○林塩君 それで、私は、なぜこういうふうに病院で人が足りなくなるかという原因なんですが、入院料にあると思います。それで、いま申しましたように、病院に人が非常に足りない、巡視の人たちもおそらくいないと思う。それから、それに対して労働条件が非常に悪い、労働条件といいますと、給与が非常に悪い、そのために夜勤をすることをわりあいにみんな好みません。しかたがないので夜勤している。看護婦の問題は、これはもう
業務上しようがないからということになっておりますけれ
ども、夜勤者に対しての手当が十分にできないというようなことから起こってくる問題でないかと思います。それで、こういう病院は診療所と違いまして、やはり診療報酬なんかの査定のときに、病院としての何らかの考慮が必要じゃないかと
考えます。それで、一応入院時基本診療料というのが三百六十円、これがどういうふうに査定されてあるのかわかりませんが、そういうところから人件費がうまく出てこない、それで夜勤者に対する手当もうまくいかない、それから、そこへもってきていろんな雑費もかさむというようなことから、極度に人を減らしているんじゃないかと
考えます。そういうために、夜つとめている看護婦にいろんな状態が
——看護婦と患者へのしわ寄せにおいて病院診療はなされておるといわれるほどの状態になってきているということなんでございます。それで、くどいようでございますけれ
ども、看護婦が夜勤をしている状態でございますが、この病院におきましても、当時三交代ができないために、これは当直制でございます。当直制でございますので、だれも看護婦がいないで、そして患者は捨てておかれたというような状態なんです。で、これだけの人数といたしましたら、三交代はとてもできません。それで寝当直といいますか、寝ていたわけでございます。そこへもってきて
事務所には人がいない、見回っていない。火事が起こったけれ
ども、だれもそれをそこへ行くまで知らなかったというような状態がこの病院では起こっております。それで、これはまあ特別でございますれけ
ども、そうでございませんでも看護婦の数が非常に少ないものですから、夜勤はしょっちゅう回ってくる。この夜勤がたくさん回ってくる状態を見てみますと、おそるべき状態、全般といたしまして。で、ほとんど看護婦が夜勤がいやだ、ほとほといやになった。それで、もう人間性の破壊を来たすような状態だというようなことも訴えております。この病院については、一応いないままに済んでいますから、寝ていたわけです。寝ざるを得ないと思います。そういう状態なんですが、まあ夜勤をしているのはいつも看護婦で、しかも、その夜勤が一カ月に十五日、二十日もあるということなんでございます。で、こういうふうに夜勤をしております看護婦の仕事は、患者を見て回っているというわけで、別に何もしないでいるというわけではございません。六十床に一人しか夜勤看護婦がいないという状態です。よく院長さんなんかに伺ってみますと、夜一体患者さんはどうしているかということを知らない院長さんが多い。それから、病院の
事務の方々も、夜どんなことが起こっているかということも知らない人が多いわけです。知っているのは看護婦ですが、その状態はたいへんな状態でありますので、もうそういう状態ではやり切れないということから看護婦がどんどんやめていくというような状態があるわけなんですが、こういう苦しい夜勤をしていて、そして責任もあるその看護婦の看護
業務に対して病院が非常に理解がないということ、夜勤には夜勤の仕事があるわけでございますけれ
ども、先ほど言いましたように、通牒を出されましたら、それは夜勤をしておる看護婦の責任だから、あちらも見て回れ、こちらも見て回れと、すぐそういうことが病院管理者から言われる、看護婦が集められまして、夜勤看護婦気をつけろ、火事が起こったときに気をつけろと、こういうことが言われる。こういうふうなことで、たいへん病院管理上の私は大きな問題であろうと思います。夜も患者さんはいるのですから、その夜のことを忘れて病院管理がなされていると思うのです。でありますので、入院料がそれに関連しておるとすれば、病院というところの特殊性を
考えられて、そして十分に人が採れますように、そうして病院に勤務する人たちが夜も十分に働けるような人員を採られるというようなことに立って入院料が査定されるべきが当然じゃないかと、こういうふうに思いますのですが、大臣の御見解はいかがでしょう。それから、医務
局長も来られましたので、医務
局長が出されましたこれに対しまして、そういうこと、が起こっているということでありますが、先ほど大臣にも申し上げたのでありますが、予防面に対して何も処置が出ていないということ、ただ消火器の点検だとか、あるいは避難訓練をやっておけと、こういうようなことだけではたして済むことかどうかということなんでございますが、実態を
御存じでしょうか。また、それに対してどう対処されようとなさいますか、それを伺っておきたいと思います。