供血に切りかえられて、売血はあとを断ったということを聞きますときに、
政府が努力すればできるのだということを私は感じております。
日本の場合は、アメリカだって残っておるというけれども、アメリカに残っておるのは一〇%、しかも、売血の基準がきびしくて、それは
日本の比ではないのです。アメリカに残っておるから
日本に残ってもいいというわけにはまいりません。
それから、この問題は長い懸案でございましたのに、ことしの三十九年度分の五台を含めて全国で二十二台、あまりに
政府の
施策は貧弱だと思う。しかも、私はここに容易ならざることを新聞記事で
承知いたしまして、まさかと思って聞きましたら、そのとおりなんです。売血制度は禁止すべきだと数年前から声を大きくして恐怖を訴えたかったのだけれども、
厚生省が、何とかするから不安を起こさないようにしてもらいたい、赤十字は赤十字の道を静かに歩いてくれ、そういうようなことであったから
一般に訴えなかったと村上さんが言っている。輸血も大事です。けれども、入院患者さん
たちが、輸血して手術で病気はなおったけれども、血清肝炎のためにいつなおるかわからない、三カ月も五カ月も六カ月も入院しておる人があるじゃございませんか。にもかかわらず、不安を与えるからといって、PRして危険を訴えることは押えておって、そうして一方においては何らの
措置も講ぜられていない。二口目にはいま予算がと、こう言うのですが、
大臣、幾ら経済が高められても、結局は
国民の健康が失われたら何にもならないじゃないですか。予算にしばられて大事な輸血の問題すら解決ができないということで相済むでございましょうか。
大臣にお
考えを聞きたいと思います。